【実施例】
【0013】
−実施例1−
図1は、軽量永久磁石型磁気共鳴分析装置100を示す斜視図である。
この軽量永久磁石型磁気共鳴分析装置100は、電磁シールド室1と、電磁シールド室1内に設置される測定ユニット2と、電磁シールド室1外に設置される制御ユニット3と、電磁シールド室1の壁を貫通して測定ユニット2と制御ユニット3とを接続する制御ケーブル4とを具備してなる。
電磁シールド室1は、鉄網で囲まれた箱であり、接地されている。
【0014】
図2は、軽量永久磁石型磁気共鳴分析装置100を示すブロック図である。
【0015】
図3に示すように、測定ユニット2の中心部にはRFコイル10が設置されている。RFコイル10は、コイル径が6cm〜11cm、コイル長が8cm〜21cm、ターン数が4〜40のソレノイド型コイルである。
【0016】
図4に示すように、RFコイル10の外周面および底面を囲むように第1電波シールド11が設置されている。第1電波シールド11は、上面が開口した長方形の銅板製の箱である。
【0017】
図5に示すように、第1電波シールド11を挟んで対向するように一対の勾配磁場コイル12が設置されている。
【0018】
図2に戻り、一対の勾配磁場コイル12を挟んで対向するように一対の板状永久磁石13および磁極片13aが設置されている。一対の板状永久磁石13の背面には、磁路を構成するベース継鉄(透磁部材)15が貼設されている。これらベース継鉄(透磁部材)15は、磁路を構成する柱状継鉄(透磁部材)15で結合されている。また、ベース継鉄(透磁部材)15の背面には、板状永久磁石13を温調するためのヒータ及び温度センサ14が貼設されている。
図6は、板状永久磁石13・磁極片13a・ヒータ及び温度センサ14・ベース継鉄(透磁部材)15と柱状継鉄(透磁部材)15の斜視図である。
一対の板状永久磁石13は、RFコイル10の内部に磁場強度43mT〜65mTで直径5cm〜10cmの球状の均一磁場空間20(
図2参照)を形成する。例えば均一磁場空間20の磁場強度が52mTの場合、一対の板状永久磁石13の重量は約170kgである。
【0019】
図7(および
図2)に示すように、勾配磁場コイル12・板状永久磁石13・磁極片13a・ヒータ及び温度センサ14・ベース継鉄(透磁部材)15・柱状継鉄(透磁部材)15を包むように第2電波シールド16が設けられている。第2電波シールド16は、銅網製である。
第1電波シールド11と第2電波シールド16とは、第1導電部材17で接続され、同電位にされている。また、第2電波シールド16と電磁シールド室1とは、第2導電部材18で接続され、同電位にされている。
【0020】
図2に戻り、制御ユニット3は、RFコイル10で受信した被測定物からのMR信号の中心周波数fo±100kHzの狭帯域で且つ増幅度80dB以上でMR信号を増幅するMR信号増幅部30と、RFコイル10を駆動してRFパルスを発生させるRF駆動部34と、RF駆動部34からのRF駆動信号をRFコイル10へ伝える状態とRFコイル10からのMR信号をMR信号増幅部30へ伝える状態とを切り換える切換部35と、勾配磁場コイル12を駆動して勾配磁場を発生させる勾配磁場駆動部36と、板状永久磁石13の温調制御を行う永久磁石温調部37と、パルスシーケンスの駆動制御やMR信号の分析を行うCPU38と、操作者とのインターフェースとなる操作部39とを具備している。
【0021】
例えば均一磁場空間の磁場強度が52mTの場合、MR信号の中心周波数fo=2.2MHzである。
【0022】
図8に示すように、MR信号増幅部30は、それぞれが増幅度60dB以下の第1増幅回路31および第2増幅回路32に分割されている。これら第1増幅回路31および第2増幅回路32は、別個の第1導電性筐体41および第2導電性筐体42にそれぞれ収容され、同軸ケーブル5で接続されている。第1導電性筐体41および第2導電性筐体42は、例えばアルミ板の箱であり、それぞれ接地されている。
受信ケーブル4aは、切換部35からのMR信号を第1増幅回路31に導入するケーブルである(
図2参照)。
分析部38aは、CPU38により実行される信号処理プログラムである。
【0023】
図9は、第1増幅回路31の回路例を示す回路図である。
第1増幅回路31は、2つのFET増幅器AMP−1,AMP2と、4つのバンドパスフィルタBPF−1〜BPF3から構成されている。
【0024】
図10は、公知のIR(反転回復)法のパルスシーケンスを用いてFID信号を受信したときの180°パルスと、それから300ms後の90°パルスと、その直後に発生するMR信号(FID信号)とを示す波形図である。
なお、勾配磁場を調整することにより、例えば丸ごとのリンゴやミカンの全体からでも、一部分からでもMR信号を得ることが出来る。
【0025】
図11は、砂糖濃度の異なる砂糖水の水のプロトンを測定核種として得られたMR信号(FID信号)を分析して作成した砂糖水濃度とT1緩和時間の関係を示すグラフである。
砂糖濃度が高くなると、T1緩和時間が長くなることが判る。
【0026】
図12は、砂糖濃度の異なる砂糖水の水のプロトンを測定核種として得られたMR信号(FID信号)を分析して作成した砂糖水濃度とT2緩和時間の関係を示すグラフである。
砂糖濃度が高くなると、T2緩和時間が短くなることが判る。
【0027】
図13は、公知のSE(スピンエコー)法のパルスシーケンスを用いてMR信号(エコー信号)を受信したときの90°パルスと、それから200ms後の180°パルスと、その200ms後に発生するMR信号(エコー信号)とを示す波形図である。
このエコー信号を分析することにより、MR画像を作成することが出来る。
【0028】
図14は、水のプロトンを測定核種としてミカンを撮像して得られたMR画像である。
撮影条件を次に示す。
・パルスシーケンス:グラディエントエコー法
・繰り返し時間TR:500ms
・エコー時間TE:5ms
・加算平均回数Ave:2
・画像マトリックス数:64×64
・スライス数:64
・撮影時間:1時間9分
【0029】
図15は、水のプロトンを測定核種としてミカンを撮像して得られたMR画像である。
図14の場合に比べると、撮影時間は長いが、画質が向上している。TRを長くすることで、MR信号(エコー信号)強度が大きくなり、Rxゲインを小さくでき、結果的にS/N比を向上できる。
撮影条件を次に示す。
・パルスシーケンス:グラディエントエコー法
・繰り返し時間TR:1000ms
・エコー時間TE:5ms
・加算平均回数Ave:2
・画像マトリックス数:64×64
・スライス数:64
・撮影時間:2時間16分
【0030】
図16は、水のプロトンを測定核種としてピーマンを撮像して得られたMR画像である。
撮影条件を次に示す。
・パルスシーケンス:グラディエントエコー法
・繰り返し時間TR:500ms
・エコー時間TE:5ms
・加算平均回数Ave:2
・画像マトリックス数:64×64
・スライス数:64
・撮影時間:1時間9分
【0031】
図17は、水のプロトンを測定核種としてトマトを撮像して得られたMR画像である。
撮影条件を次に示す。
・パルスシーケンス:グラディエントエコー法
・繰り返し時間TR:1000ms
・エコー時間TE:5ms
・加算平均回数Ave:2
・画像マトリックス数:64×64
・スライス数:64
・撮影時間:2時間16分
【0032】
図18は、水のプロトンを測定核種として骨付き鶏のもも肉を撮像して得られたMR画像である。
撮影条件を次に示す。
・パルスシーケンス:グラディエントエコー法
・繰り返し時間TR:500ms
・エコー時間TE:5ms
・加算平均回数Ave:2
・画像マトリックス数:64×64
・スライス数:64
・撮影時間:1時間9分