特許第5754747号(P5754747)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5754747ワーク支持ユニット搭載無人搬送車を用いた作業システム
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  • 特許5754747-ワーク支持ユニット搭載無人搬送車を用いた作業システム 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5754747
(24)【登録日】2015年6月5日
(45)【発行日】2015年7月29日
(54)【発明の名称】ワーク支持ユニット搭載無人搬送車を用いた作業システム
(51)【国際特許分類】
   B23P 19/00 20060101AFI20150709BHJP
   B23P 21/00 20060101ALI20150709BHJP
【FI】
   B23P19/00 302H
   B23P21/00 307Z
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-59706(P2013-59706)
(22)【出願日】2013年3月22日
(65)【公開番号】特開2014-184503(P2014-184503A)
(43)【公開日】2014年10月2日
【審査請求日】2014年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000226596
【氏名又は名称】日産工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145470
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100097021
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 紘一
(72)【発明者】
【氏名】永吉 修
(72)【発明者】
【氏名】栗田 征浩
【審査官】 稲垣 浩司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−012089(JP,A)
【文献】 特開2008−296365(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23P 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直軸まわりに回動可能な旋回台と、
前記旋回台上に立設し垂直方向に昇降可能な昇降スタンドと、
前記昇降スタンドに水平軸まわりに回動可能でワークを支持するための支持部と、
を具備し、前記旋回台と前記昇降スタンドと前記支持部との協調運動により支持された前記ワークの姿勢制御を行うためのワーク支持ユニットを無人搬送車の基台に搭載したワーク支持ユニット搭載無人搬送車を用いた作業システムであって、
ワークを支持した前記ワーク支持ユニット搭載無人搬送車が、制御部を用いて所定の誘導経路を移動し、前記誘導経路上に設けられた部品組み付けのための複数の作業ステーションを所定の順序に移動する部品組み付け作業システムであり、
前記ワーク支持ユニット搭載無人搬送車が移動すると、次の作業ステーションの制御部に記憶された、組み付けられる部品の前記ワークに対する組み付け位置情報を含む部品属性情報と当該作業ステーションに従事する作業者の作業者属性情報とを有する作業ステーション属性情報を前記ワーク支持ユニット搭載無人搬送車の制御部に読み出して、前記作業ステーション属性情報に基づく前記ワークの姿勢を決定し、前記ワーク支持ユニットによって前記ワークを姿勢制御することを特徴とするワーク支持ユニット搭載無人搬送車を用いた作業システム。
【請求項2】
前記支持部が交換可能なことを特徴とする請求項1記載のワーク支持ユニット搭載無人搬送車を用いた作業システム
【請求項3】
前記作業者属性情報は、作業者の体格と作業者の利き手情報及び過去の同一作業における前記ワークの姿勢情報が含まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載のワーク支持ユニット搭載無人搬送車を用いた作業システム。
【請求項4】
前記ワーク支持ユニット搭載無人搬送車が、組み付け作業が完了した作業ステーションから次の作業ステーションへの移動中に次の作業ステーション属性情報を読み出し、次の作業ステーションに到着するまでに前記ワーク支持ユニットによって前記ワークの姿勢制御を完了させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のワーク支持ユニット搭載無人搬送車を用いた作業システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用エンジン等のワークに部品を組み付ける際に用いられる自動走行の無人搬送車に搭載されるワークを支持するための装置を用いた組み立て作業においての作業システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等の工業製品の生産工場の組み立て作業では、ワークや部品を搬送する手段として予め記憶された走行ルートを自動走行する無人搬送車が採用されている。無人搬送車は、工場の床面に敷設された誘導経路を電磁気的または光学的に検出しながら該誘導経路に沿って自動走行する。この無人搬送車は、誘導経路上のピッキングゾーンに移動し、そこで作業者やロボットによって無人搬送車に部品が搭載された後、誘導経路上の該部品が必要な場所に移動する。
【0003】
また、別の例では、特許文献1や特許文献2のように、無人搬送車がワークを直接搭載し或いはワークを搭載した台車を牽引して作業者が常駐している誘導経路上の作業ゾーンに移動し、作業者が無人搬送車もしくは台車に搭載されたワークに対して組み付けなどの作業を実施する。作業者による作業が完了すると、無人搬送車は誘導経路上の作業済みのワークが必要な場所に移動するものもある。
【0004】
これら無人搬送車には、ワークを積載する際に、専用の治具を用いてワークを保持することもある。例えば、特許文献3のように、ワークを吊り下げるためのクレーンを設けた無人搬送車用吊下治具や、特許文献4のような、自動車の車体ごと吊り下げて回転可能なハンガーが設けられた無人搬送台車も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4265462号
【特許文献2】特許第4952565号
【特許文献3】特許第3083973号
【特許文献4】特許第4710882号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の無人搬送車や治具が設けられた無人搬送車はワークを運搬する能力には長けているが、組み立て作業において用いられる場合、従来では無人搬送車の運搬能力や省スペース省コストを求められることが多く、組み立て作業では治具の構造上作業者に無理な体勢を強いることもあり作業効率が低下するような無人搬送車もあった。
【0007】
また、現在の生産方式は、製品コスト低減のための投資圧縮や部品の共通化などの努力により多品種混流生産が多くなっており、従来の無人搬送車用治具のような1種類のワークのみを運搬する構成の無人搬送車では、ワークの種類毎に治具の製作や載せ替え作業が発生するため生産効率の低下に繋がるおそれがあった。
【0008】
本発明の課題は、多品種のワークを姿勢制御可能に支持するワーク支持ユニットを搭載した無人搬送車によって多種混流組み立てを可能にし、また、それを用いた部品組み付け作業ラインにおいてワーク支持ユニットによってワークの姿勢制御を行い作業者の作業効率を高めることのできる作業システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、請求項1に記載のワーク支持ユニット搭載無人搬送車を用いた作業システムは、垂直軸まわりに回動可能な旋回台と、前記旋回台上に立設し垂直方向に昇降可能な昇降スタンドと、前記昇降スタンドに水平軸まわりに回動可能でワークを支持するための支持部と、を具備し、前記旋回台と前記昇降スタンドと前記支持部との協調運動により支持された前記ワークの姿勢制御を行うためのワーク支持ユニットを無人搬送車の基台に搭載したワーク支持ユニット搭載無人搬送車を用いた作業システムであって、ワークを支持した前記ワーク支持ユニット搭載無人搬送車が、制御部を用いて所定の誘導経路を移動し、前記誘導経路上に設けられた部品組み付けのための複数の作業ステーションを所定の順序に移動する部品組み付け作業システムであり、前記ワーク支持ユニット搭載無人搬送車が移動すると、次の作業ステーションの制御部に記憶された、組み付けられる部品の前記ワークに対する組み付け位置情報を含む部品属性情報と当該作業ステーションに従事する作業者の作業者属性情報とを有する作業ステーション属性情報を前記ワーク支持ユニット搭載無人搬送車の制御部に読み出して、前記作業ステーション属性情報に基づく前記ワークの姿勢を決定し、前記ワーク支持ユニットによって前記ワークを姿勢制御することを特徴とするワーク支持ユニット搭載無人搬送車を用いた作業システムである。
【0010】
請求項2記載の発明は、前記支持部が交換可能なことを特徴とする請求項1記載のワーク支持ユニット搭載無人搬送車を用いた作業システムである。
【0012】
請求項記載の発明は、前記作業者属性情報は、作業者の体格と作業者の利き手情報及び過去の同一作業における前記ワークの姿勢情報が含まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載のワーク支持ユニット搭載無人搬送車を用いた作業システムである。
【0013】
請求項記載の発明は、前記ワーク支持ユニット搭載無人搬送車が、組み付け作業が完了した作業ステーションから次の作業ステーションへの移動中に次の作業ステーション属性情報を読み出し、次の作業ステーションに到着するまでに前記ワーク支持ユニットによって前記ワークの姿勢制御を完了させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のワーク支持ユニット搭載無人搬送車を用いた作業システムである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載のワーク支持ユニット搭載無人搬送車を用いた作業システムは、垂直軸まわりに回動可能な旋回台と、旋回台上に立設し垂直方向に昇降可能な昇降スタンドと、昇降スタンドに水平軸まわりに回動可能でワークを支持するための支持部と、を具備し、旋回台と昇降スタンドと支持部との協調運動により支持されたワークの姿勢制御を行うためのワーク支持ユニットを無人搬送車の基台に搭載したことを特徴としているので、ワーク支持ユニットがワークの高さ、向き、傾きを制御できるので、ワークに組み付ける部品の場所や、作業者の情報に応じて姿勢制御を行うことによりワークの部品取り付け位置が作業者の作業しやすい位置に移動されるため作業の効率を大幅に向上することができ、ワークを支持したワーク支持ユニット搭載無人搬送車が、制御部を用いて所定の誘導経路を移動し、前記誘導経路上に設けられた部品組み付けのための複数の作業ステーションを所定の順序に移動する部品組み付け作業システムであり、前記ワーク支持ユニット搭載無人搬送車が移動すると、次の作業ステーションの制御部に記憶された、組み付けられる部品の前記ワークに対する組み付け位置情報を含む部品属性情報と当該作業ステーションに従事する作業者の作業者属性情報とを有する作業ステーション属性情報を前記ワーク支持ユニット搭載無人搬送車の制御部に読み出して、前記作業ステーション属性情報に基づく前記ワークの姿勢を決定し、前記ワーク支持ユニットによって前記ワークを姿勢制御することを特徴とするワーク支持ユニット搭載無人搬送車を用いた作業システムなので、各作業ステーションで組み付ける部品の部品属性情報と作業者の属性情報を読み取ってワークの姿勢制御を行うことで、各作業者に最適な部品取り付け姿勢で作業することができ、作業の迅速化、作業者の負担軽減などの作業効率を大幅に向上することができる。
【0015】
また、請求項2の発明は、支持部が交換可能なので、1台のワーク支持ユニット搭載無人搬送車で多種類のワークを支持運搬することができる。
【0017】
また、各ワークの部品情報を読み取るのでワークに不要な部品を組み付ける作業ステーションを通過して必要な部品組み付け作業ステーションへ移動することも可能である。
【0018】
また、請求項記載の発明は、前記作業者属性情報は、作業者の体格と作業者の利き手情報及び過去の同一作業における前記ワークの姿勢情報が含まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載のワーク支持ユニット搭載無人搬送車を用いた作業システムなので、各作業者情報を蓄積することで、作業ステーションの作業者が交代しても交代した作業者属性情報を読み込めば即座にその情報が反映されてワークの姿勢制御を行うことができるので、作業者の負担軽減のみならず製品の品質保持にも大いに役立つ。
【0019】
また、請求項記載の発明は、前記ワーク支持ユニット搭載無人搬送車が、組み付け作業が完了した作業ステーションから次の作業ステーションへの移動中に次の作業ステーション属性情報を読み出し、次の作業ステーションに到着するまでに前記ワーク支持ユニットによって前記ワークの姿勢制御を完了させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のワーク支持ユニット搭載無人搬送車を用いた作業システムなので、作業ステーションに到着すると同時に部品の取り付け作業を行えるのでシステム全体の時間削減に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係るワーク支持ユニット搭載無人搬送車の実施形態の図で、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図を示す。
図2】本発明に係るワーク支持ユニットの実施形態の図で、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図を示す。
図3】本発明に係るワーク支持ユニット搭載無人搬送車を用いた作業システムのレイアウト図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態の一例について、さらに詳しく説明する。図1は本発明に係るワーク支持ユニット搭載無人搬送車の実施形態の図、図2はワーク支持ユニットの図、図3はワーク支持ユニット搭載無人搬送車を用いた作業システムのレイアウト図を示す。
ワーク支持ユニット搭載無人搬送車10は、主に自動車用エンジンをワークAとして、このワークAを姿勢制御可能なワーク支持ユニット20で支持し、このワーク支持ユニット20が無人搬送車30に搭載されたものである。ワーク支持ユニット搭載無人搬送車10は、ワークAを運搬するだけでなく、ワークAに組み付けられる種々の部品の組み立てる作業システムのうち各作業ステーションを移動するための作業台車として利用される。ワーク支持ユニット搭載無人搬送車10は、設定された誘導経路40を走行し、所定の作業ステーションSTを所定の順番に移動して、各作業ステーションごとにワークAに部品を取り付けるための最適な姿勢制御を行いワークAに部品が組み付けられていく。
【0022】
ワーク支持ユニット20は、垂直軸まわりに回動可能な旋回台21と、旋回台21上に立設し垂直方向に昇降可能な昇降スタンド22と、昇降スタンド22に水平軸まわりに回動可能でワークを支持するための支持部23とを具備している。旋回台21と昇降スタンド22と支持部23はそれぞれアクチュエータによって動作することができる。アクチュエータは、電動モータや油圧シリンダが用いられているがそれに限らない。また、アクチュエータは外部からの信号で動作することもできる。
【0023】
旋回台21は垂直軸まわりに回動可能であり、無人搬送車30の基台31に設置されている。旋回台21は図1(b)の平面図のように蒲鉾形状で板状の台座の下面にアクチュエータが設けられアクチュエータの中心軸まわりに回動する。アクチュエータは無人搬送車30から電力供給を得ている。
【0024】
昇降スタンド22は旋回台21に立設し垂直方向に昇降可能である。昇降スタンド22は2本のアクチュエータによって昇降する構造となっている。本実施例では2本使用しているが、ワークのサイズ、重量に応じてアクチュエータの能力や本数を変更すると良い。昇降スタンド22は図1(b)の平面図のように旋回台21の台座の一辺側に偏って設けられている。
【0025】
支持部23は、本実施例ではフランジ形状で、フランジ面にワークAをネジ止めする形状となっていて、昇降スタンド22の2本のアクチュエータ上端部に取り付けられており、フランジの中心軸が水平軸と平行で軸中心に回動する構成となっている。つまり、支持部23に取り付けられたワークAもフランジの軸中心で回動することとなる。また、支持部23は交換可能となっており、その形状をワークAの形状や支持したい部分の形状に合わせて製作すれば様々なワークを支持することが可能となる。
【0026】
ワーク支持ユニット20は、旋回台21の垂直軸中心の回動、昇降スタンド22の垂直方向の移動、支持部23の水平軸中心の回動を組み合わせることによって、ワークAの高さ・向き・傾きの姿勢制御を行うので、自由度の高い姿勢制御を行うことができる。
【0027】
無人搬送車30は、ワーク支持ユニット20を搭載するための基台31と、操舵輪32と、車輪33と、無人搬送車30の制御及びワーク支持ユニット20を主に行う制御盤34と、誘導経路40や障害物の検知等のセンサ35を有している。本実施例のワーク支持ユニット搭載無人搬送車10は自動車用エンジンをワークとして支持搬送するもので、充電式バッテリーによる電動車であり、無人搬送車30のサイズとしては長手方向が約1000mm、短手方向が約800mm、床面から基台までの高さが約250mmとなっている。
【0028】
次に、図3を参照して、本実施例のワーク支持ユニット搭載無人搬送車10の部品組み付けの作業システムを説明する。本作業システムではシステム全体をホストコンピュータにて監視しており、随時各ワーク支持ユニット搭載無人搬送車10へ無線により走行の指示や状態の受信を行うこともできる。また、各搬送車、各作業ステーションST、各作業者には個別のIDが付与され、そのIDに属性情報が関連づけられて管理されている。
各ワーク支持ユニット搭載無人搬送車10には取り付けられたワークAの必要部品情報と部品の取り付け順番による作業ステーションの移動順番情報が記憶され、各作業ステーションSTには組み付けられる部品属性情報及び現在そのステーションで作業している作業者属性情報を含む作業ステーション属性情報が記憶され、各作業者には作業者の体格と作業者の利き手情報、過去の同一作業におけるワークの姿勢情報が記憶されている。なお、本実施例では作業ステーションSTは11箇所設けられている。
【0029】
ワーク支持ユニット搭載無人搬送車10はワークAが取り付けられた状態でidleSTで待機している。搬送車は待機中に充電も可能となっている。各ワーク支持ユニット搭載無人搬送車10は支持部23を交換すると多種のワークAを支持することが可能で、さらにワークの種類や取り付ける部品の情報を個々に受信記憶しているので、ワークによって取り付ける部品の種類や取り付け順序通りに作業ステーションを移動することができる。例えば、ST1の次にST4へ移動して部品を取り付けることも可能である。つまり、ワーク支持ユニット搭載無人搬送車10を用いた作業システムでは、多品種のワーク組み付け作業を1つの作業システムで運用することが可能となるので多種混流用組立ラインとして効率的に運用することができる利点がある。
【0030】
ワーク支持ユニット搭載無人搬送車10はワークAの種類と、そのワークAに組み付けられる部品データ及び各部品が組み付けられる作業ステーションSTの属性情報、さらに作業ステーションSTの走行順序を受信記憶し、ホストコンピュータの発進信号を受信後発進する。
【0031】
各作業ステーションでは、組み付けられる部品属性情報及び現在そのステーションで作業している作業者属性情報を含む作業ステーション属性情報を有しており、例えば、idleSTで待機していたワーク支持ユニット搭載無人搬送車10が発進しST1へ移動する場合、事前に或いは走行中に受信したST1の作業ステーション属性情報を読み出し、組み付ける部品と作業者の体格と作業者の利き手情報、過去の同一作業におけるワークの姿勢情報より最適なワークAの姿勢をワーク支持ユニット20によって制御し、ST1に到着した時点では既に姿勢制御が完了していて、作業者はすぐに作業に取りかかることができる。
ST1の作業者が制御盤34に設けられた作業完了ボタンを押すとワーク支持ユニット搭載無人搬送車10は記憶されている次の作業ステーション例えばST2へと移動する。移動中にST2の作業ステーション属性情報を読み出し、ワークAの姿勢制御を行いながら移動しST2に到着後すぐに作業に取りかかることができる。
【0032】
また、作業ステーションの作業者が他者に交代したとしても、個々の作業者のIDを読み取って作業ステーションの作業者属性情報を瞬時に書き換えることができるので、その作業者に対応したワークAの姿勢制御も確実に行うことができる利点がある。これによって作業者は各自作業しやすい姿勢で組み付け作業ができるので作業の効率化や作業者の負担軽減に貢献することができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明のワーク支持ユニット搭載無人搬送車及びそれを用いた作業システムでは、自動車用エンジンの部品組み付けラインを一例として説明したが、これに限らず無人搬送車を使用する製品の部品組み付けラインに適用することができる。
【符号の説明】
【0034】
A ワーク
ST 作業ステーション
10 ワーク支持ユニット搭載無人搬送車
20 ワーク支持ユニット
21 旋回台
22 昇降スタンド
23 支持部
30 無人搬送車
31 基台
32 操舵輪
33 車輪
34 制御盤
35 センサ
40 誘導経路
図1
図2
図3