(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
乳幼児の身体の背側にあてがわれるときには背側布部になり、また、前記乳幼児の身体の腹側にあてがわれるときには、前記背側布部の横幅よりも幅狭に調節して、その調節状態を調節保持部によって維持する腹側布部になる背腹共通布部と、
前記背腹共通布部の上部に一端が固着され、親側の肩に回すだけの距離に他端を前記背腹共通布部の側部に固着してなる一対の肩ベルト部と、
前記背腹共通布部の下部と一体化し、少なくとも前記一体化した布部の下部と共に親側の腰回りに配設する腰ベルト部と、
前記背腹共通布部を幅狭に調節するとき、その調節した調節布を収容するために設けた格納部と
を具備することを特徴とするベビーキャリア。
乳幼児の身体の背側にあてがわれるとき背側布部になり、前記乳幼児の身体の腹側にあてがわれるとき、その一部を左右から調節して、その調節保持部によって調節状態を維持し、前記背側布部の横幅よりも幅狭にする腹側布部になる背腹共通布部と、
前記背腹共通布部の上部に一端が固着され、親側の肩に回すだけの距離に他端を前記背腹共通布部の下部側に固着してなる一対の肩ベルト部と、
前記背腹共通布部の下部と一体化し、前記肩ベルト部の他端に連結される補助布部と、
前記背腹共通布部を幅狭に調節するとき、その調節した調節布を収容するために設けた格納部と
を具備することを特徴とするベビーキャリア。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、図中、各実施の形態
及び参考例において同一記号及び同一符号は、同一または相当する部分であるから、ここでは重複する説明を省略する。
【0013】
[実施の形態1]
図1乃至
図5に示すように、本実施の形態1にかかるベビーキャリアにおいて、乳幼児Bを抱っこしたり、おんぶしたりしたとき、乳幼児Bの身体に対し親M側の反対側、即ち、乳幼児Bの腹側にあてがわれるベビーキャリアの腹側布部10は、乳幼児Bの身体の反親M側にあてがわれるものであり、図示しない公知の芯材の周囲に緩衝材及び弾性材を配設し、その表面をデザイン的に処理してなるものである。その表生地と裏生地との間または乳幼児B側または全体を特定の厚みの空気層を形成してなる立体編物(ダブルラッシェル)とすることもできる。なお、図中の白抜き矢印は、乳幼児の向きを示す。
【0014】
なお、上記立体編物は、片面が所定の開口の網目の表生地で、反対側の面も所定の開口の網目の裏生地である。織布本体の端面に見える連結糸は、表生地と裏生地との厚みの間隔を設定する。本実施の形態にかかる対向するフロント側に位置する表生地またはバック側に位置する裏生地は、必要に応じて任意に網目、網模様が決定できる。なお、ここで、表生地、裏生地とは、説明を平易にするものであり、前側が表生地、後側が裏生地に特定されるものではない。この立体編物の商品は、旭化成株式会社から「フュージョン(商標名)」、また、帝人興産から「エアクィーン(商標名)」等として販売されているので、ここでは仔細な説明を省略する。
【0015】
腹側布部10の下部に縫い付けられた腰ベルト部20は、母親等の親Mの腰にベルト23を巻いて、その端部に配設されているバックルの連結差込具21及び連結受具22を連結係合させることによって、親の腰回りに固定され、人為的にバックルの連結差込具21と連結受具22との連結係合を解かない限り外れなくなっている。したがって、腰ベルト部20のベルト23は、可撓性があり、腹側布部10の下部で乳幼児Bの体重の多くを保持するので、強度的に耐えられるものであり、かつ、力(乳幼児Bの体重)の分散が行われる形態として形成されている。
【0016】
背側布部30は、腹側布部10の下部で一体に取付けられ、自由端が上方に延び、腹側布部10と分離され、図示しない公知の芯材の周囲に緩衝材及び弾性材を配設し、その表面をデザイン的に処理してなるものである。その表生地と裏生地との間または乳幼児B側または全体を特定の厚みの空気層を形成してなる立体編物を設けることもできる。背側布部30の基本的構造は腹側布部10と相違するものではないが、機械的には、腹側布部10の方が背側布部30よりも強く形成されている。
【0017】
特に、
図1及び
図2に示すように、所定の厚みを有する背側布部30の上部に一対の帯状体31を介してバックルの連結差込具32が配設されていて、腹側布部10に一対の帯状体11を介して配設されている一対のバックルの連結受具12との連結係合がなされており、腹側布部10と背側布部30が一体となっている。
ここで、上記乳幼児Bの身体にあてがわれる腹側布部10及び背側布部30は、乳幼児Bの後頭部から背中、臀部までを支持する適当な弾性及び可撓性を有する材料からなる乳幼児Bを保護する部材である。
【0018】
なお、本実施の形態1における背側布部30は、
図1及び
図2に示すように、腹側布部10の下部に縫製され、上方に延びた辺が自由端となっており、腹側布部10に対向する反対側に位置する背側布部30となっている。このとき、本実施の形態1にかかるベビーキャリアには、腹側布部10の下部に直接縫い付けるか、固着具で固着等により取付けられ、上方が開口されるように延びている。機械的強度は、腹側布部10に乳幼児Bの全ての重量を負担させることができるようしている。背側布部30は特定の厚みを有し、保温性または通気性が確保されるものであればよい。本発明の実施の形態では、腹側布部10と背側布部30に形成された特定の厚みを有する通気性のある空気層からなる立体編物が使用されている。
【0019】
腹側布部10の上下の長さは、平均的な乳幼児Bの胴体の長さ程度に形成され、上下部の幅は平均的な乳幼児Bの胴体の幅に形成されている。特に、その上下両側は、その中央付近に切り欠きのピーク位置がくるように弧状に切り欠かれている。即ち、乳幼児Bの股に近い位置から脚の取り出しが容易なように、オムツによる容積増の変化も加味して脚案内口15を設けている。したがって、腹側布部10の水平方向の横幅は、脚案内口15の切り欠きのピーク位置で最小の距離L1となっており、ここが乳幼児Bの脚の付け根に近い位置となるように、自然の脚位置から脚案内口15が定められている。
【0020】
これに対して、背側布部30は脚案内口15を形成していない略四角形の生地となっている。内側に腹側布部10が配設されているから、乳幼児Bとの間に空隙が形成されないように弾性を持たせた仕上げとなっている。この背側布部30の水平方向の横幅は、乳幼児Bの背後の臀部の周囲長から決定されている。したがって、その横幅の距離L2は、腹側布部10の距離L1よりも大きくなる。
【0021】
ここで、背側布部30が腹側布部10よりも生地の面積が広いことから、背側布部30を使用しないときの取り扱いが問題になる。そこで、本実施の形態では、背側布部30を使用しないときに、それを格納する格納部40を腹側布部10の下部の腰ベルト部20に設けている。即ち、背側布部30の上部側から折り畳んで、それを上部から挿入自在のポケット状の格納部40に収納している。
したがって、格納部40の厚みが若干厚くなるが、本実施の形態1にかかるベビーキャリアとしては、背側布部30のないものとなり、スッキリしたデザインとなる。
【0022】
次に、背側布部30を格納部40に収容したり、取出したりする動作について
図2を用いて説明する。
まず、腹側布部10に帯状体11を介して配設されているバックルの連結受具12と、背側布部30に帯状体31を介して配設されているバックルの連結差込具32との一対の係合を解き、背側布部30の上部を開放自在とする。この状態で背側布部30を上から順次折り畳み、または巻き込み、最後に、それを格納部40の開口から挿入し、その開口をボタン、ファスナー、接着布で止める。なお、ボタン、ファスナー、接着布は背側布部30の根元につけられることになる。これによって、背側布部30の存在が第三者に分からなくすることができる。
【0023】
これとは逆に、格納部40から背側布部30を取り出す場合には、開口を止めていたボタン、ファスナー、接着布を開放させ、格納部40の中から背側布部30を引き出す。そして、背側布部30を展開し、腹側布部10に帯状体11を介して配設されているバックルの連結受具12と、背側布部30に帯状体31を介して配設されているバックルの連結差込具32との一対の係合を行う。このとき、腹側布部10と背側布部30とは互いに平行する併設状態となり、背側布部30は乳幼児Bの臀部を取り巻くようになる。
【0024】
なお、本実施の形態では、腹側布部10の上部で、腹側布部10に帯状体11を介して配設されているバックルの連結受具12と、背側布部30に帯状体31を介して配設されているバックルの連結差込具32との一対の係合を行うものであるが、本発明を実施する場合には、背側布部30の解放端を下側とし、背側布部30の上部を腹側布部10の上部に縫製して固着してもよい。即ち、本発明を実施する場合の背側布部30の取付け固着部分と解放端は、背側布部30の上部または下部とすることができる。
【0025】
腹側布部10の上部左右には、左右の肩ベルト部50相互間の距離を調整する肩ベルト調整部60が配設されている。
左右の肩ベルト部50は、左肩に掛ける左肩ベルト部51とその端部に連結差込具53を取付けた調節ベルト55と、右肩に掛ける右肩ベルト部52と端部に連結差込具54を取付けた調節ベルト56とからなる。連結差込具53は腹側布部10側に取付けた図示しない連結受具に接続され、連結差込具54は腹側布部10側に取付けた図示しない連結受具に接続されている。また、調節ベルト55及び調節ベルト56は、その長さを調節できる図示しないアジャスタが配設されている。
【0026】
また、左肩ベルト部51及び右肩ベルト部52には、両者間の間隔を調整保持する肩ベルト調整部60が設けられている。この肩ベルト調整部60は左肩ベルト調整部61及び右肩ベルト調整部62からなり、詳しくは、端部に連結差込具63を取付けた左肩ベルト調整部61と、端部に連結受具64を取付けた右肩ベルト調整部62とからなる。連結差込具63は連結受具64に接続され、左肩ベルト調整部61と右肩ベルト調整部62との長さが調節できる図示しないアジャスタが配設されている。
【0027】
左肩ベルト調整部51と右肩ベルト調整部52は、各左肩ベルト部51と右肩ベルト部52とに平行して配設されているスライドベルト65またはスライドベルト66を摺動自在とし、肩ベルト調整部60の位置が移動自在となっている。
したがって、各左肩ベルト部51と右肩ベルト部52を肩に掛けた状態で、連結差込具63と連結受具64が接続されると、左肩ベルト調整部61と右肩ベルト調整部62との長さによって、左肩ベルト部51または右肩ベルト部52が掛けた肩から外れることがなくなる。
なお、腹側布部10の上部は左右の肩ベルト部50の取付け個所であり、乳幼児Bの体重の何割かを負担することから、それに十分耐えるように、機械的強度を持たせてある。
【0028】
本実施の形態1のベビーキャリアは、
図3(a)に示すように、乳幼児Bと親Mの顔が相向き会うとき、乳幼児Bの身体は腹側布部10と腹側布部10に重ねられた背側布部30の状態で取付けられる。なお、この場合、両者間に接着布、ボタン等で移動止めを施してもよい。
腰ベルト部20のベルト23を親Mの腰に配置させて、連結差込具21及び連結受具22を連結係合させる。ここで、左右の肩ベルト部50の何れか一方を肩にかけ、その状態で乳幼児Bを親M側を正面として腹側布部10の脚案内口15に脚をおいて座らせ、乳幼児Bの位置決めをしたところで、左右の肩ベルト部50の他方を肩にかけ、乳幼児Bを相向き会いに抱くことができる。
【0029】
乳幼児Bと親Mとが同一方向を向くときには、腹側布部10に帯状体11を介して配設されているバックルの連結受具12と、背側布部30に帯状体31を介して配設されているバックルの連結差込具32との一対の係合を解き、背側布部30を上から順次折り畳み、または巻き込み、それを格納部40の開口から挿入し、その開口をボタン、ファスナー、接着布で止める。
腰ベルト部20のベルト23を親Mの腰に配置させて連結差込具21及び連結受具22を連結係合させる。ここで、左右の肩ベルト部50の何れか一方を肩にかけ、その状態で乳幼児Bを親M側を背面として腹側布部10の脚案内口15に脚をおいて座らせ、位置決めしたところで、左右の肩ベルト部50の他方を肩にかけ、乳幼児Bを親Mと同一方向を向くように抱くことができる。
【0030】
即ち、本実施の形態1のベビーキャリアは、乳幼児Bの身体の腹側にあてがわれる腹側布部10と、腹側布部10の上部に一端が固着され、親M側の肩に回して他端を腹側布部10の側部に固着される一対の肩ベルト部50と、腹側布部10の上部または下部を一体に固着し、反対側の下部または上部の一方を分離自在とし、腹側布部10に対して重ね合わせ及び分離自在とし、乳幼児Bの身体の背側にあてがわれる腹側布部10の距離L1よりも横幅の広い距離L2の背側布部30と、背側布部30の下部及び腹側布部10の下部を一体化、または背側布部30の下部を分離自在とし、腹側布部10の下部と共に一体化した親M側の腰回りに配設する腰ベルト部20とを具備するものである。
【0031】
したがって、
図4(a)のように、乳幼児Bが親Mの顔と相向き会うときには、乳幼児Bの身体は腹側布部10と、腹側布部10に一体に重ねられた背側布部30の状態で取付け、腰ベルト部20のベルト23を親Mの腰に配置させて連結差込具21及び連結受具22を連結係合させる。この状態で、左右の肩ベルト部50の何れか一方を肩にかけ、乳幼児Bを親M側を正面として腹側布部10の脚案内口15に脚をおいて座らせ、位置決めしたところで、左右の肩ベルト部50の他方を肩にかけると、乳幼児Bを相向き会いに抱くことができる。
【0032】
図4(b)のように、乳幼児Bと親Mとが同一方向を向くときには、背側布部30を上から順次折り畳み、または巻き込み、それを格納部40に格納する。そして、腰ベルト部20のベルト23を親Mの腰に配置させて連結差込具21及び連結受具22を連結係合させる。ここで、左右の肩ベルト部50の何れか一方を肩にかけ、その状態で乳幼児Bを親M側を背面として腹側布部10の脚案内口15に脚をおいて座らせ、位置決めしたところで、左右の肩ベルト部50の他方を肩にかけ、乳幼児Bを親Mと同一方向を向くように抱くことができる。
【0033】
図5(a)のように、乳幼児Bの顔が親Mの後頭部に向くおんぶのときには、乳幼児Bの身体は腹側布部10と、腹側布部10に重ねられた背側布部30の状態で取付け、腰ベルト部20のベルト23を親Mの腰に配置させて連結差込具21及び連結受具22を連結係合させる。ここの状態で、左右の肩ベルト部50の何れか一方を肩にかけ、乳幼児Bを親M側を正面として腹側布部10の脚案内口15に脚をおいて座らせ、位置決めしたところで、左右の肩ベルト部50の他方を肩にかけ、乳幼児Bの顔が親Mの後頭部に向くようにすることができる。
【0034】
図5(b)のように、乳幼児Bが親Mに背を向けるおんぶのときには、背側布部30を上から順次折り畳み、または巻き込み、それを格納部40に格納する。そして、腰ベルト部20のベルト23を親Mの腰に配置させて連結差込具21及び連結受具22を連結係合させる。ここで、左右の肩ベルト部50の何れか一方を肩にかけ、その状態で乳幼児Bを親M側を背面として腹側布部10の脚案内口15に脚をおいて座らせ、位置決めしたところで、左右の肩ベルト部50の他方を肩にかけ、乳幼児Bを親Mと反対方向を向くように抱くことができる。
【0035】
したがって、乳幼児Bは親Mと相向き合いにまたは親Mと同一方向に抱っこや、おんぶするとき、背側布部30の操作だけで、乳幼児Bの股間を強制的に広げるように外力が加わることなく本実施の形態1のベビーキャリアが使用でき、乳幼児Bの股間に加わる外力を少なくすることができ、乳幼児Bの負担を軽減できる。
【0036】
また、本実施の形態1のベビーキャリアは、腹側布部10側のバックルの連結受具12と、背側布部30側のバックルの連結差込具32との一対の係合を解き、背側布部30の上部を開放し、上から順次折り畳みまたは巻き込み、それを格納部40に格納することによって、背側布部30の存在が第三者に分からなくすることができ、デザイン的な見栄えを低下させない。また、背側布部30の解放端を下にしたとしても、格納部40を腹側布部10の上側に形成すれば、同様の効果がある。
【0037】
なお、乳幼児Bの身体にあてがわれる腹側布部10の下部には、親Mの腰に止める腰ベルト部20並びに腹側布部10の上部に配設された左右の肩ベルト部50相互間の距離を調整する肩ベルト調整部60を具備するものであるから、親Mの腰に止める腰ベルト部20を止めてから、左右の肩ベルト部50を止めてもよいし、逆に、左右の肩ベルト部50を止めてから、親Mの腰に止める腰ベルト部20を止めてもよいので、使い勝手がよい。また、肩の凝る人には、肩の負担を軽減できる。このように、ベビーキャリアの腹側布部10側に乳幼児Bが配置されて、そこで位置決めされることから、ベビーキャリアの使用が腹側布部10側の使用となり、乳幼児Bと一体感があるから抱っこやおんぶの際の取り扱いが熟練者でなくとも容易になる。
【0038】
上記実施の形態1のベビーキャリアは、本発明を実施する場合には、その左右両側から乳幼児Bの脚を出し、図示しない乳幼児Bの固定ベルトを配設し、乳幼児Bの胴体を保持することによって乳幼児Bが倒れ難くすることができ、この場合には、安定した抱っこやおんぶができる。
【0039】
[
参考例1]
次に、
図6乃至
図8を用いて、本発明の
参考例1について説明する。
実施の形態1との相違点は、実施の形態1の背側布部30の取付けがバックルであったのに対して、本
参考例1では、背側布部30と腹側布部10との接合をファスナーとしたものである。また、本実施の形態1にかかるベビーキャリアにおいては、背側布部30の上部側から折り畳んで、それを上部から挿入自在のポケット状の格納部40を設けていたが、本
参考例1では、格納部40を設けていない。
【0040】
この
参考例1では、腹側布部10に一方のファスナー71を縫い付け、背側布部30の端部に他方のファスナー72を縫い付けたものであり、更に、背側布部30をロール状に巻き付けることにより、背側布部30に縫製した接着布75と腰ベルト部20側に縫製した接着布76とが接合によって腰ベルト部20に背側布部30を取付けることができる構成としている。
【0041】
即ち、本
参考例1のベビーキャリアは、乳幼児Bの身体の腹側にあてがわれる腹側布部10と、腹側布部10の上部に一端が固着され、親M側の肩に回して他端を腹側布部10の側部に固着される一対の肩ベルト部50と、腹側布部10の上部または下部を一体に固着し、反対側の下部または上部をファスナー71及びファスナー72で分離自在とし、腹側布部10に対してファスナー71及びファスナー72で重ね合わせ及び分離自在とし、乳幼児Bの身体の背側にあてがわれる腹側布部10の距離L1よりも横幅の広い距離L2の背側布部30と、背側布部30の下部及び腹側布部10の下部を一体化、または背側布部30の下部を分離自在とし、腹側布部10の下部と共に一体化した親M側の腰回りに配設する腰ベルト部20とを具備するものである。
【0042】
したがって、本
参考例1においても、代用する図面の
図4(a)のように、乳幼児Bと親Mの顔が相向き会うときには、乳幼児Bの身体は腹側布部10と、腹側布部10に重ねられた背側布部30の状態で取付け、腰ベルト部20を親Mの腰に配置させてファスナー71及びファスナー72で連結係合させ、この状態で、左右の肩ベルト部50の何れか一方を肩にかけ、乳幼児Bと親M側を対面させ、腹側布部10の脚案内口15に脚をおいて座らせ、位置決めしたところで、左右の肩ベルト部50の他方を肩にかけ、乳幼児Bを親Mと相向き会いに抱くことができる。
【0043】
または、
図4(b)のように、乳幼児Bと親Mとが同一方向を向くときには、背側布部30を上から順次折り畳みまたは巻き込み、それを格納部40の位置に背側布部30側の接着布75及び腰ベルト部20側の接着布76により、腰ベルト部20に取付ける。
そして、腰ベルト部20を親Mの腰に配置させて連結差込具21及び連結受具22を連結係合させる。ここで、左右の肩ベルト部50の何れか一方を肩にかけ、その状態で乳幼児Bの親M側を背面として腹側布部10の脚案内口15に脚をおいて座らせ、位置決めしたところで、左右の肩ベルト部50の他方を肩にかけ、乳幼児Bを親Mと同一方向を向くように抱くことができる。
【0044】
そして、
図5(a)のように、乳幼児Bの顔が親Mの後頭部に向くおんぶのときには、腹側布部10に重ねられた背側布部30の状態で取付け、腰ベルト部20を親Mの腰に配置させて連結差込具21及び連結受具22を連結係合させ、左右の肩ベルト部50の何れか一方を肩にかけ、乳幼児Bを親M側を正面として腹側布部10の脚案内口15に脚をおいて座らせ、左右の肩ベルト部50の他方を肩にかけ、乳幼児Bの顔が親Mの後頭部に向くようにすることができる。
【0045】
更に、
図5(b)のように、乳幼児Bが親Mに背を向けるおんぶのときには、背側布部30を上から順次折り畳み、または巻き込み、それを格納部40に格納する。そして、腰ベルト部20を親Mの腰に配置させて連結差込具21及び連結受具22を連結係合、左右の肩ベルト部50の何れか一方を肩にかけ、その状態で乳幼児Bを親M側を背面として腹側布部10の脚案内口15に脚をおいて座らせ、位置決めしたところで、左右の肩ベルト部50の他方を肩にかけ、乳幼児Bを親Mと反対方向を向くように抱くことができる。
【0046】
したがって、
図4(a)のように、乳幼児Bの顔と親Mの顔が相向き合うとき、
図4(b)のように、乳幼児Bと親Mが同一方向を向くとき、
図5(a)のように、乳幼児Bの顔が親Mの後頭部に向くおんぶのとき、
図5(b)のように、乳幼児Bが親Mに背を向けるおんぶのときにも、本実施の形態1及び
参考例1のベビーキャリアの使用が可能となる。
【0047】
特に、本
参考例1のベビーキャリアは、腹側布部10側のファスナー71と、背側布部30側のファスナー72との一対の係合を解き、背側布部30の上部を開放し、上から順次折り畳みまたは巻き込み、背側布部30に設けた接着布75と腰ベルト部20のベルト23に配設した接着布76によって、即ち、背側布部30の下部に配設した接着布75と腰ベルト部20のベルト23に設けた接着布76によって、腹側布部10と背側布部30が共に一体に固定する保持部90を形成している。
したがって、保持部90は、背側布部30の下部及び腹側布部10の下部または腹側布部10の下部と共に一体化する肩ベルト部50の他端に連結されるベルト23に設けた接着布76と、背側布部30の下部に配設した接着布75によって構成されている。
【0048】
なお、乳幼児Bの身体にあてがわれる腹側布部10の下部には、親Mの腰に止める腰ベルト部20並びに腹側布部10の上部に配設された左右の肩ベルト部50相互間の距離を調整する肩ベルト調整部60を具備するものであるから、親Mの腰に止める腰ベルト部20を止めてから、左右の肩ベルト部50を止めてもよいし、逆に、左右の肩ベルト部50を止めてから、親Mの腰に止める腰ベルト部20を止めてもよいので、使い勝手がよい。また、肩の凝る人には、肩の負担を軽減できる。このように、ベビーキャリアの腹側布部10側に乳幼児Bが配置されて、そこで位置決めされることから、ベビーキャリアの使用が腹側布部10側の使用となり、乳幼児Bと一体感があるから抱っこやおんぶの際の取り扱いが熟練者でなくとも容易になる。
上記
参考例1のベビーキャリアは、その左右両側から乳幼児Bの脚を出し、図示しない乳幼児Bの固定ベルトを配設すると、乳幼児Bの胴体を保持することによって乳幼児Bが倒れ難くすることができ、安定した抱っこやおんぶができる。
【0049】
[
実施の形態2]
実施の
形態1及び参考例1は、腰ベルト部20を具備するものであるが、
図9に示すように、腰ベルト部20を有しないベビーキャリアに対しても適用できる。但し、
図9(a)は本発明の
実施の形態2のベビーキャリア、
図9(b)は本
発明の参考例1の変形例のベビーキャリアである。
即ち、乳幼児Bにあてがわれる腹側布部10の上部から下部に左右の肩ベルト部50相互間の距離を調整する肩ベルト調整部60を具備し、腰ベルト部20を省略することもできる。この種の実施の形態では、左右の肩ベルト部50のみで乳幼児Bを抱いたり、おんぶしたりすることができる。
【0050】
図9において、腹側布部10の上部左右には、左右の肩ベルト部50相互間の距離を調整する肩ベルト調整部60が配設されている。
左右の肩ベルト部50は、左肩に掛ける左肩ベルト部51とその端部に連結具58を取付けた調節ベルト55と、右肩に掛ける右肩ベルト部52と端部に連結具59を取付けた調節ベルト56とからなる。調節ベルト55及び調節ベルト56の他端は、腹側布部10の下部中央に縫い付けられている。連結具58は左肩ベルト部51と調節ベルト55を接続または分離するもので、連結具59は右肩ベルト部52と調節ベルト56を接続または分離するものである。また、調節ベルト55及び調節ベルト56には、その長さを調節できる図示しないアジャスタが配設されている。
【0051】
また、左肩ベルト部51及び右肩ベルト部52には、両者間の間隔を調整保持する肩ベルト調整部60が設けられている。この肩ベルト調整部60は左肩ベルト調整部61及び右肩ベルト調整部62からなり、詳しくは、端部に連結差込具63を取付けた左肩ベルト調整部61と、端部に連結受具64を取付けた右肩ベルト調整部62とからなる。連結差込具63は連結受具64に接続され、左肩ベルト調整部61と右肩ベルト調整部62との長さが調節できるアジャスタが配設されている。
【0052】
左肩ベルト調整部61と右肩ベルト調整部62は、各左肩ベルト部51と右肩ベルト部52とに並行して配設されているスライドベルト65またはスライドベルト66を摺動自在とし、肩ベルト調整部60の位置が移動自在となっている。
したがって、各左肩ベルト部51と右肩ベルト部52を肩に掛けた状態で、連結差込具63と連結受具64が接続されると、左肩ベルト調整部61と右肩ベルト調整部62との長さによって、左肩ベルト部51または右肩ベルト部52が掛けた肩から外れることがない。
【0053】
一対の左右の肩ベルト部50は、その上端を腹側布部10の上部に固着され、下端は、背側布部30の下部及び腹側布部10の下部を一体化、または背側布部30の下部を分離自在とし、腹側布部10の下部と共に一体化した補助布部80に固着されている。
本発明を実施する場合には、一対の左右の肩ベルト部50はその上端を腹側布部10の上部に、その下端を腹側布部10の下部に縫製等によって固着するものであればよい。しかし、背側布部30の下部及び腹側布部10の下部を一体化、または背側布部30の下部を分離自在とし、腹側布部10の下部と共に一体化する補助布部80を設けると、その補助布部80を介して一対の左右の肩ベルト部50の他端に連結したとき、背側布部30及び腹側布部10または腹側布部10との接続強度が安定化される。また、一対の左右の肩ベルト部50を堅固に取付けることができ、また、左右の肩ベルト部50に加わる力の分散ができるから、乳幼児の体重をバランスよく受けることができる。
【0054】
なお、背側布部30の下部及び腹側布部10の下部を一体化、または背側布部30の下部を分離自在とし、腹側布部10の下部と共に一体化する補助布部80を腹側布部10の下部側に配設しているが、背側布部30の上部側にも同様に補助布部80を配設してもよい。特に、補助布部80は芯材等によって、強度を上げ、背側布部30の下部及び腹側布部10の下部等に加わる力の分散化が可能となる。
【0055】
このように、本
参考例1のベビーキャリアは、乳幼児Bの身体の腹側にあてがわれる腹側布部10と、腹側布部10の上部に一端が固着され、親M側の肩に回して他端を腹側布部10の下部に固着される一対の肩ベルト部50と、腹側布部10の上部または下部を一体に固着し、反対側の下部または上部の一方を分離自在とし、腹側布部10に対して重ね合わせ及び分離自在とし、乳幼児Bの身体の背側にあてがわれる腹側布部10よりも横幅の広い背側布部30と、背側布部30の下部及び腹側布部10の下部を一体化、または背側布部30の下部を分離自在とし、腹側布部10の下部と共に一体化した補助布部80と、背側布部30側の接着布75及び腰ベルト部20側の接着布76からなる保持部90とを具備するものである。
【0056】
抱っこによって乳幼児Bの顔が親Mと相向き会うとき、また、おんぶによって乳幼児Bと親Mとが同一方向を向くとき、
図9(a)の場合には、腹側布部10に帯状体11を介して配設されているバックルの連結受具12と、背側布部30に帯状体31を介して配設されているバックルの連結差込具32との一対の係合状態で、乳幼児Bの身体は腹側布部10とその腹側布部10に重ねられた背側布部30の状態にある。また、
図9(b)の
参考例の場合には、ファスナー71及びファスナー72で連結係合状態とし、この状態で、左右の肩ベルト部50の何れか一方を肩にかけ、乳幼児Bを親M側を正面として腹側布部10の脚案内口15に脚をおいて座らせ、位置決めしたところで、左右の肩ベルト部50の他方を肩にかけ、乳幼児Bを相向き会いに抱くことができる。
【0057】
また、抱っこによって乳幼児Bと親Mとが同一方向を向くとき、また、おんぶによって、乳幼児Bと親Mとが顔を合わさないようにしたとき、
図9(a)の
実施の形態2の場合には、腹側布部10に帯状体11を介して配設されているバックルの連結受具12と、背側布部30に帯状体31を介して配設されているバックルの連結差込具32との一対の係合状態を解き、背側布部30を上から順次折り畳みまたは巻き込み、それを格納部40の位置に背側布部30を収納する。または、
図9(b)の
参考例の場合には、背側布部30を上から順次折り畳み、または巻き込み、保持部90を構成する背側布部30側の接着布75及び腰ベルト部20側の接着布76により、それを固定する。このとき、左右の肩ベルト部50の何れか一方を肩にかけ、乳幼児Bが親M側を背面として腹側布部10の脚案内口15に脚をおいて座らせ、左右の肩ベルト部50の他方を肩にかけ、乳幼児Bの後頭部に親Mの顔がくるようにする。
【0058】
したがって、乳幼児Bが親Mの顔と対面するとき、乳幼児Bと親Mとが同一方向を向くとき、乳幼児Bが親Mの後頭部に向くおんぶのとき、乳幼児Bが親Mに背を向けるおんぶのときにも、本実施の形態のベビーキャリアの使用が可能となる。
参考例においても、実施の形態1及び
参考例1と同様の作用効果を奏することができ、かつ、乳幼児Bの身体の反親M側にあてがわれる腹側布部10の上部から下部に左右の肩ベルト部50相互間の距離を調整する肩ベルト調整部60を具備するものであるから、左右の肩ベルト部50のみで乳幼児Bを抱いたり、おんぶしたりすることができる。
【0059】
特に、本
実施の形態2のベビーキャリアは、腹側布部10側のファスナー71と、背側布部30側のファスナー72との一対の係合を解き、背側布部30の上部を開放し、上から順次折り畳みまたは巻き込み、それを保持部90で保持することによって、背側布部30の存在が邪魔にならず、デザイン的な見栄えを低下させない。また、背側布部30の解放端を下にしたとしても、保持部90を腹側布部10の上側に形成しても、同様の効果がある。
【0060】
なお、乳幼児Bの身体にあてがわれる腹側布部10の下部には、腹側布部10の上部に配設された左右の肩ベルト部50及びその相互間の距離を調整する肩ベルト調整部60を具備するものである。このように、ベビーキャリアの腹側布部10側に乳幼児Bが配置されて、そこで位置決めされることから、ベビーキャリアの使用が腹側布部10側の使用となり、乳幼児Bと一体感があるから抱っこやおんぶの際の取り扱いが熟練者でなくとも容易になる。
また、上記
実施の形態2のベビーキャリアは、本発明を実施する場合には、その左右両側の脚案内口15から乳幼児Bの脚を出し、図示しない乳幼児Bを固定ベルトを配設し、乳幼児Bの胴体を保持することによって、乳幼児Bが倒れ難くすることができ、安定した抱っこやおんぶができる。
【0061】
したがって、乳幼児Bは腹側布部10と背側布部30の二重で囲まれることになるから、寒いときの使用に好適となり、腹側布部10のみの使用では、暑いときの使用に好適である。また、ベビーキャリアの腹側布部10側に乳幼児Bが配置されて、そこで位置決めできるから、ベビーキャリアの使用が腹側布部10側の使用となり、乳幼児Bと一体感があるから抱っこやおんぶの際の取り扱いが熟練者でなくとも容易になる。
また、腹側布部10の内面に立体編物を配設したものでは、乳幼児Bの身体の全周が異常に保温されることがなくなる。
【0062】
加えて、背側布部30の下部及び腹側布部10の下部を一体化、または背側布部30の下部を分離自在とし、腹側布部10の下部と共に一体化した補助布部80は、その補助布部80を介して一対の左右の肩ベルト部50の他端に連結でき、背側布部30及び腹側布部10または腹側布部10との接続強度が安定化される。また、一対の左右の肩ベルト部50を堅固に取付けることができ、また、左右の肩ベルト部50に加わる力の分散ができるから、乳幼児の体重をバランスよく受けることができる。
【0063】
[
参考例2]
実施の形態1、実施の形態2、参考例1は、腹側布部10と背側布部30を別々に設けたものであるが、腹側布部10と背側布部30を一体にした背腹共通布部100とすることができる。それが
参考例2である。
図10乃至
図12を用いて
参考例2について説明する。
図10乃至
図12に示すように、
参考例2にかかるベビーキャリアにおいて、乳幼児Bを抱っこしたり、おんぶしたりしたとき、乳幼児Bの身体に対し親M側の対向側、即ち、乳幼児Bの腹側にあてがわれるベビーキャリアの腹側布部10は、乳幼児Bの身体の反親M側にあてがわれるものであり、図示しない公知の芯材の周囲に緩衝材及び弾性材を配設し、その表面をデザイン的に処理してなるものである。その表生地と裏生地との間または乳幼児B側または全体を特定の厚みの空気層を形成してなる立体編物とすることもできる。なお、
図12中の白抜き矢印は、乳幼児Bの向きを示す。
【0064】
背側布部30は、乳幼児Bの身体の背側にあてがわれるときに、乳幼児Bの臀部を広い範囲で受けるもので、腹側布部10との違いは、乳幼児Bの身体の腹側にあてがわれるときには、背側布部30の横幅よりも腹側布部10は幅狭に調節して、その調節状態を調節保持部120によって維持する。即ち、背側布部30と腹側布部10は、背腹共通布部100を構成している。また、調節保持部120は腹側布部10を背側布部30の横幅よりも幅狭に調節して、その調節状態を維持するものである。
【0065】
即ち、腹側布部10及び背側布部30である背腹共通布部100は、図示しない公知の芯材の周囲に緩衝材及び弾性材を配設し、その表面をデザイン的に処理してなるものである。背側布部30の基本的構造は腹側布部10と相違するものではないが、機械的には、腹側布部10の方が背側布部30よりも幅狭に形成されている。乳幼児Bの身体の腹側にあてがわれるとき、腹側布部10は背側布部30の横幅よりも幅狭に調節して、その調節状態を調節保持部120によって維持する。
【0066】
腹側布部10の下部に縫い付けられた腰ベルト部20は、他の実施の形態と同様、母親等の親Mの腰にベルト23を巻いて、その端部に配設されているバックルの連結差込具21及び連結受具22を連結係合させることによって、親の腰回りに固定され、人為的にバックルの連結差込具21と連結受具22との連結係合を解かない限り外れなくなっている。したがって、腰ベルト部20のベルト23は、可撓性があり、腹側布部10の下部で乳幼児Bの体重の多くを保持するので、強度的に耐えられるものであり、かつ、力(乳幼児Bの体重)の分散が行われる形態として形成されている。
【0067】
特に、所定の厚みを有する背腹共通布部100の上部に一対の帯状体31を介してバックルの連結差込具32が配設されていて、背腹共通布部100に一対の帯状体11を介して配設されている一対のバックルの連結受具12との連結係合により一体となっている。
ここで、上記乳幼児Bの身体にあてがわれる腹側布部10及び背側布部30は、乳幼児Bの後頭部から背中、臀部までを支持する適当な弾性及び可撓性を有する材料からなる乳幼児Bを保護する部材である。
【0068】
なお、
参考例2における背腹共通布部100の背側布部30には、
図10乃至
図12に示すように、腹側布部10に対して調整布101が付加された形態になっている。調整布101は腹側布部10の下部に縫製域(破線で示された範囲)101aで縫製されていて、上部はスナップボタン101bで腹側布部10の中間部の高さで止めている。また、その先端は、弾生体のリングを取付けた弾性端部101cとなっており、一対の帯状体31に通すことにより、端部が背腹共通布部100に取付け可能である。
【0069】
したがって、
図11(a)及び
図11(b)に示すように、一対の帯状体31から弾性端部101cを外し、スナップボタン101bを外し、その調整布101の両側を互いに内側に折り畳むことにより、スナップボタン101b相互間で折り畳み状態を維持することができる。この乳幼児Bの身体の腹側に背腹共通布部100があてがわれるとき、その一部を左右から調節して、そのスナップボタン101bと両調整布101からなり、両調整布101の動きを拘束し、背側布部30の横幅よりも幅狭の腹側布部10と調節状態を維持する調節保持部120を構成している。
【0070】
調整布101を腹側布部10の下部に縫製されていて、上部はスナップボタン101bで腹側布部10の中間部の高さで止められているが、その一対の帯状体31から弾性端部101cを外し、スナップボタン101bを外し、その調整布101の両側を互いに内側に折り畳むことにより、スナップボタン101b相互間で折り畳み状態を維持することができる。このとき、腹側布部10の水平方向の横幅は、脚案内口15の切り欠きのピーク位置で最小の距離L1となっており、ここが乳幼児Bの脚の付け根に近い位置となるように、自然の脚位置から脚案内口15が定められている。
【0071】
この調節保持部120は、調整布101がベビーキャリアの外観の一部となって人目に付く個所であるから、それが整然と保持されるように維持するものである。したがって、スナップボタン101b、弾性端部101cの形態を変化させることもできる。当然、接着布を使用することもできるが、洗濯または使用によって糸くずが付着するので、それを考慮して採用する必要がある。また、マグネットとすることもできるが、マグネットの場合には、端部から剥がしやすくするのが望ましい。
【0072】
参考例2のベビーキャリアは、乳幼児Bの身体の背側にあてがわれるときには背側布部30になり、また、乳幼児Bの身体の腹側にあてがわれるときには、背側布部30の横幅よりも幅狭に調節して、その調節状態を調節保持部120によって維持する腹側布部10になる背腹共通布部100と、背腹共通布部100の上部に一端が固着され、親M側の肩に回すだけの距離に他端を設定し、背腹共通布部100の側部に固着してなる一対の肩ベルト部50と、背腹共通布部100の下部と一体化し、少なくとも一体化した布部の下部と共に親側の腰回りに配設する腰ベルト部20とを具備するものである。
【0073】
背側布部30と腹側布部10の機能を有する背腹共通布部100は、乳幼児Bの身体の背側にあてがわれるときには背側布部30になり、また、乳幼児Bの身体の腹側にあてがわれるときには、背側布部30の横幅よりも幅狭に調節して、その調節状態を調節保持部120によって維持する腹側布部10になる。そして、一対の肩ベルト部50は、背腹共通布部100の上部に一端が固着され、親側の肩に回すだけの距離をもって他端を背腹共通布部100の側部に固着してなり、また、腰ベルト部20は、背腹共通布部100の下部と一体化し親側の腰回りに配設してなる。
したがって、上記実施の形態1及び
参考例1と同様に使用できる。
【0074】
例えば、乳幼児Bを抱いたり、おんぶしたりする際に、その親Mと乳幼児Bの向きの関係は、常に乳幼児Bの前側に背腹共通布部100の腹側布部10が、乳幼児Bの後側に背腹共通布部100の背側布部30が位置し、通常、水平方向に幅狭に形成されている腹側布部10から、ベビーキャリアから乳幼児Bの脚を容易に出すことができるので、乳幼児Bの体形に合った抱っこやおんぶの補助ができ、親が気付き難い乳幼児Bにかかる負担を軽減できる。また、特に、親M側の肩に回して固着される一対の肩ベルト部50及び親M側の腰回りに配設する腰ベルト部20によって、一対の肩ベルト部50と腰ベルト部20によって乳幼児Bの体重をかけることができ、乳幼児Bの体重を肩ベルト部50と腰ベルト部20に分散でき、親Mの肩に加わる負担を軽減できる。
また、乳幼児Bは親M側に向かって抱かれるとき、乳幼児Bの臀部の背後全体を背側布部30で覆うことができ、外気温によって乳幼児Bの抱き方を変更することによって、暖かい抱き方、涼しい抱き方の選択ができる。
【0075】
参考例2においては、調整布101を腹側布部10の下部に縫製されていて、その調整布101の両側を互いに内側に折り畳むことにより、スナップボタン101b相互間で折り畳み状態を維持し、乳幼児Bの身体の腹側にあてがわれるときには、背側布部30の横幅よりも幅狭に調節して、その調節状態を調節保持部120によって維持する腹側布部10とするものである。しかし、本実施の形態の調整布101の両側を互いに内側に折り畳む機能を調整布101の幅方向を紐によって締め付けを行い、その間隔を狭めることもできる。即ち、調整布101の水平方向に1本または2本の紐を通しておき、両側からその紐の長さを短く結ぶことにより、腹側布部10を背側布部30の横幅よりも幅狭に調節して、その調節状態を紐の結びまたは紐の長さを調節する手段からなる調節保持部120によって調節することができる。
【0076】
[
実施の形態3]
図13乃至
図15は
実施の形態3で、特に、
参考例2との相違点は、背腹共通布部100の背側布部30には、
図10乃至
図12に示すように、腹側布部10に対して調整布101が付加された形態になっている。調整布101は腹側布部10の下部にファスナー101Aが配設されていて、腹側布部10と調整布101との接続はファスナー101Aによって行っている。調整布101の下端は、腰ベルト部20に一体に縫製されており、調整布101は下端に折れ曲がるようになっている。調整布101の上部は、紐リング101Dによってボタン101Bに引っ掛けられており、腹側布部10と調整布101によって背側布部30を形成している。
【0077】
背腹共通布部100の背側布部30は、紐リング101Dをボタン101Bから外し、ファスナー101Aによって一対の調整布101を切り離し、下方に折り畳むか、巻き込みながら腰ベルト部20の格納部40にそれを格納する。故に、一対の調整布101を背腹共通布部100の背側布部30から外し、それを格納部40に格納すれば、見栄えの良い整理が可能になる。また、調整布101の両側を折り畳むことにより、腹側布部10の水平方向の横幅は、脚案内口15の切り欠きのピーク位置で最小の距離L1となっており、ここが乳幼児Bの脚の付け根に近い位置となるように、自然の脚位置から脚案内口15が定められている。また、この調節保持部120は、調整布101がベビーキャリアの外観の一部となって人目に付く個所であるから、それが整然と保持されるように格納部40に格納維持するものである。
【0078】
参考例2及び実施の形態2のベビーキャリアは、
実施の形態1及び参考例1の腰ベルト部20を使用するタイプのものであるが、
腹側布部10及び背側布部30を背腹共通布部100としてまとめることにより、
実施の形態2に示しているように腰ベルト部20を省略した構成とすることもできる。
【0079】
即ち、
実施の形態3のベビーキャリアは、乳幼児Bの身体の背側にあてがわれるとき背側布部30になり、乳幼児Bの身体の腹側にあてがわれるとき、その一部を左右から調節して、その調節保持部120によって調節状態を維持し、背側布部30の横幅よりも幅狭にする腹側布部10になる背腹共通布部100と、背腹共通布部100の上部に一端が固着され、親側の肩に回すだけの距離を離して他端を背腹共通布部100の下部側に固着してなる一対の肩ベルト部50と、背腹共通布部100の下部と一体化し、肩ベルト部50の他端に連結される補助布部80を具備するものである。
【0080】
したがって、背腹共通布部100は、乳幼児Bの身体の背側にあてがわれるときには背側布部30になり、また、乳幼児Bの身体の腹側にあてがわれるときには、背側布部30の横幅よりも幅狭に調節して、その調節状態を調節保持部120によって維持する腹側布部10になる。即ち、背腹共通布部100は、背側布部30と腹側布部10の機能を有する。そして、一対の肩ベルト部50は、背腹共通布部100の上部に一端が固着され、親M側の肩に回すだけの距離を経て他端を背腹共通布部100の下部側に固着してなり、また、補助布部80は、背腹共通布部100の下部と一体化し、肩ベルト部50の他端に連結されるものである。
【0081】
故に、乳幼児Bを抱いたり、おんぶしたりする際に、その親と乳幼児Bの向きの関係は、常に乳幼児Bの前側に背腹共通布部100の腹側布部10が、乳幼児Bの後側に背腹共通布部100の背側布部30が位置し、水平方向に幅狭に形成されている腹側布部10から乳幼児Bの脚がベビーキャリアから容易に出すことができるので、乳幼児Bの体形に合った抱っこやおんぶの補助ができ、親が気付き難い乳幼児Bにかかる負担を軽減できる。
また、背腹共通布部100と共に一体化された補助布部80を設けているから、その補助布部80を介して肩ベルト部50の他端に連結することができる。このように、補助布部80を介して肩ベルト部50の他端に連結したとき、背腹共通布部100の接続強度が安定化される。また、一対の肩ベルト部50を堅固に取付けることができ、また、肩ベルト部50に加わる力の分散ができるから、乳幼児Bの体重をバランスよく受けることができる。
【0082】
このように、背腹共通布部100を幅狭に調節するとき、その調節した調節布101を収容する格納部40を腰ベルト部20または補助布部80に設けたものであるから、使用しない背腹共通布部100の背側布部30は格納部40を設けることにより、デザイン性及び乳幼児Bの安全性を高めることができる。
なお、脚案内口15を塞ぐ一対の調整布101は、ボタン101B、紐リング101D、ファスナー101A、スナップボタン101b、弾性端部101cの何れを選択して使用してもよい。なお、
実施の形態3のファスナー101Aは、片側1本で湾曲する形態とすることができる。
【0083】
これに対して、背側布部30は脚案内口15を形成していない略四角形の生地となっている。内側に腹側布部10が配設されているから、乳幼児Bとの間に空隙が形成されないように弾性を持たせた仕上げとなっている。この背側布部30の水平方向の横幅は、乳幼児Bの背後の臀部の周囲長から決定されている。したがって、その横幅の距離L2は、腹側布部10の距離L1よりも大きくなる。
【0084】
ここで、背側布部30が腹側布部10よりも生地の面積が広いことから、背側布部30を使用しないときの取り扱いが問題になる。そこで、本実施の形態では、背側布部30を使用しないときに、それを格納する格納部40を腹側布部10の下部の腰ベルト部20に設けている。即ち、背側布部30の上部側から折り畳んで、それを上部から挿入自在のポケット状の格納部40に収納している。
したがって、格納部40の厚みが若干厚くなるが、本実施の形態1にかかるベビーキャリアとしては、背側布部30のないものとなり、スッキリしたデザインとなる。
【0085】
[実施の形態のまとめ]
上記実施の形態1のベビーキャリアは、乳幼児Bの身体の腹側にあてがわれる腹側布部10と、腹側布部10の上部に一端が固着され、親M側の肩に回して他端を腹側布部10の側部に固着される一対の肩ベルト部50と、腹側布部10の上部または下部を一体に固着し、反対側の下部または上部の一方を分離自在とし、腹側布部10に対して重ね合わせ及び分離自在とし、乳幼児Bの身体の背側にあてがわれる腹側布部10の距離L1よりも横幅の広い距離L2の背側布部30と、背側布部30の下部及び腹側布部10の下部を一体化、または背側布部30の下部を分離自在とし、腹側布部10の下部と共に一体化した親M側の腰回りに配設する腰ベルト部20を具備するものである。
【0086】
したがって、乳幼児Bは親Mと相向き合いにまたは親Mと同一方向に、抱っこや、おんぶするとき、背側布部30の操作だけで、乳幼児Bの股間を強制的に広げるように外力が加わることなく本実施の形態1のベビーキャリアが使用でき、乳幼児Bの股間に加わる外力を少なくすることができ、乳幼児Bの負担を軽減できる。
また、本実施の形態1のベビーキャリアは、腹側布部10側のバックルの連結受具12と、背側布部30側のバックルの連結差込具32との一対の係合を解き、背側布部30の上部を開放し、上から順次折り畳みまたは巻き込み、それを格納部40に格納することによって、背側布部30の存在が第三者に分からなくすることができ、デザイン的な見栄えを低下させない。また、背側布部30の解放端を下にしたとしても、格納部40を腹側布部10の上側に形成すれば、同様の効果がある。
【0087】
なお、乳幼児Bの身体にあてがわれる腹側布部10の下部には、親Mの腰に止める腰ベルト部20並びに腹側布部10の上部に配設された左右の肩ベルト部50相互間の距離を調整する肩ベルト調整部60を具備するものであるから、親Mの腰に止める腰ベルト部20を止めてから、左右の肩ベルト部50を止めてもよいし、逆に、左右の肩ベルト部50を止めてから、親Mの腰に止める腰ベルト部20を止めてもよいので、使い勝手がよい。また、肩の凝る人には、肩の負担を軽減できる。このように、ベビーキャリアの腹側布部10側に乳幼児Bが配置されて、そこで位置決めされることから、ベビーキャリアの使用が腹側布部10側の使用となり、乳幼児Bと一体感があるから抱っこやおんぶの際の取り扱いが熟練者でなくとも容易になる。
そして、ベビーキャリアの腹側布部10、腹側布部10及び背側布部30側に乳幼児Bが配置されて、そこで位置決めされることから、ベビーキャリアの使用が腹側布部10、腹側布部10及び背側布部30側の使用となり、乳幼児Bと一体感があるから抱っこやおんぶの際の取り扱いが熟練者でなくとも容易になる。
【0088】
上記実施の形態1のベビーキャリアは、背側布部30との一体化及び分離自在は、背側布部30の上部または下部に取付けたバックルとしたものである。このバックルは、雌雄のバックルの両者に対して帯状部材を介して接続するのが望ましい。しかし、雌雄のバックルの一方のみ帯状部材を介して接続してもよいし、直接、腹側布部10または背側布部30に配設してもよい。このように、背側布部30の一体化及び分離自在は、背側布部30の上部または下部に取付けたバックルとしたものであるから、背側布部30の機械的強度を上げることができ、かつ、複数ヶ所の接続で十分な強度が得られ、作業性がよい。
【0089】
上記
参考例1、参考例2のベビーキャリアは、背側布部30の一体化及び分離自在は、背側布部30の上部または下部に取付けたファスナーとしたものである。このファスナーは、背側布部30の一体化及び分離自在として、背側布部30の上部または下部に取付けたものであればよい。このように、背側布部30の一体化及び分離自在は、背側布部30の上部または下部に取付けたファスナーとしたものであるから、全体の構成がまとまりよく処理できる。
【0090】
上記実施の
形態のベビーキャリアは、背側布部30と腹側布部10は、腹側布部10を乳幼児B側の内側に背側布部30を外側に配設したものである。ここで、腹側布部10を乳幼児B側の内側に、背側布部30を外側に配設したとは、乳幼児B側に近い方に腹側布部10、遠い方に背側布部30を配設することを意味する。この外側に配置されている背側布部30は、外側だけで折り畳み等の処理ができるので、乳幼児Bに使用する空間に違和感が生じない。
【0091】
上記
実施の形態のベビーキャリアは、背側布部30と腹側布部10は、腹側布部10を乳幼児B側の内側に背側布部30を外側に配設したものである。しかし、本発明を実施する場合には、背側布部30を乳幼児B側の内側に腹側布部10を外側に配設することもできる。ここで、背側布部30と腹側布部10は、背側布部30と腹側布部10は、背側布部30を乳幼児B側の内側に腹側布部10を外側に配設したものであるから、背側布部30を肩の位置より若干上に持ってくると、乳幼児Bの体の位置を安定させることができる。
【0092】
上記実施の形態1のベビーキャリアは、更に、背側布部30を使用しないときに、それを格納する格納部40を腹側布部10に設けたものである。本発明を実施する場合には、背側布部30を使用しないときに、腹側布部10を格納する格納部40は、折り畳みまたは巻き付けて保持するもの、ポケットに収納するもののいずれでもよい。特に、背側布部30を使用しないときに、それを格納する格納部40を腹側布部10に設けたものであるから、コンパクトに背側布部30を収納できる。
【0093】
実施の形態の背側布部30の下部及び腹側布部10の下部を一体化、または背側布部30の下部を分離自在とし、腹側布部10の下部と共に一体化した補助布部80と、背側布部30側の接着布75及び腰ベルト部20側の接着布76からなる保持部90は、本発明を実施する場合には、任意に選択して補助布部80、保持部90を使用できる。
また、背側布部30の下部及び腹側布部10の下部を一体化、または背側布部30の下部を分離自在とし、腹側布部10の下部と共に一体化した親M側の腰回りに配設する腰ベルト部20についても、腰ベルト部20を省略する形態とすることもできる。例えば、格納部40、保持部90は腰ベルト部20に配設することも、補助布部80に配設することもできる。
【0094】
本実施の形態2及び実施の形態3のベビーキャリアは、乳幼児Bの身体の背側にあてがわれるときには背側布部30になり、また、乳幼児Bの身体の腹側にあてがわれるときには、背側布部30の横幅よりも幅狭に調節して、その調節状態を調節保持部120によって維持する腹側布部10になる背腹共通布部100と、背腹共通布部100の上部に一端が固着され、親M側の肩に回すだけの距離に他端を設定し、背腹共通布部100の側部に固着してなる一対の肩ベルト部50と、背腹共通布部100の下部と一体化し、少なくとも一体化した布部の下部と共に親側の腰回りに配設する腰ベルト部20とを具備するものである。
【0095】
したがって、乳幼児Bを抱いたり、おんぶしたりする際に、その親Mと乳幼児Bの向きの関係は、常に乳幼児Bの前側に背腹共通布部100の腹側布部10が、乳幼児Bの後側に背腹共通布部100の背側布部30が位置し、通常、水平方向に幅狭に形成されている腹側布部10から、ベビーキャリアから乳幼児Bの脚を容易に出すことができるので、乳幼児Bの体形に合った抱っこやおんぶの補助ができ、親が気付き難い乳幼児Bにかかる負担を軽減できる。また、特に、親M側の肩に回して固着される一対の肩ベルト部50及び親M側の腰回りに配設する腰ベルト部20によって、一対の肩ベルト部50と腰ベルト部20によって乳幼児Bの体重をかけることができ、乳幼児Bの体重を肩ベルト部50と腰ベルト部20に分散でき、親Mの肩に加わる負担を軽減できる。
【0096】
本
実施の形態3のベビーキャリアは、乳幼児Bの身体の背側にあてがわれるとき背側布部30になり、乳幼児Bの身体の腹側にあてがわれるとき、その一部を左右から調節して、その調節保持部120によって調節状態を維持し、背側布部30の横幅よりも幅狭にする腹側布部10になる背腹共通布部100と、背腹共通布部100の上部に一端が固着され、親側の肩に回すだけの距離を離して他端を背腹共通布部100の下部側に固着してなる一対の肩ベルト部50と、背腹共通布部100の下部と一体化し、肩ベルト部50の他端に連結される補助布部80を具備するものである。
【0097】
したがって、乳幼児Bを抱いたり、おんぶしたりする際に、その親と乳幼児Bの向きの関係は、常に乳幼児Bの前側に背腹共通布部100の腹側布部10が、乳幼児Bの後側に背腹共通布部100の背側布部30が位置し、水平方向に幅狭に形成されている腹側布部10から乳幼児Bの脚がベビーキャリアから容易に出すことができるので、乳幼児Bの体形に合った抱っこやおんぶの補助ができ、親が気付き難い乳幼児Bにかかる負担を軽減できる。また、背腹共通布部100と共に一体化された補助布部80を設けているから、その補助布部80を介して肩ベルト部50の他端に連結することができる。このように、補助布部80を介して肩ベルト部50の他端に連結したとき、背腹共通布部100の接続強度が安定化される。また、一対の肩ベルト部50を堅固に取付けることができ、また、肩ベルト部50に加わる力の分散ができるから、乳幼児Bの体重をバランスよく受けることができる。