(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
以下の説明では、「上方」、「下方」、「上部」、「下部」、「水平」、「垂直」、「左」、「右」など、特定の用語を使用する場合がある。これらの用語は、特に、図示される実施形態に関して、相対関係を取り扱う際、妥当な場合、説明の多少の明確さを提供するために使用される。しかしながら、これらの用語は、絶対的な関係、位置、および/または方向を意味することを意図し
ていない。例えば、物体に関して、「上部」表面は、単純に、物体を裏返すことによっ
て「下部」表面にな
る。それでもなお、それ
は同一の物体である。
【0056】
図1〜8に図示されるように、ゴルフクラブヘッド2など、ウッド型(例えば、ドライバー、またはフェアウェイウッド)ゴルフクラブヘッドは、中空ボディ10を含む。ボディ10は、内部空洞79(
図7〜8を参照)を画定する、クラウン12、ソール14、スカート16、打撃フェースまたはフェース部18を含
んでいる。ボディ10はホーゼル20を含
んでおり、
ホーゼル本体20は、ゴルフクラブのシャフトを収容するように構成され
ているホーゼル穴24(
図6を参照)を画定
している。ボディ10は、ヒール部26、トウ部28、フロント部30、およびリア部32をさらに含
んでいる。ゴルフクラブヘッド2は
また、クラブヘッド2の
押しのけ容積に等しい立法センチメートル(cm
3)で通常測定される体積を有
している。いくつかの実施形態において、ゴルフクラブヘッド2は、約400cm
3から約490cm
3の体積、および約185gから約215gの全質量を有する。
図1を参照すると、具体的な一実施形態において、ゴルフクラブヘッド2は、約458cm
3の体積、および約200gの全質量を有
している。
【0057】
クラウン12は、(1)上下方向から見ると、ゴルフクラブヘッド2の周辺輪郭34の上方にあり、(2)打撃フェース18の、ボール打撃面22の最上部後方にある、ゴルフクラブヘッド2の上部として画定され
ている(
図6を参照)。ボール打撃面22は、打撃フェース18の前部表面、または外部表面として画定され
ており、ゴルフボールに衝撃を与えるように構成され
ている(図示せず)。いくつかの実施形態では、以下により詳しく記述されるように、打撃フェースまたはフェース部18は、溶接などの従来の接合技術を使用して、ボディ10に接合され
る打撃プレートであ
る。一部の実施形態では、ボール打撃面22は、膨ら
んだロール巻き湾曲部を有す
る。例えば、
図5および6を参照すると、ボール打撃面22は、それぞれ半径約305mmの膨ら
んだロール巻き湾曲部を有
している。
【0058】
ソール14は、クラブヘッドが
X軸及びY軸が地面と平行に配置されるとき、すなわち、水平面上で、ゴルフボールに対して適切なアドレス位置にあるとき、クラブヘッドの最下点か
ら上方に延在
しているゴルフクラブヘッド2の下部とし
て画定され
ている。一部の実施形態において、ソール14は、ゴルフクラブヘッド2の最下点か
らクラウン12までの距離
の約50%から60%
まで延びており、それは、場合によっては、ドライバー
の場合には約15mm、およびフェアウェイウッド
の場合には約10mmから12mmであ
る。
【0059】
クラブヘッド2のようなゴルフクラブヘッドは、ホーゼル20またはシャフトの長手軸線21が目標方向に対して実質的に直角であり且つ適正なライ角にあるときに適正なアドレス位置にあり、そのとき、スコアラインは実質的に水平(例えば、地面17にほぼ平行)であり且つフェースの角度は目標ラインに対してほぼスクエアである(例えば、ボール打撃面22の幾何学的中心に垂直であるベクトルの水平成分が目標ラインの方を向いている)。フェース
プレート18が水平のスコアラインを有
していない場合、適切なライ角19
は約60度
と設定される。ロフト角15は、ボール打撃面22上の理想的なインパクト位置23に
対する接平面として画定されるフェース面27と、ゴルフクラブヘッド2が
上記の適切なアドレス位置にあるとき
に地面17に対
して垂直
な面29との間に画定される角度である。ライ角19は、ゴルフクラブヘッド2が
該適切なアドレス位置にあるとき、ホーゼル2
0またはシャフトの
長手軸線21と、地面17との間に画定される角度である。本願において、地面17
は水平面であると仮定され
ている。
【0060】
スカート16は、
クラウン12とソール14との間のゴルフクラブヘッド2の側部を含んでおり、該側部は、ボール打撃面22を除くトウ部28からリア部32
の周囲
をヒール部26まで、ゴルフクラブヘッド2の
外周34
に沿って延びている。
【0061】
図示され
ている実施形態では、ゴルフクラブヘッド2の理想的なインパクト位置23は、ボール打撃面22の幾何学的中心(
図4を参照)に配置され
ている。
該理想的なインパクト位置23は、通常、打撃面22の高さ(H
ss)
と幅(W
ss)
との中点の交差点として
規定される。H
ssおよびW
ssの両方は打撃
面曲線(S
ss)を使用して決定される。
該打撃
面曲線は、フェースが実質的に均一
な膨らみの半径(ヒールからトウ
までの
フェースの曲率半径)および実質的に均一
なロール巻き半径(クラウンからソール
までの
フェースの曲率半径)からボディへ
と移行するすべての点によって、その外面
の境界が決められている(例えば、
図4を参照)。図示され
ている実施例では、H
ssは、フェースの幾何学的中心
を通る(地面に垂直な)垂直面で測定される、S
ss(打撃面曲線)のソール部に隣接した
周縁から
該S
ssのクラウン部に隣接した
周縁までの距離である。同様に、W
ssは、フェースの幾何学的中心
を通る(地面に平行な)水平面で測定される、S
ssのヒール部に隣接した
周縁から
該S
ssのトウ部に隣接した
周縁までの距離である。打撃
面の幾何学的中心を測定するための手順に関しては、USGA“Procedure for Measuring the Flexibility of a Golf Clubhead,”Revision 2.0を参照。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッドのフェース
すなわちボール打撃面22
の高さ(Hss)は、約45mmから約65mm
であり、幅(Wss)は約75mmから約105mm
である。
図4を参照すると、
一つの特定の実施形態では、ボール打撃面22は、約52.2mmの高さ(H
ss)、約90.6mmの幅(W
ss)、および約3,929mm
2の総打撃面積を有
している。
【0062】
いくつかの実施形態では、打撃フェース18は、米国特許出願公開第2005/0239575号、および第2004/0235584号、米国特許出願第11/642,310号、および米国仮特許出願第60/877,336号に記載されるような、複合材料で作製され、それらは、
これに言及することによって本明細書に参考として組み込まれ
ている。他の実施形態では、打撃フェース18は、合金(例えば、チタン、スチール、アルミニウム、および/またはマグネシウム)、セラミック材料、または
複合合金
及び/又はセラミック材料の組合せ
によって作製される。
【0063】
打撃フェース18は、
これに言及することによって本明細書に組み入れられている米国特許第6,997,820号に記載されるような、
厚みが可変の打撃プレート
とすることができる。例えば、
図7および8に示され
ているように、打撃フェース18は、ゴルフクラブヘッド2のボール打撃面22または外側表面と内部空洞43に面する内側表面40との間
で画定される厚
みtを有
している。打撃フェース18は、ボール打撃面22上の理想的なインパクト位置26に隣接して
配置されている中心部42を
含んでいる。中心部42
の厚みtは、実質的に一定
である。また、打撃フェース18は、中心部42から放射状に外方
へ延
びている発散部分44を含
んでいる。例えば、
図9〜16を参照。
発散部分44の厚
みtは、中心部から放射状に外方に
向かって増加
している。打撃フェース18は、
移行部分48を介して
発散部分44に
結合されている収斂部分46を
有している。
収斂部分46の厚
みtは、
発散部分44および
移行部分48から放射状に外方の位置で実質的に減少
している。
ある種の場合には、
移行部分48は、
発散部分44と収斂部分46
との間の頂点である。他の実施形態では、
移行部分48は、
発散部分44から放射状に外方に
延び且つ厚
みt
が実質的に一定である(
図9〜11を参照)。
【0064】
いくつかの実施形態では、理想的なインパクト位置23で、打撃面に
対して垂直に
延びている軸に沿った、打撃フェース18の断面プロファイルは、
図9〜11の場合と実質的に同様である。
【0065】
他の実施形態では、
該断面プロファイルは異なることが可能であり、例えば非対称である。例えば、
ある種の実施形態では、ヘッドの基点z軸に沿った打撃フェース18の断面プロファイルは、上記のように中心、移行、発散、および
収斂の各部分を含んで
いる(
図9〜11、および13を参照)。しかしながら、ヘッドの基点x軸に沿った、打撃フェース18の断面プロファイルは、
収斂部分46から放射状に延
び且つ移行部分49を介して
収斂部分46につながっている第2の
発散部分47を含むことができる。代替実施形態では、ヘッドの基点z軸に沿った打撃フェース18の断面プロファイルは、ヘッドの基点x軸に沿った変化に関して上述されるように、
収斂部分から放射状に
延び且つ収斂部分につながっている第2の
発散部分を含むことができる。
【0066】
打撃フェース18の厚さの変化は、軸に沿った打撃フェースの幾何学的中心からの距離に
よって決定することができる。典型的な一実施形態によると、10mm≦|x|≦50mmの有効範囲内のヘッドの基点x軸に沿った打撃フェース18の最小厚さt
min、最大厚さt
max、および
公称厚さt
nomを、以下の方程式から決定することができる。
【0067】
【数23】
【0068】
【数24】
【0069】
【数25】
【0070】
図12を参照すると、
上記の方程式1〜3を使用して得られる典型的な厚さプロファイルが示され
ている。約0mm≦|x|≦10mmの有効範囲未満の打撃フェース18の部分
はフェースのCORに
対する影響
がより少ないので、有効範囲は、打撃フェース18の幾何学的中心から約10mm
離れた位置から始まる。しかしながら、特定の例示的な実施形態では、有効範囲未満
での打撃フェース18の厚さtは約2mmから約5mmであり、
幾つかの場合には、中心部42で約3mmであ
る。図12にはまた、打撃フェース18の例示的な実施形態に対する厚さプロファイルが示され
ており、該厚さプロファイルは、有効範
囲100%に沿っ
てt
minおよびt
maxによって
境界が決められており、即ちその範囲内
である。
【0071】
上記と同様に、
10mm≦|z|≦30mmの有効範囲内のヘッドの基点z軸に沿った打撃フェース18の最小厚さt
min、最大厚さt
max、および
公称厚さt
nomは、以下の方程式によって決定することができる。
【0072】
【数26】
【0073】
【数27】
【0074】
【数28】
【0075】
図13を参照すると、
上記の方程式4〜6を使用して得られる典型的な厚さプロファイルが示され
ている。ヘッドの基点x軸に沿った有効範囲と同様に、ヘッドの基点z軸に沿った有効範囲は、
約0mm≦|z|≦10mmの有効範囲未満の打撃フェース18の部分
はフェースのCORに
及ぼす影響
がより少ないので、有効範囲は、打撃フェース18の幾何学的中心から約10mm
離れた位置から始まる。
図13にはまた、打撃フェース18の例示的な実施形態に対する厚さプロファイルが示され
ており、該厚さプロファイルは、有効範
囲100%に沿っ
てt
minおよびt
maxによって
境界が決められており、即ちその範囲内
である。
【0076】
いくつかの実施形態では、上記の方程式および制約は、ゴルフクラブヘッド2の基点から
の半径方向距離に
よって定義することができる。例えば、
打撃フェース18の最小厚さtmin、最大厚さtmax、および公称厚さtnomは、ゴルフクラブヘッド2の基点から
の距離rに
よって以下の方程式によって決定することができる。
【0077】
【数29】
【0078】
【数30】
【0079】
【数31】
【0080】
式中、rは、ゴルフクラブヘッド2の基点から
の距離であり、約10mm以上である。
一定の厚さのフェースと比較すると、x軸およびz軸に沿った
公称厚さプロファイルは、打撃フェース18の重量を減少させ
且つフェースのCORゾーンを増加させ
且つUSGAのCOR制約を満たすより大きく
且つより寛容なフェースを提供するための好ましい厚さプロファイルを表
している。しかしながら、有効範囲の所定の部分に沿ったx軸およびz軸のそれぞれに対する最小および最大厚さプロファイルによって境界
が決められているx軸およびz軸に沿った厚さプロファイルを有するフェースによって、同一または同様の利点を得ることができる。例えば、特定の実施形態によると、打撃フェース18は、有効なx軸範囲の少なくとも50%に沿った最小および最大厚さプロファイルによって境界
が決められた基点x軸に沿った厚さプロファイルを有することができる。同様に、打撃フェース18は、有効なz軸範囲の少なくとも50%に沿った最小および最大厚さプロファイルによって境界
が決められた基点z軸に沿った厚さプロファイルを有することができる。より具体的な実施形態では、打撃フェース18の厚さプロファイルは、有効な軸範囲の少なくとも60%、70%、80%、または90%に沿った最小および最大厚さプロファイルによって境界
が決められる。
【0081】
図示され
ている実施形態では、ゴルフクラブヘッド2の打撃フェース18は、x軸
に沿った厚さプロファイル(
図11を参照)およびz軸に沿っ
た厚さプロファイル
(図10を参照)を有
している。打撃フェース18のx軸に沿った厚さプロファイルは、有効なx軸範囲の約71%に沿った最小および最大厚さプロファイルによって境界
が決められている。同様に、打撃フェース18のz軸に沿った厚さプロファイルは、有効なz軸範囲約65%に沿った最小および最大厚さプロファイルによって境界
が決められている。
【0082】
例示的な一実施形態では、打撃フェース18は、チタンなど
の等方性
の一体型材料
によって作製される。等方性
の一体型材料
の曲げ剛性(BS)は、材料の弾性
係数(E)および厚
さに比例し、以下の方程式によって決定することができる。
【0083】
【数32】
【0084】
式中、tは打撃フェース18の厚さである。
チタンの弾
性係数を約1.1
×10
5(N/mm
2)と仮定すると、約10mm≦|x|≦50mmの有効範囲内のヘッドの基点x軸に沿った打撃フェース18の最小
の、最大
の、および
公称の曲げ剛性BSは、以下の方程式によって決定することができる。
【0085】
【数33】
【0086】
【数34】
【0087】
【数35】
【0088】
図14〜15を参照すると、方程式11〜13を使用して得られる典型的な曲げ剛性プロファイルが示され
ている。0mm≦|x|≦10mmの有効範囲未満の打撃フェース18の部分
はフェースの剛性に
対して及ぼす影響が比較的小さい
ので、有効範囲は、打撃フェース20の幾何学的中心から約10mm離れ
た位置から始まる。しかしながら、特定の例示的実施形態では、有効範囲未満のフェース18の曲げ剛性は、約9
×10
5N・mmから約1.40
×10
7N・mmであり、
幾つかの場合には、中心部42で約3.0
×10
6N・mmであ
る。図14にはまた、有効x軸範囲100%に沿ってBS
minおよびBS
maxによって境界
が決められている打撃フェース18の例示的な実施形態に対する曲げ剛性プロファイル
が示されている。
【0089】
同様に、約10mm≦|x|≦30mmの有効範囲内
でのヘッドの基点z軸に沿った打撃フェース18の最小、最大、および
公称曲げ剛性BSは、以下の方程式によって決定することができる(この場合も同様に、約1.1
×10
5N/mm
2のヤング
率を有するチタンを仮定して
いる)。
【0090】
【数36】
【0091】
【数37】
【0092】
【数38】
【0093】
図15を参照すると、方程式14〜16を使用して得られる典型的な曲げ剛性プロファイルが示され
ている。
約0mm≦|z|≦10mmの有効範囲未満の打撃フェース18の部分はフェースの剛性に対する影響が比較的小さいので、ヘッドの基点z軸に沿った有効範囲は、ヘッドの基点x軸に沿った有効範囲と同様に、打撃フェース18の幾何学的中心から約10mm離れ
た位置から始まる。
図14にはまた、有効z軸範囲100%に沿っ
てBS
minおよびBS
maxによって境界
が決められている打撃フェース18の例示的な実施形態に対する曲げ剛性プロファイル
が示されている。
【0094】
このx軸およびz軸に沿った曲げ剛性プロファイルは、
厚みが一定のフェースと比較すると、許容度がより広いフェース
を得るため
に剛性分布を増加させるため
の好ましい曲げ剛性プロファイルを表
している。しかしながら、
同一または同様の利点は、有効範囲の所定の部分に沿ったx軸およびz軸のそれぞれに対する最小および最大厚さプロファイルによって境界
が決められているx軸およびz軸に沿った曲げ剛性プロファイルを有するフェースによっ
て得ることができる。例えば、特定の実施形態によると、打撃フェース18は、有効x軸範囲の少なくとも50%に沿った最小および最大曲げ剛性プロファイルによって境界
が決められる基点x軸に沿った曲げ剛性プロファイルを有することができる。同様に、打撃フェース18は、有効z軸範囲の少なくとも50%に沿った最小および最大曲げ剛性プロファイルによって境界
が決められる基点z軸に沿った曲げ剛性プロファイルを有することができる。より具体的な実施形態では、打撃フェース18の曲げ剛性プロファイルは、有効な軸範囲の少なくとも60%、70%、80%、または90%に沿った最小および最大曲げ剛性プロファイルによって境界
が決められる。
【0095】
曲げ剛性プロファイル
は厚さプロファイルに
応じて変わるので、ゴルフクラブヘッド2の打撃フェース18は、有効x軸範囲の約71%に沿った最小および最大曲げ剛性プロファイルによって境界
が定められているx軸に沿った曲げ剛性プロファイルを有
している。同様に、打撃フェース18のz軸に沿った曲げ剛性プロファイルは、同様に有効z軸範囲の約65%に沿った最小および最大曲げ剛性プロファイルによって境界
が定められている。
【0096】
上記のように、
図14および15に示され
ている曲げ剛性プロファイルは、特定のチタン合金から作製され
たフェースを有するゴルフクラブヘッドに対して得られた。しかしながら、上記の好ましい曲げ剛性プロファイルの範囲
内に含まれる如何なるゴルフクラブヘッドも
該試験済みのゴルフクラブヘッドと同一または同様の
許容度特性を達成することから、
図14および15の曲げ剛性プロファイルは、特定のチタン合金以外の材料から作製されるフェースおよび恐らく異なる厚さプロファイルを有するゴルフクラブヘッドに対する好ましい曲げ剛性プロファイル
をも表
している。例えば、試験済みのチタン合金以外の材料、例えば、異なるチタン合金、複合材料、または両方の組合せなどから作製されるフェースを有するゴルフクラブヘッドは、
図14および15に表され
ている曲げ剛性プロファイルを達成することができるが、フェースの材料組成の理由から、
図14および15に表され
ているものとは異なる厚さプロファイルを有する可能性がある。
たとえ厚さプロファイルは異なる可能性がある
としても、上記の曲げ剛性プロファイルを達成するフェースは、チタンフェースに関して上記
した厚さプロファイルを達成するルフクラブヘッドと同一または同様の
許容度特性を提供すると
認識される。特定の実施形態では、例えば、黒鉛エポキシまたは積層金属などの複合材料から作製されるゴルフクラブヘッドのフェースの曲げ剛性プロファイルは、積層理論において一般的に
知られている方法を使用して層の
合計厚さによって得ることができる。
【0097】
クラウン12、ソール14、およびスカート16は、鋳造、冷間成形、
鋳造および/または鍛造などの技術を使用して一体的に形成することができ、打撃フェース18は、当技術分野
において既知の手段によって、クラウン、ソール、およびスカートに接合することができる。例えば、打撃フェース18は、米国特許出願公開第2005/0239575号および第2004/0235584号に記載されるように、ボディ10に接合することができる。ボディ10は、合金(例えば、チタン、スチール、アルミニウム、および/またはマグネシウム)、複合材料、セラミック材料、またはそれらの
何らかの組合せから作製することができる。ゴルフクラブヘッド2の壁72は、
言及することによって本願に組み込まれ
ている2005年2月25日出願の米国出願第11/067,475号に記載され
ているような薄壁構造物から作製することができる。例えば、いくつかの実施形態では、壁
の厚みは、約0.65mmから約0.8mm
とすることができる。具体的な一実施形態では、クラウン12およびスカート16の壁72
の厚みは約0.65mm
であり、ソール14の壁
の厚みは約0.8mm
である。
【0098】
ゴルフクラブヘッド2の基点座標系は、クラブヘッドの様々な特性の位置(例えば、クラブヘッドの重心(CG)50(
図5および6を参照)を含む)を決定することができるように
規定することができる。
図4〜6を参照すると、クラブヘッドの基点60はゴルフクラブヘッド2上に表され
ている。クラブヘッドの基点60は、ボール打撃面22の理想的なインパクト位置23または幾何学的中心に
位置決めされている。
【0099】
図5および6を参照すると、ヘッドの基点60に関して
規定されているヘッドの基点座標系は、ゴルフクラブヘッド2がアドレス位置にあるとき地面17に対して略垂直方向にヘッドの基点60を通
って延びているz軸65
と、打撃面22に略平行
なトウからヒールに向かう方向にヘッドの基点60を通って延びているすなわち理想的なインパクト位置23でボール打撃面22に
対して略接線
方向であり且つz軸65に略垂直であるx軸70
と、前後方向にヘッドの基点60
を通って延びており且つx軸70およびz軸65に略垂直であるy軸75
との、3つの軸を含
んでいる。x軸70
とy軸75
とは
、共に、ゴルフクラブヘッド2がアドレス位置にあるとき
に地面17に対して略水平方向に延
びている。x軸70は、ゴルフクラブヘッド2の
基点60からヒール部26に向かって
が正の方向
で延
びている。y軸75は、ゴルフクラブヘッド2の
基点60から後部32に向かって
が正の方向
で延びている。z軸65は、基点60からクラウン12に向かって
が正の方向
で延びている。
【0100】
一実施形態では、ゴルフクラブヘッド2は、
x軸座標が約0.0mm
〜約6.0mm
であり、
y軸座標が約30mm
〜約50mm
であり、
z軸座標が約0.0mm
〜約−6.0mmで
あるCG
(重心)を有
している。
図5および6を参照すると、具体的な一実施形態では、
重心のx軸座標は約1.8mmであり、
重心のy軸座標は約37.1mmであり、
重心のz軸座標は約−3.3mmである。
【0101】
図4を参照すると、ゴルフクラブヘッド2は、ゴルフクラブヘッド2が適切なアドレス位置にあるとき
にz軸に平行な軸に沿って測定されるボディ10の外側表面の最下点と最上点との間の距離として画定される最大のクラブヘッ
ド高さ(H
ch)
と、ゴルフクラブヘッド2が適切なアドレス位置にあるとき
にx軸に平行な軸に沿って測定されるボディのヒール
部26とトウ
部28
との最大範囲の距離として
規定される最大のクラブヘッ
ド幅(W
ch)
と、ゴルフクラブヘッド2が適切なアドレス位置にあるとき
にy軸に平行な軸に沿って測定されるボディ10の表面の最前点と最後点との間の距離として
規定される最大のクラブヘッ
ド深さ(D
ch)または長さ
とを有する。ゴルフクラブヘッド2の高さ、および幅は、USGA
による“Procedure for Measuring the Clubhead Size of Wood Clubs
”改訂版1.0に従って測定される。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド2は、
高さ(Hch)が約48mmから72mm
であり、幅(Wch)が約100mmから約130mm
であり、深さ(Dch)が約100mmから約130mm
である。具体的な一実施形態では、ゴルフクラブヘッド2は、
高さ(Hch)が約60.7mm
であり、幅(Wch)が約120.5mm
であり、深さ(Dch)が約106.7mm
である。
【0102】
図5および6を参照すると、ゴルフクラブヘッド2の慣性モーメントは、通常、
ゴルフクラブヘッドの重心50を通って延びている3つの軸、すなわち、(1)ゴルフクラブヘッド2がアドレス位置にあるとき
に地面17に対して略垂直方向に
重心50
を通って延びている重心z軸85
と、(2)ボール打撃面22に略平行
であり且つヒールからトウの方向に
重心50
を通って延びており且つ重心z軸85に略垂直
な重心x軸90
と、(3)前後方向に
重心50
を通って延びており且つ重心x軸90および
重心z軸85に略垂直
な重心y軸95
と、
を中心として規定される。
重心x軸90
と重心y軸95
とは、共に、ゴルフクラブヘッド2がアドレス位置にあるとき
に地面17に対して略水平方向に
延びている。
【0103】
ゴルフクラブヘッドの
重心x軸90
を中心とする慣性モーメントは、以下の方程式によって計算される。
【0104】
【数39】
【0105】
式中、yは、ゴルフクラブヘッドの
重心を含むxz面から微小質量dmまでの距離であり、zは、ゴルフクラブヘッドの
重心を含むxy面から微小質量dmまでの距離である。ゴルフクラブヘッドの
重心を含むxz面は、ゴルフクラブヘッドの
重心x軸90
とゴルフクラブヘッドの
重心z軸85
とによって画定される面である。
重心を含むxy面は、ゴルフクラブヘッドの
重心x軸90
とゴルフクラブヘッドの
重心y軸95
とによって画定される面である。
【0106】
ゴルフクラブヘッドの
重心z軸85
を中心とする慣性モーメントは、以下の方程式によって計算される。
【0107】
【数40】
【0108】
式中、xはゴルフクラブヘッドの
重心を含むyz面から微小質量dmまでの距離であり、yは、ゴルフクラブヘッドの
重心を含むxz面から微小質量dmまでの距離である。ゴルフクラブヘッドの
重心を含むyz面は、ゴルフクラブヘッドの
重心y軸95
とゴルフクラブヘッドの
重心z軸85
とによって画定される面である。
【0109】
重心z軸
を中心とする慣性モーメント(Izz)が
重心z軸
を中心とするねじれに抵抗するゴルフクラブヘッドの能力を表すものであるとき、
重心x軸
を中心とする慣性モーメント(Ixx)は、
重心x軸
を中心とするねじれに抵抗するゴルフクラブヘッドの能力を表すものである。
重心x軸
を中心とする慣性モーメント(Ixx)が
大きければ大きいほど、ゴルフボール
に対する高い
或いは低いオフセンターインパクト時のゴルフクラブヘッドの
許容度はより大きくなる。つまり、
ゴルフボールがボール打撃面18の理想的なインパクト位置23より上の位置でゴルフクラブヘッドによって打たれる
と、ゴルフクラブヘッドが上方にねじれ、ゴルフボールが
所望より高い軌道を有する原因となる。同様に、
ゴルフボールがボール打撃面18の理想的なインパクト位置23より下の位置でゴルフクラブヘッドによって打たれる
と、ゴルフクラブヘッドが下方にねじれ、ゴルフボールが
所望より低い軌道を有する原因となる。
重心x軸
を中心とする慣性モーメント(Ixx)
が増大すると、ゴルフクラブヘッドの上方および下方へのねじれが軽減されて高い
位置および低い
位置でのオフセンターインパクト
による悪影響
が軽減
される。
【0110】
厚さが比較的一定のフェース設計と比較すると、上記の打撃フェース18の
可変の厚みによって、(1)より大き
な任意の重量を、慣性モーメント
を増大させるために
重心から離して配置させ又は望ましい重心位置を得るために戦略的に
位置決めすることを可能にするために、USGA
によるCOR制約を超えることなくフェースの質量例えば重量を減少させること、(2)
許容度を助長するために、打撃面のサイズを
増大すること、および(3)フェースの他の部分と比較して、より
良いゴルフショットの
許容度を提供するクラブヘッドのCORゾーン例えばゴルフクラブヘッドのフェースのスイート
スポットを
増大させること、
が容易化される。
【0111】
厚みが可変の打撃フェース18に
よってもたらされる軽量化によって、ゴルフクラブヘッド2の慣性モーメントを
増大させるためにより大き
な任意の重量
を利用
できる。例えば、いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド2の
重心z軸
を中心とする慣性モーメント(Izz)は約490
kg・mm2〜600
kg・mm2であり、ゴルフクラブヘッド2の
重心x軸
を中心とする慣性モーメント(Ixx)は約280
kg・mm2〜約420
kg・mm2である。
一つの特定の例示的実施形態では、
図1に示すように、ゴルフクラブヘッド2の
重心z軸
を中心とする慣性モーメント(Izz)は約528
kg・mm2であり、ゴルフクラブヘッド2の
重心x軸
を中心とする慣性モーメント(Ixx)は約339
kg・mm2である。
【0112】
上記のように、打撃フェース18
のような厚みが可変の打撃フェースは、フェースの耐久性を維持し
且つフェースのCORをUSGAの制限内に
維持しつつ、打撃フェース20の面積を
増大させることを可能にする。フェースが
大きければ大きいほど、ゴルフボール
に接触
するのに使用できる面積がより大きくなり、したがって、ゴルフクラブヘッド
の許容度がより大きくなる。打撃フェースはボールと接触するクラブの唯一の部分であることから、
打撃フェースがより大きいことはゴルフクラブの最も重要な特性の1つである。より大きいフェースを提供することにより、(例えば「天ぷら」ボールの軌道をもたらす)フェースの端部から外れてボールを打つ可能性
が最小限に抑え
られる。したがって、打撃フェースが
より大きいことにより、
ゴルファーはより積極的にボールを打つためのさらなる自信を与え
られる。
【0113】
打撃フェース18
のような厚みが可変の打撃フェースは
、フェースのCORゾーンを広くしてゴルフクラブヘッドの
許容度を
高める。例えば、
図16を参照すると、一定
のおよび
可変の厚みのフェース
並びに重心z軸
を中心とする慣性モーメント(Izz)の様々な組合せを有するゴルフクラブヘッドの
許容度が比較され
ている。各ゴルフクラブヘッド構成に
ついて、打撃面上のゴルフクラブヘッドの基点x軸に沿っ
た様々な位置で
打たれたゴルフボールのボールスピードが示され
ている。オフセンターの
打撃に対
するボールスピードの低下
が少ないクラブヘッドは、
許容度を
より大きく促進すると言われている。各ゴルフクラブヘッドは、0.820のCOR、および206gのヘッドの質量を有し、ゴルフボールとのインパクト時
のスピードは109mphで
あった。これらの結果は、市販の有限要素解析ツールABAQUSを使用し
たクラブヘッドの模型作製に基づく
ものである。図示され
ているように、600
kg・mm2のIzzおよび一定の厚さのフェースを有するゴルフクラブヘッドは、400
kg・mm2の
小さいIzzを有するが
可変の厚みのフェースを有するゴルフクラブヘッ
ドと同様の
許容度特性を有する。さらに、600
kg・mm2のIzzおよび
可変厚みのフェースを有する実施形態は、800kg/mm
2の
大きなIzzおよび一定の厚
みのフェースを有するゴルフクラブヘッドより
も許容度を
大きく助長する。
【0114】
このことは、
厚みが可変のフェースプレートおよび600
kg・mm2のIzzを有するクラブヘッドが、600
kg・mm2を超えるz軸
を中心とする実際の慣性モーメントを有すると言っているわけではない。それどころか、
該クラブヘッドの「感触」は、z軸
を中心とする大きな慣性モーメントを有するゴルフクラブヘッドに引けを取らない。したがって、
厚みが可変のフェースプレートおよび600
kg・mm2のIzzを有するクラブヘッドは、オフセンター
での
打撃によるボールスピードを考慮するとき、800
kg・mm2を超える「
有効MOI」を有すると言うことができる。600
kg・mm2未満の実際のMOI(例えば、590
kg・mm2+10
kg・mm2の測定許容範囲)を有するクラブヘッドは、(
厚みが一定のフェースプレー
トの設計と比較して)
有効MOIが600
kg・mm2よりも大きいと思われるが、実際にはUSGAのMOI規則に準拠すると考えられ
る。
【0115】
図17〜22を参照すると、別の例示的な実施形態に
従って、ゴルフクラブヘッド100は、内部空洞157を画定
しているクラウン112
と、ソール114
と、スカート116
と、打撃フェース118
とを有
している。ボディ110は、ホーゼル120、ヒール部126、トウ部128、フロント部130、リア部132、および内部リブ182をさらに含
んでいる。打撃フェース118は、打撃面の幾何学的中心123
に理想的なインパクト位置を有する外方に向いているボール打撃面122を含
んでいる。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド100は、約400cm
3から約490cm
3の体積および約185gから約215gの全質量を有する。
図17を参照すると、具体的な一実施形態では、ゴルフクラブヘッド100は約454cm
3の体積および約202.8gの全質量を有
している。
【0116】
特に指定のない限り、ゴルフクラブヘッド100のボディ110の全般的な詳細および特性は、ゴルフクラブヘッド2のボディ10の同一または同様の特性を参照
すれば理解することができる。
【0117】
図示され
ている実施形態では、ゴルフクラブヘッド100のフェース118は、x軸(
図21を参照)およびy軸(
図22を参照)に沿って厚さプロファイルを有
している。フェース118のx軸に沿った厚さプロファイルは、有効なx軸範囲の
ほぼ100%に沿っ
て最小および最大厚さプロファイルによって境界
が定められる。同様に、フェース118のz軸に沿った厚さプロファイルは、有効なz軸範囲の
ほぼ100%に沿っ
て最小および最大厚さプロファイルによって境界
が定められる。
【0118】
曲げ剛性プロファイル
は厚さプロファイルによって
変わるので、ゴルフクラブヘッド100のフェース118は、同
じく有効なx軸範囲の約100%に沿っ
て最小および最大曲げ剛性プロファイルによって境界
が定められるx軸に沿った曲げ剛性プロファイルを有する。同様に、フェース118のz軸に沿った曲げ剛性プロファイルは、同
じく有効なz軸範囲の約100%に沿っ
て最小および最大曲げ剛性プロファイルによって境界
が定められる。
【0119】
ソール114は、ゴルフクラブヘッド100の最下点から、
ゴルフクラブヘッド2のソール14よりも短い距離に亘って上方に延
びている。例えば、いくつかの実施
形態においては、ソール114は、ゴルフクラブヘッド100の最下点からクラウン112までの距離の約50%から60%
に亘って上方に延
びているが、
幾つかの例においては、ドライバーに対して
は約15mm、フェアウェイウッドに対して
は約10mmから約12mm
とすることができる。さらに、ソール114は、適切なアドレス位置にあるとき
に地面117に水平に延在する実質的
に平らな部分119を備え
ている。
幾つかの実施形態において
は、ソール114の
最も深い部分は、ゴルフクラブヘッド100の深さ(D
ch)の約5%から約70%
に亘って地面117に実質的に平行に延
びている。
【0120】
ゴルフクラブヘッド100のソール114はゴルフクラブヘッド2のソールよりも短いので、スカート116は、ゴルフクラブヘッド2のスカート16よりも
背が高く
即ちより長い略垂直
な距離に
亘って延
びている。
【0121】
少なくとも一
つの実施形態では、ゴルフクラブヘッド100は、クラブヘッドのリア部132に近接した
位置のスカート116内に形成されるウェート部140を含
んでいる(図
19を参照)。ウェート部140は、
これに言及することによって本願に組み込まれ
ている米国特許出願第11/066,720号および第11/065,772号に記載され
ているような、多くのウェートまたはウェートアセンブリのいずれ
かを収容および保持す
る多くの様々な
構造のうちのいずれ
かを有することができる。
【0122】
いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド100
の打撃面122は、
高さ(Hss)が約45mmから約65mm
であり、幅(Wss)が約75mmから約105mm
である。具体的な一実施形態では、打撃
面122は、
高さ(Hss)が約54.4mm
であり、幅(Wss)が約90.6mm
であり、総打撃面積が約4,098mm
2である。
【0123】
一実施形態では、ゴルフクラブヘッド100は、
x軸座標が約0.0mmから約6.0mm
で、
y軸座標が約30mmから約50mm
で、z軸座標が約0.0mmから約−6.0mmの
位置に重心を有する。具体的な一
つの実施形態では、
重心のx軸座標は約2.0mmであり、
重心のy軸座標は約37.9mmであり、
重心のz軸座標は約−4.67mmである。
【0124】
いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド100は、
高さ(Hch)が約48mmから約72mm
であり、幅(Wch)が約100mmから約130mm
であり、深さ(Dch)が約100mmから約130mm
である。具体的な一実施形態では、ゴルフクラブヘッド100は、
高さ(Hch)が約62.2mm
であり、幅(Wch)が約119.3mm
であり、深さ(Dch)が103.9mm
である。
【0125】
ある種の例示的実施形態によると、ゴルフクラブヘッド100は、約490
kg・mm2から約600
kg・mm2の
重心z軸
を中心とする慣性モーメント(Izz)、および約280
kg・mm2から約420
kg・mm2の
重心x軸
を中心とする慣性モーメント(Ixx)を有
している。具体的な一実施形態では、ゴルフクラブヘッド100は、約500
kg・mm2の
重心z軸
を中心とする慣性モーメント(Izz)および約337
kg・mm2の
重心x軸
を中心とする慣性モーメント(Ixx)を有
している。
【0126】
図23〜27を参照
すると、別の例示的な実施形態
に従って、ゴルフクラブヘッド200は、ゴルフクラブヘッド100のボディ110およびゴルフクラブヘッド2のボディ10と同様の
背の低いスカートを備え
ているボディ210を
備えている。ボディ210は、内部空洞257を画定
しているクラウン212、ソール214、スカート216、打撃フェース218を含
んでいる。ボディ210は、ホーゼル220、ヒール部226、トウ部228、フロント部230、およびリア部232をさらに含
んでいる。打撃フェース218は、打撃面の幾何学的中心223
に理想的なインパクト位置を有する外方に向いているボール打撃面222を含
んでいる。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド200は、
体積が約400cm
3から約490cm
3であり、全質量が約185gから約215g
である。
図23を参照すると、具体的な一実施形態では、ゴルフクラブヘッド200は、
体積が約455cm
3であり、全質量が約203.9g
である。他の
特定の実施形態では、ゴルフクラブヘッド200は、
体積が約444cm
3であり、全質量が約205.2gの全質量
である。
【0127】
特に指定のない限り、ゴルフクラブヘッド200のボディ210の全般的な詳細および特性は、ゴルフクラブヘッド2のボディ10およびゴルフクラブヘッド100のボディ110の同一または同様の特性を参照して理解することができる。
【0128】
図示され
ている実施形態では、ゴルフクラブヘッド200の打撃フェース218は、x軸(
図26を参照)およびz軸(
図27を参照)に沿って厚さプロファイルを有
している。フェース
218のx軸に沿った厚さプロファイルは、有効なx軸範囲の約100%に沿った最小および最大厚さプロファイルによって境界
が定められている。同様に、フェース218のz軸に沿った厚さプロファイルは、有効なz軸範囲の約100%に沿った最小および最大厚さプロファイルによって境界
が定められている。
【0129】
曲げ剛性プロファイル
は厚さプロファイルによって異なる
ので、ゴルフクラブヘッド200の打撃フェース218は、同様に有効なx軸範囲の約100%に沿った最小および最大曲げ剛性プロファイルによって境界
が定められるx軸に沿った曲げ剛性プロファイルを有する。同様に、打撃フェース218のz軸に沿った曲げ剛性プロファイルは、同様に有効なz軸範囲の約100%に沿った最小および最大曲げ剛性プロファイルによって境界
が定められる。
【0130】
ゴルフクラブヘッド100のソール114と同様に、ソール214はゴルフクラブヘッド200の最下点からクラウン212までの距離の約50%から約60%
の距離に亘って上方に延
びている。したがって、スカート216は、ゴルフクラブヘッド2のスカート16よりも高く、
即ちより
長いほぼ垂直
な距離
に亘って延
びている。
【0131】
少なくとも一
つの実施形態では、
図16、18および20に示すように、ゴルフクラブヘッド200は、クラブヘッドのリア部232に近接したソール114内に形成されるウェート部240を含
んでいる。ウェート部240は、多くのウェートまたはウェートアセンブリのいずれ
をも収容および保持
する多くの様々な
構造のいずれ
をも有することができる。例えば、図示され
ているように、ウェート部240は、ボディ210の壁272から内部空洞257
内に向かってほぼ垂直に
上方に向かって延
びている。
【0132】
いくつかの実施形態では、
ゴルフクラブヘッド200の打撃面222は、
高さ(Hss)が約45mmから約65mm
であり、
幅(Wss)が75mmから約105mm
である。具体的な一実施形態では、打撃面222は、
高さ(Hss)が約53.5mm
であり、幅(Wss)が約92.3mm
であり、総打撃面積が約4,013mm
2である。別の具体的な実施形態では、打撃面222は、
高さ(Hss)が約54.7mm
であり、幅(Wss)が約92.3mm
であり、総打撃面積が約4,115mm
2である。
【0133】
一
つの実施形態では、ゴルフクラブヘッド200
の重心は、
x軸座標が約0.0mmから約6.0mm
であり、y軸座標が約30mmから約50mm
であり、z軸座標が約0.0mmから約−6.0mm
である。具体的な一実施形態では、
重心のx軸座標は約2.2mmであり、
重心のy軸座標は約37.9mmであり、
重心のz軸座標は約−4.3mmである。別の具体的な実施形態では、
重心のx軸座標は約2.8mmであり、
重心のy軸座標は約35.8mmであり、
重心のz軸座標は約−3.4mmである。
【0134】
いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド200は、
高さ(Hch)が約48mmから約72mm
であり、幅(Wch)が約100mmから約130mm
であり、深さ(Dch)が約100mmから約130mm
である。具体的な一実施形態では、ゴルフクラブヘッド200は、
高さ(Hch)が約62.3mm
であり、幅(Wch)が約120.0mm
であり、深さ(Dch)が約111.6mm
である。別の具体的な実施形態では、ゴルフクラブヘッド200は、
高さ(Hch)が約62.6mm
であり、幅(Wch)が約121.0mm
であり、深さ(Dch)が約107.4mmの深さ(D
ch)
である。
【0135】
ゴルフクラブヘッド200は、いくつかの実施形態では、
重心z軸を中心とする慣性モーメント(Izz)が約490
kg・mm2から約600
kg・mm2であり、重心x軸を中心とする慣性モーメント(Ixx)が約280
kg・mm2から約420
kg・mm2である。具体的な一実施形態では、クラブヘッド200は、
重心z軸を中心とする慣性モーメント(Izz)が約516
kg・mm2であり、重心x軸を中心とする慣性モーメント(Ixx)が約354
kg・mm2である。別の具体的な実施形態では、クラブヘッド200は、
重心z軸を中心とする慣性モーメント(Izz)が約496
kg・mm2であり、重心x軸を中心とする慣性モーメント(Ixx)が約329
kg・mm2である。
【0136】
ここに開示
したゴルフクラブヘッドの原理を応用することができる多くの可能な実施形態
に鑑みると、図示され
ている実施形態は、ゴルフクラブヘッドの好ましい実施例に過ぎず
且つゴルフクラブヘッドの範囲を限定すると考えるべき
ものではないこと
が認識される
はずである。本発明の範囲は、
むしろ特許請求の範囲によって
規定される。したがって、
特許請求の範囲に含まれるすべて
が本願発明として請求
されている。