特許第5754354号(P5754354)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5754354
(24)【登録日】2015年6月5日
(45)【発行日】2015年7月29日
(54)【発明の名称】車両用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/58 20060101AFI20150709BHJP
   B68G 7/05 20060101ALI20150709BHJP
   A47C 31/02 20060101ALI20150709BHJP
【FI】
   B60N2/58
   B68G7/05 A
   A47C31/02 C
   A47C31/02 A
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-249349(P2011-249349)
(22)【出願日】2011年11月15日
(65)【公開番号】特開2013-103625(P2013-103625A)
(43)【公開日】2013年5月30日
【審査請求日】2014年5月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095669
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 登
(72)【発明者】
【氏名】中川 哲雄
(72)【発明者】
【氏名】長田 知晃
【審査官】 宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0150090(US,A1)
【文献】 実開平07−001900(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00 − 2/72
A47C 31/02
B68G 7/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
係合部が取り付けられたシートカバーと、
このシートカバーを支持する部材であって前記係合部が係合可能な被係合部を有するベース部材と、を備え、
前記係合部と前記被係合部が係合している状態において前記係合部および前記被係合部の少なくともいずれか一方を所定の態様に変位させることにより前記係合部と前記被係合部の係合が解除される車両用シートであって、
前記係合部および前記被係合部の少なくともいずれか一方には、第一の押圧面および第二の押圧面が形成され、前記第一の押圧面に対し第一の方向の力が掛かったとき、または、前記第二の押圧面に対し前記第一の方向とは異なる方向である第二の方向からの力が掛かったときに、当該力が掛かった押圧面が形成された前記係合部または前記被係合部が前記所定の態様に変位するように構成され
前記ベース部材には、その内側で前記係合部と前記被係合部が係合される溝が形成されており、
前記第二の押圧面は、前記溝の延びる方向に直交する面に対して傾斜しており、この傾斜した第二の押圧面に対して前記溝が延びる方向に沿った力である前記第二の方向の力が掛かることにより、この第二の押圧面が形成された前記係合部または前記被係合部が所定の態様に変位するように構成されていることを特徴とする車両用シート。
【請求項2】
前記係合部および前記被係合部の一方の先端部分に、前記係合部および前記被係合部の他方の先端部分が係合される構成であって、
前記第二の押圧面は、前記係合部および前記被係合部の一方の先端部分に向かって前記係合部および前記被係合部の一方の幅をだんだんと小さくさせるように傾斜しており、
前記係合部および前記被係合部の他方の先端部分の幅は、前記係合部および前記被係合部の一方の先端部分の幅よりも大きいことを特徴とする請求項に記載の車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベース部材に取り付けられるシートカバーを備える車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、シートカバー(トリム)を容易に着脱できる車両用シートが記載されている。詳しくは、シートパッドの溝内に設けられたワイヤを挟むトリムセット片をシートカバーに設け、このトリムセット片を弾性変形させることにより、ワイヤに対して着脱自在に構成されたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5−31699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に記載の車両用シートでは、一方向(溝の開口側)からの操作でしかシートカバーを取り外すことができない。したがって、シートカバーとワイヤの係合部分(トリムセット片)を手探りで探さなければならない。シートカバーは、組立の際の手直し時や、リサイクル時に容易に取り外すことができるようにすることが求められており、このような一方向のみの操作でしか取り外すことができない構造ではその要望に応えることができない。
【0005】
上記実情に鑑みて、本発明は、ベース部材に取り付けられるシートカバーを備える車両用シートにおいて、シートカバーの取り外しの作業性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明にかかる車両用シートは、係合部が取り付けられたシートカバーと、このシートカバーを支持する部材であって前記係合部が係合可能な被係合部を有するベース部材と、を備え、前記係合部と前記被係合部が係合している状態において前記係合部および前記被係合部の少なくともいずれか一方を所定の態様に変位させることにより前記係合部と前記被係合部の係合が解除される車両用シートであって、前記係合部および前記被係合部の少なくともいずれか一方には、第一の押圧面および第二の押圧面が形成され、前記第一の押圧面に対し第一の方向の力が掛かったとき、または、前記第二の押圧面に対し前記第一の方向とは異なる方向である第二の方向からの力が掛かったときに、当該力が掛かった押圧面が形成された前記係合部または前記被係合部が前記所定の態様に変位するように構成され、前記ベース部材には、その内側で前記係合部と前記被係合部が係合される溝が形成されており、前記第二の押圧面は、前記溝の延びる方向に直交する面に対して傾斜しており、この傾斜した第二の押圧面に対して前記溝が延びる方向に沿った力である前記第二の方向の力が掛かることにより、この第二の押圧面が形成された前記係合部または前記被係合部が所定の態様に変位するように構成されていることを要旨とする。
【0007】
上記構成によれば、第一の方向からの操作だけでなく、第二の方向からの操作によって係合部と被係合部の係合を解除することができるため、ベース部材からシートカバーを取り外す際の作業性(操作性)が向上する。
【0009】
また、溝が延びる方向に沿った力を第二の押圧面に対して与えることにより、係合部と被係合部の係合を解除することができるため、手探りで係合を解除する作業を行う必要がない。例えば、ドライバのような棒状のツールを溝に沿って移動させるだけで、第二の押圧面が当該ツールから第二の方向の力を受けて係合部と被係合部の係合が解除される。
【0010】
また、前記係合部および前記被係合部の一方の先端部分に、前記係合部および前記被係合部の他方の先端部分が係合される構成であって、前記第二の押圧面は、前記係合部および前記被係合部の一方の先端部分に向かって前記係合部および前記被係合部の一方の幅をだんだんと小さくさせるように傾斜しており、前記係合部および前記被係合部の他方の先端部分の幅は、前記係合部および前記被係合部の一方の先端部分の幅よりも大きければよい。
【0011】
上記構成によれば、係合部と被係合部との間に、傾斜した第二の押圧面の存在によって谷間が生ずる。上記のような棒状のツールを溝に沿って移動させれば、当該ツールが谷間に入り込み、傾斜した第二の押圧面に第二の方向の力が掛かることになる。つまり、谷間によって第二の押圧面に力を掛けるツール等が案内されるから、ベース部材からシートカバーを取り外す際の作業性がさらに向上する。
【発明の効果】
【0012】
本発明にかかる車両用シートによれば、第一の方向からの操作だけでなく、第二の方向からの操作によって係合部と被係合部の係合を解除することができるから、ベース部材からシートカバーを取り外す際の作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態にかかる車両用シートを下方から見た外観図である。
図2】本発明の一実施形態にかかる車両用シートの断面図(図1に示したA−A線断面図)である。
図3】本発明の一実施形態にかかる車両用シートが備えるベース部材の外観図である。
図4】ベース部材に対するシートカバーの取り付け手順を説明するための断面図である。
図5】ベース部材に取り付けられたシートカバーの取り外し手順(第一の方法)を説明するための断面図である。
図6】ベース部材に取り付けられたシートカバーの取り外し手順(第一の方法)を説明するための立体断面図である。
図7】ベース部材に取り付けられたシートカバーの取り外し手順(第二の方法)を説明するための図(溝の開口側から見た模式図)である。
図8】ベース部材に取り付けられたシートカバーの取り外し手順(第二の方法)を説明するための立体断面図である(図を分かりやすくするためベース部材のみを示している)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態にかかる車両用シート1は、シートカバー20と、このシートカバー20を支持するベース部材10と、を備える。シートカバー20は、クッション材であるシートパッド40の表面を覆うカバー部材である。ベース部材10は、シートバック91(背もたれ部)またはシートクッション92(着座部)の裏面(シートバック91であれば背面、シートクッション92であれば下面)に設けられる板状の部材であり、バックボードなどと称される。以下、各構成について詳細に説明する。なお、以下の説明は、シートクッション92の構造を例として説明するが、シートバック91にも同様の構成が適用可能である。
【0015】
シートの骨格であるシートフレーム30は、メインフレーム31とサブフレーム32を有する。メインフレーム31はシートクッション92の輪郭に沿うように略四角形状に形成された相対的に太い軸状部である。サブフレーム32は、メインフレーム31を橋渡しするように取り付けられた相対的に細い軸状部である。シートクッション92は、その前側端部および後側端部で、メインフレーム31を挟み込むようにして取り付けられている。
【0016】
ベース部材10は、シートクッション92の裏面を構成する略四角形の板状の部材である。一方側の面には、二股状のフレーム取付部14が形成されている。この二股状のフレーム取付部14で上記サブフレーム32を挟み込むことにより、ベース部材10はシートフレーム30に取り付けられている。
【0017】
ベース部材10の他方側の面には、その周縁に沿う溝11が形成されている。この溝11内には被係合部12が形成されている。被係合部12は、溝11の内側の面111に複数形成されたカバー取付用の爪部である。被係合部12は、溝11の開口の内側の側縁に沿った部分でベース部材10の本体部分と繋がっており、当該部分を支点として弾性変形可能である(以下、当該部分を基端121と称することもある)。一方、被係合部12の先端側(基端121の反対側)には、溝11の外側の面112に向かって突出した被係合爪122が形成されている。この被係合爪122の先端(つまり、被係合部12の先端部分122c)が、詳細を後述する係合部21における係合爪213の先端部分213aとの係合代となる。被係合部12が上記基端121を支点として弾性変形すればするほど、被係合部12の被係合爪122は溝11の外側の面112から離れる。
【0018】
この被係合爪122における溝11の開口側の面(図2における上側の面)は、溝11の外側の面112に近づくに従いだんだんと上下方向における厚みを小さくするように(溝11の底面に近づくように)傾斜している。この面が、本発明における第一の押圧面122aに相当する。一方、この被係合爪122における幅方向(溝11に沿う方向)の両側面は、溝11の外側の面112に近づくに従いだんだんと幅を小さくするように傾斜している。この面が、本発明における第二の押圧面122bに相当する。
【0019】
また、ベース部材10の溝11の外側には、係止部13が形成されている。この係止部13は、ベース部材10の開口の外側を所定量窪ませることによって形成される段差部分である。この係止部13は、後述する係合部21の抜け止めとなる。
【0020】
なお、ベース部材10の溝11の内側の略矩形状の領域には、カーペット15が貼付されている。このようなカーペット15を用いるか否かは適宜選択可能である。
【0021】
シートカバー20は、シートパッド40の表面を覆うようにベース部材10に取り付けられる。シートカバー20の周縁には、被係合部12に係合させる爪部である係合部21が取り付けられている。係合部21は、その基端側に設けられるカバー取付部211が縫い付けられることによってシートカバー20に取り付けられている。このカバー取付部211を含む係合部21の基端側は、断面略T字状に形成されている。詳しくは、シートカバー20に縫い付けられるカバー取付部211に対して略直交する方向に延びる部分(以下引掛部212と称する)が形成されている。
【0022】
一方、係合部21の先端側には、係合爪213が形成されている。係合爪213は、断面で見て先が尖った矢尻状(矢尻を半分にしたような形状)の部分である。カバー取付部211から真っ直ぐ延びる部分に対して屈曲した部分の先端(つまり、係合部21の先端部分213a)が、上記被係合部12の被係合爪122との係合代となる。
【0023】
この係合部21は、シートカバー20の各縁に対して一つずつ設けられていてもよいし、一の被係合部12に対して一の係合部21が係合するように、各縁において複数に分割して設けられていてもよい。ただし、複数に分割する場合であっても、係合部21の先端部分213a(係合爪213)の幅(溝11に沿う方向の大きさ)は、被係合部12の先端部分122c(被係合爪122)の幅(溝11に沿う方向の大きさ)よりも大きく形成するとよい。このようにすれば、係合状態にある係合部21と被係合部12との間に、傾斜した第二の押圧面122bの存在によって略「V」字状の谷間が生ずるため、後述する第二の方法を用いてシートカバー20を取り外す際に有利である。
【0024】
以下、上記被係合部12および係合部21を利用したベース部材10に対するシートカバー20の取り付け、および取り外しについて説明する。
【0025】
シートカバー20は、シートパッド40の表側を覆った状態で、係合部21が設けられた周縁がシートの裏側でベース部材10に取り付けられている。図4に示すように、係合部21をベース部材10の溝11に挿入する(図4(a))と、係合爪213の外面(矢尻状の部分)により被係合爪122が押され、被係合部12が基端121を支点として溝11の外側の面112から離れる方向に弾性変形する(図4(b))。被係合部12が所定の態様まで弾性変形すると、係合爪213が被係合爪122の下に入り込み、被係合部12の弾性変形が解消される(図4(c))。これにより、係合爪213の先端が、被係合爪122の先端に引っ掛かった状態となる。
【0026】
係合爪213が被係合爪122に引っ掛かった状態となると、係合部21の引掛部212がベース部材10に形成される段差部分である係止部13に引っ掛かる。シートカバー20は皺がよらない程度のテンションが掛かった状態でシートパッド40に取り付けられるため、このシートカバー20のテンションによって係合部21は常に溝11の外側に向かって引っ張られた状態にある。そこで、上記のように係合部21の引掛部212を係止部13に引っ掛けた状態とすることにより、シートカバー20のテンションによって被係合部12に係合した係合部21が外れてしまわないようにしている。
【0027】
このようにしてシートカバー20の周縁全てにおいて係合部21を被係合部12に係合させると、皺がよらない程度のテンションが掛かった状態でシートカバー20がシートパッド40に取り付けられる。
【0028】
このベース部材10に取り付けられたシートカバー20をベース部材10から取り外す方法は、以下の二通りの方法がある。
【0029】
第一の方法は、第一の押圧面122aを押圧する方法である。具体的には、図5および図6に示すように、第一の押圧面122aを溝11の開口側から押圧する。つまり、溝11の延びる方向に対し略直交する方向の力P1で押圧する(図5(a)、図6(a))この押圧する方向が本発明の第一の方向に相当する。上述したように、第一の押圧面122aは溝11の外側の面112に近づくに従いだんだんと溝11の底面に近づくように傾斜しているため、第一の押圧面122aに対し第一の方向からの力が掛かると、被係合部12が基端121を支点として溝11の外側の面112から離れる方向に弾性変形する。被係合部12が所定の態様まで弾性変形すると、被係合爪122が係合爪213の下に入り込み、係合爪213が被係合爪122の下に入り込んだ状態が解除される(図5(b)、図6(b))。これにより、係合爪213の先端が、被係合爪122の先端に引っ掛かった状態が解除される。なお、押圧する部材として、図示されるような細長い棒状のツールT(例えばマイナスドライバ)を用いると取り外し作業が容易である。
【0030】
第二の方法は、第二の押圧面122bを押圧する方法である。具体的には、図7および図8に示すように、第二の押圧面122bを溝11に沿う方向の力P2で押圧する(図7(a)、図8(a))。この押圧する方向が本発明の第二の方向に相当する。上述したように、第二の押圧面122bは溝11の外側の面112に近づくに従いだんだんと幅(溝11に沿う方向の大きさ)を小さくするように傾斜しているため、第二の押圧面122bに対し第二の方向からの力が掛かると、被係合部12が基端121を支点として溝11の外側の面112から離れる方向に弾性変形する。被係合部12が所定の態様まで弾性変形すると、被係合爪122が係合爪213の下に入り込み、係合爪213が被係合爪122の下に入り込んだ状態が解除される(図7(b)、図8(b))。これにより、係合爪213の先端が、被係合爪122の先端に引っ掛かった状態が解除される。
【0031】
押圧する部材として、図示されるような細長い棒状のツールTを用いるとよい。本実施形態では、係合部21の先端部分213a(係合爪213)の幅(溝11に沿う方向の大きさ)は、被係合部12の先端部分122c(被係合爪122)の幅(溝11に沿う方向の大きさ)よりも大きく形成されているため、係合状態にある係合部21と被係合部12との間に、傾斜した第二の押圧面122bの存在によって略「V」字状の谷間が生ずる。そのため、溝11に沿って棒状のツールTを移動させれば、当該ツールTが谷間に入り込み、傾斜した第二の押圧面122bに第二の方向の力P2が掛かることになる。つまり、谷間によって第二の押圧面122bに力を掛けるツールTが案内されるから、ベース部材10からシートカバー20を取り外す際の作業性がさらに向上する。また、被係合部12が所定の態様まで弾性変形すると、被係合部12の被係合爪122の先端と係合部21の係合爪213の先端との間に当該棒状のツールTが入り込んだ状態となるから、係合爪213の先端が、被係合爪122の先端に引っ掛かった状態をより簡単に解除することができる。
【0032】
なお、被係合部12には、その幅方向両側それぞれに第二の押圧面122bが形成されているから、図示した方向の反対方向からも係合部21と被係合部12の係合を解除することができる。
【0033】
このように、第一の方法および第二の方法の少なくともいずれかを用い、シートカバー20の周縁全てにおいて係合部21と被係合部12の係合を解除することにより、シートカバー20をベース部材10から取り外すことができる。
【0034】
以上説明した本実施形態にかかる車両用シート1によれば、シートカバー20をベース部材10から取り外す際、第一の方向からの操作(第一の方法)だけでなく、第二の方向からの操作(第二の方法)によって係合部21と被係合部12の係合を解除することができるため、当該シートカバー20の取り外しの作業性(操作性)が向上する。
【0035】
特に、第二の方向からの操作(第二の方法)は、溝11が延びる方向に沿った力P2を第二の押圧面122bに対して与える操作であるから、手探りで係合部分を探し当てて当該係合を解除する作業を行う必要がない。上述したように、棒状のツールTを溝11に沿って移動させるだけで、第二の押圧面122bが当該ツールTから第二の方向の力P2を受けて係合部21と被係合部12の係合が解除される。また、本実施形態のように、溝11に沿って複数の被係合部12が設けられている場合であっても、溝11に沿ってツールTを移動させるだけで、各被係合部12と係合部21の係合が順次解除されていくため、作業時間の短縮につながる。
【0036】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0037】
例えば、上記実施形態では、被係合部12を所定の態様に弾性変形させることにより係合部21と被係合部12の係合を解除することを説明したが、係合を解除させる際に「弾性変形」させる構成としなければならないわけではない。つまり、係合部21と被係合部12の係合を解除した後、再度係合部21と被係合部12を係合させることが可能となるように被係合部12を所定の態様に変形させたり、移動させたりする構成であればどのような構成であってもよい。すなわち、本発明における「変位」には、「弾性変形」以外の変形や移動といった概念が含まれる。
【0038】
また、上記実施形態では、被係合部12に第一の押圧面122aや第二の押圧面122bが形成されていることを説明したが、このような第一の押圧面および第二の押圧面が係合部に形成された構成としてもよい。つまり、係合部の方を変形させたり、移動させることにより、係合部と被係合部の係合が解除される構成としてもよい。また、このような第一の押圧面および第二の押圧面が係合部と被係合部の両方に形成される構成としてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 車両用シート
10 ベース部材
11 溝
12 被係合部
122a 第一の押圧面
122b 第二の押圧面
20 シートカバー
21 係合部
212 引掛部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8