特許第5753402号(P5753402)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5753402
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】ガス量制御装置
(51)【国際特許分類】
   F23K 5/00 20060101AFI20150702BHJP
   F23N 1/00 20060101ALI20150702BHJP
   F16K 3/32 20060101ALN20150702BHJP
【FI】
   F23K5/00 301C
   F23N1/00 102Z
   !F16K3/32 B
【請求項の数】5
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2011-40442(P2011-40442)
(22)【出願日】2011年2月25日
(65)【公開番号】特開2012-177513(P2012-177513A)
(43)【公開日】2012年9月13日
【審査請求日】2014年1月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清
(74)【代理人】
【識別番号】100155745
【弁理士】
【氏名又は名称】水尻 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100143465
【弁理士】
【氏名又は名称】竹尾 由重
(74)【代理人】
【識別番号】100155756
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 武
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【弁理士】
【氏名又は名称】北出 英敏
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136696
【弁理士】
【氏名又は名称】時岡 恭平
(74)【代理人】
【識別番号】100162248
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 豊
(72)【発明者】
【氏名】北尾 純一
(72)【発明者】
【氏名】安田 明彦
【審査官】 渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−162788(JP,A)
【文献】 特開2006−153141(JP,A)
【文献】 特開昭50−112827(JP,A)
【文献】 特開昭55−166569(JP,A)
【文献】 実開平06−051646(JP,U)
【文献】 特開平10−252903(JP,A)
【文献】 実公昭61−037964(JP,Y2)
【文献】 特開2006−153140(JP,A)
【文献】 特開2000−120888(JP,A)
【文献】 実用新案登録第2560835(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23K 5/00
F23N 1/00
F16K 3/00− 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流量制御板の一面の側にガス通路となるガス量調節用溝を形成し、
前記流量制御板の前記ガス量調節用溝が形成された前記一面側から蓋をする閉子を備え、ガス機器が有するバーナに供給する燃料ガスの量を制御する、ガス機器用のガス量制御装置であって、
燃料ガスとして天然ガスとプロパンガスとが共用可能であり、最大の通過ガス量を、燃料ガスとして天然ガスが用いられる場合の最大火力時における通過ガス量とするとともに、最小の通過ガス量を、燃料ガスとしてプロパンガスが用いられる場合の最小火力時における通過ガス量とし、
火力を最大火力から最小火力にかけて絞り調節する際に、前記閉子が前記流量制御板に対して相対的に所定長さ移動する毎に、前記ガス量調節用溝における前記閉子によって蓋がされる部分の面積が変化して前記ガス通路の通過抵抗が変化して単位時間当たりのガス流量が等比的に減少していく等比絞り調節となるように調節され、
前記蓋がされる部分の面積の増加に応じて前記通過抵抗が連続的に増加することを特徴とするガス機器用のガス量制御装置。
【請求項2】
前記ガス量調節用溝の深さが前記流量制御板の板厚より小さく、前記ガス量調節用溝における前記蓋がされない開渠状態から前記蓋がされた暗渠状態になる部分の長さが変化することで前記ガス通路の通過抵抗が変化することを特徴とする請求項1記載のガス機器用のガス量制御装置。
【請求項3】
前記ガス量調節用溝における前記暗渠状態となる部分の断面積が、前記閉子の相対的な移動方向の変化に伴い段階的に変化することを特徴とする請求項2記載のガス機器用のガス量制御装置。
【請求項4】
前記ガス量調節用溝にガス通過口を具備する堰を複数設け、前記ガス量調節用溝が前記開渠状態から前記暗渠状態になるときに前記暗渠状態になる部分に順次含まれていく前記堰が具備する前記ガス通過口の開口面積を変化させるように構成することを特徴とする請求項2記載のガス機器用のガス量制御装置。
【請求項5】
前記ガス量調節用溝における前記暗渠状態となる部分の断面積が連続的に無段階に変化することを特徴とする請求項2記載のガス機器用のガス量制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス機器に用いられるガス量制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、アクチュエータによって駆動されるスライド閉子の中央に設けたガス通過用の貫通口が、順次流量制御板のガス流量調節部となる穴位置と合わさる部分が変化することで、ガスの流量調節が行われるガス流量制御装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この従来のガスの最小流量は、最小流量制限用の小孔だけがガスの流量制御板のガス流量調節部となる穴位置と合わさることで所望の流量に調節される。
【0004】
一方、当該ガス流量制御装置が搭載されることになるガス機器(例えばガスこんろ)は、当該ガス機器が使用される場所における供給ガスのガス種に応じて、ガスの最小流量が異なるものである。例えば、ガスこんろにおいて、最大火力のときに消費されるガスの単位時間当たりの発熱量、つまり最大火力におけるインプット(最大インプット)が同じであっても、天然ガス(ガス種13A)とプロパンガス(ガス種LPG)とでは、天然ガス(ガス種13A)とプロパンガス(ガス種LPG)の単位体積当たりの発熱量が異なるから、設定されるべき最大インプットにおける単位時間当たりのガス流量が異なる。
【0005】
そのため、こんろ用のガスバーナにガスを噴出するためのバーナノズルに設けられたノズル孔の直径は、天然ガス(ガス種13A)の場合と比べてプロパンガス(ガス種LPG)の方が小さい直径のノズル孔用いられている。
【0006】
また、最小火力のときに消費されるガスの単位時間当たりの発熱量、つまり最小火力におけるインプット(最小インプット)が同じであっても、やはり、天然ガス(ガス種13A)とプロパンガス(ガス種LPG)の単位体積当たりの発熱量が異なるから、天然ガス(ガス種13A)とプロパンガス(ガス種LPG)とでは単位時間当たりのガス流量が異なる。
【0007】
そのため、最小火力となるようにガス量を調節するときのガス量を制限するための最小流量制限用の小孔は、天然ガス(ガス種13A)の場合と比べてプロパンガス(ガス種LPG)の方が小さい直径の小孔とする必要がある。
【0008】
従って、最小火力と最大火力の間の中間火力におけるガス量調節を行う場合にも、ガス流量制御板のガス流量調節部となる穴の穴径は、最大火力付近では、供給ガスが天然ガス(ガス種13A)のときには天然ガス(ガス種13A)用のノズル径のバーナノズルによってガスバーナに供給される単位時間当たりのガス流量に対応した穴径とし、プロパンガス(ガス種LPG)のときにはプロパンガス(ガス種LPG)用のノズル径のノズルによってガスバーナに供給される単位時間当たりのガス流量に対応した穴径とすることが、円滑な火力制御を行うためには好都合である。
【0009】
要するに、従来技術において最小火力から最大火力に亘り火力制御を円滑に行うためには、天然ガス(ガス種13A)とプロパンガス(ガス種LPG)の単位体積当たりの発熱量が異なるから、ガス流量制御板のガス流量調節部となる穴の穴径は、ガス種に応じた穴径を用いる必要がある。
【0010】
そのため、従来技術によるガス流量制御装置を用いたガス機器に供給されるガスがプロパンガス(ガス種LPG)である地域から、供給されるガスが天然ガス(ガス種13A)である地域に転居した場合や、従来技術によるガス流量制御装置を用いたガス機器に供給されるガスがプロパンガス(ガス種LPG)から天然ガス(ガス種13A)に変更された場合には、ガス機器におけるバーナノズルの交換に加えて、ガス流量制御装置におけるガス流量制御板の交換も併せて行う必要がある。
【0011】
その場合一般的に、バーナノズルは容易に行えるものであるが、流量制御板の交換を行うためにはガス流量制御装置の分解を必要とするものであるから、信頼性確保の観点からは流量制御装置全体をプロパンガス(ガス種LPG)用のものから天然ガス(ガス種13A)用のものに交換することになり、大きなコストを要することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2000−171031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、供給されるガス種が変更され、バーナノズルが変更された場合にも、内部に備えたガスの流量制御板の交換の必要がない、幅広い範囲で発熱量が異なる複数のガスで共用できるガス流量制御装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、
流量制御板6の一面の側にガス通路となるガス量調節用溝60を形成し、
前記流量制御板6の前記ガス量調節用溝60が形成された前記一面側から蓋をする閉子(例えばスライド閉子7)を備え、ガス機器が有するバーナに供給する燃料ガスの量を制御する、ガス機器用のガス量制御装置であって、
燃料ガスとして天然ガスとプロパンガスとが共用可能であり、最大の通過ガス量を、燃料ガスとして天然ガスが用いられる場合の最大火力時における通過ガス量とするとともに、最小の通過ガス量を、燃料ガスとしてプロパンガスが用いられる場合の最小火力時における通過ガス量とし、
火力を最大火力から最小火力にかけて絞り調節する際に、前記閉子が前記流量制御板に対して相対的に所定長さ移動する毎に、前記ガス量調節用溝60における前記閉子によって蓋がされる部分の面積が変化して前記ガス通路の通過抵抗が変化して単位時間当たりのガス流量が等比的に減少していく等比絞り調節となるように調節され、
前記ガス量調節用溝60における前記蓋がされる部分の面積の増加に応じて前記ガス通路の通過抵抗が連続的に増加することを特徴とするガス機器用のガス量制御装置である。
【0015】
このような構成とすることで、当該ガス量制御装置が使用されているガス機器に供給されるガス種が変更され、バーナノズルが変更された場合にも、変更前後のガスの流量の増減に応じて、ガス量調節用溝60における蓋がされる部分の面積を変えるだけで適切にガスの流量制御が可能である。したがって、ガス流量制御装置における流量制御板6の交換の必要がないから、低コストでガス種の変更に対応でき、発熱量が異なる複数のガスで共用できる。さらに、ガスが任意の火力に相当する単位時間当たりのガス流量に制御されている状態にあるガス量制御装置において、ガス流量の微調を行うために、閉子を微調寸法Δtrだけずらしたときに微調される単位時間当たりのガス流量の変化量は、プロパンガス(ガス種LPG)に用いられているときも天然ガス(ガス種13A)に用いられているときも同程度の変化量となるから、ガス種変更により火力の微調が同様に行えることになり使い勝手の良いものとなる。
【0016】
また請求項2に係る発明にあっては、前記ガス量調節用溝60の深さが前記流量制御板6の板厚より小さく、前記ガス量調節用溝60における前記蓋がされない開渠状態から前記蓋がされた暗渠状態になる部分の長さが変化することで前記ガス通路の通過抵抗が変化することを特徴とするものである。
【0017】
このような構成とすることで、ガス量調節用溝60の形成による流量制御板6の強度の低下を防ぐことができる。
【0018】
また請求項3に係る発明にあっては、請求項2に係る発明において、前記ガス量調節用溝60における前記暗渠状態となる部分の断面積が、前記閉子の相対的な移動方向の変化に伴い段階的に変化することを特徴とするものである。
【0019】
このような構成とすることで、ガス量調節用溝60における前記暗渠状態となる部分の断面積が同じ状態の部分であっても暗渠状態となる部分の長さの変化に伴い通過抵抗が連続的に変化する構成とすることができ、しかも、ガス量調節用溝60の形成、または、ガス量調節用溝60の形成のために必要な金型などの製作が容易に行える。
【0020】
また請求項4に係る発明にあっては、請求項2に係る発明において、前記ガス量調節用溝60にガス通過口を具備する堰を複数設け、前記ガス量調節用溝60が前記開渠状態から前記暗渠状態になるときに前記暗渠状態になる部分に順次含まれていく前記堰が具備する前記ガス通過口の開口面積を変化させるように構成することを特徴とするものである。
【0021】
このような構成とすることで、ガス通過口の開口面積の変更でガス量調節用溝60の断面積の変更が可能となるから、ガス量制御装置の特性の微調が後加工によって行い易いものとなる。
【0022】
また請求項5に係る発明にあっては、請求項2に係る発明において、前記ガス量調節用溝60における前記暗渠状態となる部分の断面積が連続的に無段階に変化することを特徴とすものである。
【0023】
このような構成とすることで、閉子の移動に伴う単位時間当たりのガス流量の変化が滑らかになり制御性が向上する。
【発明の効果】
【0026】
本発明のガス流量制御装置においては、供給されるガス種が変更され、バーナノズルが変更された場合にも、内部に備えたガスの流量制御板の交換の必要がなく、幅広い範囲で発熱量が異なる複数のガスで共用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施例のガス流量制御装置を用いたグリル付きガスこんろの外観斜視図である。
図2】同上のグリル付きガスこんろの天板を省略した外観斜視図である。
図3】同上のグリル付きガスこんろにおけるガス供給路を示す概略図である。
図4】同上のグリル付きガスこんろに備えるこんろバーナを示し、(a)は上方より見た斜視図であり、(b)はバーナキャップを上方より見た斜視図であり、(c)はバーナキャップを下方より見た斜視図である。
図5】本発明の第一の実施例におけるガス流量制御装置を示し、(a)はガス流量制御装置の構造を示す概略断面図であり、(b)は流量制御板の下面図であり、(c)はスライド閉子の平面図である。
図6】同上のガス流量制御装置のガス遮断状態を示す概略断面図である。
図7】同上のガス流量制御装置の流量制御板の下面拡大図である。
図8】同上のガス流量制御装置の流量規制部位置がガス種13A時に最大火力となる13A用第0ステップ位置にある状態を示す概略断面図である。
図9】同上のガス流量制御装置の流量規制部位置が13A用第1絞り位置にある状態を示す概略断面図である。
図10】同上のガス流量制御装置の流量規制部位置が中間の火力となる13A用第6絞り位置にある状態を示す概略断面図である。
図11】同上のガス流量制御装置のスライド閉子の移動によるガスの減圧について説明する図である。
図12】同上のガス流量制御装置の流量規制部位置がガス種13A時に最小火力となる13A用第8絞り位置にある状態を示す概略断面図である。
図13】同上のガス流量制御装置の流量規制部位置がガス種LPG時に最小火力となる位置にある状態を示す概略断面図である。
図14】同上のガス流量制御装置の流量規制部位置がガス種LPG時に最大火力となる位置にある状態を示す概略断面図である。
図15】本発明の第十の実施例におけるガス流量制御装置の構造を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。本実施形態においては、ガスこんろとして一般的に広く利用されているグリル付きガスこんろについて説明する。
【0029】
ガスこんろは、図1図2に示すように、少なくとも上方に開口する箱状をした筐体からなるこんろ本体2と、こんろ本体2の上方への開口を閉塞しガスこんろの天面部となるガラス製の天板20と、で外殻が構成される。
【0030】
天板20にはこんろバーナBを備えた加熱部が複数設けてある。図1に示す実施形態では、手前の左側の高火力こんろバーナB1、中央の奥の小火力こんろバーナB2、手前の右側の高火力こんろバーナB3をそれぞれ備えた計三個の加熱部が設けてある。こんろバーナBについては後述する。
【0031】
ガスこんろ内にはグリルバーナを備えたグリル庫が設けてあり、グリル庫の前開口は、ガスこんろの前面に設けたグリル扉21によって開閉自在に閉塞される。
【0032】
ガスこんろの前面部を構成する前面パネル22には、各加熱部を操作するための操作部23が設けてある。
【0033】
各操作部23は、対応するこんろバーナBの点火及び消火の切り替えや火力調節を指令するものであり、これを受けて制御部が各こんろバーナBの点消火の切り替えや火力調節を行うと共に、こんろバーナB毎に、調理タイマーモード、湯沸しモード、炊飯モード等の自動調理モードを設定できるようになっている。
【0034】
制御部は、マイクロコンピュータからなるもので、各バーナ(こんろバーナB、グリルバーナ)に設けてある燃焼検出手段としての熱電対43(図3参照)の起電力が入力され、制御部は入力された起電力が所定値(例えば3.5mV)以上になったときに、燃焼を認識する。
【0035】
図3に示すように、都市ガス等の燃料ガスを供給するガス供給路4から、各こんろバーナB及びグリルバーナに燃料を供給するためのガス導管3が分岐されている。
【0036】
各ガス導管3には、通電により開弁が保持され、通電が止まると閉弁する元電磁弁41が設けられると共に、通過する燃料の量を制御する流量制御弁42と、前記流量制御弁42を駆動する駆動手段が設けられる。駆動手段としては、開度位置の微調整が可能なステッピングモータが好適に用いられるが、特に限定されない。また各ガス導管3には、先端にシール材を介してガスノズル30が螺着等により設けられる。
【0037】
操作部23を操作して制御部に点火の指令を送ると、指令を受けた制御部は、ガス導管3の元電磁弁41を開き、且つ任意のこんろバーナB又はグリルバーナに対応する流量制御弁42を所定開度で開くと共に点火プラグ45をスパークさせ、こんろバーナB又はグリルバーナを点火する。これにより、こんろバーナBの炎により加熱部上に載置した被加熱物を加熱したり、グリルバーナの炎によりグリル庫内の肉や魚を焼くことができる。
【0038】
こんろバーナBについて図2図4等に基づいて説明する。こんろバーナBは、バーナ本体1内に形成される略円環状をした混合室11の上にバーナキャップ10を着脱自在に載置して主体が構成されている。バーナ本体1は、本実施形態では、SUS鋼板を絞り加工して、外筒と内筒とその間の底部とで囲まれる平面視略円環状をした空間(この上に載置されるバーナキャップ10により閉塞されて混合室11となる)を形成してある。バーナ本体1からは、混合室11に連通する混合管12が突設されており、混合管12の先端(上流端)には、流入開口12b(図3参照)が形成され、この流入開口12bに一次空気が挿通可能な空気供給用間隙をあけてガスノズル30が挿入される。
【0039】
図4に示すように、バーナキャップ10は、下面に放射状に複数の炎孔用溝10aを凹設してあり、バーナキャップ10をバーナ本体1の上端のバーナキャップ載置部上に載置することにより、バーナ本体1の上端面と炎孔用溝10aとで囲まれる炎孔13(図2等参照)が形成されるようになっている。炎孔13には、炎孔13の周囲の空気が燃焼用の二次空気として供給される他、バーナ本体1の中央の透孔を通っても燃焼用の二次空気が供給されるようになっている。
【0040】
このこんろバーナBは、天板20に形成された開口を介して天板20上に露出させてあり、バーナ本体1と天板20の前記開口縁との間に円環状のバーナリングR(図1参照)が介装してあり、天板20から煮汁等が下に落ちるのを防止している。こんろバーナBは、加熱部に載置される被加熱物としての調理用鍋の鍋底に当接して温度を検知する温度センサ46を具備しており、この温度センサ46はバーナ本体1の中央の透孔から上方に露出している。
【0041】
上記4個の流量制御弁42の構成について説明する。三個のこんろバーナB用の流量制御弁42は夫々略同じ構成となっていると共に、グリル用の流量制御弁42もこんろバーナB用の流量制御弁42と略同じ構成となっている。
【0042】
流量制御弁42は、本実施形態では図5に示すように、元電磁弁41と流量制御弁42とを電磁弁付きガス量制御ユニット5として一体化した構成としているが、元電磁弁41と流量制御弁42とを別々に構成してこれらを連絡用ガス配管で接続するようにしても良い。
【0043】
電磁弁付きガス量制御ユニット5は、筐体となる本体内にガス流路となる空洞51及びこれとは別の空洞52を有し、このガス流路となる空洞51に後述するガス通過用の貫通口70が形成されたで閉子(移動操作体)と、ガス量調節用溝60を掘設した流量制御板6とを備え、別の空洞52に、別の空洞52の外部に備えるアクチュエータ8の出力を閉子の移動に変換するための移動機構等を備えたもので、閉子と流量制御板6とによってガス量を変更可能な流量調整部が構成されている。本実施形態では、アクチュエータ8はステッピングモータであり、閉子は往復移動するスライド閉子7であるが、これらに限定されないものであり、また、別の空洞52は空洞でなく密閉されないものでもよい。また本実施形態では、ガス流路となる空洞51の壁部の一部(本実施形態では図5における右側壁)にガス流入口53が形成されると共に、前記一部とは異なる他部(本実施形態では図5における下側壁)にガス流出口54が形成され、上記元電磁弁41はこのガス流入口53を開閉するものである。
【0044】
上記流量制御板6は、平面視における外形が矩形の板状部材(本実施形態では樹脂の射出成型品)をしたもので、その一面(本実施形態では下面)に上記ガス量調節用溝60を掘設してある。
【0045】
ガス量調節用溝60は、上記スライド閉子7の移動方向(以下、単に移動方向という)に垂直な水平方向(以下、幅方向という)における幅が移動方向の一端側(本実施形態では移動機構が接続される図5における左側)から他端側(右側)に行くほど段階的に狭くなる、複数のステップ用溝(本実施形態では12段)からなる。ガス量調節用溝60の最も一端側に位置するステップ用溝は、流量制御板6の一面(本実施形態では下面)から他面(本実施形態では上面)に貫通する一端側貫通部61となっており、この一端側貫通部61が燃料ガスを他面側より該ガス量調節用溝60に導入するガス導入部となっている。また、前記一端側貫通部61を除く各ステップ用溝の一面(本実施形態では下面)からの深さは、移動方向の一端側(本実施形態では左側)から他端側(本実施形態では右側)に行くほど浅くなるように形成されている。隣接するステップ用溝は勿論連通している。
【0046】
上記スライド閉子7は、平面視における外形が矩形の板状部材(本実施形態では黄銅の切削加工品)であり、幅方向の寸法が上記流量制御板6と略同じで、移動方向の他端側(本実施形態では右側)寄りの一部分には、該スライド閉子7を板厚方向に貫通する貫通口70が穿設してあり、この貫通口70が後述するガス導出部を構成する。また、スライド閉子7の前記ガス導出部(貫通口70)以外の部分よりも一端側部分は、上記流量制御板6のガス量調節用溝60を一面の側(本実施形態では下側)から閉塞する蓋として機能するもので、このうち特に貫通口70よりも一端側(本実施形態では図5における左側)の部分を蓋構成部71とする。
【0047】
スライド閉子7の一端側には、上記移動機構の主体となり、閉子(スライド閉子7)と一体に移動する接続体55のスピンドル55bが接続される。接続体55は、接続体本体55aが別の空洞52に位置し、接続体本体55aから上記スライド閉子7の他端方向(本実施形態では図5における右方)に向けてスピンドル55bが突出している。スピンドル55bは、ガス流路となる空洞51の壁部の一端側(本実施形態では図5における左側)の一部に穿設されたスピンドル挿通孔を介してガス流路となる空洞51内に挿通されるもので、形状は特に限定されないが、本実施形態では概ね棒状をしたものである。スピンドル55bは、スピンドル挿通孔を通して長手方向にスライド自在となり、スピンドル挿通孔とスピンドル55b外面との間には、Oリング(図示せず)等により水密的にシールがなされる。
【0048】
接続体本体55aのスピンドル55bが突出する側と反対側(本実施形態では図5における左側)には、雌ねじ部55cが形成されている。
【0049】
別の空洞52の外部には、アクチュエータ8としてのステッピングモータが設けられる。ステッピングモータの出力軸81はその外面に雄ねじ部81aが形成され、この雄ねじ部81aが接続体本体55aの雌ねじ部55cに螺入されている。なお、接続体55に雄ねじ部が形成され、ステッピングモータの出力軸81に雌ねじ部が形成されてもよい。
【0050】
ステッピングモータの出力軸81が回転するとその雄ねじ部81aが回転し、接続体55は回り止めがなされていて出力軸81と共に回転せず、螺合位置が変化して接続体55及びスライド閉子7のスライド移動がなされる。また、スライド閉子7がスライドした際に流量制御板6が共にスライド移動しないようにするスライド阻止手段が設けられるもので、スライド阻止手段は特に限定されないが、例えば摺動面に潤滑材を塗布したりすることが挙げられる。
【0051】
なお、本実施形態の移動機構は上述したようなネジ送り式の移動機構であるが、これに限定されないものである。
【0052】
流量制御板6のガス量調節用溝60が掘設された一面側に対してスライド閉子7が圧接されるように、流量制御板6をスライド閉子7に付勢させる付勢手段56が設けられるもので、本実施形態ではガス流路となる空洞51の壁部と流量制御板6との間に付勢手段56としてのバネが介装されている。これにより、流量制御板6とスライド閉子7とは圧接状態を保持しつつ相対的にスライド自在となるように構成されている。
【0053】
流量制御板6とスライド閉子7がこの圧接状態にある時、スライド閉子7におけるガス導出部(貫通口70)より一端側の蓋構成部71によって、ガス量調節用溝60が一面の側から蓋をされ、この蓋をされた部分のガス量調節用溝60の一部が、謂わば、開渠状態から暗渠状態になる。
【0054】
一方、ガス量調節用溝60の一部が暗渠状態になっている時にも、流量制御板6とスライド閉子7が圧接状態にある時に、スライド閉子7のガス導出部(貫通口70)では、ガス量調節用溝60が一面の側から蓋をされることが無いから、ガス量調節用溝60の蓋をされる一部以外の部分では暗渠状態にはならず、依然開渠状態を保つことになる。
【0055】
従って、流量制御板6とスライド閉子7が圧接状態にある時には、ガス導入部に流入したガスは、暗渠状態にあるガス量調節用溝60を通って、開渠状態にあるガス量調節用溝60からガス導出部に流れることになる。
【0056】
この時、ガス量調節用溝60の幅は上述したように移動方向の一端側から他端側に行くほど狭くなるように形成されており、ガス量調節用溝60の一面からの深さが、移動方向の一端側から他端側に行くほど浅くなるように形成されていて、スライド閉子7が移動方向の一端側から他端側に移動するに従って暗渠状態にあるガス量調節用溝60の通過抵抗が大きくなるから、ステッピングモータを駆動することでスライド閉子7をスライド移動させて、ガス流量大(最大火力)の状態、および、ガス流量小(最小火力)の状態、および、ガス流量大(最大火力)の状態とガス流量小(最小火力)との間の複数の火力に変更調整自在となる。
【0057】
また、図6に示すように、スライド閉子7の蓋構成部71によってガス量調節用溝60の全部が一面の側から蓋をされた状態では、ガス導出部(スライド閉子7の貫通口70)から燃料ガスが流れ出ることがない遮蔽状態にも切り換え自在に構成されている。
【0058】
流量制御弁42が遮断状態にある時に、元電磁弁41を閉止することで、電磁弁付きガス量制御ユニット5によって、ガスを二重に遮断することができるから、信頼性が高いガス遮断性能が得られている。
【0059】
なお、上記スライド閉子7のスライド位置は、スライド閉子7と共に移動方向に移動するブラシ57aによって短絡される複数の面状抵抗体57bの抵抗値を具備する位置検出部57によって検出される構成となっている。
【0060】
上述のように、上記ガス量調節用溝60の幅は、移動方向の一端側(本実施形態では図5における左側)から移動方向の他端側(本実施形態では図5における右側)に行く程狭くなるよう段階的に変化しており、上記ガス量調節用溝60の上記一面(本実施形態では下面)からの深さが、移動方向の一端側から移動方向の他端側に行く程浅くなるよう段階的に変化するように構成されているのであるが、以下に図7に基づいて詳述する。
【0061】
なお、上記ガス量調節用溝60の幅や深さを段階的に変化するように構成することで、ガス量調節用溝60の形成、または、ガス量調節用溝60の形成のために必要な金型などの製作が容易に行える。
【0062】
ガス導入部である一端側貫通部61の上記移動方向(スライド閉子7の移動方向)の幅P0は、後述する送りピッチPよりやや大きくしてある。
【0063】
ガス導入部Sにおける移動方向の他端側から送りピッチPの移動方向の区間を、第1ステップ用溝Sとしてある。以下同様に、第(n−1)ステップ用溝Sn−1における移動方向の他端側から送りピッチPの移動方向の区間を、第nステップ用溝Sとすることで、第1ステップ用溝Sから第10ステップ用溝S10までを形成し、第10ステップ用溝S10における移動方向の他端側から所定の移動方向の区間を、第11ステップ用溝S11としてある。
【0064】
上記流量制御板6と上記スライド閉子7が上記圧接状態にあるとき、上記スライド閉子7における上記ガス導出部(貫通口70)よりも一端側の蓋構成部71によって上記ガス量調節用溝60が上記一面の側から蓋をされ、この蓋をされた部分の上記ガス量調節用溝60の一部が、開渠状態から暗渠状態になるもので、以下、暗渠状態のガス量調節用溝60のガスに対する通過抵抗の形成について説明する。
【0065】
本実施例のこんろバーナ用の流量制御弁42は、天然ガス(ガス種13A)用とプロパンガス(ガス種LPG)用とに共用できるようにしてある。
【0066】
最大火力時における通過ガス量は、天然ガス(ガス種13A)に用いられたときの方がプロパンガス(ガス種LPG)に用いられたときより多くなるから、こんろバーナ用の流量制御弁42を通過する単位時間当たりのガス量が最大となるのは、天然ガス(ガス種13A)に用いられた最大火力のときである。
【0067】
天然ガス(ガス種13A)に用いられる場合の最大火力時には、図8に示すようにこんろバーナ用の流量制御弁42を通過するガスに対する通過抵抗が最小となるようにしてある。図8に示す前記状態を13A用第0ステップ位置とする。
【0068】
この図8に示す13A用第0ステップ位置の時の流量制御板6とスライド閉子7との相対的位置関係について説明すると、上記蓋構成部71の移動方向における他端側端面の位置(以下、流量規制部位置72とする。図5参照)が、流量制御板6におけるガス導入部Sと第1ステップ用溝Sとの境界から、送りピッチPから後述する所定オフセット寸法ΔPを減じた寸法(=P−ΔP)だけ移動方向の一端側にずらした位置となるようにしてある。
【0069】
従って、スライド閉子7が13A用第0ステップ位置から送りピッチPの距離だけ他端側に移動した時の流量制御板6とスライド閉子7との相対的位置関係は、図9に示すように、上記流量規制部位置72が、流量制御板6におけるガス導入部Sと第1ステップ用溝Sとの境界から、オフセット寸法ΔPだけ移動方向の他端側にずらした位置に位置することになる。この図9に示す状態では、第1ステップ用溝Sの一部が暗渠状態になることになり、第1ステップ用溝Sによる通過抵抗によりガスの単位時間当たりの通過量が減少する。この図9に示す状態における上記流量規制部位置72が、最大火力から最小火力に至る複数段階の火力調節位置における13A用第1絞り位置となる。
【0070】
さらに、スライド閉子7を13A用第1絞り位置から送りピッチPの距離だけ他端側に移動した時には、上記流量規制部位置72が、流量制御板6における第1ステップ用溝Sと第2ステップ用溝Sとの境界から、オフセット寸法ΔPだけ移動方向の他端側にずらした位置である13A用第2絞り位置に位置することになる(図示せず)。以下同様に、スライド閉子7の上記流量規制部位置72を13A用第(n−1)絞り位置から送りピッチPの距離だけ他端側に移動した時には、上記流量規制部位置72が、流量制御板6における第(n−1)ステップ用溝Sn−1と第nステップ用溝Sとの境界から、オフセット寸法ΔPだけ移動方向の他端側にずらした位置である13A用第n絞り位置に位置することになる。図10に、中間のステップであるn=6となる場合の13A用第6絞り位置について示す。
【0071】
本実施例のこんろバーナ用流量制御弁42は、天然ガス(ガス種13A)用として用いる場合に、スライド閉子7を13A用第0ステップ位置の時に火力が最大火力の3450kcal/時(4.0kW)となり、最大火力から送りピッチPの距離だけ他端側に移動する毎に通過する単位時間当たりのガス量が一定の比率で減少し、図12に示すように、13A用第0ステップ位置から8Pの距離だけ他端側に移動した13A用第8絞り位置で最小火力の330kcal/時(0.38kW)となるようにしてある。
【0072】
このようにして、スライド閉子7が13A用第0ステップ位置にある状態と、流量規制部位置72が13A用第1絞り位置から13A用第8絞り位置にある状態の計9段階の火力のうち何れかの火力に火力調節できるようにしてある。
【0073】
なお、上記9段階の火力のうちの最大火力を除く8段階の火力は、スライド閉子7の上記流量規制部位置72が第n絞り位置に位置することで得られるものであるが、スライド閉子7の上記流量規制部位置72が第(n−1)絞り位置から第n絞り位置に移動する途中においては、スライド閉子7の移動によって、第(n−1)ステップ用溝Sn−1における暗渠状態にある部分の移動方向の長さ、および、第nステップ用溝Sにおける暗渠状態にある部分の移動方向の長さが変化するから、スライド閉子7の上記流量規制部位置72が第(n−1)絞り位置から第n絞り位置に移動する際には、通過する単位時間当たりのガス量はスライド閉子7の移動に伴いステップ的(すなわち離散的)に変化するのではなく、連続的に変化することになる。
【0074】
従って、13A用第n絞り位置にあるスライド閉子7の上記流量規制部位置72を微調寸法Δtrだけずらすことで、スライド閉子7の上記流量規制部位置72が13A用第n絞り位置に位置するときに対応する火力から、火力の微調が行えるようになっている。
【0075】
さらに、火力を最大火力から最小火力側に絞り調節する際に、火力を1段絞る毎に火力が等比的に減少していく等比絞り調節となるように構成されている。
【0076】
スライド閉子7が13A用第0ステップ位置にある状態から、位置規制部位置が13A用第1絞り位置〜13A用第8絞り位置のいずれかに絞る8段階の火力の絞り特性を上記等比絞り調節とするためには、ガスノズル30から噴出する単位時間当たりのガス量がガスノズル30に供給されるガスの圧力の平方根に比例するから、スライド閉子7が13A用第0ステップ位置から1段絞る毎に、上記ガス導出部におけるガスの圧力が{(最小火力時の単位時間当たりのガス量/最大火力時の単位時間当たりのガス量)1/8}を乗じた値に減圧されるようにすれば良いことになる。ここで、火力は単位時間当たりのガス量に比例するから、前記(最小火力時の単位時間当たりのガス量/最大火力時の単位時間当たりのガス量)は(最小火力/最大火力)とおける。そのために、スライド閉子7を13A用第1絞り位置から13A用第8絞り位置に移動する間において、スライド閉子7が13A用第1絞り位置にあるときの暗渠状態のガス量調節用溝60による通過抵抗を、第1の平板に穿設した第1の孔による第1の通過抵抗であると考え、スライド閉子7が13A用第1絞り位置にあるときの暗渠状態のガス量調節用溝60による通過抵抗が、上記第1の通過抵抗と同じとなる上記第1の孔の面積を第1面積aとし、同様に、スライド閉子7が13A用第(n−1)絞り位置から13A用第n絞り位置に移動したときのガス量調節用溝60の暗渠状態の部分の増加よる通過抵抗の増加分を、第nの平板に穿設した第nの孔による第nの通過抵抗であると考え、スライド閉子7が13A用第(n−1)絞り位置から13A用第n絞り位置に移動したときのガス量調節用溝60の暗渠状態の部分の増加よる通過抵抗の増加分が、上記13A用第nの通過抵抗と同じとなる上記第nの孔の面積を第n面積aとしたとき、
=an−1×(最小火力/最大火力)1/8としてある。
【0077】
ここで、a=an−1×(最小火力/最大火力)1/8とすることで、スライド閉子7が13A用第0ステップ位置から1段絞る毎に、上記ガス導出部におけるガスの圧力が{(最小火力/最大火力)1/8を乗じた値に減圧されるようになる点について、図11に示すモデルに基づいて以下に説明する。
<1>図11(a)は、断面積がaであるノズル孔を有するノズルに対し、Pなるガス圧が印加された状態を表す図である。この時、インプットqに相当する単位時間当たりの量のガスが流れるものとする。
【0078】
なお、インプットqは、ノズル孔の面積に比例しPの平方根に比例するから、
=K×a×P1/2 ,但しKは定数・・・(式1)
と表すことができる。
ここで、ガスノズル30の流路抵抗に、ガス導入部Sの一端側貫通部61の流路抵抗を含むガス流路の流路抵抗を加えた流路抵抗がこのモデルにおける面積がaであるノズル孔の流路抵抗に対応し、ガス流路となる空洞51のガスの圧力がこのモデルにおけるガスの圧力Pに対応し、ガス流出口54を通過するガスの単位時間当たりの流量がこのモデルにおけるインプットqに対応する。
<2>図11(b)は、図11(a)に対して、開口面積がaの孔を設けた第1段目の堰を加えて、1段絞った状態でインプットが、
=λ×q・・・(式2)
に絞られた状態を表す。
【0079】
ノズルと第1段目の堰の間の圧力をPとすると、(式1)と同様に、
=K×a×P1/2・・・(式3)
(式2)に(式1)を代入したものの右辺と、(式3)の右辺が等しいから、
λ×K×a×P1/2=K×a×P1/2
∴ P=λ×P・・・(式4)
である。
【0080】
また、インプットqは、堰の開口面積aに比例しPとPの差圧の平方根に比例するから、
=q/(K×(P−P1/2) ,但しKは定数・・・(式5)
ここで、(式5)式における定数Kは、堰に設けた孔用の定数で、(式1)式におけるノズル用の定数Kとは異なる定数としている。また、第1ステップ用溝Sの流路抵抗が、このモデルにおける面積がaであるノズル孔の流路抵抗に対応し、以下同様に、第nステップ用溝Sの流路抵抗が、このモデルにおける面積がaであるノズル孔の流路抵抗に対応する。
<3>図11(c)は、図11(b)に対して、開口面積がaの孔を設けた第2段目の堰を加えて、さらにもう1段絞った状態でインプットが、
=λ×q=λ×q・・・(式6)
に絞られたときを表す。
【0081】
ノズルと第1段目の堰の間の圧力をPとすると、(式4)と同様に、
=λ×P=λ×P・・・(式7)
である。
【0082】
第2段目の堰と第1段目の堰との間の圧力をP22とすると、
図11(b)の場合は、開口面積aの前後の差圧がP−Pのときにインプットがqで、
図11(c)の場合は、開口面積aの前後の差圧がP22−Pのときにインプットがqであり、
インプットは差圧の平方根に比例し、(式6)よりq=λ×qであるから、
(P22−P1/2=λ×(P−P1/2
∴ P22−P=λ×(P−P)=λ×P−λ×P
これに(式7)のPを代入して、
22−λ×P=λ×P−λ×P
この式から(式4)式の辺々を減じて、
22−P=0
∴ P22=P・・・(式8)
また、インプットqは、堰の開口面積aに比例しPとP22の差圧の平方根に比例するから、
=q/(K×(P−P221/2
(式6)および(式8)を代入して、
=λ×q/(K×(P−P1/2)・・・(式9)
(式5)および(式9)から、
=λ×a・・・(式10)
である。
<4>図11(d)は、図11(c)に対して、開口面積がaの孔を設けた第3段目の堰を加えて、さらにもう1段絞った状態でインプットが、
=λ×q=λ×q
に絞られたときを表す。
この場合も、図11(c)の場合と同様に、インプットqは、第n段目の堰の開口面積aに比例しその前後の差圧の平方根に比例することから、
ノズルと第1段目の堰の間の圧力をPとすると、
=λ×P=λ×P=λ×P
である。
また、第2段目の堰と第1段目の堰との間の圧力をP33、第3段目の堰と第2段目の堰との間の圧力をP23とすると、
33=P,P23=Pであり、
=λ×a=λ×a・・・(式11)
である。
<5>図11(e)は、図11(d)に対して、開口面積がaの孔を設けた第4段目の堰を加えて、さらにもう1段絞った状態でインプットが、
=λ×q=λ×q
に絞られたときを表す。
この場合も、図11(c)の場合と同様の手順で、ノズルと第1段目の堰の間の圧力をPとすると、
=λ×P=λ×P=λ×P=λ×P
である。
また、第2段目の堰と第1段目の堰との間の圧力をP44、第3段目の堰と第2段目の堰との間の圧力をP34、第4段目の堰と第3段目の堰との間の圧力をP24とすると、
44=P,P34=P,P24=Pであり、
=λ×a=λ×a=λ×a・・・(式12)
である。
<6>図11(f)は、図11(e)に対して、開口面積がaの孔を設けた第5段目の堰を加えて、さらにもう1段絞った状態でインプットが、
=λ×q=λ×q
に絞られたときを表す。
この場合も、上述の場合と同様の手順で、ノズルと第1段目の堰の間の圧力をPとすると、
=λ10×P=λ×P=λ×P=λ×P=λ×P
である。
また、第2段目の堰と第1段目の堰との間の圧力をP55、第3段目の堰と第2段目の堰との間の圧力をP45、第4段目の堰と第3段目の堰との間の圧力をP35、第5段目の堰と第4段目の堰との間の圧力をP25とすると、
55=P,P45=P,P35=P,P25=Pであり、
=λ×a=λ×a=λ×a=λ×a・・・(式13)
である。
<7>図11(g)は、図11(f)に対して、開口面積がaの孔を設けた第6段目の堰を加えて、さらにもう1段絞った状態でインプットが、
=λ×q=λ×q
に絞られたときを表す。
この場合も、上述の場合と同様の手順で、ノズルと第1段目の堰の間の圧力をPとすると、
=λ12×P=λ10×P=λ×P=λ×P=λ×P=λ×P
である。
また、第2段目の堰と第1段目の堰との間の圧力をP66、第3段目の堰と第2段目の堰との間の圧力をP56、第4段目の堰と第3段目の堰との間の圧力をP46、第5段目の堰と第4段目の堰との間の圧力をP36、第6段目の堰と第5段目の堰との間の圧力をP26とすると、
66=P,P56=P,P46=P,P36=P,P26=Pであり、
=λ×a=λ×a=λ×a=λ×a=λ×a・・・(式14)
である。
<8>図11(h)は、図11(g)に対して、開口面積がaの孔を設けた第7段目の堰を加えて、さらにもう1段絞った状態でインプットが、
=λ×q=λ×q
に絞られたときを表す。
この場合も、上述の場合と同様の手順で、ノズルと第1段目の堰の間の圧力をPとすると、
=λ14×P=λ12×P=λ10×P=λ×P=λ×P=λ×P=λ×P
である。
また、第2段目の堰と第1段目の堰との間の圧力をP77、第3段目の堰と第2段目の堰との間の圧力をP67、第4段目の堰と第3段目の堰との間の圧力をP57、第5段目の堰と第4段目の堰との間の圧力をP47、第6段目の堰と第5段目の堰との間の圧力をP37、第7段目の堰と第6段目の堰との間の圧力をP27とすると、
77=P,P67=P,P57=P,P47=P,P37=P,P27=Pであり、
=λ×a=λ×a=λ×a=λ×a=λ×a=λ×a(式15)
である。
<9>図11(i)は、図11(h)に対して、開口面積がaの孔を設けた第8段目の堰を加えて、さらにもう1段絞った状態でインプットが、
=λ×q=λ×q
に絞られたときを表す。
この場合も、上述の場合と同様の手順で、ノズルと第1段目の堰の間の圧力をPとすると、
=λ16×P=λ14×P=λ12×P=λ10×P=λ×P=λ×P=λ×P=λ×P
である。
また、第2段目の堰と第1段目の堰との間の圧力をP88、第3段目の堰と第2段目の堰との間の圧力をP78、第4段目の堰と第3段目の堰との間の圧力をP68、第5段目の堰と第4段目の堰との間の圧力をP58、第6段目の堰と第5段目の堰との間の圧力をP48、第7段目の堰と第6段目の堰との間の圧力をP38、第8段目の堰と第7段目の堰との間の圧力をP28とすると、
88=P,P78=P,P68=P,P58=P,P48=P,P38=P,P28=Pであり、
=λ×a=λ×a=λ×a=λ×a=λ×a=λ×a=λ×a・・・(式16)
である。
【0083】
上記において、図11(a)のような絞り用の堰がない状態で最大火力となり、図11(i)のように8段の堰で単位時間当たりのガス量が絞られたときに最小火力となる構成とするには、λ=(最小火力/最大火力)1/8としておけば良いことになる。
【0084】
また、上述のように、スライド閉子7が第(n−1)絞り位置から第n絞り位置に移動したときのガス量調節用溝60の暗渠状態の部分の増加よる通過抵抗の増加分を、第nの平板に穿設した第nの孔による第nの通過抵抗であると考え、スライド閉子7が第(n−1)絞り位置から第n絞り位置に移動したときのガス量調節用溝60の暗渠状態の部分の増加よる通過抵抗の増加分が、上記第nの通過抵抗と同じとなる上記第nの孔の面積を第n面積aとしたとき、a=an−1×(最小火力/最大火力)1/8となるようにしておくことで、ガス絞り用の堰を1段増やす毎に、インプットがガス絞り用の堰を1段増やす前のλ倍にすることになる。
【0085】
なお、図5に示すように、本実施例においては、流量制御板6におけるガス量調節用溝60の暗渠状態の部分のガス通過方向の断面積がガスノズル30側に近い程ガスノズル30から遠い側よりも小さくなるものであるのに対し、上述の図11を用いた説明では、各段の堰に設けた孔の面積がガスノズル30側に近い程ガスノズル30から遠い側よりも大きくなるものであるが、ガス通路に直列設けた、孔を備えた平板状の堰のガス通過抵抗による各部のガス圧力と単位時間当たりの通過量の演算においては、堰の順番が逆転した場合にも等価に演算できるものである。厳密には、堰に設けた通過孔や暗渠状態になる溝の形状に応じて、単にガスの通過方向の断面積だけではなく所謂ノズル係数を考慮する必要があるものであるが、上述のa〜aを孔の実際の断面積に上記ノズル係数を考慮した値であるとすることで等価に演算できるものである。
【0086】
前述のように、本実施例のこんろバーナ用流量制御弁42は、天然ガス(ガス種13A)用とプロパンガス(ガス種LPG)用とに共用できるようにしてあるが、具体的には、以下のように用いられる。
【0087】
本実施例のこんろバーナ用流量制御弁42により調節される単位時間当たりのガス流量の変化は、スライド閉子7の上記流量規制部位置72が第(n−1)絞り位置から第n絞り位置に移動する途中においては、スライド閉子7の移動によって、第(n−1)ステップ用溝Sn−1における暗渠状態にある部分の移動方向の長さ、および、第nステップ用溝Sにおける暗渠状態にある部分の移動方向の長さが変化するから、スライド閉子7の上記流量規制部位置72が第(n−1)絞り位置から第n絞り位置に移動する際には、通過する単位時間当たりのガス量はスライド閉子7の移動に伴いステップ的(すなわち離散的)に変化するのではなく、連続的に変化することになる点については上述したとおりであるが、本実施例のこんろバーナ用の流量制御弁42が用いられている機器へのガス種が、天然ガス(ガス種13A)からプロパンガス(ガス種LPG)に変更になった場合などは、次のように使用される。
【0088】
プロパンガス(ガス種LPG)における最小火力位置は、13A用第8絞り位置とは異なる位置としてある。
【0089】
最小火力のときにおける通過ガス量は、天然ガス(ガス種13A)に用いられたときよりも、プロパンガス(ガス種LPG)に用いられたときの方が少ないから、プロパンガス(ガス種LPG)に用いられたときに最小火力が得られるスライド閉子7の位置(以下、LPG用第8絞り位置という。)は、13A用第8絞り位置より、移動方向における他端側に位置するようにしてある。(図13参照。)
このLPG用第8絞り位置(最小火力位置)から、スライド閉子7を送りピッチPの距離だけ一端側に移動する毎に通過する単位時間当たりのガス量が一定の比率で増加し、LPG用第8絞り位置から8Pの距離だけ一端側に移動したLPG用第0ステップ位置で最大火力となるようにしてある。(図14参照)
このとき、LPG用第n絞り位置にあるスライド閉子7の流量規制部位置72を微調寸法Δtrだけずらすことで、スライド閉子7の流量規制部位置72がLPG用第n絞り位置に位置するときに対応する火力から、火力の微調が行えるようになっている点は、天然ガス(ガス種13A)に用いられたときと同様である。
【0090】
なお、本実施例のこんろバーナ用流量制御弁42が天然ガス(ガス種13A)に用いられたときに比べて、プロパンガス(ガス種LPG)に用いられときは、最大火力に対応する第0ステップ位置と最小火力に対応する第8絞り位置との両方の位置共に他端側に位置するから、第n絞り位置にあるスライド閉子7の上記流量規制部位置72を微調寸法Δtrだけずらしたときに微調されるガス量の変化量は天然ガス(ガス種13A)に用いられたときに比べて、プロパンガス(ガス種LPG)に用いられときの方が、最大火力に対応する第0ステップ位置と最小火力に対応する第8絞り位置との両方の位置共に他端側に位置する量に見合って小さくなることから、第n絞り位置にあるスライド閉子7の上記流量規制部位置72を微調寸法Δtrだけずらしたときに微調される火力の変化量は、プロパンガス(ガス種LPG)に用いられときも天然ガス(ガス種13A)に用いられたときと同程度の変化量となるから、ガス種変更により火力の微調が同様に行えることになり使い勝手の良いものとなる。
【0091】
第二の実施例(図示せず)について説明する。上記第一の実施例においては、ガス量調節用溝60の幅と流量制御板6の一面からの深さが、移動方向の一端側から移動方向の他端側に行く程段階的に浅くなるように構成されているが、第二の実施例のように、ガス量調節用溝60の幅および上記一面からの深さの一方、または、両方を連続的に(無段階に)狭くなる、または、浅くなるように構成しても良い。このようにすることで、スライド閉子7の移動に伴う単位時間当たりのガス流量の変化が滑らかになり制御性が向上する。
【0092】
またこの場合、連続的ではないものの段数を多くして、段差が加工精度と比べて同程度、または、段差が加工精度と比べて小さくなるように段差を多くすることは、実質的に通過抵抗が連続的に無段階に変化することになり、スライド閉子7の移動に伴い火力が無段階に連続的に変化することと等価であり制御性の向上が図れる。
【0093】
第三の実施例(図示せず)について説明する。上記第一の実施例では、火力を最大火力から最小火力側に絞り調節する際に、火力を1段絞る毎に火力が等比的に減少していく等比絞り調節となるように構成されているが、これを第三の実施例のように、火力を最大火力から最小火力側に絞り調節する際に、火力を1段絞る毎に火力が等差的に減少していく等差絞り調節となるように構成してもよい。
【0094】
第四の実施例(図示せず)について説明する。上記第一の実施例では、ガス導入部Sを除き、流量制御板6のガス量調節用溝60の深さは流量制御板6の板厚より浅く構成し、スライド閉止の移動により暗渠状態となるガス量調節用溝60の一部の移動方向の長さを増減することで単位時間当たりのガス流量が調整されるように構成しているが、第四の実施例のように、流量制御板6に備えるガス量調節用溝60が流量制御板6を板厚方向に貫通する貫通溝となるように構成しておき、スライド閉止の移動により上記板厚方向から見た上記貫通溝におけるガスが通過可能な開口面積を増減することで単位時間当たりのガス流量が調整されるように構成してもよい。この場合、移動方向における他端側程溝幅が徐々に減少するようにすることで、火力を絞る毎に火力が等比的に減少していく等比絞り調節となるように構成することも可能である。
【0095】
ただし、ガス量調節用溝60を貫通溝とする場合は、流量制御板6の強度が低下しないように留意する必要がある。
【0096】
第五の実施例(図示せず)について説明する。上記第一の実施例では、移動方向から見たガス量調節用溝60の断面が矩形となっているが、第五の実施例のように、移動方向から見たガス量調節用溝60の断面をV字状とし、暗渠状態におけるガス通過方向の溝断面形状がV字状すなわち三角形としてもよい。
【0097】
第六の実施例について説明する。上記第一の実施例では、移動方向から見たガス量調節用溝60の断面積が段階的に変化するが、第六の実施例のように、一様なガス量調節用溝60にガス通過口を具備する複数の堰を設け、ガス量調節用溝60が開渠状態から前記暗渠状態になるときに前記暗渠状態になる部分に順次含まれていく堰に具備する上記ガス通過口の開口面積を変化させるように構成しても良い。すなわち、図11は第一の実施例のガス量調節用溝60を本質を変えずに模式化したもので、実際には第一の実施例においてこのような堰はないが、第六の実施例ではこの図11のような堰を設けるものである。ガス通過口は、堰に形成される切欠(溝)、孔のいずれでもよい。また堰の数は限定されず、一個以上の任意の個数が設けられる。このように構成した場合、上記ガス通過口の開口面積の変更でガス量調節用溝60の断面積の変更が可能となるから、ガス量制御装置の特性の微調が後加工によって行い易いものとなる。
【0098】
第七の実施例(図示せず)について説明する。上記第一の実施例では、ガスが流量制御板6側からスライド閉子7側に向う方向で、かつ、ガスがガス量調節用溝60の第0ステップ位置側から第8絞り位置側に向かう方向に流れる構成を示したが、第七の実施例のように、ガスがスライド閉子7側から流量制御板6側に向う方向に流れる、または、ガスがガス量調節用溝60の第8絞り位置側から第0ステップ位置側に向かう方向に流れる構成としてもよく、このようにガスが流れる方向は適宜変更可能してもよいものである。
【0099】
第八の実施例(図示せず)について説明する。上記第一の実施例では平板状の流量制御板6と平板状のスライド閉子7の相対位置を変更することで単位時間当たりのガス流量を調整する構成としたが、第八の実施例のように、円筒状のガイド孔に円筒状の閉子を回転自在に挿通しておき、上記ガイド孔または上記円筒状の閉子の一方の円筒面にガス量調節用溝60を形成し、上記ガイド孔または上記円筒状の閉子の他方が上記円筒面に形成されたガス量調節用溝60の蓋をするように構成し、上記ガイド孔と上記円筒状の閉子の相対位置を変更することで単位時間当たりのガス流量を調整するように構成してもよい。
【0100】
第九の実施例(図示せず)について説明する。上記第一の実施例では平板状の流量制御板6に対して平板状のスライド閉子7を直線的に移動させて相対位置を変更する構成としているが、第九の実施例のように、ガス量調節用溝60を平板状の流量制御板6に円弧状に形成しておき、スライド閉子7を回動させることで、この流量制御板6に形成された上記円弧状のガス量調節用溝60に対して、回動するスライド閉子7が具備する流量規制部の相対角度が変更されることで単位時間当たりのガス流量を調整するように構成してもよい。この場合、流量制御板6とスライド閉子7の外形は円形とし、スライド閉子7を回動させる時の中心は、流量制御板6とスライド閉子7の外形を成す円の中心とすることが合理的である。
【0101】
第十の実施例について説明する。上記第一の実施例では、ガス量調節用溝60の幅は、移動方向の一端側(本実施形態では図における左側)から移動方向の他端側(本実施形態では図における右側)に行く程狭くなるよう段階的に変化しており、上記ガス量調節用溝60の流量制御板の一面(本実施形態では下面)からの深さが、移動方向の一端側から移動方向の他端側に行く程浅くなるよう段階的に変化するように構成されているのであるが、図15に示す第十の実施例のように、ガス量調節用溝60の幅が、移動方向の一端側(本実施形態では図15における左側)から移動方向の他端側(本実施形態では図15における右側)に行く程広くなるよう段階的に変化すると共に、ガス量調節用溝60の流量制御板の一面(本実施形態では下面)からの深さが、移動方向の一端側から移動方向の他端側に行く程深くなるよう段階的に変化するように構成してもよい。この場合、スライド閉子7の動く方向は第一の実施例と反対になる。
【符号の説明】
【0102】
1 バーナ本体
2 こんろ本体
3 ガス導管
4 ガス供給路
41 元電磁弁
42 流量制御弁
5 電磁弁付きガス量制御ユニット
51 ガス流路となる空洞
52 別の空洞
53 ガス流入口
54 ガス流出口
55 接続体
56 付勢手段
57 位置検出部
6 流量制御板
60 ガス量調節用溝
61 一端側貫通部
7 スライド閉子
70 貫通口
71 蓋構成部
72 流量規制部位置
8 アクチュエータ
81 出力軸
P 送りピッチ
ガス導入部
第nステップ用溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図15