(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つのエンジンが、最大電力の、最大でも半分に等しい前記電力で始動することができ、前記少なくとも1つのエンジンが、1対2タイプの冗長度を使用することにより、システムの信頼度レベルを増大させるために、前記2つの3相インバータの一方だけにより電力を供給されることを特徴とする、請求項3に記載の電気的始動システム。
前記少なくとも1つのエンジンが、2対3タイプの冗長度を使用することにより、システムの信頼度レベルを増大させるために、前記3つの3相インバータの2つにより電力を供給されることを特徴とする、請求項6に記載の電気的始動システム。
前記電子的保護装置が、2つの電源ラインの一方に直列の制御されるスイッチ(170A、170B)、および前記インバータのそばの2つの電源ラインの間に並列なコンデンサ(168A、168B)を含むことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の電気的始動システム。
【背景技術】
【0002】
航空の分野では、
図6に示されるタイプの電気的始動システムから航空機の推進エンジンおよび補助動力源(APU)を始動させることが知られている。従来、そのようなシステム10は、航空機搭載の電源ネットワーク14からまたは地上の発電機装置からDC電圧V
dcを得るための、交流から直流への(AC/DC)整流器12、続いて、エンジンが始動させられている間に(接続マトリクス24を介して)関連するエンジンの始動機−発電機18、20、22に電力を供給するためのDC/AC変換器16を含む。DC/AC変換器16は、一般に地上で推進エンジンを始動させるのに十分な電力レベル「Pn」を有するインバータを含む。飛行中にエンジンを再始動させる能力に関係する信頼性、および地上で始動させるための可用性(出発信頼度)を改善するために、同じ電力「Pn」を有する第2のインバータが追加されることがある。それでも、そのような追加が重量および容積を消費し、したがって、追加費用を提示する。
【0003】
電源ネットワークは、従来115V
ac電源ネットワークまたは別のネットワーク、たとえば230V
acネットワークである。整流器からの出口で得られる直流電圧は、たとえば270V
dcまたは540V
dcなどのことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電力供給ネットワークが利用できないとき、推進エンジンはAPUから始動させられることができ、APU自体は電池から始動させられることができる。この場合、接続されるインバータの入力電圧に入力電圧が適合する電圧を加えるDC/DC変換器28を追加することが必要である。従来の電池電圧は24V
dcから48V
dcの範囲内にあるので、このブーストDC/DC変換器は多段または多セルを含み、多分、電気的絶縁を含み、典型的には10よりも大きい高いブースト比を必然的に示し、したがって、複雑で、調節することが困難であり、重く、かさばり、したがって、特に費用がかかることになる装置を構成する。
【0005】
したがって、本発明は、上述の欠点を緩和すること、およびより具体的には、飛行中に再始動するために高いレベルの信頼性で、および必要な場合、同様に地上で始動させるために十分高い出発信頼度レベルで、電力ネットワークからまたは電池から航空機の推進エンジンおよびAPUが始動させられることができるようにするために必要とされる装置の重量を最小にすることを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これらの目的は、第1の直流電圧V
dcを加えるための、交流電力ネットワークにより電力を供給されるAC/DC整流器、および前記第1の直流電圧V
dcから少なくとも1つのエンジンに始動交流電圧を加えるためのDC/AC変換器モジュールを含む、前記少なくとも1つのエンジンを始動させるための電気システムにより達成され、システムは、前記DC/AC変換器モジュールが、前記少なくとも1つのエンジンを始動させるために必要とされる最大電力P
maxの半分未満の電力をそれぞれ加える、並列に配列される
kのn相インバータ(k>1)を含むこと、および前記インバータのそれぞれの2つの電源ラインが前記第1の直流電圧V
dcを受け取る電子的保護装置に接続され、前記インバータのそれぞれからの
nの出力が
nのそれぞれの直列インダクタを介して前記エンジンのための前記始動交流電圧を加えることを特徴とする。
【0007】
想定される構成では、前記DC/AC変換器モジュールが少なくとも2つのインバータを含み、前記
kのインバータのそれぞれが電力P
max/kを加える、または前記DC/AC変換器モジュールが少なくとも3つのインバータを含み、前記
kのインバータのそれぞれが電力P
max/(k−1)を加える。
【0008】
したがって、DC/AC変換が並列のインバータ部分に細分されるこれらの構成のいずれも、電力のそれぞれがP/2しかなく、重量および容積に関する電気的始動システムのサイズが、電気的始動システムの全体費用のように相当に低減される。この構成が有利となるためには、エンジンの少なくとも1つが、前記最大電力の1/(k−1)倍未満の電力を必要とすること、および/または前記最大電力の1/(k−1)倍未満の電力で安全が重視される条件下で始動することができることが不可欠である。
【0009】
有利には、前記DC/AC変換器モジュールは、並列に配置される2つまたは3つの3相インバータを含むことがある。しかしながら、関連する最大電力に応じて、4つ以上のインバータを備える構成が当然可能である。
【0010】
電気的始動システムの前記少なくとも1つのエンジンが、最大電力の半分未満の前記電力で安全性が重視される条件下で始動することができるとき、前記少なくとも1つのエンジンは、1対2タイプの冗長度を使用することにより、前記安全性が重視される条件で、システムの信頼度レベルを増大させるために、前記2つの3相インバータの一方だけにより電力を供給される。
【0011】
有利には、前記少なくとも1つのエンジンは、2対3タイプの冗長度を使用することによりシステムの信頼度レベルを増大させるために、前記3つの3相インバータの2つにより電力を供給される。
【0012】
前記電気的始動システムは電池からの始動に適用され、電気的始動システムの前記少なくとも1つのエンジンは最大電力の半分未満の前記電力で始動することができ、前記電池は、前記直流電圧V
dcを加えるためのDC/DCブースト変換器を形成するために、前記
nの直列インダクタを介して前記n相インバータの1つに接続され、前記電子的保護装置を介して前記n相インバータの別の1つに適用される直流電圧V
dcは、交流電力ネットワークが利用できないとき、前記少なくとも1つのエンジンが前記電池から始動することができるようにする前記交流電圧を前記
nの直列インダクタを介して加えるように動作する。
【0013】
好ましくは、電池から直流電圧V
dcを得るために、DC/DCブースト変換器は一定のデューティ比で切り換わる制御回路により制御される。
【0014】
有利には、前記電子的保護装置は、2つの電源ラインの一方に直列の制御されたスイッチ、および前記インバータのそばの前記2つの電源ラインの間に並列のコンデンサを含む。
【0015】
好ましくは、本発明の電気的始動システムは、前記電池からの出口に配置されるフィルタをさらに含む。
【0016】
本発明の特徴および有利な点が、制限しない指示によって、および添付の図面を参照して行われる以下の説明からさらによく明らかになる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、エンジンを始動させるための、本発明の電気システムを示す構成図である。
【0019】
従来技術のシステムのように、有利には3相ネットワークである電源ネットワーク14により加えられる交流電圧を整流するために使用されるAC/DC整流器12、および続いて、同様な方法で、例として示される様々な接触器の位置が、様々な異なる動作モードが実現されることができるようにする接続マトリクスを介して、様々な始動機−発電機18、20、22に電力を供給するDC/AC変換器16が見られることができる。それにもかかわらず、従来技術のシステムと異なり、DC/DC変換器が続くのではなく、接続マトリクス28を介してDC/AC変換器の出力に直接接続される出力を有する従来のフィルタ30が単に続く電池26から来る追加チャネルを組み入れるために、マトリクス28は相当に異なる。DC/DC変換器の省略が半導体デバイスの数を低減し、システム全体の平均故障間隔(MTBF)を改善する結果をもたらすことが認められるべきである。
【0020】
本発明によれば、この変換器は、
図1Aに関して以下に説明される、同一の双方向構造の複数の並列DC/AC変換器部分により構成される。
【0021】
DC/AC変換器の各部分(たとえば第1の部分16A)は、少なくとも1つの電子的保護装置(理想的には制御された電子スイッチ170A、たとえばコンデンサ168Aに関連する、逆並列ダイオードと一緒の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT))、従来のn相インバータ(示されるように従来は3相)、およびインバータの
nの出力とそれぞれ直列の1組の
nのインダクタ320A、322A、324Aを含む。
【0022】
より正確には、示される3相インバータは、一方がアースラインを形成する2つの電源ラインを含み、2つの電源ラインの間に3つの分岐が接続され、各分岐が直列に2つのスイッチを有する。第1の分岐160Aを形成する2つのスイッチ1600A、1602A間の接続点が、インバータからの出口で第1のインダクタ324Aの一端に接続され、第1のインダクタ324Aの他端が接続マトリクス28を介して始動機−発電機18、20、22に電力を供給するためのラインに接続される。同様に、インバータの第2の分岐162Aの2つのスイッチ1620A、1622A間の接続点が、第2のインダクタ322Aの一端に接続される。最後に、第3の分岐164Aの2つのスイッチ1640A、1642A間の接続点が、第3のインダクタ320Aの一端に接続される。これらのスイッチは、従来IGBTの端子の間にそれぞれの逆並列ダイオードが接続されるIGBTであり、IGBTのスイッチングは、同様にスイッチ170Aを制御するのに役立つ制御回路166Aにより制御される。
【0023】
より一般的には、DC/AC変換器16は、電力P
max/kまたはP
max(k−1)を加えることができるように並列に配列される
kのn相インバータを含むことがあり(ここでk>1)、ここで、P
maxは最大電力レベルを必要とする条件下でエンジンを始動させるために必要とされる電力である。電力のそれぞれが最大電力P
maxの半分未満の
kのインバータ部分に細分するこの原理は一般化されることができる。したがって、応用および電力レベルに応じて、パラメータ
kは重量および/または費用を最適化するための変数になる。
【0024】
図1Bは、エンジンを始動させるための
図1の電気システムに対する動作の具体的モードを示し、この場合、最大電力エンジンの1つがAC/DC整流器12を介して電力ネットワーク14から始動させられ、2つのDC/AC変換器部分16Aおよび16Bにより電力を供給される(接続マトリクス28内の当該の接触器は閉じられていると仮定され、したがって、示されていない)。各部分は、レベルP
max/2で電力を加えるような大きさにされる。
【0025】
当然、
図1Aに関して説明された構造が見られることができ、構造はこの具体的動作構成で再現され、各部分は、当該のエンジンの始動機−発電機に加えられる最大電力の均衡のとれた分配を保証するために、3相インバータの3つの出力インダクタに関連する各部分自体の電流制御ループをそれぞれ介して従来通りに動作する各部分自体の制御回路166A、166Bを有する。この構成では、スイッチ170A、170Bは、インバータの部分間を伝わる直流電圧V
dcを加える電源ライン間の短絡タイプの故障を防止する。
【0026】
図2Aから
図2Dは、エンジンを始動させるための、本発明の電気システムを使用する動作の様々な異なる可能なモードを示す図である。
【0027】
図2Aは、
図1Bに関して上記で説明された構造を示す図であり、たとえば航空機のエンジンを始動させるときに、飛行中の再始動レベルの信頼度を得ることだけが望まれる状況に対応する。この構成では、システムには2つのDC/AC変換器部分16Aおよび16Bがあり、システムには、地上での始動に必要とされる電力P
nを加えるために、電力P
n/2の2つのインバータが一緒に結合され、同期させられる。
【0028】
飛行中の再始動については、必要とされる電力は一般にP
n/2未満であり、単一のDC/AC変換器部分で十分なので、
図2Bに示されるように、推進エンジン20、22の一方または他方が電力ネットワーク14から再始動させられることができ、それにより、高いレベルの信頼度を保証するために、1対2の冗長度を提供する。
【0029】
APUは一般に、より少ない電力を必要とし、具体的にはP
n/2よりも相当に少ない電力を必要とするので、APUを始動させるために同一構成が
図2Cで見られることができる。
【0030】
対照的に、電池からAPUを始動させるためには、
図2Dに示されるように、DC/AC変換器の2つの部分が使用されるが、この場合、DC/AC変換器の2つの部分の一方が電池の電圧を上昇させるためのDC/DC変換に専任されるのに対して、他方の1つがDC/AC変換を行うために従来通り動作する。
【0031】
図3および
図4はこの構成をより詳細に示す。
【0032】
図3は、たとえばAPU18が電池26から始動させられることができるようにする様々な回路の詳細を示す。
【0033】
フィルタ30が電池26の2つの端子(電圧端子およびアース端子)の間に接続され、示される例では、このフィルタは直列インダクタ300および並列コンデンサ302を有する従来のインダクタコンデンサ(LC)のタイプのフィルタである。インダクタ300およびコンデンサ302の間の接続の点により構成されるフィルタの出力端子の一方が、3つのインダクタ320B、322B、324Bの第1の一端に接続され、3つのインダクタ320B、322B、324Bは、3つのインダクタ320B、322B、324Bの第2の一端をDC/AC変換器の部分16B内の分岐のそれぞれの1つの中の2つのスイッチ間の接続点にそれぞれ接続され、DC/AC変換器の部分16Bは、アースラインを構成するDC/AC変換器の部分16Bの電源ラインの一方がフィルタの出力端子の他方に接続され、フィルタの出力端子の他方自体が電池のアース端子に接続される。
【0034】
したがって、第1のインダクタ324Bの一端は、DC/AC変換器の部分16Bの第1の分岐160Bの2つのスイッチ1600B、1602B間の接続点(または中間点)に接続される。同様に、第2のインダクタ322Bの一端は、第2の分岐162Bの2つのスイッチ1620B、1622B間の接続点に接続される。最後に、第3のインダクタ320Bの一端は、第3の分岐164Bの2つのスイッチ1640B、1642B間の接続点に接続される。これらのスイッチは従来IGBTであり、それぞれこれらのスイッチの端子の間に、対応する逆並列ダイオードを接続され、コントローラ回路166Bによりこれらのスイッチのスイッチングが制御される。並列コンデンサ168BがDC/AC変換器の部分16Bの2つの電源ラインを一緒に接続し、電源ラインの一方の直列のスイッチ170Bが、前記電源ライン上に前記部分16Bの直流電圧V
dcを加える。上記で説明されるスイッチについては、逆並列ダイオードを有するスイッチ170B、たとえばIGBTが、制御回路166Bから制御される。
【0035】
スイッチ170Bからの出力では、DC/AC変換器の部分16Bの直流電源ラインがDC/AC変換器の他方の部分16Aの直流電源ラインに直接接続され(電源ネットワークが存在しないので、整流器はどんな電圧も加えず、したがって、DC/AC変換器の両方の部分の電源ラインが直接接続される)、部分16Aは、別のスイッチ170Aの逆並列ダイオードと共に一緒のスイッチ170Aと、たとえばIGBTと直列であり、別のスイッチ170Aのスイッチングが制御回路166Aにより制御され、別のスイッチ170Aの出力が、DC/AC変換器の部分16Aに入力電圧を加えるためにコンデンサ168Aが並列に接続される。アースラインを構成する、この部分16Aに対する別の電源ラインが、部分16Bのアースラインに接続される。
【0036】
DC/AC変換器の部分16Aは、部分16Bの構成と類似する構成を有し、前記部分16Aの第1の分岐160Aの2つのスイッチ1600A、1602A間の接続点が、今度はインバータの第1の出力インダクタ324Aの一端に接続される。インバータの第1の出力インダクタ324Aの他端は、APUの始動機−発電機の一方のラインに接続される。同様に、第2の分岐162Aの2つのスイッチ1620A、1622A間の接続点が、第2のインダクタ322Aの一端に接続される。最後に、第3の分岐164Aの2つのスイッチ1640A、1642A間の接続点が、第3のインダクタ320Aの一端に接続される。上記で説明される部分については、従来、これらのスイッチは、それぞれの逆並列ダイオードがこれらのスイッチの端子に接続され、かつこれらのスイッチのスイッチングが制御回路166Aにより制御されるIGBTである。
【0037】
この構成での電子的始動システムの動作が、
図4の簡略化されたタイミング図を参照して以下で説明され、
図4では、信号Iboostはフィルタ30からの電源電流出力であり、信号IP1はインダクタ320B、322B、324Bの任意の1つを通って流れる電流であり、信号IloadはDC/AC変換器の部分16Bからの出力で電源ライン内を流れる電流であり、2つの追加信号Cdeは部分16Bのそれぞれ偶数および奇数のスイッチに印加される2つの制御信号である。
【0038】
まず、図面を混雑させるのを防止するため、様々な回路を相互接続するために必要とされる様々なコネクタが故意に省かれていることが認められるべきである。しかしながら、当業者は当然、電池により電力を供給される始動シーケンスのために必要とされる回路だけが起動できるようにするために、様々なコネクタを配置することができる。電池26から始動させるこの構成では、まず、電池26が加える電流がフィルタ30によりフィルタにかけられ、それにより電流リップルのレベルを低減する。フィルタリング前の電流波形が、スイッチのスイッチング周波数の3倍に相当する高い周波数でリップルを提示する電流を示すIboostグラフにより表される。DC/AC変換器の部分16B内のスイッチ間の接続点に接続される3つのインダクタ320B、322B、324Bの端子に印加される電池電圧が、DC/AC変換器のその他の部分の入力電圧として必要とされる電圧(たとえば270V
dcなど)まで電池電圧(実際には24V
dc)を上げるのに役立つ(インタレース方式双方向ブーストタイプの)ブースタDC/DC変換器を形成するために使用され、制御回路166Aの制御下でAPU始動機−発電機を制御するためのブースタDC/DC変換器の動作自体は従来通りである。知られている方法では、部分16Bからの出力で望まれる電圧レベルは、スイッチングデューティ比に依存し、有利には、デューティ比は電圧サーボ制御ループでの安定性の問題を避けるために、信号Cdeの波形により図示されるように一定となるように選択されることができ、この場合、そのような高い電圧ブースト比では、安定は困難であることが知られている。インダクタを通過する電流IP1の波形は、リップル周波数が、IGBTに印加されるパルス幅変調の周波数に等しく、リップルの平均振幅がIboostの振幅のリップルの3分の1であること、および電流IP1のリップル比がIboostのリップル比より3倍大きいことを示す。したがって、インタレーシングは、フィルタ30により処理される電流のリップル比が
nにより分割されることができるようにする(ここで、n=相の数=示される例では3)。例としてこの図で示されるフィルタ30は、1段LCタイプであるが、様々な別のタイプのフィルタが同様に効果的に使用されることができる。変換比が高いので、コンデンサ168Bは非常に短い間隔の大電流ピークにより充電される。インタレーシングの別の有益な効果は、これらの電流ピークの振幅が係数nだけ低減され(ここでn=3)、対応する周波数が比
nだけ増加させられ、したがって、コンデンサ168Bに対する応力を低減し、かつフィルタイングの効果を改善することができるようにすることである。電流Iloadの波形は、この場合、DC/AC変換器のその他の部分に加えられる電流は非常に小さなレベルのリップルでしかないことを示している。
【0039】
有利には、スイッチ1640B、1620B、および1600Bはまた、双方向変換器を得るために、(スイッチ1640B、1620B、および1600Bと直列に接続されるスイッチに対して逆に)起動されることがある。この動作原理は、供給される電力と関係なく直流モードで動作することができるようにする。固定されたデューティ比では、この場合、出力電圧は負荷レベルによりほとんど影響されない。
【0040】
エンジンを始動させるための、本発明の電気システムを使った動作の別の可能なモードが
図5Aから
図5Dに図で示されている。
【0041】
したがって、
図5Aは、地上で始動させるための出発信頼度が決定要因である状況での動作に特に適合される、電力P
max/2の3つのインバータを有するシステムを示す。地上でのそのような始動では、2対3タイプの冗長度が、高いレベルの出発信頼度を保証する。
【0042】
図5Bは、3インバータシステムを備える飛行中の再始動を示し、この場合、提供される冗長度が1対3タイプであるので、信頼度の比はさらにより大きい。
【0043】
電池からAPUを始動させるとき、
図5Cに示されるように、および上記で説明されるように、DC/AC変換器の1つの部分が電池電圧を上げるために使用され、その他の2つの一方がDC/AC変換のために使用され、したがって、同様に、電池からの始動のこの構成で高いレベルの出発信頼度を保証することができるようにする。
【0044】
最後に、
図5Dは、電池26を再充電するため、または単に航空機の低電圧直流ネットワーク32に電力を供給し、それにより変圧整流器ユニット(TRU)を置換するために使用されるシステムを示す。動作のこのモードでは、DC/AC変換器部分が、AC/DC整流器12を介して搭載の電力ネットワーク14により電力を供給され、低電圧直流ネットワークのための直流電圧(たとえば28V
dc)、または電池を充電するための直流電圧、または両方のための直流電圧を出力する。この場合、インバータは、インタレース方式、多相、双方向、電圧低減(バック(buck)タイプ)のDC/DC変換器として動作する。
【0045】
何らかの理由で(たとえば、飛行中の再始動に対するP
n/kよりも高い電力レベル)DC/AC変換器部分がP
nに等しい電力を有する必要がある場合、電池とのインタフェースを提供するDC/DC変換器として部分を使用する原理は依然として有効なままであることが認められるべきである。
【0046】
上記の説明が航空エンジンの始動を制御することに関して示されているが、本発明は別の分野に、特に自動車分野に、および産業用機械の分野に適用できることは明白であることが認められるべきである。同様に、図では、3相ネットワークにより供給されている電力が参照されているが、本発明は任意のタイプのn相電源ネットワーク(n>1)に適用でき、したがって、2相ネットワークを含むことは明白である。
【0047】
エンジン始動段階中の高調波ひずみのレベルがきわめて重要ではないとき、AC/DC整流器12が、簡単なフィルタリングインダクタが続く簡単なn相整流器(一般にn=3)でもよい。このことが、重量および散逸を最適化するのに役立つことも認められるべきである。
【0048】
スイッチを実現するためにIGBTが参照されていても、別のタイプの制御された金属酸化膜半導体(MOS)スイッチ、たとえばMOS制御サイリスタ(MOS−controlled thyristor、MCT)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、またはシリコン制御整流器(SCR)のスイッチが同様に使用されることができることも認められるべきである。