(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5754874
(24)【登録日】2015年6月5日
(45)【発行日】2015年7月29日
(54)【発明の名称】情報共有システム、情報共有方法、端末装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 1/00 20060101AFI20150709BHJP
G06F 3/048 20130101ALI20150709BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20150709BHJP
H04W 4/10 20090101ALI20150709BHJP
【FI】
H04M1/00 W
G06F3/048 655B
G06F13/00 650A
H04W4/10
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2008-503839(P2008-503839)
(86)(22)【出願日】2007年3月5日
(86)【国際出願番号】JP2007054156
(87)【国際公開番号】WO2007102453
(87)【国際公開日】20070913
【審査請求日】2010年2月18日
【審判番号】不服2013-20565(P2013-20565/J1)
【審判請求日】2013年10月23日
(31)【優先権主張番号】特願2006-62642(P2006-62642)
(32)【優先日】2006年3月8日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314008976
【氏名又は名称】レノボ・イノベーションズ・リミテッド(香港)
(74)【代理人】
【識別番号】100084250
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】蒲池 大士
(72)【発明者】
【氏名】森山 隆史
【合議体】
【審判長】
大塚 良平
【審判官】
山澤 宏
【審判官】
山中 実
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−197945(JP,A)
【文献】
特開平8−205112(JP,A)
【文献】
特開2004−228805(JP,A)
【文献】
国際公開第03/077553(WO,A1)
【文献】
特開2005−184366(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00-11/10,99/00
G06F 3/048,13/00
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
PoC通信中のメンバーが利用する複数の端末装置を含む情報共有システムであって、
前記端末装置は、
前記端末装置の画面を複数の分割画面に分割し、PoC通信に用いられる分割画面を含む前記複数の分割画面を同時に表示する画面分割装置と、
予めPoC通信中における、ルール1として、電話着信を通知するか否か、ルール2として、通話ボタンを押したときのPoC通信中の音声設定を行い、ルール2−1としてPoC通信中の音声をミュートに設定するか、ルール2−2としてPoC通信中の音声の音量を下げるか、ルール2−3としてPoC通信中の音声を録音させるかのいずれかを選択する、ルールを設定するルール設定装置とを有し、
前記画面分割装置は、前記同時に表示されるPoC通信の分割画面にPoC通信中のメンバーのプレゼンス状態を表示するものであることを特徴とする情報共有システム。
【請求項2】
PoC通信に利用する複数の端末装置を利用した情報共有方法であって、
起動する分割画面に対して予めPoC通信中における、ルール1として、電話着信を通知するか否か、ルール2として、通話ボタンを押したときのPoC通信中の音声設定を行い、ルール2−1としてPoC通信中の音声をミュートに設定するか、ルール2−2としてPoC通信中の音声の音量を下げるか、ルール2−3としてPoC通信中の音声を録音させるかのいずれかを選択する、ルールを設定し、
前記端末装置の画面を複数の分割画面に分割し、PoC通信に用いられるさらなる分割画面を含む前記複数の分割画面を同時に表示し、且つ前記同時に表示されたPoC通信の前記さらなる分割画面にPoC通信中のメンバーのプレゼンス状態を表示することを特徴とする情報共有方法。
【請求項3】
PoC通信中のメンバーが利用する複数の端末装置を利用して情報を共有させる制御を行うプログラムであって、
前記各端末装置のコンピュータに、
前記端末装置の画面を複数の分割画面に分割し、PoC通信に用いられる分割画面を含む前記複数の分割画面を同時に表示する機能と、
前記同時に表示されるPoC通信の分割画面にPoC通信中のメンバーのプレゼンス状態を表示する機能と、
前記起動する分割画面に対して予めPoC通信中における、ルール1として、電話着信を通知するか否か、ルール2として、通話ボタンを押したときのPoC通信中の音声設定を行い、ルール2−1としてPoC通信中の音声をミュートに設定するか、ルール2−2としてPoC通信中の音声の音量を下げるか、ルール2−3としてPoC通信中の音声を録音させるかのいずれかを選択する、ルールを設定する機能とを実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置においてPoC(Push to talk over Cellular)通信中のメンバーで情報を共有する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機などの端末装置において、PoC通話中は基本的にメンバーのプレゼンス状態を常に確認しておく必要や、メンバーの会話内容を聞いておく必要がある。
【0003】
メンバーのプレゼンス状態を確認しながらE−mail編集、サイト閲覧のような携帯電話機の一般的な操作をするためには、マルチタスクなどの機能を利用してひとつの画面を切り替えて操作を行わなければならなかった。例を挙げると、PoC通信により会議を行っている際に、会議中のメンバーのプレゼンス状態を常に確認しながら、E−mail編集を行うことはできなかった。
【0004】
ここで、画面分割手段がLCDを複数に分割し、画面選択手段が分割した画面から任意の1画面を選択し、1ドット単位での移動を行う前に、LCDの目的位置までの範囲を絞り込むことで、特別なハードウエアを搭載することなく、表示画面の任意の位置までカーソル移動をより少ないキー操作でかつ簡単なキー操作で行うことができる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−014773号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来例を端末装置の画面に適用した場合であっても問題点があった。
【0006】
端末装置の分割した画面の1つをPoC通信中のメンバーで共有することができず、メンバー相互間の種々のコミュニケーションを円滑に行うことが困難であった。
【0007】
本発明は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、端末装置の分割した画面の1つにおける情報をPoC通信中のメンバーで共有することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、分割して表示されている画面の少なくとも1つをPoC通信中のメンバーが利用する他の端末装置に共有させる端末装置を提供する。
【0009】
また、本発明は、PoC通信中のメンバーが利用する所定の端末装置で分割して表示されている画面の少なくとも1つを共有する端末装置を提供する。
【0010】
また、本発明は、PoC通信中のメンバーが利用する所定の複数の端末装置でそれぞれ分割して表示されている画面を同時に表示して共有する端末装置を提供する。
【0011】
また、本発明は、PoC通信中のメンバーが利用する複数の端末装置を含む情報共有システムであって、
所定の端末装置で分割して表示されている画面の少なくとも1つを前記PoC通信中のメンバーが利用する他の端末装置で共有する情報共有システムを提供する。
【0012】
また、本発明は、PoC通信中のメンバーが利用する複数の端末装置を含む情報共有システムであって、
所定の複数の端末装置でそれぞれ分割して表示されている画面を前記PoC通信中のメンバーが利用する他の端末装置で同時に表示して共有する情報共有システムを提供する。
【0013】
また、本発明は、PoC通信中のメンバーが利用する複数の端末装置を利用した情報共有方法であって、
所定の端末装置が画面を分割して表示するステップと、
その分割して表示されている画面の少なくとも1つを前記PoC通信中のメンバーが利用する他の端末装置で共有するステップを有する情報共有方法を提供する。
【0014】
また、本発明は、PoC通信中のメンバーが利用する複数の端末装置を利用した情報共有方法であって、
所定の複数の端末装置がそれぞれ画面を分割して表示するステップと、
その分割して表示されている画面を前記PoC通信中のメンバーが利用する他の端末装置で同時に表示して共有するステップを有する情報共有方法を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、端末装置の分割した画面の1つにおける情報をPoC通信中のメンバーで共有することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図2、3を参照すると、本実施の形態における情報共有システムにおける端末装置は、携帯端末31と、キー入力対象画面切り替えボタン32と、画面二分割装置22により分割されたPoC通信中画面33と、i−mode(登録商標)画面34と、ルール設定装置21と、キー入力対象画面切り替え装置23から成る。
【0018】
ここに、画面二分割装置22とルール設定装置21とにより、PoC通信に対応させて携帯端末31の画面を複数の画面に分割して起動する画面起動手段が構成される。キー入力対象画面切り替え装置23は、前記起動した複数の画面を切り替えて選択する切替選択手段を構成している。この場合、ルール設定装置21は、予めPoC通信におけるルール設定を行い、画面二分割装置22は、ルール設定装置21によるルール設定に基づいて、
図3に示すように、PoC通信中画面と並存させて、PoC通信中に使用しないキーボードなどのキーを操作された際にi−mode(登録商標)画面を、1ボタン(キー)を長押しした際にE−mail画面を起動させるものとする。但し、ルール設定装置21とによるルールは、前述したルールに限定されるものではない。
【0019】
次に、本実施の形態の動作について説明する(能動系:PoC通信中i−mode(登録商標)起動)。
【0020】
まず、PoC(Push to talk over Cellular)通信を仕事でもプライベートでもよく利用するユーザAは、PoC通信中にキーボードなどの数字キー「1」のボタンを長押しすることで、i−mode(登録商標)を起動する、というルールをルール設定装置21で設定したとする。ここに、PoCとは、ボタン操作によって複数の通話を切り替えることができるシステムをプッシュトゥトーク(Push to Talk)を、携帯電話などの携帯端末で実現するようにしたシステムである。前記複数の通話を切り替えるためのボタン操作を行うために設定されるキーボードなどのキーには、PoC通信中に利用しないキーを用いている。なお、実施例では、PoC通信で切り替える通話は、2つに設定して説明しているが、これに限られるものではない。
【0021】
いま、携帯端末31を利用中のユーザAは、PoC通信を利用して会議に参加している。ユーザAは、PoC通信中であるが、i−mode(登録商標)のサイト経由で早急に振込みをしなければならないことを思い出した。
【0022】
しかし、PoC通信を利用した会議中において、PoC通信中のメンバーのプレゼンス状態を確認しておく必要があった。さらに、その会議において、必要に応じてメンバーに対して指示を出さなければならなかった。
【0023】
そこで、ユーザAは、画面二分割装置22を利用して携帯電話の画面をPoC通信中画面33と、i−mode(登録商標)画面34とに分割し、それぞれ分割した画面33と34とを並存させて起動させる。
【0024】
画面二分割装置22により携帯端末31の画面を2つに分割して起動させると、例えば
図1に示すように、会議中の画面であるPoC通信中画面33と、i−mode(登録商標)画面34とが起動して携帯端末31の画面上に表示される。PoC通信中画面33には、例えば、
図1に示すような、今まで表示していたPoC通信中のメンバーのプレゼンス状態が表示され、i−mode(登録商標)画面34を使って、i−mode(登録商標)での通信を行うことができる。
【0025】
キー入力対象画面切り替え装置23を操作するボタンとして携帯端末31のボタン32が設定されており、このボタン32を操作してキー入力対象画面切り替え装置23を起動し、キーボードなどのキーを使って情報を入力する対象とする画面を分割画面33又は34のいずれか一方に設定する。具体的に説明すると、ユーザAがキー入力対象画面切り替え装置23を操作するキー入力対象画面切り替えボタン32で「上」、すなわちPoC通信中画面33に切り替えるように設定しているときは、携帯端末31のキー入力装置(キーボートなど)を用いた情報の入力は、PoC通信中画面33に対して行われることとなる。
【0026】
ユーザAがキー入力対象画面切り替えボタン32で「下」、すなわちi−mode(登録商標)画面34に切り替えるように設定しているときは、携帯端末31のキー入力装置(キーボードなど)を用いた情報の入力は、i−mode(登録商標)画面34に対して行われる。この場合、例えばi−mode(登録商標)の振込みサイト画面上で必要な情報の入力が可能となる。
【0027】
ユーザAはキー入力対象画面切り替えボタン32でPoC通信中画面33と、i−mode(登録商標)画面34のキー入力の対象を切り分けることにより、会議に参加しながら、会議に関係ない処理を並行させて処理することができる。
【0028】
これにより、PoC通信中のグループメンバーのプレゼンス状態を確認しながらi−mode(登録商標)やE−mail編集を行いたいユーザの要求を満たすことができる。また、PoC通信中、自分は特に話すこともなく相手の発言を待たなければならないようなとき、メンバーのプレゼンス状態確認だけのために、携帯電話の画面が占有されてしまうことなく、複数の通話を並行させて処理できる。さらに、携帯電話機上においてはキーの数は限られているため、効率のよいキー操作方法が必要とされるが、PoC通信中に利用しない不要なキーを使うことで、PoC通信で切り替えられた画面への情報を入力を効率的に行うことができる。
【0029】
さらに、
図4に示すように、複数のユーザA,B及びCは、お互いにPoC通信を行い、携帯端末31の画面をPoC通信中画面33とi−mode(登録商標)画面34とに分割している。そして、ユーザCは、他のユーザA,Bに対して、自分の携帯端末Cのi−mode(登録商標)画面34で表示されているi−mode(登録商標)のpageCのサイト画面などをPoC通信中のメンバー(ユーザA,B)で共有することにより、ユーザCが他のメンバーに見てもらいたいサイトの情報を簡易に全メンバーに報知することができる。
【0030】
また、
図5に示すように、画面二分割装置22は、PoC通信中のメンバーが保有する携帯端末31に表示された複数の画面を1つの画面上に起動させるように構成してもよいものである。具体的に説明すると、ユーザCの端末Cのi−mode(登録商標)画面34で表示されているi−mode(登録商標)のpageCのサイト画面などと、ユーザBの端末Bのi−mode(登録商標)画面34で表示されているi−mode(登録商標)のpageBのサイト画面などをユーザAの端末Aのi−mode(登録商標)画面34を分割してそれぞれ同時に表示することにより、ユーザAが複数のメンバーの情報を簡易に取得することができる。さらに、操作許可権などを付与することで、ユーザAの端末AからユーザCの端末CやユーザBの端末Bのi−mode(登録商標)画面34を操作することができてもよい。
【0031】
また、
図6に示すように、画面に分割装置22は、通信相手方の保有する携帯端末31に表示された画面の機能設定を、自機の画面の機能設定に反映させるように構成してもよいものである。具体的に説明すると、母の端末Aのi−mode(登録商標)画面34で表示されている留守番電機能の設定画面などを息子の端末Bのi−mode(登録商標)画面34に表示することにより、留守番電機能の設定画面などをPoC通信中のメンバーで共有し、息子の端末Bから母の端末Aのi−mode(登録商標)画面34の留守番電機能の設定を行うことができてもよい。これを同一メーカーの端末間のみのサービスとして実現すれば、家族全員が同一メーカーの機種を選択する誘因とすることもできる。
【0032】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0033】
図7および
図8を参照すると、本実施の形態における情報共有システムにおける端末装置は、携帯端末51と、キー入力対象画面切り替えボタン43と、画面二分割装置42により分割されたPoC通信中画面52と、新着E−mail画面53と、ルール設定装置41とから成る。
【0034】
ここに、画面二分割装置42とルール設定装置41とにより、PoC通信に対応させて携帯端末51の画面を複数の画面に分割して起動する画面起動手段が構成される。キー入力対象画面切り替え装置43は、前記起動した複数の画面を切り替えて選択する切替選択手段を構成している。この場合、画面二分割装置42とルール設定装置41は、ルール1に基づいて、E−mail受信したときに画面を二分割して新着メールを開く形態に設定しているものとする。但し、画面二分割装置42とルール設定装置41とによるルールは、前述したルール1に限定されるものではない。
【0035】
前記画面起動手段(41,42)は、分割された1つの画面を起動させた状態で待機させ、PoC通信が開始された時点で、前記1つの画面に割り込ませて分割された残りの画面を起動させる。
【0036】
次に、本実施の形態の動作について説明する(受動系:PoC通信中E−mail受信)。
【0037】
まず、ユーザBはPoC通信中にE−mail受信したときに画面を二分割してPoC通信画面を表示しながら新着E−mailを閲覧・編集できるようにルール設定装置41を利用して、例えば、
図1に示すようなものからルール1を設定している。
【0038】
いま、携帯端末51を利用中のユーザBは、PoC通信を利用して会議中である。そのとき、E−mailを受信したとする。
【0039】
ルール設定装置41で設定していたように携帯端末51の画面が自動的に画面二分割装置42を利用して画面がPoC通信中画面52と、新着E−mail画面53に分割される。
【0040】
PoC通信中画面52には、今まで表示していたPoC通信中のメンバーのプレゼンス状態が表示され、そのPoC通信中画面52の一部に割り込んで新着E−mail画面53が表示され、新着メールの内容が前記新着E−mail画面53に表示される。
【0041】
この場面では、メールの内容は即座に返事を要求されるものであると共に、PoC通信中画面52を注視して、PoC通信中のメンバーのプレゼンス状態を確認しておく必要があるものとする。さらに、必要に応じてメンバーに対して指示を出す必要があるものとする。
【0042】
ユーザBは、キー入力対象画面切り替えボタン43でキー入力対象画面をPoC通信中画面52から新着E−mail画面53に切り替え、新着E−mail画面53を使ってE−mail返信をする。
【0043】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0044】
図9および
図10を参照すると、本実施の形態における情報共有システムにおける端末装置は、携帯端末71と、画面二分割装置62により分割されたPoC通信中画面72と、電話着信表示画面73と、ルール設定装置61とから成る。
【0045】
ここに、画面二分割装置62とルール設定装置61とにより、PoC通信に対応させて携帯端末71の画面を複数の画面に分割して起動する画面起動手段が構成される。この場合、ルール設定装置61は、予めPoC通信におけるルール設定を行うものである。具体的に説明すると、ルール設定装置61は例えば、ルール1として、電話着信を通知するか否か(YES又はNO)、ルール2として、通話ボタンを押したときのPoC通信中の音声設定を行う。ルール設定装置61は、ルール2−1としてPoC通信中の音声をミュートに設定する、ルール2−2としてPoC通信中の音声の音量を下げる(例えば半減させる)、ルール2−3としてPoC通信中の音声を録音させることを内容としたルール設定を行う。但し、ルール設定装置21とによるルールは、前述したルールに限定されるものではない。なお、この実施形態では、携帯端末71の通話用の押しボタンが、起動した複数の画面を切り替えて選択する切替選択手段を構成している。
【0046】
次に、本実施の形態の動作について説明する(受動系:PoC通信中電話着信)。
【0047】
まず、ユーザCはルール設定装置61によりPoC通信中に電話着信があったときに電話着信を通知するというルール1をYESに設定し、通話ボタンを押したときのPoC通信中の音声設定ルール2のうちのルール2−3に設定し、PoC通信中の音声を録音する状態に設定している。
【0048】
いま、携帯端末71を利用中のユーザCは、PoC通信を利用して会議中である。そのとき、電話の着信があったものとする。
【0049】
ルール設定装置61で設定していたように携帯端末71の画面が自動的に画面二分割装置62を利用して画面がPoC通信中画面72と、電話着信表示画面73に分割されて起動する。
【0050】
PoC通信中画面72に今まで表示していたPoC通信中のメンバーのプレゼンス状態を表示し、電話着信表示画面73に電話着信中が表示される。
【0051】
この場面において、電話着信表示画面73を見ると、重要な取引相手先からの電話であったものとする。一方、PoC通信を用いた会議中であり、PoC通信中の会議の議事録を作成する必要があるものとする。
【0052】
ユーザCは、通話ボタンを押して電話に応答する。ユーザCは、ルール2に基づいてPoC通信中の音声を録音する状態に設定していたので、PoC通信中の音声が録音される。したがって、ユーザCは、通話ボタンを押して応対した通話が終了した後、録音されているPoC通信中の会議内容を再生することで、議事録を作成することができる。
【0053】
上記の各実施の形態によれば、ユーザのPoC通信中の他アプリケーションの動作設定に応じて携帯電話画面が2分割されることにより、ひとつの画面でPoC通信中のメンバーのプレゼンス状態を確認しながら、もうひとつの画面で携帯電話の一般機能の操作を可能にする。また、ユーザは操作したい画面をアクティブ画面切り替えスイッチによりでその画面に対するキー操作が可能となる。
【0054】
なお、画面は、上下二分割に限らず、左右二分割でもよい。また、画面を二分割を前提で説明したが多分割でもよい。さらに、分割した画面はPoCに限らずE−mailとi−mode(登録商標)のようにどのような組み合わせでもよい。
【0055】
マルチ画面の切替は、携帯端末のヒンジ部分に限らず、タッチセンサを実装した液晶パネル部分へのタッチでも、リモコン機能を実装した外部ケーブルによる指示入力でも、音声識別機能で待機状態にあるマイクロホン部分への(キーワード音声やだ音などの音声以外の音入力を含む)音声入力等をトリガーにしてもよい。
【0056】
上述する各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。例えば、携帯端末31、携帯端末51、携帯端末71の機能を実現するためのプログラムを各装置に読込ませて実行することにより各装置の機能を実現する処理を行ってもよい。さらに、そのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であるCD−ROMまたは光磁気ディスクなどを介して、または伝送媒体であるインターネット、電話回線などを介して伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】本発明の実施の形態におけるPoC通信中のメンバーのプレゼンス状態など を示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態における動作を示すフローチャートである。
【
図3】本発明の第1の実施の形態における携帯端末の構成を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態における画面を共有する一例の構成を示す図であ る。
【
図5】本発明の第1の実施の形態における画面を共有する一例の構成を示す図であ る。
【
図6】本発明の第1の実施の形態における画面を共有する一例の構成を示す図であ る。
【
図7】本発明の第2の実施の形態における動作を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の第2の実施の形態における携帯端末の構成を示す図である。
【
図9】本発明の第3の実施の形態における動作を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の第3の実施の形態における携帯端末の構成を示す図である。
【0058】
21 ルール設定装置
22 画面二分割装置
23 キー入力対象画面切り替え装置
31 携帯端末
32 キー入力対象画面切り替えボタン
33 PoC通信中画面
34 i−mode(登録商標)画面