(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
【0012】
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、後述する演出を制御する手段によって遊技状態などに応じた効果音が出力される。
【0013】
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
【0014】
始動口62は、遊技球の入球が当否抽選を実行する契機となる入球口であって、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62に設けられた拡開機構63(いわゆる電動チューリップ)を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。拡開機構63は、始動口62の開口部上部に設けられた二つの羽根部材で構成され、閉鎖時は始動口62の真上から落下する遊技球だけが入球できる程度の狭い開口幅となる。一方、拡開機構63が拡開された開放時は始動口62の開口幅が拡がることとなり、始動口62の真上だけでなくその近傍を落下する遊技球も始動口62へ誘導でき入球容易性が向上する。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、始動口62へ入球があるたびに実行される。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。
【0015】
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
【0016】
大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を開放させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに開始される特別遊技において「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66は、例えばアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の設置個数としては、一つだけ設置する構成に限らず、複数個の大入賞口66を設置してそれぞれを遊技状態等に応じて使い分ける構成としてもよい。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
【0017】
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
【0018】
特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示装置である。特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄である。特別図柄192の変動表示が停止したときの図柄態様が、あらかじめ当りと定められた図柄であった場合に、その停止図柄が表示されたタイミングが大当り発生タイミングとなる。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。本実施例における特別図柄192は、当りの図柄態様である「0」〜「9」といった数字、文字、記号、または外れの図柄態様である「−」の記号で表される。これらの数字または記号が高速で次々に入れ替わって特別図柄表示装置61へ表示されることにより、特別図柄192の図柄変動表示が実現される。なお、特別図柄192の態様は上記の数字または記号に限られず、英字などの文字であってもよいし、7セグメントLEDを構成する各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってもよい。また、7セグメントLEDは、「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントからなる8個のセグメントで構成されてもよい。この場合、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。さらに、特別図柄表示装置61を7セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の特別図柄192を表現してもよい。
【0019】
演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄190を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機10の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクターが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄190は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄190の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機10の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
【0020】
演出表示装置60は、本実施例では液晶ディスプレイなどの高精細なドットマトリクス型表示装置で構成されるが、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を7セグメントLEDではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
【0021】
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は拡開機構63を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。本実施例における普通図柄表示装置59は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。このとき、通常状態では例えば1/256程度の低確率にて普通図柄が当りの図柄で停止し、後述する入球容易状態では例えば250/256程度の高確率にて普通図柄が当りの図柄で停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、拡開機構63が所定時間拡開される。拡開機構63の開放時間は、例えば通常状態では0.1秒間であり、入球容易状態では6秒間である。
【0022】
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技領域52の左下部には、特別図柄保留表示装置20が設けられ、その対称位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に普通図柄保留表示装置22が設けられている。
【0023】
特別図柄保留表示装置20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選の保留数が3個になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。
【0024】
普通図柄保留表示装置22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
【0025】
演出表示装置60の上方および下方には、それぞれ遊技効果ランプ90が設けられている。操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作する操作入力手段であり、その操作入力の内容に応じて演出内容等に変化が加えられる。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。本実施例における操作ボタン82は一つのボタンで構成されるが、複数のボタンや十字キーなどの方向指示ボタンで構成されてもよい。可動役物140は、演出に連動して動作が制御される可動物であり、その動作によって演出的役割を果たす。例えば可動役物140は、遊技者による操作ボタン82を介した操作入力に応じて動作する。
【0026】
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
【0027】
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。特別図柄192は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄190は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって特別図柄192が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄190が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄192および装飾図柄190の変動が停止される。
【0028】
装飾図柄190の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄190の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
【0029】
変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。
【0030】
特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口66が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口66の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口66の開閉ないし単位遊技が所定の複数回数、例えば15回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって特別遊技が終了される。これに対し、当否抽選が小当りと呼ばれる結果に該当した場合は小当り遊技が実行される。小当りは、当否抽選の結果としては外れに含まれる結果である。小当り遊技は、一部の種類の特別遊技と類似の態様にて実行される単位遊技である。ただし、小当り遊技として実行される単位遊技は1回だけであり、複数回数の単位遊技が実行される特別遊技とは異なる。
【0031】
特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つである特別図柄192および装飾図柄190の変動時間短縮(以下、適宜「時短」という)が開始される。特別図柄192および装飾図柄190の時短は、特別図柄192および装飾図柄190の変動時間が通常状態よりも短縮される状態である。特別図柄192および装飾図柄190の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短も終了する。時短により特別図柄192および装飾図柄190の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。
【0032】
特別図柄192および装飾図柄190の時短中は、特定遊技の一つである入球容易状態が実施される。入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、拡開機構63の開放延長が実施されることにより始動口62への入球容易性が高められる状態である。普通図柄の時短は、普通図柄の変動時間が通常状態より短縮される状態である。開放抽選の確率変動は、開放抽選の当り確率を通常状態より高める状態である。拡開機構63の開放延長は、拡開機構63の開放時間を通常状態よりも長くする状態である。このように、入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、始動口62への入球容易性も増すため、始動口62への入球数が増加する可能性も高い。したがって、特別図柄192および装飾図柄190の時短および入球容易状態により、その期間中は始動口62への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさずに遊技し続けることが可能となる。
【0033】
なお、本実施例における入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、拡開機構63の開放延長という3つの機能を用いて始動口62への入球容易性を高める。ただし、変形例としては、これら3つの機能のうち、1つまたは2つの機能を用いて始動口62への入球容易性を高める構成としてもよい。このように3つの機能のうち一部だけを用いても始動口62への入球容易性を高めることは可能である。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間とで遊技状態に応じて切り替える構成としてもよい。
【0034】
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである当否抽選の確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)がさらに開始される。当否抽選の確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。当否抽選の確変は次の大当りが発生するまで継続されるが、変形例として、所定の限定的な回数の図柄変動がなされたときに終了する構成であってもよい。本実施例においては、確変が開始されるときに同時に特別図柄192および装飾図柄190の時短や入球容易状態も開始されるが、変形例として時短や入球容易状態の開始を伴わない確変が実行される場合があってもよい。
【0035】
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や複数の可動役物140の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。裏セット機構39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
【0036】
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、可動役物140のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物140、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
【0037】
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、変動パターン決定手段115、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、図柄態様決定手段131、演出決定手段132、演出表示制御手段134、役物制御手段136を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
【0038】
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
【0039】
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
【0040】
当否抽選手段112は、始動口62への入球を契機に、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための乱数の値を当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112が当否抽選値として取得する値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、所定の保留上限数を超えない範囲で当否抽選値が保留される。
【0041】
当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。当否抽選手段112は、通常時には通常確率による当否テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当りの確率が高くなる当否テーブルを参照する。当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当りであるか否かを判定する。
【0042】
当否抽選手段112は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための開放抽選として抽選値を取得する。当否抽選手段112は、開放抽選の抽選値と当否結果の対応関係が定められた当否テーブルを保持し、その当否テーブルを参照して開放抽選の当否結果を決定する。通常状態においては1/256の確率で当りとなる当否テーブルを参照し、入球容易状態においては250/256の確率で当りとなる当否テーブルを参照する。普通図柄の抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
【0043】
図4は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。当否抽選手段112は、当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。当否抽選手段112による当否抽選においては、通常時には
図4(a)の通り、当否抽選値が0〜399の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には
図4(b)の通り、大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜399の範囲に該当する場合だけでなく、400〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。大当りに該当した場合、15R大当りと2R大当りのいずれとなるか、および、確変を伴うか否かは、特別図柄の停止図柄に応じて別途決定される。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよい。
【0044】
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない、いわゆる外れとなった場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、当否抽選手段112が取得する当否抽選値が65000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
【0045】
図3に戻り、当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄のかたちで変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。当否抽選手段112は、図柄変動を開始するタイミングにおいて、その図柄変動に対応する抽選の結果を図柄変動の制御コマンドとともに図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。
【0046】
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄の停止図柄を、当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。図柄決定手段114は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。図柄決定手段114は、特別図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、当否抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。
【0047】
図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を、当否抽選手段112による開放抽選の結果に応じて決定する。図柄決定手段114は、開放抽選の結果を普通図柄のかたちで普通図柄表示装置59に変動表示させるために、開放抽選の結果に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が始動口62の拡開機構63を所定時間拡開する。
【0048】
図柄決定手段114は、決定した停止図柄を示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。
【0049】
図5は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。
図5(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、
図5(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、
図5(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。図柄決定手段114は、図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、「0」〜「9」の数字および「−」の記号で表される特別図柄と図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、奇数の数字が大当りに対応し、偶数の数字が小当りに対応し、「−」の記号が外れに対応する。
【0050】
図5(a)に示す通り、特別図柄「0」〜「9」のうち奇数の数字である特別図柄「1」「3」「5」「7」「9」が大当りに対応付けられている。そのうち、特別図柄「7」は確変を伴う15R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「0〜99」に対応付けられる。特別図柄「3」は確変を伴う2R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられる。特別図柄「1」「5」「9」は確変を伴わない15R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「150〜189」に特別図柄「1」が対応付けられ、「190〜229」に特別図柄「5」が対応付けられ、「230〜255」に特別図柄「9」が対応付けられる。
【0051】
図5(b)に示す通り、特別図柄「−」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
【0052】
図5(c)に示す通り、特別図柄「0」〜「9」のうち偶数の数字である特別図柄「0」「2」「4」「6」「8」が小当りに対応付けられている。特別図柄「0」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、特別図柄「2」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。特別図柄「4」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、特別図柄「6」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、特別図柄「8」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
【0053】
図3に戻り、変動パターン決定手段115は、当否抽選の結果に応じて複数種の変動パターンからいずれかの変動パターンを選択する。変動パターン決定手段115は、変動パターンを決定するために参照すべき変動パターンテーブルを保持する。変動パターン決定手段115は、決定した変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。変動パターン決定手段115は、複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつとともに、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄および装飾図柄の変動が停止される。
【0054】
変動パターンテーブルは、図柄の変動過程が定められた変動パターンと当否抽選の結果との対応関係として遊技状態ごとに定められた変動パターン選択基準として機能する。この「変動パターン選択基準」は、パラメータ同士の対応関係が定められたテーブル構造を用いて実現されてもよいし、パラメータからパラメータを導出するプログラム構造を用いて実現されてもよい。テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組み合わせで構成してもよいが、以下、限定パターン選択基準について「複数種の」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
【0055】
変動パターン決定手段115は、普通図柄の変動表示時間を決定する。通常状態においては変動表示時間を60秒に決定し、入球容易状態においては変動表示時間を6秒に決定する。
【0056】
保留制御手段116は、始動口62へ新たな入球があって新たに当否抽選が実行されるときにそれ以前の入球ないし抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな入球に基づく当否抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では当否抽選の結果として4個を上限として当否抽選値を保留球として保持する。ここでいう当否抽選値は、当否抽選値、図柄抽選値、変動パターン抽選値を含む。保留制御手段116はさらに、当否抽選手段112により取得された普図抽選値を保留球として保持する。これらの保留数がそれぞれ特別図柄保留表示装置20、普通図柄保留表示装置22の点灯数または点滅数により表される。
【0057】
メイン表示制御手段118は、当否抽選手段112による抽選の結果を、変動パターン決定手段115により決定された変動パターンにしたがって特別図柄192の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。メイン表示制御手段118は、それ以前になされた当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。メイン表示制御手段118は、特別図柄192の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、判定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値を変動開始コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
【0058】
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、特別図柄192が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口66を開放させることにより特別遊技を実行する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を15回繰り返す15R大当りと、15R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。15R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口66を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口66を約0.5秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、15R大当りと同様の開放態様で大入賞口66を開放させてもよい。
【0059】
特定遊技実行手段122は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、特別遊技の終了後に遊技状態を時短状態および入球容易状態へ移行させる。一方、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させるのは、図柄決定手段114により決定された図柄が確変への移行を伴う大当り図柄であった場合に限られる。時短状態および入球容易状態は、特別図柄192の変動表示回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数、例えば100回に達するまで継続される。ただし、同時に確変状態へ移行した場合は確変状態が続く限り時短状態および入球容易状態も継続される。すなわち、次の大当りが発生するまで継続される。このように時短状態および入球容易状態の終期は遊技状態に応じて定まる。時短状態においては、特別図柄192の変動表示時間が概ね短くなるよう、変動パターン決定手段115が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段116による当否抽選結果の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段116による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の時短、普通図柄の確変、拡開機構63の開放延長が実施される。一方、確変状態は、次の大当りによる特別遊技が実行されるまで継続される。確変状態の間は当否抽選手段112による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
【0060】
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
【0061】
パターン記憶手段130は、装飾図柄190の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
【0062】
演出決定手段132は、当否抽選手段112から受け取る当否抽選の結果に応じて、演出表示制御手段134によって演出表示装置60へ表示させる演出内容を決定する。演出決定手段132は、変動パターン決定手段115により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンデータからいずれかを選択してパターン記憶手段130から読み出し、その変動演出パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。演出決定手段132は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
【0063】
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
【0064】
図柄態様決定手段131は、装飾図柄190の停止図柄の組合せとその配置を、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段131は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出表示制御手段134へ送信する。図柄態様決定手段131は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
【0065】
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば当否抽選手段112による当否判定結果が15R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄190として揃える数字には、特別図柄192と同じ数字が選ばれるのが好ましいが、必ずしも同じ数字でなくともよい。例えば、特別図柄192が「7」の場合は装飾図柄190が「777」となる。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が15R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
【0066】
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
【0067】
予告演出パターンには、装飾図柄190の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄190が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
【0068】
演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段132は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
【0069】
演出表示制御手段134は、当否抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄を含む演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段134は、装飾図柄190の変動開始コマンドを受け取ったときに新たな図柄変動を開始させる。
【0070】
演出表示制御手段134は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段132により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
【0071】
役物制御手段136は、演出表示制御手段134から受け取る指示にしたがい、演出表示装置60における演出内容や遊技効果ランプ90の点滅過程に沿って、可動役物140を演出的に動作させる。このように可動役物140も演出として動作するため、演出表示制御手段134および役物制御手段136の双方とも、演出の実行を制御する演出実行手段として機能する。
【0072】
音声制御手段138は、スピーカ18から出力される音声を制御することにより、演出に用いられる音声出力を制御する。したがって音声制御手段138は、演出としての音声出力を制御する演出実行手段として機能する。具体的には、ぱちんこ遊技機10には、音声信号伝送装置が(図示せず)設けられている音声信号伝送装置は、音声信号が各々伝送される所定数の複数のチャンネルが設けられている。パターン記憶手段130には、遊技中の演出として音声出力するための複数の音声データが格納されている。したがってパターン記憶手段130は、音声データ記憶手段としても機能する。音声制御手段138は、音声出力すべき音声データをこの中から選択し、その音声データを再生して得られる音声信号を、複数のチャンネルのいずれかを用いて伝送する。こうして伝送された音声信号は、スピーカ18にて音声に変換され出力される。
【0073】
音声信号の伝送に用いられるチャンネルは、出力される音声の種別によって予め割り当てられている。本実施形態では、背景音楽の音声信号の伝送には、ステレオで出力するため第0チャンネルおよび第1チャンネルの2つが割り当てられている。以下、第0チャンネルおよび第1チャンネルを、「第1伝送経路」と総称する。また、予告演出のための音声信号の伝送には、ステレオで出力するため第2チャンネルおよび第3チャンネルの2つが割り当てられている。以下、第2チャンネルおよび第3チャンネルを、「第2伝送経路」と総称する。
【0074】
図6は、通常変動パターンテーブルを示す図である。通常変動パターンテーブルとは、通常状態において変動パターンの選択時の参照先として通常設定されている変動パターンテーブルをいう。
図6に示すように、当否抽選の結果が15R大当りであったときに、変動パターンA1、B1、C1、およびD1のいずれかがそれぞれ所定の確率で選択されるよう、各々の変動パターンと変動パターン抽選値とが対応付けられている。また、当否抽選の結果が2R大当りであったときに、変動パターンE、Fのいずれかがそれぞれ所定の確率で選択されるよう、各々の変動パターンと変動パターン抽選値とが対応付けられている。また、当否抽選の結果が外れであったときに、変動パターンA2、B2、C2、D2、およびGのいずれかがそれぞれ所定の確率で選択されるよう、各々の変動パターンと変動パターン抽選値とが対応付けられている。変動パターン決定手段115は、変動パターン抽選を実行し、当否抽選の結果と変動パターン抽選値とに対応付けられた変動パターンを、特別図柄192を変動させるための変動パターンとして選択する。変動パターンの選択結果は、メイン基板102からサブ基板104に送信される。
【0075】
演出決定手段132は、変動パターンの選択結果を受信すると、演出パターンテーブルを参照して、その変動パターンにしたがった特別図柄192の変動表示中に実行すべき変動演出パターンを選択する。したがって演出パターンテーブルは、変動演出パターンを選択するための変動演出パターン選択基準として用いられる。演出パターンテーブルには、変動パターンと変動演出パターンとの対応関係が定められており、演出決定手段132は、選択された変動パターンに演出パターンテーブルにおいて対応付けられた変動演出パターンを選択する。
【0076】
この「変動演出パターン選択基準」は、パラメータ同士の対応関係が定められたテーブル構造を用いて実現されてもよいし、パラメータからパラメータを導出するプログラム構造を用いて実現されてもよい。テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組み合わせで構成してもよい。
【0077】
パターン記憶手段130は、通常変動パターンテーブルに対応する演出パターンテーブルとして、通常演出パターンテーブルを保持している。変動パターン選択時の参照先として通常変動パターンテーブルが設定されているときは、この通常演出パターンテーブルを参照して変動演出パターンが選択される。以下、通常変動パターンテーブルが設定されているときの演出状態を通常演出状態という。
【0078】
本実施形態では、互いに異なる通常演出状態となる複数種類の「ステージ」が設けられている。具体的には、「キャラクタステージ」という、特定のキャラクタまたはそのキャラクタに関連する物などが頻繁に登場するステージが複数設けられている。なお、各ステージにおける演出状態がキャラクタに関するものに限定されないことは勿論である。
【0079】
複数のステージの各々では、他のステージと傾向が異なる演出が実行される。通常状態において所定の切替条件が満たされた場合に、他のステージへと移行する。具体的には、演出決定手段132は、複数の通常演出パターンテーブルを保持している。通常演出パターンテーブルとは、通常状態において演出パターンの選択時の参照先として通常設定されている演出パターンテーブルをいう。本実施形態では、第1通常演出パターンテーブル、第2通常演出パターンテーブル、および第3通常演出パターンテーブルの3種類の通常演出パターンテーブルが設けられている。なお、通常演出パターンテーブルの種類が3つに限られないことは勿論であり、2つまたは4つ以上の種類が設けられていてもよい。
【0080】
演出決定手段132は、特別図柄192の変動回数が所定の通常終期回数に達した場合、変動演出パターン選択時の参照先を、現在設定されている通常演出パターンテーブルから別の通常演出パターンテーブルに切り替えることにより、「ステージ」を切り替える。これにより、切り替えられた通常演出パターンテーブルを参照して変動演出パターンが選択されるため、実行される演出の傾向を切り替えることが可能となる。なお、演出決定手段132は、特別図柄192の変動回数が通常終期回数に達したとき以降、テーブル切り替え抽選を特別図柄192の変動ごとに実行し、通常演出パターンテーブルを別の通常演出パターンテーブルに切り替えるか否かを判定してもよい。これにより、少なくとも通常終期回数だけ通常演出状態を維持することができ、さらに、通常演出状態の切り替えタイミングを遊技者に判別困難とすることができる。
【0081】
図7(a)は、第1通常演出パターンテーブルの一部を示す図である。第1通常演出パターンテーブルが参照先として設定されると、「キャラクタXステージ」に移行し、キャラクタXまたはキャラクタXに関連する物が頻繁に登場する演出状態となる。以下、変動演出パターン選択時の参照先として第1通常演出パターンテーブルが設定されている状態を、「第1通常演出状態」という。第1通常演出パターンテーブルでは、通常変動パターンテーブルにおいて選択され得る、変動パターンA1、B1、C1、D1、E、F、A2、B2、C2、D2、およびGの各々に、互いに異なる変動演出パターンが対応付けられている。
【0082】
パターン記憶手段130には、背景音声データとして、複数の変動パターンにそれぞれ対応する複数の変動用音声データが保持されている。複数の変動用音声データの各々は、対応する変動パターンにしたがって特別図柄192が変動開始および停止するときに音声出力を開始および停止できるよう音声出力時間が定められている。通常演出状態では、背景音声データとしてこの変動用音声データが選択され、特別図柄192の変動表示とともにこの変動用音声データによる音声が出力される。
【0083】
図7(a)に示すように、第1通常演出状態において、演出状態が切り替えられない通常の特別図柄192の変動時では、変動パターンGが選択されたときに、特別図柄192の変動表示とともに音声出力される変動用音声データとして短変動用音声データXaが選択される。短変動用音声データXaは、リーチ演出が実行されない場合の背景音楽が記録されたものであり、リーチ演出が実行されない変動パターンGにしたがった特別図柄192の変動開始および変動終了とともに音声出力が開始および終了するよう、変動パターンGに定められた変動時間と略同一の音声出力時間が定められている。
【0084】
また、パターン記憶手段130は、他のステージからキャラクタXステージに切り替えられるときに音声出力されるべき切替用音声データXbを保持している。通常演出パターンテーブルに切り替えられる場合、後述するように特別図柄192の変動開始時に短変動用音声データXaの再生を開始できず、特別図柄192の変動開始時から少し遅れたタイミングで再生可能となる場合がある。短変動用音声データXaは単一の音声データによって変動パターンGの変動時間と略同一の音声出力時間となるよう構成されている。このため変動パターンGが選択され、特別図柄192の変動開始時よりも遅いタイミングで短変動用音声データXaの再生を開始すると、特別図柄192の変動終了時においても短変動用音声データXaによる音声出力が終了しないことになる。このため、変動パターンGが選択された場合であっても、他のステージからキャラクタXステージに切り替えられるとき、すなわち、他の演出パターンテーブルから第1通常演出パターンテーブルに変動演出パターン選択時の参照先が切り替えられるときは、短変動用音声データXaに代えてこの切替用音声データXbが選択される。
【0085】
本実施形態では、リーチの変動演出パターンに対応付けられた変動パターンが選択された場合は、演出状態の切替変動時であっても切替用音声データは用いられず、演出状態の非切替変動時と同じ変動用音声データが音声出力される。リーチの変動演出パターンに対応付けられた変動パターンが選択された場合は、リーチ前の前半の変動用音声データと、リーチ時から後半の変動用音声データとが順次再生される。このため、前半の変動用音声データの再生が特別図柄192の変動開始から遅れた場合においても、リーチ時から後半の変動用音声データをリーチ時に再生開始することにより、特別図柄192の変動終了時に変動用音声データによる音声出力を終了させることができるためである。なお、リーチの変動演出パターンに対応付けられた変動パターンが選択された場合であっても、その変動パターンに対応付けられた前半部分の変動用音声データに代えて切替示唆音声データが選択されてもよい。
【0086】
図7(b)は、第2通常演出パターンテーブルの一部を示す図である。第2通常演出パターンテーブルが参照先として設定されると、「キャラクタYステージ」に移行し、キャラクタYまたはキャラクタYに関連する物が頻繁に登場する演出状態となる。以下、変動演出パターン選択時の参照先として第2通常演出パターンテーブルが設定されている状態を、「第2通常演出状態」という。第2通常演出パターンテーブルでは、通常変動パターンテーブルにおいて選択され得る、変動パターンA1、B1、C1、D1、E、F、A2、B2、C2、D2、およびGの各々に、互いに異なる変動演出パターンであって、第1通常演出パターンテーブルでは選択されることのない変動演出パターンが対応付けられている。
【0087】
図7(b)に示すように、第2通常演出状態において、演出状態が切り替えられない通常の特別図柄192の変動時では、変動パターンGが選択されたときに、特別図柄192の変動表示とともに音声出力される変動用音声データとして短変動用音声データYaが選択される。短変動用音声データYaは、リーチ演出が実行されない場合の背景音楽が記録されたものであり、リーチ演出が実行されない変動パターンGにしたがった特別図柄192の変動開始および変動終了とともに音声出力が開始および終了するよう、変動パターンGに定められた変動時間と略同一の音声出力時間が定められている。
【0088】
また、パターン記憶手段130は、他のステージからキャラクタYステージに切り替えられるときに音声出力されるべき切替用音声データYbを保持している。変動パターンGが選択された場合であっても、他のステージからキャラクタYステージに切り替えられるとき、すなわち、他の演出パターンテーブルから第2通常演出パターンテーブルに変動演出パターン選択時の参照先が切り替えられるとき、短変動用音声データYaに代えてこの切替用音声データYbが選択される。
【0089】
図7(c)は、第3通常演出パターンテーブルの一部を示す図である。第3通常演出パターンテーブルが参照先として設定されると、「キャラクタZステージ」に移行し、キャラクタZまたはキャラクタZに関連する物が頻繁に登場する演出状態となる。以下、変動演出パターン選択時の参照先として第3通常演出パターンテーブルが設定されている状態を、「第3通常演出状態」という。第3通常演出パターンテーブルでは、通常変動パターンテーブルにおいて選択され得る、変動パターンA1、B1、C1、D1、E、F、A2、B2、C2、D2、およびGの各々に、互いに異なる変動演出パターンであって、第1通常演出パターンテーブルおよび第2通常演出パターンテーブルでは選択されることのない変動演出パターンが対応付けられている。
【0090】
図7(c)に示すように、第3通常演出状態において、演出状態が切り替えられない通常の特別図柄192の変動時では、変動パターンGが選択されたときに、特別図柄192の変動表示とともに音声出力される変動用音声データとして短変動用音声データZaが選択される。短変動用音声データZaは、リーチ演出が実行されない場合の背景音楽が記録されたものであり、リーチ演出が実行されない変動パターンGにしたがった特別図柄192の変動開始および変動終了とともに音声出力が開始および終了するよう、変動パターンGに定められた変動時間と略同一の音声出力時間が定められている。
【0091】
また、パターン記憶手段130は、他のステージからキャラクタZステージに切り替えられるときに音声出力されるべき切替用音声データZbを保持している。変動パターンGが選択された場合であっても、他のステージからキャラクタZステージに切り替えられるとき、すなわち、他の演出パターンテーブルから第3通常演出パターンテーブルに変動演出パターン選択時の参照先が切り替えられるとき、どの変動パターンが選択されているかにかかわらず、短変動用音声データZaに代えてこの切替用音声データZbが選択される。
【0092】
演出決定手段132は、通常演出状態の切替タイミングとなったとき、ステージ切替抽選を実行し、変動演出パターン選択時の参照先を、そのときに設定されている通常演出パターンテーブルから別の通常演出パターンテーブルに切り替える。例えば変動演出パターン選択時の参照先として第1通常演出パターンテーブルが設定されているときに通常演出状態の切替タイミングとなった場合、演出決定手段132は、ステージ切替抽選を実行し、第2通常演出パターンテーブルと第3通常演出パターンテーブルの一方を、次回以降の変動演出パターン選択時の参照先として設定する。
【0093】
本実施形態では、2R大当りまたは小当りとなったときもまた、別の「キャラクタステージ」に演出状態が切り替えられる。しかし、変動パターン選択時の参照先として通常変動パターンテーブルが設定されている「キャラクタXステージ」、「キャラクタYステージ」、「キャラクタZステージ」という通常演出状態とは実行される演出が異なる特定演出状態に演出状態が切り替えられる。
【0094】
特定演出状態では、2R大当りおよび小当りのどちらとなったか、すなわち確変か否かは遊技者に報知されないまま遊技が進行する。したがってこのキャラクタステージは、いわゆる潜伏モードと呼ばれるものとなっている。このキャラクタステージとなったときは確変に移行している可能性が通常演出状態よりも高いため、特定演出状態への移行により遊技者を高揚させることができる。
【0095】
本実施形態では、2R特別遊技または小当り遊技が実行されてからの特別図柄192の変動回数が例えば30回など所定の終期回数に達したとき、または特別図柄192の変動回数が終期回数に達する前に15R大当り、2R大当り、または小当りとなったときに特定演出状態が終了する。なお、特定演出状態中に2R大当りまたは小当りとなった場合は、あらたに特定演出状態が開始する。また、2R大当りとなって確変に移行したものの、特別図柄192の変動回数が終期回数に達するまで当否抽選が15R大当りまたは2R大当りとならなかった場合、特定演出状態は終了するものの確変は継続する、いわゆる「潜伏確変」となる。
【0096】
本実施形態では、特定演出状態として第1特定演出状態と第2特定演出状態の2種類が設けられている。なお、3種類以上の特定演出状態が設けられていてもよい。変動パターンを選択するための変動パターンテーブルとして、上記の通常変動パターンテーブルとは別に、第1特殊変動パターンテーブルおよび第2特殊変動パターンテーブルが設けられている。第1特定演出状態とは、変動パターン選択時の参照先として第1特殊変動パターンテーブルが設定されている状態をいう。第1特殊変動パターンテーブルが選択されると、演出決定手段132は、変動演出パターンを選択するための変動演出パターンテーブルとして第1変動演出パターンテーブルを選択する。こうして第1特定演出状態では、第1変動演出パターンテーブルを参照して変動演出パターンが選択されるため、通常演出状態とは異なるある特定の傾向をもつ演出が実行される。
【0097】
また、第2特定演出状態とは、変動パターン選択時の参照先として第2特殊変動パターンテーブルが設定されている状態をいう。第2特殊変動パターンテーブルが選択されると、演出決定手段132は、変動演出パターンを選択するための変動パターンテーブルとして、第2特殊変動パターンテーブルを選択する。こうして第2特定演出状態では、第2変動演出パターンテーブルを参照して変動演出パターンが選択されるため、通常演出状態および第1特定演出状態とは異なる、ある別の特定の傾向をもつ演出が実行される。第1特定演出状態および第2特定演出状態においても、通常演出状態と同様に、特別図柄192の変動開始および停止とともに変動用音声データによる音声出力が開始および終了するよう、背景音楽が音声出力される。
【0098】
図8(a)は、第1特殊変動パターンテーブルを示す図であり、
図8(b)は、第1特定演出パターンテーブルを示す図である。第1特殊変動パターンテーブルは、変動パターン決定手段115が保持する複数の変動パターンテーブルの一つであり、2R特別遊技または小当り遊技の終了後に変動パターン選択時の参照先として設定される変動パターンテーブルである。第1特定演出状態が開始されてからの特別図柄192の変動回数が終期回数に達したとき、参照先の変動パターンテーブルはこの第1特殊変動パターンテーブルから通常変動パターンテーブルに切り替えられる。
【0099】
この第1特殊変動パターンテーブルは、当否抽選の結果が外れとなったときに最も高い頻度で選択される変動パターンJの変動時間が、通常変動パターンテーブルにおける変動パターンGの変動時間と同じとなっている。なお、変動パターンJの変動時間が、変動パターンGの変動時間よりも短くなっていてもよい。
【0100】
本実施例では、第1特定演出状態は、「キャラクタAステージ」と呼ばれるものとなっており、「キャラクタA」という共通の観念での関連性を互いに有する演出が頻繁に実行されるものとなっている。なお、特定演出状態がこれに限られないことは勿論であり、他の観念での関連性を互いに有する演出が頻繁に実行されるものであってもよい。この「キャラクタAステージ」を実現するため、第1特定演出パターンテーブルは、通常演出パターンテーブルとは変動パターンの選択傾向が異なるよう変動パターンと演出パターンの対応関係が定められている。
【0101】
具体的には、
図8(b)に示すように、リーチ演出の演出パターンが選択される変動パターンの種類は通常変動パターンテーブルより少なくなっている。スーパーリーチR11、R21、R31は、メインキャラクタAと敵キャラクタCとが戦う点で共通している。スーパーリーチR11は、当否抽選の結果が15R大当りであるため、最後にメインキャラクタAが勝利する演出が実行されるよう設けられている。スーパーリーチR21およびR31は、当否抽選の結果が15R大当りでないため、最後に敵キャラクタCが勝利してメインキャラクタAが敗北する演出が実行されるよう設けられている。同様に、スーパーリーチR12、R22、R32は、メインキャラクタAと敵キャラクタDとが戦う点で共通している。スーパーリーチR12は、当否抽選の結果が15R大当りであるため、最後にメインキャラクタAが勝利する演出が実行されるよう設けられている。スーパーリーチR22およびR32は、当否抽選の結果が15R大当りでないため、最後に敵キャラクタDが勝利してメインキャラクタAが敗北する演出が実行されるよう設けられている。
【0102】
リーチ演出が実行されないリーチなしR4の変動演出パターンに対応する変動パターンJには、短変動用音声データRaが対応付けられている。短変動用音声データRaは、短変動用音声データXaと同様にリーチ演出が実行されない場合の背景音楽が記録されたものであり、リーチ演出が実行されない変動パターンJにしたがった特別図柄192の変動開始および変動終了とともに音声出力が開始および終了するよう、変動パターンJに定められた変動時間と略同一の音声出力時間が定められている。
【0103】
図9(a)は、第2特殊変動パターンテーブルを示す図であり、
図9(b)は、第2特定演出パターンテーブルを示す図である。第2特殊変動パターンテーブルは、変動パターン決定手段115が保持する複数の変動パターンテーブルの一つであり、2R特別遊技または小当り遊技の終了後に変動パターン選択時の参照先として設定される変動パターンテーブルである。第2特定演出状態が開始されてからの特別図柄192の変動回数が終期回数に達したとき、参照先の変動パターンテーブルはこの第2特殊変動パターンテーブルから通常変動パターンテーブルに切り替えられる。
【0104】
この第2特殊変動パターンテーブルは、当否抽選の結果が外れとなったときに最も高い頻度で選択される変動パターンKの変動時間が、通常変動パターンテーブルにおける変動パターンGの変動時間と同じとなっている。なお、変動パターンKの変動時間が、変動パターンGの変動時間よりも短くなっていてもよい。
【0105】
本実施例では、第2特定演出状態は、「キャラクタBステージ」と呼ばれるものとなっており、「キャラクタB」という共通の観念での関連性を互いに有する演出が頻繁に実行されるものとなっている。なお、特定演出状態がこれに限られないことは勿論であり、他の観念での関連性を互いに有する演出が頻繁に実行されるものであってもよい。この「キャラクタBステージ」を実現するため、第2特定演出パターンテーブルは、通常演出パターンテーブルとは変動パターンの選択傾向が異なるよう変動パターンと演出パターンの対応関係が定められている。
【0106】
具体的には、
図9(b)に示すように、リーチ演出の演出パターンが選択される変動パターンの種類は通常変動パターンテーブルより少なくなっている。スーパーリーチH4、H5、H6は、メインキャラクタBと敵キャラクタCとが戦う点で共通している。スーパーリーチH4は、当否抽選の結果が15R大当りであるため、最後にメインキャラクタBが勝利する演出が実行されるよう設けられている。スーパーリーチH5およびH6は、当否抽選の結果が15R大当りでないため、最後に敵キャラクタCが勝利してメインキャラクタBが敗北する演出が実行されるよう設けられている。同様に、スーパーリーチI4、I5、I6は、メインキャラクタBと敵キャラクタDとが戦う点で共通している。スーパーリーチI4は、当否抽選の結果が15R大当りであるため、最後にメインキャラクタBが勝利する演出が実行されるよう設けられている。スーパーリーチI5およびI6は、当否抽選の結果が15R大当りでないため、最後に敵キャラクタDが勝利してメインキャラクタBが敗北する演出が実行されるよう設けられている。
【0107】
リーチ演出が実行されないリーチなしS4の変動演出パターンに対応する変動パターンKには、短変動用音声データSaが対応付けられている。短変動用音声データSaは、短変動用音声データXaと同様にリーチ演出が実行されない場合の背景音楽が記録されたものであり、リーチ演出が実行されない変動パターンKにしたがった特別図柄192の変動開始および変動終了とともに音声出力が開始および終了するよう、変動パターンKに定められた変動時間と略同一の音声出力時間が定められている。
【0108】
以下、短変動用音声データXa、短変動用音声データYa、短変動用音声データZa、短変動用音声データRa、短変動用音声データSaを必要に応じて「短変動用音声データ」と総称する。また、切替用音声データXb、切替用音声データYb、切替用音声データZbを、必要に応じて「切替用音声データ」と総称する。
【0109】
2R大当りまたは小当りとなった場合、変動パターン決定手段115は、ステージ切替抽選を実行して第1特殊変動パターンテーブルまたは第2特殊変動パターンテーブルのいずれかを選択する。したがって本実施形態では、通常演出状態から第1特定演出状態、通常演出状態から第2特定演出状態、またはこれらの逆の順に演出状態が切り替えられる場合がある。また、特定演出状態において2R大当りまたは小当りとなった場合は新たに特定演出状態が開始されるため、第1特定演出状態から第2特定演出状態、または第2特定演出状態から第1特定演出状態へ演出状態が切り替えられる場合もある。特定演出状態から通常演出状態に戻される場合、演出決定手段132は、ステージ切替抽選を実行して、変動演出パターン選択時の参照先となる演出パターンテーブルを、第1通常演出パターンテーブル、第2通常演出パターンテーブル、および第3通常演出パターンテーブルの中から選択する。
【0110】
図10は、第1伝送経路と第2伝送経路における音声信号の伝送手順の一例を模式的に示す図である。
図10は、ある通常演出状態から別の通常演出状態に切り替えられるときに第1伝送経路および第2伝送経路にて伝送される音声信号を一例として示している。したがって、第1伝送経路および第2伝送経路に伝送される音声信号が
図10に示すものに限られないことは勿論である。音声制御手段138は、通常は変動用音声データを再生して得られる音声信号を第1伝送経路を使用して伝送し、背景音楽の音声を出力する。
【0111】
演出決定手段132は当否抽選の結果が特別遊技への移行を示す結果となる期待度の高さを予告音声の出力が予告的に示唆するよう、当否抽選の結果が15R大当りか否かに基づいて予告演出を実行するか否かを決定する。予告演出の実行が決定された場合、その予告パターンによる演出表示装置60の演出内容の表示とともに予告音声が出力されることも同時に決定される。パターン記憶手段130には、この予告音声のための音声データである複数の予告用音声データが格納されている。予告演出は、特別図柄192の1回の変動内において当否抽選の結果を予告的に示唆するよう特別図柄192の変動停止前に一時的に演出表示装置60に表示される。このため予告用音声データによる音声出力時間は、上述の背景音声データの各々よりも通常短いものとなっている。音声制御手段138は、予告音声を出力することが決定された場合、予告音声データを再生して得られる音声信号を第2伝送経路を用いて伝送する。
【0112】
ここで、本実施形態では、特別図柄192の変動回数が所定の通常終期回数に達したときに、通常演出状態から別の通常演出状態に切り替えられる。なお、通常演出状態の切り替え契機がこれに限られないことは勿論であり、例えば当否抽選の結果や図柄決定抽選の結果が所定の条件を満たしたときに通常演出状態から別の通常演出状態に切り替えてもよい。本実施形態では、ある通常演出状態から別の通常演出状態に切り替えるとき、ステージ切替抽選を実行して切り替えるべき別の通常演出状態、すなわち別の通常演出パターンテーブルを選択している。しかし、通常演出状態の切り替え方法がこれに限られないことは勿論であり、切り替えるべき別の通常演出状態が予め設定されていてもよい。
【0113】
後述するように、当否抽選の結果が2R大当りまたは小当りであった場合に、2R特別遊技または小当り遊技の実行終了後に変動パターンテーブルが切り替えられ、これに伴い演出パターンテーブルも通常演出パターンテーブルから特定演出パターンテーブルに切り替えられて特定演出状態となる。この特定演出状態が終了して通常演出状態に移行する場も、特定演出パターンテーブルから通常演出パターンテーブルに切り替えられる。
【0114】
このように通常演出パターンテーブルに切り替えられる場合、本実施形態では、特別図柄192の変動中において、切り替え前の変動用音声データによる音声出力から、切り替え後の変動用音声データによる音声出力に切り替えている。これにより、演出状態が切り替えられたことを遊技者に明確に示すことができる。
【0115】
このとき、音声制御手段138は、切り替え前の変動用音声データによる音声出力を徐々に低下させながら、切り替え後の変動用音声データによる音声出力を徐々に増加させる、いわゆる「クロスフェード再生」を実行する。これにより、切り替え前の演出状態から切り替え後の通常演出状態に自然に移行させることが可能となる。
【0116】
ここで、通常演出状態への切替のため、例えば短変動用音声データを特別図柄192の変動表示途中に再生開始する態様も考えられる。しかし、短変動用音声データはリーチなしの変動時間と略同一とされていることから、例えばリーチなしの変動パターンにしたがって特別図柄192を変動表示させている途中から短変動用音声データによる音声出力を開始すると、特別図柄192の変動停止時にも短変動用音声データの音声出力が終了しないことになる。特別図柄192の変動停止とともに短変動用音声データによる音声出力を停止させるまたは音声出力を継続するがゼロにするという態様も考えられるが、背景音楽が途中で終わった感じを遊技者に与えることになり、質の高い演出の実現が困難となる可能性がある。
【0117】
さらに、例えば切り替え前の変動用音声データによる音声出力から徐々に切り替え後の変動用音声データによる音声出力に変化していく一つの音声データを予め作成しておく態様も考えられる。しかしながら、本実施形態では、通常演出状態として第1通常演出状態、第2通常演出状態、および第3通常演出状態とが設けられており、どの通常演出状態に移行するかは、テーブル切り替え抽選を実行することにより決定される。このため、次にどの通常演出状態に移行するかは予め定められていない。さらに、特定演出状態から通常演出状態に移行する場合も考えられる。このため、切り替え前の背景音楽と切り替え後の背景音楽との組み合わせは多岐に亘ることになる。
【0118】
したがって、すべての組み合わせに対応した切り替えようの変動用音声データを用意しようとした場合、その音声データの数は多数にのぼり、パターン記憶手段130の記憶容量を大きく占有するおそれがある。また、切り替え前後の背景音楽の組み合わせに対応した切り替え用の音声データをその都度検索して選択しなければならず、制御負担も増大する可能性がある。
【0119】
このため、パターン記憶手段130は、所定の複数の切替用音声データを、複数の短変動用音声データの各々に対応してさらに保持する。複数の切替用音声データは、対応する短変動用音声データによって出力される音声の先頭部分を削除することにより、切替用音声データによって音声出力されるときに図柄が変動表示され得る最短の変動パターンの変動時間よりも所定の切替留保期間だけ音声出力時間が短くなるよう設けられている。
【0120】
なお、短変動用音声データは、選択され得る最短の変動パターン以外の所定の変動パターンに対応付けられていてもよい。本実施形態では、一つの変動パターンテーブルにリーチ演出が実行されない変動パターンが1種類しか含まれていないが、1つの変動パターンテーブルにリーチ演出が実行されない変動パターンが複数種類含まれていてもよい。この場合、複数種類のこれらの変動パターンの各々に、それぞれの変動時間と略同一の音声出力時間が定められた複数の短変動用音声データが対応付けられていてもよい。この複数の短変動用音声データの各々に、複数の切替示唆音声データがそれぞれ対応付けられていてもよい。
【0121】
具体的には、切替用音声データXbは、短変動用音声データXaによって出力される音声の先頭部分を削除することにより、短変動用音声データXaよりも切替留保期間だけ音声出力時間が短くなるよう設けられている。また、切替用音声データYbは、短変動用音声データYaによって出力される音声の先頭部分を削除することにより、短変動用音声データYaよりも切替留保期間だけ音声出力時間が短くなるよう設けられている。また、切替用音声データZbは、短変動用音声データZaによって出力される音声の先頭部分を削除することにより、短変動用音声データZaよりも切替留保期間だけ音声出力時間が短くなるよう設けられている。
【0122】
音声制御手段138は、上述のように変動演出パターン選択時の参照先を通常演出パターンテーブルに切り替えるときに、切り替え条件を満たしたとして、切り替え前の演出パターンテーブルに含まれる短変動用音声データによる音声出力から、切り替え後の演出パターンテーブルに含まれる切替用音声データによる音声出力に図柄の変動表示中に切り替えることを決定する。したがって、切り替え前の短変動用音声データによる音声出力を開始した段階では、通常演出パターンテーブルに切り替えることは決定しているものの、どの通常演出パターンテーブルに切り替えるかは決定されておらず、使用する切替示唆音声データもまた決まらない状態となる。
【0123】
切替用音声データによる音声出力に切り替える場合、音声制御手段138は、切替用音声データへの切り替えを実行すべき特別図柄192の変動表示の開始時から切替留保期間が終了するまでの間に、切り替え先となる通常演出パターンテーブルを決定し、その通常演出パターンテーブルに含まれる切替用音声データを選択する。音声制御手段138は、切替留保期間が終了した時に、選択された切替用音声データの再生を開始し、当該切替用音声データの再生開始以後に当該短変動用音声データによる音声出力を停止させる。
【0124】
図7(c)に関連してさらに詳細に説明する。現在の通常演出状態において特別図柄192の変動回数が通常終期回数に達したとき、または現在の特定演出状態において特別図柄192の変動回数が特定終期回数に達したとき、演出決定手段132は、変動演出パターン選択時の参照先を通常演出パターンテーブルに切り替えるタイミングと判定する。このとき音声制御手段138は、通常演出パターンテーブルを切り替えるときの特別図柄192の変動表示中に、音声切替処理を実行することを決定する。
【0125】
上述のようにこの特別図柄192の変動表示開始時には、切り替え先となる変動演出パターンが決定されておらず、このため切り替えのために使用する切替示唆音声データも決定することができない。このため演出決定手段132および音声制御手段138は、特別図柄192の変動開始から切替留保期間が終了するまで間で切替示唆音声データを用いないで実行可能な音声切替前期処理をまず決定する。パターン記憶手段130は、短変動用音声データが切り替えられることを示唆する切替示唆演出の演出内容が定められた切替示唆演出パターンを保持する。演出決定手段132は、この切替留保期間中に実行すべき演出パターンとして、切替示唆演出パターンを選択する。音声制御手段138は、切り替え前の演出パターンテーブルに含まれる短変動用音声データを、その特別図柄192の変動開始とともに音声出力を開始すべき変動用音声データとして選択する。こうして、音声切替前期処理が決定される。
【0126】
音声切替前期処理が決定された場合、まず音声制御手段138は、演出状態を切り替えるときの特別図柄192の変動開始とともに、音声切替前期処理として予め決定された短変動用音声データによる音声出力を開始する。また、演出表示制御手段134は、演出状態を切り替えるときの特別図柄192の変動表示の開始時から切替留保期間が終了するまでの間に、切替示唆演出パターンにしたがった切替示唆演出を実行する。具体的には、演出表示制御手段134は、特別図柄192の変動開始時から時間t2が経過したときに切替示唆演出の実行を開始し、それから時間t3が経過したときに切替示唆演出の実行を終了させる。パターン記憶手段130は、この切替示唆演出の開始および終了とともに音声出力すべき切替示唆音声データを予告用音声データとして保持する。音声制御手段138は、切替示唆演出パターンが選択された場合、切替示唆音声データを選択し、切替示唆演出の実行中に選択された切替示唆音声データによる音声を出力する。演出表示制御手段134は、t2+t3が切替留保期間t1よりも短くなるよう切替示唆演出を実行する。音声制御手段138は、切替示唆演出のための予告音声の音声信号を第2伝送経路を用いて伝送する。
【0127】
演出決定手段132は、この切替留保期間t1中にステージ切替抽選を実行することにより、第1通常演出パターンテーブル、第2通常演出パターンテーブル、および第3通常演出パターンテーブルの中から切り替え先の通常演出パターンテーブルを決定する。音声制御手段138は、決定された通常演出パターンテーブルに含まれる切替示唆音声データを、切り替えに用いる切替示唆音声データとして決定する。こうして音声制御手段138は、特別図柄192の変動時間tsのうち切替留保期間t1経過後において実行すべき音声切替後期処理を決定する。
【0128】
音声制御手段138は、切替用音声データによる音声出力に切り替える場合、短変動用音声データを再生して得られる音声信号を第1伝送経路を用いて伝送する。また、音声制御手段138は、音声出力を徐々に切り替えるために短変動用音声データの音声出力と重ねて音声出力されるよう、切替用音声データによる音声信号を第2伝送経路を用いて伝送する。具体的には、音声制御手段138は、特別図柄192の変動開始時から切替留保期間が終了したとき、切替示唆音声データによる音声出力を第2伝送経路を用いて開始する。このとき音声制御手段138は、切替示唆音声データによる音声出力を、音声出力開始時から所定タイミングに達したときに所定のレベルに達するよう、ゼロから徐々に増加させる。一方、音声制御手段138は、特別図柄192の変動開始時から切替留保期間が終了したときに、切り替え前の短変動用音声データによる音声出力を低下させ初め、上記所定のタイミングに達したときにその音声出力をゼロにまで低下させる。これにより、いわゆるクロスフェード再生を実現することができる。音声制御手段138は、その後も音声出力がゼロのまま短変動用音声データの再生を継続する。なお、音声制御手段138は、短変動用音声データによる音声出力がゼロになった時点で短変動用音声データの再生を停止させてもよい。
【0129】
上述のように、切替示唆音声データの音声出力時間taは、リーチなしの特別図柄192の変動時間tsよりも切替留保期間t1だけ短くなるよう設けられている。このため、切替留保期間t1の終了時から切替留保期間による音声出力を開始した場合においても、変動時間tsの終了時に切替示唆音声データの音声出力時間taも終了するため、特別図柄192の変動終了とともに切替示唆音声データによる音声出力も終了させることができる。
【0130】
図11は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入球した場合の処理を実行し(S10)、通常遊技中であれば(S12のY)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理(S16)や、小当り遊技の制御処理を実行し(S17)、S10の入賞処理においてセットされた賞球数により各種の入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
【0131】
図12は、
図11におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。メイン表示制御手段118などは、特別図柄制御処理を実行する(S20)。特別図柄制御処理されると、演出決定手段132は、演出制御処理を実行する(S22)。
【0132】
図13は、
図12におけるS20の特別図柄制御処理を詳細に示すフローチャートである。通常遊技制御処理において、当否抽選値の保留がなされている場合であって(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。その判定結果に応じてメイン表示制御手段118が変動表示を開始するとともに、変動開始コマンドを演出表示制御手段134へ送信し、これを受信した演出表示制御手段134が変動演出パターンにしたがって演出画像の変動表示を開始する(S36)。S30において当否抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34およびS36の処理がスキップされる。続いて、図柄変動表示がすでに開始されていれば(S38のY)、図柄変動表示処理を実行し(S40)、図柄変動表示が開始されていないときは(S38のN)、S40をスキップする。
【0133】
図14は、
図13におけるS34の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、当否抽選手段112が当否抽選値を読み出して(S42)、その当否抽選値に基づいて当否を判定する(S44)。図柄決定手段114は、当否判定結果に基づいて特別図柄の停止図柄を決定する(S46)。次に変動パターン決定手段115は、変動パターンテーブルを参照して、変動パターン抽選値に対応付けられた変動パターンを特別図柄192を変動表示させるための変動パターンとして選択する(S48)。変動パターンが選択されると、変動パターン決定手段115は、次回以降の変動パターン選択時の参照先となる変動パターンテーブルを切り替えるか否かを判定するための変動パターンテーブル切替判定処理を実行する(S50)。
【0134】
図15は、
図14におけるS50の変動パターンテーブル切替判定処理の手順を詳細に示すフローチャートである。変動パターン決定手段115は、当否抽選値および図柄決定抽選値が示す当否抽選の結果が2R大当りまたは小当りか否かを判定する(S60)。2R大当りまたは小当りの場合(S60のY)、変動パターンテーブルを切り替えるための切り替え条件を満たしたと判定し、参照先となる変動パターンテーブルを第1特殊変動パターンテーブルまたは第2特殊変動パターンテーブルに切り替えることを決定する。このとき変動パターン決定手段115は、テーブル切替抽選をあらたに実行し、第1特殊変動パターンテーブルおよび第2特殊変動パターンテーブルのどちらに切り替えるかを決定する。
【0135】
変動パターン決定手段115は、変動パターン選択時の参照先となる変動パターンテーブルを、そのときまで設定されていた変動パターンテーブルから、第1特殊変動パターンテーブルおよび第2特殊変動パターンテーブルのうちテーブル切替抽選により決定された方に切り替える(S62)。なお、第1特殊変動パターンテーブルまたは第2特殊変動パターンテーブルへの切り替え条件が、2R大当りまたは小当りとなることに限られないことは勿論であり、例えば当否抽選の結果が15R大当りであって、図柄決定抽選値が所定の値であった場合に、上記切り替え条件が満たされたと判定されてもよい。
【0136】
2R大当りまたは小当りでない場合(S60のN)、変動パターン決定手段115は、変動パターン選択時の参照先として第1特殊変動パターンテーブルまたは第2特殊変動パターンテーブルが設定されているか否かを判定する(S64)ことにより、現在の演出状態が特定演出状態か否かを判定する。変動パターン選択時の参照先として第1特殊変動パターンテーブルまたは第2特殊変動パターンテーブルが設定されていない場合(S64のN)、すなわち通常演出状態の場合、通常演出状態に戻すか否かを判定する必要がないため、本フローチャートにおける処理を終了する。
【0137】
変動パターン選択時の参照先として第1特殊変動パターンテーブルまたは第2特殊変動パターンテーブルが設定されている、すなわち特定演出状態の場合(S64のY)、変動パターン決定手段115は、通常演出状態に戻すか否かを判定するため、まず当否抽選の結果が15R大当りか否かを判定する(S66)。15R大当りの場合(S66のY)、変動パターン決定手段115は、変動パターン選択時の参照先を、それまで設定されていた第1特殊変動パターンテーブルまたは第2特殊変動パターンテーブルから、通常変動パターンテーブルに戻し(S68)、演出状態を通常演出状態に戻す。
【0138】
15R大当りでない場合(S66のN)、変動パターン決定手段115は、変動回数が特定終期回数に達したか否かを判定する(S70)。変動回数が特定終期回数に達した場合(S70のY)、変動パターン決定手段115は、変動パターン選択時の参照先を、それまで設定されていた第1特殊変動パターンテーブルまたは第2特殊変動パターンテーブルから、通常変動パターンテーブルに戻し(S68)、演出状態を通常演出状態に戻す。変動回数が特定終期回数に達していない場合(S70のN)、S68はスキップされる。
【0139】
なお、変動パターン決定手段115は、特別図柄192の変動回数が特定終期回数に達したとき以降、テーブル切り替え抽選を特別図柄192の変動ごとに実行し、特殊変動パターンテーブルを通常変動パターンテーブルに切り替えるか否かを判定してもよい。これにより、少なくとも特定終期回数だけ特定演出状態を維持することができ、さらに、特定演出状態の切り替えタイミングを遊技者に判別困難とすることができる。
【0140】
図16は、
図12におけるS22の演出制御処理の手順を詳細に示すフローチャートである。演出決定手段132は、当否抽選、図柄決定抽選、変動パターン抽選の各結果をメイン基板102から受信したか否かを判定する(S200)。これら各抽選結果を受信した場合(S200のY)、演出決定手段132は、当否抽選の結果を演出的に示す演出内容を決定するための演出決定処理を実行する(S202)。次に演出決定手段132は、演出状態を切り替えるか否かを判定するための演出状態切替判定処理を実行する(S204)。各抽選結果が受信でない場合(S200のN)、S202およびS204はスキップされる。
【0141】
次に演出表示制御手段134および音声制御手段138は、メイン基板102から変動開始コマンドを受信した否かを判定する(S206)。変動開始コマンドを受信した場合(S206のY)、演出表示制御手段134および音声制御手段138は、選択された変動演出パターンや音声データを用いて演出開始処理を実行する(S208)。変動開始コマンドを受信していない場合(S206のN)、S208はスキップされる。
【0142】
次に音声制御手段138は、通常演出状態へ切り替えるための音声切替前期処理の実行中か否かを判定する(S210)。音声切替前期処理中の場合(S210のY)、音声制御手段138は、切替留保期間が終了するまでに、切り替え先の通常演出パターンテーブルを決定し、決定した場合は変動演出パターン選択時の参照先として、決定された通常演出パターンに切り替える(S212)。通常演出パターンテーブルが決定されおよび切り替えられると、音声制御手段138は、切り替えられた通常演出パターンテーブルに含まれる切替示唆音声データを用いて音声切替前期処理の実行後に実行すべき音声切替後期処理を決定する(S214)。音声切替前期処理中でない場合(S210のN)、S212およびS214はスキップされる。
【0143】
次に音声制御手段138は、音声切替後期処理の開始タイミング、すなわち特別図柄192から切替留保期間が終了したか否かを判定する(S216)。音声切替後期処理の開始タイミングの場合(S216のY)、音声制御手段138は、切り替え前の変動用音声データから切替示唆音声データに音声出力を切り替えるため、決定された音声切替後期処理を開始する(S218)。音声切替後期処理の開始タイミングでない場合(S216のN)、S218はスキップされる。
【0144】
図17は、
図16におけるS202の演出決定処理の手順を詳細に示すフローチャートである。演出決定処理において、演出決定手段132は、まず変動停止させるべき装飾図柄190を決定し(S240)、さらに装飾図柄190の変動表示とともに実行すべき変動演出パターンを決定する(S242)。
【0145】
次に演出決定手段132は、予告演出の実行が15R特別遊技の実行を示唆するよう
当否抽選の結果が15R大当りか否かに応じて、その装飾図柄190の変動表示期間内において予告演出を実行するか否かを判定する(S244)。予告演出を実行する場合(S244のY)、演出決定手段132は、実行すべき予告演出パターンを決定する(S246)。予告演出を実行しない場合(S244のN)、S246はスキップされる。
【0146】
次に演出決定手段132は、設定されている変動パターンテーブルが通常変動パターンテーブルか否かを判定することにより、現在の演出状態が通常演出状態か否かを判定する(S248)。通常演出状態の場合(S248のY)、演出決定手段132は、通常演出パターンテーブルを参照し、メイン基板102から受信した変動パターン情報が示す変動パターンに対応付けられた変動用音声データを、特別図柄192の変動表示とともに音声出力すべき背景音声データとして選択する(S250)。現在の演出状態が通常演出状態でない場合(S248のN)、S250はスキップされる。
【0147】
図18は、
図16におけるS204の演出状態切替判定処理の手順を詳細に示すフローチャートである。演出決定手段132は、当否抽選の結果が2R大当りまたは小当りか否かを判定する(S270)。2R大当りまたは小当りの場合(S270のY)、演出決定手段132は、変動パターンテーブルが第1特殊変動パターンテーブルまたは第2特殊変動パターンテーブルに切り替えられたことに伴い、変動演出パターン選択時の参照先を第1特定演出パターンテーブルまたは第2特定演出パターンテーブルのいずれかに決定する。演出決定手段132は、次回の変動演出パターンの選択時に、決定された特定演出パターンテーブルに参照先を設定する(S272)。第1特定演出パターンテーブルまたは第2特定演出パターンテーブルに切り替えられると、演出決定手段132は、次回の特別図柄192の変動時に実行すべき音声切替処理を決定する(S274)。
【0148】
この音声切替処理では、音声切替前期処理と異なり、特別図柄192の変動開始から変動終了までの間に、変動用音声データを切り替えるための処理を決定する。2R大当りまたは小当りとなった場合は、2R特別遊技または小当り遊技が実行されるため、次の変動パターンテーブルを選択するための時間を確保することができ、特別図柄192の変動開始前に切り替え先の変動演出パターンテーブルを決定することができる。このため特定演出パターンテーブルには、通常演出パターンテーブルのような切替示唆音声データは設けられておらず、切り替え前の演出パターンテーブルに含まれる短変動用音声データから、切り替え後の演出パターンテーブルに含まれる短変動用音声データにクロスフェード再生しながら切り替えることが可能である。
【0149】
なお、特定演出パターンテーブルに切替示唆音声データが含められていてもよい。2R大当りまたは小当りとなって、変動演出パターン選択時の参照先が特定演出パターンテーブルに切り替えられる場合に、通常演出パターンテーブルに切り替えられる場合と同様の音声切替前期処理が実行されてもよい。
【0150】
2R大当りおよび小当りでない場合(S270のN)、演出決定手段132は、
図15のS68において特殊変動パターンテーブルから通常変動パターンテーブルに戻され、特定演出状態が終了することが決定されたか否かを判定する(S276)。特定演出状態が終了する場合(S276のY)、演出決定手段132は、変動パターンテーブルが通常変動パターンテーブルに切り替えられることに伴い、変動演出パターン選択時の参照先を特定演出パターンテーブルから通常演出パターンテーブルへ切り替えることを決定する(S278)。しかし、このときは、第1通常演出パターンテーブル、第2通常演出パターンテーブル、および第3通常演出パターンテーブルのうちどれに切り替えられるかは決定されない。
【0151】
特定演出状態が終了しない場合(S276のN)、演出決定手段132は、変動演出パターン選択時の参照先として通常演出パターンテーブルが選択されているか否かを判定することにより、そのときの演出状態が通常演出状態か否かを判定する(S282)。通常演出状態でない場合(S282のN)、本フローチャートにおける処理を終了する。
【0152】
通常演出状態の場合(S282のY)、演出決定手段132は、その通常演出状態に切り替えられてからの特別図柄192の変動回数が通常終期回数に到達したか否かを判定する(S284)。その通常演出状態に切り替えられてからの特別図柄192の変動回数が通常終期回数に到達した場合(S284のY)、演出決定手段132は、演出状態を別の通常演出状態に切り替えるため、別の通常演出パターンテーブルへの切替を決定する(S286)。ただし、この場合も、第1通常演出パターンテーブル、第2通常演出パターンテーブル、および第3通常演出パターンテーブルのうちどれに切り替えられるかは決定されない。その通常演出状態に切り替えられてからの特別図柄192の変動回数が通常終期回数に到達していない場合(S284のN)、S286はスキップされる。
【0153】
通常演出パターンテーブルへの切替が決定されると、演出決定手段132は、選択された変動パターンがリーチなしの変動パターンか否かを判定する(S279)。リーチ演出が実行されないの変動パターンの場合(S279のY)、演出決定手段132は、演出状態を切り替えるための次回の特別図柄192の変動時に実行すべき音声切替前期処理を決定する(S280)。リーチ演出が実行される変動パターンの場合(S279のN)、その変動パターンに対応付けられた変動用音声データを用いて次回の特別図柄192の変動時に実行すべき音声切替処理を決定する(S274)。
【0154】
図19は、
図16におけるS208の演出開始処理の手順を詳細に示すフローチャートである。演出表示制御手段134は、選択された変動演出パターンにしたがって変動演出処理を開始する(S300)。音声制御手段138は、音声切替処理が決定されているか否か、すなわち特定演出状態への切り替えがあるか否かを判定する(S302)。音声切替処理が決定されている場合(S302のY)、音声制御手段138は、決定された音声切替処理にしたがって、切り替え前の背景音楽から切り替え後の背景音楽への切り替えを実行する(S304)。
【0155】
音声切替処理が決定されていない場合(S302のN)、音声制御手段138は、音声切替前期処理が決定されているか否かを判定する(S306)。音声切替前期処理が決定されている場合(S306のY)、音声制御手段138は、決定された音声切替前期処理にしたがって、特別図柄192の変動開始から切替留保期間が終了するまでの間に、切り替え前の演出状態における変動用音声データによる音声出力を開始し、および切替示唆演出を実行する(S308)。音声切替前期処理が決定されていない場合(S306のN)、音声制御手段138は、選択された変動パターンに対応する変動用音声データの再生を開始する(S310)。
【0156】
図20は、
図11におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が大当りであった場合(S90のY)、すでに特別遊技が開始済みであって(S92のY)、大入賞口66が開放済でなければ(S98のN)、大入賞口66の開放処理を実行する(S100)。このとき、設定された大当り演出の表示も開始する。大入賞口66が開放済みであれば(S98のY)、大入賞口66の閉鎖処理を実行する(S102)。その結果、大入賞口66が閉鎖状態になっていれば(S104のY)、S106へ移行する。閉鎖状態でなければ(S104のN)、S106以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S92において特別遊技が開始済みでない場合は(S92のN)、特別遊技を開始して(S94)、その開始デモ演出の表示を開始し(S96)、本処理を一旦終了する。
【0157】
S106においては、特別遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。なお、ここでいう「デモ演出」は、開始デモ演出および終了デモ演出を含む。デモ演出中でなければ(S106のN)、後述する終了フラグを参照して特別遊技終了条件が満たされるか否かを判定し(S110)、特別遊技終了条件が満たされていれば(S110のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S112)、終了デモ演出の表示を開始する(S114)。特別遊技終了条件が満たされていなければ(S110のN)、本処理を一旦終了する。S106にてデモ演出中であると判定され(S106のY)、終了デモ演出が終了した場合(S116のY)、特別遊技を終了し(S118)、特定遊技、すなわち確変、時短、および入球容易状態を開始する(S120)。終了デモ演出が終了していない場合は(S116のN)、S118およびS120の処理をスキップする。大当りでない場合は(S90のN)、本図のS92以降のフローをスキップする。
【0158】
図21は、
図20におけるS100の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の開放タイミングとなったとき(S122のY)、開閉制御手段124は、通過フラグを一律にオフにするとともに開閉パターンの動作を設定し(S124)、大入賞口66を開放させる(S126)。また、現在の単位遊技の繰り返し回数に対応した大当り演出、または繰り返し回数が異なる回数になることに対応した大当り演出を設定して開始する。開放タイミングでないときは(S122のN)、S124およびS126の処理をスキップする。
【0159】
図22は、
図20におけるS102の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の閉鎖タイミングとなったとき、開閉制御手段124は大入賞口66を閉鎖させる。すなわち、特別遊技中において、入球数による終了条件が満たされるか(S130のY)、入球数による終了条件が満たされなくとも(S130のN)、開放時間による終了条件が満たされれば(S132のY)、大入賞口66を閉鎖する(S134)。開放時間による終了条件も満たされなければ(S132のN)、S134以降のフローをスキップする。
【0160】
なお、15R大当りにおける入球数による終了条件は大入賞口66への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口66の開放開始から開閉パターンに沿った設定時間の経過である。15R大当りの場合は、その開放開始から30秒の経過であり、2R大当りの場合は、その開放開始から0.5秒の経過である。ただし、0.5秒の開放は極めて短いため、10球以上の入球はもちろん、入球そのものが困難である。その大入賞口の開放と同時に遊技球を打ち出したとしても入球困難であるため、大入賞口66の極短開放が行われる2R大当りについては、大入賞口66の開放前にその開放を予測して遊技球を打ち出す必要がある。一方、15R大当りにおける入球数による終了条件は大入賞口への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口66の開放開始から30秒の経過である。このとき、継続上限回数に達していれば(S136のY)、終了フラグをオンにする(S138)。継続上限回数に達していなければ(S136のN)、S138の処理をスキップする。本実施例においてこの継続上限回数は15回である。入球数による終了条件および開放時間による終了条件のいずれも満たされていなければ(S130のN,S132のN)、S134以降の処理をスキップする。
【0161】
図23は、
図11におけるS17の小当り遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が小当りであった場合(S150のY)、既に小当り遊技が開始済みであって(S152のY)、大入賞口66が開放済でなければ(S158のN)、大入賞口66の開放処理を実行し(S160)、開放済みであれば(S158のY)、大入賞口66の閉鎖処理を実行する(S162)。その結果、大入賞口66が閉鎖状態になっていれば(S164のY)、S166へ移行する。閉鎖状態でなければ(S164のN)、S166以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S152において小当り遊技が開始済みでない場合は(S152のN)、小当り遊技を開始して(S154)、2R大当りと同様の開始デモ演出の表示を開始し(S156)、本処理を一旦終了する。
【0162】
S166においては、小当り遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。デモ演出中でなければ(S166のN)、小当り遊技終了条件が満たされたか否かを判定する。ここでは、後述する終了フラグがオンになっていれば、小当り遊技終了条件が満たされることになる。小当り遊技終了条件が満たされていれば(S170のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S172)、終了デモ演出の表示を開始する(S174)。小当り遊技終了条件が満たされていなければ(S170のN)、本処理を一旦終了する。S166にてデモ演出中であると判定され(S166のY)、終了デモ演出が終了した場合(S176のY)、小当り遊技を終了する(S178)。終了デモ演出が終了していない場合は(S176のN)、S178の処理をスキップする。小当りでない場合は(S150のN)、本図のS152以降のフローをスキップする。
【0163】
図24は、
図23におけるS160の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の開放タイミングとなったとき(S180のY)、開閉制御手段124は、開閉パターンの動作を設定し(S182)、大入賞口66の開放を開始する(S184)。開放タイミングでないときは(S180のN)、S182およびS184の処理をスキップする。
【0164】
図25は、
図23におけるS162の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の終了タイミングとなったとき(S190のY)、終了フラグをオンにし(S192)、大入賞口66を閉鎖する(S194)。なお、この閉鎖タイミングは、大入賞口66の開放開始から0.5秒の経過したタイミングである。閉鎖タイミングでなければ(S190のN)、S192およびS194の処理をスキップする。
【0165】
尚、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜組合せにより種々の発明を形成しても良いし、上記実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除しても良い。更に、複数の実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせることも可能である。
【0166】
ある変形例では、複数の演出パターンテーブルのうち1つ以上の演出パターンテーブルに、繰り返し連続的に再生される繰り返し用音声データが背景音声データとしてパターン記憶手段130に格納されている。その演出パターンテーブルは、通常演出パターンテーブルでもよく、特定演出パターンテーブルでもよい。音声制御手段138は、その演出パターンテーブルによって変動演出パターンが選択されている間は、特別図柄192の変動にかかわらず、その演出パターンテーブルに対応付けられた繰り返し用音声データを繰り返し連続して再生して背景音楽を音声出力する。これにより、特別図柄192の変動停止中においても背景音楽を音声出力することができる。
【0167】
音声制御手段138は、このように繰り返し用音声データに対応付けられた演出パターンテーブルから他の通常演出パターンテーブルに切り替える場合にも、切替示唆音声データを用いて音声の切替処理を実行する。この場合、演出状態を切り替えるための特別図柄192の変動開始とともに、切り替え前の変動用音声データの再生を開始する代わりに、演出状態を切り替えるための特別図柄192の変動開始後も繰り返し用音声データによる音声出力を継続させる。その後のクロスフェード再生させるなどの音声切替後期処理は、切り替え前の変動用音声データに代えて繰り返し用音声データが用いられる以外上述と同様である。