(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
下方に走行装置(2)を設けた機体フレーム(1)の上方の一側に脱穀装置(3)を設け、他側にはグレンタンク(5)を設け、機体フレーム(1)の前方に刈取部(4)を設け、前記グレンタンク(5)の前方にはエンジン(11)を内部に有するエンジンルーム(19)を形成し、走行装置(2)と脱穀装置(3)と刈取部(4)とを駆動するエンジン(11)に接続した排気管(14)に、エンジン(11)からの排気中の未燃ガスを燃焼させるDOC(16)と、排気ガス中の粒子状物質を捕集するDPF(17)とを有する排気浄化装置(15)を設け、該排気浄化装置(15)は、前記エンジン(11)の後方であって、前記グレンタンク(5)と前記脱穀装置(3)との間の空間(18)内に配置すると共に、カバー(27)により包囲し、前記排気浄化装置(15)には感知部(29)と感知信号処理部(30)を有するセンサー(28)を設け、該センサー(28)の感知信号処理部(30)を前記カバー(27)の外側に配置し、前記グレンタンク(5)と脱穀装置(3)との間に、前記エンジン(11)の外側方に設けた冷却ファン(48)からの送風を脱穀装置(3)の唐箕(49)へ導く風路(50)を形成し、該風路(50)内に前記排気浄化装置(15)を配置したコンバイン。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例は、DPF内部の温度や圧力などを検出するセンサが加温され、故障するおそれがある。
本願は、排気浄化装置を各種センサにより作動状況を検出して、最適な状態で作動させるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、下方に走行装置(2)を設けた機体フレーム(1)の上方の一側に脱穀装置(3)を設け、他側にはグレンタンク(5)を設け、機体フレーム(1)の前方に刈取部(4)を設け、前記グレンタンク(5)の前方にはエンジン(11)を内部に有するエンジンルーム(19)を形成し、走行装置(2)と脱穀装置(3)と刈取部(4)とを駆動するエンジン(11)に接続した排気管(14)に、エンジン(11)からの排気中の未燃ガスを燃焼させるDOC(16)と、排気ガス中の粒子状物質を捕集するDPF(17)とを有する排気浄化装置(15)を設け、該排気浄化装置(15)は、前記エンジン(11)の後方であって、前記グレンタンク(5)と前記脱穀装置(3)との間の空間(18)内に配置すると共に、カバー(27)により包囲し、前記排気浄化装置(15)には感知部(29)と感知信号処理部(30)を有するセンサー(28)を設け、該センサー(28)の感知信号処理部(30)を前記カバー(27)の外側に配置し
、前記グレンタンク(5)と脱穀装置(3)との間に、前記エンジン(11)の外側方に設けた冷却ファン(48)からの送風を脱穀装置(3)の唐箕(49)へ導く風路(50)を形成し、該風路(50)内に前記排気浄化装置(15)を配置したコンバインとしたものであり、エンジン
(11
)の駆動中に排出される排気ガス中の粒子状物質はDPF
(17
)により濾過除去される。
また、カバー
(27
)内は常時高温に保たれ、DOC
(16
)により未燃ガスを燃焼させて上昇させた排気温度を、DPF
(17
)の周囲気温が低下することにより低下するのを抑制し、粒子状物質によりDPF
(17
)が詰まるのを抑制し、また、DPF
(17
)に付着した煤等を燃焼させて除去して再生する。
しかも、センサー
(28
)の感知信号処理部
(30
)はカバー
(27
)の外側に配置しているので、空間
(18
)内の高温の影響を受けず、冷却される。
また、冷却ファン(48)からの送風がエンジン(11)の外側から内側に向けて流れてエンジン(11)を冷却し、この送風がグレンタンク(5)と前記脱穀装置(3)との間のタービン(55)を通って脱穀装置(3)の唐箕(49)へ入り、エンジン(11)により暖められた送風を唐箕(49)は脱穀装置(3)に送風して選別させる。
請求項2記載の発明は、
前記排気浄化装置(15)と前記エンジン(11)を接続する上手側接続配管(21)の外周を配管カバー(35)により包囲した
請求項1に記載のコンバインとしたものであり、エンジン
(11
)からの排気ガスは配管カバー
(35
)により包囲された上手側接続配管
(21
)を通って排気浄化装置
(15
)に至る。
請求項
3記載の発明は、
前記エンジン(11)の内側の所定位置には、冷却ファン(48)の送風方向を、前記排気浄化装置(15)側へ案内する導風状態と、排気浄化装置(15)へ案内しない非導風状態とに切り替え可能な導風板(51)を設けた
請求項1または請求項2に記載のコンバインとしたものであり、通常の刈取作業時では、導風板
(51
)を非導風状態とし、冷却ファン
(48
)の送風を排気浄化装置
(15
)に送らないで、排気浄化装置
(15
)の温度を高温の保持し、DPF
(17
)内に捕集された粒子状物質を除去する再生時には導風板
(51
)を導風状態に切り替えてセンサー
(28
)の感知信号処理部
(30
)を冷却する。
請求項
4記載の発明は、
前記エンジン(11)から前記排気浄化装置(15)の間の配気管(14)の途中に前記エンジン(11)の排気ガスにより回転して前記排気浄化装置(15)側へ送風する送風機構(55)を設けた
請求項1または請求項2または請求項3に記載のコンバインとしたものであり、エンジン
(11
)が発生させる排気ガスが送風機構
(55
)を回転させ、送風機構
(55
)は脱穀装置
(3
)とグレンタンク
(5
)との間に送風し、センサー
(28
)の感知信号処理部
(30
)を冷却する。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明では、DPF
(17
)をエンジン
(11
)の近傍に配置できて、エンジン
(11
)からの排気が冷えないうちにDPF
(17
)により粒子状物質を除去でき、更に、排気浄化装置
(15
)をカバー
(27
)で包囲することで、このカバー
(27
)の内部のDPF
(17
)の周辺を高温に保持することができ、DPF
(17
)の再生効率を高めることで、粒子状物質の濾過除去効率を向上させることができる。しかも、センサー
(28
)の感知信号処理部
(30
)は、カバー
(27
)内の高温の影響を受けにくいため、破損を防止し、耐久性を高めることができる。
また、排気浄化装置(15)のカバー(27)の外周に設けたセンサー(28)の感知信号処理部(30)が、風路(50)内を通る冷却ファン(48)からの冷却風で冷却することができ、センサー(28)の感知信号処理部(30)の破損を防止し、耐久性を高めることができる。
請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明の効果に加え、上手側接続配管
(21
)を配管カバー
(35
)により包囲しているので、上手側接続配管
(21
)の周辺の放熱を抑制し、排気を高温に保持することができ、DOC
(16
)およびDPF
(17
)の粒子状物質の濾過除去効率を向上させることができる。
請求項3記載の発明では、上記請求項1または請求項2記載の発明の効果に加え、通常は導風板
(51
)を非導風状態として排気浄化装置
(15
)の温度を高温に保持することができ、DPF
(17
)の再生効率の低下を少なくできる。
請求項4記載の発明では、上記請求項1または請求項2または請求項3記載の発明の効果に加え、排気浄化装置
(15
)のセンサー
(28
)の感知信号処理部
(30
)の近傍に送風機構
(55
)が位置するので、冷却効率を向上させることができ、また、エンジン
(11
)の排気ガスを利用して送風するので、送風機構
(55
)を回転させる伝動機構が不要となって、製造コストを低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施例を図により説明すると、1は作業機の機体フレームであり、本願はコンバインの実施例である。
機体フレーム1の下方には走行装置2を設け、機体フレーム1の上方の一側には脱穀装置3を設ける。脱穀装置3の前方には刈取部4を設け、脱穀装置3の側部にはグレンタンク5を設ける。6は操縦部である。
操縦部6の運転座席10の下方にはエンジン11を設け(
図1)、エンジン11には排気装置12の排気管14を接続し、排気管14の途中に排気浄化装置15を設ける。
排気浄化装置15は、DOC16(Diesel Oxidation Catalyst)と、DPF17(Diesel particulate filter、ディーゼルパティキュレートフィルタ)とにより構成する。DOC16は未燃ガスを燃焼させて排気温度を上昇させ、DPF17により粒子状物質を除去する。
前記DOC16およびDPF17は、前後方向に長い形状とし、前記エンジン11の後方であって、前記グレンタンク5と前記脱穀装置3との間に配置し、DOC16およびDPF17を設けた空間18と前記エンジン11を設けた空間であるエンジンルーム19とを連通させる。
【0009】
即ち、前記エンジン11の後方であって、前記グレンタンク5と前記脱穀装置3との間に略密閉した空間18内に前記DOC16およびDPF17を設置し、空間18とエンジンルーム19とを連通させる。
そのため、空間18内は常時エンジン11の熱気により加温され、DOC16により未燃ガスを燃焼させて上昇させた排気温度を、DPF17の周囲気温が低下することにより低下するのを抑制し、粒子状物質によりDPF17が詰まるのを抑制し、また、DPF17に付着した煤等を燃焼させて除去して再生し、その結果、DPF17の濾過除去効率を向上させられる。
また、前記グレンタンク5と前記脱穀装置3との間の空間を有効利用してDOC16およびDPF17を設けられる。
この場合、前記DOC16の上面前側部分には、前記エンジン11に接続した排気管14の一部を構成する上手側接続配管21を接続し、前記DPF17の下面後側部分には、排気管14の一部を構成する下手側接続配管23を接続する。
25は排気浄化装置15を支持する取付フレームであり、前記排気浄化装置15は、前記グレンタンク5と前記脱穀装置3との間に配置する。
【0010】
また、DPF17は、所定以上、粒子状物質のうち煤等が付着すると、排気抵抗が増加するので、一旦、刈取脱穀作業を停止させ、エンジン11を空運転して、DPF17内の粒子状物質を燃焼させて付着物を除去する手動再生作業を行う。
前記排気浄化装置15はカバー27により包囲し、カバー27内に略密閉した前記空間18を形成する。
前記排気浄化装置15にはセンサー28を設け、センサー28は前記カバー27の外側に配置する(
図2)。
即ち、センサー28は感知部29と感知信号処理部30を有して構成され、感知信号処理部30は高温環境では作動が安定しないことがある。
そのため、センサー28の感知信号処理部30は、カバー27の外側に配置し、高温の影響を受けないようにして、破損を防止し、耐久性を低下させない。
センサー28は、例えば、前記DOC16の圧力を検知する前側圧力センサ31と前記DPF17の圧力を検知する後側圧力センサ32を設け、DOC16とDPF17の圧力差を検出し、詰まり具合を判定する(
図2)。
また、センサー28は、DOC16とDPF17と中間の三カ所に温度センサ34を配置してもよく(
図13)、温度センサ34を設けることにより、DPF17の燃焼温度を検出し、DPF17における燃焼具合からDPF17の濾過除去状況や前記付着物を除去する再生状況を把握する。
【0011】
また、排気浄化装置15の外周はカバー27により包囲しているので、メンテナンス時等に作業者の身体が排気浄化装置15に接触するのを防止し、安全性を向上させられる。
この場合、前記DOC16の上手側接続配管21の外周も配管カバー35により包囲する(
図2)。
そのため、エンジン11からDOC16に至る上手側接続配管21内の排気温度を低下させず、DPF17の濾過除去効率を低下させない。
前記上手側接続配管21とエンジン11の排気排出口40からの配管41とは、フレックスパイプ42により接続する(
図4)。このフレックスパイプ42は、フレックスパイプ42の伸縮方向と、エンジン11から脱穀装置3へ回転伝動する入力プーリー43と出力プーリー44とを結ぶ線とが、45度以上の角度で交差するように配置する。
そのため、前記フレックスパイプ42が伸縮方向に対して交差する横方向に、エンジン11の振動により振れるので、振動吸収性を低下させず、フレックスパイプ42を含めた配管構成全体の耐久性を向上させられる。
【0012】
前記上手側接続配管21は排気浄化装置15の本体45の上面前側部分であって、前記排気排出口40よりも下方側に設ける(
図4)。
また、前記下手側接続配管23の基部(排気浄化装置15の排気口)は、本体45の後部に設け、前記脱穀装置3の1番コンベア46より下方で、コンバインの機体中央付近に設ける(
図4)。
そのため、排気排出口40から下手側接続配管23の基部まで排気の流れがスムーズとなり、また、排気管14全体長を短くする。
前記エンジン11の外側方には冷却ファン48を設け、冷却ファン48からの送風を前記脱穀装置3の唐箕49へ送る風路50を、グレンタンク5と脱穀装置3との間に形成し、前記風路50内に前記排気浄化装置15を配置する(
図6)。
そのため、排気浄化装置15のカバー27の外周に設けたセンサー28の感知信号処理部30が、前記風路50内に位置させられ、冷却ファン48からの冷却風をセンサー28の感知信号処理部30の冷却に作用させられる。
【0013】
この場合、エンジン11の内側には、導風板51を縦軸52回動自在に設ける。導風板51は冷却ファン48の送風方向と並行な非導風状態と送風方向と交差する方向に突き出る導風位置とに位置を切り替え可能に構成する(
図7)。
即ち、通常は、導風板51を非導風状態とし、冷却ファン48の送風を排気浄化装置15に送らないで、排気浄化装置15の温度を高温の保持し、DPF17の再生時には導風板51を導風状態に切り替えてセンサー28の感知信号処理部30を冷却する。
また、前記冷却ファン48により、前記センサー28の感知信号処理部30を冷却する場合、DPF17の強制再生させるとき、前記冷却ファン48の駆動回転数を増速する(
図5)。
そのため、DPF17を強制再生により、周囲温度が高温になっても、駆動回転数を増速させた冷却ファン48からの冷却風がセンサー28の感知信号処理部30を冷却するので、センサー28の感知信号処理部30の破損を防止する。
前記冷却ファン48は、エンジン11からの駆動力をファン用無段変速装置48Aにより無段階に変速して駆動する構成とすると共に、ファン用無段変速装置を48A切替えモータ48Bにより、正回転駆動してラジエーターカバー48Cの外側から内側へ送風する冷却状態と、逆回転駆動してラジエーターカバー48Cの内側から外側へ送風する除塵状態とに切替自在な構成としている。
【0014】
図8、9は、 前記排気浄化装置15への送風機構の他の実施例であり、前記エンジン11の排気排出口(図示省略)から前記排気浄化装置15の間の配管41の途中にエンジン11の排気ガスにより回転する送風機構(タービン)55を設ける。
そのため、前記排気浄化装置15のセンサー28の感知信号処理部30の近傍に送風機構55が位置するので、冷却効率を向上させられる。
エンジン11の排気ガスを利用して送風するので、送風機構55を回転させる伝動機構が不要となって、コストおよび重量を低くする。
前記配管41内に内側ファン56を軸装し、内側ファン56の回転軸57の配管41外の突出部分に外側ファン58を設ける。
したがって、エンジン11からの排気により内側ファン56が回転し、内側ファン56の回転を回転軸57を介して外側ファン58に伝達させて回転させて、外側ファン58の送風により排気浄化装置15へ向けて送風する。
【0015】
図10、11は、 前記排気浄化装置15の下手側接続配管23の他の実施例であり、下手側接続配管23に1個または複数の吸気部60を設ける。
即ち、排気浄化装置15の本体45の下面後側部分に設けた筒部61の先端に該筒部61より大径の接続筒62を臨ませ、筒部61の外周と接続筒62の基部内周の間に隙間を形成して前記吸気部60を形成する。吸気部60は外気を下手側接続配管23に吸気して、下手側接続配管23内の排気ガスの温度を低下させる。
図10の実施例では筒部61の先端を大径の接続筒62に臨ませているが、筒部61の先端を大径の接続筒62内に嵌合させてもよい。
また、
図11の実施例では、接続筒62の先端に別の第二接続筒63の基部を嵌合させ、この重なった部分に前記吸気部60を形成している。
図12、13は、前記排気浄化装置15の配置に関する他の実施例であり、前記機体フレーム1の上面より前記排気浄化装置15の一部または全部を沈み込ませて配置する。
【0016】
そのため、背面視、脱穀装置3とグレンタンク5の下部の間の空間に、排気浄化装置15を配置することができ、グレンタンク5の容量を減少させない。
また、機体フレーム1の上面より排気浄化装置15の一部または全部を沈み込ませて配置させているので、高温部である排気浄化装置15の上面をカバー68で包囲するだけでよく、構成が簡単で、かつ、安全である。
この場合、排気浄化装置15は、走行装置2の左右のローリング用シリンダ70の間に配置すると、一層、空間を有効利用できる(
図14,
図15)。
排気浄化装置15を低い位置に配置できるので、グレンタンク5の容量をさらに拡大できる。
【0017】
(実施例の作用)
エンジン11を始動し、エンジン11の回転により脱穀装置3と刈取部4の各部を駆動し、走行装置2を駆動して走行して刈取脱穀作業を行う。
エンジン11は供給された燃料を燃焼させて得た駆動力を各部に伝達し、燃焼した燃料は排気ガスとして排気装置12を通して機外に排出する。
排気装置12には、排気浄化装置15を設けているので、排気浄化装置15によりエンジン11の排気ガス中の粒子状物質を濾過除去する。
排気浄化装置15は、DOC16とDPF17とにより構成し、DOC16でエンジン11からの排気ガス中の未燃ガスを燃焼させて排気温度を上昇させ、この排気ガスをDPF17に送って粒子状物質を除去する。
排気浄化装置15は、エンジン11の後方であって、グレンタンク5と脱穀装置3との間の空間18内に配置すると共に、カバー27により包囲して設置しているので、空間18内は常時エンジン11の熱気により加温され、DOC16により未燃ガスを燃焼させて上昇させた排気温度、および、DPF17の周囲気温が低下することにより低下するのを抑制し、粒子状物質によりDPF17が詰まるのを抑制し、また、DPF17に付着した煤等を燃焼させて除去して再生し、その結果、DPF17の濾過除去効率を向上させられる。
【0018】
この場合、DOC16の上面前側部分には、エンジン11に接続した排気管14の一部を構成する上手側接続配管21を接続し、DPF17の下面後側部分には、機体後部に設けた排気管14の一部を構成する下手側接続配管23を接続しているので、エンジン11からの排気は上手側接続配管21を通ってDOC16には入り、DPF17で粒子状物質を除去された排気が下手側接続配管23から排気される。
また、DPF17は、所定以上、粒子状物質のうち煤等が付着すると、排気抵抗が増加するので、一旦、刈取脱穀作業を停止させ、エンジン11を空運転して、DPF17内の粒子状物質を燃焼させて付着物を除去する手動再生作業を行う。
排気浄化装置15はカバー27により略密閉しされた空間18内に設置され、排気浄化装置15には感知部29と感知信号処理部30を有するセンサー28を設け、センサー28の感知信号処理部30はカバー27の外側に配置しているので、センサー28の感知信号処理部30は、カバー27内の高温の影響を受けず、破損を防止し、耐久性を低下させない。
【0019】
センサー28は、例えば、DOC16の圧力を検知する圧力センサ31とDPF17の圧力を検知する後側圧力センサ32を設けると、圧力センサ31と後側圧力センサ32によりDOC16とDPF17の圧力差を検出することができ、その結果からDPF17の詰まり具合を判定する。
また、センサー28は、DOC16とDPF17とこれらの中間の三カ所に温度センサ34を配置してもよく、温度センサ34によりDPF17の燃焼温度を検出し、DPF17における燃焼具合からDPF17の濾過除去状況や前記付着物を除去する再生状況を把握する。
また、排気浄化装置15の外周はカバー27により包囲しているので、メンテナンス時等に作業者の身体が排気浄化装置15に接触するのを防止し、安全性を向上させられる。
排気浄化装置15のDOC16とエンジン11とを接続する上手側接続配管21の外周も配管カバー35により包囲しているので、エンジン11からDOC16に至る上手側接続配管21内の排気温度を低下させず、DPF17の濾過除去効率を低下させない。
【0020】
上手側接続配管21とエンジン11の排気排出口40からの配管41とは、フレックスパイプ42により接続し、このフレックスパイプ42は、フレックスパイプ42の伸縮方向と、エンジン11から脱穀装置3へ回転伝動する入力プーリー43と出力プーリー44とを結ぶ線とが、45度以上の角度で交差するように配置しているので、エンジン11の振動はフレックスパイプ42の伸縮方向に作用しにくく、交差する横方向に作用し、振動吸収性を低下させず、フレックスパイプ42を含めた配管構成全体の耐久性を向上させられる。
上手側接続配管21は排気浄化装置15の本体45の上面前側部分であって、排気排出口40よりも下方側に設け、下手側接続配管23の基部(排気浄化装置15の排気口)は、本体45の後部に設け、脱穀装置3の1番コンベア46より下方で、コンバインの機体中央付近に設けているので、排気排出口40から下手側接続配管23の基部まで排気の流れがスムーズとなり、また、排気管14全体長を短くする。
【0021】
エンジン11の外側方には冷却ファン48を設け、冷却ファン48からの送風を前記脱穀装置3の唐箕49へ送る風路50を、グレンタンク5と脱穀装置3との間に形成し、前記風路50内に前記排気浄化装置15を配置しているので、排気浄化装置15のカバー27の外周に設けたセンサー28の感知信号処理部30が、前記風路50内に位置させられ、冷却ファン48からの冷却風をセンサー28の感知信号処理部30の冷却に作用させられる。
この場合、エンジン11の内側には、導風板51を縦軸52中心に回動自在に設ける。導風板51は冷却ファン48の送風方向と並行な非導風状態と送風方向と交差する方向に突き出る導風位置とに位置を切り替え可能に構成しているので、通常は、導風板51を非導風状態とし、冷却ファン48の送風を排気浄化装置15に送らないで、排気浄化装置15の温度を高温の保持し、DPF17の再生時には導風板51を導風状態に切り替えてセンサー28の感知信号処理部30を冷却する。
【0022】
また、冷却ファン48により、センサー28の感知信号処理部30を冷却する場合、DPF17の強制再生させるとき、冷却ファン48の駆動回転数を増速するので、DPF17を強制再生により、周囲温度が高温になっても、駆動回転数を増速させた冷却ファン48からの冷却風がセンサー28の感知信号処理部30を冷却することができ、センサー28の感知信号処理部30の破損を防止する。
図8の、排気浄化装置15への送風機構の他の実施例では、エンジン11の排気排出口(図示省略)から前記排気浄化装置15の間の配管41の途中にエンジン11の排気ガスにより回転する送風機構55を設けているので、 ぞのため、排気浄化装置15のセンサー28の感知信号処理部30の近傍に送風機構55を位置させることができ、センサー28の感知信号処理部30の冷却効率を向上させられる。
また、エンジン11の排気ガスを利用して送風するので、送風機構55を回転させる伝動機構が不要となって、コストおよび重量を低くする。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示および説明しているが、これらの実施例は夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。