【実施例】
【0027】
図1(平面図),
図2(底面図)及び
図3(
図1における III−III 線断面を示す断面図)は、本願発明に係る同軸コネクタ装置の一例を、それが一端部に装着された同軸ケーブルの一例と共に示す。
【0028】
図1〜
図3に示される本願発明に係る同軸コネクタ装置の一例を成す同軸コネクタ装置10は、同軸ケーブル11の一端部に装着されており、同軸ケーブル11は、中心導体12と、中心導体12を密着包囲する内部絶縁体13と、内部絶縁体13を密着包囲する外側導体14と、外側導体14を密着包囲する表皮絶縁体15とを有している。斯かる同軸ケーブル11の一端部においては、表皮絶縁体15が部分的に切除されて外側導体14が露出するとともに、その外側導体14及び内部絶縁体13の夫々が部分的に切除されて中心導体12が露出する状態におかれている。
【0029】
同軸コネクタ装置10は、主要構成要素として、導電性材料により形成されて、同軸ケーブル11の中心導体12との電気的接続がなされるコンタクト部材20と、導電性材料により形成されて、同軸ケーブル11の外側導体14との電気的接続がなされるグラウンドコンタクト部材21と、合成樹脂材等の絶縁材料により形成されて、コンタクト部材20とグラウンドコンタクト部材21とを相互絶縁状態をもって支持する絶縁ハウジング部材22とを備えている。
【0030】
絶縁ハウジング部材22は、外周面23が円錐筒面状を成すものとされ、中央部に矩形透孔24が形成されるとともに、矩形透孔24に連なる内部空間が形成された基部25を有しており、基部25は、コンタクト部材20を保持している。また、グラウンドコンタクト部材21が、絶縁ハウジング部材22の基部25を包囲する環状嵌合部26を有している。そして、これら絶縁ハウジング部材22の基部25とグラウンドコンタクト部材21の環状嵌合部26とは、同軸コネクタ装置10における嵌合連結部を構成しており、同軸ケーブル11の一端部に装着された同軸コネクタ装置10は、斯かる嵌合連結部をもって、相手方同軸コネクタ装置に嵌合連結される。
【0031】
図4(上面側から見た斜視図)及び
図5(底面側から見た斜視図)は、同軸コネクタ装置10が嵌合連結される相手方同軸コネクタ装置の一例を成す相手方同軸コネクタ装置30を示す。相手方同軸コネクタ装置30は、回路基板(図示が省略されている。)に固定されるものとされており、合成樹脂材等の絶縁材料により形成されて、相手方同軸コネクタ装置30が固定される回路基板の部品等搭載面上に配される絶縁基体31を備えている。絶縁基体31は、相手方同軸コネクタ装置30が固定される回路基板の部品等搭載面に対接する底面側部分32とそれに対向する上面側部分33とを有しており、その中央部分に、底面側部分32と上面側部分33とを連通する透孔(図には現われていない。)が形成されている。
【0032】
また、相手方同軸コネクタ装置30は、導電材料により形成され、絶縁基体31の中央部分に形成された透孔を底面側部分32側から上面側部分33側へと貫通して、絶縁基体31に組み付けられる信号用接触導体34を備えている。信号用接触導体34には、絶縁基体31において底面側部分32側から透孔を貫通して上面側部分33側へと伸びる円柱状部を成す中心コンタクト35と、絶縁基体31の底面側部分32において中心コンタクト35から絶縁基体31の外部へと伸びる信号用接続部36とが設けられている。中心コンタクト35は、相手方同軸コネクタ装置30に嵌合連結される同軸コネクタ装置10におけるコンタクト部材20が接触接続されるものとされ、信号用接続部36は、絶縁基体31が配される部品等搭載面を有する回路基板に設けられた信号端子に、例えば、半田付けにより接続される。
【0033】
さらに、相手方同軸コネクタ装置30は、導電材料により形成され、絶縁基体31の上面側部分33側において、中心コンタクト35を、絶縁基体31が配される回路基板の部品等搭載面に沿って包囲する環状体を成すものとして、絶縁基体31に組み付けられた外側コンタクト37を備えている。外側コンタクト37には、それから絶縁基体31を貫通して絶縁基体31の底面側部分32側及び絶縁基体31の外部へと伸びる接地用接続部38が設けられている。外側コンタクト37は、相手方同軸コネクタ装置30に嵌合連結される同軸コネクタ装置10におけるグラウンドコンタクト部材21の環状嵌合部26が嵌合接続されるものとされ、接地用接続部38は、絶縁基体31が配される部品等搭載面を有する回路基板に設けられた接地端子に、例えば、半田付けにより接続される。なお、信号用接触導体34及び外側コンタクト37の絶縁基体31への組み付けは、例えば、インサート成形による一体組付けとしてもよい。
【0034】
同軸コネクタ装置10が備える絶縁ハウジング部材22は、
図6,
図7及び
図8に示されるように、基部25に加えて、基部25の一端から折曲可能に伸び、折り曲げられたときコンタクト部材20に当接するものとされる折曲当接部40と、基部25から伸び、グラウンドコンタクト部材21の環状嵌合部26にその内側から係合してグラウンドコンタクト部材21を保持する保持部41とを有している。折曲当接部40は、全体として平板状部を成すものとされており、また、保持部41には、グラウンドコンタクト部材21の環状嵌合部26に
連なる部分に設けられた切欠き26a(
図9)に挿入される突起部41aが設けられている。
【0035】
また、同軸コネクタ装置10が備えるグラウンドコンタクト部材21にあっては、
図9及び
図10に示されるように、環状嵌合部26に
連なる部分に、絶縁ハウジング部材22の保持部41に設けられた突起部41aが挿入される切欠き26aが設けられている。そして、グラウンドコンタクト部材21は、環状嵌合部26に加えて、環状嵌合部26の一端から折曲可能に伸び、折り曲げられるとき、それに伴って絶縁ハウジング部材22の折曲当接部40を折り曲げるとともに、中心導体12がコンタクト部材20に接続された同軸ケーブル11の外側導体14との接続がなされることになるシェル部44と、環状嵌合部26から伸びて、中心導体12がコンタクト部材20に接続された同軸ケーブル11の外側導体14に接触して当該同軸ケーブル11を支持するケーブル支持部45とを有している。シェル部44は、それに沿って絶縁ハウジング部材22における折曲当接部40が伸びることになるものとされている。
【0036】
そして、シェル部44には、折り曲げられて、ケーブル支持部45に係合することになる一対の第1の折曲係合部46、及び、折り曲げられて、中心導体12がコンタクト部材20に接続された同軸ケーブル11の表皮絶縁体15に係合することになる一対の第2の折曲係合部47が設けられている。また、ケーブル支持部45の同軸ケーブル11の外側導体14に接触する内側部分には、複数の帯状突起45aが互いに平行に伸びるように設けられており、それにより、ケーブル支持部45の同軸ケーブル11の外側導体14との接触接続が確実に行われることになる。
【0037】
さらに、同軸コネクタ装置10が備えるコンタクト部材20は、
図11,
図12及び
図13に示されるように、絶縁ハウジング部材22における基部25に固定される固定部50と、同軸ケーブル11の中心導体12が接続される中心導体接続部51と、相手方同軸コネクタ装置30の中心コンタクト35に接触接続される接触係合部52とを有して構成されている。コンタクト部材20の固定部50には、係合突起部53が設けられており、この係合突起部53は、絶縁ハウジング部材22における基部25に矩形透孔24に隣接して形成された係合孔54に係合し、それにより、固定部50が絶縁ハウジング部材22における基部25に固定される。その際、コンタクト部材20の接触係合部52は、絶縁ハウジング部材22の基部25における矩形透孔24に連なる内部空間内に配される。
【0038】
また、コンタクト部材20の中心導体接続部51は、固定部50の一端部から伸びる固定平板状部55と、固定平板状部55から屈曲部56を介して折り返すように伸びる可動平板状部57とを有して構成されている。可動平板状部57は、屈曲部56を揺動支点として、固定平板状部55に近接する方向及び固定平板状部55から離隔する方向に弾性揺動可能とされており、可動平板状部57が固定平板状部55に近接する位置をとるものとされて、同軸ケーブル11の中心導体12が固定平板状部55と可動平板状部56とによって挟持され、それにより、コンタクト部材20の中心導体接続部51に同軸ケーブル11の中心導体12が接続された状態がとられる。
【0039】
さらに、コンタクト部材20の接触係合部52は、固定部50から相互対向して突出する一対の湾曲弾性腕状部58及び59を有して構成されている。一対の湾曲弾性腕状部58及び59は、固定部50からの突出長が実質的に等長とされており、湾曲弾性腕状部58の自由端に係合凹部60が形成されているとともに、湾曲弾性腕状部59の自由端に係合凸部61が形成されていて、湾曲弾性腕状部58の自由端に形成された係合凹部60と湾曲弾性腕状部59の自由端に形成されたは係合凸部61とが相互係合せしめられることにより、弾性変形可能な環状体を形成している。斯かる弾性変形可能な環状体を形成する一対の湾曲弾性腕状部58及び59は、環状体を形成したもとで、相互に近接する方向及び相互に離隔する方向の弾性変位が可能とされている。そして、接触係合部52が有する一対の湾曲弾性腕状部58及び59が形成する弾性変形可能な環状体は、相手方同軸コネクタ装置30の中心コンタクト35に嵌合し、当該中心コンタクト35との接触接続状態をとる。
【0040】
なお、接触係合部52が有する一対の湾曲弾性腕状部58及び59は、湾曲弾性腕状部58の自由端に、係合凹部60に代えて、係合凸部が形成されるとともに、湾曲弾性腕状部59の自由端に、係合凸部61に代えて、係合凹部が形成されたものとされてもよい。
【0041】
このような固定部50,中心導体接続部51及び接触係合部52を有したコンタクト部材20は、例えば、弾性金属板材に打抜き折曲げ加工が施されることにより一体的に形成される。そして、コンタクト部材20が、その中心導体接続部51に同軸ケーブル11の中心導体12が接続されて、グラウンドコンタクト部材21と共に、絶縁ハウジング部材22により支持された状態がとられる際には、コンタクト部材20の接触係合部52が、絶縁ハウジング部材22の基部25における矩形透孔24に連なる内部空間内に配され、従って、グラウンドコンタクト部材21の環状嵌合部26の内側に配されるとともに、同軸ケーブル11の中心導体12が接続されたコンタクト部材20の中心導体接続部51が、絶縁ハウジング部材22の基部25の外部となるグラウンドコンタクト部材21の環状嵌合部26の外側において接触係合部52に近接して配される。
【0042】
上述の
図11〜
図13に示されるコンタクト部材20と
図9及び
図10に示されるグラウンドコンタクト部材21とが、
図6〜
図8に示される絶縁ハウジング部材22によって相互絶縁状態とされて支持されることにより、同軸コネクタ装置10が、
図14,
図15及び
図16に示されるように組み立てられる。このような
図14〜
図16に示される同軸コネクタ装置10の組立は、例えば、次のようにしてなされる。
【0043】
先ず、コンタクト部材20が、その固定部50に設けられた係合突起部53が、絶縁ハウジング部材22における基部25に矩形透孔24に隣接して形成された係合孔54に係合して、固定部50が絶縁ハウジング部材22に固定される状態をもって、絶縁ハウジング部材22に取り付けられ、それにより、絶縁ハウジング部材22により支持された状態におかれる。その際、コンタクト部材20の接触係合部52が、絶縁ハウジング部材22の基部25における矩形透孔24に連なる内部空間内に配されるとともに、コンタクト部材20の中心導体接続部51が、絶縁ハウジング部材22の基部25における内部空間外に配される。即ち、絶縁ハウジング部材22の基部25は、コンタクト部材20の接触係合部52を包囲しており、接触係合部52に固定部50を介して連なるコンタクト部材20の中心導体接続部51が、その外部に置かれるものとなる。
【0044】
絶縁ハウジング部材22の基部25における内部空間内に配されたコンタクト部材20の接触係合部52が有する弾性変形可能な環状体を形成する一対の湾曲弾性腕状部58及び59は、相互に近接する方向及び相互に離隔する方向の弾性変位が可能な状態におかれ、そのため、絶縁ハウジング部材22の基部25と一対の湾曲弾性腕状部58及び59の夫々との間に、上述の弾性変位を許容する間隙が形成されるようにされている。
【0045】
上述のように絶縁ハウジング部材22の基部25における内部空間内に配されたコンタクト部材20の接触係合部52は、それが有する一対の湾曲弾性腕状部58及び59が形成する弾性変形可能な環状体が、絶縁ハウジング部材22の基部25に設けられた矩形透孔24に対応する位置をとるものとされる。また、コンタクト部材20の中心導体接続部51は、固定平板状部55と屈曲部56と可動平板状部57とを有して構成されているが、これらは、絶縁ハウジング部材22の基部25の外部に配されていて、可動平板状部57が固定平板状部55に対する近接変位及び離隔変位を行い得るものとされる。
【0046】
続いて、グラウンドコンタクト部材21が、コンタクト部材20が取り付けられた絶縁ハウジング部材22に取り付けられ、それにより、絶縁ハウジング部材22により支持された状態におかれる。その際には、絶縁ハウジング部材22における基部25から伸びる保持部41が、グラウンドコンタクト部材21の環状嵌合部26にその内側から係合するとともに、グラウンドコンタクト部材21の環状嵌合部26に
連なる部分に形成された切欠き26aに保持部41に設けられた突起部41aが挿入される。そして、絶縁ハウジング部材22の基部25から伸びる折曲当接部40が、
図16に示されるように、グラウンドコンタクト部材21における環状嵌合部26から伸びるシェル部44に沿って伸びるものとされる。
【0047】
このようにして、コンタクト部材20及びグラウンドコンタクト部材21が絶縁ハウジング部材22に取り付けられて組み立てられた同軸コネクタ装置10にあっては、コンタクト部材20の接触係合部52が、グラウンドコンタクト部材21の環状嵌合部26の内側に配されるとともに、コンタクト部材20の中心導体接続部51が、グラウンドコンタクト部材21の環状嵌合部26の外側において接触係合部52に近接して配されることになる。
【0048】
そして、斯かる同軸コネクタ装置10が同軸ケーブル11の一端部に装着されるときには、
図17に示されるように、同軸ケーブル11の一端部において、表皮絶縁体15が部分的に切除され、さらに、外側導体14と内部絶縁体13とが部分的に切除されて露出するものとされた中心導体12が、同軸コネクタ装置10におけるコンタクト部材20の中心導体接続部51を構成する固定平板状部55に載置される。その際、同軸ケーブル11の中心導体12は、固定平板状部55と固定平板状部55と共に中心導体接続部51を構成する可動平板状部57との間に位置するものとされる。
【0049】
その後、グラウンドコンタクト部材21におけるシェル部44が、
図16において矢印αにより示される、グラウンドコンタクト部材21におけるケーブル支持部45に向かう方向に、絶縁ハウジング部材22における折曲当接部40を伴って折り曲げられて、グラウンドコンタクト部材21におけるケーブル支持部45と略平行となる位置をとるものとされる。そして、グラウンドコンタクト部材21におけるシェル部44に伴って折り曲げられた絶縁ハウジング部材22における折曲当接部40が、コンタクト部材20の中心導体接続部51を構成する可動平板状部57に当接して、可動平板状部57を固定平板状部55に向かって押圧変位させ、固定平板状部55に載置された同軸ケーブル11の中心導体12を可動平板状部57と固定平板状部55とによって挟持されたものとなす。それにより、同軸ケーブル11の中心導体12がコンタクト部材20の中心導体接続部51に接続された状態が得られる。斯かる際、コンタクト部材20の中心導体接続部51に同軸ケーブル11の中心導体12を半田付けすることは不要とされる。
【0050】
続いて、折り曲げられたグラウンドコンタクト部材21におけるシェル部44に設けられた一対の第1の折曲係合部46及び一対の第2の折曲係合部47が夫々折り曲げられて、一対の第1の折曲係合部46がグラウンドコンタクト部材21におけるケーブル支持部45に係合し、また、一対の第2の折曲係合部47が同軸ケーブル11の表皮絶縁体15に係合する状態がとられる。その結果、
図1〜
図3に示されるような、同軸ケーブル11の一端部に装着された同軸コネクタ装置10が得られる。
【0051】
上述のようにして、同軸ケーブル11の一端部に装着された同軸コネクタ装置10が、例えば、回路基板に取り付けられた相手方同軸コネクタ装置30に嵌合連結されるときには、グラウンドコンタクト部材21の環状嵌合部26が、相手方同軸コネクタ装置30の外側コンタクト37に嵌合せしめられるとともに、グラウンドコンタクト部材21の環状嵌合部26の内側に配されたコンタクト部材20の接触係合部52が、相手方同軸コネクタ装置30の中心コンタクト35に接触接続される。その際、接触係合部52は、それが有する一対の湾曲弾性腕状部58及び59が各々の自由端が相互連結されたもとで形成する弾性変形可能な環状体を、相手方同軸コネクタ装置30の中心コンタクト35に嵌合させて、その中心コンタクト35に押圧接触するものとされる。
【0052】
このような本願発明に係る同軸コネクタ装置の一例を成す同軸コネクタ装置10によれば、グラウンドコンタクト部材21の環状嵌合部26の内側に配されるコンタクト部材20の接触係合部52が、相手方同軸コネクタ装置30の中心コンタクト35に嵌合する弾性変形可能な環状体を形成するものとされ、斯かる環状体は、嵌合する相手方同軸コネクタ装置30の中心コンタクト35に、相手方同軸コネクタ装置30が取り付けられた回路基板の部品等搭載面に沿う方向をもって押圧接触することになり、また、同軸ケーブル11の中心導体12との接続がなされるコンタクト部材20の中心導体接続部51が、グラウンドコンタクト部材21の環状嵌合部26の外側において接触係合部52に近接して配されるので、相手方同軸コネクタ装置30が取り付けられた回路基板の部品等搭載面に直交する方向の寸法である厚み寸法の低減を図ることができる。
【0053】
しかも、同軸コネクタ装置10によれば、相手方同軸コネクタ装置30の中心コンタクト35に接触接続されるコンタクト部材20の接触係合部52が、コンタクト部材20の固定部50から相互対向して突出する一対の湾曲弾性腕状部58及び59を有し、それらの夫々の自由端が相互連結されて弾性変形可能な環状体を形成し、その弾性変形可能な環状体を相手方同軸コネクタ装置30の中心コンタクト35に嵌合させて、その中心コンタクト35に押圧接触するものとされるので、コンタクト部材20の接触係合部52の相手方同軸コネクタ装置30の中心コンタクト35に対する押圧接触が、弾性変形可能な環状体を形成する一対の湾曲弾性腕状部58及び59の夫々が具える弾性力を伴って強固に行われるので、コンタクト部材20と相手方同軸コネクタ装置30の中心コンタクト35との接触接続を確実かつ安定に行うことができる。
【0054】
また、コンタクト部材20の接触係合部52が有する一対の湾曲弾性腕状部58及び59が、コンタクト部材20の固定部50からの突出長が等長とされたもとで環状体を形成するものとされ、さらに、湾曲弾性腕状部58の自由端に設けられた係合凹部60と湾曲弾性腕状部59の自由端に設けられた係合凸部61とが相互係合せしめられることにより環状体を形成するものとされるので、相手方同軸コネクタ装置30の中心コンタクト35に嵌合する弾性変形可能な環状体を形成する一対の湾曲弾性腕状部58及び59の夫々が具える弾性力が、効率良く効果的に相手方同軸コネクタ装置30の中心コンタクト35に作用することになり、コンタクト部材20の接触係合部52の相手方同軸コネクタ装置30の中心コンタクト35に対する押圧接触がより強固に行われる。
【0055】
さらに、コンタクト部材20の接触係合部52が有する一対の湾曲弾性腕状部58及び59が、環状体を形成したもとで、相互に近接する方向及び相互に離隔する方向の弾性変位が可能とされ、それに伴い、絶縁ハウジング部材22が、グラウンドコンタクト部材21の環状嵌合部26の内側において接触係合部52を包囲する基部25を有し、その基部25と環状体を形成する一対の湾曲弾性腕状部58及び59の夫々との間に一対の湾曲弾性腕状部58及び59各々の弾性変位を許容する間隙が形成されるものとされるので、相手方同軸コネクタ装置30の中心コンタクト35に嵌合する弾性変形可能な環状体を形成する一対の湾曲弾性腕状部58及び59の夫々が具える弾性力が、相手方同軸コネクタ装置30が取り付けられた回路基板の部品等搭載面に沿う方向をもって効率良く効果的に相手方同軸コネクタ装置30の中心コンタクト35に作用することになり、それによっても、コンタクト部材20の接触係合部52の相手方同軸コネクタ装置30の中心コンタクト35に対する押圧接触がなお一層強固に行われる。