特許第5754670号(P5754670)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5754670
(24)【登録日】2015年6月5日
(45)【発行日】2015年7月29日
(54)【発明の名称】撮像レンズ
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20150709BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20150709BHJP
【FI】
   G02B13/00
   G02B13/18
【請求項の数】8
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2011-143711(P2011-143711)
(22)【出願日】2011年6月29日
(65)【公開番号】特開2013-11710(P2013-11710A)
(43)【公開日】2013年1月17日
【審査請求日】2014年6月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】708000650
【氏名又は名称】株式会社オプトロジック
(73)【特許権者】
【識別番号】391014055
【氏名又は名称】カンタツ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】久保田 洋治
(72)【発明者】
【氏名】久保田 賢一
(72)【発明者】
【氏名】平野 整
(72)【発明者】
【氏名】栗原 一郎
(72)【発明者】
【氏名】伊勢 善男
(72)【発明者】
【氏名】米澤 友浩
【審査官】 殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−085733(JP,A)
【文献】 特開2007−298572(JP,A)
【文献】 特開2010−256608(JP,A)
【文献】 米国特許第07911711(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 − 17/08
G02B 21/02 − 21/04
G02B 25/00 − 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像面側に向かって順に、正の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、負の屈折力を有する第4レンズと、負の屈折力を有する第5レンズとから構成され、
前記第1レンズは、物体側の面の曲率半径が正となる形状であり、
前記第2レンズは、物体側の面の曲率半径および像面側の面の曲率半径が共に正となる形状であり、
前記第3レンズは、物体側の面の曲率半径が正となる形状であり、
前記第5レンズは、物体側の面の曲率半径および像面側の面の曲率半径が共に正となる形状であり、
レンズ系全体の焦点距離をf、前記第1レンズの焦点距離をf1、前記第2レンズの焦点距離をf2、前記第3レンズの焦点距離をf3、前記第4レンズの焦点距離をf4、および前記第5レンズの焦点距離をf5としたとき、
f1<f3 且つ |f2|<f3
f3<|f4| 且つ |f2|<|f5|
3.0<f3/f<7.0
を満足する撮像レンズ。
【請求項2】
前記第1レンズのアッベ数をνd1、前記第2レンズのアッベ数をνd2、前記第3レンズのアッベ数をνd3、前記第4レンズのアッベ数をνd4、前記第5レンズのアッベ数をνd5としたとき、
45<νd1<85
νd2<35
45<νd3<85
νd4<35
45<νd5<85
を満足する請求項1に記載の撮像レンズ。
【請求項3】
レンズ系全体の焦点距離をf、前記第2レンズの焦点距離をf2としたとき、
−1.5<f2/f<−0.4
を満足する請求項1または2に記載の撮像レンズ。
【請求項4】
前記第1レンズの焦点距離をf1、前記第2レンズの焦点距離をf2としたとき、
−1.0<f1/f2<−0.5
を満足する請求項1〜3のいずれか一項に記載の撮像レンズ。
【請求項5】
前記第2レンズの物体側の面の曲率半径をR2f、像面側の面の曲率半径をR2rとしたとき、
3.0<R2f/R2r<6.0
を満足する請求項1〜4のいずれか一項に記載の撮像レンズ。
【請求項6】
前記第3レンズの物体側の面の最大有効径をφ3A、像面側の面の最大有効径をφ3B、前記第4レンズの物体側の面の最大有効径をφ4A、像面側の面の最大有効径をφ4B、これら面の最大有効径φ3A〜φ4Bの70%までにおけるサグ量の最大値の絶対値をZ0.7としたとき、
0.7/f<0.1
を満足する請求項1〜5のいずれか一項に記載の撮像レンズ。
【請求項7】
レンズ系全体の焦点距離をf、前記第3レンズと前記第4レンズとの合成焦点距離をf34としたとき、
2.0<f34/f<10.0
を満足する請求項1〜6のいずれか一項に記載の撮像レンズ。
【請求項8】
前記第2レンズの像面側の面から前記第3レンズの物体側の面までの光軸上の距離をdA、前記第3レンズの像面側の面から前記第4レンズの物体側の面までの光軸上の距離をdBとしたとき、
0.3<dA/dB<2.0
を満足する請求項1〜7のいずれか一項に記載の撮像レンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子上に被写体像を形成する撮像レンズに係り、携帯電話機、デジタルスティルカメラ、携帯情報端末、セキュリティカメラ、車載カメラ、ネットワークカメラ等の比較的小型のカメラに搭載されて好適な撮像レンズに関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記小型のカメラに搭載される撮像レンズには、レンズの構成枚数が少ないことはもちろんのこと、近年の高画素化された撮像素子にも対応できる解像度の高いレンズ構成が要求される。従来、こうした撮像レンズとして、3枚構成の撮像レンズが多用されてきたが、撮像素子の高画素化に伴い、3枚のレンズのみでは十分な性能を得ることが困難になってきた。近年では、4枚構成や5枚構成からなるレンズ構成が採用されつつある。
【0003】
その中でも、5枚構成からなるレンズ構成は、設計自由度が高いことから、次世代の撮像レンズに採用されるレンズ構成として期待されている。5枚構成の撮像レンズとしては、例えば特許文献1に記載の撮像レンズが知られている。この撮像レンズは、物体側から順に、物体側の面が凸形状の正の第1レンズと、像面側に凹面を向けた負のメニスカス形状の第2レンズと、像面側に凸面を向けた正のメニスカス形状の第3レンズと、両面が非球面形状で光軸近傍において像面側の面が凹形状の負の第4レンズと、両面が非球面形状の正または負の第5レンズとから構成されている。当該構成において、第1レンズのアッベ数の下限値、第2および第4レンズのアッベ数の上限値をそれぞれ規定することによって軸上の色収差や倍率色収差の補正を行い、撮像レンズの高性能化に対応している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−264180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の撮像レンズによれば、比較的良好な収差を得ることは可能である。しかしながら、レンズ系の全長が長いため、撮像レンズの小型化と良好な収差補正との両立を図ることは困難である。
【0006】
本発明は上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型でありながらも収差を良好に補正することのできる撮像レンズを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明によれば、撮像レンズは、物体側から像面側に向かって順に、正の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、負の屈折力を有する第4レンズと、負の屈折力を有する第5レンズとを配置して構成される。第1レンズは、物体側の面の曲率半径が正となる形状に形成され、第2レンズは、物体側の面の曲率半径および像面側の面の曲率半径が共に正となる形状に形成され、第3レンズは、物体側の面の曲率半径が正となる形状に形成され、第5レンズは、物体側の面の曲率半径および像面側の面の曲率半径が共に正となる形状に形成される。当該構成において、レンズ系全体の焦点距離をf、第1レンズの焦点距離をf1、第2レンズの焦点距離をf2、第3レンズの焦点距離をf3、第4レンズの焦点距離をf4、第5レンズの焦点距離をf5としたとき、撮像レンズは次の条件式(1)、(2)、および(12)を満足する。
f1<f3 且つ |f2|<f3 (1)
f3<|f4| 且つ |f2|<|f5| (2)
3.0<f3/f<7.0 (12)
【0008】
条件式(1)および(2)は、撮像レンズの小型化を図りつつ諸収差を良好に補正するための条件である。上記構成の撮像レンズでは、第1レンズおよび第2レンズの屈折力が他の3枚のレンズの屈折力よりも強いため、レンズ系全体の屈折力は物体側に集中する。これにより、撮影画角をある程度確保しつつ光学全長を圧縮することが可能となり、撮像レンズの小型化が好適に図られる。また、本発明では第3レンズから第5レンズまでの各レンズの屈折力が相対的に弱くなっている。屈折力の強い第1レンズおよび第2レンズで発生した諸収差は、これら屈折力の弱い第3レンズから第5レンズまでの各レンズを通じて好適に補正される。
【0009】
なお、第2レンズの焦点距離と第3レンズの焦点距離との関係、および第2レンズの焦点距離と第5レンズの焦点距離との関係は次の条件式(3)を満足することが望ましい。
3×|f2|<f3 且つ 3×|f2|<|f5| (3)
【0010】
本発明の撮像レンズにおいて第3レンズは、諸収差を補正するための機能を主に担う。条件式(12)は、撮像レンズの小型化を図りつつ、諸収差をより良好に補正するための条件である。上限値「7.0」を超えるとレンズ系全体の屈折力に対して第3レンズの屈折力が弱くなるため、撮像レンズの小型化が困難となる。なお、第3レンズの屈折力が弱い場合には、第4レンズあるいは第5レンズの屈折力を強くすることによって撮像レンズの小型化を図ることが可能である。しかしながら、この場合には諸収差の補正が難しくなり(特にコマ収差の補正)、良好な結像性能を得ることが困難となる。一方、下限値「3.0」を下回ると、撮像レンズの小型化には有利となるものの、コマ収差が増大するとともに非点隔差が増大する。よって、この場合も良好な結像性能を得ることが困難となる。
【0012】
上記構成の撮像レンズにおいては、第4レンズを、物体側の面の曲率半径および像面側の面の曲率半径が共に負となる形状に形成することが望ましい。
【0013】
上述のように第2レンズは、物体側の面の曲率半径および像面側の面の曲率半径が共に正となる形状、すなわち物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとなる形状に形成される。第4レンズを、物体側の面の曲率半径および像面側の面の曲率半径が共に負となる形状、すなわち物体側に凹面を向けたメニスカスレンズとなる形状に形成することにより、第2レンズおよび第4レンズは、第3レンズに対して互いに凹面を向けた態様で配置される。このため、第1レンズにて発生した諸収差は、第2レンズから第4レンズまでの負正負の屈折力の配列、ならびに第2レンズおよび第4レンズの各レンズ面の形状によっても好適に補正されることになる。
【0014】
上記構成の撮像レンズにおいては、第1レンズのアッベ数をνd1、第2レンズのアッベ数をνd2、第3レンズのアッベ数をνd3、第4レンズのアッベ数をνd4、第5レンズのアッベ数をνd5としたとき、次の条件式(4)〜(8)を満足することが望ましい。
45<νd1<85 (4)
νd2<35 (5)
45<νd3<85 (6)
νd4<35 (7)
45<νd5<85 (8)
【0015】
条件式(4)〜(8)は、軸上の色収差および軸外の倍率色収差を良好に補正するための条件である。条件式(4)〜(8)によれば、第2レンズおよび第4レンズは高分散の材料で形成され、第1レンズ、第3レンズ、および第5レンズは低分散の材料で形成される。このため、本発明の撮像レンズにおいて高分散の材料と低分散の材料とが交互に組み合わせられることになり、軸上の色収差および軸外の倍率色収差がより良好に補正される。
【0016】
上記構成の撮像レンズにおいては、レンズ系全体の焦点距離をf、第2レンズの焦点距離をf2としたとき、次の条件式(9)を満足することが望ましい。
−1.5<f2/f<−0.4 (9)
【0017】
条件式(9)は、色収差および像面湾曲を好ましい範囲内に抑制するための条件である。上限値「−0.4」を超えると、レンズ系全体の屈折力に対して第2レンズの屈折力が相対的に強くなるため、軸上および軸外の色収差が補正過剰(基準波長の色収差に対して短波長の色収差がプラス方向に増大)となる。また、結像面が像面側に湾曲することとなり、良好な結像性能を得ることが困難となる。一方、下限値「−1.5」を下回ると、レンズ系全体の屈折力に対して第2レンズの屈折力が相対的に弱くなるため、軸上および軸外の色収差が補正不足(基準波長の色収差に対して短波長の色収差がマイナス方向に増大)となる。また、結像面が物体側に湾曲することとなり、この場合も良好な結像性能を得ることが困難となる。
【0018】
上記構成の撮像レンズにおいては、第1レンズの焦点距離をf1、第2レンズの焦点距離をf2としたとき、次の条件式(10)を満足することが望ましい。
−1.0<f1/f2<−0.5 (10)
【0019】
条件式(10)は、レンズ系全体のペッツバールサムをゼロ近傍に抑制しつつ、非点収差、像面湾曲、および色収差を好ましい範囲内にバランスよく抑制するための条件である。上限値「−0.5」を超えると、第2レンズの屈折力に対して第1レンズの屈折力が相対的に強くなるため、軸上および軸外の色収差が補正不足となる。非点収差については、タンジェンシャル像面がマイナス方向に倒れて非点隔差が増大する。このため、良好な結像性能を得ることが困難となる。一方、下限値「−1.0」を下回ると、第2レンズの屈折力に対して第1レンズの屈折力が相対的に弱くなるため負の屈折力が強くなり、軸上および軸外の色収差は補正過剰となる。また、結像面が像面側に湾曲する。非点収差については、タンジェンシャル像面がプラス方向に倒れて非点隔差が増大する。よって、この場合も良好な結像性能を得ることが困難となる。
【0020】
上記構成の撮像レンズにおいては、第2レンズの物体側の面の曲率半径をR2f、像面側の面の曲率半径をR2rとしたとき、次の条件式(11)を満足することが望ましい。
3.0<R2f/R2r<6.0 (11)
【0021】
条件式(11)は、コマ収差、像面湾曲、および色収差のそれぞれを好ましい範囲内に抑制するための条件である。上限値「6.0」を超えると、第2レンズの屈折力が相対的に強くなり、軸外光線の外方コマが増大するとともに、軸上および軸外の色収差が補正過剰となる。また、結像面が像面側に湾曲するため、良好な結像性能を得ることが困難となる。一方、下限値「3.0」を下回ると、第2レンズの屈折力が相対的に弱くなり、軸上および軸外の色収差が補正不足となる。また、結像面が物体側に湾曲することとなり、この場合も良好な結像性能を得ることが困難となる。
【0022】
上記構成の撮像レンズにおいては、第3レンズの物体側の面の最大有効径をφ3A、像面側の面の最大有効径をφ3B、第4レンズの物体側の面の最大有効径をφ4A、像面側の面の最大有効径をφ4B、これら面の最大有効径φ3A〜φ4Bの70%までにおけるサグ量の最大値の絶対値をZ0.7としたとき、次の条件式(13)を満足することが望ましい。
0.7/f<0.1 (13)
【0023】
このように、最大サグ量を一定の範囲内に抑制することにより、第3レンズおよび第4レンズは、光軸方向の厚さがほぼ均一になるとともに、湾曲の度合いが少ない形状になる。このような第3レンズおよび第4レンズの形状によれば、複雑な形状の収差の発生が抑制されるとともに、第1レンズおよび第2レンズで発生した諸収差が良好に補正されるようになる。また、撮像レンズの製造に際して生じるディセンタ(軸ずれ)やチルト等による結像性能の劣化に対する敏感度、いわゆる製造誤差感度が低減することになる。さらに、光軸方向の厚さがほぼ均一になることで製造上の加工性が向上し、撮像レンズの製造コストが抑制される。なお、ここでサグ量とは、各面において、光軸に直交する接平面から当該面までの光軸に平行な方向の距離をいう。
【0024】
上記構成の撮像レンズにおいては、レンズ系全体の焦点距離をf、第3レンズと第4レンズとの合成焦点距離をf34としたとき、次の条件式(14)を満足することが望ましい。
2.0<f34/f<10.0 (14)
【0025】
レンズ系全体の焦点距離に対する第3レンズおよび第4レンズの合成焦点距離の比を条件式(6)にて示される範囲内に抑制することによって、諸収差のより良好な補正を図ることができる。上限値「10.0」を超えると、第3レンズおよび第4レンズの合成の屈折力が相対的に弱くなり、諸収差をバランスよく好ましい範囲内に抑制することが困難となる。一方、下限値「2.0」を下回ると、第3レンズおよび第4レンズの合成の屈折力が相対的に強くなるため、歪曲収差の補正には有利となるものの、非点隔差が増大し、良好な結像性能を得ることが困難となる。
【0026】
上記構成の撮像レンズにおいては、第2レンズの像面側の面から第3レンズの物体側の面までの光軸上の距離をdA、第3レンズの像面側の面から第4レンズの物体側の面までの光軸上の距離をdBとしたとき、次の条件式(15)を満足することが望ましい。
0.3<dA/dB<2.0 (15)
【0027】
ところで、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子には、その構造上、入射光線の取込角度に制限がある。軸外光線の射出角度が上記制限された範囲から外れた場合には、当該範囲から外れた光線はセンサに取り込まれ難くなり、いわゆるシェーディング現象が生じる。すなわち、撮像レンズを通して撮像した画像はその周辺部が中心部に比較して暗い画像となってしまう。
【0028】
上記条件式(15)は、撮像レンズの小型化を図りつつ、軸外光線の最大射出角度を小さく保つためのものである。上限値「2.0」を超えると、軸外光線の最大射出角度を小さく保つことが容易となるものの、撮像レンズの小型化が困難となる。一方、下限値「0.3」を下回ると、撮像レンズの小型化には有利となるものの、色収差が補正不足となり、良好な結像性能を得ることが困難となる。また、軸外光線の最大射出角度が大きくなり、シェーディング現象が生じ易くなる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の撮像レンズによれば、撮像レンズの小型化と良好な収差補正との両立が図られ、諸収差が良好に補正された小型の撮像レンズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の一実施の形態について、数値実施例1に係る撮像レンズの概略構成を示す断面図である。
図2図1に示す撮像レンズの横収差を示す収差図である。
図3図1に示す撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す収差図である。
図4】本発明の一実施の形態について、数値実施例2に係る撮像レンズの概略構成を示す断面図である。
図5図4に示す撮像レンズの横収差を示す収差図である。
図6図4に示す撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す収差図である。
図7】本発明の一実施の形態について、数値実施例3に係る撮像レンズの概略構成を示す断面図である。
図8図7に示す撮像レンズの横収差を示す収差図である。
図9図7に示す撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す収差図である。
図10】本発明の一実施の形態について、数値実施例4に係る撮像レンズの概略構成を示す断面図である。
図11図10に示す撮像レンズの横収差を示す収差図である。
図12図10に示す撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す収差図である。
図13】本発明の一実施の形態について、数値実施例5に係る撮像レンズの概略構成を示す断面図である。
図14図13に示す撮像レンズの横収差を示す収差図である。
図15図13に示す撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す収差図である。
図16】本発明の一実施の形態について、数値実施例6に係る撮像レンズの概略構成を示す断面図である。
図17図16に示す撮像レンズの横収差を示す収差図である。
図18図16に示す撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す収差図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明を具体化した一実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0032】
図1図4図7図10図13、および図16はそれぞれ、本実施の形態の数値実施例1〜6に係る撮像レンズの概略構成を示す断面図である。いずれの数値実施例も基本的なレンズ構成は同一であるため、ここでは数値実施例1の概略断面図を参照しながら、本実施の形態に係る撮像レンズのレンズ構成について説明する。
【0033】
図1に示すように、本実施の形態の撮像レンズは、物体側から像面側に向かって順に、正の屈折力を有する第1レンズL1と、負の屈折力を有する第2レンズL2と、正の屈折力を有する第3レンズL3と、負の屈折力を有する第4レンズL4と、負の屈折力を有する第5レンズL5とが配列されて構成される。第5レンズL5と像面IMとの間には、赤外線カットフィルタやカバーガラス等のフィルタ10が配置される。このフィルタ10は割愛することも可能である。なお、本実施の形態に係る撮像レンズでは、第1レンズL1の物体側の面に開口絞りを設けている。
【0034】
第1レンズL1から第5レンズL5までの各レンズは、次の条件式(1)および(2)を満足する。
f1<f3 且つ |f2|<f3 (1)
f3<|f4| 且つ |f2|<|f5| (2)
但し、
f1:第1レンズL1の焦点距離
f2:第2レンズL2の焦点距離
f3:第3レンズL3の焦点距離
f4:第4レンズL4の焦点距離
f5:第5レンズL5の焦点距離
【0035】
このように本実施の形態に係る撮像レンズでは、第1レンズL1および第2レンズL2の屈折力が他の3枚のレンズの屈折力よりも強くなっており、レンズ系全体の屈折力は物体側に集中している。これにより、撮像レンズの小型化が図られるとともに、第1レンズL1および第2レンズL2で発生した諸収差は、屈折力の弱い第3レンズL3から第5レンズL5までの各レンズを通じて好適に補正される。なお、本実施の形態に係る撮像レンズは、上記条件式(1)および(2)に加えて次の条件式(3)を満足する。
3×|f2|<f3 且つ 3×|f2|<|f5| (3)
【0036】
また、本実施の形態の撮像レンズは次の条件式(4)〜(8)を満足する。
45<νd1<85 (4)
νd2<35 (5)
45<νd3<85 (6)
νd4<35 (7)
45<νd5<85 (8)
但し、
νd1:第1レンズL1のアッベ数
νd2:第2レンズL2のアッベ数
νd3:第3レンズL3のアッベ数
νd4:第4レンズL4のアッベ数
νd5:第5レンズL5のアッベ数
【0037】
条件式(4)〜(8)に示されるように、本実施の形態の撮像レンズでは、高分散の材料と低分散の材料とが交互に組み合わせられている。各レンズのアッベ数が条件式(4)〜(8)にて示される範囲内にそれぞれ抑制されることにより、軸上の色収差および軸外の倍率色収差は良好に補正される。
【0038】
上記構成の撮像レンズにおいて第1レンズL1は、物体側の面の曲率半径R1が正となり、像面側の面の曲率半径R2が負となる形状、すなわち光軸Xの近傍において両凸レンズとなる形状に形成される。なお、第1レンズL1の形状は、このような光軸Xの近傍において両凸レンズとなる形状に限定されるものではない。第1レンズL1は、物体側の面の曲率半径R1が正となる形状であればよく、第1レンズL1を、曲率半径R1およびR2が共に正となる形状、すなわち光軸Xの近傍において物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとなる形状に形成してもよい。
【0039】
第2レンズL2は、物体側の面の曲率半径R3および像面側の面の曲率半径R4が共に正であり、光軸Xの近傍において物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとなる形状に形成される。また、第2レンズL2は次の条件式(9)および(11)を満足するように形成される。この第2レンズL2と前記第1レンズL1とは、上述のようにレンズ系の中でも屈折力が強いレンズである。本実施の形態においてこれら第1レンズL1および第2レンズL2は、次の条件式(10)を満足する。条件式(10)を満足することにより、本実施の形態の撮像レンズによれば、レンズ系全体のペッツバールサムがゼロ近傍に抑制され、非点収差、像面湾曲、および色収差が好ましい範囲内にバランスよく抑制されることになる。
−1.5<f2/f<−0.4 (9)
−1.0<f1/f2<−0.5 (10)
3.0<R2f/R2r<6.0 (11)
但し、
R2f:第2レンズL2の物体側の面の曲率半径
R2r:第2レンズL2の像面側の面の曲率半径
【0040】
さらに良好に収差を補正するためには、次の条件式(10A)を満足することが望ましい。数値実施例1、5、および6に係る撮像レンズは、当該条件式(10A)を満足する。
−0.7<f1/f2<−0.5 (10A)
【0041】
第3レンズL3は、物体側の面の曲率半径R5および像面側の面の曲率半径R6が共に正となる形状であって、光軸Xの近傍において物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとなる形状に形成される。当該第3レンズL3の形状は、光軸Xの近傍において物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとなる形状に限定されるものではない。第3レンズL3は、物体側の面の曲率半径R5が正となる形状であればよく、光軸Xの近傍において両凸レンズとなる形状でもよい。数値実施例1〜5は、第3レンズL3の形状が光軸Xの近傍において物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとなる例であり、数値実施例6は、第3レンズL3の形状が、光軸Xの近傍において両凸レンズとなる例である。
【0042】
第3レンズL3は次の条件式(12)を満足する。これにより、諸収差はより良好に補正される。さらに良好に収差を補正するためには、次の条件式(12A)を満足することが望ましい。数値実施例1および数値実施例3〜6に係る撮像レンズは、当該条件式(12A)を満足する。
3.0<f3/f<7.0 (12)
4.0<f3/f<7.0 (12A)
【0043】
第4レンズL4は、物体側の面の曲率半径R7および像面側の面の曲率半径R8が共に負となる形状、すなわち光軸Xの近傍において物体側に凹面を向けたメニスカスレンズとなる形状に形成される。上述のように、第2レンズL2が、光軸Xの近傍において物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとなる形状に形成されることから、第4レンズL4を、光軸Xの近傍において物体側に凹面を向けたメニスカスレンズとなる形状に形成することにより、第2レンズL2および第4レンズL4は、第3レンズL3に対して互いに凹面を向けた態様で配置されることになる。このため、第1レンズL1にて発生した諸収差は、第2レンズL2から第4レンズL4までの負正負の屈折力の配列、ならびに第2レンズL2および第4レンズL4の各レンズ面の形状によって好適に補正されることになる。
【0044】
上記第3レンズL3とこの第4レンズL4とは、諸収差を補正する機能を主として担う。本実施の形態に係る撮像レンズでは、第3レンズL3および第4レンズL4の各レンズ面のサグ量を一定の範囲内に抑制することによって諸収差が良好に補正されるようにしている。具体的には、第3レンズL3の物体側の面の最大有効径をφ3A、像面側の面の最大有効径をφ3B、第4レンズの物体側の面の最大有効径をφ4A、像面側の面の最大有効径をφ4B、これら面の最大有効径φ3A〜φ4Bの70%までにおけるサグ量の最大値の絶対値をZ0.7としたとき、次の条件式(9)を満足することが望ましい。
0.7/f<0.1 (13)
【0045】
第3レンズL3および第4レンズL4は、最大サグ量を条件式(13)の範囲内に抑制することにより、光軸Xの方向の厚さがほぼ均一になるとともに、湾曲の度合いが少ない形状になる。このようなレンズ形状によって諸収差はより良好に補正される。また、撮像レンズの製造に際して生じるディセンタ(軸ずれ)やチルト等による結像性能の劣化に対する敏感度、いわゆる製造誤差感度を有効に低減することができる。さらに、光軸Xの方向の厚さがほぼ均一になることで製造上の加工性が向上し、撮像レンズの製造コストを抑制することができる。なお、ここでサグ量とは、各面において、光軸Xに直交する接平面から当該面までの光軸Xに平行な方向の距離をいう。
【0046】
ここで、第2レンズL2から第4レンズL4までの各レンズは、次の条件式(14)および(15)を満足する。これにより、諸収差はより良好に補正される。また、軸外光線の最大射出角度が小さく保たれることとなり、シェーディング現象の発生が抑制される。
2.0<f34/f<10.0 (14)
0.3<dA/dB<2.0 (15)
但し、
f34:第3レンズL3と第4レンズL4との合成焦点距離
dA:第2レンズL2の像面側の面から第3レンズL3の物体側の面までの光軸上の距離
dB:第3レンズL3の像面側の面から第4レンズL4の物体側の面までの光軸上の距離
【0047】
さらに良好に収差を補正するためには、次の条件式(14A)および(15A)を満足することが望ましい。数値実施例1および数値実施例3〜6に係る撮像レンズは、当該条件式(14A)を満足する。また、数値実施例1〜6に係る撮像レンズは条件式(15A)を満足する。
4.0<f34/f<10.0 (14A)
0.3<dA/dB<1.5 (15A)
【0048】
第5レンズL5は、物体側の面の曲率半径R9および像面側の面の曲率半径R10が共に正となる形状であり、光軸Xの近傍において物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとなる形状に形成される。また、この第5レンズL5の像面側の面は、光軸Xの近傍において物体側に凸形状で且つ周辺部において物体側に凹形状となる非球面形状に形成される。第5レンズL5のこのような形状により、撮像レンズから出射した光の像面への入射角が好適に抑制される。
【0049】
なお、上記条件式(1)〜(15)の全てを満たす必要はなく、上記条件式(1)〜(15)のそれぞれを単独に満たすことにより、各条件式に対応する作用効果をそれぞれ得ることができる。
【0050】
本実施の形態では、各レンズのレンズ面を非球面で形成している。これらレンズ面に採用する非球面形状は、光軸方向の軸をZ、光軸に直交する方向の高さをH、円錐係数をk、非球面係数をA4、A6、A8、A10、A12、A14、A16としたとき、次式により表される。
【数1】
【0051】
次に、本実施の形態に係る撮像レンズの数値実施例を示す。各数値実施例において、fはレンズ系全体の焦点距離を、FnoはFナンバーを、ωは半画角をそれぞれ示す。また、iは物体側より数えた面番号を示し、Rは曲率半径を示し、dは光軸に沿ったレンズ面間の距離(面間隔)を示し、Ndはd線に対する屈折率を、νdはd線に対するアッベ数をそれぞれ示す。なお、非球面の面には、面番号iの後に*(アスタリスク)の符号を付加して示すこととする。なお、参考までに第1レンズL1の物体側の面から像面IMまでの光軸上の距離をLとして示す。
【0052】
数値実施例1
基本的なレンズデータを以下に示す。
f=3.981mm、Fno=2.31、ω=32.16°
単位 mm
面データ
面番号i R d Nd νd
(物面) ∞ ∞
1*(絞り) 1.637 0.600 1.5346 56.0(=νd1)
2* -32.616 0.050
3* 6.151(=R2f) 0.320 1.6142 26.0(=νd2)
4* 1.956(=R2r) 0.393(=dA)
5* 11.050 0.436 1.5346 56.0(=νd3)
6* 577.451 0.368(=dB)
7* -15.454 0.400 1.6142 26.0(=νd4)
8* -18.961 0.157
9* 1.508 0.696 1.5346 56.0(=νd5)
10* 1.256 0.235
11 ∞ 0.300 1.5163 64.12
12 ∞ 0.767
(像面) ∞

f1=2.934mm
f2=−4.809mm
f3=21.068mm
f4=−142.204mm
f5=−338.358mm
f34=24.831mm
0.7=0.054mm
L=4.62mm
【0053】
非球面データ
第1面
k=0.000,A4=-2.872E-03,A6=-1.595E-03,A8=2.064E-02,A10=-2.880E-02
第2面
k=0.000,A4=-7.666E-02,A6=2.609E-01,A8=-3.765E-01,A10=1.617E-01
第3面
k=0.000,A4=-1.611E-01,A6=4.112E-01,A8=-6.070E-01,A10=3.079E-01
第4面
k=0.000,A4=-9.785E-02,A6=2.488E-01,A8=-3.216E-01,A10=1.681E-01
第5面
k=0.000,A4=-1.150E-01,A6=1.621E-01,A8=-9.680E-02,A10=2.778E-02
第6面
k=0.000,A4=-1.711E-01,A6=2.129E-01,A8=-2.767E-01,A10=2.476E-01,
12=-1.092E-01,A14=1.524E-02,A16=3.922E-03
第7面
k=0.000,A4=1.025E-01,A6=-1.608E-01,A8=8.611E-02,A10=-2.751E-02,
12=-4.373E-03,A14=1.437E-03,A16=2.803E-05
第8面
k=0.000,A4=-3.790E-02,A6=6.322E-02,A8=-4.773E-02,A10=1.355E-02,
12=-3.741E-03,A14=1.293E-03,A16=-1.694E-04
第9面
k=-3.022,A4=-3.313E-01,A6=1.694E-01,A8=-4.558E-02,A10=1.782E-03,
12=9.158E-04,A14=1.850E-04,A16=-5.656E-05
第10面
k=-3.401,A4=-1.661E-01,A6=7.946E-02,A8=-3.006E-02,A10=7.850E-03,
12=-1.649E-03,A14=2.468E-04,A16=-1.788E-05
【0054】
各条件式の値を以下に示す。
f2/f=−1.208
f1/f2=−0.610
R2f/R2r=3.145
f3/f=5.292
0.7/f=0.013
f34/f=6.237
dA/dB=1.068
このように、本数値実施例1に係る撮像レンズは、条件式(1)〜(15)を満足する。
【0055】
図2は、数値実施例1の撮像レンズについて、最大像高に対する各像高の比H(以下、「像高比H」という)に対応する横収差をタンジェンシャル方向とサジタル方向とに分けて示したものである(図5図8図11図14、および図17において同じ)。また、図3は、数値実施例1の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示したものである。これら収差図において、横収差図および球面収差図には、g線(435.84nm)、F線(486.13nm)、e線(546.07nm)、d線(587.56nm)、C線(656.27nm)の各波長に対する収差量を示し、非点収差図には、サジタル像面Sにおける収差量とタンジェンシャル像面Tにおける収差量とをそれぞれ示す(図6図9図12図15、および図18において同じ)。図2および図3に示されるように、本数値実施例1に係る撮像レンズによれば、諸収差が良好に補正される。
【0056】
数値実施例2
基本的なレンズデータを以下に示す。
f=3.976mm、Fno=2.42、ω=32.16°
単位 mm
面データ
面番号i R d Nd νd
(物面) ∞ ∞
1*(絞り) 1.558 0.600 1.5346 56.0(=νd1)
2* -12.051 0.068
3* 9.638(=R2f) 0.320 1.6142 26.0(=νd2)
4* 1.629(=R2r) 0.250(=dA)
5* 3.657 0.597 1.5346 56.0(=νd3)
6* 7.759 0.430(=dB)
7* -17.253 0.363 1.6142 26.0(=νd4)
8* -18.743 0.123
9* 1.475 0.707 1.5346 56.0(=νd5)
10* 1.218 0.235
11 ∞ 0.300 1.5163 64.12
12 ∞ 0.689
(像面) ∞

f1=2.621mm
f2=−3.242mm
f3=12.317mm
f4=−389.265mm
f5=−348.964mm
f34=12.778mm
0.7=0.055mm
L=4.58mm
【0057】
非球面データ
第1面
k=0.000,A4=7.436E-04,A6=-1.697E-03,A8=3.632E-02,A10=-4.223E-02
第2面
k=0.000,A4=5.202E-02,A6=1.418E-01,A8=-3.879E-01,A10=2.062E-01
第3面
k=0.000,A4=-3.663E-02,A6=2.840E-01,A8=-6.571E-01,A10=3.960E-01
第4面
k=0.000,A4=-1.159E-01,A6=3.142E-01,A8=-4.591E-01,A10=2.641E-01
第5面
k=0.000,A4=-1.049E-01,A6=1.795E-01,A8=-1.117E-01,A10=2.213E-02
第6面
k=0.000,A4=-1.107E-01,A6=1.462E-01,A8=-2.267E-01,A10=2.435E-01,
12=-1.238E-01,A14=2.546E-02,A16=-1.262E-03
第7面
k=0.000,A4=1.915E-01,A6=-2.620E-01,A8=1.558E-01,A10=-5.362E-02,
12=-1.039E-02,A14=1.172E-02,A16=-1.809E-03
第8面
k=0.000,A4=6.708E-03,A6=3.015E-02,A8=-4.305E-02,A10=1.452E-02,
12=-3.583E-03,A14=1.332E-03,A16=-2.117E-04
第9面
k=-4.937,A4=-3.147E-01,A6=1.677E-01,A8=-4.332E-02,A10=1.805E-03,
12=8.019E-04,A14=1.304E-04,A16=-4.485E-05
第10面
k=-4.122,A4=-1.684E-01,A6=8.590E-02,A8=-3.445E-02,A10=9.084E-03,
12=-1.696E-03,A14=2.153E-04,A16=-1.435E-05
【0058】
各条件式の値を以下に示す。
f2/f=−0.815
f1/f2=−0.808
R2f/R2r=5.917
f3/f=3.098
0.7/f=0.014
f34/f=3.214
dA/dB=0.581
このように、本数値実施例2に係る撮像レンズは、条件式(1)〜(15)を満足する。
【0059】
図5は、数値実施例2の撮像レンズについて、像高比Hに対応する横収差を示したものであり、図6は、球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示したものである。これら図5および図6に示されるように、本数値実施例2に係る撮像レンズによっても、数値実施例1と同様に像面が良好に補正され、諸収差が好適に補正される。
【0060】
数値実施例3
基本的なレンズデータを以下に示す。
f=5.905mm、Fno=3.61、ω=25.37°
単位 mm
面データ
面番号i R d Nd νd
(物面) ∞ ∞
1*(絞り) 1.715 0.820 1.5346 56.0(=νd1)
2* -9.433 0.058
3* 8.995(=R2f) 0.448 1.6142 26.0(=νd2)
4* 1.512(=R2r) 0.345(=dA)
5* 4.101 0.770 1.5346 56.0(=νd3)
6* 5.060 0.557(=dB)
7* -5.909 0.453 1.6142 26.0(=νd4)
8* -6.261 0.171
9* 2.133 0.696 1.5346 56.0(=νd5)
10* 1.822 0.235
11 ∞ 0.300 1.5163 64.12
12 ∞ 1.248
(像面) ∞

f1=2.786mm
f2=−3.028mm
f3=31.642mm
f4=−336.142mm
f5=−105.912mm
f34=35.707mm
0.7=0.121mm
L=6.00mm
【0061】
非球面データ
第1面
k=0.000,A4=2.748E-03,A6=-6.028E-03,A8=3.410E-02,A10=-2.208E-02
第2面
k=0.000,A4=9.597E-02,A6=1.868E-01,A8=-4.090E-01,A10=2.008E-01
第3面
k=0.000,A4=1.786E-02,A6=3.030E-01,A8=-5.887E-01,A10=2.732E-01
第4面
k=0.000,A4=-1.254E-01,A6=3.624E-01,A8=-4.699E-01,A10=2.040E-01
第5面
k=0.000,A4=-1.074E-01,A6=1.674E-01,A8=-8.020E-02,A10=1.429E-02
第6面
k=0.000,A4=-9.229E-02,A6=1.300E-01,A8=-2.237E-01,A10=2.431E-01,
12=-1.248E-01,A14=2.626E-02,A16=-2.083E-04
第7面
k=0.000,A4=1.722E-01,A6=-2.438E-01,A8=1.486E-01,A10=-5.376E-02,
12=-8.934E-03,A14=1.232E-02,A16=-1.890E-03
第8面
k=0.000,A4=-1.534E-02,A6=3.450E-02,A8=-4.167E-02,A10=1.454E-02,
12=-3.636E-03,A14=1.329E-03,A16=-2.025E-04
第9面
k=-1.541E+01,A4=-3.113E-01,A6=1.666E-01,A8=-4.358E-02,A10=1.880E-03,
12=8.446E-04,A14=1.385E-04,A16=-4.609E-05
第10面
k=-1.353E+01,A4=-1.766E-01,A6=8.321E-02,A8=-3.230E-02,A10=9.143E-03,
12=-1.783E-03,A14=2.034E-04,A16=-1.120E-05
【0062】
各条件式の値を以下に示す。
f2/f=−0.513
f1/f2=−0.920
R2f/R2r=5.949
f3/f=5.359
0.7/f=0.021
f34/f=6.047
dA/dB=0.619
このように、本数値実施例3に係る撮像レンズは、条件式(1)〜(15)を満足する。
【0063】
図8は、数値実施例3の撮像レンズについて、像高比Hに対応する横収差を示したものであり、図9は、球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示したものである。これら図8および図9に示されるように、本数値実施例3に係る撮像レンズによっても、数値実施例1と同様に像面が良好に補正され、諸収差が好適に補正される。
【0064】
数値実施例4
基本的なレンズデータを以下に示す。
f=6.207mm、Fno=3.79、ω=24.28°
単位 mm
面データ
面番号i R d Nd νd
(物面) ∞ ∞
1*(絞り) 1.594 0.899 1.5346 56.0(=νd1)
2* -6.338 0.049
3* 7.593(=R2f) 0.407 1.6142 26.0(=νd2)
4* 1.281(=R2r) 0.475(=dA)
5* 4.458 0.592 1.5346 56.0(=νd3)
6* 5.494 0.618(=dB)
7* -3.959 0.482 1.6142 26.0(=νd4)
8* -4.223 0.192
9* 3.908 0.852 1.5346 56.0(=νd5)
10* 2.645 0.235
11 ∞ 0.300 1.5163 64.12
12 ∞ 1.001
(像面) ∞

f1=2.481mm
f2=−2.573mm
f3=36.884mm
f4=−335.148mm
f5=−20.010mm
f34=43.214mm
0.7=0.176mm
L=6.00mm
【0065】
非球面データ
第1面
k=0.000,A4=1.075E-04,A6=6.187E-03,A8=1.284E-02,A10=-4.704E-03
第2面
k=0.000,A4=1.530E-01,A6=1.715E-01,A8=-4.549E-01,A10=2.515E-01
第3面
k=0.000,A4=4.820E-02,A6=2.777E-01,A8=-5.954E-01,A10=2.648E-01
第4面
k=0.000,A4=-1.467E-01,A6=4.135E-01,A8=-5.821E-01,A10=2.475E-01
第5面
k=0.000,A4=-8.933E-02,A6=1.622E-01,A8=-6.379E-02,A10=2.913E-03
第6面
k=0.000,A4=-7.999E-02,A6=1.406E-01,A8=-2.176E-01,A10=2.425E-01,
12=-1.261E-01,A14=2.610E-02,A16=-1.113E-03
第7面
k=0.000,A4=1.641E-01,A6=-2.353E-01,A8=1.446E-01,A10=-5.362E-02,
12=-7.907E-03,A14=1.249E-02,A16=-2.055E-03
第8面
k=0.000,A4=-2.186E-02,A6=3.785E-02,A8=-4.121E-02,A10=1.436E-02,
12=-3.702E-03,A14=1.329E-03,A16=-1.831E-04
第9面
k=-1.497E+02,A4=-3.066E-01,A6=1.696E-01,A8=-4.330E-02,A10=2.012E-03,
12=8.540E-04,A14=1.332E-04,A16=-5.106E-05
第10面
k=-5.878E+01,A4=-1.709E-01,A6=7.618E-02,A8=-2.994E-02,A10=9.138E-03,
12=-1.841E-03,A14=1.982E-04,A16=-9.281E-06
【0066】
各条件式の値を以下に示す。
f2/f=−0.415
f1/f2=−0.964
R2f/R2r=5.927
f3/f=5.942
0.7/f=0.028
f34/f=6.962
dA/dB=0.769
このように、本数値実施例4に係る撮像レンズは、条件式(1)〜(15)を満足する。
【0067】
図11は、数値実施例4の撮像レンズについて、像高比Hに対応する横収差を示したものであり、図12は、球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示したものである。これら図11および図12に示されるように、本数値実施例4に係る撮像レンズによっても、数値実施例1と同様に像面が良好に補正され、諸収差が好適に補正される。
【0068】
数値実施例5
基本的なレンズデータを以下に示す。
f=4.335mm、Fno=2.40、ω=31.92°
単位 mm
面データ
面番号i R d Nd νd
(物面) ∞ ∞
1*(絞り) 1.473 0.676 1.5346 56.0(=νd1)
2* -13.513 0.022
3* 7.452(=R2f) 0.315 1.6142 26.0(=νd2)
4* 1.721(=R2r) 0.424(=dA)
5* 3.881 0.342 1.5346 56.0(=νd3)
6* 5.288 0.512(=dB)
7* -6.039 0.379 1.6142 26.0(=νd4)
8* -6.720 0.083
9* 2.418 0.727 1.5346 56.0(=νd5)
10* 1.735 0.320
11 ∞ 0.300 1.5163 64.12
12 ∞ 0.616
(像面) ∞

f1=2.524mm
f2=−3.722mm
f3=26.171mm
f4=−123.252mm
f5=−18.250mm
f34=33.700mm
0.7=0.107mm
L=4.61mm
【0069】
非球面データ
第1面
k=-2.291E-02,A4=-7.294E-03,A6=-1.200E-02,A8=2.498E-02,A10=-3.959E-02
第2面
k=0.000,A4=-1.044E-02,A6=1.227E-01,A8=-1.891E-01,A10=4.959E-02
第3面
k=1.250E+01,A4=-9.164E-02,A6=3.173E-01,A8=-3.816E-01,A10=1.484E-01
第4面
k=0.000,A4=-7.290E-02,A6=2.383E-01,A8=-1.853E-01,A10=9.753E-02
第5面
k=3.341E-01,A4=-9.001E-02,A6=6.729E-02,A8=-2.705E-02,A10=1.231E-02
第6面
k=5.595E-01,A4=-8.905E-02,A6=9.283E-02,A8=-1.770E-01,A10=2.265E-01,
12=-1.565E-01,A14=5.876E-02,A16=-9.116E-03
第7面
k=-3.812,A4=1.386E-01,A6=-1.734E-01,A8=6.787E-02,A10=-2.732E-02,
12=-1.570E-03
第8面
k=7.754,A4=-2.881E-03,A6=1.415E-02,A8=-3.074E-02,A10=9.835E-03,
12=-2.390E-03,A14=3.110E-04,A16=7.347E-05
第9面
k=-1.086,A4=-3.483E-01,A6=1.374E-01,A8=-2.554E-02,A10=8.144E-04,
12=4.823E-04,A14=-4.995E-05,A16=-4.697E-06
第10面
k=-4.595,A4=-1.572E-01,A6=6.504E-02,A8=-2.245E-02,A10=4.885E-03,
12=-6.066E-04,A14=3.591E-05,A16=-1.270E-06
【0070】
各条件式の値を以下に示す。
f2/f=−0.859
f1/f2=−0.678
R2f/R2r=4.330
f3/f=6.037
0.7/f=0.025
f34/f=7.774
dA/dB=0.828
このように、本数値実施例5に係る撮像レンズは、条件式(1)〜(15)を満足する。
【0071】
図14は、数値実施例5の撮像レンズについて、像高比Hに対応する横収差を示したものであり、図15は、球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示したものである。これら図14および図15に示されるように、本数値実施例5に係る撮像レンズによっても、数値実施例1と同様に像面が良好に補正され、諸収差が好適に補正される。
【0072】
数値実施例6
基本的なレンズデータを以下に示す。
f=3.979mm、Fno=2.31、ω=33.16°
単位 mm
面データ
面番号i R d Nd νd
(物面) ∞ ∞
1*(絞り) 1.590 0.600 1.5346 56.0(=νd1)
2* -16.560 0.060
3* 8.436(=R2f) 0.320 1.6142 26.0(=νd2)
4* 1.883(=R2r) 0.335(=dA)
5* 10.292 0.473 1.5346 56.0(=νd3)
6* -167.773 0.415(=dB)
7* -15.454 0.400 1.6142 26.0(=νd4)
8* -17.008 0.141
9* 1.471 0.682 1.5346 56.0(=νd5)
10* 1.217 0.235
11 ∞ 0.300 1.5163 64.12
12 ∞ 0.753
(像面) ∞

f1=2.745mm
f2=−4.022mm
f3=18.155mm
f4=−305.302mm
f5=−205.163mm
f34=19.440mm
0.7=0.066mm
L=4.61mm
【0073】
非球面データ
第1面
k=0.000,A4=-8.004E-04,A6=-8.196E-06,A8=2.416E-02,A10=-2.586E-02
第2面
k=0.000,A4=-3.486E-02,A6=2.044E-01,A8=-2.800E-01,A10=9.556E-02
第3面
k=0.000,A4=-1.388E-01,A6=3.993E-01,A8=-5.544E-01,A10=2.433E-01
第4面
k=0.000,A4=-1.172E-01,A6=3.061E-01,A8=-3.445E-01,A10=1.675E-01
第5面
k=0.000,A4=-1.459E-01,A6=1.994E-01,A8=-1.359E-01,A10=5.642E-02
第6面
k=0.000,A4=-1.874E-01,A6=2.176E-01,A8=-2.585E-01,A10=1.688E-01,
12=-1.241E-02,A14=-3.692E-02,A16=1.556E-02
第7面
k=0.000,A4=1.025E-01,A6=-1.608E-01,A8=8.611E-02,A10=-2.751E-02,
12=-4.373E-03,A14=1.437E-03,A16=2.803E-05
第8面
k=0.000,A4=-6.126E-02,A6=1.017E-01,A8=-7.784E-02,A10=2.308E-02,
12=-3.258E-03,A14=1.012E-04,A16=5.961E-05
第9面
k=-3.380,A4=-3.407E-01,A6=1.849E-01,A8=-4.941E-02,A10=-1.273E-04,
12=1.372E-03,A14=3.205E-04,A16=-8.787E-05
第10面
k=-3.760,A4=-1.538E-01,A6=6.762E-02,A8=-2.105E-02,A10=3.332E-03,
12=-2.907E-04,A14=2.443E-05,A16=-2.729E-06
【0074】
各条件式の値を以下に示す。
f2/f=−1.011
f1/f2=−0.682
R2f/R2r=4.480
f3/f=4.563
0.7/f=0.017
f34/f=4.886
dA/dB=0.807
このように、本数値実施例6に係る撮像レンズは、条件式(1)〜(15)を満足する。
【0075】
図17は、数値実施例6の撮像レンズについて、像高比Hに対応する横収差を示したものであり、図18は、球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示したものである。これら図17および図18に示されるように、本数値実施例6に係る撮像レンズによっても、数値実施例1と同様に像面が良好に補正され、諸収差が好適に補正される。
【0076】
したがって、上記各実施の形態に係る撮像レンズを、携帯電話機、デジタルスティルカメラ、携帯情報端末、セキュリティカメラ、車載カメラ、ネットワークカメラ等の撮像光学系に適用した場合、当該カメラ等の高機能化と小型化の両立を図ることができる。
【0077】
なお、本発明に係る撮像レンズは、上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態では第1レンズL1〜第5レンズL5の全ての面を非球面としたが、全ての面を必ずしも非球面にする必要はない。第1レンズL1〜第5レンズL5のうちのいずれかのレンズの一方の面、あるいは両面を球面で構成するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、撮像レンズとして小型化とともに良好な収差補正能力が要求される機器、例えば携帯電話機やデジタルスティルカメラ等の機器に搭載される撮像レンズに適用することができる。
【符号の説明】
【0079】
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
10 フィルタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18