(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
【0019】
〔1〕<ラインを均等に複数の表示駆動期間に分散して表示する表示駆動回路>
複数のラインで構成される1フレーム毎の画像データを表示する表示パネル(5)を駆動するための駆動信号を出力可能な表示駆動回路(3)を備える半導体装置(2または3)であって、以下のように構成される。
【0020】
前記表示パネルは、前記ラインを構成する複数の画素の1画素ごとに、前記画像データに対応する量の電荷を保持するキャパシタを備える。
【0021】
前記表示駆動回路は、1フレーム期間(時刻t0〜t6)内に、第1表示駆動期間(時刻t0〜t1)と第1ブランク期間(時刻t1〜t2)と第2表示駆動期間(時刻t2〜t3)とを順次含む、時分割動作を可能に構成される。
【0022】
前記表示駆動回路は、前記第1表示駆動期間に、所定周期で分散する、前記表示パネルの1フレーム内の複数のライン(31)を駆動し、前記第1ブランク期間に前記表示パネルの駆動を停止し、前記第2表示駆動期間に前記1フレーム内の前記第1表示駆動期間に表示駆動された複数のラインとは異なる、前記表示パネルの複数のライン(32)を駆動する、駆動信号を出力可能に構成される。
【0023】
これにより、時分割表示に伴って生じた輝度差による領域の境界が視認されにくく、時分割表示に起因する表示画質の劣化が防止された、表示パネルを駆動するための表示駆動回路を備える半導体装置を提供することができる。
【0024】
〔2〕<タッチパネル一体型表示装置における表示とセンスの時分割動作>
項1において、前記半導体装置は、前記表示パネル上に積層されたタッチパネル(6)のタッチ状態を検知可能な、タッチパネルコントローラ(4)をさらに備え、以下のように構成される。
【0025】
前記タッチパネルコントローラは、前記第1ブランク期間に前記タッチ状態を検知するタッチ状態検知動作を行い、前記第1及び第2表示駆動期間に前記タッチ状態検知動作を停止する。
【0026】
これにより、タッチパネルを一体に積層された表示パネルを備える表示装置にも、時分割表示に起因する表示画質の劣化を生じさせることなく、タッチ検出動作における検出精度を向上することができる、半導体装置を提供することができる。第1ブランク期間とそれに含まれる上記タッチ状態検知動作を行う期間は、上記第1または第2表示駆動期間の一方または両方と、時間的に重複してもよい。時間的な重複を減らすことによって、タッチ検出動作における信号対雑音比(S/N比)は向上し、時間的な重複をなくすことによってS/N比は最良となる。S/N比を向上することによって、検出精度を向上することができる。一方、時間的重複を許すことによって、タッチ検出動作にかける時間を長くとることができるので、それによって検出精度を向上することができる場合もある。
【0027】
〔3〕<Mライン周期でNライン毎に分散>
項1または項2において、前記表示駆動回路は、前記第1表示駆動期間に1フレーム内のM(Mは1以上の整数)ライン周期でN(Nは1以上の整数)ライン毎に分散する、前記表示パネルの複数のラインを駆動し、前記第2表示駆動期間に前記1フレーム内の前記第1表示駆動期間に表示駆動された複数のラインとは異なり、前記フレーム内の前記Mライン周期で前記Nライン毎に分散する、前記表示パネルの複数のラインを駆動する、駆動信号を出力可能に構成される。
【0028】
これにより、表示駆動期間の異なる領域の境界が概ね均等に分散され、時分割表示に伴って生じた輝度差による領域の境界を視認されにくくし、接続される表示パネルにおいて、時分割表示に起因する表示画質の劣化を防止することができる、表示駆動回路を備えた半導体装置を提供することができる。例えば、上記所定周期をMラインとし、1フレーム期間内にM/N回の表示駆動期間とM/N回またはM/N+1回またはM/N−1回のブランク期間に分割する、時分割動作において、表示駆動期間の異なる領域が均等に分割される。
【0029】
〔4〕<1ライン毎に分散(N=1)>
項3において、前記表示駆動回路は、前記第1表示駆動期間に1フレーム内の前記Mライン周期で1ライン毎に分散する、前記表示パネルの複数のラインを駆動し、前記第2表示駆動期間に前記1フレーム内の前記第1表示駆動期間に表示駆動された複数のラインとは異なり、前記フレーム内の前記Mライン周期で1ライン毎に分散する、前記表示パネルの複数のラインを駆動する、駆動信号を出力可能に構成される。
【0030】
これにより、表示駆動期間の異なる領域が細かくかつ均等に分散され、時分割表示に伴って生じた輝度差による領域の境界を視認されにくくし、接続される表示パネルにおいて、時分割表示に起因する表示画質の劣化を防止することができる、表示駆動回路を備えた半導体装置を提供することができる。例えば、上記所定周期をMラインとし、1フレーム期間内にM回の表示駆動期間とM回またはM+1回またはM−1回のブランク期間に分割する、時分割動作において、表示駆動期間の異なる領域が均等に分割される。
【0031】
〔5〕<1ライン毎に交互に分散>
項4において、前記表示駆動回路は、前記第1表示駆動期間に1フレーム内の2ライン周期で1ライン毎に分散する、前記表示パネルの複数のラインを駆動し、前記第2表示駆動期間に前記1フレーム内の前記第1表示駆動期間に表示駆動された複数のラインとは異なる他の複数のラインを駆動する、駆動信号を出力可能に構成される。
【0032】
これにより、表示駆動期間の異なる領域が細かくかつ均等に分散され、時分割表示に伴って生じた輝度差による領域の境界を視認されにくくし、接続される表示パネルにおいて、時分割表示に起因する表示画質の劣化を防止することができる、表示駆動回路を備えた半導体装置を提供することができる。例えば、1フレーム内に2回の表示駆動期間を含む時分割動作において、一方で奇数ラインを他方で偶数ラインを表示するなどにより、表示駆動期間の異なる領域が細かくかつ均等に分散される。
【0033】
〔6〕<連続するフレームで表示する領域の順序を変える>
項3において、前記表示駆動回路は、以下のような動作をさせるための駆動信号を出力可能に構成される。
【0034】
第1フレームの第1表示駆動期間に前記第1フレーム内のM(Mは1以上の整数)ライン周期でN(Nは1以上の整数)ライン毎に分散する、前記表示パネルの複数のラインを駆動する。前記第1フレームの第2表示駆動期間には、前記第1表示駆動期間に表示駆動された複数のラインとは異なり、前記第1フレーム内の前記Mライン周期で前記Nライン毎に分散する、前記表示パネルの複数のラインを駆動する。前記第1フレームと連続する第2フレームの第1表示駆動期間には、前記第1フレームの第1表示駆動期間に表示駆動された複数のラインとは異なり、前記第2フレーム内の前記Mライン周期で前記Nライン毎に分散する、前記表示パネルの複数のラインを駆動する。
【0035】
これにより、表示駆動期間の異なる領域の境界が時間軸方向にも均等に分散され、時分割表示に伴って生じた輝度差による領域の境界を視認されにくくし、接続される表示パネルにおいて、時分割表示に起因する表示画質の劣化を防止することができる、表示駆動回路を備えた半導体装置を提供することができる。
【0036】
〔7〕<連続するフレームで奇数ラインと偶数ラインを交互に表示>
項6において、前記表示駆動回路は、以下のような動作をさせるための駆動信号を出力可能に構成される。
【0037】
第1フレームの第1表示駆動期間に前記第1フレーム内の奇数ラインを駆動し、前記第1フレームの第2表示駆動期間に前記第1フレーム内の偶数ラインを駆動し、前記第1フレームと連続する第2フレームの第1表示駆動期間に前記第2フレーム内の偶数ラインを駆動し、前記第2フレームの第2表示駆動期間に前記第2フレーム内の奇数ラインを駆動する。
【0038】
これにより、奇数ラインと偶数ラインが表示駆動される表示駆動期間が、前半と後半の表示駆動期間の間でフレーム毎に交互に入れ替えられ、画素ごとの電荷の保持性能にばらつきがある場合であっても、時分割表示に伴って生じた輝度差による領域の境界を視認されにくくし、接続される表示パネルにおいて、時分割表示に起因する表示画質の劣化を防止することができる、表示駆動回路を備えた半導体装置を提供することができる。
【0039】
〔8〕<インターレースのためのフレームメモリ>
項1から項7のうちの1項において、前記表示駆動回路は、メモリ(14)と制御部(13)とを備える。
【0040】
前記制御部は、表示すべき1フレームの上のラインから順次走査された順序で入力される画像データを、前記メモリに書き込み、前記第1表示駆動期間に、前記第1表示駆動期間に表示すべきラインの画像データを、表示駆動すべき順序で前記メモリから読み出す。さらに、前記制御部は、前記第2表示駆動期間に、前記第2表示駆動期間に表示すべきラインの画像データを、前記メモリから読み出す。
【0041】
前記表示駆動回路は、読み出された画像データに基づいて前記駆動信号を生成する。
【0042】
これにより、表示駆動回路は、従来通りラスタースキャン(順次走査)された画像データが、走査された順序のまま入力された場合であっても、順序を適切に入れ替えて表示パネルへ駆動信号として出力することができる。一旦、1フレーム分の画像データをメモリに入力して、表示すべきライン毎に所定の周期で読み出す。メモリは、少なくとも1フレーム分の画像データを格納できる記憶容量を備えると良い。
【0043】
〔9〕<タッチパネルコントローラに対するタイミング信号>
項2において、前記表示駆動回路は、メモリ(14)と制御部(13)とを備える。
【0044】
前記制御部は、表示すべき1フレームの上のラインから順次走査された順序で入力される画像データを、前記メモリに書き込み、前記第1表示駆動期間に、前記第1表示駆動期間に表示すべきラインの画像データを、表示駆動すべき順序で前記メモリから読み出す。さらに、前記制御部は、前記第2表示駆動期間に、前記第2表示駆動期間に表示すべきラインの画像データを、前記メモリから読み出す。
【0045】
前記表示駆動回路は、読み出された画像データに基づいて前記駆動信号を生成する。
【0046】
前記制御部は、前記タッチパネルコントローラに対し、タイミング信号を出力する。
【0047】
前記タッチパネルコントローラは、前記タイミング信号にもとづいて、前記第1ブランク期間と前記第1及び第2表示駆動期間における、前記タッチ状態検知動作の開始と停止を制御する。
【0048】
これにより、表示駆動回路が、従来通りラスタースキャン(順次走査)された画像データが、走査された順序のまま入力された場合であっても、適切に順序を入れ替えて表示パネルへ駆動信号として出力することができ、さらに、表示駆動動作とタッチ状態検出動作を同期させることができる。
【0049】
〔10〕<表示駆動回路とタッチパネルコントローラとを集積>
項2または項9において、前記表示駆動回路と前記タッチパネルコントローラとが、同一半導体基板上に集積される。
【0050】
これにより、部品点数を減らし、基板の実装面積を低減することができる。表示駆動回路とタッチパネルコントローラ以外の回路、例えばMPUがさらに同一半導体基板上に集積されてもよい。
【0051】
〔11〕<画像データを圧縮してメモリに格納>
項8において、前記表示駆動回路は、圧縮回路(33)と展開回路(34)とをさらに備える。
【0052】
前記制御部は、表示すべき1フレームの上のラインから順次走査された順序で入力される画像データを、前記圧縮回路によってデータ圧縮して前記メモリに書き込む。前記第1表示駆動期間には、前記第1表示駆動期間に表示すべきラインの画像データを含むデータ圧縮されたデータを、表示駆動すべき順序で前記メモリから読み出し、前記第2表示駆動期間には、前記第2表示駆動期間に表示すべきラインの画像データを含む、前記データ圧縮されたデータを、前記メモリから読み出す。
【0053】
前記展開回路は、前記メモリから読み出されたデータ圧縮された前記データを展開することにより、表示すべき前記ラインの画像データを復元する。
【0054】
前記表示駆動回路は、復元された前記画像データに基づいて前記駆動信号を生成する。
【0055】
これにより、メモリ(14)の容量を小さく抑えることができる。
【0056】
〔12〕<データ圧縮の単位ライン数と分散表示の単位ライン数を一致>
項11において、前記表示駆動回路は、前記第1表示駆動期間に1フレーム内のM(Mは1以上の整数)ライン周期でN(Nは1以上の整数)ライン毎に分散する、前記表示パネルの複数のラインを駆動し、前記第2表示駆動期間に前記1フレーム内の前記第1表示駆動期間に表示駆動された複数のラインとは異なり、前記フレーム内の前記Mライン周期で前記Nライン毎に分散する、前記表示パネルの複数のラインを駆動する、駆動信号を出力可能に構成される。
【0057】
前記圧縮回路は、同じ前記Nラインを単位として画像データの前記データ圧縮を実行し、前記展開回路も、同じ前記Nラインを単位として前記データ圧縮のデータを展開することにより画像データを復元する。
【0058】
これにより、圧縮回路(33)と展開回路(34)を効率よく動作させることができる。データ圧縮の単位ライン数をNラインとし表示駆動を同じNライン毎に行うので、換言すれば、表示すべきNラインの画像データを画像圧縮の単位として一括して圧縮して格納し、一括して展開するので、展開された画像データと表示される画像データが一致し、展開された画像データに無駄が生まれない。
【0059】
〔13〕<ラインを均等に複数の表示駆動期間に分散して表示する表示装置>
複数のラインで構成される1フレーム毎の画像データを表示する表示パネル(5)と、前記表示パネルを駆動するための駆動信号を出力可能な表示駆動回路(3)とを備え、以下のように構成される。
【0060】
前記表示パネルは、前記ラインを構成する複数の画素の1画素ごとに、前記画像データに対応する量の電荷を保持するキャパシタを備える。
【0061】
前記表示駆動回路は、1フレーム期間(時刻t0〜t6)内に、第1表示駆動期間(時刻t0〜t1)と第1ブランク期間(時刻t1〜t2)と第2表示駆動期間(時刻t2〜t3)とを順次含む、時分割動作を可能に構成される。
【0062】
前記表示駆動回路は、前記第1表示駆動期間に1フレーム内の所定周期で分散する、前記表示パネルの複数のライン(31)を駆動し、前記第1ブランク期間に前記表示パネルの駆動を停止し、前記第2表示駆動期間に前記1フレーム内の前記第1表示駆動期間に表示駆動された複数のラインとは異なる、前記表示パネルの複数のライン(32)を駆動する。
【0063】
これにより、時分割表示に伴って生じた輝度差による領域の境界を視認されにくくし、時分割表示に起因する表示画質の劣化を防止することができる。
【0064】
〔14〕<タッチパネル一体型表示装置における表示とセンスの時分割動作>
項13において、前記表示パネル上に積層されたタッチパネル(6)と、前記タッチパネルのタッチ状態を検知するタッチパネルコントローラ(4)とをさらに備える。
【0065】
前記タッチパネルコントローラは、前記第1ブランク期間に前記タッチ状態を検知するタッチ状態検知動作を行い、前記第1及び第2表示駆動期間に前記タッチ状態検知動作を停止する。
【0066】
これにより、タッチパネルが一体に積層された表示パネルを備える表示装置においても、時分割表示に起因する表示画質の劣化を生じさせることなく、タッチ検出動作における検出精度を向上することができる。第1ブランク期間とそれに含まれる上記タッチ状態検知動作を行う期間は、上記第1または第2表示駆動期間の一方または両方と、時間的に重複してもよい。時間的な重複を減らすことによって、タッチ検出動作における信号対雑音比(S/N比)は向上し、時間的な重複をなくすことによってS/N比は最良となる。S/N比が向上することによって、検出精度を向上することができる。一方、時間的重複を許すことによって、タッチ検出動作にかける時間を長くとることができるので、それによって検出精度を向上することができる場合もある。
【0067】
〔15〕<Mライン周期でNライン毎に分散>
項13または項14において、前記表示駆動回路は、前記第1表示駆動期間に1フレーム内のM(Mは1以上の整数)ライン周期でN(Nは1以上の整数)ライン毎に分散する、前記表示パネルの複数のラインを駆動し、前記第2表示駆動期間に前記1フレーム内の前記第1表示駆動期間に表示駆動された複数のラインとは異なり、前記フレーム内の前記Mライン周期で前記Nライン毎に分散する、前記表示パネルの複数のラインを駆動する。
【0068】
これにより、表示駆動期間の異なる領域の境界が概ね均等に分散され、時分割表示に伴って生じた輝度差による領域の境界を視認されにくくし、時分割表示に起因する表示画質の劣化を防止することができる。例えば、上記所定周期をMラインとし、1フレーム期間内にM/N回の表示駆動期間とM/N回またはM/N+1回またはM/N−1回のブランク期間に分割する、時分割動作において、表示駆動期間の異なる領域が均等に分割される。
【0069】
〔16〕<1ライン毎に分散(N=1)>
項15において、前記表示駆動回路は、前記第1表示駆動期間に1フレーム内の前記Mライン周期で1ライン毎に分散する、前記表示パネルの複数のラインを駆動し、前記第2表示駆動期間に前記1フレーム内の前記第1表示駆動期間に表示駆動された複数のラインとは異なり、前記フレーム内の前記Mライン周期で1ライン毎に分散する、前記表示パネルの複数のラインを駆動する。
【0070】
これにより、表示駆動期間の異なる領域が細かくかつ均等に分散され、時分割表示に伴って生じた輝度差による領域の境界を視認されにくくし、時分割表示に起因する表示画質の劣化をさらに防止することができる。例えば、上記所定周期をMラインとし、1フレーム期間内にM回の表示駆動期間とM回またはM+1回またはM−1回のブランク期間に分割する、時分割動作において、表示駆動期間の異なる領域が均等に分割される。
【0071】
〔17〕<1ライン毎に交互に分散>
項16において、前記表示駆動回路は、前記第1表示駆動期間に1フレーム内の2ライン周期で1ライン毎に分散する、前記表示パネルの複数のラインを駆動し、前記第2表示駆動期間に前記1フレーム内の前記第1表示駆動期間に表示駆動された複数のラインとは異なる他の複数のラインを駆動する。
【0072】
これにより、表示駆動期間の異なる領域が細かくかつ均等に分散され、時分割表示に伴って生じた輝度差による領域の境界を視認されにくくし、時分割表示に起因する表示画質の劣化をさらに防止することができる。例えば、1フレーム内に2回の表示駆動期間を含む時分割動作において、一方で奇数ラインを他方で偶数ラインを表示するなどにより、表示駆動期間の異なる領域が細かくかつ均等に分散される。
【0073】
〔18〕<連続するフレームで表示する領域の順序を変える>
項15において、前記表示駆動回路は、第1フレームの第1表示駆動期間に前記第1フレーム内のM(Mは1以上の整数)ライン周期でN(Nは1以上の整数)ライン毎に分散する、前記表示パネルの複数のラインを駆動する。さらに前記表示駆動回路は、前記第1フレームの第2表示駆動期間には、前記第1表示駆動期間に表示駆動された複数のラインとは異なり、前記第1フレーム内の前記Mライン周期で前記Nライン毎に分散する、前記表示パネルの複数のラインを駆動する。さらに前記表示駆動回路は、前記第1フレームと連続する第2フレームの第1表示駆動期間に、前記第1フレームの第1表示駆動期間に表示駆動された複数のラインとは異なり、前記第2フレーム内の前記Mライン周期で前記Nライン毎に分散する、前記表示パネルの複数のラインを駆動する。
【0074】
これにより、表示駆動期間の異なる領域の境界が時間軸方向にも均等に分散され、時分割表示に伴って生じた輝度差による領域の境界を視認されにくくし、時分割表示に起因する表示画質の劣化を防止することができる。
【0075】
〔19〕<連続するフレームで奇数ラインと偶数ラインを交互に表示>
項18において、前記表示駆動回路は、第1フレームの第1表示駆動期間に前記第1フレーム内の奇数ラインを駆動し、前記第1フレームの第2表示駆動期間に前記第1フレーム内の偶数ラインを駆動し、前記第1フレームと連続する第2フレームの第1表示駆動期間に前記第2フレーム内の偶数ラインを駆動し、前記第2フレームの第2表示駆動期間に前記第2フレーム内の奇数ラインを駆動する。
【0076】
これにより、奇数ラインと偶数ラインが表示駆動される表示駆動期間が、前半と後半の表示駆動期間の間でフレーム毎に交互に入れ替えられ、画素ごとの電荷の保持性能にばらつきがある場合であっても、時分割表示に伴って生じた輝度差による領域の境界を視認されにくくし、時分割表示に起因する表示画質の劣化を防止することができる。
【0077】
〔20〕<パネル内ゲート制御回路>
項15において、前記表示駆動回路は、表示駆動すべきラインを示すフラグを前記表示パネルに供給し、前記表示パネルは、前記Mライン周期で前記Nライン毎に記憶素子を設けたシフトレジスタ(22)を備える。前記シフトレジスタは、前記フラグが入力され1ライン毎にシフト可能に構成される。
【0078】
これにより、表示駆動回路と表示パネルの間の信号線の数を減らすことができる。
【0079】
〔21〕<パネル内ゲート制御回路に2ライン周期1ライン毎のシフトレジスタ2組>
項20において、前記表示パネルは、2ライン周期で1ライン毎に記憶素子を設けた2組のシフトレジスタ(22_4、22_5)を備える。
【0080】
これにより、2ライン周期で1ライン毎に、即ち、1ライン毎に交互に、表示領域を分散させるための回路を、容易に構成することができる。
【0081】
〔22〕<パネル内ゲート制御回路内の2組のシフトレジスタは表示パネルの両側に配置>
項21において、前記2組のシフトレジスタは、前記表示パネルの表示領域を挟む領域に配置される。
【0082】
これにより、パネル内ゲート制御回路を効率よく配置することができる。各ゲート線を駆動するゲートドライバとシフトレジスタを構成する記憶素子(フリップフロップ)のレイアウトに許されるピッチが、ゲート線のピッチの2倍のピッチまで拡大されるからである。
【0083】
〔23〕<画像データを圧縮してメモリに格納>
項15において、前記表示駆動回路は、圧縮回路(33)とメモリ(14)と展開回路(34)と制御部(13)とを備える。
【0084】
前記制御部は、表示すべき1フレームの上のラインから順次走査された順序で入力される画像データを、前記圧縮回路によってデータ圧縮して前記メモリに書き込む。前記第1表示駆動期間には、前記第1表示駆動期間に表示すべきラインの画像データを含むデータ圧縮されたデータを、表示駆動すべき順序で前記メモリから読み出し、前記第2表示駆動期間には、前記第2表示駆動期間に表示すべきラインの画像データを含む、前記データ圧縮されたデータを、前記メモリから読み出す。
【0085】
前記展開回路は、前記メモリから読み出されたデータ圧縮された前記データを展開することにより、表示すべき前記ラインの画像データを復元する。
【0086】
前記表示駆動回路は、復元された前記画像データに基づいて前記駆動信号を生成する。
【0087】
これにより、表示駆動回路は、従来通りラスタースキャン(順次走査)された画像データが、走査された順序のまま入力された場合であっても、順序を適切に入れ替えて表示パネルへ駆動信号として出力することができる。一旦、1フレーム分の画像データをメモリに入力して、表示すべきライン毎に所定の周期で読み出す。メモリは、少なくとも1フレーム分の画像データを格納できる記憶容量を備えると良い。画像データが書き込むときに圧縮され読み出された後に展開されることにより、メモリ(14)の容量を小さく抑えることができる。
【0088】
〔24〕<データ圧縮の単位ライン数と分散表示の単位ライン数を一致>
項23において、前記表示駆動回路は、前記第1表示駆動期間に1フレーム内のM(Mは1以上の整数)ライン周期でN(Nは1以上の整数)ライン毎に分散する、前記表示パネルの複数のラインを駆動し、前記第2表示駆動期間に前記1フレーム内の前記第1表示駆動期間に表示駆動された複数のラインとは異なり、前記フレーム内の前記Mライン周期で前記Nライン毎に分散する、前記表示パネルの複数のラインを駆動する、駆動信号を出力可能に構成される。
【0089】
前記圧縮回路は、同じ前記Nラインを単位として画像データの前記データ圧縮を実行し、前記展開回路は、同じ前記Nラインを単位として前記データ圧縮のデータを展開することにより画像データを復元する。
【0090】
これにより、圧縮回路(33)と展開回路(34)を効率よく動作させることができる。データ圧縮の単位ライン数をNラインとし表示駆動を同じNライン毎に行うので、換言すれば、表示すべきNラインの画像データを画像圧縮の単位として一括して圧縮して格納し、一括して展開するので、展開された画像データと表示される画像データが一致し、展開された画像データに無駄が生まれない。
【0091】
〔25〕<パネル内ゲート制御回路にNライン毎のシフトレジスタ>
項24において、前記表示駆動回路は、表示駆動すべきラインを示すフラグを前記表示パネルに供給し、前記表示パネルは、前記Mライン周期で前記Nライン毎に記憶素子を設けたシフトレジスタを備え、前記シフトレジスタは、前記フラグが入力され1ライン毎にシフト可能に構成される、表示装置。
【0092】
これにより、表示駆動回路と表示パネルの間の信号線の数を減らすことができ、Mライン周期でNライン毎に、即ち、画像圧縮の単位ライン数毎に表示領域を分散させるための回路を、容易に構成することができる。
【0093】
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。
【0094】
〔代表的な実施形態〕<ラインを均等に複数の表示駆動期間に分散して表示する表示装置>
図1は、本発明に係る表示装置の構成例を表すブロック図である。
【0095】
本発明に係る表示装置は、複数のラインで構成される1フレーム毎の画像データを表示する表示パネル5と、表示パネル5を駆動するための駆動信号を出力可能な表示駆動回路3を備える半導体装置を含んで構成される。表示駆動回路3を備える半導体装置は、特に制限されないが、例えば、公知のCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor field effect transistor)LSI(Large Scale Integrated circuit)の半導体製造技術を用いて、単一シリコン基板上に形成される。表示駆動回路3のみを単一半導体基板上に形成した半導体装置であってもよく、他の機能回路を集積したIC(Integrated Circuit)2であってもよい。
【0096】
表示パネル5は、フレーム内のラインを構成する複数の画素の1画素ごとに、画像データに対応する量の電荷を保持するキャパシタを備える。キャパシタには、その画素に表示すべき画像データに対応する量の電荷が、順次転送され保持されている。表示パネル5では、保持されている電荷量に比例して生じる、キャパシタの電極間の電位差に基づいて、その画素に表示される輝度が決まる。例えば、液晶表示パネルでは、キャパシタの電極は、液晶を偏光させるための電界を生じさせ、偏光量に応じて光の透過量が制御され、その画素の輝度となる。ここで、表示パネル5を駆動するための駆動信号は、表示すべき画像データに対応する量の電荷に対応するソース駆動信号と、転送すべき画素が存在するラインを指定するゲート駆動信号を含み、表示駆動回路3は、ソース駆動信号を出力するためのソースドライバ9と、ゲート駆動信号を生成するための信号を出力するゲート制御ドライバ8を含んで構成されるとよい。
【0097】
図1に示した表示装置1を構成する他のブロックについては、後述する。
【0098】
図2は、本発明の代表的な実施形態に係る表示動作を示すタイミングチャートである。横軸に時間をとり、縦軸に表示駆動されるライン番号を示す。
【0099】
表示駆動回路3は、1フレーム期間(時刻t0〜t6)内に、第1表示駆動期間(時刻t0〜t1)と第1ブランク期間(時刻t1〜t2)と第2表示駆動期間(時刻t2〜t3)とを順次含む、時分割動作を可能に構成される。
図2に示す例では、1フレーム期間(時刻t0〜t6)内に、さらに第2ブランク期間(時刻t3〜t4)と第3表示駆動期間(時刻t4〜t5)と帰線期間(時刻t5〜t6)を順次含む。時刻t6〜t7の表示駆動期間と時刻t7〜t8のブランク期間は、次のフレームに含まれている。
【0100】
表示駆動回路3は、第1表示駆動期間(時刻t0〜t1)に、1フレーム内の所定周期で分散する、表示パネル5の複数のラインを駆動し、第1ブランク期間(時刻t1〜t2)に表示パネル5の駆動を停止する。第2表示駆動期間(時刻t2〜t3)には、そのフレームの第1表示駆動期間(時刻t0〜t1)に表示駆動された複数のラインとは異なる、複数のラインを駆動する。第2ブランク期間(時刻t3〜t4)には、表示パネル5の駆動を停止する。さらに、第3表示駆動期間(時刻t4〜t5)には、そのフレームの第1表示駆動期間(時刻t0〜t1)にも第2表示駆動期間(時刻t2〜t3)にも表示駆動されていない、残りの複数のラインを駆動する。
【0101】
1フレーム内の表示駆動期間の数、1つの表示駆動期間に表示駆動されるライン数とその周期は、任意に定めることができる。また、表示駆動とは、表示のための信号の駆動を指す。「駆動」により、画素ごとに備えられた前記キャパシタに電荷が転送される。「駆動」は、時分割で行われるが、転送された電荷はキャパシタに保持され、それに応じて常時「表示」される。
【0102】
これにより、時分割表示に伴って生じた輝度差による領域の境界が視認されにくく、時分割表示に起因する表示画質の劣化が防止された、表示パネルを駆動するための表示駆動回路を備える半導体装置を提供することができる。
【0103】
本発明の視覚的効果を、
図13と
図14を引用して説明する。
【0104】
図13は、従来の時分割動作における、画像の表示例を示す説明図であり、
図14は、本発明に係る表示装置による時分割動作における、画像の表示例を示す説明図である。上述の例とは異なり、理解を容易にするため、1フレーム期間内の表示駆動期間が2つの場合に、単純化したものである。それぞれ、1フレームに表示される画像を示し、画像の輝度が高い程、色の濃いハッチングで表す。
【0105】
図13に示す従来の時分割動作では、1フレームの上半分を表示駆動した後(第1表示駆動期間)、一定のブランク期間を経て、1フレームの下半分を表示駆動する(第2表示駆動期間)。1つの表示駆動期間内では、1ライン毎に順次、そのラインの各画素に表示すべき画像データに対応する量の電荷が、各画素のキャパシタに転送されて保持される。転送された後、キャパシタのリークなどにより、転送された電荷量は時間と共に徐々に減少していく。1つの表示駆動期間内では、上から1ライン毎に順次転送されるので、電荷の減少量は、上から1ライン毎に徐々に大きくなる。1つの表示駆動期間内では、電荷の減少量は、滑らかに変化するので、人間の視覚ではその差を認知することはできない。しかし、
図13に示すように、第1表示駆動期間に表示駆動された領域31と、第2表示駆動期間に表示駆動された領域32との境界では、電荷の減少量は、ブランク期間による減少量だけ、不連続に変化することとなる。第1表示駆動期間に表示駆動された領域31では、第2表示駆動期間に表示駆動された領域32と比べて、ブランク期間による減少量だけ余計にかつ一律に減少しているからである。人間の視覚では、
図13に示すように、第1表示駆動期間に表示駆動された領域31と、第2表示駆動期間に表示駆動された領域32との境界線が、はっきりと認識されてしまう。本来、輝度が滑らかに変化すべき画像には存在しない、線が認識されるので、表示画質の劣化となる。
【0106】
一方、
図14に示す、本発明に係る表示装置による時分割動作における、画像の表示例では、第1表示駆動期間に表示駆動された領域31と、第2表示駆動期間に表示駆動された領域32が、均等に分散されている。境界では同じ輝度差があるが、分散されているので、人間の視覚では視認されにくくなっているのがわかる。紙面の制限のため
図14には粗い分散を示したが、実際の表示装置では、その大きさと解像度から、人間の視覚で視認できない程度の細かさで分散すればよい。解像度が高い小さな表示装置では、数ライン毎に分散させれば十分であるが、数十型などの大型の表示装置では、1ライン毎に分散させるとよい。
【0107】
<タッチパネル一体型表示装置における表示とセンスの時分割動作>
図1に示した表示装置1を構成する他のブロックについて説明する。表示装置1は、表示駆動回路3を内蔵したIC2と表示パネル5の上に積層されているタッチパネル6を含んで構成されるものとして説明する。表示パネル5とタッチパネル6は、単純に重ね合せられたオンセル方式でも、一体化されたインセル方式でもよい。IC2は、表示駆動回路3の他、タッチパネル6に接続されるタッチパネルコントローラ4と、表示装置1全体を制御するMPU7とを含んで構成される。
【0108】
タッチパネルコントローラ4は、MPU7によって制御され、タッチパネル6にタッチ検出用の信号を出力し、タッチパネル6から受信するタッチセンス信号に基づいて、MPU7によってタッチ座標やタッチ状態を検出する。
【0109】
表示駆動回路3は、前述のゲート制御ドライバ8とソースドライバ9の他、電源回路10、システムインタフェース11、表示インタフェース12、制御部13、メモリ14、データラッチ15、及び、階調電圧選択部16を含んで構成される。電源回路10は外部から供給される電源を、適宜レベル変換し安定化して、ゲート制御ドライバ8とソースドライバ9の駆動電圧を始め、その他の回路の動作電源を生成し供給する。システムインタフェース11は、表示装置1に接続される図示されないホストからのコマンドを受信し、検出されたタッチ座標などのデータをホストへ出力する、インタフェース回路である。表示インタフェース12は、表示すべき画像データを受信するインタフェース回路である。制御部13は、システムインタフェース11とMPU7との間のコマンドやデータの授受を行い、また、MPU7からの制御を受けて、タッチパネルコントローラ4、ゲート制御ドライバ8、ソースドライバ9、データラッチ15、及び、階調電圧選択部16のタイミング制御を行ない、表示インタフェース12を介して受信した画像データをメモリ14に転送する。メモリ14に一旦保持された画像データは、データラッチ15に読み出され、階調電圧選択部16に送られる。階調電圧選択部16は、画像データに基づいて、その画素が表示駆動されるべきソース線の階調電圧を選択し、ソースドライバ9に出力する。ソースドライバ9は、選択された階調電圧で表示パネル5のソース線を駆動する。
【0110】
制御部13は、表示すべき1フレームの上のラインから順次走査された順序で入力される画像データを、メモリ14に書き込み、各表示駆動期間には、その期間に表示すべきラインの順序での画像データを、メモリ14からデータラッチ15に読み出す。ホストからは、表示すべき画像データが、1フレームの上のラインから順次走査された順序で入力されるので、表示される順序に入れ替える必要があるためである。
【0111】
これにより、表示駆動回路3は、従来通りラスタースキャン(順次走査)された画像データが、走査された順序のまま入力された場合であっても、順序を適切に入れ替えて表示パネルへ駆動信号として出力することができる。一旦、1フレーム分の画像データをメモリに入力して、表示すべきライン毎に所定の周期で読み出すため、メモリ14は、少なくとも1フレーム分の画像データを格納できる記憶容量を備えると良い。
【0112】
制御部13は、上記のように、各表示駆動期間には、その期間に表示すべきラインの順序での画像データを、メモリ14から読み出すためのタイミング制御を行う。合わせて、タッチパネルコントローラ4に対し、タイミング信号を出力する。タッチパネルコントローラ4は、受信したタイミング信号にもとづいて、ブランク期間にタッチパネル6のタッチ状態検知動作を行い、表示駆動期間にタッチ状態検知動作を停止する。
【0113】
図2に示したタイミングチャートを引用して、表示駆動とタッチセンスの時分割動作について説明する。
【0114】
タッチパネルコントローラ4は、ブランク期間にタッチパネル6のタッチ状態を検知するタッチ状態検知動作を行い、表示駆動期間にタッチ状態検知動作を停止する。表示駆動回路3が表示パネル5の駆動を停止している、第1ブランク期間(時刻t1〜t2)と第2ブランク期間(時刻t3〜t4)に、タッチパネル6のタッチ状態検知動作を行なう。表示駆動回路3が表示パネル5の複数のラインを駆動する第1表示駆動期間(時刻t0〜t1)、第2表示駆動期間(時刻t2〜t3)及び第3表示駆動期間(時刻t4〜t5)には、タッチパネル6のタッチ状態検知動作を停止する。帰線期間(時刻t5〜t6)にもタッチ状態検知動作を行なってもよい。
【0115】
これにより、タッチパネル6を一体に積層された表示パネル5を備える表示装置1においても、時分割表示に起因する表示画質の劣化を生じさせることなく、タッチ検出動作における検出精度を向上することができる。
【0116】
表示駆動とタッチ状態検出動作は、時間的に完全に分割されるのが理想的であるが、タッチ状態検知動作が上記第1または第2表示駆動期間の一部に食い込んで、表示駆動とタッチ状態検出動作が時間的に重複してもよい。時間的な重複を減らすことによって、タッチ検出動作における信号対雑音比(S/N比)は向上し、時間的な重複をなくすことによってS/N比は最良となる。S/N比が向上することによって、検出精度を向上することができる。一方、時間的重複を許すことによって、タッチ検出動作にかける時間を長くとることができるので、それによって検出精度を向上することができる場合もある。
【0117】
<Mライン周期でNライン毎に分散>
ラインを均等に複数の表示駆動期間に分散して表示する動作について、より詳細に説明する。
【0118】
図3は、
図2に示すタイミングチャートの一部拡大図である。1フレームが1024ラインで構成される場合を例に採って示す。この値に制限されるものではなく、本発明は、1フレームが任意のライン数の表示パネルに適用することができる。
【0119】
表示駆動回路3は、第1表示駆動期間(時刻t0〜t1)には、1フレーム内にM(Mは1以上の整数)ライン周期でN(Nは1以上の整数)ライン毎に分散する、表示パネル5の複数のラインを駆動し、第2表示駆動期間(時刻t2〜t3)には、同じフレーム内にMライン周期でNライン毎に分散する、第1表示駆動期間(時刻t0〜t1)に表示駆動された複数のラインとは異なる、複数のラインを駆動する。
図3に示すように、第1表示駆動期間(時刻t0〜t1)には、時刻t0〜t11に第1〜第Nラインを駆動し、時刻t11〜t12に第M+1〜第M+Nラインを駆動し、時刻t12〜t13に第2M+1〜第2M+Nラインを駆動し、時刻t15〜t1に第1024−M+1〜第1024−2Nラインを駆動する。第2表示駆動期間(時刻t2〜t3)には、時刻t2〜t21に第N+1〜第2Nラインを駆動し、時刻t21〜t22に第M+N+1〜第M+2Nラインを駆動し、時刻t22〜t23に第2M+N+1〜第2M+2Nラインを駆動し、時刻t25〜t3に第1024−2N+1〜第1024−Nラインを駆動する。第3表示駆動期間(時刻t4〜t5)には、時刻t4〜t31に第2N+1〜第3Nラインを駆動し、時刻t31〜t32に第M+2N+1〜第2Mラインを駆動し、時刻t32〜t33に第2M+2N+1〜第2M+3Nラインを駆動し、時刻t35〜t5に第1024−N+1〜第1024ラインを駆動する。
図3は、1フレームに3回の表示駆動期間を持つ、M=3Nの場合を例示するが、MとNの値は任意に定めることができる。例えば、上記所定周期をMラインとし、1フレーム期間内にM/N回の表示駆動期間を含む時分割動作において、表示駆動期間の異なる領域が均等に分割される。この時分割動作では、M/N回の表示駆動期間のそれぞれに対応して、M/N回のブランク期間を設けることができる。また、ブランク期間は、M/N回のそれぞれの表示駆動期間の前と後にM/N+1回設けても良いし、同じフレームの表示駆動期間どうしの間にM/N−1回設けても良い。MとNの値は、表示パネルの大きさと解像度(1フレーム当たりのライン数)を考慮し、1フレームを分割する領域が、輝度差を視認できない程度に十分に細かい大きさとなるように、決めることができる。
【0120】
これにより、表示駆動期間の異なる領域の境界が概ね均等に分散され、時分割表示に伴って生じた輝度差による領域の境界を視認されにくくし、時分割表示に起因する表示画質の劣化を防止することができる
<パネル内ゲート制御回路>
図4は、表示パネル5の表示素子を駆動するパネル内ゲート制御回路20の構成例を表す回路図である。
【0121】
表示パネル5は、複数のソース線S1〜S2400と複数のゲート線G1〜G1024の交点のそれぞれに表示素子17を備えることによって2次元に配列された複数の表示素子17と、パネル内ゲート制御回路20とを備える。表示素子17は例えば液晶素子であり、液晶素子17は、ソース電極をソース線の1本に、ゲート電極をゲート線の1本に接続され、ドレイン電極にキャパシタを備えるMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)によるトランスファゲートを備える。ゲート線によって選択されたトランスファゲートが導通し、ソース線に印加された電圧により、電荷がキャパシタに転送される。転送された電荷はキャパシタで保持され、液晶に印加される。液晶は印加された電解に応じて偏光を制御され、それによって光の透過度が変化する。表示パネル5では、このようにして表示輝度が制御される。液晶素子17は、画素毎に1個またはカラーの場合は、1画素に対し、色数分の素子数通常3個を設ける。
図4に示した例は、1フレーム当たり1024ライン、1ライン当たり2400素子で、1画素に1個の液晶素子17を設けた例である。1フレーム当たりのライン数、1ライン当たりの画素数は、任意であり、カラーの場合は、1画素に対し色数分の通常3組の回路を備えればよい。このことは、他の図面及び本願の他の実施形態にも全て同様に妥当する。
【0122】
パネル内ゲート制御回路20は、複数のゲート線G1〜G1024を駆動するゲートドライバ21_1〜21_1024と部分シフトレジスタ22_1〜22_3を縦続接続した全体シフトレジスタ22を備える。それぞれの部分シフトレジスタ22_1〜22_3は、3ライン周期で1ライン毎に縦続接続された記憶素子を備える。記憶素子は、例えばフリップフロップ23である。部分シフトレジスタ22_1は、3ライン周期で1ライン毎に縦続接続されたフリップフロップ23_1、23_4、23_7…23_1022を備える。部分シフトレジスタ22_2は、3ライン周期で1ライン毎に縦続接続されたフリップフロップ23_2、23_5、23_8…23_1023を備える。部分シフトレジスタ22_3は、3ライン周期で1ライン毎に縦続接続されたフリップフロップ23_3、23_6、23_9…23_1024を備える。
【0123】
全体シフトレジスタ22には、初段の部分シフトレジスタ22_1に、表示駆動すべきラインを示すフラグFLGが、表示駆動回路3から入力され、合せて入力されるクロックCLKによって順次シフトされる。
【0124】
これにより、表示駆動回路と表示パネルの間の信号線の数を減らすことができる。
【0125】
図4に示した例では、全体シフトレジスタを構成する部分シフトレジスタの数を3とし、3ライン周期で1ライン毎にフリップフロップを設けた例を示したが、本発明はこれに制限されるものではない。全体シフトレジスタを構成する部分シフトレジスタの数は、1フレーム内の表示駆動期間の数と同じであり、部分シフトレジスタには、表示駆動におけるラインの分散と同じく、Mライン周期でNライン毎に記憶素子を設ければよい。
【0126】
パネル内ゲート制御回路20の動作について説明する。
【0127】
図5は、
図4に示すパネル内ゲート制御回路の動作を示すタイミングチャートである。横軸に時間を取り、縦方向に上から、フラグFLG、クロックCLK、及び、ゲート線G1〜G1024の波形を示す。フラグFLGが入力されると、表示駆動期間が開始される。時刻t0の直前にフラグFLGが入力され、同時に入力されるクロックCLKによって、全体シフトレジスタ22における初段の部分シフトレジスタ22_1の初段のフリップフロップ23_1に取り込まれる。第1表示駆動期間(時刻t0〜t1)において、まず、フリップフロップ23_1に転送されたフラグFLGが入力されるゲートドライバ21_1は、時刻t0にゲート線G1を駆動する。次に時刻t11にG4が、t12にG7が駆動され、以降、時刻t14にG1022が駆動されるまで、フラグFLGは順次シフトされる。ブランク期間(時刻t1〜t2)にはクロックCLKが停止され、フラグFLGは転送されない。次に第2表示駆動期間(時刻t2〜t3)において、部分シフトレジスタ22_1の出力が次の部分シフトレジスタ22_2に転送される。部分シフトレジスタ22_2の初段のフリップフロップ23_2に転送されたフラグFLGが入力されるゲートドライバ21_2は、時刻t2にゲート線G2を駆動する。次に時刻t21にG5が、t22にG8が駆動され、以降、時刻t24にG1023が駆動されるまで、フラグFLGは順次シフトされる。ブランク期間(時刻t3〜t4)にはクロックCLKが停止され、フラグFLGは転送されない。次に第3表示駆動期間(時刻t4〜t5)において、部分シフトレジスタ22_2の出力が次の部分シフトレジスタ22_3に転送される。部分シフトレジスタ22_3の初段のフリップフロップ23_3に転送されたフラグFLGが入力されるゲートドライバ21_3は、時刻t4にゲート線G3を駆動する。次に時刻t31にG6が、t32にG9が駆動され、以降、時刻t34にG1024が駆動されるまで、フラグFLGは順次シフトされる。帰線期間(時刻t5〜t6)にはクロックCLKが停止され、フラグFLGは転送されない。
【0128】
以上の動作により、1フレーム内の1024本のラインは、3ライン周期で1ライン毎に3つの表示駆動期間に均等に分散して表示駆動される。これにより、時分割表示に伴って生じた輝度差による領域の境界が視認されにくく、時分割表示に起因する表示画質の劣化が防止された、表示パネルを駆動するための表示駆動回路を備える半導体装置を提供することができる。
【0129】
〔実施形態1〕<1ライン毎に交互に分散>
本実施形態1において、表示駆動回路3は、1フレーム内に2回の表示駆動期間を持つ時分割動作を行ない、それぞれの表示駆動期間に1ラインごとに交互に表示駆動を行う。例えば、一方の表示駆動期間に奇数ラインを、他方の表示駆動期間に偶数ラインを、それぞれ表示する。
【0130】
図6は、実施形態1に係る表示動作を示すタイミングチャートであり、
図7は、
図6に示すタイミングチャートの一部拡大図である。
【0131】
1フレーム内に第1表示駆動期間(時刻t0〜t1)と第2表示駆動期間(時刻t2〜t3)を持ち、さらに、ブランク期間(時刻t1〜t2)と帰線期間(時刻t3〜t4)を含む。時刻t4〜t5の表示駆動期間は、次のフレームの表示である。ブランク期間(時刻t1〜t2)と帰線期間(時刻t3〜t4)には、タッチ状態検出動作を行ってもよい。
図7に示すように、第1表示駆動期間(時刻t0〜t1)には、第1ラインから2ライン周期で第1023ラインまでの奇数ラインを表示駆動し、第2表示駆動期間(時刻t2〜t3)には、第2ラインから2ライン周期で第1024ラインまでの偶数ラインを表示駆動する。次のフレームの第1表示駆動期間(時刻t4〜t5)には、再び奇数ラインを表示駆動する。
【0132】
これにより、異なる表示駆動期間に駆動される領域が1ライン毎に交互に分散されることになり、均等でかつ最も細かく分散された状態となり、時分割表示に伴って生じた輝度差による領域の境界を視認されにくくし、時分割表示に起因する表示画質の劣化をさらに防止することができる。
【0133】
<パネル内ゲート制御回路に2ライン周期1ライン毎のシフトレジスタ2組>
図8は、実施形態1の表示装置におけるパネル内ゲート制御回路の構成例を表す回路図である。
【0134】
2次元に配列された複数の表示素子17は
図4と同様であるので、説明を省略する。パネル内ゲート制御回路20が、複数のゲート線G1〜G1024を駆動するゲートドライバ21_1〜21_1024を備える点も同様である。パネル内ゲート制御回路20は、2ライン周期で1ライン毎に記憶素子を設けた2組のシフトレジスタ22_4と22_5を備える。シフトレジスタ22_4は、記憶素子として縦続接続されたフリップフロップ23_1、23_3、…23_1023を備え、シフトレジスタ22_5は、縦続接続されたフリップフロップ23_2、23_4、…23_1024を備える。シフトレジスタ22_4にはフラグ1(FLG1)とクロック1(CLK1)が入力され、クロック1(CLK1)によって入力されたフラグ1(FLG1)が順次シフトされる。シフトレジスタ22_5にはフラグ2(FLG2)とクロック2(CLK2)が入力され、クロック2(CLK2)によって入力されたフラグ2(FLG2)が順次シフトされる。
【0135】
これにより、1ライン毎に2ライン周期で(1ライン毎に交互に)表示領域を分散させるための回路を、容易に構成することができる。
【0136】
図9は、
図8に示すパネル内ゲート制御回路の動作を示すタイミングチャートである。横軸に時間を取り、縦方向に上から、フラグ1(FLG1)、クロック1(CLK1)、フラグ2(FLG2)、クロック2(CLK2)、及び、ゲート線G1〜G1024の波形を示す。フラグ1(FLG1)が入力されると、第1表示駆動期間が開始される。時刻t10にフラグ1(FLG1)が入力され、同時に入力されるクロック1(CLK1)によって、シフトレジスタ22_4の初段のフリップフロップ23_1に取り込まれる。第1表示駆動期間(時刻t0〜t1)において、まず、フリップフロップ23_1に転送されたフラグ1(FLG1)が入力されるゲートドライバ21_1は、時刻t0にゲート線G1を駆動する。次に時刻t11にG3が、t12にG5が駆動され、以降、時刻t14にG1023が駆動されるまで、フラグ1(FLG1)は順次シフトされる。ブランク期間(時刻t1〜t2)にはクロック1(CLK1)とクロック2(CLK2)は共に停止され、フラグ1(FLG1)とフラグ2(FLG2)はどちらも転送されない。次にフラグ2(FLG2)が入力されると、第2表示駆動期間が開始される。時刻t20にフラグ2(FLG2)が入力され、同時に入力されるクロック2(CLK2)によって、シフトレジスタ22_5の初段のフリップフロップ23_2に取り込まれる。第2表示駆動期間(時刻t2〜t3)において、まず、フリップフロップ23_2に転送されたフラグ2(FLG2)が入力されるゲートドライバ21_2は、時刻t2にゲート線G2を駆動する。次に時刻t21にG4が、t22にG6が駆動され、以降、時刻t24にG1024が駆動されるまで、フラグ2(FLG2)は順次シフトされる。帰線期間(時刻t3〜t4)にはクロック1(CLK1)とクロック2(CLK2)は共に停止され、フラグ1(FLG1)とフラグ2(FLG2)はどちらも転送されない。
【0137】
以上の動作により、1フレーム内の1024本のラインは、2ライン周期で1ライン毎に2つの表示駆動期間に均等に分散して表示駆動される。これにより、時分割表示に伴って生じた輝度差による領域の境界が視認されにくく、時分割表示に起因する表示画質の劣化が防止された、表示パネルを駆動するための表示駆動回路を備える半導体装置を提供することができる。
【0138】
シフトレジスタ22_5にはフラグ2(FLG2)とクロック2(CLK2)を入力する代わりに、シフトレジスタ22_4の最終段のフリップフロップ23_1023の出力とクロック1(CLK1)を入力しても良い。この場合は、
図4に示したパネル内ゲート制御回路20の動作と同様となる。また、入力される信号線もフラグ1(FLG1)とクロック1(CLK1)の2本でよい。一方、
図8に示したように、独立に2個のシフトレジスタ22_4と22_5を備えることにより、シフトレジスタ1個当たりのクロックの負荷が1/2になること、また、
図9に示すように、第1表示駆動期間にクロック2(CLK2)を停止し、第2表示駆動期間にクロック1(CLK1)を停止することにより、クロックを駆動するための消費電力は、1/4に抑えることができる。また、独立に動作しているため、後述の実施形態2及び実施形態3に示す実施の形態が容易になる。
【0139】
〔実施形態2〕<パネル内ゲート制御回路内の2組のシフトレジスタは表示パネルの両側に配置>
図10は、実施形態2の表示装置におけるパネル内ゲート制御回路の構成例を表す回路図である。パネル内ゲート制御回路20を、奇数ラインのゲートを駆動するパネル内ゲート制御回路20_1と、偶数ラインのゲートを駆動するパネル内ゲート制御回路20_2に分けて備える。奇数ラインのゲートを駆動するパネル内ゲート制御回路20_1には、ゲートドライバ21_1、21_3、…21_1023を備え、それぞれには、シフトレジスタ22_4を構成するフリップフロップ23_1、23_3、…23_1023の出力が入力され、ゲート線G1,G3,…G1023を出力する。偶数ラインのゲートを駆動するパネル内ゲート制御回路20_2には、ゲートドライバ21_2、21_4、…21_1024を備え、それぞれには、シフトレジスタ22_5を構成するフリップフロップ23_2、23_4、…23_1024の出力が入力され、ゲート線G2,G4,…G1024を出力する。
【0140】
パネル内ゲート制御回路20_1とパネル内ゲート制御回路20_2は、表示パネル5の複数の表示素子17が2次元配列された表示領域を挟む領域、即ち、表示領域の両側に配置されるとよい。
【0141】
これにより、パネル内ゲート制御回路20を効率よく配置することができる。各ゲート線を駆動するゲートドライバ21とシフトレジスタを構成する記憶素子(フリップフロップ)23のレイアウトに許されるピッチが、ゲート線のピッチの2倍のピッチまで拡大されるからである。
【0142】
シフトレジスタ22_4と22_5を独立に備え、それぞれに、フラグ1(FLG1)とクロック1(CLK1)、フラグ2(FLG2)とクロック2(CLK2)を入力することにより、表示パネル5の複数の表示素子17が2次元配列された表示領域を挟む領域、即ち、表示領域の両側に配置することが容易になる。
【0143】
〔実施形態3〕<連続するフレームで表示する領域の順序を変える>
以上説明した実施の形態では、各表示駆動期間に駆動するラインの番号は、フレーム毎に同じであるものとして、換言すれば各フレームで表示駆動されるラインの順序は、一定であるものとして説明した。例えば、あるフレームで、第1表示駆動期間にG1,G4,G7…が駆動され、第2表示駆動期間にG2,G5,G8…が駆動され、第3表示駆動期間にG3,G6,G9…が駆動されるとする。そのとき次のフレームでも第1表示駆動期間には同じG1,G4,G7…が駆動され、第2表示駆動期間にも前フレームの第2表示駆動期間と同じG2,G5,G8…が駆動され、第3表示駆動期間も同様に前フレームの第3表示駆動期間と同じG3,G6,G9…が駆動される。
【0144】
これに対し、本実施形態3においては、連続するフレームで表示する領域の順序を変える。
【0145】
図11は、実施形態3に係る表示動作を示すタイミングチャートである。
【0146】
時刻t0〜t6までの第1フレームには、表示駆動回路3は、
図2に示したのと同様に、第1表示駆動期間(時刻t0〜t1)に、第1フレーム内の所定周期で分散する複数のラインを駆動する。第2表示駆動期間(時刻t2〜t3)には、第1フレームの第1表示駆動期間(時刻t0〜t1)に表示駆動された複数のラインとは異なる、複数のラインを駆動する。第3表示駆動期間(時刻t4〜t5)には、第1フレームの第1表示駆動期間(時刻t0〜t1)にも第2表示駆動期間(時刻t2〜t3)にも表示駆動されていない、残りの複数のラインを駆動する。
【0147】
時刻t6〜t12までの第2フレームには、表示駆動回路3は、第1表示駆動期間(時刻t6〜t7)に、第1フレームの第1表示駆動期間(時刻t0〜t1)に駆動された複数のラインとは異なる複数のライン、例えば、第1フレームの第2表示駆動期間(時刻t2〜t3)に駆動された複数のラインを駆動する。第2フレームの第2表示駆動期間(時刻t8〜t9)には、第2フレームの第1表示駆動期間(時刻t6〜t7)に駆動された複数のラインと異なり、第1フレームの第2表示駆動期間(時刻t2〜t3)に駆動された複数のラインとは異なる複数のライン、例えば、第1フレームの第3表示駆動期間(時刻t4〜t5)に駆動された複数のラインを駆動する。第2フレームの第3表示駆動期間(時刻t10〜t11)には、第2フレームの第1表示駆動期間(時刻t6〜t7)にも第2表示駆動期間(時刻t8〜t9)にも表示駆動されていない、残りの複数のラインを駆動する。
【0148】
これにより、時分割表示に伴って生じた輝度差が、フレーム毎に変化するため時間軸方向に分散され、領域の境界がより視認されにくくなる。また、画素ごとの電荷の保持性能にばらつきがある場合であっても、時分割表示に伴って生じた輝度差による領域の境界を視認されにくくなる。よって、時分割表示に起因する表示画質の劣化が防止される。
【0149】
<連続するフレームで奇数ラインと偶数ラインを交互に表示>
以上は、1フレーム内の表示駆動期間が3回の場合を例に採って説明したが、1フレーム内の表示駆動期間の数は任意である。
【0150】
1フレーム内の表示駆動期間を2回とし、第1フレームの第1表示駆動期間に奇数ラインを駆動し、第2表示駆動期間に偶数ラインを駆動し、後続の第2フレームの第1表示駆動期間に偶数ラインを駆動し、第2フレームの第2表示駆動期間に奇数ラインを駆動する。
【0151】
図12は、実施形態3の表示装置におけるパネル内ゲート制御回路20の動作を示すタイミングチャートである。横軸に時間を取り、縦方向に上から、フラグ1(FLG1)、クロック1(CLK1)、フラグ2(FLG2)、クロック2(CLK2)、及び、ゲート線G1〜G1024の波形を示す。時刻t0〜時刻t4までの第1フレームにおける動作は、
図9に示したタイミングチャートと同じであるので、説明を省略する。第1フレームの第1表示駆動期間(時刻t0〜t1)には奇数ラインが駆動され、第2表示駆動期間(時刻t2〜t3)には偶数ラインが駆動される。
図9に示したタイミングチャートでは、第2フレームの第1表示駆動期間(時刻t4〜t5)には、第1フレームの第1表示駆動期間(時刻t0〜t1)と同じく、奇数ラインが駆動され、第2表示駆動期間(時刻t6〜)には、第1フレームの第2表示駆動期間(時刻t2〜t3)と同じく、偶数ラインが駆動される。一方、
図12に示す実施形態3の表示装置におけるパネル内ゲート制御回路20の動作を示すタイミングチャートでは、第2フレームの第1表示駆動期間(時刻t4〜t5)には、第1フレームの第1表示駆動期間(時刻t0〜t1)とは異なり、偶数ラインが駆動され、第2表示駆動期間(時刻t6〜)には、第1フレームの第2表示駆動期間(時刻t2〜t3)と異なる、奇数ラインが駆動される。
【0152】
これにより、奇数ラインと偶数ラインが表示駆動される表示駆動期間が、前半と後半の表示駆動期間の間でフレーム毎に交互に入れ替えられ、画素ごとの電荷の保持性能にばらつきがある場合であっても、時分割表示に伴って生じた輝度差による領域の境界を視認されにくくし、時分割表示に起因する表示画質の劣化を防止することができる。
【0153】
本実施形態3の表示装置には、
図8に示したパネル内ゲート制御回路20を採用することが好適である。フラグ1(FLG1)とクロック1(CLK1)、フラグ2(FLG2)とクロック2(CLK2)をそれぞれ独立に入力することができるので、
図12のタイミングチャートに示す、フレーム毎に表示順序を入れ替える動作の制御を容易に行うことができる。
【0154】
〔実施形態4〕<複数ライン単位で、データ圧縮と展開>
図15は、本実施形態4に係る表示装置の構成例を表すブロック図である。
図1に示した表示装置の構成例と比較して、表示駆動回路3は、圧縮回路33と展開回路34とをさらに備える。
【0155】
制御部13は、表示すべき1フレームの上のラインから順次走査された順序で入力される画像データを、圧縮回路33によってデータ圧縮してメモリ14に書き込む。各表示駆動期間には、その期間に表示すべきラインの画像データを含む、データ圧縮されたデータを、メモリ14から読み出す。展開回路34は、メモリ14から読み出されたデータ圧縮されたデータを、展開することにより、表示すべきラインの画像データを復元し、データラッチ15に転送する。その後、代表的な実施形態で上述したのと同様に、表示駆動回路3は、復元された前記画像データに基づいて前記駆動信号を生成する。その他の構成要素は、代表的な実施形態その他の実施形態について上述したのと同様に動作する。
【0156】
これにより、表示駆動回路3は、従来通りラスタースキャン(順次走査)された画像データが、走査された順序のまま入力された場合であっても、順序を適切に入れ替えて表示パネルへ駆動信号として出力することができる。一旦、1フレーム分の画像データをメモリに入力して、表示すべきライン毎に所定の周期で読み出すため、メモリ14は、少なくとも1フレーム分の画像データを格納できる記憶容量を備えると良い。画像データが書き込むときに圧縮され読み出された後に展開されることにより、メモリ14の容量を小さく抑えることができる。
【0157】
表示駆動回路3は、各表示駆動期間に1フレーム内のM(Mは1以上の整数)ライン周期でN(Nは1以上の整数)ライン毎に概ね均等に分散する、複数のラインを表示駆動する。MとNの値は任意に定めることができるが、本実施形態4では、圧縮回路33は、Nラインを単位として画像データの前記データ圧縮を実行し、展開回路34も、Nラインを単位としてデータ圧縮のデータを展開することにより画像データを復元する。
【0158】
これにより、圧縮回路33と展開回路34を効率よく動作させることができる。データ圧縮の単位ライン数をNラインとし表示駆動を同じNライン毎に行うので、換言すれば、表示すべきNラインの画像データを画像圧縮の単位として、圧縮して格納し展開するので、展開された画像データと表示される画像データが一致し、展開された画像データに無駄が生まれない。
【0159】
図16は、実施形態4に係る表示装置におけるパネル内ゲート制御回路の構成例を表す回路図である。M=4,N=2とした例である。画像圧縮の単位ライン数を2ラインとすることにより、上下に隣接する画素の画素データに相関が強いという、一般の画像特有の特性を利用した、画像のデータ圧縮アルゴリズムを採用することができる。2ライン単位で圧縮され、2ライン単位で展開され復元されるので、同じ2ライン単位で表示駆動することにより、展開回路34の動作に無駄を生じさせないように設計することができる。画像圧縮の単位ライン数を3ラインまたは4ラインとすると、上下に隣接する画素の画素データに相関が強いという、画像の上記特性をさらに効率よく利用した、画像のデータ圧縮アルゴリズムを採用することができる。この場合も、データ圧縮の単位ライン数と表示駆動の単位ライン数(Nライン)を一致させることにより、展開回路34の動作に無駄を生じさせないように設計することができる。
【0160】
図16に示した本実施形態4に係る表示パネル5は、
図10に示した表示パネルと同様に複数のソース線S1〜S2400と複数のゲート線G1〜G1024の交点のそれぞれに表示素子17を備えることによって2次元に配列された複数の表示素子17と、パネル内ゲート制御回路20_1〜20_2とを備える。
【0161】
パネル内ゲート制御回路20_1には、ゲートドライバ21_1、21_2、21_5(図示を省略)、21_6(図示を省略)…21_1021(図示を省略)、21_1022を備え、それぞれには、シフトレジスタ22_4を構成するフリップフロップ23_1、23_2、23_5(図示を省略)、23_6(図示を省略)…23_1021(図示を省略)、23_1022の出力が入力され、ゲート線G1,G2,G5(図示を省略),G6(図示を省略)…G1021(図示を省略),G1022を出力する。
【0162】
パネル内ゲート制御回路20_2には、ゲートドライバ21_3、21_4、21_7(図示を省略)、21_8(図示を省略)…21_1023、21_1024を備え、それぞれには、シフトレジスタ22_5を構成するフリップフロップ23_3、23_4、23_7(図示を省略)、23_8(図示を省略)…23_1023、23_1024の出力が入力され、ゲート線G3,G4,G7(図示を省略),G8(図示を省略)…G1023,G1024を出力する。
【0163】
シフトレジスタ22_4と22_5には、フラグ1(FLG1)とクロック1(CLK1)、フラグ2(FLG2)とクロック2(CLK2)がそれぞれ入力される。
【0164】
これにより、表示駆動回路と表示パネルの間の信号線の数を減らすことができ、Mライン周期でNライン毎に、即ち、画像圧縮の単位ライン数毎に表示領域を分散させるための回路を、容易に構成することができる。また、パネル内ゲート制御回路20_1と20_2は、表示パネル5の複数の表示素子17が2次元配列された表示領域を挟む領域、即ち、表示領域の両側に配置することが容易になる。
【0165】
パネル内ゲート制御回路20_1と20_2の動作について説明する。
【0166】
図17は、
図16に示すパネル内ゲート制御回路の動作を示すタイミングチャートである。横軸に時間を取り、縦方向に上から、フラグ1(FLG1)、クロック1(CLK1)、フラグ2(FLG2)、クロック2(CLK2)、及び、ゲート線G1〜G1024の波形を示す。フラグ1(FLG1)が入力されると、第1表示駆動期間が開始される。時刻t10にフラグ1(FLG1)が入力され、同時に入力されるクロック1(CLK1)によって、シフトレジスタ22_4の初段のフリップフロップ23_1に取り込まれる。第1表示駆動期間(時刻t0〜t1)において、まず、フリップフロップ23_1に転送されたフラグ1(FLG1)が入力されるゲートドライバ21_1は、時刻t0にゲート線G1を駆動する。次に時刻t11にG2が、t12にG5が駆動され、以降、G1022が駆動されるまで、フラグ1(FLG1)は順次シフトされる。ブランク期間(時刻t1〜t2)にはクロック1(CLK1)とクロック2(CLK2)は共に停止され、フラグ1(FLG1)とフラグ2(FLG2)はどちらも転送されない。次にフラグ2(FLG2)が入力されると、第2表示駆動期間が開始される。時刻t20にフラグ2(FLG2)が入力され、同時に入力されるクロック2(CLK2)によって、シフトレジスタ22_5の初段のフリップフロップ23_3に取り込まれる。第2表示駆動期間(時刻t2〜t3)において、まず、フリップフロップ23_3に転送されたフラグ2(FLG2)が入力されるゲートドライバ21_3は、時刻t2にゲート線G3を駆動する。次に時刻t21にG4が、t22にG7が駆動され、以降、時刻t24にG1024が駆動されるまで、フラグ2(FLG2)は順次シフトされる。帰線期間(時刻t3〜t4)にはクロック1(CLK1)とクロック2(CLK2)は共に停止され、フラグ1(FLG1)とフラグ2(FLG2)はどちらも転送されない。以降、次のフレームの第1表示駆動期間(時刻t4〜t5)と第2表示駆動期間(時刻t6〜)も、上述した第1表示駆動期間(時刻t0〜t1)と第2表示駆動期間(時刻t2〜t3)と、それぞれ同様に動作する。
【0167】
図18は、実施形態4に係る表示動作を示すタイミングチャートである。
【0168】
1フレーム内に第1表示駆動期間(時刻t0〜t1)と第2表示駆動期間(時刻t2〜t3)を持ち、さらに、ブランク期間(時刻t1〜t2)と帰線期間(時刻t3〜t4)を含む。時刻t4〜t5の表示駆動期間は、次のフレームの表示である。ブランク期間(時刻t1〜t2)と帰線期間(時刻t3〜t4)には、タッチ状態検出動作を行ってもよい。第1表示駆動期間(時刻t0〜t1)には、4ライン周期で2ライン毎に第1ラインから第1022ラインまでのラインを表示駆動し、第2表示駆動期間(時刻t2〜t3)には、4ライン周期で2ライン毎に第3ラインから第1024ラインまでのラインを表示駆動する。
【0169】
以上の動作により、1フレーム内の1024本のラインは、4ライン周期で2ライン毎に2つの表示駆動期間に均等に分散して表示駆動される。これにより、時分割表示に伴って生じた輝度差による領域の境界が視認されにくく、時分割表示に起因する表示画質の劣化が防止された、表示パネルを駆動するための表示駆動回路を備える半導体装置を提供することができる。このとき、分散されるライン数(2ライン)は、画像のデータ圧縮の単位ライン数と一致するように設計されているので、展開回路34の動作に無駄を生じさせない。
【0170】
図19は、実施形態4に係る表示装置による時分割動作における、画像の表示例を示す説明図である。
図14と同様に、1フレームに表示される画像を示し、画像の輝度が高い程、色の濃いハッチングで表す。本実施形態4の画像の表示例では、第1表示駆動期間に表示駆動された領域31と、第2表示駆動期間に表示駆動された領域32が、2ライン毎に均等に分散されている。
図13に示した、単純に2分割した画像に比べれば、人間の視覚では視認されにくくなっているのがわかる。1ライン毎に分散される
図14に示した例と比較すれば、第1表示駆動期間に表示駆動された領域31と第2表示駆動期間に表示駆動された領域32のそれぞれの面積が大きいので、境界線が視認されやすくなっているが、解像度が高い小さな表示装置では、人間の視覚で視認され得るレベル以下に設計することができる。
【0171】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、回路例とタイミングチャートは、正論理の回路を例に採って説明したが、負論理の回路に変更することもできる。