特許第5754106号(P5754106)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 不二製油株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5754106
(24)【登録日】2015年6月5日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】フレッシュチーズ様食品
(51)【国際特許分類】
   A23C 20/00 20060101AFI20150702BHJP
   A23C 19/076 20060101ALI20150702BHJP
【FI】
   A23C20/00
   A23C19/076
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2010-221981(P2010-221981)
(22)【出願日】2010年9月30日
(65)【公開番号】特開2012-75366(P2012-75366A)
(43)【公開日】2012年4月19日
【審査請求日】2013年9月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236768
【氏名又は名称】不二製油株式会社
(72)【発明者】
【氏名】辻井 設夫
(72)【発明者】
【氏名】大野 芳子
【審査官】 大久保 智之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2000−508901(JP,A)
【文献】 特開平02−027941(JP,A)
【文献】 特表2008−520201(JP,A)
【文献】 特開2007−151459(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23C 20/00
A23C 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物性油脂、蛋白質及び水を含むフレッシュチーズ様食品であって、フレッシュチーズ様食品の油脂分中に、S2L型トリグリセリド(Sはステアリン酸、Lはリノール酸)を0.3〜2重量%、乳脂を60重量%以下含み、かつ乳脂の一部として乳脂の低融点画分を1〜15重量%含み、pHが4.5〜6.4であることを特徴とするフレッシュチーズ様食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低乳脂であるにもかかわらず、フレッシュチーズ様の乳味、ボディ感があり、低価格で作業性の良いフレッシュチーズ様食品に関する。
【背景技術】
【0002】
フレッシュチーズは、全く熟成させないか、あるいはほとんど熟成させないまま食用とするナチュラルチーズの種類であり、新鮮な作りたての味を楽しむ。ミルクの香りをそのままに、ほんのりと甘味もあり、さわやかな軽い酸味を有するチーズ(クリームチーズ、フロマージュ・ブラン、カッテージなど)と、酸味を感じさせないチーズ(マスカルポーネ、リコッタ)があり、形状は半固形状からペースト状と様々である。特にマスカルポーネチーズはティラミスなどの洋菓子に使用されている。
【0003】
しかしながら、これらフレッシュチーズは価格が高く、製菓材料として使用する際に作業性が悪いという問題点がある。
【0004】
そこで、上記問題点を解決するために、特許文献1では、少なくとも植物性油脂および蛋白質が含まれた酸性エマルジョンを含有するフレッシュチーズ様食品において、該食品がコーンパウダーを含有し、かつpHが4.8〜6.0であることを特徴とするフレッシュチーズ様食品が、特許文献2では、発酵乳、チーズ、油脂、リン酸塩を必須成分とし、必要に応じて風味付与物質、安定剤、乳化剤等を加え、全組成物中の無脂乳固形分が、発酵乳からの無脂乳固形分10重量部に対しチーズからの無脂乳固形分が5〜35重量部であり、全組成物中の無脂乳固形分10重量部に対し油脂分が10〜25重量部であり、リン酸塩0.1〜4%、水分30〜60%を含有した組成物を混合、乳化した後、90〜108℃に加熱、殺菌することを特徴とする発酵食品組成物が、特許文献3では、チーズ、粉乳、澱粉、油脂、及び酸を主原料とし、これに乳化剤、増粘多糖類及び溶融塩を添加し、加熱、混合、乳化することを特徴とするマスカルポーネチーズ様食品の製造方法が提案されているが、いずれも価格、フレッシュチーズ様の風味、ボディ感をともに満足するものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2−27941号公報
【特許文献2】特開平2−156853号公報
【特許文献3】特開平5−292881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、低乳脂であるにもかかわらず、フレッシュチーズ様の乳味、ボディ感があり、低価格で作業性の良いフレッシュチーズ様食品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、ごく微量のS2L型トリグリセリドがフレッシュチーズ様の乳味、ボディ感に有効であるという知見を得、本発明のフレッシュチーズ様食品を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明の第1は、植物性油脂、蛋白質及び水を含むフレッシュチーズ様食品であって、S2L型トリグリセリド(Sはステアリン酸、Lはリノール酸)を含み、pHが4.5〜6.4であることを特徴とするフレッシュチーズ様食品である。
第2は、フレッシュチーズ様食品の油脂分中にS2L型トリグリセリドを0.3〜2.0重量%含む第1記載のフレッシュチーズ様食品である。
第3は、フレッシュチーズ様食品の油脂分中に占める乳脂の比率が60重量%以下である第1記載のフレッシュチーズ様食品である。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、低乳脂であるにもかかわらず、フレッシュチーズ様の乳味、ボディ感があり、低価格で作業性の良いフレッシュチーズ様食品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
(植物性油脂)
本発明のフレッシュチーズ様食品に使用できる植物性油脂としては、必須成分であるS2L型トリグリセリド以外に、パーム油、ヤシ油、パーム核油、大豆油、菜種油、ひまわり種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、ゴマ油、月見草油等の植物性油脂や、中鎖脂肪酸トリグリセリドが例示でき、上記油脂類の単独または混合油あるいはそれらの硬化油、分別油、硬化分別油、分別硬化油ならびにエステル交換等を施した加工油脂が例示できる。
【0012】
(蛋白質)
本発明のフレッシュチーズ様食品に使用できる蛋白質としては、生乳、牛乳、脱脂乳、クリーム、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖練乳、加糖練乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、トータルミルクプロテイン、バターミルクパウダー、ホエー蛋白、カゼイン、カゼインナトリウム等の乳由来の原料を主体として、大豆由来、卵由来の蛋白質なども例示できる。本発明において、フレッシュチーズ様食品中の蛋白質含量は、3〜15重量%であることが好ましく、より好ましい蛋白質含量は、4〜10重量%である。
【0013】
(S2L型トリグリセリド)
S2L(Sはステアリン酸、Lはリノール酸)型トリグリセリドはリノール酸を多く含む油脂、例えばサフラワー油、ひまわり油、コーン油、菜種油、大豆油とりわけ前2者の油脂をステアリン酸に富むエステル又は脂肪酸と公知の方法でエステル交換し、必要に応じて分別を行うことにより得られる。なお、得られたS2L型トリグリセリド含有油脂中のS2L型トリグリセリド濃度としては30%以上、好ましくは40%以上含有するのが好ましい。S2L型トリグリセリドは、フレッシュチーズ様食品の油脂分中に0.3〜2.0重量%、好ましくは0.5〜1.5重量%含まれるのがよい。フレッシュチーズ様食品の油脂分中のS2L型トリグリセリドが0.3重量%より少ないと、フレッシュチーズ様の乳感が得られず、フレッシュチーズ様食品の油脂分中のS2L型トリグリセリドが2.0重量%より多いと乳化が不安定になる。本発明において、S2L型トリグリセリドは少量の添加物的使用により、上記の優れた効果を発揮する。
【0014】
(pH)
本発明のフレッシュチーズ様食品は、乳酸発酵するか、乳酸やクエン酸などのpH調整剤を用いて、pH4.5〜6.4の酸性に調整する必要がある。pHがこの範囲より高いと、フレッシュチーズ特有の適度な酸味が得られず、この範囲より低いと酸味が強すぎ、作業性も悪くなる。
【0015】
(乳脂)
本発明のフレッシュチーズ様食品において用いることのできる乳脂としては、牛乳、クリーム、バター等の乳由来の乳脂はもちろんのこと、これらの原料を加工処理して得られるバターオイルを含むものである。これらの乳脂を含有させることで、フレッシュチーズ様の乳味がさらに増強できるが、フレッシュチーズ様食品の油脂分中に占める乳脂の比率は60重量%以下、より好ましくは50重量%以下であることがよい。フレッシュチーズ様食品の油脂分中に占める乳脂の比率は60重量%を越えてもよいが、本発明の趣旨は、低乳脂でフレッシュチーズ様の乳味、ボディ感があり、低価格で作業性が良いフレッシュチーズ様食品を提供するということにある。
【0016】
特に、乳脂の中でも乳脂の低融点画分を含有させることで、フレッシュチーズ様の乳味をさらに増強させることができる。乳脂の低融点画分とは、牛乳やバターから得られる油脂即ち乳脂を分別により融点の高い部分と低い部分に分けた低い部分であって融点としては10℃〜25℃の範囲の物が好ましい。油脂を分別する方法としては、乾式法、乳化分別法、溶剤分別法の何れの方法も採用することができる。コスト、品質の点で乾式法が好ましく、代表的な方法としてTirtiaux法が例示できる。乳脂の低融点画分はオレイン画分とも言われ、本発明においては乳脂の低融点画分中の構成脂肪酸として、オレイン酸量が25〜35重量%の画分が好ましく、28〜33重量%の画分が更に好ましい。乳脂の低融点画分は、フレッシュチーズ様食品の油脂分中に1〜15重量%、好ましくは2〜10重量%含まれていれば相乗効果を発揮する。
【0017】
本発明のフレッシュチーズ様食品においては、澱粉や糖類を使用してもよく、澱粉としては、コーン、米、馬鈴薯、タピオカ、小麦、甘薯などから得られる澱粉類及びそれらのリン酸化澱粉、α化澱粉などの加工澱粉類が例示できる。糖類としては、蔗糖、マルトース、ブドウ糖、乳糖、果糖、ソルビトール、マルチトール等の如何なる糖質であっても良い。これら以外にも乳製品由来の乳糖であっても良い。
【0018】
本発明のフレッシュチーズ様食品においては、フレッシュチーズ様食品を調製する際に通常使用する乳化剤を適宜選択使用することが出来る。例えば、レシチン、モノグリセライド、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤が例示できる。
【0019】
本発明のフレッシュチーズ様食品については、各種塩類を使用することが出来る。塩類としては、ヘキサメタリン酸塩、第2リン酸塩、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸塩、重曹等が例示できる。その他所望により糖類、安定剤、香料、着色料、保存料等を使用することが出来る。
【0020】
本発明のフレッシュチーズ様食品の製造方法としては、例えば、原料を調合、混合後、予備乳化した後に、乳酸発酵あるいはpH調製剤を用いてpHを調製し、均質化、加熱殺菌後、必要に応じて、さらに均質化を行い、充填、冷却するといった方法を挙げることができる。
上記方法により得られた本発明のフレッシュチーズ様食品は、半固形状〜ペースト状の物性を示す。
【0021】
以下、本発明について実施例を示し、より詳細に説明する。なお、例中の%及び部はいずれも重量基準を意味する。
【0022】
〔実験例〕(S2L型トリグリセリド含有油脂の調製)
サフラワー油20部、ステアリン酸80部を、1,3位特異性を有するリパーゼを用いてエステル交換し、水蒸気蒸留によりエチルエステル部を除去し、S2L型トリグリセリド含有油脂を得た。液体クロマトグラフィー法を用いて、上記S2L型トリグリセリド含有油脂のS2L型トリグリセリド含有量を求めると43%であった。
【実施例1】
【0023】
実験例で得られたS2L型トリグリセリド含有油脂、菜種硬化油、ヤシ硬化油、パーム油からなる植物性油脂27.3部、乳脂の低融点画分0.7部、脱脂粉乳6.9部、トータルミルクプロテイン3.9部、澱粉2.0部、水57.9部、乳酸を含むpH調整剤1.0部、増粘多糖類0.2部、フレーバー0.1部を添加し、60℃で10分調合しさらに100Kg/cmの圧力下に均質化した後、掻きとり式連続熱交換機に通して80〜90℃に加熱し殺菌し、冷水にて急冷を行った。このようにして得られたフレッシュチーズ様食品のpHは5.9、油脂分中の乳脂低融点画分の割合は2.4重量%、油脂分中のS2L型トリグリセリドの割合は1.2重量%、油脂分中の乳脂肪分の割合は2.8重量%であり、フレッシュチーズ様の乳感が強く、良好なボディ性を有しているとともに、作業性に優れていた。
【実施例2】
【0024】
実験例で得られたS2L型トリグリセリド含有油脂、菜種硬化油、ヤシ硬化油、パーム油からなる植物性油脂25.9部、乳脂の低融点画分2.0部、脱脂粉乳6.9部、トータルミルクプロテイン3.9部、澱粉2.0部、水58.0部、乳酸を含むpH調整剤1.0部、増粘多糖類0.2部、フレーバー0.1部を添加し、60℃で10分調合しさらに100Kg/cmの圧力下に均質化した後、掻きとり式連続熱交換機に通して80〜90℃に加熱し殺菌し、冷水にて急冷を行った。このようにして得られたフレッシュチーズ様食品のpHは6.0、油脂分中の乳脂低融点画分の割合は7.3重量%、油脂分中のS2L型トリグリセリドの割合は1.2重量%、油脂分中の乳脂肪分の割合は7.7重量%であり、フレッシュチーズ様の乳感が強く、良好なボディ性を有しているとともに、作業性に優れていた。
【実施例3】
【0025】
実験例で得られたS2L型トリグリセリド含有油脂、菜種硬化油、ヤシ硬化油、パーム油からなる植物性油脂25.9部、乳脂の低融点画分2.0部、脱脂粉乳6.9部、トータルミルクプロテイン3.9部、澱粉2.0部、水58.0部、乳酸を含むpH調整剤1.0部、増粘多糖類0.2部、フレーバー0.1部を添加し、60℃で10分調合しさらに100Kg/cmの圧力下に均質化した後、掻きとり式連続熱交換機に通して80〜90℃に加熱し殺菌し、冷水にて急冷を行った。このようにして得られたフレッシュチーズ様食品のpHは6.1、油脂分中の乳脂低融点画分の割合は7.3重量%、油脂分中のS2L型トリグリセリドの割合は0.8重量%、油脂分中の乳脂肪分の割合は7.7重量%であり、フレッシュチーズ様の乳感が強く、良好なボディ性を有しているとともに、作業性に優れていた。
【実施例4】
【0026】
実験例で得られたS2L型トリグリセリド含有油脂、菜種硬化油、ヤシ硬化油、パーム油からなる植物性油脂22.9部、乳脂の低融点画分3.4部、脱脂粉乳4.9部、トータルミルクプロテイン4.5部、クリーム11.0部、ナチュラルチーズ10.7部、水41.5部、乳酸を含むpH調整剤1.0部、フレーバー0.1部を添加し、60℃で10分調合しさらに100Kg/cmの圧力下に均質化した後、掻きとり式連続熱交換機に通して80〜90℃に加熱し殺菌し、冷水にて急冷を行った。このようにして得られたフレッシュチーズ様食品のpHは6.0、油脂分中の乳脂低融点画分の割合は8.6重量%、油脂分中のS2L型トリグリセリドの割合は0.5重量%、油脂分中の乳脂肪分の割合は42.3重量%であり、フレッシュチーズ様の乳感がより強く、良好なボディ性を有しているとともに、作業性に優れていた。
【実施例5】
【0027】
実験例で得られたS2L型トリグリセリド含有油脂、菜種硬化油、ヤシ硬化油、パーム油からなる植物性油脂24.3部、乳脂の低融点画分2.0部、脱脂粉乳4.9部、トータルミルクプロテイン4.5部、クリーム11.0部、ナチュラルチーズ10.7部、水41.5部、乳酸を含むpH調整剤1.0部、フレーバー0.1部を添加し、60℃で10分調合しさらに100Kg/cmの圧力下に均質化した後、掻きとり式連続熱交換機に通して80〜90℃に加熱し殺菌し、冷水にて急冷を行った。このようにして得られたフレッシュチーズ様食品のpHは5.9、油脂分中の乳脂低融点画分の割合は5.2重量%、油脂分中のS2L型トリグリセリドの割合は1.1重量%、油脂分中の乳脂肪分の割合は38.8重量%であり、フレッシュチーズ様の乳感がより強く、良好なボディ性を有しているとともに、作業性に優れていた。
【実施例6】
【0028】
実験例で得られたS2L型トリグリセリド含有油脂、菜種硬化油、ヤシ硬化油、パーム油からなる植物性油脂25.9部、乳脂の低融点画分のかわりにバターオイル2.0部、脱脂粉乳6.9部、トータルミルクプロテイン3.9部、澱粉2.0部、水58.0部、乳酸を含むpH調整剤1.0部、増粘多糖類0.2部、フレーバー0.1部を添加し、60℃で10分調合しさらに100Kg/cmの圧力下に均質化した後、掻きとり式連続熱交換機に通して80〜90℃に加熱し殺菌し、冷水にて急冷を行った。このようにして得られたフレッシュチーズ様食品のpHは6.0、油脂分中の乳脂低融点画分の割合は0重量%、油脂分中のS2L型トリグリセリドの割合は1.2重量%、油脂分中の乳脂肪分の割合は7.7重量%であり、フレッシュチーズ様の乳感はやや弱いが、良好なボディ性を有していた。
【0029】
[比較例1]
菜種硬化油、ヤシ硬化油、パーム油からなる植物性油脂25.9部、乳脂の低融点画分2.0部、脱脂粉乳6.9部、トータルミルクプロテイン3.9部、澱粉2.0部、水58.0部、乳酸を含むpH調整剤1.0部、増粘多糖類0.2部、フレーバー0.1部を添加し、60℃で10分調合しさらに100Kg/cmの圧力下に均質化した後、掻きとり式連続熱交換機に通して80〜90℃に加熱し殺菌し、冷水にて急冷を行った。このようにして得られたフレッシュチーズ様食品のpHは6.0、油脂分中の乳脂低融点画分の割合は7.3重量%、油脂分中のS2L型トリグリセリドの割合は0重量%、油脂分中の乳脂肪分の割合は7.7重量%であり、フレッシュチーズ様の乳感、ボディ性とも弱かった。
【0030】
実施例1〜6、比較例1の結果を表に示す。
【0031】