特許第5753934号(P5753934)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5753934
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】空気枕及び空気枕付き外套
(51)【国際特許分類】
   A47G 9/10 20060101AFI20150702BHJP
   A41D 3/00 20060101ALI20150702BHJP
   A41D 13/00 20060101ALI20150702BHJP
【FI】
   A47G9/10 N
   A41D3/00 Q
   A41D13/00 107
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-177835(P2014-177835)
(22)【出願日】2014年9月2日
【審査請求日】2014年9月4日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514222662
【氏名又は名称】馬場 直弘
(74)【代理人】
【識別番号】100130476
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 昭穂
(72)【発明者】
【氏名】馬場 直弘
【審査官】 青木 良憲
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−238154(JP,A)
【文献】 実開平05−035816(JP,U)
【文献】 実開平02−033208(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3091638(JP,U)
【文献】 特開平10−211074(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3155864(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 9/10
A41D 3/00
A41D 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外套の袖部又は裾部を形成し、外套本体に対して連結具により取外し自在に結合され、内部に空気を挿入する空気挿入口を備え、外套から取外された状態で空気を挿入して使用することを特徴とする空気枕
【請求項2】
請求項1に記載の空気枕であって、前記外套の袖部又は裾部は、外套本体から取り外された状態で袖部又は裾部の両端部同士が円環形成具により結合されて円環を形成することを特徴とする空気枕。
【請求項3】
請求項2に記載の空気枕であって、前記外套の袖部の袖口には、袖口を絞るための絞り固定具が設けられることを特徴とする空気枕。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の空気枕であって、前記取外された外套の一部分は、両袖部のそれぞれ一部分であり、取外した両袖のそれぞれの一部分は、円環形成具により、一方の袖部の片方の端部が他方の袖部の片方の端部にそれぞれ結合されて円環を形成することを特徴とする空気枕。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の空気枕を備えることを特徴とする空気枕付き外套
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気枕及び空気枕付き外套に係り、特に、エアークッションにより頭部などを保持する空気枕、及び外套本体に空気枕が備えられた空気枕付き外套に関する。なお、「外套」とは防寒などのために着る外衣をいい、「オーバーコート」、「オーバー」或いは「コート」ともいう。また、本発明では「外套」には、例えば、ダウンジャケット、ジャンパー、トレンチコートなどが含まれる。
【背景技術】
【0002】
例えば国内外への旅行や出張の際に利用する航空機や遠距離列車などの乗物において、乗客が睡眠又は仮眠をする際に使用され、頭部または腰部等を固定するエアークッションが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、空気により膨らむエアークッションが開示されている。ここでは、その左右両耳部の内側に、左右一対で「ハ」の字状の切込み開口部が設けられる。これにより、枕の内部に空気を充填すると、その「ハ」の字状の切込み開口部と充填された空気圧との関係から、枕の左右両耳部が切込み開口部の位置より折れ曲がって立ち上がる。そして、この立ち上がった左右両耳部によってエアークッションの利用者の頭部が固定されることが記載されている。
【0004】
また、例えば、航空機や遠距離列車などの乗物において、機内や車内のエアコンディショニングの利き過ぎにより襟元や手足が冷えて就寝できない場合がある。この際に、襟元や手足を温めることにより心地よい睡眠ができるマフラーが提案されている。
【0005】
例えば、特許文献2には、軽量且つ保温性に優れた繊維地を幅10〜12cm程度であり、長さ60〜90cm程度の帯状に縫製したマフラー本体と、このマフラー本体の一端側において他端側を保持してこのマフラー本体を襟元に密着させるための保持手段を設けることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−128826号公報
【特許文献2】特開2005−323966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
例えば、国内外への旅行や出張の際に航空機や遠距離列車などを利用し、座席で睡眠又は仮眠をとる場合に、枕があれば頭が適切に保持されてより快眠が得られる場合がある。しかし、旅行や出張の際にわざわざ枕を持参すると旅行鞄が嵩張ってしまうという問題がある。また航空機の場合には枕を乗車の際に手荷持として持ち込まなければならないという問題がある。
【0008】
また、例えば、国内外への旅行や出張の際に航空機や遠距離列車などを利用する際に、機内や車内のエアコンディショニングの利き過ぎにより襟元や手足が冷えて就寝できない場合がある。しかし、旅行や出張の際にわざわざマフラーや毛布を持参するには旅行鞄が嵩張ってしまうという問題がある。また航空機の場合にはマフラーや毛布を乗車の際に手荷持として持ち込まなければならないという問題がある。
【0009】
一方、冬季の旅行や出張には、防寒着として、例えばダウンジャケットなどの外套の持参が必須となる場合がある。これは、ダウンジャケットなどの外套は防寒性が高くて冬季の気象変化に対して柔軟に対応可能であり、且つ重量が軽くて持ち運びに便利なためである。しかし、ダウンジャケットなどの外套は、エアークッションにより防寒性と軽量性を確保しているもののエアークッションという機能により収納の際の容量が大きくなり、旅行鞄が嵩張るという問題がある。
【0010】
本願の目的は、係る課題を解決し、旅行や出張などの移動の際に持ち運び易く、エアークッションにより頭部などを容易に保持できる空気枕、及び当該空気枕を備えた外套を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る空気枕は、外套の袖部又は裾部を形成し、外套本体に対して連結具により取外し自在に結合され、内部に空気を挿入する空気挿入口を備え、外套から取外された状態で空気を挿入して使用することを特徴とする。
【0018】
上記構成により、空気枕は、外套の一部として袖部又は裾部を活用し、それらを連結具により外套から取外して両端部を結合させ、携帯用の空気枕として使い勝手の良い円環状の空気枕とすることができる。例えば、外套の袖部又は裾部を空気枕に使用することで、頭部以外の腰部や膝部などに巻き付けることができる。また、襟部、袖部又は裾部を連結させてより長い空気枕とすることもできる。
【0019】
また、外套の襟部だけではなく外套の一部分を形成する袖部又は裾部のいずれかを活用することで、各部位の特徴を生かし、本発明に係る空気枕に対して幅、長さ、厚みなどのバリエーションを設けることができる。
【0020】
また、空気枕は、外套の袖部又は裾部が外套本体から取外された状態で袖部又は裾部の両端部同士が円環形成具により結合されて円環を形成することが好ましい。これにより、袖部又は裾部を円環状にして首周りに巻き付け、襟元から体内の熱が逃げるのを防止し、体を温めて就寝することができる。また、頭部以外の腰部や膝部などに巻き付け、クッション材や保温材として使用することもできる。
【0021】
また、空気枕は、外套の袖部の袖口には、袖口を絞るための絞り固定具が設けられることが好ましい。これにより、袖部の袖口の大きさを袖部の肩口に合わせて製作しておき、袖部の両端部同士が円環形成具により適切に結合されて円環を形成する。そして、袖部を外套の一部として使用する際には、絞り固定具により袖口を絞って使用することができる。
【0022】
また、空気枕は、取外された外套の一部分は、両袖部のそれぞれ一部分であり、取外した両袖のそれぞれの一部分は、円環形成具により、一方の袖部の片方の端部が他方の袖部の片方の端部にそれぞれ結合されて円環を形成することが好ましい。これにより、外套の両袖部をそれぞれ連結具により取外し、両袖の両端部を相互に結合させ、片袖よりも幅広の枕として使用可能なように円環状とすることができ、空気枕の一つのバリエーションとすることができる。
【0023】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る空気枕付き外套は、上記空気枕を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
以上のように、本発明に係る空気枕によれば、旅行や出張などの移動の際に持ち運び易く、エアークッションにより頭部などを容易に保持できる空気枕、及び当該空気枕を備えた外套を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明に係る空気枕の第1の実施形態である「外套の襟部に作成された空気枕」であり、内部にエアーパックが挿入された実施例及び挿入されていない実施例を示す説明図である。
図2図1に示す第1の実施形態の内部にエアーパックが挿入されていない実施例の場合において、空気を挿入する前と挿入した後の状態を示す説明図である。
図3図1に示す第1の実施形態の内部にエアーパックが挿入された実施例の場合において、空気を挿入した後の空気枕の状態を示す説明図である。
図4】本発明に係る空気枕の第2の実施形態である「外套の袖部から作成した空気枕」の作成方法を示す説明図である。
図5図4に示す第2の実施形態により作成された空気枕の説明図である。
図6】本発明に係る空気枕の第3の実施形態である「外套の両襟部から作成した空気枕」の作成方法を示す説明図である。
図7図6に示す第3の実施形態により作成された空気枕の説明図である。
図8】本発明に係る空気枕の第4の実施形態である「外套の裾部から作成した空気枕」の作成方法を示す説明図である。
図9図8に示す第4の実施形態により作成された空気枕の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
(空気枕及び空気枕付き外套の第1実施形態)
以下に、図面を用いて本発明に係る空気枕1aの実施形態につき、詳細に説明する。図1に、本発明に係る空気枕1a、及び空気枕付き外套2の第1実施形態を示す。図1では、空気枕付き外套2は、空気枕1a及び外套2から構成される。そして、図1(a)には、襟部4の内部に複数個のエアーパック14(破線で示す)が挿入された実施例を示す。また、図1(b)には、襟部4の内部にエアーパック14が挿入されていない実施例を示す。なお、図1(b)の下部は図1(a)の下部と同様であるため記載を省略する。
【0034】
本実施形態では「外套」の一つの実施例としてダウンジャケット2の場合について説明する。従って、ダウンジャケット本体3には、破線で示されたエアーパック14が格子状に詰め込まれている。このダウンジャケット2は、例えばナイロン素地などの生地を加工し、羽毛(ダウンフェザー)を詰めたエアーパックを生地の内部に挿入した防寒着である。なお、本実施形態での「外套」は、このダウンジャケット2に限らず、例えば、オーバーコート、オーバー、コート、ジャンパー、トレンチコートなどであっても良い。
【0035】
図1に示すダウンジャケット2は、ダウンジャケット本体3に対して襟部4、両袖部5、裾部6が取り付けられる。このうち襟部4は、ダウンジャケット本体3に連結具7aにて接続している。すなわち、空気枕1aは、ダウンジャケット2の一部分を形成し、ダウンジャケット本体3に対して連結具7aにより取外し自在に結合されている。そして、空気枕1aは、ダウンジャケット2に接続したまま使用されても良く、ダウンジャケット2から取外されて使用されても良い。また、空気挿入口8は、使用者が外套2を着たままでも空気を挿入して膨張させ易い位置に取り付けられる。なお、図1(a)では、連結具7a及び円環形成具9aは、ボタンである場合を記載し、図1(b)では、連結具7a及び円環形成具9aは、ファスナー16である場合を記載しているが、これらに限らず、例えばジッパー、フック、マグネット、マジックテープ(登録商標)、接着テープなどの他の留め具であっても良い。
【0036】
図2には、図1に示す第1実施形態の襟部4の内部にエアーパック14が挿入されていない実施例の場合において、空気を挿入する前と挿入した後の状態を示す。図2(a)は、空気を挿入する前の状態を示す側面図であり、図2(c)は、図2(a)を上側から見た平面図である。また、図2(b)は、空気を挿入した後の状態を示す側面図であり、図2(d)は、図2(b)を上側から見た平面図である。このように、この実施例では、襟部4は内部にエアーパック14が挿入されていないため、空気挿入口8からの空気の挿入により全体的に膨張して空気枕1aとなる。
【0037】
図3には、図1に示す第1の実施形態の襟部4の内部にエアーパック14が挿入された実施例の場合において、空気を挿入した後の空気枕1aの状況を示す。図3(a)は、空気枕1aの平面図であり、図3(b)は、円環形成具9aをA−A方向からみた側面図である。ダウンジャケット2の襟部4には、閉鎖された生地の内部に空気を挿入する空気挿入口8が設けられる。そして、ダウンジャケット2の襟部4には空気が挿入されて内部が膨張する。しかし、襟部4の内部にエアーパック14が挿入されているため、図2とは異なる形状で膨張する。図3に示す実施形態では、ダウンジャケット2の襟部4は、その襟部4の両端部同士が円環形成具9aにより結合されて円環を形成する。このように、例えば航空機や車両などの乗物において乗客が睡眠又は仮眠をする際に、円環が形成された空気枕1aにより頭部が保持される。
【0038】
図3(b)に示すように、本実施形態の円環形成具9aは、一方の襟部4aの端部において縫付け部13により結合された伸縮性布10が、フック部11及びループ部12から構成されるマジックテープ(登録商標)により他方の襟部4bの端部に接続される。この伸縮性布10は、伸縮自在であるため、空気枕1aを首周りに巻いた際にその使用者の首周りのサイズや首の締め付け具合の好みに合わせて調節できる。この機能により、外套3の襟部4として使用する際、或いは外套3から取外して空気枕1単体で使用する際にも、その使用者の首周りのサイズや首の締め付け具合の好みに合わせて調節することができる。このように、伸縮性布10をボタン、ファスナー、ジッパー、フック、マグネット、マジックテープ(登録商標)、接着テープなどの留め具と組み合わせることで頭部などを容易に保持できる空気枕1aとすることができる。
【0039】
このように、本発明に係る空気枕1aは、外套3の襟部4を取外して単体の空気枕1aとして好みの位置に設置して防寒しつつ安眠を誘う使用方法が可能となる。一方、外套3の襟部4にエアークッション機能を持たせて首周りに巻き付けて首を保持し、防寒しつつ安眠を誘う使用方法が可能となる。すなわち、使用者の趣向、或いはその場の状況に合わせて使用方法を選択することができる。
【0040】
(空気枕及び空気枕付き外套の第2実施形態)
図4に、本発明に係る空気枕1b、及び空気枕付き外套2の第2実施形態を示す。また、図5に、図4に示す空気枕付き外套2から取外された空気枕1bの実施形態を示す。図5(a)は、空気枕1bの平面図であり、図5(b)は、円環形成具9bをB−B方向からみた側面図である。
【0041】
図4に示すダウンジャケット2の袖部5は、ダウンジャケット本体3に連結具7bにより結合する。すなわち、空気枕1bは、ダウンジャケット2の一部分を形成し、ダウンジャケット本体3に対して連結具7bにより取外し自在に結合されている。そして、空気枕1bは、ダウンジャケット2から取外されて使用される。なお、ダウンジャケット本体3から取外される袖部5は、図4のように肩口5dだけではなく袖部5の任意の位置から取外されるように構成しても良い。その場合には、ダウンジャケット本体3は半袖となる。
【0042】
図5に示すように、取外されたダウンジャケット2の袖部5は、その袖部5の両端部同士が円環形成具9bにより結合されて円環を形成する。ここで、円環形成具9bは、例えば、ボタン、ファスナー、ジッパー、フック、マグネット、マジックテープ(登録商標)、接着テープなどの留め具である。
【0043】
取外されたダウンジャケット2の袖部5には、閉鎖された生地の内部に空気を挿入する空気挿入口8が設けられる。そして、取外されたダウンジャケット2の襟部4は空気が挿入されて内部が膨張し、エアークッションとして頭部などが保持すされる。このように、例えば航空機や車両などの乗物において乗客が睡眠又は仮眠をする際に、円環が形成された空気枕1bにより頭部が保持される。また、空気枕1bを頭部以外の腰部や膝部などに巻き付け、クッション材や保温材として使用することもできる。
【0044】
図4に示すように、第2実施形態の外套2の袖部5の袖口5cには、袖口5cを絞るための絞り固定具17が設けられる。これは、本実施形態における袖部5の肩口5dは、外套本体3に対して斜めに結合するため袖口5cと比較すると大きな開口部が必要となる。従って、袖部5の袖口5cの大きさを袖部5の肩口5dの大きさに合わせて製作し、袖部5の両端部同士を円環形成具9bにより適切に結合されて円環を形成させる。そして、袖部5を外套2の一部として使用する際には、絞り固定具17により袖口5cを絞って使用させる。この絞り固定具17により、袖部5を外套2に取り付けて使用することも、或いは袖部5を外套2から取外して空気枕1bとして使用することも可能となる。本実施形態における円環形成具9bは、伸縮性布10と、フック部11及びループ部12から構成されるマジックテープ(登録商標)とから構成されるが、マジックテープ(登録商標)は、例えば、ボタン、ファスナー、ジッパー、フック、マグネット、接着テープなどの他の留め具であっても良い。
【0045】
(空気枕及び空気枕付き外套の第3実施形態)
図6に、本発明に係る空気枕1c、及び空気枕付き外套2の第3実施形態を示す。また、図7に、図6に示す空気枕付き外套2から両袖部5a,5bが取外された空気枕1cの実施形態を示す。図7(a)は、空気枕1cの平面図であり、図7(b)は、円環形成具9cをC−C方向からみた側面図である。両袖部5a,5bが取外された外套2は、半袖の外套2となる。
【0046】
図6に示すダウンジャケット2の両袖部5は、それぞれダウンジャケット本体3の連結具7cに接合する。すなわち、空気枕1cは、ダウンジャケット2の一部分を形成し、ダウンジャケット本体3に対して連結具7cにより取外し自在に結合されている。このように、ダウンジャケット2の両袖部5a,5bを用いて空気枕1cを製作できるので、他の実施形態に比べてより長い材料から円環を形成することができる。
【0047】
図7に示すように、取外されたダウンジャケット2の一部分は、両袖部5a,5bのそれぞれ一部分である。そして、取外した両袖部5a,5bのそれぞれの一部分は、円環形成具9cにより、一方の袖部5aの片方の端部が他方の袖部5bの片方の端部にそれぞれ結合されて円環を形成する。ここで、連結具7c及び円環形成具9cは、例えば、ボタン、ファスナー、ジッパー、フック、マグネット、マジックテープ(登録商標)、接着テープなどの留め具が用いられる。
【0048】
(空気枕及び空気枕付き外套の第4実施形態)
図8に、本発明に係る空気枕1d、及び空気枕付き外套2の第4実施形態を示す。また、図9に、図8に示す空気枕付き外套2から取外された空気枕1dの実施形態を示す。図9(a)は、空気枕1dの平面図であり、図9(b)は、円環形成具9cをD−D方向からみた側面図である。
【0049】
図8に示すように、取外されたダウンジャケット2の裾部6は、その裾部6の両端部同士が円環形成具9dにより結合されて円環を形成する。このように、ダウンジャケット2の裾部6を用いて空気枕1dが形成でき、頭部以外の腰部や膝部などに巻き付け、クッション材や保温材として使用することもできる。ここで、連結具7d、及び円環形成具9dには、ボタン以外に例えば、ファスナー、ジッパー、フック、マグネット、マジックテープ(登録商標)、接着テープなどの留め具が用いられても良い。
【符号の説明】
【0050】
1a 空気枕(第1実施形態),1b 空気枕(第2実施形態),1c 空気枕(第3実施形態),1d 空気枕(第4実施形態)、2 空気枕付き外套(ダウンジャケット)、3 外套(ダウンジャケット)本体、4 襟部,4a 一方の襟部,4b 他方の襟部、5 袖部,5a 一方の袖部,5b 他方の袖部、5c 袖部の袖口,5d 袖部の肩口、6 裾部、7a 連結具,7b 連結具,7c 連結具,7d 連結具、8 空気挿入口、9a 円環形成具,9b 円環形成具,9c 円環形成具,9d 円環形成具、10 伸縮性布、11 フック部、12 ループ部、13 縫付け部、14 エアーパック、16 ファスナー、17 絞り固定具。
【要約】
【課題】旅行や出張などの移動の際に持ち運び易く、エアークッションにより頭部などを容易に保持できる空気枕、及び当該空気枕を備えた外套を提供する。
【解決手段】本空気枕1aは、ダウンジャケットなどの外套2の一部である襟部4に形成され、外套本体3とは連結具7aにより取外し自在に結合され、襟部4は、襟端部同士が円環形成具9aにより結合されて円環を形成し、襟部4に設けられた空気挿入口8から空気が挿入されてエアークッションとなる。そして、本空気枕1aは外套本体3に取り付けられた状態で空気を挿入して使用するか、又は外套2から取外された状態で空気を挿入して使用するかが選択自在である。また、外套2は、襟部4において連結具7aにより取外し自在に結合された空気枕1aを備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9