特許第5753552号(P5753552)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5753552
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】細長医療デバイス用のハンドル拡張
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/02 20060101AFI20150702BHJP
   A61M 39/10 20060101ALI20150702BHJP
【FI】
   A61M39/02
   A61M39/10
【請求項の数】19
【外国語出願】
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2013-131873(P2013-131873)
(22)【出願日】2013年6月24日
(65)【公開番号】特開2014-54513(P2014-54513A)
(43)【公開日】2014年3月27日
【審査請求日】2014年4月28日
(31)【優先権主張番号】13/594104
(32)【優先日】2012年8月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506257180
【氏名又は名称】セント・ジュード・メディカル・エイトリアル・フィブリレーション・ディヴィジョン・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リード ジャスティン エー
【審査官】 田中 玲子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2002/0188288(US,A1)
【文献】 特開2000−102619(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/02
A61M 39/10
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療デバイス用のハンドルアセンブリであって、
電気ワイヤと流体ルーメンとの少なくともひとつを含む細長医療デバイスシャフトと結合するように構成され、前記流体ルーメンと流体的に結合された流体コネクタと前記電気ワイヤと電気的に結合する電気機械的コネクタのうちの1以上への接続を提供するように構成されたハンドルポートを含む、メイン本体部分と、
前記ハンドルポートに結合されたハンドル拡張部分とを含
前記ハンドル拡張部分は、2以上のハンドル拡張ポートを含み、前記2以上のハンドル拡張ポートの一つは前記ハンドルポートを複製し、前記ハンドル拡張部分に設けられたハンドル拡張ポートの数は、前記本体部分に設けられたハンドルポートの数よりも多い、ハンドルアセンブリ。
【請求項2】
前記2以上のハンドル拡張ポートのうち、第1のハンドル拡張ポートは、前記流体ルーメンと流体的に結合された流体コネクタと前記電気ワイヤと電気的に結合する電気機械的コネクタとのうちの1以上への接続を提供するように構成され、請求項1に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項3】
前記2以上のハンドル拡張ポートのうち、前記第1のハンドル拡張ポートは、前記電気機械的コネクタへの接続を提供するように構成され、第2のハンドル拡張ポートは、前記流体コネクタへの接続を提供するように構成され、請求項2に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項4】
前記第1のハンドル拡張ポート及び前記第2のハンドル拡張ポートは、前記拡張部分に対して概して同じ側に配置されている、請求項3に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項5】
前記第1のハンドル拡張ポート及び前記第2のハンドル拡張ポートは、前記拡張部分に対して概して異なる側に配置されている、請求項3に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項6】
前記第1のハンドル拡張ポート及び前記第2のハンドル拡張ポートは、前記拡張部分に対して概して相対する側に配置されている、請求項5に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項7】
前記第1のハンドル拡張ポート内に配置された電気機械的コネクタと、前記第2のハンドル拡張ポート内に配置された流体コネクタとをさらに含む、請求項3〜6のいずれか一項に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項8】
前記ハンドル拡張部分は、環状溝を含む結合部分と、環状突起を含むハンドルポートとを含み、前記環状溝は、前記環状突起を受け入れるように構成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項9】
遠位端と、近位端と、電気ワイヤ及び流体ルーメンの少なくともいずれか一方とを含むシャフトと、
前記シャフトの近位端と結合し、前記流体ルーメンと流体的に結合された流体コネクタと前記電気ワイヤと電気的に結合する電気機械的コネクタとのうちの1以上への接続を提供するように構成されたハンドルポートを含む、メイン本体部分と、
前記ハンドルポートに結合するハンドル拡張部分と、
を含むハンドルと、
を含
前記ハンドル拡張部分は、2以上のハンドル拡張ポートを含み、前記2以上のハンドル拡張ポートの1つは前記ハンドルポートを複製し、前記ハンドル拡張部分に設けられたハンドル拡張ポートの数は、前記本体部分に設けられたハンドルポートの数よりも多い、細長医療デバイス。
【請求項10】
前記ハンドルのメイン本体部分は、前記シャフト近位端と結合する遠位端と、前記ハンドルポートを含む近位端とを含む、請求項9に記載の細長医療デバイス。
【請求項11】
前記2以上のハンドル拡張ポートのうち、第1のハンドル拡張ポートは、前記流体ルーメンと流体的に結合された流体コネクタと前記電気ワイヤと電気的に結合する電気機械的コネクタとのうちの1以上への接続を提供するように構成され、請求項10に記載の細長医療デバイス。
【請求項12】
前記ハンドル拡張部分は、前記メイン本体部分と結合する遠位端と、前記ハンドル拡張ポートを含む近位端とを含む、請求項11に記載の細長医療デバイス。
【請求項13】
前記シャフトは、前記電気ワイヤと前記流体ルーメンとを含み、
前記2以上のハンドル拡張ポートのうち、前記第1のハンドル拡張ポートは、前記電気機械的コネクタへの接続を提供するように構成され、第2のハンドル拡張ポートは、前記流体コネクタへの接続を提供するように構成され、請求項11に記載の細長医療デバイス。
【請求項14】
前記第1のハンドル拡張ポート及び前記第2のハンドル拡張ポートは、概して前記ハンドル拡張部分の前記近位端に配置されている、請求項13に記載の細長医療デバイス。
【請求項15】
前記第1のハンドル拡張ポートは、前記ハンドルポートと実質的に同じサイズおよび同じ形状である、請求項11〜14のいずれか一項に記載の細長医療デバイス。
【請求項16】
前記電気ワイヤに結合され、少なくとも部分的に前記第1のハンドル拡張ポート内に配置されている電気機械的コネクタと、
前記流体ルーメンに流体的に結合され、少なくとも部分的に前記第1のハンドル拡張ポート内に配置されている流体コネクタと、
の少なくともいずれか一方をさらに含む、請求項11〜15のいずれか一項に記載の細長医療デバイス。
【請求項17】
医療デバイス用のハンドルアセンブリであって、
細長シャフトと結合して前記シャフトの電気ワイヤと流体ルーメンとの1以上を受け入れるように構成され、前記電気ワイヤと電気的に結合する電気機械的コネクタと前記流体ルーメンと流体的に結合された流体コネクタとのうちの1以上への接続を提供するように構成されたハンドルポートを含む、メイン本体部分と、
前記ハンドルポートを占拠する拡張部分とを含
前記拡張部分は、前記ハンドルポートを複製するように構成された第1の拡張ポートと、他の少なくとも一つの拡張ポートとを含み、前記拡張部分に設けられた拡張ポートの数は、前記本体部分に設けられたハンドルポートの数よりも多い、ハンドルアセンブリ。
【請求項18】
前記第1の拡張ポートは、前記電気機械的コネクタへの接続を提供するように構成され、
2の拡張ポートは、前記流体コネクタへの接続を提供するように構成される、請求項17に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項19】
記拡張部分は、環状溝を含む結合部分を含み前記ハンドルポートは、環状突起を含み、前記環状溝は、前記環状突起を受け入れるように構成されている、請求項17又は18に記載のハンドルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2012年6月4日に出願された審査中の米国特許出願第13/487,569号明細書(569出願)、及び2012年8月3日に出願された審査中の米国特許出願第29/428,898号明細書(898出願)の一部継続出願である。569出願及び898出願は全て、本明細書に全て記載されたものとして本明細書により参照して援用される。
【0002】
(技術分野)
本開示は、例えば、カテーテルおよびシースまたは挿入器であるが、これらに限定されない細長医療デバイスに関する。特に、本開示は、そのような細長医療デバイス用のモジュール式のハンドル拡張デバイス、ならびにそのようなモジュール式の拡張デバイスを含む細長医療デバイスおよびその構成要素に関する。
【背景技術】
【0003】
例えば、心臓などの患者の体の種々の解剖学的構造上または内において種々の治療的および/または診断的医療処置を実施する場合、例えば、カテーテルおよびシースまたは挿入器などの細長医療デバイスを使用することが公知である。そのようなデバイスは、全般的に、近位端部と、遠位端部と、いくつかの電気要素および流体要素とを有する細長シャフトと、シャフトの近位端部に配置されたハンドルアセンブリとを含む。シャフト内の電気要素および流体要素への接続を提供するために、ハンドルアセンブリは、一般に、流体供給、マッピング、ナビゲーションシステム等と結合可能な1以上のコネクタを含む。
【0004】
公知の医療デバイスのハンドルアセンブリは、概して、特定のシャフト構造を念頭に置いている。例えば、特定の構成を有する電気要素、流体要素、偏向機構等である。もし、新規のカテーテルシャフトが設計および構築されるのであれば、全く新しいハンドルは、典型的には、カテーテルシャフトの流体要素、電気要素、およびその他の構成要素の特性の構成に適応するように設計および構築されるべきである。
【0005】
前述の説明は単に本分野を説明することを意図したものであり、請求項の範囲の否認と解釈すべきではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
種々の実施形態では、医療デバイスのハンドルアセンブリは、電気ワイヤと流体ルーメンとの少なくともひとつを含む細長医療デバイスシャフトと結合するように構成されたメイン本体部分を含んでいてもよい。メイン本体部分は、流体ルーメンと流体的に結合された流体コネクタと電気ワイヤと電気的に結合する電気機械的コネクタのうちの1以上への接続を提供するように構成されたハンドルポートを含んでいてもよい。ハンドルアセンブリは、ハンドルポートに結合されたハンドル拡張部分をさらに含んでいてもよい。
【0007】
他の態様のハンドルアセンブリは、細長シャフトと結合して、少なくとも部分的にシャフトに配置された電気ワイヤと少なくとも部分的にシャフトに配置された流体ルーメンとの1以上を受け入れるように構成されたメイン本体部分を含んでいてもよい。メイン本体部分は、電気ワイヤと電気的に結合する電気機械的コネクタと流体ルーメンと流体的に結合された流体コネクタとのうちの1以上への接続を提供するように構成されたハンドルポートを含んでいてもよい。ハンドルアセンブリは、前記ハンドルポートを占拠するとともに前記ハンドルポートを複製するように構成された拡張ポートを含む拡張部分をさらに含んでいてもよい。
【0008】
一態様の細長医療デバイスは、遠位端と、近位端と、電気ワイヤ及び流体ルーメンの少なくともいずれか一方とを含むシャフトを含むことができる。医療デバイスは、さらに、メイン本体部分と、ハンドル拡張部分とを含むハンドルを含んでいてもよい。メイン本体部分は、シャフトの近位端と結合していてもよく、流体ルーメンと流体的に結合された流体コネクタと電気ワイヤと電気的に結合する電気機械的コネクタとのうちの1以上への接続を提供するように構成されたハンドルポートを含んでいてもよい。ハンドル拡張部分は、ハンドルポートに結合していてもよい。
【0009】
本発明の前述および他の態様、特徴、詳細、有用性および利点は、以下の説明および特許請求の範囲を読み、添付の図面を精査すると明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本教示に従う例示的な細長医療デバイスの平面図である。
図2図1に示した例示的な細長医療デバイスの分解図である。
図3A】細長医療デバイスが中立または非偏向状態にある場合の、ハンドルアセンブリならびに図1および図2に示した細長医療デバイスの偏向機構の一部の等角図である。
図3B】細長医療デバイスが偏向状態にある場合の、ハンドルアセンブリならびに図1および図2に示した細長医療デバイスの偏向機構の一部の等角図である。
図4図1〜3Bに示した、偏向機構の例示的なアクチュエータ本体のベース部材の等角図である。
図5図4に示した、アクチュエータ本体のベース部材の第1の面の平面図である。
図6図1の6−6に沿って切った、図1および図2に示した偏向機構の例示的なアクチュエータの断面図である。
図7A】異なる方向に偏向した細長医療デバイスのシャフトの遠位端部を示す、図1に示した細長医療デバイスの一部の等角図である。
図7B】異なる方向に偏向した細長医療デバイスのシャフトの遠位端部を示す、図1に示した細長医療デバイスの一部の等角図である。
図8A図1および図2に示した偏向機構のワイヤロックの例示的な実施形態の側面図である。
図8B図8Aの線8B−8Bに沿って切った、図8Aに示したワイヤロックの断面図である。
図9A図9Aは、図1および図2に示したハンドルのモジュール式のハンドル拡張の例示的な実施形態の等角図である。
図9B図9Bは、図9Aに示したモジュール式のハンドル拡張の第1部分および第2部分の平面図である。
図9C図9Cは、図9Aに示したモジュール式のハンドル拡張の第1部分および第2部分の平面図である。
図9D図9Dは、モジュール式のハンドル拡張の第2部分の代替的な実施形態の図式的な平面図である。
図9E図9Eは、モジュール式のハンドル拡張の第2部分の代替的な実施形態の図式的な平面図である。
図9F図9Fは、モジュール式のハンドル拡張の第2部分の代替的な実施形態の図式的な平面図である。
図9G図9Gは、モジュール式のハンドル拡張の第2部分の代替的な実施形態の図式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
種々の装置および/またはシステムの種々の実施形態を本明細書中に記載する。明細書に記載される、および添付の図面に示される実施形態の全体的な構造、機能、製造および/または使用の完全な理解を提供するため多数の特定の詳細を説明する。しかしながら、実施形態をそのような特定の詳細なしで実施してもよいことは当業者には理解されよう。他の例では、明細書に記載した実施形態を不明瞭にしないため、周知の動作、構成要素および要素については詳細に記載しない。当業者であれば、本明細書中に記載し、かつ示した実施形態は発明を限定しない例であることを理解しよう。したがって、本明細書中に開示される特定の構造および機能的な詳細は代表例とされ、その範囲が添付の特許請求の範囲によってのみ画定される実施形態の範囲を必ずしも限定しないということは理解されうる。
【0012】
明細書全体における「種々の実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」、「実施形態」、「例示的な一実施形態」等の言及は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造または特徴は少なくとも一実施形態に含まれることを意味する。したがって、明細書の所定の位置における「種々の実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、「一実施形態では」、「実施形態では」、「例示的な一実施形態では」等の文言の出現は必ずしもすべて同じ実施形態について言及するものではない。さらに、特定の特徴、構造または特性は、任意の適切な手法で、1つまたは複数の実施形態に組み合わせてもよい。したがって、一実施形態に関連して示される、または記載される特定の特徴、構造または特性は、そのような組み合わせが非論理的でなく、非機能的でない場合、全体的または部分的に1つまたは複数の他の実施形態の特徴、構造または特性と組み合わされてもよいが、これらに限定されるものではない。
【0013】
用語「近位」および「遠位」は、明細書全体にわたり、患者を治療するために使用される器具の一端を操作する臨床医に対して使用されうることは理解されよう。用語「近位」は、臨床医に最も近い器具の部分を意味し、用語「遠位」は、臨床医から最も遠くにある部分を意味する。さらに、簡潔および明確にするため、「垂直」、「水平」、「上」および「下」などの空間的用語は、本明細書中においては、示される実施形態に対して使用されうることは理解されよう。しかしながら、外科用器具は多くの向きおよび位置において使用することができ、これら用語は限定的および絶対的であることを意図するものではない。
【0014】
ここで、種々の図における同一または類似の構成要素を同定するために同様の参照符号が使用される図面を参照すると、図1は、1つまたは複数の方向に偏向されるように構成された細長医療デバイス10の1つの例示的な実施形態を示す。細長医療デバイス10は、例えば、診断的および/または治療的送達カテーテル、挿入器またはシース、もしくは他の同様のデバイスを含んでもよい。説明のため、および明確化のため、以下の記載はデバイス10がカテーテル(すなわちカテーテル10)を含む実施形態に対するものである。しかしながら、デバイス10がカテーテル以外の細長医療デバイスを含む実施形態も依然本開示の範囲および精神内であることは理解されよう。
【0015】
引き続き図1を参照すると、例示的な一実施形態では、カテーテル10は、患者の体内、特に、患者の心臓内に挿入されるように構成される。カテーテル10は、ハンドルアセンブリまたはハンドル12と、近位端部16と遠位端部18とを有するシャフト14と、シャフト14内または上に取り付けられた1つまたは複数のセンサ20と、を含んでもよい。例示的な一実施形態では、センサ20はシャフト14の遠位端部18に配置されている。カテーテル10は、例えば、温度センサ、追加のセンサまたは電極、(例えば、RFアブレーションエネルギーを送達するためのアブレーション先端電極、集束超音波アブレーション要素等)のアブレーション要素および対応する導体またはリードであるが、これらに限定されない他の従来の構成要素をさらに含んでもよい。
【0016】
例示的な一実施形態では、カテーテル10は、1つまたは複数の電気機械的コネクタ22をさらに含む。1つまたは複数の電気機械的コネクタ22は、カテーテル10、および、特に、そのセンサ20を、例えば、電気生理学(EP)実験室システムの構成要素または下位システムと結合することを可能にするように構成されている。このような構成要素または下位システムは、例えば、可視化、ナビゲーションおよび/またはマッピングシステム、(例えば、心電図(EGM)、心信号等の監視および/または記録のための)EP監視および記録システム、組織接触検知システム(tissue contact sensing system)、アブレーションシステム、心刺激システム(すなわちEP刺激器)等を含んでもよいが、これらに限定されるものではない。
【0017】
カテーテル10は、カテーテル10、そして特にシャフト14に、シャフト14の流体ルーメンと外部システムとの間の結合性を提供するように構成される1以上の流体コネクタ134をさらに含むことができる。流体コネクタ134は、シャフト14の1以上の流体ルーメン及び/またはハンドル12と流体的に結合していてもよく、そのような流体の供給源または供給先(一例に過ぎないが、重力供給や灌流ポンプ)と結合するように構成されていてもよい。
【0018】
一実施形態では、電気機械的コネクタ22と流体コネクタ134との双方は、ハンドル拡張130の近位端に提供することができる。ハンドル拡張130は、ハンドル12に結合して環状バンド132によってハンドル12に固定することができる。バンド132はまた、単に審美的な目的で供給され、ハンドル12とハンドル拡張130とを曖昧に接合させるものであってもよい。バンド132によって、ハンドル拡張130とハンドルとは、例えば、プレスばめまたは締まり結合(interference coupling)技術、ハンドル12とハンドル拡張130とに配置された相補形のインターロック部材、従来の締結具または接着剤、もしくは当技術分野において公知の任意の他の技術による、当技術分野において公知のいくつかの手法で互いに結合されてもよい。
【0019】
ハンドル拡張130は、医療デバイスハンドルの完全な設計変更を伴うことなく、その近位端のコネクタの数を拡張する目的で供給されてもよい。従って、ハンドル拡張130は、より多数もしくは少数の、及び/または相違するコネクタによって代替できる。例えば、ハンドル拡張130の一実施形態は、多々追えば、第2の可視化システム、ナビゲーションシステム、及び/またはマッピングシステムに接続するための第2の電気機械的コネクタのためのポートを含んでいてもよい。ハンドル拡張130の実施形態は、図9A−9Gに詳細を示しており、後で説明する。
【0020】
ハンドル12はシャフト14の近位端部16に配置されている。ハンドル12は、臨床医がカテーテル10を保持するための位置を提供し、以下により詳細に記載されるように、シャフト14を患者の体内において操向または案内するための手段をさらに提供してもよい。
【0021】
図1および図2に示されるように、ハンドル12はハウジング24を含む。ハウジング24は一体型構造のものであっても、組み合わされるように構成された複数の部品で構成してもよい。例えば、および図2に示されるように、ハウジング24は、第1の、または底部部品26と、第2の、または上部部品28とを含んでもよい。このような一実施形態では、ハウジング24の第1の部品26と第2の部品28とは、例えば、プレスばめまたは締まり結合(interference coupling)技術、ハウジング24の各部品26、28に配置された相補形のインターロック部材、従来の締結具または接着剤、もしくは当技術分野において公知の任意の他の技術による、当技術分野において公知のいくつかの手法で互いに結合されてもよい。
【0022】
ハウジング24が1つの部品で形成されていようと複数の部品で形成されていようと、ハウジング24は、ハウジング24内のキャビティ32を画定する内部表面30を含む。キャビティ32は、以下に記載されるように、カテーテル10の種々の構成要素(例えば、コネクタ22、以下に記載される偏向機構の種々の構成要素等)を収容するように構成されている。例示的な一実施形態では、および以下により詳細に記載される目的のため、ハウジング24は、内部表面30から、キャビティ32内に突出した柱34をさらに含む。また、以下により詳細に記載される目的のため、ハウジング24は、ハウジング24の内部表面30から、キャビティ32内に延びている、または突出している一対の案内壁36、36をさらに含んでもよい。そのような一実施形態では、および図3Aおよび図3Bに示すように、案内壁36、36は、シャフト14の近位端部16と柱34との間にある。いずれにしても、ハンドル12は、当技術分野において周知の種々の種類のプラスチックなどの従来の材料から形成してもよい。
【0023】
図1および図2を参照すると、ハンドル12は、また、一実施形態において、拡張結合部分152を含んでいてもよい(図2)。結合部分152は、ハンドル拡張130の部分を受け入れるように構成することができる(図1)。一実施形態では、結合部分152は、ハンドル拡張130の部分に係合するために、環状突起154のような1以上の構成要素を含むことができる。結合部分152は、コネクタポートに(例えば、ハンドル拡張130が無いときに、結合部分152が、一例に過ぎないが、電気機械的コネクタのためのコネクタポートに)転換してもよい。結果として、結合部分152は、ハンドル拡張130の一実施形態におけるコネクタポートと、実質的に同じ寸法であってもよい。
【0024】
カテーテル10のシャフト14は、患者の体内における移動のために構成された、細長く、管状の、可撓性のある部材である。シャフト14は、例えば、それに取り付けられた、例えば、センサ20、対応する導体、およびおそらくは信号処理および調整に使用される追加の電子機器のようなセンサおよび/または電極であるが、これらに限定されないものを支持する。シャフト14は、また、(洗浄流体、極低温アブレーション流体および体液を含む)流体、薬剤および/または外科用工具または器具の運搬、送達および/または除去を可能にしてもよい。シャフト14は、ポリウレタンなどの従来の材料から作成してもよく、かつ電気的導体、流体、作動または操向ワイヤ、もしくは外科用工具を収容および/または運搬するように構成されている1つまたは複数の内腔を画定してもよい。カテーテル10が診断的および/または治療的カテーテルである一実施形態では、シャフト14は、従来の挿入器またはシースを通じて血管または患者の体内の他の構造内に挿入されてもよい。以下により詳細に記載されるように、シャフト14は、その後、体内において心臓などの所望の位置まで操向されても案内されてもよい。
【0025】
カテーテル10のシャフト14内または上に取り付けられたセンサ20は、例えば、電気生理学的研究、ぺーシング、心臓マッピングおよびアブレーションを含むが、これらに限定されない種々の診断的および治療的目的のために提供されてもよい。例示的な一実施形態では、位置または姿勢検出機能を実施するための1つまたは複数のセンサ20が提供される。さらに具体的には、および以下により詳細に記載されるように、1つまたは複数のセンサ20は、特に、特定の時点における、カテーテル10およびそのシャフト14の遠位端部18の位置(姿勢および向き、すなわち「P&O」)に関する情報を提供する位置決めセンサであるように構成されている。したがって、そのような一実施形態では、カテーテル10が心臓の対象構造の表面および/または構造の内部の周囲に沿って移動すると、センサ20は、対象構造の表面および/または対象構造内の他の位置に対応する位置データポイントを収集するために使用されうる。これら位置データポイントは、その後、例えば、対象構造のサーフェスモデルの構成であるが、これに限定されない多くの目的に使用することができる。
【0026】
図1および図2を参照すると、電気機械的コネクタ22は、数ある中でも、カテーテル10のセンサ20のリード、ならびにカテーテル10と、例えば、EP実験室システムの他の構成要素との間に延びるワイヤまたはケーブルのための電気的および機械的な連結部を提供する。例示的な一実施形態では、および図1および図2に示されるように、コネクタ22は、カテーテル10のハンドル12内、特にそのハウジング24内に配置されている。例えば、コネクタ22は、キャビティ32内、したがって、ハウジング24の第1の部品26と第2の部品28との間に配置されてもよい。あるいは、および図2に示されるように、コネクタ22は、ハンドルハウジング24の第3の部品38と第4の部品40とによって画定されるキャビティ内に配置されてもよい。別の例示的な実施形態では、ハンドル12内、またはハンドル12の一部として配置されるのではなく、コネクタ22をハンドル12から離して、例えば、カテーテル10のハンドル12から延びるピグテール(図示せず)の端部に配置してもよい。
【0027】
上記の構成要素に加えて、例示的な一実施形態では、カテーテル10は、カテーテル10のハンドル12に付属した偏向機構42と、カテーテル10のシャフト14の遠位端部18に、またはその内部に配置されたプルアセンブリ44(図7Aおよび図7Bに最良に示される)とをさらに含む。以下により詳細に記載されるように、偏向機構42とプルアセンブリ44との組み合わせにより、使用者または医師が、シャフト14の遠位端部18の、1つまたは複数の方向への動き(例えば偏向)を実施することができ、したがって、医師がカテーテル10を操向することを可能にする手段を提供する。
【0028】
図2〜3Bを参照すると、例示的な一実施形態では、偏向機構42は、回転可能な本体48と、1つまたは複数の作動または操向ワイヤ50とを含むアクチュエータ46を少なくとも部分的に含む。明確化および説明目的のため、以下の記載は、偏向機構42が第1および第2の作動ワイヤ50(すなわち、第1の作動ワイヤ50および第2の作動ワイヤ50)を含む実施形態に限定される。しかしながら、他の例示的な実施形態では、偏向機構42は2つよりも多いまたは少ない作動ワイヤを含んでもよく、したがって、そのような実施形態は依然本開示の範囲および精神内であることは理解されよう。
【0029】
図2〜3Bに示される実施形態では、および一般に、回転可能なアクチュエータ本体48は、例えば、成形プラスチックで構成されてもよく、第1の外壁52と、第1の外壁52に実質的に平行する第2の外壁54と、第1の外壁52と第2の外壁54とを横断し、かつ第1の外壁52と第2の外壁54との間に配置された第3の外壁56と、を含む。アクチュエータ本体48は、中に形成された(図2に最良に示される)スロット60を有する第1の部分58と、中または上に配置された(図3Aおよび図3Bに最良に示される)溝64を有する第2の部分62と、をさらに含む。例示的な一実施形態では、および以下により詳細に記載されるように、第1の部分58は、アクチュエータ本体48の第3の外壁56の一部を含み、第2の部分62は、アクチュエータ本体48の第1の外壁52および第2の外壁54の1つの内部表面を含む。さらに、例示的な一実施形態では、本体48の第1の部分58および第2の部分62は本体48の反対端に配置されている。図3Aおよび図3Bに示されるように、偏向機構42が組み立てられると、作動ワイヤ50、50は溝64から延びて、スロット60を通り回転可能な本体48から出る。
【0030】
さらに具体的には、作動ワイヤ50、50のそれぞれは近位端66と遠位端68(図7Aおよび図7Bに最良に示される)とを有する。例示的な一実施形態では、偏向機構42は、一対のアンカーまたはワイヤロック70をさらに含む。例えば、図3Aおよび図3Bに示されるように、ワイヤロック70のそれぞれは各々の作動ワイヤ50の近位端66に取り付けられている(すなわち、第1のワイヤロック70は第1の作動ワイヤ50の近位端66に取り付けられており、第2のワイヤロック70は第2の作動ワイヤ50の近位端66に取り付けられている)。ワイヤロック70は、いくつかの手法で作動ワイヤ50の近位端66に取り付けられてもよい。単に例示的な目的のために提供され、本質的に限定することを意味しない実施形態において、各ワイヤロック70は各々の作動ワイヤ50の近位端66上にはんだ付けされる。さらに具体的には、図8Aおよび図8Bに示されるような実施形態では、各ワイヤロック70は、その中に中ぐり71を含む。中ぐり71内には、対応する作動ワイヤ50の近位端66が挿入され、その後、所定の位置にはんだ付けされてもよい。しかしながら、ワイヤロック70を作動ワイヤ50の近位端66に取り付けるため、はんだ付け技術の代わりに当技術分野において周知のいくつかの取り付け技術を使用してもよく、このような他の技術は依然本開示の範囲および精神内であることは理解されよう。
【0031】
以下により詳細に記載されるように、アクチュエータ46が組み立てられると、作動ワイヤ50の近位端66はアクチュエータ本体48内に配置される一方、作動ワイヤ50、50の遠位端68は、例えば、カテーテル10のシャフト14内に配置されたプルアセンブリ44に結合される、または取り付けられる(図7Aおよび図7Bに最良に示される)。
【0032】
引き続き図3Aおよび図3Bを参照すると、例示的な一実施形態では、ワイヤロック70、70は、アクチュエータ本体48の溝64内に配置されており、かつ特定の例では、アクチュエータ本体48が回転すると、溝64内に載る(例えば、スライドする、または滑る)ように構成されている。作動ワイヤ50、50がワイヤロック70、70に取り付けられており、ワイヤロック70、70が溝64内に配置されているため、作動ワイヤ50、50は溝64から延びて、そのスロット60を通りアクチュエータ本体48から出る。
【0033】
さらに具体的には、および図3A〜6を参照すると、例示的な一実施形態では、アクチュエータ本体48は、ベース部材72と、カバー部材74とを含む。図4および図6に最良に示すように、ベース部材72は、第1の面76と、第2の面78と、第1の面76と第2の面78との間に配置され、かつ第1の面76と第2の面78とに実質的に垂直な横断壁80と、を含む。例示的な一実施形態では、ベース部材72の横断壁80は、アクチュエータ本体48の第3の外壁56を含み、横断壁80の一部は、中に配置されたスロット60を有するアクチュエータ本体48の第1の部分58をさらに含む。そのような一実施形態では、ベース部材72の第1の面76は、アクチュエータ本体48の第2の部分62を含んでもよい。第2の部分62はその中または上に配置された溝64を含む。したがって、第1の面76はアクチュエータ本体48の第1の外壁52の内部表面を含んでもよい一方で、第2の面78は第1の外壁52の外部表面を含んでもよい。
【0034】
ベース部材72と同様、図3A図3Bおよび図6に示されるような例示的な一実施形態では、アクチュエータ本体48のカバー部材74は、第1の面82と、第2の面84と、第1の面82と第2の面84との間に配置され、かつ第1の面82と第2の面84とに実質的に垂直な横断壁86と、を含む。カバー部材74はベース部材72に重なるようになっており、カバー部材74の第1の面82はベース部材72の第1の面76と係合するようになっている。したがって、例示的な一実施形態では、カバー部材74の第1の面82はアクチュエータ本体48の第2の外壁54の内部表面を含む一方で、第2の面84は第2の外壁54の外部表面を含む。以下に記載されるように、カバー部材74は少なくともワイヤロック70、70を溝64内に保持するように動作する。
【0035】
図4および図5を参照すると、アクチュエータ本体48のベース部材72が示される。ベース部材72は、第1の端部88と、第1の端部88の反対側の第2の端部90と、を含む。例示的な一実施形態では、溝64がベース部材72の第1の端部88に配置されている一方で、スロット60は第2の端部90に配置されている。さらに、例示的な一実施形態では、溝64は湾曲した溝を含む。そのような一実施形態では、および横断面80が環状の表面を含む図4および図5に示されるような例では、溝64は、ベース部材72の横断面80の曲率の程度と実質的に同じ曲率の程度を有してもよい。
【0036】
いずれにしても、溝64が湾曲しているか、曲率の程度、またはそれがどこに位置しているかに関係なく、例示的な一実施形態では、溝64は、第1の側壁92および第2の側壁94、ならびに第1の端壁96および第2の端壁98によって少なくとも部分的に画定される、実質的にu字形またはv字形の溝を含む。第1の端壁96および第2の端壁98のそれぞれは、溝64の両端にある第1の側壁92と第2の側壁94との間に配置されている。
【0037】
例示的な一実施形態では、端壁96、98の少なくとも1つはその中に配置された開口部100を有する。図4および図5に示される実施形態では、端壁96、98のそれぞれは、その中に配置された開口部100を有する(すなわち、端壁96はその中に配置された開口部100を有する一方、端壁98はその中に配置された開口部100を有する)。開口部100、100は、溝64から出た作動ワイヤ50、50の伸張を可能にするために設けられる。溝64内には、ワイヤロック70、70、したがって、作動ワイヤ50の近位端66が配置される。開口部100、100はいくつかの形態をとってもよい。例えば、開口部100、100の1つまたは両方は、各々の端壁96、98内に形成されたv字形またはu字形の切り欠き部を含んでもよい。しかしながら、別の例示的な実施形態では、開口部100、100の1つまたは両方は、各々の端壁96、98内の穴または別の同様の孔を含んでもよい。したがって、当業者であれば、開口部100、100はいくつかの形態をとってもよく、そのそれぞれが本開示の範囲および精神内にあることを理解するであろう。開口部100、100の特定の形態に関わらず、ワイヤロック70、70を溝64内に保持し、それによりワイヤロック70、70が開口部100、100を通じて溝64から出ることを防止するため、開口部100、100は、ワイヤロック70、70のサイズよりも小さなサイズ(例えば、直径)を有する。
【0038】
引き続き図5を参照すると、溝64に加え、例示的な一実施形態においては、示される実施形態ではベース部材72の第1の面76の少なくとも一部を含むアクチュエータ本体48の第2の部分62は、その中または上に配置された、第1の部分58(例えば、ベース部材72の横断面80)のスロット60から溝64内の開口部100まで延びる1つまたは複数の通路102をさらに含む。偏向機構42が一対の作動ワイヤ50、50を含む実施形態では、第1の通路102および第2の通路102はベース部材72の第1の面76内または上に形成されている。そのような一実施形態では、第1の通路102は、スロット60から、溝64の第1の端壁96内の開口部100まで延びている。第2の通路102は、スロット60から、第2の端壁98内の開口部100まで延びている。図5に示されるような実施形態では、第1の通路102および第2の通路102は、ベース部材72の第1の面76内または上に配置された、より大きな通路またはグルーブの第1の部分および第2の部分を含む。あるいは、第1の通路102と第2の通路102とは、互いに分離されており、かつ異なる(すなわち、単一のより大きなグルーブまたは通路の部分を含まない)ものであってもよい。
【0039】
溝64と同様、例示的な一実施形態では、通路102は湾曲形状を有してもよい。そのような一実施形態では、および横断面80が環状の表面を含む例では、通路102は、ベース部材72の横断面80の曲率の程度と実質的に同じ曲率の程度を有してもよい。さらに、および上記の溝64および開口部100と同様、例示的な一実施形態では、通路102、102は、実質的にu字形またはv字形の通路を含んでもよい。
【0040】
例示的な一実施形態では、通路102、102のそれぞれは、通路102、102の長さに沿って一定幅を有する。あるいは、および図5に最良に示されるように、通路102、102の異なる部分は異なる幅を有してもよい。例えば、示される実施形態では、通路102、102のそれぞれは、スロット60の近傍にある第1の部分103と、第1の部分103よりも開口部100、100各々の近傍にある第2の部分104と、を有する。例示的な一実施形態では、第1の部分103は第2の部分104の幅よりも小さな幅を有する。したがって、各通路102、102は、その、第1の部分103と第2の部分104との間の移行部に配置された肩部105を有する。さらに、図5に示されるような例示的な一実施形態では、第1の部分103は、第2の部分104によって画定される長手方向の中心線107からずれた長手方向の中心線106を画定する。このため、および図5に示されるように、例示的な一実施形態では、開口部100、100の長手方向の中心線は、溝64の長手方向の中心線と、通路102、102の第2の部分104の各々の長手方向の中心線107との両方と整列しているが、通路102、102の第2の部分104の各々の中心線107は第1の部分103の各々の中心線106からずれている。さらに具体的には、例示的な一実施形態では、第1の部分103の中心線106は、第2の部分104の中心線107から、第3の外壁56/横断壁80に向かう方向にずれている。変化する幅を有し、かつ上述のように配置される通路102を用いる目的の1つは、溝内の開口部の中心線が、溝64の中心線と、全長にわたり一定幅を有する通路102全体の中心線とに整列している他の公知の偏向機構に比べて、より大きな偏向の程度を可能にするためである。
【0041】
示される実施形態では、通路102、102のそれぞれは、そこに延びる作動ワイヤ50、50の各々を有するように構成されている。さらに具体的には、図3A図3Bおよび図5を参照すると、第1の作動ワイヤ50は、溝64内に配置された第1のワイヤロック70から延びて、溝64の端壁96内の開口部100を通り、第1の通路102を通り、ベース部材72の横断面80内のスロット60を通じてアクチュエータ本体48から出る。同様に、第2の作動ワイヤ50は、同じく溝64内に配置された第2のワイヤロック70から延びて、溝64の端壁98内の開口部100を通り、第2の通路102を通り、スロット60を通じて出る。
【0042】
上に短く記載したように、アクチュエータ本体48がベース部材72とカバー部材74とを含む2部品構造である実施形態では、カバー部材74は、ベース部材72の第1の面76に係合し、ワイヤロック70、70を溝64内に保持するように動作する。さらに具体的には、図6は、カバー部材74がベース部材72上を覆い、カバー部材74の第1の面82がベース部材72の第1の面76と係合し、ワイヤロック70、70を溝64内に保持している状態を示す、アクチュエータ本体48の一部の断面図を示す。
【0043】
同様に、溝64の端壁96、98がその中に各々の開口部100、100を有する、および/または作動ワイヤ50、50が各々の通路102、102内に延びる例示的な一実施形態では、カバー部74は、ワイヤロック70について上記したものと同じ手法で、作動ワイヤ50、50を開口部100、100および/または通路102、102内に保持するように動作する。最後に、例示的な一実施形態では、カバー部材74は、さらに、上記したものと同じ手法で、作動ワイヤ50、50をアクチュエータ本体48のスロット60内に保持するように動作してもよい。
【0044】
したがって、ワイヤロック70および作動ワイヤ50がベース部材72に組み付けられると、例示的な一実施形態では、ベース部材72とカバー部材74とは、当技術分野において周知の技術を使用して互いに結合されても取り付けられてもよい。例えば、ベース部材72とカバー部材74とは、ベース部材72およびカバー部材74のそれぞれに配置された相補形のインターロック部材、従来の締結具または接着剤、もしくは当技術分野において公知の任意の他の技術によるプレスばめまたは締まり結合技術を使用して互いに結合されてもよい。あるいは、ベース部材72とカバー部材74とは互いに全く結合されなくても取り付けらなくてもよく、むしろ、ハンドル12の特定の構造およびそれが組み立てられる性質によって互いに保持されても圧縮されてもよい(例えば、ハンドル12が完全に組み立てられると、ベース部材72およびカバー部材74に、それらが互いに結合されているか取り付けられているかのように、ベース部72とカバー部74とを互いに保持するのに十分な圧縮力がかかる)。
【0045】
示される実施形態では、再度、アクチュエータ本体48のベース部材72を含むアクチュエータ本体48の第2の部分58が、溝64のみを含むか、溝64と通路102、102との両方を含むかに関わらず、溝64の端壁96、98のそれぞれは、アクチュエータ本体48が各々の方向に回転すると、ワイヤロック70、70のそれぞれに係合し、かつその上に力を印加するように構成されており、かつ動作する。
【0046】
さらに具体的には、図3Aに示されるように、アクチュエータ本体48が中立位置にある(すなわち、カテーテル10のシャフト14が中立または非偏向状態にある)場合、溝64内に配置されたワイヤロック70、70は、溝64の端壁96、98にそれぞれ接触している。図3Bに示されるような例示的な一実施形態では、アクチュエータ本体48が第1の方向108に(例えば、時計回り方向に)回転すると、溝64の第1の端壁96は、第1のワイヤロック70に係合し、その上に力を印加するように動作する。アクチュエータ本体48が時計回りに回転すると、端壁96によって第1のワイヤロック70に印加される力により、第1の作動ワイヤ50に張力がかかる(すなわち、第1の作動ワイヤ50が「引っ張られる」)。逆に、アクチュエータ本体48が第1の方向108に回転すると、溝64の第2の端壁98は第2のワイヤロック70から離れるため、第2のワイヤロック70に力は印加されない。むしろ、図3Bに示されるように、アクチュエータ本体48が第1の方向108に回転すると、第2のワイヤロック70は溝64内に載り、それによって、第2の作動ワイヤ50が「押される」または「引っ張られる」ことを防止する。
【0047】
同様に、アクチュエータ本体48が第1の方向108とは逆の第2の方向109に(例えば、反時計回り方向に)回転すると、溝64の第2の端壁98は、溝64内に配置された第2のワイヤロック70に係合し、それに力を印加するように動作する。上記の第1の作動ワイヤ50と同様、アクチュエータ本体48が第2の方向109に回転すると端壁98によって第2のワイヤロック70に印加される力により、第2の作動ワイヤ50に張力がかかる(すなわち、第2の作動ワイヤ50が「引っ張られる」)。逆に、アクチュエータ本体48が第2の方向109に回転すると、溝64の第1の端壁96は第1のワイヤロック70から離れるため、第1のワイヤロック70に力は印加されない。むしろ、アクチュエータ本体48が第2の方向109に回転すると、第1のワイヤロック70は溝64内に載り、それによって、第1の作動ワイヤ50が「押される」または「引っ張られる」ことを防止する。
【0048】
ワイヤロック70が溝64内に載ることを容易にするため、図8Aおよび図8Bに示されるような例示的な一実施形態では、ワイヤロック70はほぼ球の形状を有する。しかしながら、本開示はそのような一実施形態に限定されるものではなく、むしろ、依然本開示の範囲および精神内である他の例示的な実施形態では、ワイヤロック70は、いくつかの形状を有してもよく、そのような実施形態は依然本開示の範囲および精神内であることは理解されよう。
【0049】
ワイヤロック70が溝64内に載るように構成されている上記の配置の利点の1つは、カテーテルシャフト14に向かう方向に作動ワイヤが押されることに起因する作動ワイヤの屈曲または座屈および弱化が防止されることである。さらに具体的には、本明細書中の別の場所に記載されているような特定の従来の偏向機構の欠点の1つは、選択的に張力をかけられていない作動ワイヤに印加される押力に関するものである。さらに具体的には、特定の従来の偏向機構では、そのアクチュエータが、それぞれが各々の作動ワイヤの近位端に結合されるように構成された1つまたは複数の柱を含む。例えば、偏向機構が一対の作動ワイヤを含む例では、アクチュエータは一対の柱を含んでもよい。一対の柱のそれぞれは、それに結合された各々の作動ワイヤを有する。そのような例では、シャフトを所望の方向に偏向するためにアクチュエータが操作されると、作動ワイヤの1つに引張力が印加され、それによって、その作動ワイヤに張力が印加される。一方、引張力がかけられていない他方の作動ワイヤは引張力の反対方向に、例えば、ハンドルアセンブリのハウジング内に押されることになりうる。この押力のため、押される作動ワイヤは曲がるか座屈するおそれがあり、それにより、作動ワイヤが弱化し、場合によっては破損することとなる(例えば、作動ワイヤが最終的に折れる場合がある)。
【0050】
本開示では、作動ワイヤ50の1つに張力が印加される(すなわち、作動ワイヤがカテーテルシャフト14から離れる方向に「引っ張られる」)とワイヤロック70が溝64内に載るように構成されているため、張力をかけられていない作動ワイヤ50に対応するワイヤロック70が溝64内に載ることが可能になることから、張力をかけられていない作動ワイヤ50が押されることにはならず、このため、作動ワイヤ50が押されることに起因するこの作動ワイヤ50の屈曲または座屈および弱化が防止される。
【0051】
上に短く記載したように、および例えば、図1図3Aおよび図3Bに示されるように、偏向機構42はカテーテル10のハンドル12に組み合わされる。特に、例示的な一実施形態では、偏向機構42のアクチュエータ本体48はハンドルハウジング24のキャビティ32の一部内に回転自在に取り付けられており、示される実施形態では、ハウジング24の第1の部品26と第2の部品28との間に配置されている。図2に示されるように、例示的な一実施形態では、アクチュエータ本体48は、その中に延在する、ハンドルハウジング24の柱34を受容するように構成された孔110を有する。アクチュエータ本体48が柱34に組み付けられると、アクチュエータ本体48は柱34の周りを回転するように構成される。
【0052】
カテーテルハンドル12が第1の部品26と第2の部品28とを含む、示される実施形態では、アクチュエータ本体48がキャビティ32内およびハウジング24の柱34上に配置されると、ハウジング24は組み合わせられてもよい。さらに具体的には、例示的な一実施形態では、ハウジング24の第2の部品28はその第1の部品26と整列され、かつ互いにプレスばめされてもよい。図2に示されるように、ハンドル12はOリング111をさらに含んでもよい。Oリング111は、アクチュエータ本体48と、特に、(一実施形態においてはカバー部74を含む)その第1の外壁52との間、およびハウジング24の内部表面(一実施形態においては、ハウジング24の第2の部品28の内部表面を含む)との間に配置されてもよい。図1および図2に示されるように、医師がアクチュエータ本体48を操作する、または回転させることができるように、ハンドル12のハウジング24は、その中に、1つまたは複数のスロット112をさらに含んでもよい。1つまたは複数のスロット112を通じてアクチュエータ本体48が延在し、かつ1つまたは複数のスロット112内においてアクチュエータ本体48が回転してもよい。図1および図2に示される実施形態では、ハウジング24は、ハウジング24の、正反対に対向する側に配置された一対のスロット112、112を含む。
【0053】
さらに、例えば、図1および図2に示されるような実施形態では、アクチュエータ本体48は、ハンドルハウジング24のスロット112内において回転してもよい一方で、そこから(例えば、第3の外壁56/横断壁80から)外側に突出する1つまたは複数の突起物114を含んでもよい。1つまたは複数の突起物114は、アクチュエータ本体48が回転することができる範囲を制限するように構成されている。さらに具体的には、アクチュエータ本体48の正反対に対向する側に配置された一対の突起物114、114を含む示される実施形態では、突起物114、114は、突起物114、114が各々のスロット112、112の端部に到達すると、それらがハウジング24に接触するよう適切な距離外側に突出し、それによって、その特定の方向におけるアクチュエータ本体48のさらなる回転を防止する。
【0054】
アクチュエータ本体48の回転を制限することに加え、突起物114、114は、カテーテル10を使用する医師が、シャフト14がいつ中立または非偏向状態にあるかを判断することができる手段をさらに提供してもよい。例えば、突起物114、114がスロット112内の中央に配置されると、医師はシャフト14が非偏向状態にあると判断することができる。
【0055】
示される実施形態は一対の突起物114を含むが、本開示はそのように限定されることを意味するものではないと理解されよう。むしろ、依然本開示の範囲および精神内である他の例示的な実施形態では、本体48は、単一の突起物、または上記したものと同じ機能および目的を果たす、2つを超える突起物を含んでもよい。
【0056】
上に短く記載したように、偏向機構42の作動ワイヤ50、50の遠位端68は、カテーテル10のシャフト14内に配置されたプルアセンブリ44に取り付けられている。作動ワイヤ50、50は、例えば、構成要素をはんだ付け、またはそうでなければ適切な接着剤で接着することによるが、これに限定されない、当技術分野において周知のいくつかの方式でプルアセンブリ44に取り付けてもよい。作動ワイヤ50、50は、プルアセンブリ44から、シャフト14内を通りシャフト14の近位端部16まで延びる。例示的な一実施形態では、作動ワイヤはシャフト14の1つまたは複数の内腔(図示せず)内に配置されている。任意の例では、および図3Aおよび図3Bに示されるように、作動ワイヤ50、50は、さらに、シャフト14の近位端部16から、ハンドル12のハウジング24および特にそのキャビティ32を通り、アクチュエータ本体48のスロット60内に延びる。上に短く記載したように、例示的な一実施形態では、ハンドルハウジング24は、ハウジング24の内部表面30(および、例示的な一実施形態では、特にその第1の、または底部部品26)から、キャビティ32内に延びている、または突出している一対の案内壁36、36をさらに含む。ワイヤ50、50がシャフト14の近位端部16から、アクチュエータ本体48のスロット60内に延びると、案内壁36、36のそれぞれが、作動ワイヤ50、50それぞれのためのガイドとして機能するよう構成される。
【0057】
例示的な一実施形態では、ハンドル12は、アクチュエータ本体48を回転する機能を制御することができる手段をさらに含んでもよい。例えば、図2に示される実施形態では、ハンドル12はテンションノブ116を含んでもよい。テンションノブ116は、アクチュエータ46に印加される圧縮力を増加する、または減少する、したがって、アクチュエータ本体48を回転する機能を増加する、または減少するように動作する。そのような機能性の利点の1つは、医師がシャフト14を所望の量だけ偏向すると、アクチュエータ本体48を両方向に回転する機能を制限するために、医師はテンションノブ116を調節することにより偏向を維持することができるということである。
【0058】
例えば、図2に示されるような例示的な一実施形態では、テンションノブ116に加え、ハンドル12は、テンションノブ116のねじ状の凹部に嵌合されるように構成されたねじ118をさらに含んでもよい。そのような一実施形態では、ハウジング24の柱34は貫通中ぐり120を含んでもよい。貫通中ぐり120は、柱34の長さおよびハウジング24の外部表面(例えば、ハウジング24の第1の、または底部部品26の外部表面を)を貫通しているねじ状の中ぐりを含んでもよい。そのような一実施形態では、ハウジング24は、柱34および特にその中ぐり120と同軸上に整列した孔122をさらに含む。示される実施形態では、孔122は、ハウジング24の第2の、または上部部品28内に配置されている。ねじ118とテンションノブ116とが組み合わせられると、ねじ118のシャフトは、中ぐり120と、Oリング111(該当する場合)と、ハウジング24内の孔122とを貫通する。テンションノブ116は、例えば、テンションノブ116をねじ118のねじ付きシャフト上にねじ込むことによってねじ118のシャフトの端部に嵌合される。ねじ118と組み立てられると、ハウジング24の部品26、28ならびにその間に配置された種々の構成要素間に印加される圧縮力を増加する、または減少するためにテンションノブ116を調整することができる。例えば、テンションノブ116を締めると印加される圧縮力が増加してもよく、その一方で、テンションノブ116を緩めると圧縮力が減少してもよい。印加される圧縮力が大きくなるほど、アクチュエータ本体48を回転する機能はさらに制限される。
【0059】
上に短く記載したように、ハンドル12およびカテーテル10の他の構成要素に組み付けられると、偏向機構42および特にそのアクチュエータ46は、シャフト14の遠位端部18を1つまたは複数の方向に偏向させるため選択的に操作されるように構成される。さらに具体的には、アクチュエータ46の本体48の操作(例えば回転)により、作動ワイヤ50、50に選択的に張力をかけ、それにより、プルアセンブリ44(例えば、プルリング)、したがって、シャフト14の動きを生じさせる。
【0060】
例えば、図7Aおよび図7Bに示される実施形態では、アクチュエータ本体48が時計回り方向に回転すると、作動ワイヤ50はカテーテル10のシャフト14から離れる方向に引っ張られ、それによって張力を作動ワイヤ50に印加する。作動ワイヤ50に張力をかけることにより、プルアセンブリ44が引っ張られ、その結果、シャフト14が第1の方向に偏向する。同様に、アクチュエータ本体48が反時計回り方向に回転すると、作動ワイヤ50はカテーテル10のシャフト14から離れる方向に引っ張られ、それによって、張力を作動ワイヤ50に印加する。作動ワイヤ50に張力をかけることにより、プルアセンブリ44が引っ張られ、その結果、シャフト14が第1の方向とは逆の第2の方向に偏向する。
【0061】
したがって、本明細書中の上方に記載された偏向機構42の配置または構成により、医師が患者の体内においてカテーテル10を操舵および操向することを可能にする一方で、同時に、作動ワイヤ50がカテーテル10のシャフト14に向かって、およびアクチュエータ46の前にあるハンドルハウジング24のキャビティ32の部分内に押されることを防止するため、そのアクチュエータ46を操作することが可能になる。したがって、作動ワイヤ50がそのように押されることに起因する作動ワイヤ50の屈曲または座屈および弱化が防止される。
【0062】
図9A−Cは、図1,2に示すハンドル拡張の一実施形態を図示している。ハンドル拡張130は、第1のコネクタポート140および第2のコネクタポート142をその遠位端に含むことができ、ハンドル結合部分144をその近位端に含むことができる。上述のとおり、コネクタポートは相補的な異なるタイプのコネクタとして構成することができる。示された実施形態では、第1のコネクタポート140は、流体コネクタ(例えば、図2に示す流体コネクタ134)について提供されてもよく、第2のコネクタポート142は、電気機械的コネクタ(例えば、図2の電気機械的コネクタ22)について提供されてもよい。コネクタポート140,142は、コネクタへの接続を提供するようなサイズ及び形状に構成することができる。例えば、一実施形態では、コネクタポートは、複数のコネクタの一方または双方がハンドルの外部にまで延びるようにコネクタを保持及び/または固定してもよい。代替的な実施形態では、複数のコネクタの一方または双方はハンドル拡張130及び/またはハンドルメイン本体部分の内部に全体が配置され、ポート140,142が、コネクタと接続するためにケーブルが挿入される通路として機能してもよい。勿論、上述のとおり、異なる医療デバイスの異なる要求に応じて、追加的及び/または代替的なコネクタポートが提供されてもよい。
【0063】
ハンドル結合部分144は、医療デバイスハンドルのメイン本体部分に固定されるように構成されていてもよい。一実施形態では、図1に示すように、ハンドル結合部分144は、ハンドルのメイン本体部分(例えば、メイン本体部分12)の近位端に固定されるように構成されていてもよい。代替的に、ハンドル結合部分144は、ハンドルのメイン本体の異なる部分に固定することもできる。ハンドル結合部分144とハンドルのメイン本体部分とは、プレスばめまたは締まり結合技術、ハンドル結合部分144とハンドルのメイン本体部分とに配置された相補形のインターロック部材、従来の締結具または接着剤、もしくは当技術分野において公知の任意の他の技術による、当技術分野において公知のいくつかの手法で互いに結合されてもよい。例えば、ハンドル結合部分144は、図9C図2も参照)に示すハンドルの結合部分152の環状突起154のようなハンドル12の部分に係合するために、環状溝156のような1以上の構成要素を含むことができる。図2,9C,9E−9Gに示す一実施形態では、例えば、ハンドル結合部分144は、ハンドルの部分に挿入可能に構成されていてもよい。ハンドル結合部分144は、追加的または代替的にハンドルの部分を受け入れるように構成されていてもよい(例えば、図9Dの結合部分144B´の下方部分によって図示されるように、オリフィスを含んでいてもよい)。
【0064】
図2,9A−9Cに示すように、ハンドル拡張130は、一実施形態では、上ピース40と下ピース38によって示されるような2ピース構造を備えていてもよい。図9A−9Cを参照すると、上ピース40は、コネクタポート140A,142Aの第1の部分と、ハンドル結合部分144Aと環状溝156Aの第1の部分とを規定してもよい。同様に、下ピース38は、コネクタポート140B,142Bの第2部分と、ハンドル結合部分144Bおよび環状溝156Bの第2部分とを規定してもよい。上ピース40と下ピース38とは、プレスばめまたは締まり結合技術、上ピース40と下ピース38とに配置された相補形のインターロック部材、従来の締結具または接着剤、もしくは当技術分野において公知の任意の他の技術による、当技術分野において公知のいくつかの手法で互いに結合されてもよい。一実施形態では、下ピース38は、上ピースの多数のホール148に結合するように構成された多数のピン146を備えていてもよい。なお、見易くするため、全てのピン146およびホール148を図示することは行っていない。
【0065】
2ピース構造であろうと他の構造であろうと、ハンドル拡張130は、ハンドルメイン本体部分と結合する1以上のコネクタを受け入れるように構成された内側150を規定できる。コネクタは、電気機械的、流体的、もしくは当技術分野で公知のその他のコネクタとすることができ、ハンドルのメイン本体部分に直接的に(すなわち、全体的に内側150を通して伸びてハンドルのメイン本体部分と機械的に結合する)または非直接的に(例えば、電気ワイヤ、流体ルーメン等を通して、内側150内を伸びる)結合することができる。
【0066】
種々の実施形態では、ハンドル拡張130のサイズおよび形状は変更でき、図9A−9Cに示すものに対して、ポート140,142は、互いにまたはハンドル結合部分144に対して異なるサイズ及び/または角度であってもよい。例えば、図9D−9Fに示すように、ポート140,142は、ハンドル拡張に対して同じ側(例えば、近位端)に提供されていてもよく、一方で、互いに及びハンドル結合部分に対して異なる角度で、及び/または異なる横方向の位置(例えば、図9Dのポート140´、142´(最も広角)、図9Eのポート140″、142″(より広角)、図9Fのポート140′″、142′″(より挟角)、図9Bおよび9Cのポート140、142(最も狭角)を比較せよ)であってもよい。さらに、図9Gに図示されているように、ポート140″″、142″″は、第1のポートがハンドルの第1の側に開口し、他のポートがハンドルの対向する第2の側に開口するように並置されていてもよい。加えて、ポート140,142は、図1,2および9A−Fにおいてはハンドル拡張130の「端」に示され、図9Gにおいてはハンドル拡張130の「側」に配置されているが、ポート140,142は、また、ハンドル拡張130の「最上部」「底部」および他の部分に配置されていてもよい。
【0067】
図9D−9Gには、ハンドル拡張部分の実施形態38´、38″、38′″及び38″″が図式的に図示されているが、図9Cに図示されたハンドル拡張部分38の内側の構成要素と実質的に同様の1以上の内側の構成要素がどの実施形態にも含まれると理解すべきである。さらに、図9D−9Gには、下ピース38´、38″、38′″及び38″″のみが図示されているが、相補的な上ピースがそれぞれの実施形態において提供されてもよい。
【0068】
一実施形態では、ハンドル拡張130は、実在するカテーテルハンドルのコネクタポートのいくつかを拡張するモジュール式のデバイスとして提供されてもよい。そのような実施形態では、ハンドル結合部分144は、ハンドルの1以上の実存すコネクタポートを占拠するように(例えば、その中に挿入されるように)構成されてもよく、ハンドル拡張のコネクタポート140,142のうちの1つは、ハンドルのコネクタポートを複製するものであってもよい。その結果、コネクタポート140,142の寸法(例えば、形状や大きさ)は、実質的に、ハンドル結合部分144が結合されるハンドルのコネクタポートと同じ寸法であってもよい。例えば、図9A−9Gに示す実施形態のように、第2のコネクタポート142は、ハンドル結合部分144が結合するように構成されたカテーテルハンドルのポートと実質的に同じ寸法であってもよい。
【0069】
ハンドル拡張130のモジュール性は、実存するカテーテルハンドルを、そのハンドル全体を再設計することなく、はじめに設計された実存するハンドルに対するシャフトと異なる電気的、流体的、およびその他の要求に応じた新しいシャフト構造に有利に適合可能にすることができる。その結果、ハンドルの設計者及び/または製造者は、シャフト設計の進行に対してその都度全く新しいハンドルを設計し、試験し、製造する必要がない。さらに、単一のハンドル拡張設計は、複数の異なるハンドル設計に使用することができ、複数の異なるハンドル設計が、ハンドル拡張がハンドルに結合することを許容する1以上の共通する構成要素を共有するように提供され得る。
【0070】
本発明の幾つかの実施形態をある程度の特殊性と共に上記において説明してきたが、当業者は、本発明の範囲を逸脱すること無く、開示される実施形態に多くの変更を加えることができるであろう。全ての方向に関する指示は(例えば、上、下、上方、下方、左、右、左方、右方、最上部、底部、より上方に、より下方に、垂直の、水平の、時計回り、反時計回り)、読者の本発明についての理解を助けるべく、識別する目的で使用されているに過ぎず、特に本発明の位置、方向又は使用に関して制限を与えるものではない。結合に関する指示は(例えば取り付けられる、連結される、接続されるなど)、広義に解釈されるべきであり、要素の接続部と、要素の間の相対的な機構部分と、の間の中間部材を含んでいる場合がある。その様に、結合に関する指示は、2つの要素が直接的に接続されている及び互いに固定した関係にあることを必ずしも推定しているものではない。上記の説明に含まれる又は添付図面に示される全ての内容は、制限的なものとしてではなく、単に例示的なものとして解釈されるべきである。添付の特許請求の範囲で定義されている本発明から逸脱すること無く、細部又は構造に変更を加えることができる。
【0071】
本明細書中に参照により援用されると称される、いかなる特許、出版物、もしくはその他の開示マテリアルは全体として又はその一部として組み込まれたマテリアルは、既存の定義、ステートメント、または本明細書おけるその他の開示マテリアルと競合しない範囲においてのみ、参照により本明細書に組み込まれる。また、必要な範囲内において、本明細書に明示的に記載した開示は、本明細書に参照により組み込まれる全てのマテリアルよりも優先される。任意のマテリアル、またはその部分は、参照により本明細書に援用されると称されるが、既存の定義、記述、または本明細書に記載の他の開示マテリアルとその組み込まれたマテリアルとの間に衝突が生じない程度に組み入れるものとする。

図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図9G