特許第5753663号(P5753663)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ゼブラ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5753663-ボールペン 図000002
  • 特許5753663-ボールペン 図000003
  • 特許5753663-ボールペン 図000004
  • 特許5753663-ボールペン 図000005
  • 特許5753663-ボールペン 図000006
  • 特許5753663-ボールペン 図000007
  • 特許5753663-ボールペン 図000008
  • 特許5753663-ボールペン 図000009
  • 特許5753663-ボールペン 図000010
  • 特許5753663-ボールペン 図000011
  • 特許5753663-ボールペン 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5753663
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】ボールペン
(51)【国際特許分類】
   B43K 24/08 20060101AFI20150702BHJP
   B43K 7/12 20060101ALI20150702BHJP
【FI】
   B43K24/08 A
   B43K7/12
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2010-66618(P2010-66618)
(22)【出願日】2010年3月23日
(65)【公開番号】特開2011-194829(P2011-194829A)
(43)【公開日】2011年10月6日
【審査請求日】2013年2月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108328
【氏名又は名称】ゼブラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(72)【発明者】
【氏名】清水 絵里子
【審査官】 砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/010825(WO,A1)
【文献】 登録実用新案第3154090(JP,U)
【文献】 実開平6−57691(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3139755(JP,U)
【文献】 実開平7−37686(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43K 7/12
B43K 24/00−24/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸筒内で軸線方向に移動自在な中芯を有するボールペンにおいて、
後端に達するまで前記軸線方向に延在する中芯交換用スリットが形成された前記軸筒と、
前記軸筒内に挿入されて前記中芯を保持する中芯ホルダと、を備え、
前記中芯ホルダは、
前側筒部と、
前記中芯を保持する中芯装着部と、
前記中芯交換用スリットの前方で前記軸筒に形成された窓部から突出して、前記窓部内で係止させられるスライド部と、を有し、
前記中芯ホルダの前端部には、前記前側筒部に一体成形された螺旋コイルばねが設けられ
前記中芯装着部は、前記中芯を差し込み可能な中芯差込み孔を含み、
前記窓部は、前記中芯交換用スリットに連通していることを特徴とするボールペン。
【請求項2】
前記スライド部は、前記軸筒の径方向に付勢されており、前記スライド部には、前記軸筒の径方向に前記スライド部を移動させることによって前記中芯交換用スリットの前端と位置合わせがなされるスリット挿入部が、前後方向に延在して形成されていることを特徴とする請求項1記載のボールペン。
【請求項3】
前記中芯交換用スリットの幅は、前記スライド部の前記スリット挿入部の幅より狭いことを特徴とする請求項2記載のボールペン。
【請求項4】
前記中芯交換用スリットの後端には、後方に向かって広がるような挿入口が設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載のボールペン。
【請求項5】
前記スライド部の前記スリット挿入部の先端には、前方に向かって狭まるような案内部が設けられていることを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載のボールペン。
【請求項6】
前記中芯装着部は、前記中芯差込み孔を狭めるように突出した中芯押さえ凸部を有していることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のボールペン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸筒内で軸線方向に移動自在な中芯を有するボールペンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の技術として、特開2001−301382号公報がある。この公報に記載された筆記具は、ノック式のボールペンであり、ノック棒を押すことで中芯が筆記具の先端から突出し、クリップを押すことで中芯が筆記具内に格納される。更に、ノック棒には、U字状のスリットによって形成された弾性舌片が設けられ、この弾性舌片に設けられた突起は、軸筒に形成された長窓から突出させられ、ノック棒の移動に伴って、突起は長窓内を移動する。そして、中芯を交換する場合、この突起を指で一旦、押し下げておき、ノック棒を後に引き抜くようにして、ノック棒と一緒に中芯を軸筒から抜き出す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−301382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した従来のボールペンでは、中芯を交換する際に、弾性舌片の突起を片手の指で押し下げながら、他方の手の指でノック棒を摘んだ状態で引き抜かなければならないので、中芯の交換作業が繁雑になってしまうといった問題点がある。
【0005】
本発明は、中芯を容易に交換できるようにしたボールペンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、軸筒内で軸線方向に移動自在な中芯を有するボールペンにおいて、
後端に達するまで軸線方向に延在する中芯交換用スリットが形成された軸筒と、
軸筒内に挿入されて中芯を保持する中芯ホルダと、を備え、
中芯ホルダは、
前側筒部と、
中芯を保持する中芯装着部と、
中芯交換用スリットの前方で軸筒に形成された窓部から突出して、窓部内で係止させられるスライド部と、を有し、
中芯ホルダの前端部には、前側筒部に一体成形された螺旋コイルばねが設けられ
中芯装着部は、中芯を差し込み可能な中芯差込み孔を含み、
窓部は、中芯交換用スリットに連通していることを特徴とする。
【0007】
このボールペンは、軸筒内に挿入された中芯ホルダを軸線方向に移動させることで、中芯を筆記可能状態と格納状態にすることができる。中芯交換用スリットが軸筒の後端に達するまで延在しているので、スライド部を窓部から中芯交換用スリットに沿って後方に移動させ続け、そのままスライド部を後退させ続けると、中芯ホルダと一緒に中芯を軸筒の後端から抜き出すことができる。このように、中芯交換時に、スライド部に掛けられた指を外すことなく、スライド部を中芯交換用スリットに沿って移動させるだけで、中芯ホルダ及び中芯を軸筒から抜き出すことができるので、中芯をスムーズにしかも容易に交換することができる。
【0008】
また、スライド部は、軸筒の径方向に付勢されており、スライド部には、軸筒の径方向にスライド部を移動させることによって中芯交換用スリットの前端と位置合わせがなされるスリット挿入部が、前後方向に延在して形成されていると好適である。
このような構成を採用すると、スライド部を軸筒の径方向に移動させて後退させる動作によって、スライド部のスリット挿入部を中芯交換用スリット内に挿入させることができるので、中芯交換時でもないのに、スライド部が不用意に中芯交換用スリットに沿って移動して、軸筒の後端から抜け出てしまうことがない。
【0009】
また、中芯交換用スリットの幅は、スライド部のスリット挿入部の幅より狭いと好適である。
このような構成を採用すると、スリット挿入部を、中芯交換用スリット内で抵抗感をもって移動させることができので、力余って、軸筒の後端から中芯ホルダが中芯と一緒に勢い良く飛び出してしまうような事態を回避させることができる。
【0010】
また、中芯交換用スリットの後端には、後方に向かって広がるような挿入口が設けられていると好適である。
このような構成を採用すると、スライド部のスリット挿入部を中芯交換用スリット内に軸筒の後端から挿入し易く、中芯を更にスムーズにしかも容易に交換することができる。特に、中芯交換用スリットの幅が、スリット挿入部の幅より狭く、スリットの幅を押し広げながらスリット挿入部を中芯交換用スリット内に挿入する場合に最適である。
【0011】
また、スライド部のスリット挿入部の先端には、前方に向かって狭まるような案内部が設けられていると好適である。
このような構成を採用すると、中芯交換後に、スライド部のスリット挿入部をスリット内に挿入し易く、中芯を更にスムーズにしかも容易に交換することができる。特に、中芯交換用スリットの幅が、スライド部のスリット挿入部の幅より狭く、スリットの幅を押し広げながらスリット挿入部を中芯交換用スリット内に挿入する場合に最適である。
また、中芯装着部は、中芯差込み孔を狭めるように突出した中芯押さえ凸部を有していると好適である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、中芯を容易に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係るボールペンの一実施形態を示す分解斜視図である。
図2】本発明に係るボールペンの軸筒の平面図である。
図3】本発明に係るボールペンの軸筒の正面図である。
図4図3のIV−IV線に沿う断面図である。
図5】本発明に係るボールペンの縦断面図である。
図6】中芯ホルダを示す正面図である。
図7図6のVII−VII線に沿う断面図である。
図8】筆記状態のボールペンを示す縦断面図である。
図9】中芯交換のために軸筒から中芯ホルダを引き抜いた状態を示す断面図である。
図10】中芯交換用スリット内にスリット挿入部が挿入された状態を示す横断面図である。
図11】中芯交換用スリットの後端からスリット挿入部を挿入する状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ本発明に係るボールペンの好適な実施形態について詳細に説明する。なお、ペン先側を「前方側」として以下説明する。
【0015】
図1図4に示すように、ボールペン1は、樹脂(例えばポリプロピレン)製の軸筒2を有し、この軸筒2内には、中芯挿入孔2aが形成され、軸筒2内に装填された中芯3は、交換可能になっている。さらに、軸筒2の前半部分は外径を断面6角形に成形され、筆記時に握り易く、机の上などで転がり難くなっている。更に、軸筒2の後部には、クリップ4が一体に成形されている。
【0016】
軸筒2の中芯挿入孔2aは、軸筒2の前端から後端に渡って延在し、中芯挿入孔2a内には、軸筒2の後端2cの開口部2bから樹脂(例えばポリアセタール)製の中芯ホルダ6が挿入される。この中芯ホルダ6内に中芯3が後端側から差し込まれ、中芯3の後端部は、中芯ホルダ6によって保持される。
【0017】
図1図5及び図6に示すように、中芯ホルダ6の後端部には、中芯3の後端部の保持と、中芯3の抜き差しを可能にする中芯装着部7が設けられ、中芯ホルダ6の前端部には、前側筒部8に一体成形された螺旋コイルばね5が設けられている。そして、中芯装着部7と前側筒部8は、弾性復元力を有して軸線L方向に延在する連結片9によって連結され、中芯装着部7と前側筒部8と連結片9とでホルダ本体部10が構成されている。
【0018】
このホルダ本体部10と螺旋コイルばね5は、樹脂によって一体成形されている。これによって、部品点数の簡素化を図ることができ、その結果として、コスト低減が可能になる。
【0019】
さらに、ホルダ本体部10に連結片9を採用することで、中芯ホルダ6の軽量化を可能にし、連結片9が弾性を有しているので、中芯ホルダ6に多少の反りが発生しても、中芯ホルダ6を中芯挿入孔2a内でスムーズ且つ確実に軸線Lに沿って移動させることができる。
【0020】
中芯装着部7は、中芯3の差込みを可能にした有底の中芯差込み孔7aを有する後側筒部7bと、後側筒部7b内で中芯差込み孔7aを狭めるように突出した三角柱形状の中芯押さえ凸部7cと、を有する。中芯押さえ凸部7cの頂部は、軸線Lに対して直交して延在すると共に、中芯3に対する線接触を可能にしている。従って、中芯3の確実な保持が可能になり、交換時に中芯3の抜き差しも行い易い。
【0021】
さらに、中芯ホルダ6は、先端がホルダ本体部10の前側筒部8に固定された弾性アーム部11を有している。このアーム部11は、連結片9に対向して延在すると共に、軸筒2内で軸線L方向に延在して、軸筒2の径方向で外方に向かう付勢力を有している。このアーム部11の遊端には、軸筒2の径方向に突出してなるスライド部12が形成されている。
【0022】
このスライド部12は、軸筒2に形成されたスリット13から外方に突出し、このスリット13は、軸線L方向に延在する。そして、スリット13には、幅が広げられた矩形の拡張部14,15が前後に2個設けられている(図3参照)。
【0023】
図6及び図7に示すように、スライド部12の側面12aには、スライド部12の幅を拡幅してなる係止凸部17が設けられ、この係止凸部17は、スリット13の拡張部14,15内に軸筒2の内側から入り込む。
【0024】
スライド部12の頂部には、拡幅された操作部20が形成され、スライド部12の底部には、係止凸部17と同じ幅でスライド部12の長手方向に延在する抜け止め部21が形成されている。そして、この抜け止め部21には、係止凸部17が操作部20に向けて突出する。台形状を有する係止凸部17において、前側には、傾斜面17aが形成され、後側には、軸線Lに対して略直交する係止面17bが形成されている。
【0025】
傾斜面17aによって、スリット13の拡張部15からスライド部12が前進する際に、スライド部12が軸筒2内に沈み込み易くなる。拡張部14から突出したスライド部12の係止凸部17は、係止面17bがスリット13の拡張部14の壁面に当接することで確実に係止させられる。
【0026】
図5及び図8に示すように、螺旋コイルばね5の先端は、中芯3が筆記状態のときに、軸筒2内で段部として形成されたばね当て部2dに押圧され(図8参照)、中芯3が格納状態のときに、軸筒2内のばね当て部2dから離間する(図5参照)。螺旋ばね5の自由長は、このような状態を作り出す長さに設定されている。具体的には、図8に示すように、螺旋コイルばね5の自由長は、筆記時における前側筒部8の前端とばね当て部2dとの距離より少し長く設定されている。
【0027】
このような構成を採用すると、中芯3が筆記状態(図8参照)の時には、螺旋コイルばね5のばね力を作用させることができるので、筆記時に中芯3が軸筒2内でガタ付くことがなく、使用時の不快感を無くすことができる。さらに、中芯3が格納状態(図5参照)になっている時は、螺旋コイルばね5には、負荷がかかっていないので、樹脂からなる螺旋コイルばね5がへたり難くなり、螺旋コイルばね5を樹脂で成形しても、当初のばね力を長く維持することができる。
【0028】
このように、中芯ホルダ6は、螺旋コイルばね5の弾発力を利用して後退させているのではなく、手動によって中芯ホルダ6は、後退させられ、中芯3が格納状態(図5参照)では、螺旋コイルばね5は常に無負荷状態になっている。
【0029】
前述したボールペン1の操作について簡単に説明する。
【0030】
図5に示すように、中芯3が格納状態になっている時は、スライド部12の後端12bが、スリット13の後端13aに当接し、アーム部11の弾性力により、後側の拡張部15からスライド部12の係止凸部17が突出する。この状態では、操作部20を押さない限り、中芯3が筆記可能状態になることがない。
【0031】
この状態から操作部20を指で押し下げて、スリット13に沿ってスライド部12を前に移動させる。このとき、傾斜面17aが拡張部15の前側の壁面に当たりながら、スライド部12は沈んでいく。
【0032】
操作部20を更に前進させ続けると、係止凸部17は軸筒2内に完全に潜り込み、その後、図8に示すように、指を操作部20から離すと、係止凸部17は、アーム部11の弾性力によって前側の拡張部14から突出する。そして、螺旋コイルばね5のばね力によって、係止面17bがスリット13の拡張部14の壁面に押し付けられる。これによって、筆記時に中芯3の後退が規制され、筆圧により中芯3が後退することはない。
【0033】
(中芯交換構造)
図3に示すように、軸筒2には、スリット(窓部)13の後端13aから軸筒2の後端2cまで延在する中芯交換用スリット30が設けられている。スリット13と中芯交換用スリット30とは連通させられ、中芯交換用スリット30の幅は、スリット13の幅より狭くなっている。そして、中芯交換用スリット30の幅は、スライド部12の幅より狭くなっているので、スリット13の後端13aはスライド部12の後端12bに当接され、スライド部12の係止状態が維持される。
【0034】
図7図9及び図10に示すように、スライド部12には、中芯交換用スリット30内に挿入されるスリット挿入部31が、操作部20と係止凸部17との間において、操作部20の底面20aに沿って前後方向に延在して形成されている。そして、スリット挿入部31の幅は、中芯交換用スリット30の幅より僅かに小さくなっている。従って、操作部20を押して後退させない限り、スライド部12が中芯交換用スリット30内に簡単に入ることがなく、中芯交換時でもないのに、スライド部12が不用意に中芯交換用スリット30に沿って移動して、軸筒2の後端2cから抜け出てしまうことがない。
【0035】
また、図3及び図11に示すように、中芯交換用スリット30の幅W1は、スリット挿入部31の幅W2より狭くなっている。このような構成を採用すると、スリット挿入部31を、中芯交換用スリット30内で抵抗感をもって移動させることができるので、力余って、軸筒2の後端2cから中芯ホルダ6が中芯3と一緒に勢い良く飛び出してしまうような事態を回避させることができる。
【0036】
また、中芯交換用スリット30の後端には、後方に向かって広がるような挿入口30aが設けられ、この挿入口30aの開き角度は、約30度になっている。このような構成を採用すると、スリット挿入部31を中芯交換用スリット30内に軸筒2の後端2cから挿入し易く、中芯3を更にスムーズにしかも容易に交換することができる。特に、中芯交換用スリット30の幅W1が、スライド部12のスリット挿入部31の幅W2より狭く、中芯交換用スリット30の幅W1を押し広げながらスリット挿入部31を中芯交換用スリット30内に挿入する場合に最適である。
【0037】
また、スリット挿入部31の先端には、前方に向かって狭まるような案内部31aが設けられ、この案内部31aは、挿入口30aの開き角度と同じ角度で形成されている。このような構成を採用すると、スリット挿入部31を中芯交換用スリット30内に軸筒2の後端2cから挿入し易く、中芯3を更にスムーズにしかも容易に交換することができる。特に、中芯交換用スリット30の幅W1が、スライド部12のスリット挿入部31の幅W2より狭く、中芯交換用スリット30の幅W1を押し広げながらスリット挿入部31を中芯交換用スリット30内に挿入する場合に最適である。
【0038】
図9及び図10に示すように、新しい中芯3に交換する場合、アーム部11のばね力に抗して、指で操作部20の底面20aが軸筒2に当たるまで押して、スライド部12を軸筒2の径方向に移動させる。この状態でスリット挿入部31の後端と中芯交換用スリット30の前端との位置合わせがなされる。そして、そのまま操作部20を指で後退させると、スリット挿入部31が中芯交換用スリット30内に挿入され、操作部20を後退させ続けることで、軸筒2の後端2cの開口部2bから中芯3と一緒に中芯ホルダ6を抜き出すことができる。
【0039】
このようなボールペン1は、中芯交換用スリット30が軸筒2の後端2cに達するまで延在しているので、スライド部12を窓部(スリット)13から中芯交換用スリット30に沿って後方に移動させ続け、そのままスライド部12を後退させ続けると、中芯ホルダ6と一緒に中芯3を軸筒2の後端2cから抜き出すことができる。このように、中芯交換時に、スライド部12の操作部20に掛けられた指を外すことなく、操作部20を中芯交換用スリット30に沿って移動させるだけで、中芯ホルダ6及び中芯3を軸筒2から抜き出すことができるので、中芯3をスムーズにしかも容易に交換することができる。
【符号の説明】
【0040】
1…ボールペン、2…軸筒、2c…軸筒の後端、3…中芯、5…螺旋コイルばね、6…中芯ホルダ、10…ホルダ本体部、11…アーム部、12…スライド部、12a…スライド部の側面、13…窓部(スリット)、13a…スリットの後端、14,15…拡張部、17…係止凸部、20…操作部、30…中芯交換用スリット、30a…挿入口、31…スリット挿入部、31a…案内部、L…軸線、W1,W2…幅。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11