特許第5754443号(P5754443)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5754443少なくとも2つの異なる形式で無線テレビ信号を受信可能な受信機を自動的にプログラミングする方法及び受信機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5754443
(24)【登録日】2015年6月5日
(45)【発行日】2015年7月29日
(54)【発明の名称】少なくとも2つの異なる形式で無線テレビ信号を受信可能な受信機を自動的にプログラミングする方法及び受信機
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/438 20110101AFI20150709BHJP
【FI】
   H04N21/438
【請求項の数】27
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2012-543987(P2012-543987)
(86)(22)【出願日】2010年12月17日
(65)【公表番号】特表2013-515388(P2013-515388A)
(43)【公表日】2013年5月2日
(86)【国際出願番号】IB2010055911
(87)【国際公開番号】WO2011077341
(87)【国際公開日】20110630
【審査請求日】2013年11月14日
(31)【優先権主張番号】TO2009A001010
(32)【優先日】2009年12月21日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】511022203
【氏名又は名称】シズベル テクノロジー エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】セリア、サヴェリオ
(72)【発明者】
【氏名】バロッカ、ジョヴァーニ
【審査官】 鍬 利孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−142692(JP,A)
【文献】 特開2002−176590(JP,A)
【文献】 特開2001−136443(JP,A)
【文献】 特開2000−059180(JP,A)
【文献】 特開2010−114707(JP,A)
【文献】 特開2008−016910(JP,A)
【文献】 特開2005−318152(JP,A)
【文献】 特開2003−219289(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0099654(US,A1)
【文献】 特開平11−205697(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/38−5/46
H04N 7/10,7/14−7/173,7/20−7/22
H04N 21/00−21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの異なる形式で、複数の無線テレビネットワークに属する無線テレビ信号を受信する受信機を自動的にプログラミングする方法であって、
前記複数の無線テレビネットワークのうちの、前記受信機により第1信号形式で受信可能な複数のプログラムを、第1テーブルに格納する段階と、
前記複数の無線テレビネットワークのうちの、前記受信機により第2信号形式で受信可能な複数のプログラムを、第2テーブルに格納する段階と、
記第1テーブルに格納されたプログラム及び前記第2テーブルに格納されたプログラムを、第3テーブルに格納する段階と
を備え
前記第3テーブルに格納する段階は、
前記第1テーブル及び前記第2テーブルの両方に格納された第1のプログラムが存在する場合、前記第2信号形式で受信された前記第1のプログラムを前記第3テーブルに格納し、前記第1テーブル及び前記第2テーブルの一方のみに格納された第2のプログラムが存在する場合、前記第2のプログラムを前記第3テーブルに格納する段階を含む、方法。
【請求項2】
前記第1信号形式は、前記複数の無線テレビネットワークの第1の複数のプログラムの第1ソート基準と関連付けられており、
前記第2信号形式は、前記複数の無線テレビネットワークの第2の複数のプログラムの第2ソート基準と関連付けられており、
前記第3テーブルに格納する段階は、前記第1ソート基準と前記第2ソート基準との間に存在する合致に基づいて、前記第1テーブルに格納されたプログラム及び前記第2テーブルに格納されたプログラムを、前記第3テーブルに格納する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1ソート基準及び前記第2ソート基準のうちの少なくとも一方が、優先順位とプログラムIDとの間の関連付けとして、前記受信機のメモリ領域に格納される請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記第1ソート基準及び前記第2ソート基準のうちの少なくとも一方が、前記複数の無線テレビネットワークと関連付けられた前記無線テレビ信号に含まれるデータから取得可能なIDである請求項又はに記載の方法。
【請求項5】
前記IDは、特定の地理的領域又は受信地域において受信可能な特定のプログラムに予め割り当てられた番号である請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記IDは、無線テレビプログラムと関連付けられ、無線テレビ放送局協会によって予め割り当てられたデータ、特に、サービス名及びネットワークIDの少なくとも一方を含む請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記優先順位は、特定の地理的領域又は受信地域において受信可能な前記複数のプログラムのサブセットに対して設定される請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記予め割り当てられた番号は、特定の地理的領域又は受信地域において受信可能な前記複数のプログラムのサブセットに対して設定される請求項5に記載の方法。
【請求項9】
適切な再生手段によって再生可能な無線テレビプログラム信号を抽出する段階を更に備え、
選択ユニットを介してユーザによって選択された場合に、選択された無線テレビプログラムを再生するべく、制御手段が、受信ユニットを介して前記無線テレビプログラムを選択し、処理手段を介して前記無線テレビプログラムを処理するのに必要な情報を、少なくとも前記第3テーブルが含む請求項1からの何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記方法が、前記制御手段によって実行可能なマイクロプログラムを介して実装される請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記受信機と接続される又は前記受信機内に設けられる可視化デバイスに、少なくとも前記第3テーブルを表示する段階を更に備える請求項1から10の何れか1項に記載の方法。
【請求項12】
ユーザが、少なくとも前記第3テーブルに含まれる前記複数のプログラムのソート順を再決定する段階を更に備える請求項11に記載の方法。
【請求項13】
無線テレビプログラムの選択は、前記第3テーブルの内容に基づいて、ユーザ選択ユニットを介して行われる請求項1から12の何れか1項に記載の方法。
【請求項14】
コンピュータに、請求項1から13の何れか1項に記載の方法を実行させるプログラム。
【請求項15】
少なくとも2つの異なる形式で、複数の無線テレビネットワークに属する無線テレビ信号を受信する受信機であって、
前記複数の無線テレビネットワークのうちの、前記受信機により第1信号形式で受信可能な複数のプログラムを、第1テーブルに格納する手段と、
前記複数の無線テレビネットワークのうちの、前記受信機により第2信号形式で受信可能な複数のプログラムを、第2テーブルに格納する手段と、
記第1テーブルに格納されたプログラム及び前記第2テーブルに格納されたプログラムを、第3テーブルに格納する手段と
を備え
前記第3テーブルに格納する手段は、
前記第1テーブル及び前記第2テーブルの両方に格納された第1のプログラムが存在する場合、前記第2信号形式で受信された前記第1のプログラムを前記第3テーブルに格納し、前記第1テーブル及び前記第2テーブルの一方のみに格納された第2のプログラムが存在する場合、前記第2のプログラムを前記第3テーブルに格納する手段を含む、受信機。
【請求項16】
前記第1信号形式は、前記複数の無線テレビネットワークの第1の複数のプログラムの第1ソート基準と関連付けられており、
前記第2信号形式は、前記複数の無線テレビネットワークの第2の複数のプログラムの第2ソート基準と関連付けられており、
前記第3テーブルに格納する手段は、前記第1ソート基準と前記第2ソート基準との間に存在する合致に基づいて、前記第1テーブルに格納されたプログラム及び前記第2テーブルに格納されたプログラムを、前記第3テーブルに格納する手段を含む、請求項15に記載の受信機。
【請求項17】
前記第1ソート基準及び前記第2ソート基準のうちの少なくとも一方が、優先順位とプログラムIDとの間の関連付けとして、前記受信機のメモリ領域に格納される請求項16に記載の受信機。
【請求項18】
前記第1ソート基準及び前記第2ソート基準のうちの少なくとも一方が、前記複数の無線テレビネットワークと関連付けられた前記無線テレビ信号に含まれるデータから取得可能なIDである請求項16又は17に記載の受信機。
【請求項19】
前記IDは、特定の地理的領域又は受信地域において受信可能な特定のプログラムに予め割り当てられた番号である請求項18に記載の受信機。
【請求項20】
前記IDは、無線テレビプログラムと関連付けられ、無線テレビ放送局協会によって予め割り当てられたデータ、特に、サービス名及びネットワークIDの少なくとも一方を含む請求項18に記載の受信機。
【請求項21】
前記優先順位は、特定の地理的領域又は受信地域において受信可能な前記複数のプログラムのサブセットに対して設定される請求項17に記載の受信機。
【請求項22】
前記予め割り当てられた番号は、特定の地理的領域又は受信地域において受信可能な前記複数のプログラムのサブセットに対して設定される請求項19に記載の受信機。
【請求項23】
適切な再生手段によって再生可能な無線テレビプログラム信号を抽出する手段を更に備え、
選択ユニットを介してユーザによって選択された場合に、選択された無線テレビプログラムを再生するべく、制御手段が、受信ユニットを介して前記無線テレビプログラムを選択し、処理手段を介して前記無線テレビプログラムを処理するのに必要な情報を、少なくとも前記第3テーブルが含む請求項15から22の何れか1項に記載の受信機。
【請求項24】
前記受信機と接続される又は前記受信機内に設けられる可視化デバイスに、少なくとも前記第3テーブルを表示するための情報を含むビデオ信号を生成する手段を更に備える請求項15から23の何れか1項に記載の受信機。
【請求項25】
ユーザが、少なくとも前記第3テーブルに含まれる前記複数のプログラムのソート順を再決定することを可能にする手段を更に備える請求項24に記載の受信機。
【請求項26】
無線テレビプログラムの選択は、前記第3テーブルの内容に基づいて、ユーザ選択ユニットを介して行われる請求項15から25の何れか1項に記載の受信機。
【請求項27】
受信チェーンの少なくとも1つの要素、特に、チューナ、復調器及びデコーダの少なくとも一方を、標準的な外部インターフェースポートを介して、信号処理ユニットと接続可能である請求項15から26の何れか1項に記載の受信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線テレビ信号を自動的にプログラミングする方法の分野に関し、より詳細には、少なくとも2つの異なる形式で無線テレビ信号を受信する受信機を自動的にプログラミングする方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
アナログテレビからデジタルテレビへの遷移又は切り替えに伴い、アナログテレビは次第に使用されなくなる傾向にある。欧州連合によれば、ヨーロッパではこの遷移期間が2012年に終了し、全てのテレビ局は、アナログ形式での放送を終了し、デジタル形式でのみ放送を行うことになっている。
【0003】
所定のプログラムのアナログからデジタルへの切り替えは、突然行われる。テレビ局は、特定のチャンネルにおいてアナログ形式での放送を停止し、アナログ局によって以前占有されていた同じチャンネルで、又は、別のチャンネルで、デジタル形式の放送を開始する予定となっている。
【0004】
切り替え期間では、デジタル信号の受信可能地域は一定の不連続性を有する場合がある。すなわち、ある地域ではプログラムがアナログ形式でのみ受信され、別の地域ではデジテル形式でのみ受信され、更に別の地域ではアナログ及びデジタル両方の形式で受信される場合が生じる可能性がある。
【0005】
デジタル無線テレビ放送で称される技術用語では、"サービス(service)"という言葉は通常、アナログの世界において"プログラム(program)"と称されるものを指すのに使用されている。そして、本明細書において、"プログラム"という言葉は、アナログプログラム及びデジタルサービスの両方を指すのに使用されている。
【0006】
市場で現在入手可能なテレビ受信機の一部は、デュアルチューナ(dual tuner)を備え、第1形式での無線テレビ信号、具体的にはアナログテレビ信号と、第2形式での無線テレビ信号、具体的にはデジタルテレビ信号との両方を受信することができる。
【0007】
一方で、無線テレビ受信機はその機能が広範になっており、TCP/IPプロトコルを使用して転送された無線テレビプログラムを受信可能であったり、また、好適な地上放送局又は衛星放送局が発信する電磁信号を介して無線テレビプログラムを受信可能である。
【0008】
本明細書において、"信号形式(signal format)"という言葉は、エンコーディング(例えば、MPEG2、MPEG4)及び配信(ケーブル、衛星、地上波、携帯、インターネット)形態における特定の構造的な特性を有する信号を指している。
【0009】
本明細書では、以下に列挙する様々な種類の無線テレビ信号形式を考慮している。PAL信号、SECAM信号、NTSC信号、DVB−T信号、DVB−T2信号、DVB−C信号、DVB−S信号、DVB−H信号、例えば、インターネットプロトコル(IP)を使用したパケット交換網におけるエンキャプスレート無線テレビ信号放送、及び、エンコーディング、トポロジー及び配信モードが異なる現在又は未来のその他の種類の信号が挙げられる。
【0010】
周知のように、市場で入手可能な無線テレビ信号受信機の多くは、無線テレビプログラムを自動的にプログラミングするシステムに適用するように設計されている。アナログ無線テレビ信号受信機は、例えば、欧州特許第0486988号特許に説明されているいわゆるATSSシステム(Automatic Tuning and Sorting System)を使用し、デジタル無線テレビ信号受信機は、論理チャンネル番号(logic channel number:LCN)に基づくシステムを採用している。
【0011】
以下"LCNコード"と称する論理チャネル番号は、無線テレビ放送局共同体によって、特定の地理的領域又は管轄区域において受信可能な特定のプログラムに対して割り当てられる番号である。
【0012】
ATSSシステムにより、アナログ信号のテレビ周波数帯において受信可能なプログラムの検索を自動的に行うプロセスを生成することが可能であり、更に、送信周波数とは関係なく、工場で設定される特定の受信地域、典型的には、州毎に設定されているユーザに共通の基準に基づいて規定の順番にプログラムをソートすることができる。
【0013】
一方、LCNは、様々な放送局によってデジタル地上波形式で放送されるプログラムを特定する数字のコードであり、受信したプログラムを、プログラムリストにおける所定の位置に自動的に割り当てる目的で、多くのデジタル地上波テレビが使用している。
【0014】
本明細書において使用されている"プログラムリスト又はテーブル"という言葉は、放送ソース及び使用される送信手段に関係なく、無線テレビ信号受信機がチャンネルを合わせることが可能な無線テレビプログラムのソートが行われたシーケンスを指しており、各プログラムは、キーパッド又はリモコンの特定の数字のキーと関連付けられており、ユーザが選択可能となっている。
【0015】
アナログからデジタルへの切り替え期間の間、すなわち、第1形式の無線テレビ信号から第2形式への無線テレビ信号への切り替えの際に、無線テレビ信号受信機に実装された無線テレビプログラムを自動的にプログラムするシステムは、異なる運命を辿るプログラムのリストを生成する。切り替え期間が進むと、アナログプログラムリストには空きの場所が多く発生し、一方で、デジタルプログラムリストには、空き場所が少なくなり、切り替えが完了するまでには、アナログプログラムリストは完全に空の状態となり、デジタルプログラムリストのみが使用されるようになる。
【0016】
近い将来、無線テレビプログラム放送が徐々にDVB−Tシステム、すなわち、第1形式のデジタル信号から、DVB−T2システム、すなわち、第2形式のデジタル信号へと同様に遷移することが予想される。
【0017】
この場合でも同様に、切り替え期間において、ある地理的領域では、同じ無線テレビ局に属している又は属していない(例えば、RAIUNO、RETE4)第1デジタル形式及び第2デジタル形式で同時に無線テレビ信号を受信することができ、2つの異なる無線テレビ信号形式で、同様なプログラムが存在する状態が予想される。
【0018】
米国特許出願第2007/0099654号明細書には、アナログチューナ及びデジタルチューナの両方を備え、アナログテレビ信号とデジタルテレビ信号の両方を受信可能なテレビ信号受信機が記載されている。この受信機は更に、テレビ局が放送するデジタル信号の論理チャンネル番号(LCN)に基づいてテーブルを生成する制御手段を備えている。
【0019】
論理チャンネル番号に基づくテーブルは、テレビ信号受信機によりメモリに格納され、受信機制御手段は、ユーザが選択したプログラム、例えば、BBC又はMTVを選択するべくテーブルを読み出すことができる。
【0020】
上記の米国特許出願公開公報に記載される方法は、テレビ受信機が受信可能なテレビ信号の周波数スペクトルをスキャンする間に実装され、次のような段階を備える。
論理チャンネル番号を有するデジタルテレビ信号が検出された場合には、関連付けられているプログラムが、プログラムテーブル内の論理チャンネル番号に対応する位置に割り当てられる。
論理チャンネル番号を有さないデジタルテレビ信号が検出された場合には、関連付けられているプログラムが、プログラムテーブル内の第1利用可能位置又は所定の位置の後の最初の利用可能位置に割り当てられる。
論理チャンネル番号を有するデジタルテレビ信号が検出されたが、配置する場所が既にアナログプログラムによって占有されている場合、関連付けられたデジタルプログラムはプログラムテーブル内の論理チャンネル番号に対応する位置に割り当てられ、アナログプログラムはテーブル内の次に最初に利用可能な位置に割り当てられる。
アナログテレビ信号が検出された場合には、関連付けられたプログラムは、プログラムテーブルで利用可能な最初の位置に割り当てられる。
【0021】
しかしながら、上記の米国特許出願公開公報に記載されたプログラムソートを行うと、その順番は、アナログテレビ信号が送信された順番に依存することになるので、ユーザが好まない場合がある。したがって、特定のプログラムを特定のリモコンキーと関連付けて覚えているユーザには、上記の米国特許出願公開公報の方法を使用してテレビ信号受信機によって生成された並び順を、理解できない場合がある。
【0022】
例えば、イタリアのユーザは、番号1のキーはRAIUNO、番号2のキーはRAIDUE、番号3のキーはRAITRE、番号4のキーはRETE4、番号5のキーはCANALE5、番号6のキーはITALIA1、番号7のキーはLA7というように、プログラムとキーの関連付けに慣れている。RAI2及びRETE4のみがデジタル形式で放送されるイタリアの地域では、上記の米国特許出願公開公報に記載されたテレビ信号受信機は、正確にRAI2を位置2に及びRETE4を位置4に配置すると考えられるが、例えば、LA7プログラムの送信周波数が、無線テレビ局に割り当てられた周波数チャンネルをスキャンする自動プロセスの間に最初にスキャンされたものである場合、LA7が最初の位置に配置されると考えられる。このようになると、ユーザは、一部の受信可能プログラムが特定の順番になっているにも関わらず、そうでないプログラムを手動で所望の順序になるようにチャネルに配置しなければならず、手間が掛かる。
【0023】
周知のように、特定のソート(仕分け)基準に従った無線テレビ信号受信機によって生成されたプログラムテーブルに含まれる無線テレビ局を組み合わせることにより、ユーザは、ユーザ自身の好みに合わせて望ましいプログラムのリスト又はテーブルを生成することができる。しかしながら、好みに合わせたプログラムテーブルは、様々な無線テレビプログラムテーブルに格納されているプログラムを1つ1つ手動で選択して構築しなければならないため、同じ操作を繰り返し行わなければならず時間が掛かる。
【0024】
更に、現在のデュアルチューナ受信機は、2つのチューナに関連付けられた2つのプログラムテーブルを備えるので、ユーザは、番号を覚えておく必要があるだけでなく、所望のプログラムが2つのプログラムテーブルのうちのどちらに格納されたかを覚えておく必要がある。現代の受信機は、一般的に2つのテーブルを切り替えるためのキーを備え、一のチューナから別のチューナへと切り替えるにはこのキーを押す必要があるため、切り替えに時間が掛かり、所望のプログラムを視聴するのに多くのキーを押す必要がある。
【0025】
本発明の教示は、この種の受信機にも適用可能であり、ユーザが無線テレビプログラムを選択する時に有益な効果をもたらす。同様に、ケーブル、衛星及び地上波配信ネットワークのような異なる送信媒体を介して配信される無線テレビプログラムを受信するよう構成された受信機デバイスについても本発明の教示が適用できる。
【0026】
この場合、無線テレビ信号の規格又は形式は、例えば、受信地域、送信周波数、変調及びエンコーディングの種類、送信チャンネル容量、地理的受信範囲、転送されるコンテンツ等の送信媒体の特性に適合されている。
【0027】
これは、受信する無線テレビ信号の種類毎に、特定の受信及びチューニング手段を受信機に備える必要があることを意味する。本発明に係るデバイス及び方法は、概して、このような場合に、格納されている無線テレビ局の順番又は配置を保存可能な統一されたプログラムテーブルを生成することができる。
【発明の概要】
【0028】
本発明の目的は、無線テレビ信号を受信及びチューニング可能な受信機を自動的にプログラミングする受信機及び方法であって、無線テレビプログラムが特定の受信地域におけるユーザの期待に従って配置される受信機及び方法を提供することである。
【0029】
また、本発明の更なる目的は、異なる信号形式で受信される無線テレビプログラムの統一されたテーブルをユーザが利用可能とすることであり、テーブルは、ユーザが手動で操作する必要なく、受信機により自動的に生成される。すなわち、本発明で記載される方法は、概して、複数のチューナが受信可能な無線テレビプログラムを含むプログラムテーブルの自動生成に基づく。
【0030】
本発明の方法では、受信機に含まれるチューナと関連付けられた初期プログラムリストを生成し、この初期プログラムリストから開始して、ユーザが無線テレビプログラムを選択し易いように初期テーブルに存在する一致を利用して統一プログラムテーブルを生成する。
【0031】
統一されたプログラムテーブルによれば、特に1つの信号形式でのみ、すなわち1つのチューナでのみ、無線テレビプログラムを受信した場合に即時の選択が可能となり、ユーザは、特定の無線テレビプログラムがどの形式で受信されたかを覚えておく必要がなく、1つのチューナに関連付けられたプログラムテーブルを切り替えるべくユーザ選択ユニットを操作する必要がない。
【0032】
また、本発明に係る方法及びデバイスによれば、特定の地理的領域又は受信地域のユーザの好みに合致した統一プログラムテーブルが自動的に生成されるので、ユーザは一連のわずらわしい手動での操作を行う必要がなくなる。
【0033】
本発明の更なる特徴については、本明細書の一部をなす添付の特許請求の範囲に記載される。
【0034】
上記の目的は、本発明に係るシステム及び方法の詳細な説明、及び、添付の図面を参照することにより、明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1a】第1及び第2無線テレビ信号受信機のブロック図である。
図1b】第1及び第2無線テレビ信号受信機のブロック図である。
図2】予め設定されるプログラムのリストを示した図である。
図3】プログラムIDとプログラムとの間の関連付けを示すテーブルを示した図である。
図4】少なくとも2つの異なる形式で無線テレビ信号を受信するよう構成された第1チューナ及び第2チューナを備える無線テレビ信号受信機を自動的にプログラミングする方法を示したフローチャートである。
図5】第1信号形式の無線テレビ信号の周波数スペクトルのスキャンの後に、無線テレビ信号受信機によって取得されるプログラムリストを示した図である。
図6】第2信号形式の無線テレビ信号の周波数スペクトルのスキャンの後に、無線テレビ信号受信機によって取得されるプログラムリストを示した図である。
図7】本発明に係る自動プログラミング方法を適用することにより、無線テレビ信号受信機によって取得されたプログラムリストを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1aには、例えば、テレビ局のような外部リソースによって送信される信号を受信する無線テレビ信号受信ユニット10、受信ユニット10によって受信された信号を処理する信号処理手段30、プログラムテーブル又はリストを格納するメモリ80、及び、受信ユニット10、処理手段30及びメモリ80の動作を制御する制御手段70を備える無線テレビ受信機1が示されている。
【0037】
無線テレビ信号受信機1はまた、例えば、スクリーン、プロジェクタ等の可視化デバイス50を備えてもよい。本発明の目的から、可視化デバイス50は、受信機1内に構築されていなくてもよいが、有線(SCART、HDMI、RCA−Cinch)又は無線の周知の接続手段によって受信機と接続可能とされている。本発明に係る方法は、可視化デバイス50の存在とは関係なく実装可能である。
【0038】
無線テレビ信号受信機1は、例えば、テレビ、セットトップボックス、ビデオレコーダ、携帯電話、無線テレビ受信機カードを備えるコンピュータ等である。
【0039】
受信ユニット10は、1以上のアンテナ(図示せず)から送信された信号を無線周波数信号として受信し、受信した信号を処理手段30に出力する。受信ユニット10は、利用可能な複数のアンテナのうち好適なアンテナを介して無線テレビ信号放送に波長を合わせ、例えばデジタル信号である第1信号形式に復調する第1チューナ11と、利用可能な複数のアンテナのうち好適なアンテナを介して無線テレビ信号放送に波長を合わせ、例えば、アナログ信号である第2信号形式に復調する第2チューナ15とを有する。
【0040】
第1チューナ11及び第2チューナ15は、制御手段70が発行するチューナ制御信号に従って、利用可能な複数のアンテナのうちの好適なアンテナによって受信されるデジタル無線テレビ信号及びアナログ無線テレビ信号にそれぞれ波長を合わせる。
【0041】
デジタル形式であり、第1チューナ11によって選択された信号放送は、トランスポートストリームとしてデマルチプレクサ31に適用される。デマルチプレクサ31は、トランスポートストリームからビデオ信号、オーディオ信号及びデータを抽出する。デコーダ33は、デマルチプレクサ31で分離された信号及びデータをデコードして、デコードした信号及びデータを信号処理ユニット37に出力する。デコーダ33は、トランスポートストリームから、含まれているプログラムのソート基準(例えば、LCNコード、サービス名、ネットワークID等)を決定するために使用される第1の情報を抽出する。
【0042】
信号変換ユニット35は、第2チューナ15によって選択された周波数チャンネルにおけるアナログ形式の信号放送を、処理ユニット37が処理可能なビデオ信号へと変換する。変換ユニット35はまた、無線テレビ信号から、例えば、無線テレビプログラムを特定するIDのような、信号に含まれるプログラムのソート基準を決定するのに使用される第2の情報を抽出することができる。例えば、欧州では、放送局からの要求に応じて、EBU(European Broadcasting Union:ヨーロッパ放送連合)は、無線テレビプログラムを一義的に特定することが可能となるCNI(Country and Network Identification:国及びネットワークID)及びVPS(Video Programming System)コードのリストを確立させた。
【0043】
プログラムユニット37は、入力されたビデオ信号を、可視化デバイス50に表示可能な形式へと変換する処理を行う。処理ユニット37は、可視化デバイス50に、信号変換ユニット35及びデコーダ33から受信したビデオ信号に対応する動画画像を表示させる。
【0044】
デコーダ33及び変換ユニット35は、受信された無線テレビ信号からオーディオ信号を抽出し、オーディを信号を再生することができる図示されていないオーディオ再生ユニットと関連付けることができる。図において現在では別個のブロックで実行されている機能は、将来的には1つの機能ブロックに統合されると予想されるが、そうであっても、本明細書に記載される発明に影響はない。
【0045】
ユーザ選択ユニット90は、ユーザの操作に応答して、制御手段70に信号を出力する。ユーザ選択ユニット90は、例えば、複数のキー、押しボタン、リモコン等様々な態様で実装されてもよく、ユーザが機能を選択し、コマンドを発行し、調節を行うことを可能にする。
【0046】
メモリ80は、予め定められたアナログプログラムのリストを格納する。メモリ80は、1以上の揮発性メモリ領域又は不揮発性メモリ領域から構成されていてもよい。予め定められたプログラムのリストは、好ましくは、プログラムの送信周波数とは関係のない所定の順番で、特定の受信地域、典型的には、州毎にユーザに共通の基準に基づいて工場で設定され、メモリ80の第1不揮発性メモリ領域に格納されたソート済みリスト95である。例えば、メモリ80に格納されているイタリアのプログラムリストの一形態例が、図2に示されている。ソート済みリスト95に含まれるプログラムの総数は、製造者が知り得る好み及び/又は地域で重要だと考えられる条件に応じて、国毎又は地域毎によって異なってもよい。したがって、例えば、ある製造者がLA7は常に7番の位置に配置するべきだと考えた場合、すなわち、イタリアのユーザのために7番の位置に優先的に配置するべきと考えた場合、LA7のIDコードをソート済みリスト95の7番目の位置に格納する。このように、7の位置が存在する場合には、プログラムLA7が、7の位置に格納される、又は、より優先順位の高い(7より小さい番号)別の6つの無線テレビプログラムの後に格納される。
【0047】
図2の所定のプログラムテーブルは、メモリ80に存在するデータ構造を表している。上記の構成は、当業者に周知の別の形式で物理的に実装することができ、例えば、情報技術分野で周知のデータ構造のように、1以上のデータフィールドからなる一連の項目が、ポインタによって順番に次の項目へと連鎖されていてもよい。
【0048】
同様に、位置又は優先順位情報は、様々な態様で実装されてもよい。最も基本的な態様は、所望の優先順位又は位置を高いものから順に整数値で表す方法であり、最も優先順位の高いプログラムは、値1に割り当てられ、次に高い優先順位を有するプログラムは、値2に割り当てられる。無論、優先順位を表すのに別の形式を採用してもよく、例えば、優先順位を高いものから順に表すのに、正の整数値又は負の整数値を減少順に使用してもよく、また、異なる国においては異なる優先順位範囲を割り当ててもよく、例えば、イタリアの無線テレビプログラムには1000から1999の優先順位値が割り当てられ、ドイツの無線テレビプログラムには2000から2999が割り当てられてもよい。
【0049】
これに替えて、無線テレビプログラムに割り当てられる優先順位情報は、メモリ80のメモリアドレスと関連付けられていてもよく、例えば、所定のアドレス範囲が、特定の国のために確保され、対応する無線テレビプログラムが優先順位の順番でその範囲内に格納されてもよい。この場合、最も高い優先順位を有するイタリアのプログラムRAIUNOは、所定のアドレス範囲内の1番目のメモリアドレスに格納され、次に高い優先順位を有するプログラムRAIDUEは、第2メモリアドレスに格納される。
【0050】
ソート済みテーブル又はリスト95の様々な実装形態に関しての上記の考察は、以下に説明するその他のプログラムテーブル全てに同様に適用可能である。ソート済みリスト95は、区別することなく、無線テレビ規制団体(例えば、EBU)によって割り当てられた無線テレビプログラムと関連付けられたIDコード、又は、受信機制御ユニット70に周知の形式のコードを参照可能なデータを含んでもよい。
【0051】
図3を参照して、イタリアの無線テレビ放送局のテーブルの一例について説明する。特定の論理チャンネル番号(LCN)のプログラムIDが、デジタル無線テレビで使用されるそれぞれのプログラムに対応している。このテーブルは、様々な無線テレビ放送局による互いの同意により規定されており、添付の図面では、最初の20個の位置のみが示されている。
【0052】
図4には、本発明に係る、少なくとも2つの異なる形式で無線テレビ信号を受信するよう構成された第1チューナ及び第2チューナを備える無線テレビ信号受信機を自動的にプログラミングする方法のフローチャートが示されている。
【0053】
段階100において、ユーザは、典型的にはユーザ選択ユニット90を介して、テレビ信号受信機1で受信されるプログラムの国及び/又は言語を選択する。
【0054】
選択オプション、すなわち、受信機が動作可能な国の選択肢は、受信機1と接続されている可視化デバイス50に表示可能である。典型的には、ユーザがユーザ選択ユニット90の特定のキーを押すことによって、選択肢がユーザがアクセス可能なメニューとして可視化デバイス50に表示される。ユーザが国を選択すると、テレビ信号受信機1がスキャンするべき周波数スペクトルが決定される。この段階は、受信機1が最初に設置される又はリセットされる時に実行されることが望ましいが、例えば、ユーザが異なる国に移動した時又は引っ越した場合等、特定のユーザの要求に応じて設置後に実行されてもよい。
【0055】
段階102において、受信機1は、アナログ形式の無線テレビ信号放送の周波数スペクトルをスキャンし、結果を、メモリ80に格納される第1テーブル200に配置する。上記のアナログテレビ信号スキャンの結果の一例が図5に示されている。テーブルには、選択ユニット90が選択可能なプログラムの位置と、受信機制御ユニット70がプログラム位置と関連付けられた無線テレビプログラムに波長を合わせ再生可能とする情報との間の単純な関連が示されている。このテーブルは、例えば、ソート済みリスト95によって決定される優先順位のような、第1ソート基準を使用して生成されている。受信機制御ユニット70は、無線テレビ信号に含まれるコードに基づいて、特定の無線テレビプログラムを認識することができ、第2チューナ15が次にこれらのプログラムに波長を合わせることを可能にするためのデータを対応するメモリセルに位置させることができる。
【0056】
段階104において、受信機は、デジタル形式の無線テレビ信号放送の周波数スペクトルをスキャンし、その結果が、予め定められる第2のソート基準、例えば、受信されたプログラムを搬送する無線テレビ信号に含まれるLCNコードに従って第2テーブル300に配置される。第2テーブル300は、メモリ80の第2メモリ領域に格納される。上記のデジタル無線テレビ信号スキャンの結果の一例が、図6に示されている。図2のテーブルと同様に、受信機制御ユニット70は、無線テレビ信号に含まれるデータに基づいて、第1チューナ11が次にこれらのプログラムに波長を合わせるのに必要なデータを、対応するメモリセルに位置させることができる。無論、段階102及び段階104は、相互に交換可能である。また、可能であれば、周波数又は周波数のサブセットのスキャンを並行して行ってもよい、すなわち、デジタル無線テレビ信号について所定の周波数チャンネルを先にスキャンし、次いでアナログ無線テレビ信号について所定の周波数チャンネルをスキャンする、又は、反対の順番でスキャンしてもよい。
【0057】
図5及び図6のテーブルは、一例に過ぎず、本特許出願を説明するのに使用されているだけである。これらテーブルは、いつスキャンが行われるか、及び、スキャンの間に受信機1が位置している地理的領域に応じて、変化する。また、本発明の目的から、図4及び図6のテーブルが取得される方法が重要ではないことは明らかである。
【0058】
第2テーブル300が生成される場合、受信機1はユーザに、LCNコードの重複が生じた場合にどのように対処するかを尋ねてもよい。すなわち、同じLCNコードを有するデジタル無線テレビプログラムの受信の後に、第2テーブル300内に発生する内部のコンフリクトをどのように解消するかを尋ねてもよい。ユーザには、例えば、衝突しているプログラムの名前(サービス名)のリスト及びそのLCNコード値が提示されてもよく、ユーザがコンフリクトをどのように解消するかを決定してもよい。これに替えて、例えば、衝突している2つのプログラムのサービス名のID、及び/又は、高精細画像又は標準画像が存在するか、受信された信号の強度、文字多重放送であるか等の無線テレビプログラムのコンテンツの特性を検証した後に、受信機1が自立的に決定してもよい。
【0059】
同じ無線テレビプログラム(例えば、RAIUNO)を含む2つ以上の無線テレビ信号が同時に存在することにより、アナログプログラムが重複する場合には、第1テーブル200の生成プロセスに、上記と同様な事項が適用され、第1テーブル200の第1グループに属するプログラムに高い優先順位が与えられる。この場合、受信機1は、RAIUNOという名前の2つのプログラムのうちどちらを第1テーブル200の位置1に割り当てるか、及び、もう一方をどの位置に割り当てるかを、例えば、信号強度に応じて又はユーザに指示を仰ぐことにより自立的に決定してもよい。
【0060】
本発明の目的において、コンフリクトをどのように解消するかは重要ではなく、どのプログラムが第3テーブル400を生成するのに使用されるかがコンフリクト解消の結果に依存することから、結果が重要である。
【0061】
図5のテーブルに列挙されているプログラムは、3つの異なるグループに分類することができる。図2のソート済みリスト95の所定のソートに従ってソートされた第1アナログテレビプログラム210(第1グループ)、図2の所定の順番に含まれない識別コードIDを有する第2アナログテレビプログラム220(第2グループ)、識別コードIDを有さず図2の所定の順番にも含まれない第3アナログテレビプログラム230(第3グループ)の3つのグループである。また、ソート済みリスト95によれば、プログラムRAIDUEが予め割り当てられるはずのプログラム215の位置2は、このプログラムがアナログ形式で放送されなくなる、又は、低い品質で受信されるために、受信機1が認識することができず、位置2が空のままになっている。
【0062】
図6のテーブルに示すように、列挙されているデジタルプログラムは、そのLCNコードに従ってソートされており、また、スキャンでLCNコード4又は5を有するデジタルチャンネルが発見されなかったことから、位置310及び320のように幾つか空いている位置が存在する。
【0063】
本発明に係る方法において、図7に示すように、第1アナログプログラムテーブル200と第2デジタルプログラムテーブル300との両方を利用する第3プログラムテーブル400を生成する。したがって、第3プログラムテーブル400は最適化されており、放送される信号形式がアナログかデジタルかに関わらず、その地域で視聴可能な無線テレビネットワーク局が格納されている。
【0064】
ソート済みリスト95のプログラムの順番が、LCNコードのデジタルプログラムへの割り当てに一致するような態様で、最適化を行うことが可能である。例えば、プログラムRAIUNOが、ソート済みリスト95の位置1にある場合、RAIUNOは、LCNコード1に割り当てられている。
【0065】
図4に戻り、段階106では、カウンタiが値1に設定される。
【0066】
段階108において、ソート済みリスト95のi番目の位置に対応する、第1テーブル200のi番目の位置及び第2テーブル300のi番目の位置の両方に格納されているテレビプログラムが存在するかを検証する。
【0067】
存在する場合には(図のフローチャートにおいて、下向きの矢印の出力はYESを表し、横方向の出力はNOを表している)、段階112において、(アナログ又はデジタルの)無線テレビ信号に対応するプログラムが、製造者によって予め規定される規則又は優先順位、若しくは、第3テーブル400を生成する前にユーザによって予め設定された又は再規定される規則又は優先順位に従って、第3テーブル400のi番目の位置に格納される。
【0068】
例えば、初期設定ルールでは、アナログ信号よりもデジタル信号のほうが優先度が高くてもよいが、ユーザは、特定のメニューにおいてこのオプションを変更してもよく、このようなケースが発生した場合に受信機1による問い合わせに応答してオプションが変更されてもよい。
【0069】
段階108において実行された検証の結果がNoであった場合、段階110において、ソートリスト95のi番目の位置に対応する第1テーブル200又は第2テーブル300に1つの無線テレビプログラムのみが存在するかの検証が行われる。1つのプログラムのみが存在する場合には、段階114において、検出された無線テレビ信号に対応するプログラムが、第3テーブル400のi番目の位置に格納される。
【0070】
i番目の位置に格納するプログラムが存在しない(段階115)場合には、第1テーブル200の第2グループに属するプログラムを入力する、又は、ユーザに空いている位置にどのプログラムを格納したいか問い合わせる等の、製造者が予め設定するアクションを受信機1が実行してもよい。
【0071】
第3テーブル400のi番目の位置とプログラムとの間の関連付けは、例えば、第1テーブル200又は第2テーブル300のi番目の位置に対するポインタによって行われる、又は、ユーザがユーザ選択ユニット90のi番目のキーを押した場合に再生されるプログラムを選択する又は受信機によって再生されるべきプログラムの番号を、ユーザが昇順又は降順で次々に切り替えるべくキーを使用する場合に、受信ユニット10及び処理手段30が必要とする全ての情報と、受信機1のi番目のプログラム位置とを関連付けることによって行われてもよい。
【0072】
各無線テレビプログラムに対するポインタを使用する場合の本発明の実施形態では、第1テーブル200及び第2テーブル300は、受信ユニット10が必要とする情報及び処理手段30が必要とする情報を含んでもよい、又は、これら情報と関連付けられていてもよく、それにより、関連付けられた画像を可視化デバイス50に表示し、関連付けられた音声信号を再生することができる。ユーザが、ユニット90を使用して選択を行う場合、制御ユニット70は、第3テーブル400、第1テーブル200及び第2テーブル300のコンテンツから、ユーザが選択したプログラムを再生するのに必要な全ての情報を取得することができる。
【0073】
このような情報として、典型的には、アナログ無線テレビプログラムの場合、動画及び/又は音声搬送波信号の周波数のようなチューニング情報、デジタル無線テレビプログラムの場合、トランスポートストリームの送信チャンネル周波数、及び、受信されたトランスポートストリームからプログラムを抽出するのに必要なIDが含まれる。
【0074】
これに替えて、本発明の別の実施形態では、ユーザが選択ユニット90を操作することによって選択した無線テレビプログラムを再生可能とするべく受信機制御ユニット70が必要とする全ての情報を、第3テーブル400が有していていもよい。この場合、第3テーブル400が適切に生成され、ユーザが次の選択のために第3テーブル400を起動することを受信機1に確認した後は、第1テーブル200及び第2テーブル300を無視する又はメモリから削除することができる。
【0075】
本発明に係る方法は、段階116において、カウンタiが1単位分インクリメントされる。
【0076】
段階118において、カウンタiが、ソート済みリスト95の最後の位置を表す値Nを超えたかを検証する。超えていない場合、プロセスは段階108に戻って再開し、超えていた場合には、段階120に進み、第2テーブル300のi番目の位置に無線テレビプログラムが格納されているかの検証が行われる。
【0077】
プログラムが格納されている場合、段階122において、デジタル無線テレビ信号に対応するプログラムが第3テーブル400のi番目の位置に格納され、格納されていない場合には、段階124に進みカウンタiが1単位分インクリメントされる。
【0078】
段階126において、カウンタiが、第2テーブル300の最後のデジタルプログラムの位置を表す値Dよりも大きいか否かが検証される。
【0079】
大きくなかった場合、プロセスは段階120に戻って再開され、大きかった場合には、段階128において、好ましくは、段階115において空の位置に既に入力された第2グループ220のプログラムを除いて、第1テーブル200の第2グループ220及び第3グループ230に属するプログラムを、最後のデジタルプログラムが格納された後に、第3テーブル400の待ち行列に入れられる。これに替えて、第2グループ220及び第3グループ230に属するプログラムは、第2テーブル300の空き位置から導出される第3テーブル400の空き位置を満たすのに使用されてもよい。
【0080】
段階128が実行されると、第3テーブル400に既に入力されたプログラムが再び入力されないように設定することができる。ユーザが第3テーブル400から重複を取り除く要求を行った場合には、この対策よりもその要求が優先される。
【0081】
プロセスは、段階130で終了する。
【0082】
上記の説明により、本発明に係る方法の実行は、第1テーブル200、第2テーブル300及び第3テーブル400が、無線テレビプログラムの優先順位又はソート基準に関する情報、及び、プログラム自体を特定する情報を含むことは明らかである。これは、これらのテーブルが、ユーザが選択した無線テレビプログラム(動画、音声、文字多重放送等)を再生するべく、制御ユニット70が、直接的又は間接的に受信ユニット10及び処理手段30を適切に制御することを可能とするような動作パラメータを含むべきであることを意味する。このような情報として、例えば、起動されるチューナ11、15の種類、ビデオ搬送周波数、プログラムを搬送するデジタル多重化の中心周波数、無線テレビプログラムと関連付けられたデジタルサービスのID、プログラムのLCNコード等が含まれてもよい。
【0083】
一部のケース又はあるプログラムの場合、このプログラムを特定する情報は、例えば、放送局協会によって取り決められた同意事項に従って、ソート基準自体に黙示的に含まれる又は固有であってもよい。例えば、LCNが1(ソート基準)であるイタリアの無線テレビプログラムはRAIUNO(識別情報)と称されるプログラムであるであるが、これは、イタリア放送協会がLCN1にはプログラムRAIUNOに割り当てると決定していることによる。この情報は受信機に伝えられ、受信機はこの情報を、第1テーブル200、第2テーブル300及び第3テーブル400が占めるメモリの容量を最低限にするのに利用し、また、第1テーブル200と第2テーブル300とに含まれるソート基準の間の対応関係を検証するのに利用する。
【0084】
受信機1が最初にスイッチオンとされた時に、任意のプロセス段階の前であっても、又は、必要に応じて第1テーブル200及び第2テーブル300が生成された後であっても、ユーザに、本発明に係る方法を実行できる可能性が提供されることが有用であると考えられる。
【0085】
第3テーブル400が、可視化デバイス上に任意のグラフィック形式、例えば、ソート済みリストとしてユーザに提示されると、ユーザが、本発明に係る方法の結果を理解することが可能となるため有用である。
【0086】
また、この表示の間、又は、ユーザのリクエストの取り消しが行われた後に、ユーザが、第3テーブル400に調整又は変更を加えることが可能であることが望ましい。特に、受信機1が動作状態である時に、ユーザが、例えば、ソート順番又はリストにおいてプログラムに印をつけるためのラベルを再決定してもよく、例えば、選択ユニットを介して選択された後に、スクリーン上で特定されるプログラムの名前を修正してもよい(例えば、"RAIUNO"を"RAI 1"とする)。
【0087】
第3テーブル400は、不揮発性メモリ領域に格納されてもよく、停電があっても保存されているので、ユーザは上記の方法を再度実行する必要がない。いずれにせよ、ユーザが、必要である又は有用であると考える時にはいつでも、テーブル400を生成する方法全体を実行可能とすることは有益である。
【0088】
方法全体を、例えば、完全に自動化した態様で、すなわち、ユーザの介入なく実行することもできる。例えば、最初に受信機1の電源が投入されると、ユーザからのリクエストなしに、上記で説明した方法の実行が開始されてもよい。ただし、ユーザには、ユーザが属する国又は地理的領域の設定又変更の選択肢が与えられてもよい。上記プロセスの全ての段階又は大部分の段階を、初期設定モード、すなわち、製造者が工場で設定した設定に従って、実行することができる。
【0089】
また、規則的な間隔で、例えば、夜に受信機が非動作状態又はスタンバイ状態とされる時に受信機が第3テーブル400を生成するプロセスを実行してもよく、受信地域における無線テレビプログラムの追加又は移行があれば、テーブルを更新することができる。この場合、受信機1は、本発明に係る方法を最後に呼び出した時にユーザが選択した設定を格納しておき、ユーザに問い合わせを行うことなく同様に実行してもよい。
【0090】
これに替えて、方法の実行の様々な段階において、ユーザに問い合わせを行ってもよく、又は、プロセスの段階をどのように実行すべきかを半自動的に規定してもよい。このようなリクエストがなされる場合、ユーザは、ユーザの回答が初期設定となるように規定する選択肢を有してもよい、すなわち、ユーザの回答に従って方法が実行され、受信機1は、再び方法が実行される時にこの点に関してユーザの指示を仰がない。その他の異なる態様が採用されてもよい。
【0091】
本発明に係る方法は、不揮発性の態様で格納され、マイクロプロセッサによって実行可能なマイクロプログラム又はファームウェアの形式で提供されることにより、受信機1内に実装されてもよい。
【0092】
無線テレビプログラムをソートする基準は、任意の地域において時間の経過と共に変化してもよく、この場合、受信機1に格納された基準を、自身のチューナを介して受信機で受信可能な無線テレビ信号を使用してリモートに更新できる構成が有用である。
【0093】
第3テーブル400を生成するために、第1テーブル200及び第2テーブル300が中間の段階として生成され、これらテーブルは、揮発性又は不揮発性メモリ領域に格納することができる。
【0094】
ユーザは、第1テーブル200及び第2テーブル300をメモリに保持するかの選択可能であってもよい、より一般的には、ユーザが選択ユニット70を介して発行したコマンドの結果として、どのプログラムテーブルに対してアクションが行われるかを決定可能であってもよい。
【0095】
例えば、受信機1に組み込まれている又は接続されている可視化デバイス50に第3テーブル400を表示している間に、表示されている第3テーブル400を起動させるべきかをユーザに尋ねて、選択ユニット90による次の無線テレビプログラムの選択が、第3テーブル400に従って行われるようにしてもよい。
【0096】
選択の段階は、例えば、いわゆるザッピング(zapping)によって行われてもよい。すなわち、チューニングするべきプログラム番号を1ずつインクリメント又はデクリメントさせて、アクティブ状態のプログラムの番号を特定のキーを使用してインクリメントする又はデクリメントさせることによりプログラムを次々と表示させてもよい、若しくは、直接所望のプログラムを呼び出すべく、1桁又は2桁の番号の対応するキーを押すことによってプログラムを次々と表示させてもよい。
【0097】
以下の章では、制御ユニット70は、選択されたプログラムの番号を検証し、第3テーブル400を検索して再生すべき無線テレビプログラムを探し、例えば、プログラムを選択するのに受信ユニット10及び処理手段30が必要とする情報を読み出し、可視化デバイス50を介して動画を、オーディオ再生ユニット(図1aには示されていない)介して音声を適切に再生する。
【0098】
図7のテーブル400に示すように、例えば、ユーザがプログラム番号をインクリメントするザッピングキーを押してプログラム番号4を選択し、受信機が無線テレビプログラムRAITREにチャンネルを合わせ再生したと仮定する。この場合、制御ユニット70は、位置4と関連付けられている無線テレビプログラムがデジタルプログラムRETE4であると第3テーブル400で確認する。この時、ユーザ所望のプログラムを再生するのに必要なデータを第3テーブル400から、方法の具体的な実装形態に応じて直接的又は間接的に、取得することができる。データ取得の態様としては、第3テーブル400が、第1テーブル200及び第2テーブル300のデータを指すポインタを含み、このポインタは、ユーザが選択したプログラムを再生するのに受信機1が必要とする情報を含んでいることからポインタを消去不可能とする。本発明の第2実施形態では、このような情報は、第3テーブル400に転送され、このような情報が一体的に格納される。この情報は、どのチューナ11、15を起動させるべきかを確立するのに必要なデータ、及び、チューナ11、15の操作パラメータ及びダウンストリーム機能ユニットの操作パラメータが含まれ、ダウンストリーム機能ユニットとしては、可視化デバイス50、オーディオ再生手段等によって選択されるプログラムを選択、抽出及び再生するのに必要な処理手段30が含まれる。
【0099】
本発明の更なる実施形態では、無線テレビ信号受信機によって受信された無線テレビ信号は、両方ともデジタルであるが、異なる2つの信号形式を有する。一例として、デジタル地上波信号と衛星無線テレビ信号を受信するように構成された受信機1'を自動的にプログラミングする方法について説明する。
【0100】
第1実施形態の受信機1と比較して、図1bに示される受信機1'は、アナログチューナ15及び受信機1の変換ユニット35の替わりに、デジタルチューナ15'、デマルチプレクサ31'及びデコーダ33'を備えるデジタル衛星信号のための受信チェーンを有する。その他のブロック全てについては、受信機1を参照して説明した構成と同じである。
【0101】
単純化のために、以下では、それぞれが自身のチューナを含む2つの別個の受信チェーンを備える受信機の場合について説明が行われるが、本発明の方法は、受信機が1つのハイブリッドチューナを有する、すなわち、少なくとも2つの異なる形式で無線テレビ信号を受信及びチューニング可能なチューナを有する場合にも実装可能である。
【0102】
図4に示すように、方法が段階100から開始する。
【0103】
段階102において、受信機1'は、例えば、選択された設置地域の関数として選択される周波数帯域及びチャンネルに従って、デジタル地上波形式に割り当てられた周波数スペクトルの第1スキャンを実行し、特定されたプログラムのリストを第1テーブル200に格納する。
【0104】
段階104において、受信機1'は、例えば、設置地域の設定、放送衛星の種類及び特性に基づいて、特定される周波数帯及びチャンネルに従って、デジタル衛星形成期に割り当てられた周波数スペクトルのスキャンを実行する。
【0105】
スキャンの結果は、第2テーブル300に格納される。
【0106】
この時点で、本発明に係るプログラムの統一リスト、又は、第3テーブル400が生成される。
【0107】
方法は、本発明の第1実施形態に関して説明されたものとほぼ同じであるが、受信されたプログラムのソート基準を決定するのに使用される情報が異なる。例えば、チューナ11、15'によって受信された無線テレビプログラムが、同じプログラムに対する同じLCNコードを含む場合には、受信機1'は、第1テーブル200及び第2テーブル300から開始して、第3テーブル400を生成するためにこのようなLCNコードを使用することができる。
【0108】
特に、衛星ブーケが、例え一部であっても、デジタル地上波ネットワークで利用可能な信号の複製である場合に(例えば、衛星放送が、地上波ネットワークを介して利用可能な受信可能範囲と相互作用するのに使用される場合)、この第2実施形態が有益であり、この場合、1つの特定のプログラムを特定するLCNコードは、両方のプラットフォームで同一とされている。
【0109】
また、受信された無線テレビ信号がケーブル又はIPネットワーク上で転送される場合、又は、受信機が少なくとも2つのチューナを備える場合(例えば、アナログ受信機と3つのDVB−T、DVB−C及びDVB−Sデジタル受信機と一体化されているテレビ受信機が既に市場で利用可能である場合)にも、同じ考え方が適用できる。
【0110】
同じ送信媒体上で、異なる世代の送信規格に準拠する(例えば、DVB−T及びDVB−T2、DVB−S及びDVB−S2、DVB−C及びDVB−C2)無線テレビ信号を受信及びチューニング可能な無線テレビ信号受信機は、無線テレビ信号の各世代に対する特定の受信及びチューニング手段を備える。
【0111】
2つの無線テレビ受信チェーンを備える受信機を参照して発明が説明された。しかしながら、3つ以上の無線テレビ受信チェーンを有する受信機に対しても、当業者にとって周知の適用を行うだけで、本発明を容易に適用することができることは明らかである。
【0112】
本発明はまた、チューナ及び/又は処理手段及び/又は機能ブロックのうちの少なくとも1つが受信機内に構築されておらず、受信機に付加されている又は接続され、工場から出荷された後又は小売業者によって販売された後は、取り外し可能となっている場合についても適用可能である。例えば、1つのチューナを有する無線テレビプログラム受信機を、モジュラー電子カードを受信機の筐体に差し込むことによって、ハイブリッド受信機、若しくは、ハイブリッド又マルチチューニング受信機へと変換することができる。これに替えて、チューナ及び復調器を有する外付け受信デバイスを購入して、SCARTポート又はUSBポートのような規格化された外部インターフェースポートを介して1つのチューナ受信機と容易に接続することができ、受信機を、例えば、デジタル地上は信号又は衛星信号のような更なる無線テレビプログラムを受信可能なユニットに変換することができる。
【0113】
この場合、制御ユニットは、更なる受信チェーンの存在を検出し、本発明に係る方法をイネーブルすることができ、したがって、例えば、最初の構成がチューナを1つのみ含む場合であっても、第1テーブル200だけでなく、第2テーブル300及び第3テーブル400を生成することができる。
【0114】
発明はまた、受信ユニット及び処理手段の機能ブロックが、受信機の1以上の受信チェーンに共通である場合にも適用可能である。例えば、本発明を、DVB−T信号をデコード可能なデコーダを備えるDVB−T2受信機に適用してもよい。
【0115】
本明細書に例示して説明された、少なくとも2つの異なる形式で無線テレビ信号を受信可能な受信機を自動的にプログラムする方法及びその受信機は、本発明の概念及び精神から逸脱することなく多くの変形が考えられ、本発明の具体的な実装では、例示された詳細とは、異なる形状を有してもよく、また、その他の技術的に等価な要素に置き換えられてもよい。
【0116】
例えば、第1実施形態の変形例では、ソート済みリスト95に1列を追加して、例えば、サービス名又はネットワークIDのようなデジタルプログラムのソート基準を決定するのに有用な第2の情報を入力してもよい。この場合、ソート済みリスト95におけるLCNコードと関連付けられたプログラムの位置とLCNコードとの間の対応関係を検証する必要がなくなる。
【0117】
例えば、第2の実施形態の変形例において、同じプログラムに対するLCNコードは、無線テレビ信号がどのように搬送されるかに応じて、又は、プログラム配信者に応じて異なっていていてもよく、これは例えば、衛星無線テレビオペレータが、LCNコードの再配信されたプログラムに対する割り当てを再規定できるからである。
【0118】
この場合、ソート済みリスト95は、LCNコードとは異なり、受信可能プログラムの無線テレビ信号に含まれるIDを含む。このIDは、例えば、"サービス名"のフィールド又は"ネットワークID"のフィールドによって表されてもよい。
【0119】
この場合、第1テーブル200及び第2テーブル300にスキャンの結果が投入されると、無線テレビ信号により搬送されるプログラムのIDと、ソート済みリスト95に格納されているIDとの間の対応関係を検証することにより、第3テーブル400を生成できる。これは、2つのチューナによって受信され、デジタル無線テレビプログラムを特定する、例えば、サービス名及びネットワークIDのようなその他のデータを、第1テーブル200及び第2テーブル300に更に格納しなければならないことを暗に意味する。
【0120】
IDが、"サービス名"フィールドのコンテンツである場合、第1テーブル200のプログラム名と第2テーブル300のプログラム名との間の一致を探す検索を、周知の及びその他のアプリケーションで広く使用されているインテリジェントアルゴリズムイよって実行することができ、例えば、"Rai Due"、"Rai 2"、RAIDUE e "RAI due"のように部分的に異なる表現を共に関連付けることができる。
【0121】
したがって、本発明は、少なくとも2つの異なる形式で無線テレビ信号を受信可能な受信機を自動的にプログラミングする上記の方法及び関連する受信機に限定されず、添付の特許請求の範囲に明確に規定される本発明の概念の範囲内において、数多くの変形、改良又は代替構成が考え得る。
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
図6
図7