特許第5754992号(P5754992)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5754992
(24)【登録日】2015年6月5日
(45)【発行日】2015年7月29日
(54)【発明の名称】受信機および監視制御システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 29/06 20060101AFI20150709BHJP
   G08B 17/00 20060101ALI20150709BHJP
【FI】
   G08B29/06
   G08B17/00 D
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2011-56511(P2011-56511)
(22)【出願日】2011年3月15日
(65)【公開番号】特開2012-194645(P2012-194645A)
(43)【公開日】2012年10月11日
【審査請求日】2014年1月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000111074
【氏名又は名称】ニッタン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】早川 浩司
(72)【発明者】
【氏名】巽 正大
(72)【発明者】
【氏名】乾 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】中村 憲太
【審査官】 伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−094314(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 23/00−31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続されている回線を監視制御する機能を備えた受信機であって、前記回線の終端器として第1種の終端器が接続されているか否かを検知するための第1種終端器検知用信号を前記回線に送信する第1の送信手段と、前記回線の終端器として第2種の終端器が接続されているか否かを検知するための第2種終端器検知用信号を前記回線に送信する第2の送信手段と、第1種終端器検知用信号が第1の送信手段によって前記回線に送信されたときの前記回線からの応答に基づき、前記回線の終端器として第1種の終端器が接続されているか否かを検知する第1の検知手段と、第2種終端器検知用信号が第2の送信手段によって前記回線に送信されたときの前記回線からの応答に基づき、前記回線の終端器として第2種の終端器が接続されているか否かを検知する第2の検知手段とを備えていることを特徴とする受信機。
【請求項2】
請求項1記載の受信機において、前記第1の検知手段の検知結果と前記第2の検知手段の検知結果とに基づいて、前記回線が断線しているか否かを判別する断線判別手段とをさらに備えていることを特徴とする受信機。
【請求項3】
請求項2記載の受信機において、前記断線判別手段は、前記第1の検知手段の検知結果が、第1種の終端器が接続されていないとの検知結果であり、かつ、前記第2の検知手段の検知結果が、第2種の終端器が接続されていないとの検知結果であるときに、前記回線が断線していると判別し、前記第1の検知手段の検知結果が、第1種の終端器が接続されているとの検知結果であるか、または、前記第2の検知手段の検知結果が、第2種の終端器が接続されているとの検知結果であるときに、前記回線が断線していないと判別することを特徴とする受信機。
【請求項4】
請求項1記載の受信機において、前記第1の検知手段の検知結果が、第1種の終端器が接続されているとの検知結果であるときに、前記回線の終端器として第1種の終端器が接続されていると識別し、前記第2の検知手段の検知結果が、第2種の終端器が接続されているとの検知結果であるときに、前記回線の終端器として第2種の終端器が接続されていると識別することを特徴とする受信機。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の受信機において、前記第1の送信手段により前記回線に送信される第1種終端器検知用信号と、前記第2の送信手段により前記回線に送信される第2種終端器検知用信号とは、時間的に異なるタイミングで交互に前記回線に送信されることを特徴とする受信機。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の受信機において、前記第1種の終端器は、コンデンサを含んでおり、前記第2種の終端器は、抵抗のみからなることを特徴とする受信機。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の受信機において、前記第1の送信手段および前記第2の送信手段と前記回線との間には、回線インピーダンス制御用抵抗が設けられており、前記第2の送信手段は、前記第2種終端器検知用信号を前記回線に送信するときには、前記第1の送信手段によって前記第1種終端器検知用信号を前記回線に送信するときに比べて、前記回線インピーダンス制御用抵抗を大きくすることを特徴とする受信機。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の受信機を備えていることを特徴とする監視制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信機および監視制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は在来の一般的な自動火災報知設備(監視制御システム)の構成例を示す図である。図1を参照すると、この自動火災報知設備(監視制御システム)は、P型システムとして構成されており、P型受信機(例えばP型火災受信機)1と、P型受信機(例えばP型火災受信機)1に接続されている回線(L−C線、感知器線)K−1〜K−nとを有している。ここで、回線(L−C線、感知器線)K−1〜K−nは、警報区域(地区)に対応して電源兼信号線となる回線(地区回線)であって、各回線K−1〜K−nには(すなわち、各回線K−1〜K−nのL−C線には)、いわゆるオン・オフ型の火災感知器2が接続されている。また、各回線K−1〜K−nの終端には(すなわち、各回線K−1〜K−nのL−C線の終端には)、各回線K−1〜K−nの断線を検知するために終端器3が接続されている。
【0003】
このような自動火災報知設備(監視制御システム)では、P型受信機1は、各回線(L−C線)K−1〜K−nに通常24Vの電圧(電源電圧)を供給しており(通常時には回線電圧を24Vにしており)、ある各回線(L−C線)に接続された火災感知器2が火災を検出すると発報作動してその回線の回線電圧をおよそ5Vに降下させる(発報時の残り電圧)。P型受信機1はこの回線電圧の変化を監視しており、この回線電圧の降下を検出するといわゆる蓄積処理等を行った後、火災を確定すると警報表示部や音響警報部等を作動して火災警報を行う。
【0004】
また、P型受信機1は、各回線K−1〜K−nの終端に(すなわち、各回線K−1〜K−nのL−C線の終端に)終端器3を接続して、各回線K−1〜K−nの断線を検知するようになっている。
【0005】
ここで、従来では、特許文献1に示されているように、回線の終端に終端器3として図2(a)に示すようなコンデンサを含むもの(コンデンサ(及び抵抗)から構成されるもの)を接続して断線監視を行う方式と、特許文献2に示されているように、回線の終端に終端器3として図2(b)に示すような抵抗のみからなるものを接続して断線監視を行う方式とがある。なお、コンデンサを含む終端器を以降、第1種の終端器と呼び、抵抗のみからなる終端器を以降、第2種の終端器と呼ぶ。
【0006】
すなわち、従来では、終端器3に第1種の終端器または第2種の終端器のいずれかを用いるかによって、P型受信機1の断線監視・検出方法及び断線検出回路を異にしていたため、終端器3に第1種の終端器を接続して断線検出可能なP型火災受信機と、終端器3に第2種の終端器を接続して断線検出可能なP型火災受信機としか存在しなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実公昭57−38777号公報
【特許文献2】特開昭63−136195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した自動火災報知設備(監視制御システム)は、施工時に火災感知器を設置し、火災感知器回線を敷設すると、火災受信機・火災感知器などの故障や建物のリニューアル(間仕切り変更)などがない限り、その設置状態を維持したまま延べ20年間は稼働する。しかし、リニューアル工事(対象物件で終端器仕様が異なる時)等で火災受信機を交換する際、現場の終端器の仕様(終端器が第1種の終端器であるかまたは第2種の終端器であるか)に合わせて火災受信機を用意する必要が生じる。あるいは、交換する火災受信機の仕様に合わせて現場接続終端器を交換する必要が生じ、この場合、現場によっては回線にどの種の終端器が接続されているかを探す必要が生じるなど、その交換作業は極めて不効率・不経済なものだった。
【0009】
本発明は、回線に接続されている終端器が第1種の終端器、第2種の終端器のいずれであるかにかかわらずに、回線の断線監視・検出を行うことの可能な受信機および監視制御システムを提供することを目的としている。
【0010】
また、本発明は、回線に接続されている終端器が第1種の終端器、第2種の終端器のいずれであるかを識別することの可能な受信機および監視制御システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、接続されている回線を監視制御する機能を備えた受信機であって、前記回線の終端器として第1種の終端器が接続されているか否かを検知するための第1種終端器検知用信号を前記回線に送信する第1の送信手段と、前記回線の終端器として第2種の終端器が接続されているか否かを検知するための第2種終端器検知用信号を前記回線に送信する第2の送信手段と、第1種終端器検知用信号が第1の送信手段によって前記回線に送信されたときの前記回線からの応答に基づき、前記回線の終端器として第1種の終端器が接続されているか否かを検知する第1の検知手段と、第2種終端器検知用信号が第2の送信手段によって前記回線に送信されたときの前記回線からの応答に基づき、前記回線の終端器として第2種の終端器が接続されているか否かを検知する第2の検知手段とを備えていることを特徴としている。
【0012】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の受信機において、前記第1の検知手段の検知結果と前記第2の検知手段の検知結果とに基づいて、前記回線が断線しているか否かを判別する断線判別手段とをさらに備えていることを特徴としている。
【0013】
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の受信機において、前記断線判別手段は、前記第1の検知手段の検知結果が、第1種の終端器が接続されていないとの検知結果であり、かつ、前記第2の検知手段の検知結果が、第2種の終端器が接続されていないとの検知結果であるときに、前記回線が断線していると判別し、前記第1の検知手段の検知結果が、第1種の終端器が接続されているとの検知結果であるか、または、前記第2の検知手段の検知結果が、第2種の終端器が接続されているとの検知結果であるときに、前記回線が断線していないと判別することを特徴としている。
【0014】
また、請求項4記載の発明は、請求項1記載の受信機において、前記第1の検知手段の検知結果が、第1種の終端器が接続されているとの検知結果であるときに、前記回線の終端器として第1種の終端器が接続されていると識別し、前記第2の検知手段の検知結果が、第2種の終端器が接続されているとの検知結果であるときに、前記回線の終端器として第2種の終端器が接続されていると識別することを特徴としている。
【0015】
また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の受信機において、前記第1の送信手段により前記回線に送信される第1種終端器検知用信号と、前記第2の送信手段により前記回線に送信される第2種終端器検知用信号とは、時間的に異なるタイミングで交互に前記回線に送信されることを特徴としている。
【0016】
また、請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の受信機において、前記第1種の終端器は、コンデンサを含んでおり、前記第2種の終端器は、抵抗のみからなることを特徴としている。
【0017】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の受信機において、前記第1の送信手段および前記第2の送信手段と前記回線との間には、回線インピーダンス制御用抵抗が設けられており、前記第2の送信手段は、前記第2種終端器検知用信号を前記回線に送信するときには、前記第1の送信手段によって前記第1種終端器検知用信号を前記回線に送信するときに比べて、前記回線インピーダンス制御用抵抗を大きくすることを特徴とる。
【0018】
また、請求項8記載の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の受信機を備えていることを特徴とする監視制御システムである。
【発明の効果】
【0019】
請求項1乃至請求項8記載の発明によれば、接続されている回線を監視制御する機能を備えた受信機であって、前記回線の終端器として第1種の終端器が接続されているか否かを検知するための第1種終端器検知用信号を前記回線に送信する第1の送信手段と、前記回線の終端器として第2種の終端器が接続されているか否かを検知するための第2種終端器検知用信号を前記回線に送信する第2の送信手段と、第1種終端器検知用信号が第1の送信手段によって前記回線に送信されたときの前記回線からの応答に基づき、前記回線の終端器として第1種の終端器が接続されているか否かを検知する第1の検知手段と、第2種終端器検知用信号が第2の送信手段によって前記回線に送信されたときの前記回線からの応答に基づき、前記回線の終端器として第2種の終端器が接続されているか否かを検知する第2の検知手段とを備えているので、回線に接続されている終端器が第1種の終端器、第2種の終端器のいずれであるかを識別することができる。さらに、前記第1の検知手段の検知結果と前記第2の検知手段の検知結果とに基づいて前記回線が断線しているか否かを判別する断線判別手段を備えることにより、回線に接続されている終端器が第1種の終端器、第2種の終端器のいずれであるかにかかわらずに、回線の断線監視・検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】在来の一般的な自動火災報知設備(監視制御システム)の構成例を示す図である。
図2】終端器の例を示す図である。
図3】本発明の監視制御システムの構成例を示す図である。
図4図3の監視制御システムの受信機の地区回路の構成例を示す図である。
図5】CPUによってなされるタイミング制御の概略を示す図である。
図6】地区回路の具体例を示す図である。
図7図6の地区回路の通常時の動作を説明するためのタイムチャートである。
図8図6の地区回路において、第1種終端器検知動作を説明するためのタイムチャートである。
図9図6の地区回路において、第2種終端器検知動作を説明するためのタイムチャートである。
図10】CPUにおける処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図3は本発明の監視制御システムの構成例を示す図である。また、図4図3の監視制御システムの受信機の地区回路の構成例を示す図である。なお、図3図4の例では、監視制御システムはP型システムとして構成され、受信機はP型受信機(例えばP型火災受信機)として構成されており、図3図4において、図1と同様の箇所には同じ符号を付している。
【0023】
図3を参照すると、この監視制御システムは、受信機11と、受信機11に接続されている地区回線K−1〜K−nとを有している。
【0024】
ここで、受信機11は、地区回線K−1〜K−nが接続される地区回路12と、防排煙回路13と、地区音響回路14と、移信回路15と、全体を制御するCPU21と、ROM22と、RAM23と、EEPROM24と、操作部27と、表示部28と、警報音響部29と、地区回路12、防排煙回路13、地区音響回路14、移信回路15のそれぞれのI/OインターフェースとなるI/O部31、32、33、34とを有し、接続されている地区回線K−1〜K−nを監視制御する機能を備えている。
【0025】
また、図4を参照すると、地区回路12は、各地区回線K−1〜K−nのそれぞれに対応したn個の地区回路部12−1〜12−nを備えており、各地区回路部12−1〜12−n、例えば12−nは、対応する地区回線K−nの終端器3として例えば図2(a)に示したような第1種の終端器(コンデンサを含む終端器)が接続されているか否かを検知するための第1種終端器検知用信号を地区回線K−nに送信する第1の送信部41と、対応する地区回線K−nの終端器3として例えば図2(b)に示したような第2種の終端器(抵抗のみからなる終端器)が接続されているか否かを検知するための第2種終端器検知用信号を地区回線K−nに送信する第2の送信部42と、第1種終端器検知用信号が第1の送信部41によって地区回線K−nに送信されたときの地区回線K−nからの応答に基づき、地区回線K−nの終端器3として第1種の終端器が接続されているか否かを検知する第1の検知部43と、第2種終端器検知用信号が第2の送信部42によって地区回線K−nに送信されたときの地区回線K−nからの応答に基づき、地区回線K−nの終端器3として第2種の終端器が接続されているか否かを検知する第2の検知部44と、対応する地区回線K−nに接続されている火災感知器2が発報作動したかを監視して火災を検出する火災検出部45とを備えている。
【0026】
また、図4において、第1の送信部41と地区回線K−nとの間には、回線インピーダンス制御用抵抗(感知器制限抵抗)R1−nが設けられ、第2の送信部42と地区回線K−nとの間には、回線インピーダンス制御用抵抗(感知器制限抵抗)R2−nが設けられている。ここで、回線インピーダンス制御用抵抗(感知器制限抵抗)R1−nは例えば660Ωであり、回線インピーダンス制御用抵抗(感知器制限抵抗)R2−nは例えば3.6KΩであり、回線インピーダンス制御用抵抗(感知器制限抵抗)R2−nの方が回線インピーダンス制御用抵抗(感知器制限抵抗)R1−nよりも大きい抵抗値となっている。これにより、第2の送信部42は、第2種終端器検知用信号を地区回線K−nに送信するときには、第1の送信部41によって第1種終端器検知用信号を地区回線K−nに送信するときに比べて、回線インピーダンス制御用抵抗を大きくするようになっている。これは、後述のように、第2の検知部44において地区回線K−nの終端器3として第2種の終端器(抵抗のみからなる終端器)が接続されているか否かを検知するときに、第2種の終端器(抵抗のみからなる終端器)が接続されているか否かの検出幅(電圧幅)、すなわち検出マージンをもたすためであり、回線インピーダンス制御用抵抗を大きくしないときには、誤検出の恐れがあるためである。
【0027】
また、第1の送信部41により地区回線K−nに送信される第1種終端器検知用信号と、第2の送信部42により地区回線K−nに送信される第2種終端器検知用信号とは、時間的に異なるタイミングで交互に送信されるようになっている。
【0028】
このようなタイミング制御は、実際には、CPU21によってなされるようになっている。図5はCPU21によってなされるタイミング制御の概略を示す図である。図5を参照すると、通常時(図5にT0で示す期間)には、CPU21は、対応する地区回線K−nに接続されている火災感知器2が発報作動したかを監視して火災検出部45により火災を検出させるようになっている。そして、例えば周期40秒ごとに、CPU21は、第1の送信部41により地区回線K−nに第1種終端器検知用信号を送信して第1の検知部43により地区回線K−nの終端器3として第1種の終端器が接続されているか否かを検知させる第1種終端器検知動作を図5にT1で示す期間に行い、また、第2の送信部42により地区回線K−nに第2種終端器検知用信号を送信して第2の検知部44により地区回線K−nの終端器3として第2種の終端器が接続されているか否かを検知させる第2種終端器検知動作を図5にT2で示す期間に行うようになっている。
【0029】
図6には、地区回路12の具体例が示されている。ここで、地区回路12の各地区回路部12−1〜12−nのそれぞれは同じ構成となっているので、以下では、地区回路12の地区回路部12−nについて詳細に説明する。図6を参照すると、地区回路12は、電源電圧が24Vに設定されており、CPU21からの第1の入力信号P1がハイレベル(H)のときにオンとなる第1のトランジスタQ1と、CPU21からの第2の入力信号P2がハイレベル(H)のときにオンとなる第2のトランジスタQ2と、第1のトランジスタQ1に接続されている回線インピーダンス制御用抵抗(感知器制限抵抗)R1−n(例えば660Ω)と、第2のトランジスタQ2に接続されている回線インピーダンス制御用抵抗(感知器制限抵抗)R2−n(例えば3.6KΩ)と、地区回線K−nの終端器3として第1種の終端器(コンデンサを含む終端器)が接続されているか否かの検知時において、地区回線K−nの終端器3として第1種の終端器(コンデンサを含む終端器)が接続されている場合に、コンデンサの放電用抵抗として機能する抵抗R3−n(例えば100KΩ)と、火災検出部45または第1の検知部43として機能するコンパレータCA−nと、第2の検知部44として機能するコンパレータCB−nと、ツェナー電圧(例えば10.11〜10.55V)をコンパレータCA−nの基準電圧Vr1とするためのツェナーダイオードZD1と、抵抗分圧をコンパレータCB−nの基準電圧Vr2とするための抵抗R4(例えば21.5KΩ)、抵抗R5(例えば62KΩ)とを備えている。
【0030】
なお、上記抵抗値などは、地区回線K−nに接続される感知器2の抵抗値、地区回線K−nの終端器3として第1種の終端器(コンデンサを含む終端器)が接続されるときのコンデンサの容量値など、地区回線K−nの終端器3として第2種の終端器(抵抗のみからなる終端器)が接続されるときの抵抗の抵抗値等によって設定されている。具体的に、感知器1個当たりの等価抵抗は800KΩであり、地区回線K−nに最大32個の感知器が接続されるとした場合、地区回線K−nの感知器による抵抗値(感知器負荷)は、25KΩ(800KΩ/32)〜∞となる。また、地区回線K−nの終端器3として例えば図2(a)に示したような第1種の終端器(コンデンサを含む終端器)が接続される場合、この第1種の終端器は、10Ωの抵抗と4.7μFのコンデンサが直列に接続されているものとした。また、地区回線K−nの終端器3として例えば図2(b)に示したような第2種の終端器(抵抗のみからなる終端器)が接続される場合、この第2種の終端器は、10KΩの抵抗が接続されているものとした。
【0031】
ここで、第1のトランジスタQ1に接続されている回線インピーダンス制御用抵抗(感知器制限抵抗)R1−nを例えば660Ωと低抵抗のものとしたのは、感知器電源供給で電流が必要なためである。一方、第2のトランジスタQ2に接続されている回線インピーダンス制御用抵抗(感知器制限抵抗)R2−nを例えば3.6KΩと高抵抗のものとしたのは、前述のように、第2の検知部44において地区回線K−nの終端器3として第2種の終端器(抵抗のみからなる終端器)が接続されているか否かを検知するときに、第2種の終端器(抵抗のみからなる終端器)が接続されているか否かの検出幅(電圧幅)、すなわち検出マージンをもたすためであり、回線インピーダンス制御用抵抗を大きくしないときには、誤検出の恐れがあるためである。
【0032】
図7は、図6の地区回路12の通常時の動作を説明するためのタイムチャートである。通常時(火災検出動作時)T0には、CPU21からの第1の入力信号P1はハイレベル(H)、第2の入力信号P2はロウレベル(L)となっている。これにより、第1のトランジスタQ1はオンで、第2のトランジスタQ2はオフとなっている。この状態で、地区回線K−nの感知器(オン・オフ型の火災感知器)2が火災を検知しておらず発報していないときには、回線電圧VIN−nは24Vに近いものとなっており、コンパレータCA−nの出力OA−nは、回線電圧VIN−nが基準電圧Vr1(例えば10.11〜10.55V)よりも大きいので、ハイレベル(H)すなわち非火災となる。このとき、地区回線K−nのある感知器(オン・オフ型の火災感知器)2が火災を検知し発報すると、回線電圧VIN−nは0Vに近いものとなり、コンパレータCA−nの出力OA−nは、回線電圧VIN−nが基準電圧Vr1(例えば10.11〜10.55V)よりも小さいので、ロウレベル(L)すなわち火災となる。このようにして、通常時(火災検出動作時)T0には、火災監視(火災検出)を行うことができる。
【0033】
また、図8は、図6の地区回路12において、通常時(図5にT0で示す火災検出期間)とは別に、図5にT1で示す期間に、地区回線K−nの終端器3として第1種の終端器(コンデンサを含む終端器)が接続されているか否かを検知する第1種終端器検知動作を説明するためのタイムチャートである。図8を参照すると、前述のように通常時(火災検出動作時)T0には、CPU21からの第1の入力信号P1はハイレベル(H)、第2の入力信号P2はロウレベル(L)となっているが、第1種終端器検知動作時T1には、CPU21は、第2の入力信号P2をロウレベル(L)に維持した状態で(第2のトランジスタQ2をオフにした状態で)、第1の入力信号P1をハイレベル(H)からロウレベル(L)に所定の期間(例えば15m秒間)保持する。すなわち、第1の入力信号P1として、所定の期間(例えば15m秒間)のロウレベル(L)パルスを入力する。これにより、第1のトランジスタQ1も所定の期間(例えば15m秒間)オフ(オフパルス)となり、この期間、電源電圧24Vは遮断される。このとき、地区回線K−nの終端器3として第1種の終端器(コンデンサを含む終端器)が接続されている場合には、コンデンサからの放電(抵抗R3−nを介しての放電)により、回線電圧VIN−nは、所定の時定数で低下するが、電源電圧24Vが遮断される期間が例えば15m秒間と短いので、回線電圧VIN−nは、19.31V以上を保持し、コンパレータCA−nの出力OA−nは、回線電圧VIN−nが基準電圧Vr1(例えば10.11〜10.55V)よりも大きいので、ハイレベル(H)となる。これに対し、地区回線K−nの終端器3として第1種の終端器(コンデンサを含む終端器)が接続されていない場合(断線しているか、あるいは、終端器3として第2種の終端器(抵抗のみからなる終端器)が接続されている場合)には、電源電圧24Vが遮断される期間、回線電圧VIN−nは、0Vとなり、コンパレータCA−nの出力OA−nは、回線電圧VIN−nが基準電圧Vr1(例えば10.11〜10.55V)よりも小さいので、ロウレベル(L)となる。なお、図8において、通常時(火災検出動作時)T0には、火災は検出されておらず、回線電圧VIN−nは非火災のレベルであるとした。
【0034】
また、図9は、図6の地区回路12において、通常時(図5にT0で示す火災検出期間)とは別に、図5にT2で示す期間に、地区回線K−nの終端器3として第2種の終端器(抵抗のみからなる終端器)が接続されているか否かを検知する第2種終端器検知動作を説明するためのタイムチャートである。図9を参照すると、前述のように通常時(火災検出動作時)T0には、CPU21からの第1の入力信号P1はハイレベル(H)、第2の入力信号P2はロウレベル(L)となっているが、第2種終端器検知動作時T2には、CPU21は、第1の入力信号P1をハイレベル(H)からロウレベル(L)にするとともに、第2の入力信号P2をロウレベル(L)からハイレベル(H)にする。すなわち、第1の入力信号P1として、所定の期間(例えば15m秒間)のロウレベル(L)パルスを入力するとともに、第2の入力信号P2として、所定の期間(例えば15m秒間)のハイレベル(H)パルスを入力する。これにより、所定の期間(例えば15m秒間)、第1のトランジスタQ1がオフ(オフパルス)となり、第2のトランジスタQ2がオン(オンパルス)となる。このとき、地区回線K−nの終端器3として第2種の終端器(抵抗のみからなる終端器)が接続されている場合には、抵抗のみからなる終端器の抵抗値が10KΩであるとして、回線電圧VIN−nは、(終端器抵抗値10KΩ+感知器負荷∞のとき、16.67Vであることから)、16.67V以下となる。また、このとき、コンパレータCB−nの基準電圧Vr2は17.82Vとなるので、コンパレータCB−nの出力OB−nは、ロウレベル(L)となる。これに対し、地区回線K−nの終端器3として第2種の終端器(抵抗のみからなる終端器)が接続されていない場合(断線しているか、あるいは、終端器3として第1種の終端器(コンデンサを含む終端器)が接続されている場合)には、回線電圧VIN−nは、(終端器抵抗値∞+感知器負荷25KΩのとき、19.83Vであることから)、19.83V以上となり、コンパレータCB−nの出力OB−nは、回線電圧VIN−nが基準電圧Vr1(17.82V)よりも大きいので、ハイレベル(H)となる。なお、図9において、通常時(火災検出動作時)T0には、火災は検出されておらず、回線電圧VIN−nは非火災のレベルであるとした。また、上記第2種終端器検知動作において、地区回線K−nの終端器3として第2種の終端器(抵抗のみからなる終端器)が接続されている場合に、回線電圧VIN−nを16.67V以下にし、また、地区回線K−nの終端器3として第2種の終端器(抵抗のみからなる終端器)が接続されていない場合に、回線電圧VIN−nを19.83V以上とすることができるのは、第2のトランジスタQ2に接続されている回線インピーダンス制御用抵抗(感知器制限抵抗)R2−nを例えば3.6KΩと高抵抗のものとしたことによる。このように、第2種終端器検知動作において、回線インピーダンス制御用抵抗(感知器制限抵抗)をR1−n(例えば660Ω)からR2−n(例えば3.6KΩ)に切り替えることで、第2種終端器検知動作を確実に信頼性良く行うことができる。
【0035】
このようにして、図6の地区回路12におけるコンパレータCA−n、コンパレータCB−nからのハイレベル(H)またはロウレベル(L)の出力OA−n、OB−nに基づいて、CPU21は、火災監視を行うとともに、地区回線K−nの断線検出を行い、さらには、地区回線K−nの終端器3が第1種の終端器(コンデンサを含む終端器)であるか第2種の終端器(抵抗のみからなる終端器)の識別をも行うことができる。
【0036】
図10は、CPU21における処理を説明するためのフローチャートである。図10を参照すると、通常時には、CPU21は、第1の入力信号P1をハイレベル(H)、第2の入力信号P2をロウレベル(L)にし(ステップS1)、図6の地区回路12の第1のトランジスタQ1をオンにし、第2のトランジスタQ2をオフにしている。この状態で、図7のタイムチャートに示すように、コンパレータCA−nの出力OA−nを監視し、コンパレータCA−nの出力OA−nがハイレベル(H)のとき非火災と判断し、コンパレータCA−nの出力OA−nがロウレベル(L)となったとき火災と判断する。このようにして、通常時(火災検出動作時)T0には、火災監視(火災検出)を行っている。
【0037】
そして、例えば周期40秒ごとに、CPU21は、地区回線K−nの終端器3として第1種の終端器が接続されているか否かを検知させる第1種終端器検知動作を図5にT1で示す期間に行い(ステップS2〜S5)、地区回線K−nの終端器3として第2種の終端器が接続されているか否かを検知させる第2種終端器検知動作を図5にT2で示す期間に行う(ステップS6〜S9)。
【0038】
すなわち、第1種終端器検知動作では、第2の入力信号P2をロウレベル(L)に維持する一方で、第1の入力信号P1をロウレベル(L)にし(ステップS2)、図6の地区回路12の第2のトランジスタQ2をオフにした状態で、第1のトランジスタQ1をオフにする。このとき、図8のタイムチャートに示すように、コンパレータCA−nの出力OA−nを監視し、コンパレータCA−nの出力OA−nがハイレベル(H)かロウレベル(L)かを判断する(ステップS3)。そして、コンパレータCA−nの出力OA−nがハイレベル(H)のときには、第1種の終端器が接続されていることを示すため第1種終端器接続フラグFLG1をセットする(ステップS4)。これに対し、コンパレータCA−nの出力OA−nがロウレベル(L)のときには、第1種の終端器が接続されていないことを示すため第1種終端器接続フラグFLG1をクリアする(ステップS5)。
【0039】
また、第2種終端器検知動作では、第1の入力信号P1をロウレベル(L)、第2の入力信号P2をハイレベル(H)にし(ステップS6)、図6の地区回路12の第1のトランジスタQ1をオフにし、第2のトランジスタQ2をオンにする。このとき、図9のタイムチャートに示すように、コンパレータCB−nの出力OB−nを監視し、コンパレータCB−nの出力OB−nがハイレベル(H)かロウレベル(L)かを判断する(ステップS7)。そして、コンパレータCB−nの出力OB−nがロウレベル(L)のときには、第2種の終端器が接続されていることを示すため第2種終端器接続フラグFLG2をセットする(ステップS8)。これに対し、コンパレータCB−nの出力OB−nがハイレベル(H)のときには、第2種の終端器が接続されていないことを示すため第2種終端器接続フラグFLG2をクリアする(ステップS9)。
【0040】
このようにして、第1種終端器検知動作と第2種終端器検知動作とを行った後、第1種終端器接続フラグFLG1がクリアされているかを判断する(ステップS10)。この結果、第1種終端器接続フラグFLG1がクリアされていないときには(すなわち、第1種終端器接続フラグFLG1がセットされているときには)、地区回線K−nの終端器3として第1種の終端器が接続されていると識別する(ステップS11)。これに対し、ステップS10で第1種終端器接続フラグFLG1がクリアされていると判断されたときには、第2種終端器接続フラグFLG2がクリアされているかを判断する(ステップS12)。この結果、第2種終端器接続フラグFLG2がクリアされていないときには(すなわち、第2種終端器接続フラグFLG2がセットされているときには)、地区回線K−nの終端器3として第2種の終端器が接続されていると識別する(ステップS13)。これに対し、ステップS12で第2種終端器接続フラグFLG2がクリアされていると判断されたときには、地区回線K−nが断線していると判断する(ステップS14)。すなわち、第1種終端器接続フラグFLG1、第2種終端器接続フラグFLG2の両方ともがクリアされているときには、地区回線K−nの終端器3に第1種の終端器、第2種の終端器のいずれもが接続されていないと判断し、これにより、地区回線K−nが断線していると判断する。
【0041】
そして、ステップS14で地区回線K−nが断線していると判断したときには、その旨を例えば表示部28に表示することができる。また、ステップS10で第1種終端器接続フラグFLG1がセットされているときには、地区回線K−nの終端器3として第1種の終端器が接続されている旨を例えば表示部28に表示することができる。また、ステップS12で第2種終端器接続フラグFLG2がセットされているときには、地区回線K−nの終端器3として第2種の終端器が接続されている旨を例えば表示部28に表示することができる。
【0042】
このように、本発明では、第1の検知部43(図6のコンパレータCA−nに相当)の検知結果(図6のコンパレータCA−nの出力OA−nに相当)と第2の検知部44(図6のコンパレータCB−nに相当)の検知結果(図6のコンパレータCB−nの出力OB−nに相当)とに基づいて、前記回線が断線しているか否かを判別する断線判別手段とをさらに備えている。より詳細に、断線判別手段は、第1の検知部43の検知結果が、第1種の終端器が接続されていないとの検知結果であり、かつ、第2の検知部44の検知結果が、第2種の終端器が接続されていないとの検知結果であるときに、地区回線K−nが断線していると判別し、第1の検知部43の検知結果が、第1種の終端器が接続されているとの検知結果であるか、または、第2の検知部44の検知結果が、第2種の終端器が接続されているとの検知結果であるときに、地区回線K−nが断線していないと判別するようになっている。なお、上記例では、断線判別手段は、CPU21によって実現されている。
【0043】
また、本発明では、第1の検知部43の検知結果が、第1種の終端器が接続されているとの検知結果であるときに、地区回線K−nの終端器3として第1種の終端器が接続されていると識別し、第2の検知部44の検知結果が、第2種の終端器が接続されているとの検知結果であるときに、地区回線K−nの終端器3として第2種の終端器が接続されていると識別することができる。
【0044】
このように、本発明によれば、受信機11は、地区回線K−nに接続されている終端器3が第1種の終端器、第2種の終端器のいずれであるかにかかわらずに、地区回線K−nの断線監視・検出を行うことができる。換言すれば、本発明では、受信機11には、第1種の終端器または第2種の終端器が接続されているいずれの地区回線(感知器回線)も接続可能であり、受信機11は、いずれの地区回線(感知器回線)が接続されていても、この地区回線(感知器回線)の断線監視・検出を行うことができる。
【0045】
これにより、本発明では、例えば、リニューアル工事(対象物件で終端器仕様が異なる時)等で受信機を交換する際、現場の終端器の仕様(終端器が第1種の終端器であるかまたは第2種の終端器であるか)に合わせて受信機を用意する必要がなくなる。すなわち、現場の終端器の仕様(終端器が第1種の終端器であるかまたは第2種の終端器であるか)を問わずに受信機を設置でき、回線にどの種の終端器が接続されているかを探す必要などがなくなり、受信機の交換作業の効率などを著しく高めることができる。
【0046】
さらに、本発明によれば、受信機11は、地区回線K−nに接続されている終端器3が第1種の終端器、第2種の終端器のいずれであるかをも識別することができる。
【0047】
なお、上述の例では、第1種終端器検知動作時T1には、CPU21は、第1の入力信号P1をハイレベル(H)からロウレベル(L)に所定の期間(例えば15m秒間)保持するとしたが、この所定の期間としては、コンデンサが十分に放電してしまう以前であれば良く、従って、15m秒間に限らず、例えば5m秒間でも良いし、10m秒間などでも良い。
【0048】
また、上述の例では、第2種終端器検知動作時T2には、CPU21は、第1の入力信号P1として、所定の期間(例えば15m秒間)のロウレベル(L)パルスを入力するとともに、第2の入力信号P2として、所定の期間(例えば15m秒間)のハイレベル(H)パルスを入力するとしたが、この所定の期間としては、15m秒間に限らず、例えば5m秒間でも良いし、10m秒間でも良いし、30m秒間などでも良い。
【0049】
また、上述の例では、地区回路12の地区回路部12−nについて詳細に説明したが、図6の例からもわかるように、他の地区回路部、例えば12−1についても、地区回路部12−nと全く同様にして、第1の入力信号P1、第2の入力信号P2に基づき、地区回線K−1の断線監視・検出などを行うことができる。すなわち、地区回路部12−1についても、地区回路部12−nのコンパレータCA−n、コンパレータCB−nの出力OA−n、OB−nと同時に、コンパレータCA−1、コンパレータCB−1の出力OA−1、OB−1が得られ、コンパレータCA−1、コンパレータCB−1の出力OA−1、OB−1に基づいて、地区回線K−nの断線監視・検出などと全く同様にして、地区回線K−1の断線監視・検出などが行われ、受信機11は、地区回線K−1に接続されている終端器3が第1種の終端器、第2種の終端器のいずれであるかにかかわらずに、地区回線K−1の断線監視・検出などを行うことができる。より具体的に、地区回線K−1に接続されている終端器3が例えば第1種の終端器であり、地区回線K−nに接続されている終端器3が例えば第2種の終端器である場合にも、1つの受信機11で、地区回線K−1、地区回線K−nの断線監視・検出などをそれぞれ行うことができる。
【0050】
また、上述の例では、感知器が火災感知器であり、受信機が火災受信機であり、監視制御システムが火災検出を目的としたものである(防災システムである)として説明したが、感知器が例えば防犯用感知器であり、受信機が防犯用受信機であり、監視制御システムが防犯を目的としたものである(防犯システムである)場合にも、本発明を適用できる。
【0051】
また、上述の例では、地区回線が、感知器の接続されている感知器回線であるとしたが、本発明は、終端器が接続されている回線であれば、感知器回線に限らず、任意の回線、システムの断線検出などに適用可能である。例えば、中継器内の終端器が接続されているシステムなどにも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、防災システムや防犯システムなどに利用可能である。
【符号の説明】
【0053】
2 感知器
3 終端器
11 受信機
12 地区回路
13 防排煙回路
14 地区音響回路
15 移信回路
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 EEPROM
27 操作部
28 表示部
29 警報音響部
31、32、33、34 I/O部
41 第1の送信部
42 第2の送信部
43 第1の検知部
44 第2の検知部
45 火災検出部
K−1〜K−n 地区回線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10