特許第5753577号(P5753577)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5753577自動車両のためのヒータ及びその形成方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5753577
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】自動車両のためのヒータ及びその形成方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/20 20060101AFI20150702BHJP
   B60N 2/56 20060101ALI20150702BHJP
   A47C 7/74 20060101ALI20150702BHJP
【FI】
   H05B3/20 379
   B60N2/56
   A47C7/74 B
【請求項の数】10
【全頁数】44
(21)【出願番号】特願2013-510290(P2013-510290)
(86)(22)【出願日】2011年5月12日
(65)【公表番号】特表2013-531335(P2013-531335A)
(43)【公表日】2013年8月1日
(86)【国際出願番号】US2011036202
(87)【国際公開番号】WO2011149680
(87)【国際公開日】20111201
【審査請求日】2012年11月9日
(31)【優先権主張番号】61/348,881
(32)【優先日】2010年5月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/363,721
(32)【優先日】2010年7月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512291123
【氏名又は名称】ダブリユーイーテイー・オートモーテイブ・システムズ・リミテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】特許業務法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラザニア,マリンコ
(72)【発明者】
【氏名】ザツガ,マシユー
(72)【発明者】
【氏名】ツオンテイ,セルジユ
(72)【発明者】
【氏名】イクバル,シエド
(72)【発明者】
【氏名】スパソジエビク,イゴル
(72)【発明者】
【氏名】ノーマンド,テイム
【審査官】 礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−507652(JP,A)
【文献】 実開昭62−070391(JP,U)
【文献】 特開平01−163989(JP,A)
【文献】 特開2006−324182(JP,A)
【文献】 特開2008−238926(JP,A)
【文献】 特開2007−052945(JP,A)
【文献】 米国特許第7205510(US,B2)
【文献】 特開2006−054131(JP,A)
【文献】 特開平06−132069(JP,A)
【文献】 特開2007−227830(JP,A)
【文献】 米国特許第04931627(US,A)
【文献】 特開2007−066698(JP,A)
【文献】 特開2004−090445(JP,A)
【文献】 特開平09−073975(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 3/02 − 3/82
A47C 7/00 − 7/74
B60N 2/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱されるシート(302)であって、
a.1つ又は複数のトレンチ領域(30)をもつクッション及び/又はバックと、
b.ヒータ(300)であり、
i.周辺部をもつキャリア(2)、
を備え、前記キャリアが、
1.前記キャリア(2)の少なくとも一部を実質的に囲む導電材料で作製される第1の電気的機能層(4)と、
2.抵抗材料で作製される第2の電気的機能層(6)と、
3.前記第1の電気的機能層(4)に取り付けられ、ヒータに電力を供給する、1つ又は複数の導電体(12)と、
をさらに含む、ヒータと、
c.前記ヒータ(300)が前記クッションの上に配置されるときに前記クッションを覆うトリム層(40)と、
を備え、
前記第1の電気的機能層が1つ又は複数の電極(24)を形成し、複数のフィンガが該1つ又は複数の電極から突出し、
前記周辺部が第1の側縁(18)及び第2の側縁(20)を含み、前記各側縁が切取部(26)を含み、前記切取部(26)が互いに隣接して配置されてネック部(28)を形成し、
前記ヒータのネック部(28)の上に取付装置(32)をおき且つ前記ネック部(28)が前記トレンチ(30)の中に引っぱられるように前記取付装置(32)の一方又は両方の端部をクッションに固定することによって、前記ヒータ(300)が前記クッションに取り付けられ、
前記ネック部(28)は第2の電気的機能層(6)がなく、
前記第2の電気的機能層がヒータの幅に沿って延在するとき、該第2の電気的機能層が、交互に抵抗領域とギャップとをもつ格子パターンで適用される、
シート。
【請求項2】
前記1つ又は複数の電極(24)が幅を有し、該電極(24)の幅が、前記ネック部(28)の前後の前記電極の幅よりも前記ネック部における幅が広くなるように前記ネック部において増加する、請求項1に記載の加熱されるシート。
【請求項3】
前記1つ又は複数の導電体(12)が、取付部(100)及びバッキング部(106)のみを含む機械的電気コネクタ(98)を介して前記第1の電気的機能層に取り付けられ、前記導電体が18ゲージ以下のワイヤである、
請求項1から請求項2までのいずれかに記載の加熱されるシート。
【請求項4】
前記キャリアが、1つ又は複数の外スリット(36)、1つ又は複数の内スリット(38)、1つ又は複数のタブ(44)、又はこれらの組合せを含む、請求項1から請求項3までのいずれかに記載の加熱されるシート。
【請求項5】
第1の電気的機能層、前記第2の電気的機能層、第3の層のうちのいずれか、又はこれらの組合せが、前記キャリア上にスクリーン印刷される、請求項1から請求項4までのいずれかに記載の加熱されるシート。
【請求項6】
前記ヒータが空気分配装置と共に用いられ、前記ヒータが前記空気分配装置の1つの壁である、請求項1から請求項5までのいずれかに記載の加熱されるシート。
【請求項7】
前記ヒータをアフターマーケット用途として設置できるように前記キャリアに切れ目が形成され、前記切れ目が前記ヒータを加熱する能力に影響しない、請求項1から請求項6までのいずれかに記載の加熱されるシート。
【請求項8】
高温設定が約80パーセントから約100パーセントまでの間のデューティサイクルを有し、中温設定が約60パーセントから約80パーセントまでの間のデューティサイクルを有し、低温設定が約40パーセントから約60パーセントまでの間のデューティサイクルを有する、又はこれらの組合せである、請求項1から請求項7までのいずれかに記載のヒータ。
【請求項9】
ヒータを作製する方法であって、
a.キャリアを得るステップと、
b.前記キャリアの周辺縁に沿って複数の切取部を形成するステップと、
c.前記キャリアの中にネック領域が形成されるように少なくとも2つの前記切取部を位置合わせするステップと、
d.前記キャリアに第1の電気的機能層を適用するステップであり、少なくとも1つの電極及び複数のフィンガが前記第1の電気的機能層によって形成され、前記電極が前記キャリアの少なくとも一部を実質的に囲むステップと、
e.前記キャリア上の前記第1の電気的機能層の少なくとも一部の上に第2の電気的機能層を適用するステップであり、前記第2の電気的機能層が前記第1の電気的機能層の抵抗とは異なる抵抗を有するステップと、
f.機械的コネクタのない状態で、少なくとも1つの電気端子を前記電極に取り付けるステップであり、前記ヒータが、前記ヒータをトレンチをもつクッションに固定し且つトリム層で覆うことができるように構成されるステップと、
を含み、
前記ネック部は前記第2の電気的機能層がなく、
前記第2の電気的機能層がヒータの幅に沿って延在するとき、該第2の電気的機能層が、交互に抵抗領域とギャップとをもつ格子パターンで適用される
方法。
【請求項10】
内スリット、外スリット、タブ、又はこれらの組合せを形成するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の教示は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる2010年5月27日に出願された米国特許仮出願整理番号第61/348,881号及び2010年7月13日に出願された米国特許仮出願整理番号第61/363,721号に関する。
【0002】
本発明の教示は、一般にヒータに関し、より詳細には、自動車両、輸送車両、又は他の製造物品のシート、ミラー、アームレスト、ハンドル、バッテリの周り、又は他の場所に用いられるヒータに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
何年にもわたって、産業は、家具、自動車両、又は他の輸送車両のシート、ミラー、ハンドルのような製造物品用の改善されたヒータを設計することに取り組んできた。こうしたヒータの例は、すべての目的のためにそのすべてが参照により本明細書に明白に組み込まれる米国特許第7,560,670号、第7,285,748号、第7,223,948号、第7,202,444号、第6,872,882号、第6,838,647号、第6,710,303号、第6,686,562号、第6,307,188号、第6,150,642号、第6,084,217号、第5,451,747号、第5,045,673号、第4,931,627号、第4,857,711号、及び第4,777,351号で開示される。しかしながら、これらの特許で開示されたヒータは欠点に悩まされる。例えば、説明されるように、これらのヒータのうちの1つ又は複数は、使用時に異なる出熱レベルを上手く提供する能力に限界がある場合があり、その構成は乗客の移動に起因するノイズを生む場合があり、その構成は、それらの形状及び/又はそれらの比較的剛直な構造に起因する設置上の制限を有する場合があり、及び/又はそれらは他の点では反復使用からの損傷を受ける場合がある。
【0004】
これらのヒータが直面する他の欠点は、それらがシートの外形に適合することができないことである。典型的に、これらのヒータは中実の四角形の構成であり、この構成は、シート、特に、ユーザを収容するシートの外形に適合することができない。より最近のシートヒータは、ヒータの中央に穴又は他の構成を付加し始めたが、しかしながら、これらは、ヒータを咬合線(bite line)、トレンチ、チャネル、及び他の外形をもつシートに適応させる際に直面する問題に依然として対処していない。
【0005】
理解されるように、シートトレンチは実質的な設計上の課題を課す。典型的に、トレンチの場所、幾何学的形状、及び/又は寸法は、特定のテキスタイル、シートの機能性、トリムタイダウン(trim tie−down)の必要性、又はこれらのあらゆる組合せに関するシートの必要性に基づいて、シート製造業者によって決定される。車両と車両とで、トレンチ設計は、シートの特定の必要性に応じて、場所、配向、幾何学的形状、及び/又は寸法が変えられる場合がある。1つのシートに適したトレンチ設計は、別のシートにとって予測のつかないふるまいをする場合がある。トレンチ内で、ヒータは変形と繰り返される周期的荷重を受けることになり、その両方とも摩耗特性及び疲労特性に影響を及ぼす可能性があることを考慮に入れることも重要である。さらに、トレンチの反対側に、別個の、しかし電気的に接続された加熱ゾーンを使用することがしばしば望まれる又は必要である。これは、電気的連通を達成するための電極が、一般に、トレンチの形状に実質的に適合することができる、及び/又は信頼性及び再現性のある折り畳み及び/又は撓みを可能にする必要がある限り、独自の設計上の難しさを課す。したがって、それらをシートからシートへとより容易に適応できるようにするために、ヒータに対する特定の設計を
使用するのが重要であることが、本発明の発明者らによって確認されている。
【0006】
その教示がすべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,306,283号は、ヒータをトレンチ用途に対して魅力的なものにするヒータ設計に対する1つの特に魅力的な手法を例証する。米国特許第7,205,510号(参照により組み込まれる)も参照されたい。この分野での既存の技術に対する改善のために、本発明の教示は、自動車両のシート(特にトレンチをもつシート)に用いるのに特に適したヒータを提供するが、これは、他の輸送車両又は他の製造物品での用途にも同様に適応される可能性がある。
【0007】
可撓性シートヒータが直面する別の課題は、ワイヤを可撓性キャリア、第1の導電層、第2の導電層、又はこれらの組合せに接続することにある。一般に、高温融合技術(或る魅力的な取付手法と関連付けられる場合がある)の使用はキャリアを損傷せずに採用することができないため、ワイヤを取り付けて電気接続を形成するのは難しい。さらに、導電層のうちの1つ又は複数は、非常に薄く、それにワイヤを取り付けることができるほんの少しの量の材料を提供する。したがって、機械的ファスナ(例えば青銅又は銅コネクタ)によって、より詳細にはリベット締めされる電気端子構造を用いることによって電線及び/又は導電体(例えばワイヤ)をヒータに取り付けることが、長らく当該技術分野での慣行であった。これらの手法では、通例、可撓性ヒータ層に1つ又は複数の穴が形成され、この穴を通してファスナ(例えばリベット)が固定的に位置決めされる。幾つかの設計では、このプロセスは、高価であり、労働集約的であり、部品が多く(例えば5つ以上の部品が用いられる)、時間がかかる可能性がある。採用される典型的な機械的ファスナは、バッキングプレート、雄部分、2つのリベット、及び圧着(crimp)部分を含み、各部品は、電気接続を形成することができるように取り扱われ及びキャリアに取り付けられなければならない。さらに、幾つかの設計のために、取付構造体は、複雑な設置技術を必要とする場合がある。ハードウェアの選択肢はまた、リベット締め用途のために利用可能な端子構造の限りある選択肢の結果として制約される傾向がある。本発明の教示は、堅牢且つ耐久性のある取り付けを依然として提供しながら、このタイプの取り付けに関連した部品及び労力(すなわち時間)のうちの少なくとも幾らかをなくそうとするものである。
【0008】
加えて、歴史的に、このタイプのヒータは、それに電気接続が形成される個別の端を有する電極構造体をもつように設計されている。端が画定されると、その後、こうした電極電力印加接続端ですべての接続が形成されなければならない。これは、種々のシートにわたる幅広い用途を有するシートヒータを設計するのを困難にする。個々のシートに対する包装の必要性は変化することになり、こうした印加端の場所の一貫した使用を可能にしない場合がある。さらに、シートヒータと併せて用いられるワイヤのサイズが、あらゆる他の方法による取り付けを妨げてきた。現在、シートヒータは、典型的に、シートを加熱するのに適切な電力供給を提供するために、18、16、14ゲージ、又はそれよりも大きいワイヤを採用する。こうしたより大きいゲージワイヤは、ヒータを迅速に加熱することができるようにヒータに適切な電力供給を提供するのを助けるために用いられている。その態様のうちの1つにおいて、本発明の教示は、性能又はデバイスの完全性を犠牲にすることなく、より小さいゲージワイヤが随意的に採用されてもよいように、制約されたワイヤ選択肢を有する問題への的確簡潔な解決策を提供する。
【0009】
シートヒータが直面する別の課題は、加熱される部分にわたってシートヒータが実質的に一貫した温度プロフィールを呈する複数の温度設定、ゾーン、又はこの両方をもつシートヒータを提供することである。歴史的に、シートヒータは、異なる方法の組合せを用いて温度設定を変化させる。例えば、1つの方法では、シートヒータは、(例えば、どの抵抗路が選ばれるかに基づいて)出力が低減され及び/又は増加され、これによりヒータの温度が変わるように、異なる抵抗を有する抵抗器を含んでもよい。別の例は、温度が適宜
上昇及び/又は低下することになるようにゾーン、リング、分岐など、又はこれらの組合せを付加した又は差し引いたシートヒータである。本発明の教示は、付加的な抵抗器、ゾーン、又はこの両方に対する必要性をなくし、且つシートヒータの加熱される部分にわたってより一貫した温度プロフィールを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一般的な意味で、加熱されるシート、ヒータ、及びこれを形成する方法が開示される。加熱されるシートは、1つ又は複数のトレンチをもつ又はトレンチをもたないクッション(すなわち、シートクッション、バッククッション、ボルスタ、又はこれらの組合せ)を含んでもよい。ヒータは、可撓性キャリア(例えば、少なくとも1つのポリマーフィルム層を含むキャリア)を備えてもよい。ヒータは、2つ以上の導電電極(例えば、ラミネートを形成するために印刷技術によってポリマーフィルム層に適用される又は他の方法で適用される電極)を含んでもよい。1つ又は複数の抵抗層は、可撓性キャリア上に適用され、導電電極と電気的に連通してもよく、あらゆるこうした抵抗層は、一般に自己調節する(例えば、これは正の熱係数の材料を含む)。このように、所定の閾値を超える加熱が起こる場合、電極間のさらなる電気伝導を効果的に制約する及び/又は防ぐ点まで抵抗層の抵抗が増加する。上記の一般的教示は、既存の技術に対する多数の利点のうちのいずれかを提供する独自の特徴(例えば、キャリア構成、電極構成、電気接続、材料、電力供給、又は本明細書で開示される他の新規な特徴のうちのいずれか)のうちの1つ又はいずれかの組合せによってさらに特徴付けられる。
【0011】
本発明の教示は、加熱されるシートであって、1つ又は複数のトレンチ領域をもつクッションと、ヒータであり、周辺部をもつキャリア、を備え、キャリアが、キャリアの少なくとも一部を実質的に囲む導電材料で作製される第1の電気的機能層と、抵抗材料で作製される第2の電気的機能層と、第1の電気的機能層に取り付けられる1つ又は複数の導電体とをさらに含む、ヒータと、ヒータがクッションの上におかれるときにクッションを覆うトリム層と、を備え、周辺部が第1の側縁及び第2の側縁を含み、各側縁が切取部を含み、切取部が互いに隣接して配置されてネック部を形成し、取付装置をヒータのネック部の上におき且つネック部がトレンチの中に引っぱられるように取付装置の一方又は両方の端部をクッションに固定することによってヒータがクッションに取り付けられ、ネック部は第2の電気的機能層がなく、第1の電気的機能層と第2の電気的機能層が格子パターンを形成する、シートを含む。
【0012】
本発明の教示は、ヒータであって、その周辺部の付近に複数の切取部を含むポリマーフィルムを随意的に含むキャリアと、キャリアの少なくとも一部を実質的に囲む電極を画定する第1の電気的機能層と、第1の電気的機能層とは異なる抵抗を有する第2の電気的機能層と、システムハーネスと、コントローラとを備え、コントローラがパルス幅変調及び第2の電気的機能層の自己調節特徴によってシートの温度を調節する、ヒータを含む。
【0013】
本発明の教示は、ヒータを作製する方法であって、キャリアを得るステップと、キャリアの周辺縁に沿って複数の切取部を形成するステップと、キャリアの中にネック領域が形成されるように少なくとも2つの切取部を位置合わせするステップと、キャリアに第1の電気的機能層を適用するステップであり、少なくとも1つの電極と複数のフィンガが第1の電気的機能層によって形成され、随意的に電極がキャリアの少なくとも一部を実質的に囲むステップと、キャリア上の第1の電気的機能層の少なくとも一部の上に第2の電気的機能層を適用するステップであり、第2の電気的機能層が第1の電気的機能層の抵抗とは異なる抵抗を有するステップと、随意的に機械的コネクタのない状態で、少なくとも1つの電気端子を電極に取り付けるステップであり、ヒータが該ヒータをトレンチをもつクッションに固定し且つトリム層で覆うことができるように構成されるステップと、を含み、キャリアの少なくとも2つの切取部が、通常の使用中にキャリアが裂けることなく伸びる
ことを可能にする、方法を含む。
【0014】
1つの独自の態様では、本明細書での教示は、それに電力が印加される個別の端のない少なくとも1つ、より好ましくは2つ以上の電極の使用を想定する。代わりに、1つ、2つ、又はそれ以上の電極は、一般に、ことによるとあらゆる個別に画定された端をもたずに概して連続する様態で可撓性キャリアの少なくとも一部を囲む少なくとも1つのバス構成を含む。好ましくは、ヒータは、個別に画定された端をもたずに連続する様態で可撓性キャリアの少なくとも一部を囲む少なくとも2つの概して連続する電極(すなわち、少なくとも1つの正極及び少なくとも1つの負極)を含むであろう。ヒータは、少なくとも2つの電極から延びるフィンガを含んでもよい。フィンガは、抵抗層が少なくとも2つのフィンガに触れてもよいようにインターディジテイテッドパターンを形成してもよい。抵抗層は、フィンガと、異なる極性の電極、異なる極性の2つのフィンガ、異なる極性の2つの電極、又はこれらの組合せに触れてもよい。例えば、抵抗層は正の電極と負のフィンガに触れてもよい。
【0015】
別の態様では、本明細書での教示は、抵抗層が、ヒータにわたって等しく適用されてもよい(すなわち、抵抗層が、ヒータの全領域にわたって一貫した密度、厚さ、面積、又はこれらの組合せを有してもよい)ことを想定する。しかしながら、密度、厚さ、面積、又はこれらの組合せは、これらの領域における抵抗が増加され又は減少されるようにヒータの領域において増加され又は減少されてもよいことが考慮される。例えば、抵抗層は、電極とフィンガとの間に交互に抵抗領域とギャップ(すなわち、抵抗材料を含まない領域)とをもつ、概して格子パターンで適用されてもよい。
【0016】
別の態様では、本明細書での教示は、キャリアが、一般に軽量であるが依然として魅力的な耐久性及び温度特性を有する材料の組合せで作製されてもよいことを考慮する。例えば、材料は、その上で電極及び/又は1つ又は複数の他の適切な自己調節式の発熱電気構成がラミネートに適用されるポリマーフィルムと、ラミネート(例えばフィルム)の片側又は両側の上に適用されてもよいファブリック層とを含むラミネートを想定する。キャリアは、ポリエステル、ポリウレタン、又はこの両方の組合せで作製されてもよい。ファブリック層、ポリマーフィルム、又はこの両方は、本明細書で説明される場合の抵抗材料を含んでもよい。
【0017】
別の態様では、本明細書での教示は、一般に軽量であるが依然として魅力的な耐久性及び温度特性を有する材料又は材料の組合せの使用を考慮する。例えば、ラミネート(すなわちキャリア)は、その上に電極、若しくは1つ又は複数の他の適切な自己調節式の発熱電気構成が適用されるポリマーフィルムを含むことが想定される。本明細書で説明される場合の抵抗材料は、電極、フィンガ、又はこの両方を電気的にブリッジする。電極、抵抗材料、又はこの両方に取り付けられるのは、1つ又は複数の電力ラインであろう。1つ又は複数の電力ラインは、接着剤結合、水素結合、イオン結合、金属結合、又はあらゆる組合せを含む結合によって電極、抵抗材料、又はこの両方に取り付けられてもよい。取り付けは、溶接(例えば、レーザ溶接、超音波溶接、摩擦溶接、又はあらゆる組合せ)を介して達成されてもよい。これは、機械的コネクタをさらに含んでもよく、又は機械的コネクタがなくてもよい。
【0018】
1つの態様では、本明細書でのキャリアは、非対称な電極パターンを含むものとして特徴付けられてもよい。すなわち、キャリアの上縁及び下縁に沿った中間点から画定される軸線は、鏡面対称を呈さないであろう。キャリアは、1つ又は複数の周辺ローブを特色としてもよい。周辺ローブのうちの1つ又は複数は、電極と1つ又は複数の電力ラインとの間の電気接続のための場所を提供してもよい。このように、個々のラインを異なるローブに接続することなどによってそれぞれの電力ラインを互いから物理的に分離することが可
能な場合がある。さらに、したがって、電極とのライン接続を共通のゾーンに配置する必要性を回避しながら、コネクタ配置のための対称な場所又は対向する場所に対する必要性も回避できることが分かる。
【0019】
本発明の教示の1つの独自の態様は、電極は、電極の全長にわたって一貫した幅であってもよいが、しかしながら、電極の幅(すなわち電極の縁から縁)は、その長さにわたって変化してもよいことである。例えば、幅は、電力ラインが電極に取り付けられる点において最も広く、且つ電極が電力ラインからさらに遠ざかるのに伴って徐々に狭くてもよい。別の例では、電極は、トレンチの中におかれる領域において最も広くてもよい。
【0020】
本発明の教示の別の独自の態様は、複数の抵抗器配置又は複数のゾーン配置によって制御されない複数の電力設定を有することを考慮する。本発明の教示は、ヒータの温度を様々に制御することができるようにヒータに送られる電力の量を制御するのに用いられてもよい可変のデューティサイクル(すなわちパルス幅変調された波形)を用いてもよい。調節は、抵抗層の自己調節と一緒に加えて、全面的にオン、周期変動(cycling)、又は全面的にオフのいずれかであるDC電源を提供することによって行われてもよいことが考慮される。温度は、ヒータが全面的にオン、全面的にオフ、又はこれらの組合せである時間の量を変化させることによって変えられてもよい。これは、方形波構成の外観を与えることになる波形を提供するであろう全面的にオンと全面的にオフとの間の電力供給の変化である。調節はまた、電子装置によって(例えばトライアック、サイリスタなどを介して)様々に制御されるAC電源を提供することによって行われてもよいことが考慮される。温度は、所望の電力レベルを得るために電力正弦波の端を切り捨てることによって変えられてもよい。
【0021】
また別の態様では、本明細書で説明されるシート又は開示されるヒータは、適切なスペーサ材料(例えば、網状発泡体(reticulated foam)、編まれたスペーサファブリック、空気流のための孔を有する独立気泡発泡体、ゴム引き毛(rubberized hair)、蜂の巣状テキスタイルのウェブの間に挟まれた材料の合成ストランドを含むスペーサ材料(好ましい材料の一例は、商標名3MESH(登録商標)の下で販売される材料であり、ドイツのMuller Textil GmbH、又は米国ロードアイランドのMuller Textiles,Inc.から市販されている))と共に組み立てられてもよい。用いられてもよいスペーサ材料の例(例えば編まれたスペーサファブリック)は、米国特許第7,618,089号(参照により本明細書に組み込まれる)において見出される。本教示の他の態様は、側縁から横方向内向きに突き出る複数の切取部(例えば、概して大文字「T」として形状設定される切取部)を含むキャリア(すなわちラミネート)に対する側縁構成の1つ又はあらゆる組合せを含んでもよい。複数のネック領域が、キャリアの上縁と下縁との間に配置されてもよい(例えば、1つ又は複数の切取部をもつ領域)。1つ又は複数の細長いスリット(すなわち、外スリット、内スリット、又はこの両方)が、キャリアの上縁と下縁との間に延びてもよい。
【0022】
本発明の教示は、通気及び/又は温度調節(例えば、冷却を生じるためのペルチェ効果式熱電デバイス又はモジュールを用いる強制冷却)、強制加熱、又はこれらの組合せ)を提供するシートと併せて用いられてもよいことがさらに考慮される。調節システムは、空気をユーザに分配するためにプレナム、バッグ、又は他の空気分配(air distribution)システムを用いてもよい。ヒータは、空気分配装置の上に又は下におかれてもよい。ヒータは、空気分配装置の壁を形成してもよい。ヒータは、空気分配装置の内部におかれてもよい(例えば、バッグの中に封入される)。限定ではなく単なる例として、本明細書でのヒータは、すべてが参照により組み込まれる、米国特許第7,478,869号、第7,052,091号、第6,869,139号、第7,131,689号、及び/又は米国特許出願第2006015801号の教示と整合性をとって構造化され
る通気シート又は強制的に冷却されるシートに採用されてもよい。本明細書でのヒータは、冷却機能を果たすために採用される熱電デバイスと組み合わせてシートに採用されてもよい。
【0023】
本発明の教示の特徴及び発明的態様は、以下の詳細な説明、請求項、及び図面を読むことで、より明らかとなり、以下は図面の簡単な説明である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の教示の一態様に係るヒータの上面図である。
図2A】本発明の教示の可能な断面図である。
図2B】本発明の教示の可能な断面図である。
図3】車両シートに配置された本発明の教示の別の態様の上面図である。
図4A】機械的ファスナに対する1つの可能な構成の斜視図である。
図4B】ヒータへの図4Aの機械的ファスナの取り付けの一例を例証する図である。
図5A】タブの付加的な実施形態を例証する図である。
図5B】タブの付加的な実施形態を例証する図である。
図5C】タブの付加的な実施形態を例証する図である。
図6A】可変の幅及びパターンを有する電極、並びにヒータの別の可能な形状を伴う本発明の教示の実施形態を例証する図である。
図6B】可変の幅及びパターンを有する電極、並びにヒータの別の可能な形状を伴う本発明の教示の実施形態を例証する図である。
図7】本発明の教示の別の可能な実施形態を例証する図である。
図8】キャリアに対する1つの可能な構成を例証する図である。
図9】キャリアに対する別の可能な構成を例証する図である。
図10】キャリアに対するまた別の可能な構成を例証する図である。
図11A】ヒータに対するさらに別の可能な構成を例証する図である。
図11B】ヒータに対するさらに別の可能な構成を例証する図である。
図12】ヒータに対する可能な構成を例証する図である。
図13】ヒータの別の可能な構成を例証する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の教示は、種々の製造物品に一体化するのに適した改善されたヒータを提供することに基づいている。例えば、ヒータは、建築物、家具、輸送車両(例えば、ボート、列車、飛行機、単車、全地形対応車両(all terrain vehicle)、バス、スノーモービル、又は他のもの)などのような種々の製造物品のキャリア(例えば、部材、構造体、パネル、床、壁など)に一体化され又は取り付けられてもよい。代替的に、ヒータは、シート、ベンチ、ミラー、又はミラー組立体(例えば、バックミラー、サイドミラーなど)、変速装置、パネル、足下の空間(footwell)、フロアマット、カーゴ又はベッドライナ、窓、バッテリ、又は他のコンポーネントのような輸送車両の種々のコンポーネントに一体化され又は取り付けられてもよい。本発明の教示のヒータは、車両の至る所に、最も有利にはアームレスト、バックミラー、ユーザ制御インターフェース、シート、ステアリングホイール、又は他のものを含む、車両の乗員と一般に接触することになるコンポーネントに配置されてもよい。ヒータは、車両以外の他の加熱用途(例えば、寝具、衣服、ヘルメット、靴、工具の柄、植物栽培、医療用途、製薬用途、又は他の用途)のために用いられてもよい。
【0026】
ヒータは、自動車両のシートに一体化するのに特に適する。より詳細には、ヒータは、ボルスタを伴う又は伴わないシート部分、ボルスタを伴う又は伴わないバック部分、ヘッドレスト部分、又はこれらの組合せと一体化させるのに適する。ヒータは、シートの2つ
の層の間に配置されてもよい。ヒータは、ファブリック層(例えば、クロス、皮革、合成皮革など)の下に、及びクッション又はバックレスト(例えば、ユーザのための発泡体サポート)の上に配置されてもよい。1つの態様では、本発明の教示は、穿孔された皮革シートカバー又は穿孔された合成皮革シートカバーの下に用いるのに特に適したものにする構造体を採用する。このように、本発明のヒータは、調節されたシート(例えば通気シート、強制的に冷却されるシート(熱電デバイス又はモジュールの使用などによって)、又は強制的に加熱されるシート)と組み合わせて用いるのに特に魅力的である。ヒータは、縫製、糊付け、又は他の方法によってシートカバーと一体化されてもよい。ヒータは、成形、糊付け、又は他の取付方法によってシート発泡体サポートと一体化されてもよい。
【0027】
調節されるシートは、1つ又は複数のエアムーバを含んでもよい。1つ又は複数のエアムーバは、バックレストクッション、シートクッション、又はこの両方の中に又は重ね合わせて配置される1つ又は複数のインサートを通して空気を動かしてもよい。1つ又は複数のインサートは、エアムーバからの空気を分散させてもよい。1つ又は複数のエアムーバは、熱電デバイス(TED)を含んでもよい。TEDは、空気がエアムーバに入る際に又は空気がエアムーバを去る際に空気を加熱してもよい。TEDは、空気がエアムーバに入る際に又は空気がエアムーバを去る際に空気を冷却してもよい。空気は、インサート、ヒータ、シートカバー(例えばトリム層)の穿孔、又はこれらの組合せを通して吹き抜けてもよい。空気透過性シート及び加熱装置の一例は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,064,037号である。TEDは、ヒータが同時にシートを加熱している間に高温空気を吹き込み、これにより、伝導加熱と対流加熱との両方を提供してもよい。ヒータは、TEDが熱を吹き込むことなく加熱してもよく、又はこの逆であってもよい。切取部、内スリット、外スリット、空隙、孔、キャリア構成などは、インサート、シートカバーの穿孔、この両方、又はこれらの組合せと同様に形状設定され又はこれと位置合わせされてもよいことが考慮される。ヒータのキャリアは、キャリアが空気移動を抑制しないように構成されてもよい。米国特許第6,893,086号、第7,370,911号、及び第7,478,869号(参照により本明細書に組み込まれる)は、可能なシートインサート及びエアムーバ構成の例を例証する。本明細書で説明されるヒータは、該ヒータが、例えば、米国特許第7,478,869号で開示された座席構成と共に用いられてもよいように構成されてもよい。通気シートは、1つ又は複数のエアムーバを含んでもよい。本明細書で説明されるヒータは、流体がヒータの上を動かされるように位置付けられてもよく、流体を温める。温められた流体は、トリムバッグ内を移動し、その後、快適さ及び/又は熱を提供するために乗員の方に移動してもよい。トリムバッグは、流体がヒータを通して及び/又はヒータの上を前後に通過するように1つ又は複数のバッフルを含んでもよい。ヒータは、ヒータがバッフルとして作用するようにトリムバッグの中央(すなわち、流体がそれを通り抜ける及び/又はその周りを流れる必要がある中央層)におかれてもよい。
【0028】
本明細書に記載のヒータは、あらゆる車両シートと共に用いられてもよい。幾つかの車両は、ポリマー発泡体バンのようなクッション材の隣接する部分の間の1つ又は複数の凹型領域(本明細書ではトレンチ又はトレンチ領域又は咬合線とも呼ばれる)、若しくは2つ以上の発泡体バンの間の領域を採用してもよい。ヒータは、トレンチ領域をもたない車両シートと共に用いられてもよいことが考慮される。好ましくは、ヒータは、1つ又は複数のトレンチ領域を含むシートと共に用いられてもよい。より好ましくは、本明細書で説明されるヒータは、ヒータが定位置に固定され且つ性能が犠牲にされないように、クッションのトレンチ領域の中におかれるように設計される部分を有してもよい。ヒータは、しかしながら、トレンチ領域に入れずに用いられてもよい(すなわち、ヒータがトレンチ領域に入らないようにシートの領域に嵌められてもよい)。
【0029】
ヒータは、複数の層を含んでもよい。ヒータは、ベース部材、ラミネート、又はキャリ
アを含んでもよい。キャリアは、1つ又は複数の層を受け入れるのに適した任意の材料で作製されてもよい。キャリアは、可撓性及び耐久性のある任意の材料であってもよい。キャリアは、好ましくは、絶縁体で作製されるであろう。キャリアは、壊れることなく伸長する弾性材料で作製されてもよい。好ましくは、キャリアは、典型的な荷重の下で恒久的に伸長しないが荷重から解放するとその元の形状に戻ることになる材料で作製されるであろう。キャリアは、最初の形状から塑性変形及び/又は弾性変形するが或る刺激(例えば熱)を与えると最初の形状に戻る形状記憶材料で作製されてもよい。キャリアは伸長しないことが好ましいにもかかわらず、キャリアは、繰り返される屈曲がキャリアにクラック、故障、破損などを生じさせるほどの剛性ではないべきである。例えば、キャリアは、ポリマー材料(例えば、熱硬化性又は熱可塑性)、より詳細には熱可塑性ポリマー材料で作製されてもよい。ポリマー材料は、ポリエステル、ポリイミド、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、又はこれらの組合せ)、又はポリエーテルイミドのうちの1つ又は複数を含むホモポリマー、コポリマー、複合材、又は他の材料の組合せから選択されてもよい。市販の材料の例は、Mylar(登録商標)、Melinex(登録商標)、Tyvek(登録商標)、Cetus(登録商標)、又はUltem(登録商標)のうちの1つ又は複数を含む。キャリア材料はまた、セラミック(例えば、ガラス)のような比較的剛性の材料であってもよい。キャリアは、フィルム、ファブリック(例えば、織られた及び/又は不織)、他のテキスタイル、又はこれらの組合せの形態であってもよい。キャリアは誘電体であってもよい。キャリアは、誘電体ではない材料で作製されてもよい。本明細書に記載の層は、あらゆる順番で適用されてもよいことが考慮される。本明細書に記載の層は、同じ方法で(例えば、すべてスクリーン印刷される又はすべてインクジェット印刷される)又は異なる方法で(例えば、1つの層はスクリーン印刷され、別の層はインクジェット印刷される)適用されてもよいことがさらに考慮される。キャリアは、好ましくはポリマーフィルムを含む。しかしながら、これは、テキスタイル(例えば、織られたテキスタイル、不織テキスタイル、紙、又はこれらの組合せ)であってもよい。キャリアは、シートの形態又は形状設定された形態(例えば、成形品、押出し異形材(extruded profile)、熱成形品、又はあらゆる組合せ)であってもよい。キャリアの厚さ(例えば、ファブリックのフィルム又はシートである場合)は、約5mm以下、約2mm以下、約1mm以下、約0.5mm以下、約0.3mm以下であってもよい。キャリアの厚さ(例えば、ファブリックのフィルム又はシートである場合)は、約0.05mm以上、約0.1mm以上、約0.2mm以上であってもよい。
【0030】
キャリアは、熱を生じるためにその上で電気的機能層を加熱する及び受けるのに適した任意の形状であってもよい。キャリアは、1つ又は複数の縁を含んでもよい。キャリアは、円形(すなわち、1つの周辺縁)、半月形(すなわち、2つの周辺縁)、三角形(すなわち、3つの周辺縁)、四角形又は長方形(すなわち、4つの周辺縁)、五角形(すなわち、5つの周辺縁)であってもよい。キャリアは、5、6、7、8、9、又はさらには10個よりも多い周辺縁を有してもよい。周辺縁は、回転対称性を有してもよい。周辺縁は、回転対称性を有していなくてもよい。
【0031】
キャリアは、1つ又は複数のタブを含んでもよい。キャリアは、約2以上のタブ、約5以上のタブ、約7以上のタブ、又はさらには約10以上のタブを含んでもよい。キャリアにはタブがなくてもよい。タブはキャリアと一体に形成されてもよい。タブは、キャリアが形成された後でキャリアから余分な材料を除去することによって形成されてもよい。タブは、あらゆる内縁、あらゆる外縁、切取部、内スリット、外スリット、又はこれらの組合せ上に配置されてもよい。タブは、キャリアの中に内向きに突き出る材料の欠如であってもよい。タブは、1つ又は複数の点を含んでもよい。タブは、1つの点がキャリアの中に面し、他の2つの点が外向きに突き出る逆三角形の形状であってもよい。タブは、ダイヤモンドの形状であってもよく、キャリアと接触する1つの点とキャリアの縁から外向きに突き出る3つの点を有することが考慮される。好ましくは、タブは、それらが取り付け
られる縁から外向きに突き出てもよい。タブは、縁から約1mm以上、約2mm以上、又はさらには約3mm以上突き出てもよい。タブは、任意のサイズ及び形状(例えば、四角形、長方形、三角形、半円形、半卵形、又はこれらの組合せ)であってもよい。タブは、キャリアの縁上に対称に配置されてもよい(すなわち、キャリアの上縁及び下縁及び/又は側縁に沿った中間点から画定される軸線であり、鏡面対称を呈してもよい)。しかしながら、タブは、キャリア上に対称に配置されなくてもよい。好ましくは、タブは、組立てのためにタブが少なくとも1つのトレンチ又は発泡体上のマークと位置合わせされるようにキャリア上に配置される。しかしながら、タブは、トレンチ又は発泡体上のマークと位置合わせされなくてもよい。タブは、切取部のうちの1つ又は複数の内部に及び/又は隣接して配置されてもよい。好ましくは、タブは、ヒータを損傷する可能性を最小にするであろうクッション上の場所にヒータが配置されるように、ヒータをシート上に一様に及びシートからシートへと一貫しておくことができるように、クッション上のマークと位置合わせされるであろう。タブは、ヒータを定位置に恒久的に又は一時的に保持してもよい。タブは、シートの中に押し込まれてもよく、ヒータをシートにしっかりと固定し、一時的に固定し、取り外し可能に固定し、又はこれらの組合せで固定してもよい。好ましくは、タブは、ユーザがヒータをシート上におくのを支援してもよく、さらなる固定が行われる間にヒータを定位置に保持するのを少なくとも一時的に支援してもよい。
【0032】
キャリアは、1つ又は複数の電気的機能層を含んでもよい。1つ又は複数の電気的機能層は、キャリアの1つ又は複数の機能部と対応する状態でキャリア上におかれてもよい(すなわち、切取部、内スリット、外スリット、空隙、孔、キャリア構成などは、インサート、シートカバーの穿孔、この両方、又はこれらの組合せと同様に形状設定され又はこれらと位置合わせされてもよい)。電気的機能層のうちの1つ又は複数は、本明細書に記載のキャリアの1つ又は複数の機能部を実質的に取り囲んでもよい。1つの例では、電極は、機能部の形状に適合してもよい。より具体的な例では、正極は、外スリット、内スリット、又はこの両方の形状に適合してもよい。本明細書で説明される場合のキャリアには、電極に接続され且つそこから延びるより小さい電気的機能層(すなわち、トレース)によって取り囲まれる如何なる機能部もなくてもよい。
【0033】
1つ又は複数の電気的機能層は、キャリア上におかれてもよい。例えば、1つ又は複数の電気的機能層は、接着剤、印刷プロセス(例えば、スクリーン印刷、オフセット又はリソグラフィ、インクジェット、レーザ、輪転グラビアなど)、熱伝達、エングレービング、スプレー、ローリング、ダビング(dabbing)、ブラッシング、流し込み(pouring)、糊付け、エッチング、静電堆積などを用いてキャリア上におかれてもよい。電気的機能層は、1つの一様な厚さであってもよい。電気的機能層の厚さは、一方の端から他方の端まで変化してもよい。電気的機能層は、1つの場所において別の場所に対してより厚くてもよい(すなわち、キャリアからの垂直高さ)(例えば層は、電極が形成される場所ではより厚くてもよい)。電気的機能層は、キャリア全体にわたって均等な厚さであってもよい。電気的機能層は、それぞれ約0.001ミクロンから約100ミクロンまでの間、約0.1ミクロンから約75ミクロンまでの間、約1ミクロンから約50ミクロン(例えば、約2ミクロンから約25ミクロン又は約5ミクロンから約15ミクロン)までの間の厚さを有してもよい。電気的機能層は、それぞれキャリア全体にわたって変化する厚さを有してもよい。電気的機能層は、幅を有してもよい。電気的機能層の幅は、電気的機能層の長さにわたって実質的に一定であってもよい。電気的機能層の幅は、電気的機能層の長さにわたって変化してもよい。例えば、電気的機能層は、電気的機能層が電力供給ラインからさらに遠ざかるのに伴って幅が減少及び/又は増加してもよい。電気的機能層は、導電体に最も近い場所において、約25mmから約0.05mmまでの間、約15mmから約0.1mmまでの間、約10mmから約0.5mmの間、又はさらには約7mmから約1mmまでの間の1つの幅を有してもよい。電気的機能層は、導電体から最も遠い端において約12mmから約3mmまでの間又は約8mmから約4mmまでの間の幅
、及び反対側の端において約11mmから約2mmまでの間又は約7mmから約5mmまでの間の幅を有してもよい。一実施形態では、電気的層の幅は、ネック部でのみ減少することが可能である(すなわち、電極は、ネックの両側で同じサイズとなるであろう)。1つ又は複数の電気的機能層の領域(すなわち、幅、厚さ、密度、又はこれらの組合せ)は、電気的機能層にわたる計算された最大電圧降下に基づいて変化する可能性があることが考慮される。領域は、電気的機能層のうちの1つ又は複数の断面積であってもよい。領域は、1つ又は複数の電気的機能層の表面積であってもよい。
【0034】
電気的機能層の幅は、キャリアの長さにわたって変化してもよい。電気的機能層の幅は、電気的機能層が電力供給ラインからより遠くなるのに伴って徐々に減少してもよい。例えば、電気的機能層の幅は、電力供給ラインにおいて8mmであり、且つ電力供給ラインから最も遠い点において4mmであってもよい。好ましくは、電気的機能層の幅は、電気的機能層がトレンチに入る場所以外はそれらの長さにわたって減少してもよく、電気的機能層の幅は増加してもよい。例えば、電気的機能層の幅は、電力供給ラインにおいて8mmであり、電力供給ラインから最も遠い点において4mmであり、且つトレンチに入る領域において10mmであってもよい。好ましくは、電気的機能層の幅は、長さにわたって比較したときにトレンチに入る領域又はネック部において最大であってもよい。電気的機能層の幅は、幅が増加してもよいトレンチ領域における電気的機能層の部分以外は電気的機能層の全長を通して一定のままであってもよい。電気的機能層の幅は、電力供給ラインにおける電気的機能層の幅に等しくてもよい。電気的機能層は、電力供給ラインにおける電気的機能層の幅とトレンチ領域における電気的機能層の幅との比を有してもよい。電力供給ラインにおける幅とトレンチ領域における幅との比は、約1.5:1以下、約1.3:1以下、又は約1.2:1以下、又は約1.1:1以下、又は約1:1以下であってもよい。電力供給ラインにおける幅とトレンチ領域における幅との比は、約1:5以下、約1:4以下、約1:3以下、約1:2以下、約1:1.5以下、約1:1.3以下、又は約1:1.2以下であってもよい。電気的機能層の幅は、電気的機能層がトレンチ領域に近づくまで徐々に減少してもよく、次いで、幅は、新しい幅(すなわち、トレンチ幅)まで迅速に増加し、次いでトレンチ領域が終端すると再び徐々に減少してもよい。例えば、電気的機能層の幅は、トレンチまで連続的に減少し、次いで電気的機能層の幅は、トレンチ領域において増加し、次いでトレンチ領域の後で電気的機能層は再び減少してもよい。この例は、ヒータが複数のトレンチを含む場合に繰り返されてもよい。トレンチ領域における電気的機能層の幅は、約1mm以上、約2mm以上、約4mm以上、約6mm以上、又は約8mm以上であってもよい。電気的機能層の幅は、約20mm以下、約15mm以下、約12mm以下、又は約10mm以下であってもよい。電気的機能層の幅は、10cmにつき約5パーセント以上、5cmにつき約5パーセント以上、1cmにつき約5パーセント以上だけ減少してもよい。電気的機能層の幅は、1cmにつき約10パーセント以下、5cmにつき約10パーセント以下、又は10cmにつき約10パーセント以下だけ減少してもよい。
【0035】
電気的機能層の幅は、幅の段差変化があってもよい。幅は、一定のままであってもよく、次いで、所与の点で、幅は、約10パーセント、約20パーセント、約30パーセント以上減少してもよい。電気的機能層の幅は、所与の段差において約20パーセントから60パーセントまでの間だけ減少してもよい。例えば、電気的機能層の半分の幅は、電力供給ライン(すなわち、ワイヤハーネス又はワイヤ端子)からヒータの中間まで幅約10mmであってもよく、次いで、次の半分は、ヒータの端まで約5mmの幅を有してもよい。電気的機能層は、電気的機能層の性能が悪影響を受けない及びヒータが加熱しないように十分な段差を含んでもよい。ヒータは、1つ又は複数の段差を含んでもよい。ヒータは、複数の段差を含んでもよい。ヒータは、約1以上の段差、約2以上の段差、又は約3以上の段差を含んでもよい。ヒータは、約10以下の段差、約8以下の段差、約6以下の段差、又は約4以下の段差を含んでもよい。好ましくは、電気的機能層の幅を変化させるため
に段差変化が用いられるときに、トレンチ領域における電気的機能層の幅は一定のままである。
【0036】
電気的機能層は、電力供給ラインの近くの幅及び電力供給ラインから遠い場所での幅を有する。電気的機能層は、トレンチ領域(すなわち、トレンチに入るヒータの部分及び/又はネック部)における幅を含んでもよい。
【0037】
ヒータは、キャリア上に第1の電気的機能層を含んでもよい。第1の電気的機能層は、導電材料を含んでもよい。第1の電気的機能層は、抵抗材料(例えば、正の熱係数の材料)を含んでもよい。好ましくは、第1の電気的機能層は導電材料となるであろう。導電材料は、電気を伝導することができる任意の材料であってもよい。導電材料は、銀、銅、金、グラファイト繊維、炭素繊維、又はこれらの組合せを含んでもよい。導電材料は、電気的機能層内の導電粒子の分散として(例えば、導電インクとして)採用されてもよい。導電粒子は、第1の導電材料の粒子を含んでもよい。導電粒子は、第2の導電材料で被覆された第1の導電材料の粒子(例えば、銀で被覆された銅粒子)を含んでもよい。
【0038】
第1の電気的機能層は、1つ又は複数の個別の構造(例えばバス又は電極)を有してもよい。好ましくは、第1の電気的機能層は、少なくとも2つの個別の構造体(すなわち正極及び負極)を形成するであろう。第1の電気的機能層のサイズ、形状、パターン、設計、電極の数、又はこれらの組合せは、本明細書で説明される実施形態のうちのいずれかであってもよい。
【0039】
層が受けることになる(特に座席用途の)摩耗条件により、本明細書での電気的機能層のうちのいずれかは、望ましくは、ASTM D3363−74によって測定した場合に、最小で少なくとも約3B、好ましくは少なくとも約5Bの摩擦抵抗(鉛筆硬度)を呈するであろう。より好ましくは、電気的機能層は、約3Hよりも高い又はさらには約5Hの摩擦抵抗を呈するであろう。しかしながら、望ましくは、電気性能は、摩擦抵抗の結果として損なわれないであろう。電気的機能層は、導電体(すなわち電力供給ライン、被覆された銅線など)を接合するための材料間のはんだ付け又は金属結合の形成を可能にするようなものであってもよい。
【0040】
電気的機能層のうちの1つ又は複数は、典型的に、導電粒子(例えば、1つ又は複数の金属粒子(例えば、銅、銀、金、白金)、炭素、又はそのあらゆる組合せを含む)の分散として提供されるであろう。それらは焼付け(fired)ハイソリッド材料であってもよい。それらは厚いポリマーフィルムであってもよい。導電粒子は、液体状態での適用後に液相が蒸発して凝集性(cohesive)フィルムが残ることになるように、バインダ材料を形成するポリマーフィルム又は他のフィルムと組み合わされてもよい。銀を含有するインクは、電気的機能層として採用されてもよい。電気的機能層の一部として用いられる1つの特に好ましい材料は銅インクである。適切なインクは、厚さ25ミクロンにおいて、約5mΩ/sqから約200mΩ/sqまでの間、約10mΩ/sqから約100mΩ/sqまでの間、約20mΩ/sqから約75mΩ/sq(すなわち約20mΩ/sqから約30mΩ/sqまでの間又は約65mΩ/sqから約75mΩ/sqまでの間)のシート抵抗性を有してもよい。適切なインクは、接着/テープ引張(3Mスコッチテープ#600)(Adhesion/Tape Pull(3M Scotch Tape
#600))によって測定した場合に材料の移動に対する高い抵抗を有してもよい(すなわち材料を移動させない)。インクは、優れたはんだ付け性を有してもよい。例えば、インクは、共晶(eutectic)又は他のはんだ及び軽度に活性化されたフラックスを伴うはんだ100パーセントであってもよい。しかしながら、インクは、100パーセント未満のはんだであってもよく、キャリア上の導体として用いられてもよい。
【0041】
適切なインクは、異なる環境試験条件に曝された後で電気特性の如何なる顕著な変化も有さなくてもよい。インクは、以下の環境試験のうちの1つ又は複数、好ましくは環境試験のすべてによって示される特徴を呈してもよい。インクは、摂氏85度で2000時間にわたってエージングされたときに約50パーセント未満、約40パーセント未満、又はさらには約30パーセント未満の抵抗性の変化をもつ熱エージングを有してもよい。インクは、摂氏60度の熱及び95パーセントの相対湿度の湿度試験条件に3000時間にわたって曝されたときに約50パーセント未満、約45パーセント未満、約40パーセント未満、又はさらには約30パーセント未満の抵抗性の変化を有してもよい。インクは、摂氏−55度から摂氏125度までの熱サイクル試験条件に500サイクルにわたって曝されたときに約40パーセント未満、約30パーセント未満、又は約20パーセント未満の抵抗性の変化を有してもよい。インクは、摂氏260度のはんだ浸漬(solder dip)試験条件に10秒間、3サイクルにわたって曝されたときに約15パーセント以下、約10パーセント以下、又はさらには約5パーセント以下の抵抗性の変化を有してもよい。インクは、摂氏121度、相対湿度100パーセント、及び2気圧で8時間にわたってプレッシャークッカー試験条件に曝されたときに約15パーセント以下、約10パーセント以下、又はさらには約5パーセント以下(すなわち約4パーセント)の抵抗性の変化を有してもよい。インクは、摂氏121度、相対湿度100パーセント、及び2気圧で24時間にわたってプレッシャークッカー試験条件に曝されたときに約40パーセント以下、約30パーセント以下、又はさらには約25パーセント以下の抵抗性の変化を有してもよい。
【0042】
適切なインクは、摂氏25度、10rpmで#7スピンドル及びUCと共にBrooksfield RVTを用いて試験したときに、約10Pa.Sから約150Pa.Sまでの間、約30Pa.Sから約100Pa.Sまでの間、及び約65Pa.Sから約85Pa.Sまでの間(例えば、約65Pa.Sと約75Pa.Sとの間又は約75Pa.Sと約85Pa.Sとの間)の粘度を有してもよい。インクは、約25cm/gから約300cm/gまでの間、約50cm/gから約200cm/gまでの間、約100cm/gから約140cm/gまでの間(例えば、約100cm/gから約120cm/gまでの間)の被覆率(coverage)特性を有してもよい。用いられてもよい市販の銅インクの例は、DuPontから入手可能なCB200銅導体及びCB230銅導体である。用いられてもよい市販の銀インクの例は、DuPontからの5000シリーズ群である。より詳細には、DuPontから入手可能な5064銀インクである。
【0043】
用いられるインクは、ナノインク(すなわち、液体ビヒクル中に分散される工学的に加工された(engineered)ナノ粒子)であってもよいことがさらに考慮される。ナノ粒子は、銀、銅、金、グラファイト、炭素などで作製されてもよい。ナノインクは、本明細書に記載の方法のうちのいずれかでキャリアに適用されてもよい。好ましくは、ナノインクは、インクジェットプリンタ(すなわち圧電インクジェットプリンタ)を用いて適用されてもよい。ユーザは、コンピュータに電極構成を入力し、電極構成を実質的にリアルタイムで印刷することができることが考慮される。ナノインクは、低温で適用されてもよい。ナノインクは、摂氏約200度以下、摂氏約150度以下、又は摂氏約125度以下(すなわち摂氏約100度未満)の温度で適用されてもよい。ナノインクは、約120分以下、約60分以下、約45分以下(すなわち約30分から1分までの間)で硬化されてもよい。ナノインクは、摂氏約10度から摂氏約500度までの間、摂氏約25度から摂氏約450度までの間、摂氏約50度から摂氏約400度までの間(すなわち摂氏約100度から摂氏約350度までの間)の温度で硬化されてもよい。
【0044】
ナノインクの使用は、電極、トレース、フィンガ、分岐、導電層、又はこれらの組合せを形成するためにユーザがスクリーンを作製することなく又はスクリーンを用いることな
くキャリア上に印刷することを可能にしてもよい。印刷プロセスは、スクリーンがなくてもよい。ナノインクは、水ベースのインク、溶媒(すなわち、アルコール)ベースのインクなどであってもよい。適切なナノインクは、可撓性基板上に印刷されたときに良好な可撓性を呈してもよい。ナノインクはまた、剛性の媒体上に印刷されてもよい。
【0045】
ナノインクは、従来のインクよりも薄い層として印刷されてもよい。ナノインクは、約5.0mm以下、約2.0ミクロン以下、約0.1ミクロン以下、又はさらには約0.02ミクロン以下の厚さ(すなわち、約1.5ミクロンから0.2ミクロンまでの間の厚さ)を有してもよい。
【0046】
電気的機能層の一部として用いられる1つの特に好ましい材料はナノインクである。適切なナノインクは、厚さ0.4ミクロンにおいて約5mΩ/sqから約2000mΩ/sqまでの間、約20mΩ/sqから約1500mΩ/sqまでの間、約50mΩ/sqから約1200mΩ/sqまでの間(すなわち約75mΩ/sqから約1000mΩ/sqまでの間)のシート抵抗性を有してもよい。適切なナノインクは、約1mΩcmから約200mΩcmまでの間、約2mΩcmから約150mΩcmまでの間、約3mΩcmから約100mΩcmまでの間(すなわち約4mΩcmから約80mΩcmまでの間)のバルク抵抗性を有してもよい。適切なナノインクは、摂氏25度において約10mN/mから約100mN/mまでの間、約20mN/mから約75mN/mまでの間、約25mN/mから約50mN/mまでの間(すなわち約31mN/mから約33mN/mまでの間)の表面張力を有してもよい。適切なナノインクは、約0.5g/mlから約5.0g/mlまでの間、約1.0g/mlから約3.0g/mlまでの間、約1.1g/mlから約2.0g.ml(すなわち約1.23g/mlから約1.24g/ml)までの間の密度を有してもよい。適切なナノインクは、約0.01μmから約5.0μmまでの間、約0.1μmから約2.0μmまでの間、約0.2μmから約1.0μmまでの間(すなわち約0.3μmから約0.5μmまでの間)の、1インチにつき500ドット(dpi)で焼付け印刷された厚さ(fired print thickness)を有してもよい。
【0047】
適切なナノインクは、摂氏22度で試験したときに約5cPから約100cPまでの間、約7cPから約50cPまでの間、又は約10cPから約20cPまでの間(例えば、約11cPから約15cPまでの間)の粘度を有してもよい。ナノインクは、約5重量パーセントから約100重量パーセントまでの間、約10重量パーセントから約50重量パーセントまでの間、約15重量パーセントから約30重量パーセントまでの間(例えば、約19重量パーセントから約21重量パーセント)の銀固体担持特性(loading property)を有してもよい。用いられてもよい市販のナノインクの例は、Cabotから入手可能なCCI−300である。
【0048】
ヒータは第2の電気的機能層を含む。ヒータは、キャリア上に第2の電気的機能層を含んでもよい。第2の電気的機能層は、第1の電気的機能層の一部の上に又は下に適用されてもよい。第2の電気的機能層は、第1の電気的機能層を完全に覆ってもよい。第2の電気的機能層は第1の電気的機能層と部分的に重なってもよい。好ましくは、第2の電気的機能層は、第1の電気的機能層及びキャリアの大部分の上に適用されるであろう(例えば、第2の電気的機能層は、第1の導電層の正の区域、第1の導電層の負の区域、キャリアの区域、3つすべて、又はこれらの組合せに触れるであろう)。第2の電気的機能層は、導電材料又は抵抗材料であってもよい。好ましくは、第2の電気的機能層は抵抗材料となるであろう。第2の電気的機能層は正の温度係数の材料であってもよい。第2の電気的機能層材料(例えば、導電材料又は抵抗材料)は、第1の電気的機能層と類似した形態で提供されてもよい。これは、炭素粒子(例えば、天然炭素、石油炭素、炭素フレーク、グラファイトなど)、添加剤(例えば、消泡剤、泡立ち防止剤(anti−floth)、接
着剤、難燃剤など)、フィラー(例えば、粘土、二酸化チタンなど)、溶媒(例えば、アルコールベースの溶媒、エタノールベースの溶媒など)、又はこれらの組合せと混合されたコポリマーバインダで作製されてもよい。好ましくは、第2の電気的機能層は、PTCインク、例えば、DuPont7282群のインクで作製されてもよい。第1の電気的機能層及び第2の電気的機能層は、それらが抵抗材料によって電気的にブリッジされる電極構造体(例えばバス構造体)を形成するような方法で適用されてもよい。好ましくは、第1の導電層は、2つ以上の個別の電極構造体を形成するであろう。正極は、キャリアの内部にあってもよい。好ましくは、正極は、キャリアの外縁にあってもよい。負極は、キャリアの外縁にあってもよい。好ましくは、負極は、キャリアの内部にあってもよい。好ましくは、第2の導電層は、正極及び負極に接触するブリッジを形成するであろう。より好ましくは、第2の電気的層は、電極とフィンガとの間に交互に抵抗領域とギャップ(すなわち、第2の電気的機能層を含まない領域)をもつ、一般に格子パターンで適用されてもよい。第2の導電層は、正極と負極との間のキャリアに接触してもよい。第2の導電層は、キャリアとの接触がなくてもよい(すなわち、第2の導電層は、第1の導電層にのみ接触してもよく、第2の導電層とキャリアとの間に空隙が存在してもよい)。
【0049】
電気的機能層の一部として用いられる1つの特に好ましい材料は、正の温度係数の炭素抵抗器である。適切な正の温度係数の材料は、厚さ約7〜10ミクロンにおいて約1KΩ/sqから約100KΩ/sqまでの間、約5KΩ/sqから約50KΩ/sqまでの間、約10KΩ/sqから約25KΩ/sqまでの間(すなわち、約12KΩ/sqから約15KΩ/sq)のシート抵抗性を有してもよい。適切な正の温度係数の材料は、摂氏25から125度までの間で約10,000ppm/℃以上、約15,000ppm/℃以上、又は約20,000ppm/℃以上(すなわち約25,000ppm/℃よりも大きい)の抵抗の温度係数(temperature coefficient of resistance)(TCR)を有してもよい。適切な正の温度係数の材料は、接着/テープ引張(3Mスコッチテープ#600)(Adhesion/Tape Pull(3M Scotch Tape #600))によって測定した場合に材料の移動に対する高い抵抗を有してもよい(すなわち材料を移動させない)。適切な正の温度係数の材料は、摂氏25度、10rpmで#7スピンドル及びUCと共にBrooksfield RVTを用いて試験したときに、約5Pa.Sから約150Pa.Sまでの間、約10Pa.Sから約100Pa.Sまでの間、及び約13Pa.Sから約85Pa.Sまでの間(例えば、約15Pa.Sから約70Pa.Sまでの間)の粘度を有してもよい。
【0050】
電気端子は、1つ又は複数の電極に取り付けられてもよい。電気端子の取付場所は、電極上のどこかであってもよい。1つ又は複数の電極は、如何なる画定された端もなくてもよい連続する包囲バンド構造を含むように形成されてもよい。電極は、連続するバンドではなくてもよく、画定された端を含んでもよい。電極は、接合部、コネクタ、交差路、交差点、又はこれらの組合せを含んでもよい。電極は、如何なる中断もなくてもよく、連続するであろう。電極は、接合部、コネクタ、交差路、交差点、又はこれらの組合せがなくてもよい。有利には、こうした構造体は、それぞれがそれ自身の幾何学的制約及び設置上の制約を有する複数の異なるシートに用いるためのヒータの素早い適応を可能にする。ヒータは、したがって、電極の幾何学的形状への修正なしに広範囲の異なるシートに適応可能な、一般にユニバーサルプラットフォームとして用いることができる。電極は、電極が壊れていない状態にとどまるように、キャリアの機能部のうちのいずれかの周りに延びる、連続するバンドを形成してもよい。正極は、キャリアの外縁及び/又は内縁上の機能部のうちの幾つか又はすべてを十分に又は部分的に囲んでもよい。負極は、キャリアの内縁及び/又は外縁上の機能部のうちの幾つか又はすべてを十分に又は部分的に囲んでもよい。例えば、正極及び/又は負極は、キャリアの外縁の形状に従い、次いで外スリットがキャリアの中に延びる際に外スリットの形状に従い、次いで外スリットの形状に従って外縁に戻ってもよい。
【0051】
ヒータは、キャリア上に1つ又は複数の第3の層を含んでもよい。第3の層は、電気的機能層の上部、電気的機能層とは反対側のキャリアの側部、又はこの両方に配置されてもよい。第1の電気的機能層及び第2の電気的機能層とは対照的に、第3の層は、一般に保護層であり、誘電特性を有してもよい。第3の層は、キャリアの全領域又はこの一部のみに適用されてもよい。第3の層は、第1の電気的機能層と第2の電気的機能層との両方の上に適用されてもよい。第3の層は第4の層に取り付けられてもよい。第3の層は第4の層に取り付けられなくてもよい。第3の層は第5の層に取り付けられてもよい。第3の層は、二重被覆フィルム(すなわち、キャリアの両側に接着剤を有し、接着剤の一方の側部は、除去可能なバッキング材料によって覆われる)であってもよい。第3の層は、片側にのみ接着剤を有してもよい。好ましくは、第3の層は、少なくとも片側に接着剤を有する。第3の層は、第1の電気的機能層及び第2の電気的機能層を環境条件(例えば、車両において見られる土、液体、又は他の共通の物体)から保護してもよい。好ましくは、第3の保護層は、水分及び湿気に耐えるように選択されてもよい。したがって、第3の層は、水分不透過性であってもよい。第3の保護層はまた、湾曲面を保護することができるように湾曲面に良好に適合してもよい。第3の層は、フィルム、ホイル、テキスタイル、コーティング、シート、又はあらゆる組合せであってもよい。第3の層は、少なくとも部分的に透明であってもよく、少なくとも部分的に不透明であってもよく、完全に不透明であってもよく、又はこれらの組合せであってもよい。第3の層は、約100ミクロン以下、75ミクロン以下、60ミクロン以下の厚さ(すなわち約50ミクロンから約25ミクロンまでの間の厚さ)を有してもよい。第3の層は、アクリル接着剤で片側又は両側が被覆され又は被覆されなくてもよいポリマーフィルム(例えば、ポリエステル又はポリウレタン)で作製されてもよい。第3の層は、キャリアに糊付けされ、ラミネートされ、テープで取り付けられ(すなわち、ヒートラミネートされ)てもよい。好ましくは、第3の層は、Adhesive Research製のARClad8350で作製されるであろう。
【0052】
ヒータは、1つ又は複数の第4の層を含んでもよい。第4の層は、キャリア、第1の導電層、第2の電気的層、第3の層、又はこれらの組合せの一部及び/又はすべてを覆ってもよい。ヒータは、第4の層がなくてもよい。ヒータは、第3の層が片面接着剤層であるときに第4の層を含んでもよい。第4の層は、接着剤層(例えば、糊、ペースト、スプレー式接着剤、接着剤フィルム、剥がして貼る式(peel and stick)、フック・ループなど)であってもよい。好ましくは、第4の層は、剥がして貼るフィルムであってもよい。第5の層をキャリアに取り付けるために第4の層が用いられてもよい。第4の層は、第5の層が必要とされないようにキャリアをトリム層の下側に直接取り付けてもよい(すなわち、キャリアは、トリム層上に糊付けされてもよい)。第4の層は、ヒータをクッションに直接取り付けてもよい。第4の層は、キャリアのいずれかの側部又はキャリアの両方の側部に適用されてもよい。第4の層は、本明細書に記載のあらゆる他の層の上でキャリアに適用され、キャリアをクッションに接着してもよい。例えば、ヒータが形成されると、第4の層は、ヒータに適用され、次いで、クッションに取り付けられてもよい。第4の層は、あらゆる他の層の間に適用される接着剤層であってもよい。
【0053】
ヒータは、キャリア上に1つ又は複数の第5の層を含んでもよい。第5の層は、電気的機能層の上部、電気的機能層とは反対側のキャリアの側部、又はこの両方にあってもよい。好ましくは、第5の層は、少なくともキャリアの印刷されない側を覆う。第1の電気的機能層及び第2の電気的機能層とは対照的に、第5の層は、一般に保護層であり、誘電特性を有してもよい。一般に、第5の層が用いられる場合、これは第4の層によってキャリアに取り付けられる。随意的に、第3の層が用いられる場合、第5の層は第3の層を覆ってもよく、第3の層は第5の層をキャリアに取り付けてもよい。第3の層が用いられない場合、第5の層は、第1の電気的機能層、第2の電気的機能層、又はこの両方を直接覆ってもよい。第4の層は、片面だけに接着剤を含む第3の層が用いられるときに第5の層を
取り付けるのに用いられてもよい。好ましくは、第5の層は、キャリアの全領域を覆うであろう。第5の層は、他の層の一部のみを覆ってもよい。第3の層、第4の層、第5の層、3つのすべて、又はこれらの組合せの少なくとも一部は、電極及び電気接続部のみを覆ってもよい。第5の層は、キャリアとキャリア上に配置された任意の層を挟んでもよい。挟持するための第5の層の使用は随意的なものである。第5の層は、キャリアを覆うのに適した任意の材料で作製されてもよい。好ましくは、第5の層は、低密度ファブリックで作製されてもよい。第5の層は、約0.6g/cm以下、約0.4g/cm以下、約0.2g/cm以下、又はさらには約0.10g/cm以下(すなわち、約0.15g/cm〜約0.04g/cm)のバルク密度を有してもよい。第5の層は、フィルム、ホイル、テキスタイル、コーティング、シート、又はあらゆる組合せであってもよい。第5の層は、少なくとも部分的に透明、少なくとも部分的に不透明、又はこの両方であってもよい。好ましくは、第5の層は、実質的に不透明となるであろう。例えば、第5の層は、ポリエステル、フリース、ポリプロピレン、レーヨン、ナイロン、ウール、麻、綿、これらのあらゆる組合せなどのような織られた材料又は不織材料で作製されてもよい。第5の層は、通気性又は通気性でない材料であってもよい。好ましくは、第5の層は、通気性ポリエステルである。第5の層は、キャリアのいずれかの側に適用されてもよい。第5の層は、キャリアの印刷される側部に取り付けられてもよい。好ましくは、第5の層は、キャリアの印刷されない側に取り付けられる。好ましくは、第5の層が用いられる場合、第5の層は、キャリアの、少なくともクッションの上部に面する側(すなわちスクリーン印刷される側)に適用されるであろう。
【0054】
ヒータは、空気がヒータを通り抜けることを可能にする機能部を収容してもよい。これらの機能部は、空気がヒータを通り抜けることを可能にする任意のヒータ構成であってもよい。これらの機能部は、切取部、外スリット、内スリット、空隙、孔、キャリア構成、円形の穴など、又はこれらの組合せであってもよい。本明細書に記載のヒータは、1つの機能部を含んでもよい。ヒータは、複数の機能部を含んでもよい。好ましくは、ヒータは、約4から20個までの間の機能部、より好ましくは約6から16個までの間の機能部、最も好ましくは約8から12個までの間の機能部を含んでもよい。これらの機能部はキャリアの中にだけ含まれてもよい。例えば、キャリアは、機能部を含んでもよく、キャリアは、機能部を含む唯一の層であってもよい(すなわち、第3の層、第4の層、第5の層、又はこれらの組合せは、機能部がなくてもよい)。これらの機能部は、すべての層を貫通してもよい。例えば、キャリア、第1の層、第2の層、第3の層、第4の層、及び第5の層は、それらが重なる且つ空気が通り抜けることを可能にするように、それぞれ整合機能部を含んでもよい。好ましくは、層の組合せは、1つ又は複数の機能部を含む。例えば、キャリア及び第4の層は、重なる機能部を含んでもよく、第5の層は、機能部がなくてもよい。別の例では、キャリア、第3の層、及び第4の層は、重なる機能部を含んでもよく、第5の層は、機能部がなくてもよい。機能部は、キャリア、第1の層、第2の層、第3の層、第4の層、第5の層、第6の層、又はこれらの組合せの中に配置されてもよい。好ましくは、機能部のない層は、少なくとも他の層の機能部に隣接する領域において通気性となるであろう。機能部は、1つ又は複数の層の中の(すなわち完全に内部の)穴であってもよい。機能部は、拡大された部分を含む内スリット又は外スリットであってもよい。例えば、1つの可能な機能部は、空気が主として穴を通り抜けるが縁から穴につながるスリットも通り抜けてもよいように、端に円形の穴をもつスリットであってもよい。ヒータは、座席システムがファン、ブロワ、エアムーバ、熱電デバイス、ペルチェデバイス、又はこれらの組合せを含まないときに、1つ又は複数の機能部を含んでもよい。好ましくは、ヒータは、車両シートを加熱する及び/又は冷却するためにヒータがファン、ブロワ、エアムーバ、熱電デバイス、ペルチェデバイス、又はこれらの組合せと併せて用いられるときに、1つ又は複数の機能部を含む。
【0055】
ヒータは、トリム層(すなわち第6の層)によって覆われてもよい。トリム層は、第1
の電気的機能層、第2の電気的機能層、第3の層、第4の層、第5の層、又はこれらの組合せを覆ってもよい。トリム層は、複数の内部層を含んでもよい。トリム層は、クロス、皮革、合成皮革、ビニルなどで作製された上部層を含んでもよい。トリム層は、プラスパッド又はプラッシュパッド(発泡体、ポリエステルスポンジ、織られた又は織られていない詰め物、網状発泡体、スペーサ層と同じ材料、又はこれらの組合せで作製され、トリム層に取り付けられてもよいパッド)、スクリム層、発泡体層、又はこれらの組合せを含んでもよい。ヒータは、トリム層のすべての層の下に配置されてもよい。ヒータは、トリム層の層間(すなわち、上部層とプラッシュパッド、スクリム層、発泡体層、又はこれらの組合せの間)に配置されてもよい。ヒータは、トリム層の1つ又は複数の層に糊付けされ、及び/又はテープで取り付けられ(すなわち、上部層、プラッシュパッド、スクリム層、発泡体層、又はこれらの組合せに糊付けされ)てもよい。1つの態様では、トリム層は、シートの中でエアムーバを用いることによって空気がこれを通り抜けることができるように、穿孔されてもよい。理解されるように、こうした状況において、好ましくは、ヒータは、空気が穿孔、スリット、切取部、孔、又は他の開口部のいずれかからヒータを通り抜けることを可能にする構成を有するであろう。好ましくは、ヒータは、クッションの上部(すなわち発泡体バン)に及びバックレストクッション(すなわちバックバン)の前に配置される。好ましくは、クッションは、ヒータが視界から隠れるようにトリム層によって覆われる。
【0056】
シートの1つ又は複数のクッションは、通気、強制冷却、強制加熱、又はこれらの組合せを含んでもよい。シートは、空気がユーザに吹きつけてもよいように又は空気がユーザから引き離されてもよいように、1つ又は複数のクッションに流体接続される1つ又は複数のエアムーバ(すなわち、ブロワ)を含んでもよい。1つ又は複数のエアムーバは、加熱装置、冷却デバイス、又はこの両方(すなわち熱電デバイス(TED))を含んでもよい。TEDは、ユーザに吹きつけられる空気を加熱する及び/又は空気を冷却するのに用いられてもよい。エアムーバ及びTEDは、多くの異なる構成でシートの中におかれてもよい。例えば、TED及び/又はエアムーバは、米国特許第RE38,128号、第4,923,248号、第5,626,021号、第6,164,719号、第6,439,658号、第6,619,736号、第6,629,724号、第6,676,207号、第6,840,576号、第6,857,697号、第6,869,139号、第6,869,140号、第6,976,734号、第7,040,710号、第7,083,227号、第7,100,978号、第7,213,876号、第7,301,441号、第7,338,117号、第7,356,912号、第7,475,938号、第7,506,938号、第7,510,239号、第7,587,901号、第7,618,089号、及び第7,637,569号、又は米国特許出願公開第2009−0218855号のいずれかで説明される任意の様態で用いられてもよい。ヒータは、ヒータがブロワからの流体移動を制約しないように1つ又は複数のクッション上に位置決めされてもよい。TEDとヒータとの両方は、同時に熱を生じてもよいが、しかしながら、TED又はヒータは別々に用いられてもよいことが考慮される。ヒータは、TEDの代わりに強制加熱システムにおいて熱を生じるのに用いられてもよい。ユーザを冷やすのにTEDが用いられるときには、ヒータは、好ましくは用いられなくてもよい。エアムーバ及びTEDは、空気が均等に及び一貫してユーザに向けられてもよいように、本明細書で開示されたインサートと併せて用いられてもよい。
【0057】
キャリアは、1つ又は複数の導電体(すなわち絶縁材によって被覆された銅線)に取り付けられてもよい。好ましくは、少なくとも2つの導電体がキャリアに取り付けられてもよい。3、4、5、6、7、8、9、10個以上の導電体がキャリアに取り付けられてもよいことが考慮される。好ましくは、導電体は、電気端子を介してキャリアに取り付けられ、端子を形成する。好ましくは、電気端子は、バッキングプレート、及び/又は取付部を含んでもよい。電気端子は、バッキングプレートがなくてもよい。導電体は、電流が導
電体を通して第1の電気的機能層、第2の電気的機能層、又はこの両方に流れることを可能にするであろう任意の方法によってキャリアに取り付けられてもよい。例えば、導電体は、リベット、はんだ、溶接(例えば、超音波、レーザなど)導電グルー又は接着剤など、若しくはこれらの組合せによって取り付けられてもよい。導電体は、任意の機械的締結に加えて又は機械的ファスナの代わりに結合が用いられるようにキャリアに取り付けられてもよい。例えば、結合は、化学結合、金属結合、又はこの両方であってもよい。取り付けは、超音波溶接、レーザ溶接、又はこの両方のような溶接によって達成されてもよい。現在入手可能な超音波溶接機の幾つかの例は、Stapla Ultrasonics Corporation又はDukane Company製のものである。
【0058】
超音波溶接は、キャリアが損傷されないように十分に低い温度で行われてもよい。超音波溶接は、外部熱源の付加なしに行われてもよい(すなわち、生じる唯一の熱は、超音波溶接機の圧力及び振動からのものである)。したがって、ベース材料は加熱され(すなわち温められ)てもよいが、キャリアの物理的特性が変化する(例えば、溶解される、歪められる、損傷されるなど)ほどの高い温度ではない。超音波溶接は、キャリアが損傷されず、導電体と第1の電気的機能層、第2の電気的機能層、又はこの両方だけが溶接される(すなわち、溶解される、溶融される、結合されるなど)ように正確な場所に向けられてもよい。溶接の深さは、ネスト(すなわちアンビル)及びソノトロード(すなわち、ホーン)によって導電体及びキャリアに適用される圧力の量を調整することによって制御されてもよい。約6,000N/mから約350,000N/mまでの圧力が適用されてもよい。好ましくは、約13,000N/mから約170,000N/mまでの圧力が適用されてもよい。より好ましくは、約20,000N/mから約35,000N/mまでの圧力が適用されてもよい。ソノトロードは、ネストと直角な(すなわち、垂直な)関係で用いられてもよい。ソノトロードは、ネストと実質的に平行な関係で用いられてもよい。ソノトロードとネストとの関係性が、超音波振動の方向及び溶接の深さを制御してもよい。例えば、ソノトロードとアンビルが概して互いに平行であってもよいときに、超音波振動は、同一平面(すなわち垂直振動)に沿うであろう。ソノトロードとアンビルは、互いに直角な関係であり、超音波振動は、ソノトロードに平行であり且つネストと垂直(すなわち、水平振動)であってもよい。
【0059】
溶接の深さはまた、周波数を調整することによって制御されてもよい。導電体をキャリアに取り付けるために約5kHzから約150kHzまでの間の周波数が用いられてもよい。好ましくは、導電体をキャリアに取り付けるために約15kHzから約70kHzまでの間の周波数が用いられてもよい。より好ましくは、導電体をキャリアに取り付けるために約20kHzから約40kHzまでの間の周波数が用いられてもよい。好ましくは、超音波溶接が用いられるときに、第1の電気的機能層のみ、第2の電気的機能層のみ、又はこの両方が変形される(例えば、溶接される、溶解される、溶融される、結合されるなど、又はこれらの組合せ)。好ましくは、超音波溶接が用いられるときに、第1の電気的機能層、第2の電気的機能層、導電体、又はこれらの組合せは、銅又は銅インクで作製される。しかしながら、超音波溶接は、他の金属材料が用いられる(すなわち、異なる材料が用いられる(例えば銅及び銀))ときに導電体を第1の電気的機能層、第2の電気的機能層、又はこの両方に接合するのに依然として用いられてもよい。本明細書に記載の超音波技術は、プラスチック材料を一緒に溶接するのに用いられてもよい。例えば、ヒータは、本明細書に記載の調節システムと共に用いられるバッグ又は壁に超音波で溶接されてもよく、バッグは、一緒に超音波で溶接されてもよく、又はヒータを別の製造物品に超音波で溶接するのに用いられてもよい。これは、ヒータをバッグ、製造物品、又はこの両方に結合するために、深さ、熱、周波数、圧力、又はこれらの組合せを調整するのに本明細書で説明される技術を用いることによって達成されてもよい。
【0060】
キャリアと導電体は、レーザ溶接を用いて接続されてもよい。レーザは、導電体がキャ
リアを損傷することなく第1の電気的機能層、第2の電気的機能層、又はこの両方に取り付けられるように、キャリアを損傷することなく導電体を正確に溶解するのに用いられてもよい。これは、レーザがキャリアの表面(すなわち、第1の電気的機能層、第2の電気的機能層、又はこの両方)のみを処理し、且つキャリア自体の中に貫入しないようにレーザビームのエネルギーレベルを制御することによって達成されてもよい。レーザの焦点は、貫入深さが減少するように調整されてもよい。レーザの焦点は、レーザがキャリアに貫入しないように調整されてもよい。しかしながら、レーザの深さは、キャリアがバッグ又は他の製造物品に結合され又は取り付けられてもよいようにさらにキャリアの中に調整されてもよい。レーザは、キャリアが過熱しないようにパルス化されてもよい。レーザの角度は、レーザがキャリアの中に真下(すなわち、90度)に貫入しないように調整されてもよい(すなわち、約10度の角度、約20度の角度、約45度の角度、又は約60度の角度がつけられる)。
【0061】
導電体は、はんだによって接続されてもよい。第1の電気的機能層、第2の電気的機能層、又はこの両方をもたらすために、はんだできるインクが用いられてもよい(例えば、DuPont製のCB230が用いられてもよい)。導電体と第1の導電層、第2の導電層、又はこの両方は、キャリア上に一緒にはんだ付けされてもよい。はんだできるインクの使用は、キャリアを損傷することなく導電体の接続を可能にしてもよい。導電体と第1の導電層、第2の導電層、又はこの両方は、あらゆる他の材料の付加なしに接続されてもよいことが考慮される。
【0062】
溶接接合部及び/又ははんだ接合部(すなわち接合部)は、コネクタが第1の導電層、第2の導電層、又はこの両方に取り付けられるときに形成されてもよい。接合部は、約10ミクロンから約1000ミクロン、約35ミクロンから約500ミクロン、約50ミクロンから約200ミクロン、又は約65ミクロンから約150ミクロンまでの間の深さを有してもよい。本明細書で用いられる場合の接合部の深さは、第1の電気的機能層の厚さ、第2の電気的機能層の厚さ、及び電気コネクタの厚さ(及びキャリアのあらゆる偶発的な変形)を含む。
【0063】
接合部は、超音波溶接、レーザ溶接、はんだ付け、又はこれらの組合せが用いられるときに類似の形状及びサイズであってもよい。しかしながら、接合部構造体のサイズ及び形状は、超音波溶接、レーザ溶接、及び/又ははんだ付けの間で変化してもよい。1つ又は複数の接合部は長くてもよい。1つ又は複数の接合部は短くてもよい。1つ又は複数の接合部は、円形、卵形、四角形、直線形、曲線形、J字形、X字形、ドーナツ形、又はこれらの組合せを形成してもよい。好ましくは、1つ又は複数の接合部は比較的小さい表面積を有することになるが、しかしながら、1つ又は複数の接合部は比較的大きい表面積であってもよい。1つ又は複数の接合部は、隆起していてもよい(すなわち、第1の導電層、第2の導電層、又はこの両方よりも上の高さ寸法を有する)。好ましくは、1つ又は複数の接合部は、本明細書に記載の他の接続装置と比べたときに実質的に平坦となるであろう。1つ又は複数の接合部は、接合部が導電体に近づくのに伴って変化する高さを有してもよい。しかしながら、1つ又は複数の接合部は、実質的に一様な高さプロフィールを有してもよい。1つ又は複数の接合部は、約5cm以下、約2cm以下、約1.5cm以下、約1.0cm以下、又はさらには約0.8mm以下の長さを有してもよい。1つ又は複数の接合部は、約1cm以下、約0.8mm以下、約0.5mm以下、又はさらには約0.3mm以下の幅を有してもよい。1つ又は複数の接合部の高さは、約1mm以下、約0.8mm以下、約0.5mm以下、又はさらには約0.1mm以下であってもよい。
【0064】
好ましくは、導電体は、本明細書で説明される機械的ファスナによって取り付けられてもよい。本発明の教示は、好ましくは、2部品機械的ファスナを採用する。機械的ファスナは、電気を伝導する任意の金属材料で作製されてもよい。機械的ファスナは、青銅又は
銅で作製されてもよい。好ましくは、機械的ファスナは青銅又は銅で作製され、銀でめっきされる。機械的ファスナは、リベットがなくてもよい。機械的ファスナは、別個の取付装置がなくてもよい。機械的ファスナは、圧着されなくてもよい。
【0065】
取付部は、1つ又は複数のポスト及び把持部を含んでもよい。1つ又は複数のポスト(すなわち、2つ、3つ、又は4つ)は、取付部の本体から延びてもよい。取付部のポストは、キャリアの通り穴の中におかれ、次いでバッキングプレートによって覆われてもよい。取付部は、バッキングプレートを使用せずに取り付けを形成してもよい。バッキングプレートは、取付部のポストと概して位置合わせされる1つ又は複数の穴を含んでもよい(すなわち、バッキングプレートは、取付部がポストを有するのと同じ数の穴を有してもよい)。ポストは、ポストがバッキングプレートの内部におかれると張り出され(flared)(例えば、曲げられ、平らにされ、キノコ形にされ)てもよい。バッキングプレートは、キャリアの印刷されない側にあってもよい。好ましくは、バッキングプレートは第1の導電層と接触してもよい。取付部はキャリアの印刷される側にあってもよい。好ましくは、取付部はキャリアの印刷されない側にある。
【0066】
把持部は導電体を把持してもよい。把持部は取付部に一体に固定されてもよい。好ましくは、把持部は、取付部の、ポストとは反対側にあってもよい。把持部は、取付部の、ポストと同じ側にあってもよい。把持部は、取付部の本体の突出部として延長されてもよい。把持部及び導電体は、取付部の本体と実質的に平行であってもよい。把持部は、取付部の本体の中程まで延びていてもよい。導電体は、取付部の本体と実質的に垂直であってもよい。把持部は、取付部の本体の一部であってもよい。把持部は、導電体の金属部分(すなわち、銅線)のみを把持してもよい。把持部は、導電体の金属部分と外側カバー(すなわち、ワイヤ上のコーティング)との両方を把持してもよい。把持部は、カバーのみを把持してもよく、電気接触が形成されてもよいようにコーティングに入る突起(例えば、切れ目、スライス、割れ目、貫入部など)を有してもよい。ファスナは、キャリアに取り付けられ、次いで導電体に取り付けられ、又はこの逆に取り付けられてもよい。導電体は、把持部の中におかれてもよく、把持部は、閉鎖されてもよい(例えば、圧着される、閉じられる、金属接続部がプラスチックコーティングを通して銅線と強制的に接触させられる、係止される、絡み合わされるなど)。
【0067】
シートを加熱するために採用される導電体は、典型的に14、16、18、又は20ゲージの銅線又は電流を引き込むのに適した適切なワイヤゲージである。本発明の教示は、ヒータの必要な電流を引き込むのに適した適切なワイヤゲージを用いてもよい。好ましくは、本発明の教示は、ヒータに電力を供給するための18ゲージ、20ゲージワイヤ、22ゲージワイヤ、及びことによるとより一層小さいゲージワイヤを用いてもよい。本発明の教示は、本発明の教示に付加される複数の設計革新のために性能を犠牲にすることなく又はワイヤの故障率を増加させることなく、ワイヤのサイズを減少させてもよい。他の金属の使用(例えば、銅線と組み合わされる銅インク)は、銅層を銅導体に又は銀層を銀導体に融合させるための強化された能力並びに強化された性能(すなわち、低減した電流及び/又は低減した表面接触抵抗)をもたらした。しかしながら、同じ結果は、異なる材料(例えば、銅コネクタと銀層又はその逆)が用いられるときにも見受けられる場合がある。電気接続は、取付部を形成するために基板又はキャリアの中に穴をあけるリベット又は他の破壊性デバイスがなくてもよい。
【0068】
導電体は、低圧成形を用いて取り付けられてもよい。低圧成形は、導電体、機械的ファスナ、キャリア、第1の電気的機能層、第2の電気的機能層、第3の層、第4の層、第5の層、又はこれらの組合せのすべて又は一部を実質的に包み込む任意の成形であってもよい。好ましくは、より低圧の成形は、導電体、機械的ファスナ、キャリア、第1の電気的機能層、又はこれらの組合せのすべて又は一部を包み込む。低圧成形は、第2の電気的機
能層を包み込まなくてもよい。低圧成形は、超音波溶接、はんだ付け、レーザ溶接、機械的ファスナ、ペースト、又はこれらの組合せのような本明細書に記載の他の取付機能部のうちの1つ又は複数に加えて用いられてもよい。より低圧の成形は、超音波溶接、はんだ付け、レーザ溶接、機械的ファスナ、ペースト、又はこれらの組合せのような本明細書に記載の他の取付機能部の代わりに用いられてもよい。低圧成形は、結果的に導電体及びそのそれぞれの接続部分が低圧モールドによって実質的に閉じ込められることになる任意の成形技術を採用してもよい。低圧モールドは、射出成形、インサート成形、アウトサート成形、低圧射出成形、反応射出成形、樹脂トランスファー成形、ブロー成形、押出し、引抜き、又はこれらの組合せであってもよい。好ましくは、モールドは、より低圧の射出成形を用いて形成される。キャリア全体は、低圧モールドの中に包み込まれてもよい。好ましくは、実質的に端子と接続点のみが低圧モールドの中に包み込まれるであろう。
【0069】
低圧モールドは、端子、接続点、ワイヤハーネス、導電体、第1の電気的機能層、第2の電気的機能層、又はこれらの組合せを包み込む任意の材料で作製されてもよい。低圧モールドは、剛性の材料で作製されてもよい。好ましくは、低圧モールドは、可撓性材料で作製されてもよい。低圧モールド材料は絶縁体であってもよい。低圧モールド材料は誘電体材料であってもよい。低圧モールド材料は、流動する、溶解する、又はこの両方の可能性がある任意の絶縁体材料又は誘電体材料であってもよい。低圧モールドは、プラスチック、樹脂、熱可塑性プラスチック、シリコン、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、スチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、又はこれらの組合せで作製されてもよい。低圧モールドは、キャリアの全面積の約50パーセント以下、約40パーセント以下、約30パーセント以下、好ましくは約20パーセント以下、より好ましくは約10パーセント以下、又はさらにより好ましくは約5.0パーセント以下であるキャリアの面積を覆ってもよい。他のコンポーネントを含む低圧モールドは、約10mm以下、約8mm以下、好ましくは約6mm以下、又はさらには約4mm以下の厚さを有してもよい。低圧モールドは、約1mm以上、約2mm以上、又は好ましくは約3mm以上の厚さを有してもよい。低圧モールドは、約20mm以上、約30mm以上、約40mm以上、又は好ましくは約50mm以上の幅を有してもよい。低圧モールドは、約220mm以下、約150mm以下、約100mm以下、又は好ましくは約75mm以下(すなわち約60mm)の幅を有してもよい。低圧モールドは、約10mm以上、約20mm以上、又は好ましくは約30mm以上の長さを有してもよい。低圧モールドは、約300mm以下、約200mm以下、約100mm以下、又は好ましくは約50mm以下の長さを有してもよい。各キャリアは、各導電体接続点を覆う1つの大きい低圧モールドを有することが考慮される。しかしながら、各導電体接続点は、それ自身の低圧モールドを含んでもよい。例えば、2つの導電体接続点が存在する場合、キャリアは、2つの個別の低圧モールドを有してもよい。低圧モールドは、低圧モールドの一部が咬合線の外に延びるように十分に大きくてもよい。好ましくは、低圧モールドは、低圧モールド全体がシートの咬合線に嵌め込まれるように任意の形状及びサイズであってもよい。例えば、低圧モールドは、低圧モールドがシート上に載せられる又はこの逆にされる際に、バックによって完全に覆われる。
【0070】
キャリアは、3つよりも多い側部、4つよりも多い側部、5つよりも多い側部、又はさらには6つよりも多い側部(例えば4つの側部)を含んでもよい。好ましくは、キャリアは少なくとも4つの側部を含む。キャリアは、前縁、後縁、第1の側縁、及び第2の側縁を含んでもよい。前縁と後縁は概して互いに平行であってもよい。第1の縁と第2の縁は概して互いに平行であってもよい。前縁と後縁は互いに平行でなくてもよい(すなわち平行でない側部)。第1の縁と第2の縁は互いに平行でなくてもよい(すなわち平行でない側部)。
【0071】
後縁、前縁、第1の側縁、第2の側縁、これらの組合せは、1つ又は複数の導電体及び
/又は電気端子を電極に取り付けることができ、且つヒータが動力を与えられてもよいように、1つ又は複数の電極を含んでもよい。電気端子及び/又は導電体の数は、電極の数と等しくてもよい。好ましくは、電気端子、導電体、及び電極の数は等しい。好ましくは、後縁は、2つの電気端子を含んでもよい。しかしながら、後縁は、3、4、5、又はさらには6つの電気端子を含んでもよい。後縁又は前縁は、1つ又は複数の端子(すなわち、電気端子、導電体、又はこの両方が電極に取り付けられ、端子を形成する位置)を含んでもよい。1つ又は複数の端子は、後縁又は前縁に沿ったどこかに配置されてもよい。しかしながら、1つ又は複数の端子は、第1の側縁、第2の側縁、又はこの両方に沿ったどこかに配置されてもよい。1つ又は複数の端子は、好ましくは1つ又は複数の電極上に配置される。1つよりも多い端子が用いられるとき、端子は互いに筋向かいに配置されなくてもよい。好ましくは、端子は互いに隣接してもよい。端子、電気コネクタ、又はこの両方は、第1の場所、第2の場所、又は第1の場所と第2の場所との間の任意の場所に配置されてもよい。
【0072】
後縁、前縁、第1の側縁、第2の側縁、又はこれらの組合せは、直線状であり、曲線状であり、縁全体に沿って平坦であり、縁全体に沿って変化し、又はこれらの組合せであってもよい。第1の側縁と第2の側縁は、互いに(すなわち、第1の側縁及び第2の側縁に沿った中間点から画定される軸線に沿って)鏡面対称であってもよい。第1の側縁と第2の側縁は互いに異なっていてもよい。前縁と後縁は互いに鏡面対称であってもよい。前縁と後縁は互いに異なっていてもよい。後縁、前縁、第1の側縁、第2の側縁、キャリアの内部領域、又はこれらの組合せは、キャリアが屈曲し及び撓んでシートの形状に適合することを可能にする切取部、スリット、突起、他の開口部、又はこれらの組合せを含んでもよい。これらは、シートが使用中のときにヒータがユーザの形状に適合し且つユーザを暖めてもよいようにキャリアがシートのトレンチに適合することを可能にしてもよい。それらは、ヒータが壊れない又は故障しないようにヒータが屈曲する及び撓むことを可能にしてもよいことがさらに考慮される。第1の側縁及び第2の側縁は、収束ラインであってもよい(すなわち、延長される場合にキャリアの一方の側部が交差する可能性がある角度をなしてもよい)。前縁及び後縁は発散ラインであってもよい。前縁及び後縁は、概して平行であってもよく、縁のうちの1つの平行でない部分を形成する可能性がある1つ又は複数のローブを含んでもよい。
【0073】
後縁、前縁、又はこの両方は、反対側の縁の方に突き出る1つ又は複数の切取部を含んでもよい。前縁、後縁、又はこの両方は、それぞれ1、2、3、4、5、又はそれ以上の切取部を含んでもよい。切取部は、前縁と後縁との両方の上に配置されてもよい。切取部は、前縁のみ又は後縁のみの上に配置されてもよい。切取部は、後縁及び前縁上に対称に配置されてもよい(すなわち、鏡面対称を呈するキャリアの前縁及び後縁の中間点から画定される軸線)。切取部は、後縁及び前縁上に非対称に配置されてもよい(すなわち、鏡面対称ではない)。切取部は、互いに真向かいに対向していなくてもよい。切取部は横方向にオフセットされてもよい。切取部は、ヒータの一方の側部からヒータの他方の側部まで互い違いにされてもよい。切取部は、実質的に回転方向に対称であってもよい。切取部は、任意の幾何学的形状(例えば、四角形、長方形、三角形、円形、半円形など)であってもよい。切取部は、長さ及び幅を有してもよい。切取部の長さは、約10mm以上、約20mm以上、約30mm以上、約40mm以上、又はさらには約50mm以上であってもよい。切取部の長さは、約100mm以下、約80mm以下、又は約70mm以下であってもよい。切取部の幅は、約10mm以上、約20mm以上、約30mm以上、約40mm以上、又はさらには約50mm以上であってもよい。切取部の幅は、約100mm以下、約80mm以下、又は約70mm以下であってもよい。切取部は、長さと幅との比を有してもよい。比は、約1:1以上、約1.5:1以上、約2:1以上、又は約2.5:1以上であってもよい。1つ又は複数の切取部は、後縁に沿ったどこかに配置されてもよい。1つ又は複数の切取部は対称であってもよい。1つ又は複数の切取部は非対称であっ
てもよい。1つ又は複数の切取部が非対称である場合、切取部は、第1の長さ及び第2の長さを有してもよい。1つ又は複数の切取部が非対称である場合、切取部は、第1の幅及び第2の幅を有してもよい。幅及び長さ(すなわち、第1の、第2の、第3の...など)の寸法は、長さ及び幅寸法のいずれかに関して本明細書で列挙される寸法に対応してもよいことが考慮される。1つ又は複数の切取部は、第1の長さと第2の長さ及び第1の幅と第2の幅の両方を有してもよい。切取部は、円形、半円形、この両方などであってもよく、半径は、約1mm以上、約5mm以上、約15mm以上、及びさらには約30mm以上であってもよい。切取部は、角度をなしてもよい。切取部は、キャリアの縁又は端に対して任意の角度をなしてもよい。切取部の側壁は、切取部の端壁に対して或る角度をなしてもよい。切取部は、キャリアの側壁又は切取部の端壁から測定したとき約30度以上、約45度以上、好ましくは約60度以上、又はより好ましくは約75度以上の角度をなしてもよい。切取部は、キャリアの側壁又は切取部の端壁から測定したとき約150度以下、好ましくは約120度以下、又はより好ましくは約105度以下の角度をなしてもよい。最も好ましくは、切取部は、キャリアの側壁又は切取部の端壁から測定したとき実質的に直角をなす。したがって、切取部は、すべてが実質的に直角、すべてが本明細書に記載の角度、又は角度の組合せであってもよい。
【0074】
第1の側壁、第2の側壁、又はこの両方は、1つ又は複数の切取部を含んでもよい。第1の側壁、第2の側壁、又はこの両方は、それぞれ1、2、3、4、5、又はそれ以上の切取部を含んでもよい。切取部は、第1の側壁、第2の側壁、又はこの両方に沿った任意の場所に配置されてもよい。切取部は、任意の幾何学的形状(例えば、四角形、長方形、三角形、円形など)であってもよい。切取部は、長さ及び幅を有してもよい。切取部の長さは、約30mm以上、約50mm以上、約70mm以上、約80mm以上、又はさらには約90mm以上であってもよい。切取部の幅は、約30mm以上、約50mm以上、約60mm以上、約70mm以上、約80mm以上、又はさらには約90mm以上であってもよい。切取部は、長さと幅との比を有してもよい。比は、約1:1以上、約1.5:1以上、約2:1以上、又は約2.5:1以上であってもよい。1つ又は複数の切取部は対称であってもよい(すなわち、切取部の上縁及び下縁及び/又は側縁に沿った中間点から画定される軸線であり、鏡面対称を呈してもよい)。1つ又は複数の切取部は非対称であってもよい。1つ又は複数の切取部が非対称である場合、切取部は第1の長さ及び第2の長さを有してもよい。1つ又は複数の切取部が非対称である場合、切取部は第1の幅及び第2の幅を有してもよい。本明細書に記載の長さ及び幅は、長さ及び幅寸法に関して本明細書で列挙される寸法に対応してもよいことが考慮される。1つ又は複数の切取部は、第1の長さ及び第2の長さと第1の幅及び第2の幅の両方を有してもよい。
【0075】
好ましくは、第1の側壁及び第2の側壁は、シートのバン、シートのバックレスト、又はこの両方におけるトレンチと位置合わせされる切取部を含んでもよい。本明細書に記載の切取部は、キャリアの中に内部的に配置されてもよい(すなわち外壁に触れない)。内部切取部は、本明細書で説明される外部切取部と同じ形状及びサイズであってもよい。トレンチと位置合わせされる切取部は、キャリアのネック部を形成してもよい。しかしながら、切取部は、横方向にオフセットされ、ネック部を形成してもよい。
【0076】
ネック部は、ネックが取付装置によってトレンチの中に引っぱられてもよいように構成されてもよい。取付装置は、ヒータをトレンチの中に引っぱり且つヒータをトレンチの中に保持するための任意の適切な装置であってもよい。例えば、取付装置は、リスティングワイヤ、ホグリングワイヤ、フック・ループ取り付けなどであってもよい。トレンチは、アンカー装置を含んでもよい。アンカー装置は、取付装置と接続し且つヒータをシートのトレンチの中に固定するための任意の適切な装置であってもよい。アンカー装置は、リスティングワイヤ、ホグリングワイヤ、フック・ループ(look)取り付け、トレンチの中に成形されたフックなどであってもよい。アンカー装置は、シートが形成されるときに
シート(すなわち、バン又はバックレスト)に一体化されてもよい。アンカー装置は、シートが形成された後で付加されてもよい。加熱装置は、トレンチの中に引っぱられたときに、自身の中に折り畳まれてトレンチの外形に適合してもよい。しかしながら、ヒータは、その電気特性を依然として維持するであろう。
【0077】
ネック部の幾つか又はすべては、抵抗材料のいずれもなくてもよい。電極構造体は、少なくとも部分的にネック部の中に通されてトレンチ内に配置されることになるようにされてもよい。これに関して、トレンチ内に配置されるネック部のいずれかは、電極構造体の少なくとも一部を含んでもよいが、トレンチの中で加熱が起こらないが電気伝導は起こるように抵抗材料がなくてもよい。ネック部は、第1の電気的機能層、第2の電気的機能層、又はこの両方を含んでもよい。ネック部は、電力が印加されたときにネック部が熱くならないように、電気的機能層のうちの1つだけを含んでもよい。好ましくは、ネック部は、第1の電気的機能層のみを含む。
【0078】
ネック部は、キャリアの全幅の約2/3以下、約1/2以下、又はさらには約1/3以下である1つ又は複数の幅まで細くてもよい。ネック部分の幅は、キャリアからネック領域に配置されたあらゆるスリット、切取部、又は空隙を引いた幅である。ネック部は、丸みのある角部、折り畳みのための刻み目のある角部、応力を減らすための1つ又は複数のスリットを含む角部、又はあらゆる組合せによって特徴付けられてもよい。
【0079】
第1の側壁、第2の側壁、前壁、後壁、又はこれらの組合せは、外スリットを含んでもよい。第1の側壁、第2の側壁、前壁、後壁、又はこれらの組合せは、それぞれ少なくとも1つの外スリットを含んでもよい。第1の側壁、第2の側壁、前壁、後壁、又はこれらの組合せは、それぞれ1、2、3、4、5、又はそれ以上の外スリットを含んでもよい。外スリットは、第1の側壁、第2の側壁、前壁、後壁、又はこれらの組合せに沿った任意の場所に配置されてもよい。外スリットは、任意のサイズ及び形状(例えば、四角形、ジグザグ形、長方形、鉛筆形、L字形、T字形、J字形、Y字形、S字形、I字形など)であってもよい。スリットは、キャリアの中に直線状又は対角線状に延びてもよい。スリットは、そこから外スリットが延びる壁との関係性において任意の角度(例えば、約15度以上、約30度以上、約45度以上、約60度以上、又はさらには約75度以上)をなしてキャリアの中に延びてもよい。スリットは、それが単なる切れ目であり(すなわち除去されている材料がない)且つ切れ目の端に円形の穴が存在するように構成されてもよい。外スリットは、長さ及び幅を有してもよい。外スリットの長さは、約10mm以上、約30mm以上、約50mm以上、約70mm以上、又はさらには約90mm以上であってもよい。外スリットの幅は、約1mm以上、約5mm以上、約8mm以上、約15mm以上、又はさらには約20mm以上であってもよい。外スリットは、長さと幅との比を有してもよい。比は、約2:1以上、約5:1以上、約10:1以上、又は約20:1以上であってもよい。円形の穴は、約1mm以上、約3mm以上、又はさらには約5mm以上の直径を有してもよい。
【0080】
前壁、後壁、第1の側壁、及び第2の側壁は、キャリアの内部領域(例えば内部)を画定する。このキャリアの内部は、空隙、孔、スリット、切れ目、これらの組合せ、又は内部領域を画定する4つの壁のうちの1つに触れないあらゆる他のキャリア材料の欠如がなくてもよい。キャリアの内部は、1つ又は複数の空隙、孔、スリット、切れ目、又はこれらの組合せを含んでもよい。好ましくは、キャリアは1つ又は複数の内スリットを含む。キャリアは、少なくとも1つの内スリットを含んでもよい。キャリアは、1、2、3、4、5、又はそれ以上の内スリットを含んでもよい。本明細書で説明されるように、内スリットは、前壁、後壁、第1の側壁、第2の側壁、又はそのあらゆる組合せと接触しない。1つ又は複数の内スリットは任意の形状及びサイズであってもよい。1つ又は複数の内スリットは長く且つ薄くてもよい。内スリットは短く且つ太くてもよい。内スリットは直線
状であってもよい。内スリットは縦方向に走ってもよい。内スリットは横方向に走ってもよい。内スリットは曲線状であってもよい。内スリットは対角線状に走ってもよい。内スリットは、外スリットに関して本明細書で説明される任意の形状であってもよく、又はこの逆であってもよい。内スリットは長さ及び幅を有してもよい。スリットの長さは、約50mm以上、約150mm以上、約300mm以上、約450mm以上、又はさらには約600mm以上であってもよい。スリットの長さは、約100cm以下、約90cm以下、又はさらには約80cm以下であってもよい。スリットの幅は、約1.0mm以上、約3.0mm以上、約5.0mm以上、約7.0mm以上、又はさらには約10.0mm以上であってもよい。スリットの幅は、約50mm以下、約40mm以下、又は約20mm以下であってもよい。スリットは、長さと幅との比を有してもよい。長さと幅との比は、約4:1以上、約10:1以上、約50:1以上、約100:1以上、約500:1以上、又はさらには約1000:1以上であってもよい。
【0081】
キャリアは、ヒータにわたる複数の異なる開口部幅を有する1つ又は複数の単一孔を含んでもよい。単なる例として、1つ又は複数の内スリットは、それらが1つ又は複数の切取部とつながって単一の孔を形成するように寸法設定されてもよい。内スリットは、切取部の一方の側部から突き出てもよい。内スリットは、切取部の両方の側部から突き出てもよい。外スリットは、切取部の一方の側部と接触してもよいことが考慮される。好ましくは、外スリット及び切取部は接触する状態にならなくてもよい。スリット(例えば、内スリット又は外スリット)の幅は、スリットが切取部に近づくのに伴って変化してもよい(例えば、より厚くなる又は薄くなる)。
【0082】
キャリアは、シートの咬合線と位置合わせされる切取部、内スリット、外スリット、空隙、孔、キャリア構成などのうちの1つ又は複数を含んでもよい。2つの外スリットは、電気端子がシートの咬合線の内部におかれるようにシートの咬合線と位置合わせされた状態でおかれてもよい。キャリアは、シートの咬合線の中に延びなくてもよい。導電体だけが咬合線の中に延びてもよい(すなわち、キャリアは咬合線の中に入る手前で止まる)。本明細書に記載の細いネック部は、細いネック部がトレンチと併せて用いられる場合と同様に咬合線と位置合わせされた状態でおかれてもよいことが考慮される。
【0083】
キャリアに取り付けられる層(すなわち、第3の層、第4の層、第5の層、又は第6の層)は、構成(例えば、内スリット、外スリット、切取部、穴、孔、又は本明細書に記載の任意の他の構成)を含んでもよいことがさらに考慮される。一実施形態では、第3の層は、構成を含んでもよく、第4の層及び第5の層は、構成を含まなくてもよく、又はこの逆であってもよい。これらの構成は、キャリアの形状に関して鏡面対称であってもよい。構成は、キャリアの一部に関して鏡面対称(すなわち、切取部を含むがスリットは含まない又はこの逆)であってもよい。キャリアに取り付けられる層は、構成(すなわち、内スリット、外スリット、切取部、穴、孔、又は本明細書に記載の任意の他の構成)がなくてもよい。層は、キャリア上の場所から独立している場所におかれる構成(すなわち、スリット、切取部、孔、空隙など)を有してもよい。好ましくは、層は、少なくとも1つの又は複数の構成を含む。
【0084】
キャリアは、1つ又は複数のローブをさらに含んでもよい。1つ又は複数のローブは、キャリアの外周上のどこかに配置されてもよい。ローブは、切取部及び内スリットに隣接して配置されてもよい。ローブは、外スリットを含んでもよい。好ましくは、ローブは、切取部又は外スリットに隣接して配置されるであろう。ローブは、電気的機能層を含んでもよい。ローブは、電気的機能層がなくてもよい。ローブは1つ又は複数の電極を含んでもよく、又はローブは電極がなくてもよい。ローブは端子を含んでもよく、又はローブは端子がなくてもよい。ローブは、キャリアがシート、トレンチ、外形、又はこれらの組合せに適合するのを支援してもよい。ローブは、キャリア上に対称に配置されてもよい(す
なわち、キャリアの上縁及び下縁に沿った中間点から画定される軸線は鏡面対称を呈してもよい)。好ましくは、ローブは、キャリア上に対称に配置されなくてもよい(すなわち、キャリアの上縁及び下縁に沿った中間点から画定される軸線は鏡面対称を呈さなくてもよい)。
【0085】
本明細書で説明されるキャリアへの設計革新は、「フリーサイズ」であるキャリアが形成されることを可能にしてもよいことが考慮される。言い換えれば、1つのキャリアが用いられ、異なる座席構成に適用されてもよいことが考慮される。本教示のキャリアは、異なるトレンチ構成及びサイズをもつシートに適合することができてもよい。例えば、本教示のキャリアは、「H」形に構成されたトレンチをもつシートと共に用いられてもよく、本教示のキャリアは、3つの平行なトレンチをもつシートと共に用いられてもよい。キャリアは、1つの水平トレンチ又は1つの垂直トレンチをもつシートと共に用いられてもよい。キャリアは、本教示のキャリアの適合性に起因して異なるサイズにされた座席クッション及びバッキングクッションをもつシートと併せて用いられてもよい。さらに、端子は、電極に沿ったどこかに配置されてもよく、したがって、各キャリアの形状及びサイズを再設計する必要なしに各キャリアの或る個別化を提供する。端子及び/又は電気端子は電極に沿って動かされてもよく、ヒータはその機能及び性能を維持してもよい。
【0086】
シートヒータは、乗員センサと併せて用いられてもよい。乗員センサは、ヒータと組み合わされるあらゆるシート上に用いられてもよい。好ましくは、乗員センサは、乗客シート上でのみ用いられてもよい。ヒータは、ヒータと乗員センサがシート上で位置合わせされるように1つ又は複数のロケータを含んでもよい。ロケータは、ヒータと乗員センサが位置合わせされるように任意の形状、サイズ、数量、又はこれらの組合せであってもよい。キャリア上に2、3、4、5、又はさらには6つのロケータが存在していてもよい。好ましくは、ロケータは、ヒータの縁上に配置されてもよい。ヒータは、乗員センサの下におかれてもよい。好ましくは、ヒータは、乗員センサの上に配置される。ロケータは、乗員センサ上に印刷されたマーク及びヒータ上の整合マークの形態であってもよい。好ましくは、ロケータは、ヒータの穴又は切取部と整合する乗員センサの穴又は切取部である。ロケータは、乗員センサ、ヒータ、又はこの両方を製造物品(すなわちシート)に適正に組み立てるために用いられてもよい。
【0087】
キャリアは、通気シート、強制冷却シート、強制加熱シート、又はこれらの組合せを含むシートと併せて用いられてもよい。キャリアは、熱を分散させる及び/又は空気を冷却するのにバッグ構成を用いる通気シート、強制冷却シート、強制加熱シート、又はこれらの組合せのシートと共に用いられてもよい。バッグの一例は、参照により組み込まれる米国特許第6,869,140号で例証される。ヒータは、バッグの上におかれてもよい。ヒータは、バッグの下におかれてもよい。ヒータは、バッグの中におかれてもよい。ヒータは、流体がブロワから乗員に向かう途中で該流体を加熱するのに用いられてもよい。ヒータは、バッグの一部を形成してもよい(すなわち、ヒータは、該ヒータがバッグの上面を形成するように取り付けられてもよい)。バッグは、上面、底面、及び1つ又は複数の接続壁を含んでもよい。ヒータは、溶接、糊付け、テーピング、接着などによってバッグに取り付けられてもよい。好ましくは、ヒータは、バッグが形成されるように1つ又は複数の接続壁に超音波で溶接される。ヒータを他の表面に超音波で溶接し、これによりバッグを形成するために、本明細書に記載の超音波技術が用いられてもよい。好ましくは、ヒータと他の表面は、同様の材料(すなわちプラスチック材料)で作製される。バッグは、少なくとも3つの層を含んでもよい。少なくとも3つの層は、底部層、三次元スペーサ、及び上部層を含んでもよい。上部層と底部層は、それらの間にスペーサがある状態で周辺部に沿って一緒に超音波で溶接されてもよい。上部層は、空気循環のための穴又は切取部を収容してもよい。バッグは、エアムーバに取り付けられてもよい。ヒータは、スペーサと共にバッグの中におかれてもよい。ヒータは、スペーサを付加せずにバッグの中におか
れてもよい。ヒータは、スペーサと同じ機能を果たしてもよい。
【0088】
第1の電気的機能層、第2の電気的機能層、又はこの両方は、あらゆる設計でキャリアに適用されてもよい。層は、連続するストリップとして適用されてもよい。層は、インターディジテイテッドパターンで適用されてもよい。層は、インターディジテイテッドにされなくてもよい。層は、キャリアの内部領域における空隙、スリット、孔、又は材料のあらゆる欠如を取り囲むトレースがなくてもよい。層は、分岐、スパー(spur)、接地延長部、又はそのあらゆる組合せがなくてもよい。第1の電気的機能層は、第2の電気的機能層によって完全に覆われてもよく、逆もまた同様である。第1の電気的機能層は、第2の電気的機能層によって部分的に覆われてもよく、又はこの逆であってもよい。第1の電気的機能層は、第2の層によって幾つかの領域において覆われなくてもよい。第2の電気的機能層は、第1の電気的機能層によって幾つかの領域において覆われなくてもよい。ネック部は、第1の電気的機能層と第2の電気的機能層との両方を含んでもよい。好ましくは、ネック部は、ネック部が熱くならないように第1の電気的機能層又は第2の電気的機能層のいずれかがないであろう。より好ましくは、ネックは、第2の電気的機能層がないであろう。
【0089】
第1の電気的機能層、第2の電気的機能層、又はこの両方は、触れない端を含む周辺電極を形成してもよい。好ましくは、第1の電気的機能層、第2の電気的機能層、又はこの両方は、端をもたない連続する周辺電極を形成してもよい。第1の電気的機能層、第2の電気的機能層、又はこの両方は、1つ又は複数の電極(すなわち、2つの電極、3つの電極、4つの電極、又はそれ以上)を形成してもよい。
【0090】
一実施形態では、第1の電気的機能層は、キャリアの周辺縁を連続的に囲む端をもたない第1の電極を形成してもよい。第1の電気的機能層は、周辺縁の一部を囲む端をもたない第1の電極を形成してもよい(例えば、第1の電極は、トレンチの一方の側部の縁を囲み、且つトレンチの他方の側部の縁に従わなくてもよい)。第1の電極は負極であってもよい。好ましくは、第1の電極は正極であろう。第1の電気的機能層は、第1の電極の内部に配置される可能性がある第2の電極を形成してもよい。第2の電極は正極であってもよい。好ましくは、第2の電極は負極であってもよい。第2の電極は、第1の電極の形状及びパターンの鏡面対称であってもよい。第1の電極及び第2の電極は、内スリット、外スリット、切取部、空隙、孔、通り穴などを取り囲む及び/又はその形状に従ってもよい。第2の電気的機能層は、端をもたない連続する第2の電極を形成してもよい。第1の電極と第2の電極との両方は、電極から他の電極の方向に延び出る1つ又は複数のフィンガを含んでもよい。好ましくは、フィンガは、反対極性の電極に接触しないであろう。
【0091】
第1の電極及び第2の電極は、連続する幅を有してもよい。電極の幅は、端子からの距離が大きくなるのに伴って徐々に小さくなってもよい。電極の幅は、変化してもよく、小さくなってもよい。幅は、約1mmから約3cmまでの間、約2mmから約2cmまでの間、約3mmから1cmまでの間、又はさらには約4mmから約8mmまでの間であってもよい。幅は、約0.1mmから約2cmまでの間、約0.5mmから約1cmまでの間、約1mmから約6mmまでの間、又はさらには約2mmから5mmまでの間であってもよい。
【0092】
電極の面積は変化してもよい(すなわち、幅、厚さ、密度、又はこれらの組合せ)。電極の面積は、端子において(すなわち電力接続点において)最小であってもよい。好ましくは、電極の面積は、端子において最大である。電極の面積は、端子からの距離が大きくなるのに伴って徐々に小さくなってもよい。電極の面積は、個々の各電極の残りの回路によって必要とされる電流の量に応じて減少してもよい。個別の電極(すなわち端をもつ電極)の面積は、端子において最大で且つ端子から最も遠い端において最小であってもよい
。連続する電極の面積(すなわち端をもたない電極)は、端子において最大で且つ電極の全長の半分の点で(すなわち、端子から電極までの中途で)最小であってもよい。個別の電極及び連続する電極の電圧降下は、同じであってもよい(すなわち電極の面積は、同じ量だけ徐々に減少してもよい)。個別の電極及び連続する電極の電圧降下は同じでなくてもよく、したがって、個別の電極又は連続する電極の面積は、異なる割合で小さくなってもよい。好ましくは、連続する電極の面積は、個別の電極の半分だけ減少するであろう。キャリアは、1つ又は複数の電極を形成する1つ又は複数の第1の電気的機能層を含んでもよい。好ましくは、キャリアは、少なくとも2つの電気的機能層を含む。より好ましくは、キャリアは少なくとも2つの電極を含む。
【0093】
第2の電気的機能層は、第1の電極、第2の電極、又はこの両方のフィンガを覆ってもよい。第2の電気的機能層は、フィンガ全体を覆わなくてもよい。第2の電気的層は、フィンガ全体(すなわち長さ及び幅)を覆ってもよい。第2の電気的機能層は、1つの正フィンガ及び1つの負フィンガのみと接触してもよい。第2の電気的機能層は、1つ又は複数のフィンガに触れてもよい。第2の電気的機能層は、フィンガの間でキャリアと接触してもよい。第2の電気的機能層は、フィンガの間でキャリアと接触しなくてもよい。適用される第2の電気的機能層の量(密度、厚さ、面積、又はこれらの組合せ)は、ヒータにわたって一定であってもよい。適用される第2の電気的機能層の量は、キャリアの一方の側部からキャリアの他方の側部まで変化してもよい(例えば、トレンチの一方の側部は、トレンチの他方の側部よりも多く第2の電気的機能層を有してもよい)。適用される第2の電気的機能層の量は、抵抗がそれに応じて減少するように、電極の幅に反比例してもよい(すなわち、電極が細くなるのに伴って第2の電気的機能層の量が増加する(すなわち、増加した密度、厚さ、面積、又はこれらの組合せ))。
【0094】
ヒータは、1つの出力レベルを有してもよい。ヒータは、2つ以上の出力レベルを有してもよい。ヒータは、高出力レベルを有してもよい。ヒータは、中出力レベルを有してもよい。ヒータは、低出力レベルを有してもよい。ヒータは、可変の出力制御機能部を有してもよい。出力レベルは、コントローラを用いることによって変えられてもよい。出力レベルは、漸進的段階だけ変化してもよく、又は低レベルから高出力レベルに連続的に変化してもよい。ヒータは、温度を調節するのに出力抵抗器を用いなくてもよい。ヒータのコントローラは、熱放散のための出力抵抗器がなくてもよい。ヒータの出力レベルは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,036,283号で開示された方法のうちのいずれかによって変えられてもよい。コントローラ(図示せず)は、温度、出力レベル、又はこの両方を制御するためにヒータへのデューティサイクルを生成するのにパルス幅変調(PWM)信号を用いてもよい。コントローラは、温度、出力レベル、又はこの両方を制御するためにヒータへのデューティサイクルを生成するのにあらゆるアナログ入力信号(瞬時接触、抵抗アレイ、ポテンショメータなど)を用いてもよい。コントローラは、ヒータ温度、出力レベル、又はこの両方が制御されるようにデューティサイクルを生成するためにデジタル入力信号(PWMを含む)を用いてもよい。
【0095】
ヒータは、AC電源によって作動されてもよい。好ましくは、ヒータは、DC電源によって作動されてもよい。ヒータの出力レベル(すなわち温度)は、コントローラから提供されるパルス幅変調した信号によって生成されたデューティサイクルに基づいて変化してもよい。ヒータは、各出力レベルに対するデューティサイクルで予めプログラムされてもよい。したがって、ユーザは、デューティサイクルを変化させる異なる出力レベルを選択することによってシートの温度を変化させてもよい。デューティサイクルは、インターバル又は期間中に電源が「オン」である時間の割合であってもよい。例えば、ヒータが30パーセントのデューティサイクルを有する場合、これは、ヒータが時間のうち30パーセントが「オン」で、時間のうち70パーセントが「オフ」であることを意味する。ヒータは、約0から約100パーセントまでの間のデューティサイクルを有してもよい。好まし
くは、ヒータは、各出力レベルに対する異なるデューティサイクルを有するであろう。例えば、ヒータは、3つの設定(例えば高、中、及び低)を有してもよい。高設定は、約70パーセントから約100パーセントまでの間(すなわち約80パーセントから約100パーセントまでの間)のデューティサイクルを有してもよい。中設定は、約50パーセントから約80パーセントまでの間(すなわち約60パーセントから約80パーセントまでの間)のデューティサイクルを有してもよい。低設定は、約30パーセントから約60パーセントまでの間(すなわち約40パーセントから約60パーセントまでの間)のデューティサイクルを有してもよい。ヒータが3つ未満の電力設定を有する場合、本明細書に記載の電力設定のうちのいずれかが用いられてもよいことが考慮される。ヒータは、デューティサイクルが「オフ」であるときに電力を引き込まなくてもよい。
【0096】
ヒータは温度を自己調節してもよいことが考慮される。ヒータは、フィードバックループ(すなわちセンサ)を含んでもよい。ヒータは、フィードバックループと通信するコントローラをさらに含んでもよい。コントローラとフィードバックループは、ヒータの温度を連続的に調整するためにヒータがデューティサイクルを変えるように、ユーザが正確な温度を入力することを可能にしてもよい。コントローラは、ヒータを直接調節してもよい。例えば、コントローラは、1つ又は複数の入力及び/又は外部データを受信し、これらの入力に基づいて温度を調節してもよい。コントローラは、ヒータを間接的に調節してもよい。例えば、コントローラは、別のコントローラから1つ又は複数のコマンドを受信し、次いで、コントローラは1つ又は複数の入力及び/又は外部データを受信する他のコントローラからのコマンドに基づいて調節してもよい。1つ又は複数の入力は、温度センサ、ユーザ、圧力センサ、ファン速度、又はこれらの組合せからの入力であってもよい。
【0097】
ヒータは、正の温度係数の材料の自動調節特徴と組み合わせてパルス幅変調(PWM)を用いて調節してもよいことがさらに考慮される。したがって、PWMは、ヒータが種々の出力設定を受けて種々の温度に暖まるように設定されてもよい。
【0098】
ヒータは、コントローラ及びシステムハーネスを含んでもよい。コントローラは、ユーザから入力信号を受信してもよい。例えば、ユーザが温度設定を高から低に変化させるときに、コントローラが信号を受信する。コントローラは、出力パワーをヒータに送ってもよい。例えば、コントローラがユーザから入力信号を受信すると、コントローラは、ヒータがより暖かくなる又は冷たくなるように、要求されるデューティサイクルをヒータに送信してもよい。システムハーネスは、システムハーネスがヒータに電力を送ることができるように、電源から電力をさらに受け取ってもよい。システムハーネスは、コントローラを含んでもよい。コントローラは、ヒータを制御するのに要求されるデューティサイクルを計算し、次いで、計算されたデューティサイクルをヒータに送信してもよいことが考慮される。好ましくは、システムハーネスは、要求されるデューティサイクルを参照し、既知のデューティサイクルをヒータに送信するであろう。
【0099】
本明細書に記載のすべてのヒータは、アフターマーケット用途に用いられてもよいことが考慮される。アフターマーケット用途は、本明細書に記載の用途のうちのいずれかであってもよい。例えば、バッテリ、ステアリングホイール、カップホルダ、園芸用の温室、車両シート、又はこれらの組合せに付加されてもよい。本明細書に記載のヒータは、「新しいシート」(すなわち、相手先商標による製造会社(OEM)によって作られる車両)に適用されてもよい。本明細書に記載のヒータはまた、シートが設置され、車が販売された後(すなわちアフターマーケット)で、シートに適用されてもよい。したがって、ヒータは、ヒータが車両シートのような本明細書に記載の複数の異なる物品と共に機能するようにヒータが設置作業者によって変更されてもよいような方法(すなわちフリーサイズの設計)で形成されてもよい。例えば、ヒータは、「H」形にされたトレンチ構成を有するシート及び3つの平行なバーのトレンチ構成を有するシートと共に用いられてもよい。設
置作業者は、ヒータにあけられた穴がトレンチと位置合わせされるようにヒータの一部を切り取ってもよい。これらの穴は、設置作業者がヒータの一部をトレンチの中に入れ、且つ本明細書で説明される技術(例えば、ワイヤで押さえつける)を用いてヒータを固定することを可能にしてもよい。好ましくは、穴は、本明細書に記載の取付装置及び/又はアンカー装置のうちの1つがヒータをシートに取り付けることができるように切断されてもよい。ヒータは切断されてもよく、ヒータのすべての領域は依然として機能する(すなわち加熱する)ことができる。好ましくは、ヒータは、ヒータの中に引き込まれた部分が熱くならないように切断されてもよい。あけられた穴は、該穴に隣接するヒータの領域ではヒータが暖まるのを止めるようにすることができる。好ましくは、ヒータは、それらがトレンチの中に嵌め込まれるように穴があけられた領域でのみ暖かくなるのを止めるであろう。穴は、ヒータが暖まるのを妨げない可能性がある。ヒータは、どこでヒータが切断されてもよいかを示すアウトライン及び/又は表示を含んでもよい。ヒータは、設置作業者がヒータの長さ、幅、又はこの両方を減らしてもよいようにヒータ上にガイドを含んでもよい。ヒータは、切取部、内スリット、外スリット、穴、切れ目、又はこれらの組合せが、ヒータの残りの部分の性能を低下させることなくヒータの中に作製されてもよいように、ガイドをさらに含んでもよい。
【0100】
ヒータ設計は、本明細書に記載のヒータ設計のうちのいずれかであってもよい。ヒータは、2つの電極(すなわち1つが負極で1つが正極)を有してもよい。2つの電極は連続していてもよい。2つの電極は端部を有してもよい。2つの電極は互いに平行であってもよい。2つの電極は互いに平行でなくてもよい。2つの電極は、幾つかの領域では互いに平行であり且つ他の領域では平行でなくてもよい。2つの電極は、それらが互いに対向するようにキャリア上に配置されてもよい。2つの電極は、フィンガを有してもよい。フィンガは、2つの電極が触れることなく電極のうちの1つから他の電極の方に突き出てもよい。フィンガは、対向する電極又は対向するフィンガに触れることなく両方の電極から互いの方に突き出てもよい。フィンガは、インターディジテイテッドパターンを形成してもよい。フィンガは、インターディジテイテッドパターンを形成しなくてもよい。フィンガは切断されてもよく、ヒータは依然として機能することができる。ヒータは、パターン、材料、接続装置、接続方法、又はこれらの組合せに対する本明細書に記載のあらゆる構成を含んでもよい。例えば、ヒータは、本明細書に記載の方法を用いることによって形成され、次いで、ヒータがシートの中に設置されてもよいように、切取部、内スリット、外スリット、ローブ、穴、孔など、又はこれらの組合せがヒータに付加されてもよい。
【0101】
ヒータは、異なる方法によって作製されてもよい。基板又はキャリアが得られてもよい。第1の電気的機能層は、キャリアに適用され、1つ、2つ、又はそれ以上の電極を形成してもよい。第2の電気的機能層は、キャリア上に配置される第1の電気的機能層の上に適用されてもよい。第2の電気的機能層は、1つ又は複数の電極の一部と接触してもよい。第3の層は、キャリア、第1の電気的機能層、第2の電気的機能層、又はこれらの組合せのすべて又は一部の上に適用されてもよい。第1の電気的機能層、第2の電気的機能層、又はこの両方は、本明細書で開示されたあらゆる方法によって適用されてもよい。電気的機能層は、インクジェット印刷によって形成されてもよい。電気的機能層は、任意のインクジェットプリンタによって適用されてもよい。好ましくは、電気的機能層は、スクリーン印刷によって形成されてもよい。層の適用は、電極、ストリップ、加熱領域、クオドラント(quadrant)、又は熱くなる他の領域を形成してもよい。層は、ストリップ、加熱領域、クオドラント、又はこれらの組合せがなくてもよい。電気端子は、電極に取り付けられてもよい。電気端子は、本明細書で開示された任意の取付方法を用いて電極に取り付けられてもよい。好ましくは、導電体は、ポスト及びバッキングプレートをもつ取付部を用いて取り付けられる。第4の層は、電気端子が取り付けられた後で、キャリア、第1の電気的機能層、第2の電気的機能層、又は3つすべてに付加されてもよい。第4の層は、第3の層が付加された後で、第1の電気的機能層、第2の電気的機能層、又はこ
の両方に付加されてもよい。第4の層は、電気端子が取り付けられ且つ第3の層が付加された後で、第1の電気的機能層、第2の電気的機能層、又はこの両方に付加されてもよい。第4の層は、第5の層をキャリアに接続するために用いられてもよい。第5の層は、キャリアの印刷されない側に取り付けられてもよい。ヒータは、シートクッション又はバックレスト上におかれてもよい。ヒータは、取付装置を用いてクッション又はバックレストに取り付けられてもよい。取付装置は、リスティングワイヤ及びオークリー(okley)クリップであってもよい。取付装置は、第5の層上におかれる又はキャリアの印刷されない側に直接おかれるツーウェイテープ(すなわち、剥がして貼る式のテープ)であってもよい。ヒータはトリム層で覆われてもよい。切取部、内スリット、外スリット、又はこれらの組合せは、キャリアが形成されるときにキャリアに付加されてもよい。切取部、内スリット、外スリット、又はこれらの組合せは、キャリアが形成された後でキャリアに付加されてもよい。
【0102】
図1は、キャリア2上に配置された第1の層4及び第2の層6をもつキャリア2を含むヒータを例証する。キャリアは、前縁14、後縁16、第1の側縁18、第2の側縁20、及びタブ44を含む。キャリア2は、キャリア2の中央領域に細いネック部28を形成する2つの切取部26を含む。切取部は、長さ(L)及び幅(W)を含む。切取部の長さ及び幅は、キャリアにおける切取部が第2の(L’)及び第2の(W’)を含むように変化する。1つの切取部は非対称であり、第1の長さ(L1)及び第2の長さ(L2)を含む。外スリットは長さ(L’’)及び幅(W’’’)を有する。図示されるように、外スリットの長さ及び幅は変化する。キャリア2はまた、キャリア2の後縁に沿った切取部26と外スリット36を含み、この組合せがローブ形部分(lobed portion)42を形成する。キャリア2は、事実上キャリアの長さに延びる内スリット38を含む。内スリットは長さ(A)及び幅(B)を含む。キャリアは2つの電極24を含む。第1の層4の一部は、正極46及び負極48を形成する。電極は幅(X)を有する。導電体12が、正極46及び負極48に取り付けられ、端子22を形成する。
【0103】
図2Aは、ヒータ300の断面図を含む。ヒータ300は、トリム層40によって覆われる。ヒータは、キャリア2と共に、キャリア2上に配置される第1の層4及び第2の層6を含む。導電体12は、キャリア2に取り付けられ、第1の層4と電気的に連通する。第1の層4及び第2の層6は、第3の層8によって覆われ且つこれに取り付けられる。第3の層8は第4の層50によって覆われる。第4の層50は第5の層10によって覆われる。第3の層80は、第4の層50を介して第5の層10に取り付けられる。ヒータ300は、製造物品(図示せず)の上に又はこの中におかれてもよい。
【0104】
図2Bは、ヒータ300の別の断面図を含む。ヒータ300はキャリア2を含む。キャリア2は、キャリア2上に配置された第1の層4及び第2の層6を有する。導電体12は、キャリア2に取り付けられ、第1の層4と電気的に連通する。第3の層8は第5の層10をキャリア2に取り付ける。第3の層8は、第1の層4、第2の層6、及び導電体12を覆う。ヒータ300は、製造物品(図示せず)の上に又はこの中におかれてもよい。
【0105】
図3は、シート302上に配置されたヒータ300を例証する。シート302は、ヒータ300の細いネック部28がトレンチ30と位置合わせされるようにトレンチ30を含む。取付装置32が細いネック部28をトレンチ30の中に引っぱり、トレンチ30の中のアンカー装置34を介して細いネック部28をシートに取り付ける。ヒータ300は、ヒータの縁に沿うタブ44を介してトレンチ30と位置合わせされる。ヒータ300は切取部26及び外スリット36を含む。
【0106】
図4Aは、導電体12を例証する。導電体12は、一体の把持部分104を介して電気端子98に取り付けられる。電気端子は、2つのポスト102をもつ取付部100をさら
に含む。図4Bは、キャリア2が取付部100とバッキングプレート106との間に挟まれた状態でバッキングプレート106に取り付けられた取付部100を例証する。ポスト102は、ポストにフランジ108が形成されるように拡げられており、導電体12から電気端子を介してキャリア2に電気が流れるように、取付部100に接触する状態でバッキングプレート106及びキャリアを保持する。
【0107】
図5A図5Cは、キャリア2上に形成されるタブ44の3つの異なる実施形態を例証する。図5B及び図5Cは外タブ44を例証し、図5Aは内タブ44を例証する。
【0108】
図6A及び図6Bは異なるヒータ設計300を例証する。図6A及び図6Bは、異なる内スリット38及び外スリット36の構成を含む。電極24の構成は、内スリット38及び外スリット36に関してそれぞれ実質的に鏡面対称である。図6Bは、キャリア2の各側部に2つの外スリット36を含み、図6Aは外スリットがない。図6Aは、第2の層6を含むものとして例証され、図6Bは、単に例証する目的で第1の層4とフィンガ52が見えるように第2の層6がない状態で例証される。図6A図6Bは正極46及び負極48を含む。電極は第1の幅(X)及び第2の幅(X’)を含む。幅は、端子22からの距離が大きくなるのに伴って徐々に小さくなる。電極の幅24は、細いネック部28で厚さを段差60だけ変化させる。電極24は、一定の厚さを維持し、次いで段差60において厚さが減少する。図6Aは、切取部26から分離された内スリット38を含む。図6Bでは、内スリット38は、切取部26につながり、1つの大きい内部開口部を形成する。
【0109】
図7は、ヒータ300の外側の周りに複数の切取部26をもつヒータ300を例証する。切取部は、内部に材料が除去される円形の穴120をもつ外スリットである。図7は、非対称に配置された切取部分26の間のヒータの中央に形成された細いネック領域28を例証する。ヒータは、電気端子98を含む端子22と共に正極46及び負極48を含む。電極は、幅(X)及び別の幅(X’)を有する。図7では、電極は、キャリアの長さに沿って連続的により細くなる。
【0110】
図8は、ヒータ300に対する別の可能な構成を含む。ヒータは、内スリット38と交差し且つこれと一体の中央領域を形成する、切取部26を含む。図8はさらに、電気端子98に対する異なる可能な場所を例証する。この例では、正極46上の電気端子98は、電気端子98の異なる可能な場所を例証するために2つの可能な場所で例証される。第1の場所200は、正極46上のヒータの中央に位置するが、電気端子98はまた、ヒータの側部上の第2の場所202で例証される。図8は、例証する目的で第1の層が見えるように第2の層がない状態で例証される。
【0111】
図9は、キャリア2に何らかの層が適用される前のキャリア2に対する1つの可能な構成を例証する。キャリアは電気端子98を含む。図9は、電気端子98がより明瞭に示されるように単に例証する目的で電気的機能層のない状態で例証される。導電体は、機械的ファスナを使用せずにキャリア2に取り付けられる。図9は、シートの咬合線204を、細いネック部28を形成する外スリット36と位置合わせすることができることを例証する。例証されるように、電気端子98は、それらがシートとバック部分との間に嵌め込まれ且つ損傷から保護されるように、咬合線204を越している。
【0112】
図10及び図11A図11Bは、通気シート又は空気調節シートに採用することができる3つの可能なヒータ設計である。これらの設計はまた、ヒータとして唯一のものであってもよいことが考慮される。図10及び図11A図11Bのヒータは、空気がヒータ300を通してユーザの方に抜けるように図2の断面図がヒータ300の下にインサート(図示せず)を含むことになるように、インサート上におかれてもよい。図10及び図11A図11Bは、空気がヒータ300を通してユーザの方に吹き抜けるように、機能部
80及び切取部26を含む。図11A図11Bは、1つの大きい外スリット36から突き出て機能部80と交差する内スリット38をさらに含む。図11Bは、機能部80と交差する外スリット36を例証する。図11Bは、第2の層6と共に例証され、図10及び図11Aは、単に例証する目的で第1の層4を示すために第2の層6がない状態で例証される。
【0113】
図12Aは、ヒータ300の別の可能な実施形態である。ヒータは正極46及び負極48を含む。電極は、第1の幅(X)と、電極がヒータ300の細いネック部28においてより広くなる、トレンチ領域における幅(X)とを含む。キャリアはまた、図5Aに示された内タブと類似した内タブ44を含む。キャリア2は、ヒータと乗員センサ(図示せず)がシートクッション上で位置合わせされるように4つのロケータ70を含む。図12Aの電気コネクタは低圧モールド310の中に封入される。図12Bは、図12Aに示された低圧モールド310の拡大斜視図である。低圧モールド310は、その上に第1の電気的機能層4が配置された状態でキャリア2を包み込んで端子22を形成する。端子22は、機械的電気コネクタ98を介して導電体12に接続される。低圧モールド310は、厚さ(M)、幅(N)、及び長さ(O)を有する。
【0114】
図13は、ヒータ300の別の可能な構成を例証する。ヒータは、前縁14、後縁16、第1の側縁18、及び第2の側縁20を有するキャリア2を含む。キャリアは、キャリア上に配置された第1の層4を含む。図13は、単に例証する目的で第1の層4だけを含む。第1の層は、正極46及び負極48を形成し、それぞれの電極からフィンガ52が延びる。フィンガ52は、キャリア2の機能部80の周りに部分的に延び、機能部80は取り囲まない。この構成は、この局所的領域における一様な加熱を避けるために採用されてもよい。正フィンガ及び負フィンガ52の各々は、それぞれ機能部80の周囲の約40パーセントの周りに延びる。キャリアは、両端で円形の穴120につながる内スリット38をさらに含む。キャリアは、細いネック部28を形成する第1の側縁18及び第2の側縁20のそれぞれに2つの切取部26を含む。前縁に最も近い切取部26は、側壁130が側縁18及び20と実質的に直角(α’)をなし、且つ側壁130が端壁140と実質的に直角(β’)をなす状態で例証される。後縁16に最も近い切取部26は、切取部26が後縁16の方に概して角度をつけられるように側縁18及び20に対して或る角度をなして例証される。側壁130は、側縁18及び20に対して或る角度(α)をなし、側壁130は、切取部26の端壁140に対して別の角度(β)をなす。
【0115】
本発明の教示は、1つ又は複数の端子を含む1つ又は複数の電極をさらに含んでもよく、1つ又は複数の端子は1つ又は複数の電極上のどこかに配置され、1つ又は複数の導電体は、第1の電気的機能層、第2の電気的機能層、又はこの両方に取り付けられ、導電体はレーザ溶接を用いて取り付けられ、導電体ははんだ付けによって取り付けられ、電気接続はリベットがなく、電気接続は導電グルー及び又は導電テープを用いて形成され、電気接続は低圧成形技術を用いて形成され、電気コネクタはキャリアに穴をあけずに取り付けられ、第1の電気的機能層、第2の電気的機能層、又はこの両方は銅ベースのインクを含み、第1の電気的機能層、第2の電気的機能層、又はこの両方は銀ベースのインクを含み、ヒータの温度はパルス幅変調又はこれらの組合せを用いて制御される。
【0116】
本明細書で列挙されるあらゆる数値は、任意のより下の値と任意のより上の値との間の少なくとも2つの単位の分離が存在するという条件で、1つの単位の増分においてより下の値からより上の値までのすべての値を含む。例として、コンポーネント又は例えば、温度、圧力、時間などのようなプロセス変数の値の量が、例えば、1から90まで、好ましくは20から80まで、より好ましくは30から70までであることが表記される場合、15〜85、22〜68、43〜51、30〜32などのような値が本明細書で明白に列挙されることが意図される。1未満の値に関して、1つの単位は、適宜、0.0001、
0.001、0.01、又は0.1となるように考えられる。これらは、具体的に意図されるものの単なる例であって、列挙された最も下の値から最も上の値までの間の数値のすべての可能な組合せが同様の様態で本出願で明白に規定されると考えられるべきである。
【0117】
特に明記しない限り、すべての範囲は、両方の端点と、端点の間のすべての数を含む。範囲に関連した「約」又は「およそ」の使用は、範囲の両方の端に当てはめられる。したがって、「約20〜30」は、少なくとも指定された端点の包括である「約20〜約30」を包含することを意図される。
【0118】
特許出願及び特許公開を含むすべての論文及び参考文献の開示内容は、すべての目的のために参照により組み込まれる。組合せを説明するための「本質的に〜からなる」という用語は、特定された要素、成分、コンポーネント、又はステップ、並びに、組合せの基本的特徴及び新規な特徴に実質的に影響しない他の要素、成分、コンポーネント、又はステップを含むものである。本明細書で要素、成分、コンポーネント、又はステップの組合せを説明するための「備える」又は「含む」という用語の使用はまた、要素、成分、コンポーネント、又はステップから本質的になる又はからなる実施形態を考慮している。
【0119】
複数の要素、成分、コンポーネント、又はステップは、単一の一体化された要素、成分、コンポーネント、又はステップによって提供することができる。代替的に、単一の一体化された要素、成分、コンポーネント、又はステップは、別個の複数の要素、成分、コンポーネント、又はステップに分割されてもよい。要素、成分、コンポーネント、又はステップを説明するための「1つの(「a」又は「one」)の開示は、付加的な要素、成分、コンポーネント、又はステップを除外することを意図されない。
【0120】
上記の説明は、例証となることを意図されるものであって、制限することを意図されないことが理解される。提供される例以外の多くの実施形態並びに多くの用途が、上記の説明を読むことで当業者には分かるであろう。したがって、教示の範囲は、上記の説明を参照しなくても判断されるであろうが、代わりに、こうした請求項が権利を与えられる均等物のすべての範囲と共に、付属の請求項を参照して判断されるであろう。特許出願及び特許公開を含むすべての論文及び参考文献の開示内容は、すべての目的のために参照により組み込まれる。本明細書で開示される主題の任意の態様の以下の請求項における省略は、こうした主題の権利放棄ではなく、発明者が、こうした主題が開示された発明の主題の一部となるように考えなかったとみなされるべきではない。
【0121】
なお、本発明の主たる態様及び特徴は以下のとおりである。
【0122】
1. 加熱されるシート(302)であって、
a.1つ又は複数のトレンチ領域(30)をもつクッションと、
b.ヒータ(300)であり、
i.周辺部をもつキャリア(2)、
を備え、前記キャリアが、
1.前記キャリア(2)の少なくとも一部を実質的に囲む導電材料で作製される第1の電気的機能層(4)と、
2.抵抗材料で作製される第2の電気的機能層(6)と、
3.前記第1の電気的機能層(4)に取り付けられる1つ又は複数の導電体(12)と、
をさらに含む、ヒータと、
c.前記ヒータ(300)が前記クッションの上に配置されるときに前記クッションを覆うトリム層(40)と、
を備え、
前記周辺部が第1の側縁(18)及び第2の側縁(20)を含み、前記各側縁が切取部(26)を含み、前記切取部(26)が互いに隣接して配置されてネック部(28)を形成し、
前記ヒータのネック部(28)の上に取付装置(32)をおき且つ前記ネック部(28)が前記トレンチ(30)の中に引っぱられるように前記取付装置(32)の一方又は両方の端部をクッションに固定することによって、前記ヒータ(300)が前記クッションに取り付けられ、
前記ネック部(30)は第2の電気的機能層(6)がなく、
前記第1の電気的機能層(4)と前記第2の電気的機能層(6)が格子パターンを形成する、
シート。
【0123】
2. 前記第1の電気的機能層が、幅を有する1つ又は複数の電極(24)を形成し、前記電極(24)の幅が、前記ネック部(28)の前後の前記電極の幅よりも前記ネック部における幅が広くなるように前記ネック部において増加する、上記1に記載の加熱されるシート。
【0124】
3. 前記キャリア、前記第1の電気的機能層(4)、前記第2の電気的機能層(6)、又はこれらの組合せを覆う第3の層(8)と、
第4の層によって、前記キャリア(2)、前記第1の電気的機能層(4)、前記第2の電気的機能層(6)、前記第3の層(8)、又はこれらの組合せに取り付けられる第5の層(10)と、
をさらに含む、上記1から上記2までのいずれかに記載の加熱されるシート。
【0125】
4. 前記キャリア、前記第1の電気的機能層、前記第2の電気的機能層、又はこれらの組合せを覆う第3の層をさらに含み、
前記第3の層によって、前記キャリア、前記第1の電気的機能層、前記第2の電気的機能層、前記第3の層、又はこれらの組合せに取り付けられる第5の層をさらに含む、
上記1から上記2までのいずれかに記載の加熱されるシート。
【0126】
5. 前記ヒータを前記シートのクッションに取り付けるために前記ネック部に隣接する前記キャリアのいずれかの端又は両端に接着剤層が適用される、上記1から上記4までのいずれかに記載のヒータ。
【0127】
6. 超音波溶接を用いて導電体(12)が取り付けられ、前記導電体が18ゲージ以下のワイヤである、上記1から上記5までのいずれかに記載の加熱されるシート。
【0128】
7. 前記1つ又は複数の導電体(12)が、取付部(100)及びバッキング部(106)のみを含む機械的電気コネクタ(98)を介して取り付けられ、前記導電体が18ゲージ以下のワイヤである、
上記1から上記6までのいずれかに記載の加熱されるシート。
【0129】
8. 前記キャリアが、1つ又は複数の外スリット(36)、1つ又は複数の内スリット(38)、1つ又は複数のタブ(44)、又はこれらの組合せを含む、上記1から上記7までのいずれかに記載の加熱されるシート。
【0130】
9. 前記第1の電気的機能層が前記第2の電気的機能層の組成とは異なる組成を有する、上記1から上記8までのいずれかに記載の加熱されるシート。
【0131】
10. 前記第1の電気的機能層、前記第2の電気的機能層、又はこの両方が導電インクである、上記1から上記9までのいずれかに記載の加熱されるシート。
【0132】
11. 前記第1の電気的機能層、前記第2の電気的機能層、又はこの両方が抵抗体インクである、上記1から上記10までのいずれかに記載の加熱されるシート。
【0133】
12. 前記第1の電気的機能層、前記第2の電気的機能層、又はこの両方がナノインクである、上記1から上記11までのいずれかに記載の加熱されるシート。
【0134】
13. 前記ヒータが前記トリム層の層間におかれ、前記トリム層と前記ヒータが前記クッション又は前記バックの上におかれる、上記1から上記12までのいずれかに記載の加熱されるシート。
【0135】
14. 第1の電気的機能層、前記第2の電気的機能層、前記第3の層のうちのいずれか、又はこれらの組合せが、前記キャリア上にスクリーン印刷される、上記1から上記13までのいずれかに記載の加熱されるシート。
【0136】
15. 通気システムをさらに含む、上記1から上記14までのいずれかに記載の加熱されるシート。
【0137】
16. 強制的に冷却されるシステムをさらに含む、上記1から上記15までのいずれかに記載の加熱されるシート。
【0138】
17. 前記ヒータが空気分配装置と共に用いられ、前記ヒータが前記空気分配装置の1つの壁である、上記1から上記16までのいずれかに記載の加熱されるシート。
【0139】
18. 前記ヒータをアフターマーケット用途として設置できるように前記キャリアに切れ目が形成され、前記切れ目が前記ヒータを加熱する能力に影響しない、上記1から上記17までのいずれかに記載の加熱されるシート。
【0140】
19. 前記第1の電気的機能層、前記第2の電気的機能層、又はこの両方の断面積及び/又は表面積が前記電気的機能層の長さにわたって変化する、上記1から上記18までのいずれかに記載の加熱されるシート。
【0141】
20. i.システムハーネスと、
ii.コントローラと、
をさらに含み、
前記コントローラが、パルス幅変調及び前記第2の電気的機能層の自己調節特徴によって前記シートの温度を調節する、
上記1から上記19までのいずれかに記載の加熱されるシート。
【0142】
21. 前記コントローラが、予めプログラムされたデューティサイクルを含む、上記20に記載のヒータ。
【0143】
22. 前記コントローラが、温度が調節されるように別の制御デバイスから提供された外部データを処理する、上記20又は上記21のいずれかに記載のヒータ。
【0144】
23. 前記ヒータが少なくとも2つの温度設定を有する、上記20から上記22までのいずれかに記載のヒータ。
【0145】
24. 高温設定が約80パーセントから約100パーセントまでの間のデューティサイクルを有し、中温設定が約60パーセントから約80パーセントまでの間のデューティサイクルを有し、低温設定が約40パーセントから約60パーセントまでの間のデューティサイクルを有する、又はこれらの組合せである、上記20から上記22までのいずれかに記載のヒータ。
【0146】
25. ヒータを作製する方法であって、
a.キャリアを得るステップと、
b.前記キャリアの周辺縁に沿って複数の切取部を形成するステップと、
c.前記キャリアの中にネック領域が形成されるように少なくとも2つの前記切取部を位置合わせするステップと、
d.前記キャリアに第1の電気的機能層を適用するステップであり、少なくとも1つの電極及び複数のフィンガが前記第1の電気的機能層によって形成され、随意的に前記電極が前記キャリアの少なくとも一部を実質的に囲むステップと、
e.前記キャリア上の前記第1の電気的機能層の少なくとも一部の上に第2の電気的機能層を適用するステップであり、前記第2の電気的機能層が前記第1の電気的機能層の抵抗とは異なる抵抗を有するステップと、
f.随意的に機械的コネクタのない状態で、少なくとも1つの電気端子を前記電極に取り付けるステップであり、前記ヒータが、前記ヒータをトレンチをもつクッションに固定し且つトリム層で覆うことができるように構成されるステップと、
を含み、
前記ネック部は前記第2の電気的機能層がなく、
前記第1の電気的機能層と前記第2の電気的機能層が格子パターンを形成する、
方法。
【0147】
26. 内スリット、外スリット、タブ、又はこれらの組合せを形成するステップをさらに含む、上記25に記載の方法。
【0148】
27. 前記キャリア上に第3の層を適用するステップ、前記キャリア上に第4の層を適用するステップ、前記キャリア上に第5の層を適用するステップ、又はこれらの組合せをさらに含む、上記2から上記26までのいずれかに記載の方法。
【0149】
28. 上記25から上記27までのいずれかに従って作製された上記1から上記24までのいずれかに記載の物品。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13