【課題を解決するための手段】
【0023】
フィルタ装置に係る本発明の第1の特徴構成は、
被処理ガスが流入する流入口部を装置ケースに形成するとともに、被処理ガスに含まれる粘着性の捕集対象物質を捕集するフィルタを装置ケースに内装し、
粉体状のフィルタ用プリコート剤を気体とともに噴出するプリコート剤ノズルを、前記流入口部に配置してあるフィルタ装置であって、
前記流入口部を横幅方向に延びる横偏平形状の開口部にし、
この流入口部の長手方向視で下向きに開口する断面形状の滞留用凹部を、前記流入口部の長手方向に連続させて前記流入口部の上縁部に形成し、
前記プリコート剤ノズルを、前記滞留用凹部の奥部に向けてプリコート剤及び気体を噴出させる状態で前記流入口部の長手方向における所定箇所に配置し、
前記流入口部における通過被処理ガスを前記流入口部の長手方向における一方側と他方側とへ向き変化を伴う状態で分流する拡散補助具を、前記流入口部の長手方向における前記プリコート剤ノズルの配置箇所近傍で前記流入口部に配置してある点にある。
【0024】
この構成によれば、滞留用凹部の奥部に向けてプリコート剤ノズルから粉体状のプリコート剤を気体とともに噴出することにより、流入口部における被処理ガスの流れが滞留用凹部の下向き開口の近傍を通過することとも相俟って、滞留用凹部において噴出プリコート剤を伴う気体の適当時間にわたる渦流的な滞留を生じさせることができる。(特許文献6参照)
【0025】
この渦流的な滞留により、流入口部の長手方向に連続する滞留用凹部において、攪拌を伴いながらプリコート剤をプリコート剤ノズルの配置箇所から流入口部の長手方向(横幅方向)へ拡散させることができる。
【0026】
そして、このようにプリコート剤を流入口部の長手方向へ拡散させながら、その拡散したプリコート剤を滞留用凹部の下向き開口から流入口部における被処理ガスの通過流に徐々に取り込ませることができ、これにより、流入口部から装置ケース内に流入する被処理ガスに対してプリコート剤を流入口部の長手方向において均一な分散状態で混合することができる。
【0027】
また、流入口部における通過被処理ガスを拡散補助具により流入口部の長手方向における一方側と他方側とへ向き変化を伴う状態で分流することにより、その分流による被処理ガスの向き変化をもって、上記の如き滞留用凹部でのプリコート剤の流入口部長手方向(横幅方向)への拡散を一層促進できるとともに、拡散したプリコート剤を滞留用凹部から被処理ガスの通過流に取り込ませる過程でもプリコート剤をさらに拡散させることができ、これらのことにより、被処理ガスに対するプリコート剤の均一な分散状態での混合をさらに促進することができる。
【0028】
これらのことから、流入口部を種々の要求に応じて横幅方向に延びる横偏平な開口部にしながらも、多数のプリコート剤ノズルを小さい間隔で流入口部の横幅方向(長手方向)に並置することを回避することができ、流入口部に対し1つのプリコート剤ノズルを設けるだけで済ませる、あるいは、プリコート剤ノズルを流入口部の横幅方向に並置するにしても、並置間隔を大きくして並置数を効果的に削減することができる。
【0029】
なお、この構成の実施において、流入口部の長手方向視における滞留用凹部の具体的な形状は弧状や多角形状など種々の形状を採用することができ、被処理ガスの流速やプリコート剤の材質等々に応じて選定すればよい。
【0030】
フィルタ装置に係る本発明の第2の特徴構成は、
前記拡散補助具は、被処理ガス通過方向における上手側に向かって尖るナイフエッジ構造の板縁部を備える縦姿勢の板状体にしてある点にある。
【0031】
この構成によれば、拡散補助具が被処理ガスの大きな通過抵抗になって送風機動力の浪費を招くことを効果的に回避しながら、被処理ガスを流入口部長手方向における一方側と他方側とへ向き変化を伴う状態で円滑に分流させることができる。
【0032】
フィルタ装置に係る本発明の第3の特徴構成は、
前記拡散補助具は、前記流入口部における上部側にのみ配置してある点にある。
【0033】
この構成によれば、流入口部の上部側では拡散補助具の存在により被処理ガスを向き変化を伴う状態で分流させながらも、流入口部の下部側では拡散補助具の不存により被処理ガスを流入口部長手方向において均一な一体状態で通過させることができ、このことで、流入口部全体としての通過被処理ガスの流入口部長手方向での均一性及び一体性を極力良好に維持することができる。
【0034】
即ち、このことにより、プリコート剤を混合した被処理ガスを装置ケース内のフィルタに対して均一に通過させる状態を良好に維持することができる。
【0035】
フィルタ装置に係る本発明の第4の特徴構成は、
前記プリコート剤ノズルの噴出口は、被処理ガス通過方向において前記滞留用凹部の中央部より下流側寄りに配置してある点にある。
【0036】
この構成によれば、プリコート剤ノズルからのプリコート剤及び気体の噴出により滞留用凹部において形成する渦流的な滞留域を、滞留用凹部における被処理ガス通過方向の下流側部分よりも上流側部分(即ち、滞留用凹部の上流側端とプリコート剤ノズルとの間の部分)において大きく形成することができる。
【0037】
そして、このことにより、流入口部における被処理ガスの通過流に対して滞留用凹部からプリコート剤を取り込ませる箇所を、全体として被処理ガス通過方向における滞留用凹部の上流側端寄りに偏らせることができ、この偏り分だけ、流入口部通過過程にある被処理ガス中でのプリコート剤の拡散を一層促進することができる。
【0038】
フィルタ装置に係る本発明の第5の特徴構成は、
前記拡散補助具は、被処理ガス通過方向において前記滞留用凹部の中央部より下流側寄りに配置してある点にある。
【0039】
この構成によれば、被処理ガス通過方向において拡散補助具よりも上流側の箇所で滞留用凹部から被処理ガスの通過流にプリコート剤を十分に取り込ませて、そのようにプリコート剤を十分に取り込んだ後の通過被処理ガスに対し拡散補助具を作用させることができる。
【0040】
即ち、プリコート剤を十分に取り込んだ後の通過被処理ガスを拡散補助具により向き変化を伴う状態で分流させることができ、これにより、その分流に伴う被処理ガスの向き変化を通過被処理ガス中におけるプリコート剤の拡散に一層効果的に寄与させることができる。
【0041】
フィルタ装置に係る本発明の第6特徴構成は、
前記拡散補助具は、その上端部が前記滞留用凹部の内部に位置する状態に配置してある点にある。
【0042】
この構成によれば、滞留用凹部においてプリコート剤を伴って渦流的に滞留する気体に対しても拡散補助具を前述の如く向き変化を伴わせる状態で分流作用させることができ、これにより、滞留用凹部での攪拌を伴うプリコート剤の流入口部長手方向(横幅方向)への拡散をさらに効果的に促進することができる。
【0043】
フィルタ装置に係る本発明の第7の特徴構成は、
被処理ガス通過方向における前記滞留用凹部の上流側の端縁部は、縦姿勢の上流側垂れ壁にしてある点にある。
【0044】
この構成によれば、滞留用凹部における渦流的な滞留において被処理ガス通過方向における滞留用凹部の上流側端に至った拡散状態のプリコート剤及び気体の一部を、縦姿勢の上流側垂れ壁により下向きに案内することができる。
【0045】
そして、この上流側垂れ壁による下向きへの案内により、プリコート剤を流入口部の上流側部分で被処理ガスの通過流に積極的に合流させることができ、これにより、プリコート剤を流入口部の高さ方向(短辺方向)についても効果的に分散させた状態で被処理ガスに混合することができて、フィルタに通過させる被処理ガスのプリコート剤分布を一層均一化することができる。
【0046】
フィルタ装置に係る本発明の第8の特徴構成は、
被処理ガス通過方向における前記滞留用凹部の下流側の端縁部は、縦姿勢の下流側垂れ壁にしてある点にある。
【0047】
この構成によれば、前記の上流側垂れ壁と同様、滞留用凹部における渦流的な滞留において被処理ガス通過方向における滞留用凹部の下流側端に至った拡散状態のプリコート剤及び気体の一部を、縦姿勢の下流側垂れ壁により下向きに案内することができる。
【0048】
そして、この下流側垂れ壁による下向きへの案内により、プリコート剤を流入口部の下流側部分で被処理ガスの通過流に積極的に合流させることができ、これにより、プリコート剤を流入口部の高さ方向(短辺方向)についても効果的に分散させた状態で被処理ガスに混合することができて、フィルタに通過させる被処理ガスのプリコート剤分布を一層均一化することができる。
【0049】
なお、第7又は第8特徴構成において、流入口部の下縁部に滞留用凹部に対して対向する底部を形成する場合には、次の効果も得ることができる。
【0050】
つまり、上流側垂れ壁や下流側垂れ壁による案内で形成する下向き流により、流入口部における被処理ガスの通過流をある程度斜め下向きに変化させることができ、これにより、被処理ガスの通過流に対して滞留用凹部から取り込ませたプリコート剤の一部を確実に流入口部の上記底部に至らせることができて、その底部上にプリコート剤層を形成することができる。
【0051】
即ち、このプリコート剤層の形成により、被処理ガスに含まれる粘着性の捕集対象物質が流入口部の底部に付着堆積することを効果的に防止することができる。
【0052】
フィルタ装置に係る本発明の第9特徴構成は、
前記拡散補助具は、その上端部が被処理ガス通過方向において前記下流側垂れ壁から前記滞留用凹部の内部に突出する状態に配置してある点にある。
【0053】
この構成によれば、滞留用凹部においてプリコート剤を伴って渦流的に滞留する気体に対して拡散補助具の上端部を分流作用させることに加え、拡散補助具の上端部とその基端に位置する下流側垂れ壁とが形成するコーナー構造により分流後の気体を流入口部長手方向の一方側と他方側とへ一層効果的に向き変化させることができ、これにより、滞留用凹部での攪拌を伴うプリコート剤の流入口部長手方向(横幅方向)への拡散をさらに効果的に促進することができる。
【0054】
フィルタ装置に係る本発明の第10特徴構成は、
前記拡散補助具は、その下端部が前記下流側垂れ壁の下方で被処理ガス通過方向に延びる状態に配置してある点にある。
【0055】
この構成によれば、拡散補助具の下端部が下流側垂れ壁の下方で被処理ガス通過方向に延びることで、流入口部の通過被処理ガスに対する拡散補助具の分流作用を高めることができ、これにより、流入口部長手方向へのプリコート剤の拡散をさらに促進することができる。
【0056】
フィルタ装置に係る本発明の第11特徴構成は、
前記拡散補助具は、前記プリコート剤ノズルに取り付けてある点にある。
【0057】
この構成によれば、拡散補助具専用の支持部材を不要にすることができて、流入口部の内部構造を簡素にすることができ、また、拡散用補助具を予めプリコート剤ノズルに取り付けておくことで、両者の相対的な配置関係を適切に保った状態で拡散補助具とプリコート剤ノズルとを一挙に流入口部に装備することができ、装置の製作を容易にすることができる。
【0058】
フィルタ装置に係る本発明の第12の特徴構成は、
前記滞留用凹部に対向するとともに被処理ガス通過方向における下流側ほど低くなる傾斜底を、前記流入口部の長手方向に連続させて前記流入口部の下縁部に形成してある点にある。
【0059】
つまり、この構成によれば、被処理ガスに含まれる粘着性の捕集対象物質がプリコート剤との混合状態で傾斜底に堆積したとしても、傾斜壁の傾斜をもって、また、前述の如き底部上のプリコート剤層がある場合には、そのプリコート剤層による付着防止効果とも相俟って、その混合状態の堆積物を速やかに装置ケース内方側へ排除することができ、これにより、フィルタ装置の運転を良好かつ安定的に維持することができる。
【0060】
フィルタ装置に係る本発明の第13の特徴構成は、
被処理ガス通過方向における前記傾斜底の上流側の端縁部は、前記滞留用凹部の上流側の端縁部に向かって立ち上がる縦姿勢の上流側立上り壁にしてある点にある。
【0061】
この構成によれば、滞留用凹部の上流側の端縁部に向かって立ち上がる上流側立上り壁の存在により、流入口部の下縁側(即ち、傾斜底の側)において被処理ガスの通過風速を抑制することができる。
【0062】
即ち、流入口部の上縁部では滞留用凹部の存在(特に滞留用凹部の上流側端縁部の存在)により被処理ガスの通過風速が抑制されるが、これに対し、流入口部の下縁側でも上流側立上り壁の存在により被処理ガスの通過風速を抑制することで、流入口部における被処理ガス通過風速のバランスを採ることができる。
【0063】
即ち、このことにより、流入口部を通じた装置ケース内への被処理ガスの流入、及び、流入口部での被処理ガスに対するプリコート剤の混合を円滑かつ安定的に保つことができる。
【0064】
そしてまた、この上流側立上り壁の存在により、傾斜底にも渦流的な滞留を生じさせることができ、これにより、前記下流側垂れ壁を設ける場合では、前述の如く下流側垂れ壁による案内で形成する下向き流により、被処理ガスの通過流をある程度斜め下向きに変化させて、被処理ガスに取り込ませたプリコート剤の一部を傾斜壁の下流側部分に至らせることにおいて、傾斜底の下流側部分に至ったプリコート剤を傾斜底上の上記渦流的な滞留により傾斜底を駆け上がらせる状態にして傾斜底上に拡げることができる。
【0065】
即ち、このことにより、流入口部の底部を傾斜底にしながらも、その傾斜底上に形成する付着防止用のプリコート剤層を安定的に維持することができる。
【0066】
フィルタ装置に係る本発明の第14の特徴構成は、
前記流入口部は、前記被処理ガス通過方向における前記滞留用凹部の上流側の端縁部とその下方に位置する前記傾斜底の上流側の端縁部との間を上流側開口とし、かつ、前記被処理ガス通過方向における前記滞留用凹部の下流側の端縁部とその下方に位置する前記傾斜底の下流側の端縁部との間を下流側開口とする筒構造にし、
この筒構造において前記下流側開口は前記上流側開口より低位置に配置し、
前記装置ケースの内部において前記下流側開口よりも高位置に前記フィルタを配置してある点にある。
【0067】
この構成によれば、被処理ガスを流入口部における高位の上流側開口から下位の下流側開口に向かって斜め下向きに通過させるのに続き、その斜め下向きから上向きへ大きく向き変化させて、流入口部の下流側開口より高位のフィルタに通過させることができる。
【0068】
即ち、この大きな向き変化により、流入口部の通過過程で被処理ガスに混合したプリコート剤の被処理ガス中での拡散を一層促進することができ、これにより、フィルタに通過させる被処理ガスのプリコート剤分布を一層均一化することができる。
【0069】
フィルタ装置に係る本発明の第15の特徴構成は、
前記滞留用凹部は、その上底部を形成する上底壁面と、被処理ガス通過方向における前記滞留用凹部の上流側端縁部に位置する縦姿勢の上流側垂れ壁と、被処理ガス通過方向の上流側ほど低くなる傾斜姿勢で前記上底壁面の被処理ガス通過方向における上流側端と上流側垂れ壁の基端とにわたる上流側傾斜底壁面とを備える構造にし、
前記上流側傾斜底壁面における前記上流側垂れ壁の近傍箇所に、下方に向かって前記滞留用凹部の内部に突出する拡散補助突起を備えさせ、この拡散補助突起の下方への突出寸法は、前記上流側垂れ壁の下方への延出寸法より小さくし、
前記プリコート剤ノズルの噴出口は、被処理ガス通過方向の下流側から前記上底壁面に向けて斜め上向きにプリコート剤及び気体を噴出する状態に配置してある点にある。
【0070】
この構成によれば、プリコート剤ノズルから噴出したプリコート剤及び気体を、上底壁面、上流側傾斜底壁面、並びに、上流側垂れ壁の夫々により案内することで、滞留用凹部の下向き開口近くを通過する被処理ガスの流れとも相俟って、前述の渦流的な滞留域を滞留用凹部における上流側部分において効果的に生じさせることができる。
【0071】
また、このように渦流的な滞留域を滞留用凹部における上流側部分において効果的に生じさせることにおいて、プリコート剤ノズルから噴出したプリコート剤及び気体の一部を上流側傾斜底壁面による案内下において上記拡散補助突起に衝突させ、この衝突によりプリコート剤の流入口部長手方向への拡散を助長するができる。
【0072】
即ち、この衝突による拡散助長により、前述の如き渦流的な滞留による攪拌を伴う滞留用凹部でのプリコート剤の流入口部長手方向(横幅方向)へ拡散をさらに効果的に促進することができる。
【0073】
なお、この構成の実施において上底壁面や上流側傾斜底壁面は平面に限られるものではなく、滞留用凹部の断面形状を弧状にする湾曲面であってもよい。
【0074】
塗装ブースに係る本発明の第16の特徴構成は、
塗装室から下方に排出される塗料ミスト含有の排出空気を受け入れる排気室を、前記塗装室の下方に設けた塗装ブースにおいて、
前記フィルタ装置を前記排気室の横外側に隣接させて配置し、
このフィルタ装置の前記流入口部を前記排気室の側壁部で前記排気室の室内に開口させてある点にある。
【0075】
この構成によれば、塗装室から下方の排気室に排出された空気を流入口部の横幅方向(即ち、ここでは塗装ブースの長手方向)において均一な気流状態でフィルタ装置の流入口部に流入させて、その排出空気をフィルタ装置内のフィルタに均一に通過させることができ、これにより、塗装室からの排出空気に含まれる捕集対象物質としての塗料ミストを円滑かつ効率的にフィルタ装置で捕集することができる。
【0076】
そしてまた、フィルタ装置の流入口部では、前述の如く流入口部の上縁部に形成した滞留用凹部により、プリコート剤ノズルからの噴出プリコート剤を流入口部長手方向に効果的に分散させて被処理ガス(即ち、排出空気)に混合することができ、これにより、先述の如くブース長手方向に延びる中央間隙や底部間隙において多数のプリコート剤ノズルを小さい間隔でブース長手方向に並置する必要がある従来例3,4(特許文献3のFig1,Fig15)に見られる塗装ブースに比べ、プリコート剤ノズルの必要装備数を大幅に削減することができる。
【0077】
即ち、このことにより、フィルタ装置を含む塗装ブースの構造を簡素化することができて、塗装ブースの装置コストを低減することができ、また、メンテナンスも容易な塗装ブースにすることができる。
【0078】
また、フィルタ装置の流入口部を排気室の側壁部で直接的に排気室内に開口させるから、フィルタ装置の流入口部と排気室とを接続する長尺な接続ダクトも不要になり、この点からも、フィルタ装置を含む塗装ブースの構造を簡素にすることができる。
【0079】
この構成の実施において、排気室の横外側にフィルタ装置を隣接状態に配置するにあたっては、塗装室とほぼ同じ幅を有する排気室の横外側にフィルタ装置を隣接させる配置形態、あるいは、排気室を塗装室よりも幅狭にして排気室の横外側で塗装室の下方に形成される窪み部にフィルタ装置を配置する配置形態など、種々の配置形態を採ることができる。
【0080】
なお、塗装室の下方に排気室を設けない簡易塗装ブースの場合には、被塗物を吹き付け塗装する塗装室の横外側に隣接させて前記フィルタ装置を配置し、このフィルタ装置の前記流入口部を前記塗装室の底部で前記塗装室の側壁部に開口させるようにしてもよい。
【0081】
この場合も、上記と同様に、プリコート剤ノズルの必要装備数を大幅に削減することができて、フィルタ装置を含む簡易塗装ブースの構造を簡素化することができる。