【実施例1】
【0010】
本実施例の組立式コンテナ1は、搬送器具としてパレットを用いたものである。
この組立式コンテナ1は、
図1に示すように、方形の荷台面2を有するパレット9と、該パレット9の荷台面2上で、外周縁近傍に沿って枠状に立設する支持壁部3と、該支持壁部3の内面に沿って四周を囲む一対の第1カバーパネル10及び一対の第2カバーパネル20と、上面を塞ぐ蓋部30とからなっている。
【0011】
[パレット]
パレット9は、
図1に例示するように、上面に方形の荷台面2を有する合成樹脂製のパレットからなっている。
該パレット9の一方の外周縁部に沿う側壁面の中途位置には、対向方向に延びてフォークを挿入するための一対の貫通孔9aが設けられた公知構成からなっている。
この発明では、方形の荷台面を有するものであれば、上記パレットに限らず、木製のパレットやスキッド台車その他の公知の搬送器具を用いることができる。
【0012】
[支持壁部]
支持壁部3は、
図2及び
図7に明瞭なように、下端が荷台面2に固定された金属製の枠状の壁面であって、図示例では荷台面2の外周縁より僅かに内側に立設された平面視方形の壁体からなっている。
該支持壁部3は、対向する一対の第1壁面4と、該第1壁面4と隣接し直交する方向に設けられた第2壁面5とからなっている。
【0013】
[第1掛止構成部]
前記第1壁面4には、第1カバーパネル10を支持壁部3に凹凸係合により掛止めるための第1掛止構成部7が形成されている。
本実施例では、第1掛止構成部7は、荷台内方と外方を貫通する貫通孔からなっている。
【0014】
支持壁部3の各角部には、
図7に示すように、外側からアングル状の補強金具6が隙間無く外嵌し固定されている。
この補助金具6は、角部と下端を揃え、高さが支持壁部3の高さ方向中途位置まで延びる寸法に設定され、上端が支持壁部3との間で段部を形成している。
そして、前記第1掛止構成部7は、第1壁面4と補強金具6とを貫通している。
【0015】
[第1カバーパネル]
第1カバーパネル10は、
図3に示すように、合成樹脂製の第1パネル本体11と、該第1パネル本体11の左右両端を嵌合固定する一対の金属製の第1フレーム12、12とからなっている。
第1パネル本体11はプラスチック製中空体シートが用いられるが、この発明では、発泡プラスチックボードその他の発泡体シートなど、軽量で強度を有する素材を用いても良い。
プラスチック製中空体シートは、例えば、一回の押し出しで一体として吐出・成型されたプラスチック製段ボール、2枚のライナーの間に中芯を有するプラスチック製段ボール、など中空構造であれば好ましい。
前記第1パネル本体11は、図示例では横目のプラスチック製段ボールが用いられており、その左右両端面は第1フレーム12でカバーされている(
図3(a)参照)。
この発明ではプラスチック製段ボールの目の向きは特に限定されないが、横目とし第1フレーム12でカバーすることで中空部分への異物の侵入を防ぐことができ、上方からの負荷に対する強度は第1フレーム12によって補強することができる。
【0016】
[第1フレーム]
第1フレーム12は、第1パネル本体11の左右両端部をそれぞれ嵌合固定する左右対称の一対のフレームからなっており、断面略コ字状のパネル固定部12aと、該パネル固定部12aに連接し第1パネル本体11の延出方向と直交する方向に開口した嵌合溝13を有する嵌合溝形成部13Aとを有している。
【0017】
[嵌合溝]
嵌合溝13は、第1カバーパネル10の左右両端側で、開口の向きを同じにして第1カバーパネル10の高さ方向の全長に亘って一対に形成されている(
図3(a)参照)。
該嵌合溝13は、組立時に対向する一対の第1カバーパネル10間において、それぞれ開口が向かい合う一対のスライド溝を形成するもので、第2カバーパネル20の端部をそれぞれ上から挿入して荷台面まで下向きにスライドして嵌合溝13に嵌め込み、第1カバーパネル10間に第2カバーパネル20を嵌め込んで組み立てる構成からなっている(
図6(a)参照)。
【0018】
[第2掛止構成部]
そして、本実施例では、前記第1掛止構成部7に掛止められる突部からなる第2掛止構成部14が、嵌合溝13の底壁裏面となる第1フレーム12から外方へ突出し、前記貫通孔からなる第1掛止構成部7に出没可能な柱状の突部が形成されている。
【0019】
[第3掛止構成部]
また、前記嵌合溝形成部13Aで、嵌合溝13の側壁の一方(図示例では外側)には、上部が開口したU字状の上部受溝からなる第3掛止構成部15が形成されている。
【0020】
[第2カバーパネル]
第2カバーパネル20は、
図4に示すように、合成樹脂製の第2パネル本体21と、該第2パネル本体21の上端に沿って嵌合固定された第2フレーム22とを有しており、本実施例では更に第2パネル本体21の下端に沿って嵌合固定される第3フレーム23を備えている。
第2パネル本体21は、前記第1パネル本体11と同様に、プラスチック製中空体シートが好ましい。
前記第2パネル本体21は、図示例では縦目のプラスチック製段ボールが用いられており、その上下両端面は第2フレーム22、第3フレーム23でカバーされている(
図4(a)参照)。
この発明ではプラスチック製段ボールの目の向きは特に限定されないが、縦目とすることで、上方からの負荷に対する強度が高まり、また第2フレーム22、第3フレーム23により中空部分への異物の侵入を防ぐことができる。
また、第2フレーム22は、断面略コ字状からなって矩形の第2パネル本体21の上端縁に沿って外嵌し固着されており、第3フレーム23は、断面略コ字状からなって矩形の第2パネル本体21の下端縁に沿って外嵌し固着されている。
【0021】
[第4掛止構成部]
そして、第2フレーム22の左右両側の上部には、第2フレーム22の延出方向と直交する方向に突出し、前記第3掛止構成部15のU字溝に上から挿入される柱状の上方突部からなる第4掛止構成部25が形成されている。
【0022】
第4掛止構成部25は、第1カバーパネル10に第2カバーパネル20を掛止める際に、第3掛止構成部15に掛止められるものであるので、嵌合溝形成部13Aの第3掛止構成部15が形成される配置に対応してその位置が決められる。
【0023】
即ち、本実施例では、第3掛止構成部15が嵌合溝形成部13Aの外側の側壁に形成されたため、第4掛止構成部25は組立時に荷台外方を向くように第2フレーム22に設けられたが、第3掛止構成部15が嵌合溝形成部13Aの溝底壁に形成される場合には、第4掛止構成部25は組立時に第2フレーム22の延出方向に沿って外方を向くように配置され、また第3掛止構成部15が嵌合溝形成部13Aの内側の側壁(パネル固定部12aの溝底壁)に形成される場合には、第4掛止構成部25は組立時に第2フレーム22の延出方向に沿って荷台内方を向くように配置されればよい(図示せず)。
【0024】
[蓋部]
蓋部30は、下面が開放された箱形からなっている(
図1参照)。
蓋部30は、第3パネル本体31の上面を額縁状に覆って固着するフランジ片32と、該フランジ片32から直角に折れ曲がって角筒状となる周壁部33とからなっており、周壁部33のコーナー部にはアングル状の補強金具34が固定されている。
第3パネル本体31は、前記第1パネル本体と同様に、プラスチック製中空体シートが好ましい。
【0025】
該蓋部30は、その内周が前記第1カバーパネル10と第2カバーパネル20とで組み立てられた箱体の上端に外嵌可能な寸法に設定されており、箱体に沿って嵌め込むことができる。
なお、箱体の解体時には、蓋部30の下端が前記支持壁部3に固定された補強金具6の上端の段部に掛止められて、定位置で蓋を閉じることができるようになっている(
図8参照)。
【0026】
ここで、支持壁部3の内周は、第1カバーパネル10と第2カバーパネル20とが支持壁部3から取りはずされた際に横倒した第1カバーパネル10と第2カバーパネル20とを収納可能な内周寸法に設定されている。
従って、組み立てられた箱体が解体されると、第1カバーパネル10と第2カバーパネル20とは横に水平に倒し積み重ねて支持壁部3の内部に収納することができる。
積み重ねたパネルの高さが支持壁部3より高い場合であっても、本実施例のように前記蓋部30を中空位置で掛止めることで、蓋部30の内空部も収納空間として利用することができる。
【0027】
[組立方法]
図5及び
図6により、上記構成部品を用いた組立式コンテナ1の組立方法を説明する。
まず、
図5(a)に示すように、パレット9の荷台面2上の支持壁部3の第1壁面4に沿って、内側から第1カバーパネル10を押し当てる。
そして、支持壁部3の貫通孔からなる第1掛止構成部7に第1カバーパネル10の突部からなる第2掛止構成部14を突入して掛止める。
同様に
図5(b)に示すように、対向する第1壁面4の第1掛止構成部7にも他方の第1カバーパネル10の第2掛止構成部14を突入して掛止め、一対の第1カバーパネル10を平行に離間して自立させる。
即ち、第2掛止構成部14が第1掛止構成部7に突入して、掛止められているため、第1カバーパネルは、内側に倒れ込まず、外側にも支持壁部3があるため倒れず、自立することができる。
これにより、第2カバーパネル20を挿入する際、一対の第1カバーパネルを
手で支えておく必要がなく、作業者が一人でも組立ができる。
【0028】
次に、起立した一対の第1カバーパネル10間の両側に形成されて向かい合う一対の嵌合溝13によりスライド溝を形成し、第2カバーパネル20の両端を上から下向きに摺動させて荷台面2まで挿入する(
図6(a)参照)。
この第2カバーパネル20の下降に伴い、第2カバーパネル20に形成された第4掛止構成部25を第1カバーパネル10の第3掛止構成部15に掛け止めて、第1カバーパネル10と第2カバーパネル20を相互に掛止めることができる。
【0029】
そして、一対の第1カバーパネル10の間に、直角に一対の第2カバーパネル20が掛け止められて、支持壁部3の内面に沿って4面からなるカバーパネル10、20により箱体が組み立てられる(
図6(b)参照)。
このように形成された箱体に上から蓋部30を被せることで、上部開口を塞ぐことができ、コンテナの組み立てが完成する。
【0030】
コンテナの不使用時には、前記とは逆の手順で蓋部を外し、各カバーパネル10、20を分解していく。
即ち、第2カバーパネル20は嵌合溝13に沿って上方に摺動し引き上げるだけで第3掛止構成部15と第4掛止構成部25の掛止が外れ、第2カバーパネル20を取りはずすことができる。
次に、第1カバーパネル20を荷台内方へ押し動かすことで、前記支持壁部3の第1掛止構成部7から第2掛止構成部14を外して第1カバーパネル10を取りはずすことができる。
取りはずした第1カバーパネル20と第2カバーパネル20とは横に倒して支持壁部3の内部に収納し、蓋部30を支持壁部3に被せることで、コンパクトに収納することができ、発送元へ回送して繰り返し再使用することができる(
図8参照)。