(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5754996
(24)【登録日】2015年6月5日
(45)【発行日】2015年7月29日
(54)【発明の名称】一定オン時間及び一定オフ時間スイッチングレギュレータ用検知コンデンサ
(51)【国際特許分類】
H02M 3/155 20060101AFI20150709BHJP
【FI】
H02M3/155 H
【請求項の数】18
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2011-61815(P2011-61815)
(22)【出願日】2011年3月19日
(65)【公開番号】特開2011-200111(P2011-200111A)
(43)【公開日】2011年10月6日
【審査請求日】2014年3月18日
(31)【優先権主張番号】12/661,646
(32)【優先日】2010年3月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591150672
【氏名又は名称】ナショナル セミコンダクター コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】NATIONAL SEMICONDUCTOR CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(74)【代理人】
【識別番号】100076185
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 正明
(72)【発明者】
【氏名】リク−キン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ツェ−カウ マン
【審査官】
安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−148155(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0258701(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチと出力コンデンサとを含む一定オン時間又は一定オフ時間(COT)スイッチングレギュレータを使用して出力電圧を発生することと、
検知コンデンサを介して流れる第1の電流であって前記出力コンデンサを介して流れる第2の電流に比例する前記第1の電流を検知することと、
前記検知した第1の電流を使用してトランスインピーダンス増幅器によりフィードバック電圧を発生することと、
前記フィードバック電圧と前記出力電圧とを結合して結合電圧を発生することと、
前記結合電圧に基づいて前記スイッチを制御することと、
を包み、
前記結合電圧に基づいて前記スイッチを制御することが、前記結合電圧のスケーリングしたものと基準電圧とを比較することを含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記結合電圧に基づいて前記スイッチを制御することが、
前記比較に基づいて前記スイッチに対する駆動信号において1個のパルスを発生するためにワンショットタイマーをトリガーさせることを更に含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記出力コンデンサの容量がNの係数だけ前記検知コンデンサの容量よりも大きく、
前記第2の電流が前記Nの係数だけ前記第1の電流よりも大きい、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、
前記トランスインピーダンス増幅器がNに基づく利得を有する、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、
前記検知コンデンサと前記トランスインピーダンス増幅器とが前記出力コンデンサを横断して並列に結合されている、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記COTスイッチングレギュレータが入力電圧を受け取るバックコンバータを含み、前記出力電圧が前記入力電圧よりも小さい、方法。
【請求項7】
出力電圧を発生するように構成され、スイッチと出力コンデンサとを含む、一定オン時間又は一定オフ時間(COT)スイッチングレギュレータと、
前記出力コンデンサを介しての第2の電流に比例する第1の電流を受け取るように構成されている検知コンデンサと、
前記第1の電流を検知し且つその検知した第1の電流に基づいて前記スイッチを制御するように構成されている制御回路と、
を含む装置であって、
前記制御回路が、
前記検知した第1の電流に基づいてフィードバック電圧を発生するように構成されているトランスインピーダンス増幅器と、
前記フィードバック電圧と前記出力電圧とを結合して結合電圧を発生するように構成されている結合器と、
前記結合電圧のスケーリングした電圧を発生するように構成されている電圧分圧器と、
前記結合電圧の前記スケーリングした電圧と基準電圧とを比較するように構成されている比較器と、
前記比較器の出力に基づいて前記スイッチを制御するように構成されている制御及びドライバユニットと、
を含む、装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置であって、
前記制御及びドライバユニットが、前記比較器の出力に基づいて前記スイッチ用の駆動信号において1個のパルスを発生するように構成されているワンショットタイマーを含む、装置。
【請求項9】
請求項7に記載の装置であって、
前記出力コンデンサの容量がNの係数だけ前記検知コンデンサの容量よりも大きい、装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置であって、
前記トランスインピーダンス増幅器がNに基づく利得を有する、装置。
【請求項11】
請求項7に記載の装置であって、
前記検知コンデンサと前記トランスインピーダンス増幅器とが前記出力コンデンサを横断して並列に結合されている、装置。
【請求項12】
請求項7に記載の装置であって、
前記出力コンデンサがセラミックコンデンサを含む、装置。
【請求項13】
請求項7に記載の装置であって、
前記出力コンデンサと前記検知コンデンサとが実質的に等しい温度係数を有する、装置。
【請求項14】
請求項7に記載の装置であって、
片側が前記スイッチへ結合されており且つ別の側が前記出力コンデンサと前記検知コンデンサとに結合されているインダクタを更に含む、装置。
【請求項15】
検知コンデンサへ結合されるように構成されており、一定オン時間又は一定オフ時間(COT)スイッチングレギュレータの出力コンデンサを介しての第2の電流に比例する前記検知コンデンサを介しての第1の電流に基づいてフィードバック電圧を発生するように構成されているトランスインピーダンス増幅器と、
前記フィードバック電圧と前記COTスイッチングレギュレータによって発生される出力電圧とを結合して結合電圧を発生するように構成されている結合器と、
前記結合電圧のスケーリングした電圧を発生するように構成されている電圧分圧器と、
前記結合電圧の前記スケーリングした電圧と基準電圧とを比較するように構成されている比較器と、
前記比較器の出力に基づいて前記COTスイッチングレギュレータにおけるスイッチを制御するための駆動信号を発生するように構成されている制御及びドライバユニットと、
を含む、回路。
【請求項16】
請求項15に記載の回路であって、
前記制御及びドライバユニットが、前記比較器の出力に基づいて前記駆動信号における1個のパルスを発生するように構成されているワンショットタイマーを含む、回路。
【請求項17】
請求項15に記載の回路であって、
前記出力コンデンサの容量がNの係数だけ前記検知コンデンサの容量よりも大きく、
前記トランスインピーダンス増幅器がNに基づく利得を有する、回路。
【請求項18】
請求項15に記載の回路であって、
前記トランスインピーダンス増幅器が、前記検知コンデンサと直列に且つ前記出力コンデンサと並列に結合されるように構成されている、回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大略、スイッチングレギュレータに関するものであって、更に詳細には、一定オン時間及び一定オフ時間スイッチングレギュレータ用の検知コンデンサの使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多くのシステムが、該システムの他の部品により使用するために、調整された電圧を発生するためにスイッチングレギュレータを使用する。例えば、バック(buck)即ちステップダウンレギュレータは、その入力電圧V
INよりも一層低い出力電圧V
OUTを発生する。ブースト即ちステップアップレギュレータは、その入力電圧V
INよりも一層高い出力電圧V
OUTを発生する。
【0003】
幾つかのスイッチングレギュレータは、一定オン時間又は一定オフ時間(COT)技術を使用して制御される。従来のCOT技術を使用して、各スイッチングサイクル期間中に、一定量の時間の間、1個又はそれ以上のスイッチがターンオン又はターンオフされ、該スイッチは出力電圧V
OUTを発生するために使用される。COT制御技術は、高速応答時間及び簡単なデザイン等の、実現例に依存して種々の利点を提供することが可能である。
【0004】
しかしながら、この様に動作するスイッチングレギュレータは、種々の問題を蒙る場合がある。例えば、幾つかの従来のCOTレギュレータは、高い等価直列抵抗(ESR)を具備する出力コンデンサか、又は低ESR出力コンデンサと直列に結合された抵抗のいずれかを包含している。これらのアプローチは良好な過渡的応答を与えることが可能であるが、大きな出力電圧リップルが発生する場合がある。
【0005】
別の従来のCOTレギュレータは、該レギュレータ内のインダクタを横断して結合されているRC回路網を使用する。このアプローチは出力電圧リップルを減少させることが可能であるが、それは寸法を増加させ且つレギュレータの過渡的応答を減少させる。
【0006】
更に別の従来のCOTレギュレータは、出力コンデンサと直列とする代わりに、該レギュレータ内のダイオードと直列に抵抗を配置させる。このアプローチにおいては、COTレギュレータは該レギュレータによって発生される出力電流を測定することが可能である。しかしながら、このアプローチは、高出力電流において複数パルス動作効果を蒙る場合があり、出力電流の直流(DC)成分を除去するための回路要素を必要とし、且つフィードバックコンデンサの使用を必要とする場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上の点に鑑みなされたものであって、上述した如き従来技術の欠点を解消し、改良したスイッチングレギュレータ技術を提供することを目的とする。本発明の別の目的とするところは、改善したCOTスイッチングレギュレータ及びCOTスイッチングレギュレータにおける検知コンデンサを使用する方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1側面によれば、
スイッチと出力コンデンサとを有している一定オン時間又は一定オフ時間(COT)スイッチングレギュレータを使用して出力電圧を発生し、
検知コンデンサを介して流れる第1電流であって該出力コンデンサを介して流れる第2電流に比例する前記第1電流を検知し、且つ
該検知した第1電流に基いて該スイッチを制御する、
ことを包含している方法が提供される。
【0009】
好適には、該検知した第1電流に基いて該スイッチを制御する場合に、
該検知した第1電流を使用してフィードバック電圧を発生し、
結合電圧を発生するために該フィードバック電圧と該出力電圧とを結合させ、且つ
該結合電圧に基いて該スイッチを制御する、
ことを包含している。
【0010】
好適には、該結合電圧に基いて該スイッチを制御する場合に、
該結合電圧のスケーリングしたものと基準電圧とを比較し、
該比較に基いて該スイッチに対する駆動信号において1個のパルスを発生するためにワンショットタイマーをトリガーさせる、
ことを包含している。
【0011】
好適には、
該出力コンデンサの容量がNの係数だけ該検知コンデンサの容量よりも一層大きく、且つ
該第2電流が該Nの係数だけ該第1電流よりも一層大きい。
【0012】
好適には、該フィードバック電圧を発生させることが、Nに基く利得を具備するトランスインピーダンス増幅器を使用することを包含している。
【0013】
好適には、該検知コンデンサ及び該トランスインピーダンス増幅器が該出力コンデンサを横断して並列に結合されている。
【0014】
好適には、該COTスイッチングレギュレータが入力電圧を受け取るバックコンバータを有しており、該出力電圧が該入力電圧よりも小さい。
【0015】
本発明の別の側面によれば、
出力電圧を発生する形態とされており、スイッチと出力コンデンサとを有している一定オン時間又は一定オフ時間(COT)スイッチングレギュレータ、
該出力コンデンサを介しての第2電流に比例する第1電流を受け取る形態とされている検知コンデンサ、及び
該第1電流を検知し且つその検知した第1電流に基いて該スイッチを制御する形態とされている制御回路、
を有している装置が提供される。
【0016】
好適には、該制御回路が、
該検知した第1電流に基いてフィードバック電圧を発生する形態とされているトランスインピーダンス増幅器、
結合電圧を発生するために該フィードバック電圧と該出力電圧とを結合させる形態とされている結合器、
該結合電圧のスケーリングした電圧を発生する形態とされている分圧器、
該結合電圧の該スケーリングした電圧と基準電圧とを比較する形態とされている比較器、
該比較器の出力に基いて該スイッチを制御する形態とされている制御及びドライバユニット、
を有している。
【0017】
好適には、該制御及びドライバユニットが、該比較器の出力に基いて該スイッチ用の駆動信号において1個のパルスを発生する形態とされているワンショットタイマーを有している。
【0018】
好適には、該出力コンデンサの容量がNの係数だけ該検知コンデンサの容量よりも一層大きい。
【0019】
好適には、該トランスインピーダンス増幅器がNに基く利得を有している。
【0020】
好適には、該検知コンデンサ及び該トランスインピーダンス増幅器が該出力コンデンサを横断して並列に結合されている。
【0021】
好適には、該出力コンデンサがセラミックコンデンサを有している。
【0022】
好適には、該出力コンデンサ及び該検知コンデンサが実質的に等しい温度係数を有している。
【0023】
好適には、更に、
片側が該スイッチへ結合されており且つ別の側が該出力コンデンサ及び該検知コンデンサを結合されているインダクタ、
を有している。
【0024】
本発明の更に別の側面によれば、
検知コンデンサへ結合される形態とされており、一定オン時間又は一定オフ時間(COT)スイッチングレギュレータの出力コンデンサを介しての第2電流に比例する該検知コンデンサを介しての第1電流に基いてフィードバック電圧を発生する形態とされているトランスインピーダンス増幅器、
結合電圧を発生するために、該フィードバック電圧と該COTスイッチングレギュレータによって発生される出力電圧とを結合させる形態とされている結合器、
該結合電圧のスケーリングした電圧を発生する形態とされている分圧器、
該結合電圧の該スケーリングした電圧と基準電圧とを比較する形態とされている比較器、
該比較器の出力に基いて該COTスイッチングレギュレータにおけるスイッチを制御するための駆動信号を発生する形態とされている制御及びドライバユニット、
を有している回路が提供される。
【0025】
好適には、該制御及びドライバユニットは、該比較器の出力に基いて該駆動信号における1個のパルスを発生する形態とされているワンショットタイマーを有している。
【0026】
好適には、
該出力コンデンサの容量がNの係数だけ検知コンデンサの容量よりも一層大きく、
該トランスインピーダンス増幅器がNに基く利得を有している。
【0027】
好適には、該トランスインピーダンス増幅器が、該検知コンデンサと直列に且つ該出力コンデンサと並列に結合されるべき形態とされている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明に基く例示的な一定オン時間又は一定オフ時間(COT)スイッチングレギュレータを例示した概略図。
【
図2】本発明に基く
図1のCOTスイッチングレギュレータと関連する例示的な波形を示したグラフ図。
【
図3】本発明に基く
図1のCOTスイッチングレギュレータと関連する例示的な別の波形を示したグラフ図。
【
図4】本発明に基くCOTスイッチングレギュレータにおける検知コンデンサを使用する例示的な方法を示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に説明する
図1乃至4及び本発明の原理を説明するために使用する種々の実施例は例示的なものに過ぎず、本発明の範囲を制限するような態様で解釈されるべきものではない。当業者が理解するように、本発明の原理は、任意のタイプの適宜構成された装置又はシステムにおいて実現することが可能である。
【0030】
図1は、本発明に基く例示的な一定オン時間又は一定オフ時間(COT)スイッチングレギュレータ100を例示している。この例においては、COTスイッチングレギュレータ100は、バックコンバータ(buck converter)を表しており、それは入力電圧V
INを受け取って、該入力電圧V
INより一層低い出力電圧V
OUTを発生する。COTスイッチングレギュレータ100のこの実施例は、例示的なものに過ぎない。COTスイッチングレギュレータのその他の実施例も本発明の範囲を逸脱すること無しに使用することが可能である。
【0031】
図1に示した如く、COTスイッチングレギュレータ100は、入力電圧V
INを供給する入力電圧源102を包含しているか、又はそれに結合されている。入力電圧源102は、バッテリ等の入力電圧を供給する任意の適宜の構造を表している。
【0032】
入力電圧源102はスイッチ104へ結合されており、該スイッチ104は入力電圧V
INのレギュレータ100内のその他の部品への印加を制御する。例えば、スイッチ104は、入力電圧源102をレギュレータ100の他の部品へ結合させるために閉じる(導電状態とさせる)ことが可能である。スイッチ104は、入力電圧V
INがレギュレータ100を他の部品からブロックさせるために開く(実質的に又は完全に非導電状態とさせる)ことが可能である。スイッチ104は、パワートランジスタ等の任意の適宜のスイッチング装置を表している。
【0033】
スイッチ104はダイオード106及びインダクタ108へ結合されている。ダイオード106は、電流の流れを実質的に一方向へ制限する任意の適宜の構成を表している。注意すべきことであるが、ダイオード106は、双方向の電流の流れを許容するスイッチで置換させることが可能である。インダクタ108は、任意の適宜のインダクタンスを具備する任意の適宜の誘導性構成体を包含している。出力コンデンサ110はインダクタ108へ結合されている。出力コンデンサ110は任意の適宜の容量を具備する任意の適宜の容量性構成体を包含している。負荷がレギュレータ100によって発生された出力電圧V
OUTを受け取り且つ使用することが可能である。この例における負荷は、任意の適宜の値を有することが可能な抵抗112で表されている。
【0034】
図1に示した如く、検知コンデンサ114とトランスインピーダンス増幅器116とが、出力コンデンサ110及び負荷を横断して並列に結合されている。検知コンデンサ114は、通常、出力コンデンサ110を介して流れる出力電流I
Cに比例する検知電流I
SENを受け取る。検知電流I
SENは出力電流I
Cの一層小さくスケールされたものを表すことが可能である。トランスインピーダンス増幅器116は、検知電流I
SENを対応するフィードバック電圧V
FBへ変換し且つ、場合により、フィードバック電圧V
FBを増幅する。検知コンデンサ114は、任意の適宜の容量を具備する任意の適宜の容量性構成体を包含している。トランスインピーダンス増幅器116は、電流を対応する電圧へ変換するための任意の適宜の構成を包含している。幾つかの実施例においては、出力コンデンサ110の容量は、Nの係数だけ検知コンデンサ114の容量よりも一層大きく、且つトランスインピーダンス増幅器116はNの何らかの倍数(分数又は整数)である利得を与える。又、幾つかの実施例においては、コンデンサ110及び114は、実質的に同じ温度係数を有する場合がある。
【0035】
トランスインピーダンス増幅器16によって発生されるフィードバック電圧V
FBは結合器118へ供給される。結合器118は、該フィードバック電圧を出力電圧V
OUTと結合させて結合電圧V
CMBを発生する。結合電圧V
CMBは分圧器119へ供給することが可能であり、該分圧器119は結合電圧V
CMBをスケーリングすることが可能である。分圧器119の出力は、比較器120によって、基準電圧V
REF(例えば、1.2V)と比較することが可能である。比較器120はその比較に基いて出力信号を発生する。結合器118は信号を結合するための任意の適宜の構成を包含している。分圧器119は電圧をスケーリングするための、例えば抵抗分圧器などの任意の適宜の構成を包含している。比較器120は信号を比較するための任意の適宜の構成を包含している。基準電圧V
REFは、バンドギャップ電圧発生器等の任意の適宜の供給源によって供給することが可能である。
【0036】
比較器120によって発生される出力信号は、COT制御器及びドライバユニット122へ供給される。COT制御器及びドライバユニット122は、スイッチ104の動作を制御するための駆動信号を発生する。例えば、COT制御器及びドライバユニット122は、複数のスイッチングサイクルの各々の期間中に固定した量の時間に対してスイッチ104をターンオン又はターンオフさせる駆動信号を発生することが可能である。COT制御器及びドライバユニット122は、COTスイッチングレギュレータにおける1個又はそれ以上のスイッチを制御するための、例えばワンショットタイマー等の任意の適宜の構成を包含している。ワンショットタイマーは、活性化された場合に、特定した量の時間に対して或るレベルの信号を活性化させる回路を表している。該ワンショットタイマーは、例えば、スケーリングされた結合電圧V
CMBが基準電圧V
REFを超える場合に、トリガーさせることが可能である。該ワンショットタイマーは、スイッチングサイクル毎に一度トリガーさせることが可能であり、その場合に、スイッチングサイクルは相継ぐトリガー間の時間期間を示している(しかしながら、スイッチングサイクルを定義付けるためにその他の適宜のイベントを使用することも可能である)。
【0037】
特定の実施例においては、部品116−122は、単一の集積回路(IC)チップ等の集積化制御回路124内において実現することが可能である。これらの実施例において、集積化制御回路124は、検知コンデンサ114及びインダクタ108等の外部部品へ結合させることが可能な入力/出力ピン又はその他の構成体を包含することが可能である。しかしながら、注意すべきことであるが、部品116−122は任意のその他の適宜の態様で実現することが可能である。
【0038】
図1のCOTスイッチングレギュレータ100においては、出力コンデンサ110を介しての出力電流I
Cではなく、検知コンデンサ114を介しての検知電流I
SENが測定、即ち使用される。従って、検知コンデンサ114の使用は、出力電流I
Cを直接的に測定するための必要性を回避することを助けている。検知コンデンサ114を介しての電流I
SENはDC成分を欠如している場合があるので、このことはDC成分をフィルターする回路要素に対する必要性も取り除くことが可能である。それは、又、大きな出力電流に対するレギュレータの感度を減少させるか又は最小化させることが可能である。
【0039】
更に、標準の抵抗の代わりにトランスインピーダンス増幅器116が使用されるので、レギュレータ100は複数パルス動作効果を減少させるか又は除去することが可能である。更に、レギュレータ100は、抵抗と直列に結合されること無しに、低ESR出力コンデンサ110が使用される場合であっても、安定な動作を有することが可能である。その結果、出力電圧V
OUTにおけるリップルを減少させるか又は最小とさせるためにセラミック又はその他のタイプの出力コンデンサを使用することが可能であり、そのことは、レギュレータ100の効率を増加させることが可能である。更に、このアプローチは、レギュレータ100において必要とされる外部部品の数を減少させることが可能である。
【0040】
これらの利点は、COTスイッチングレギュレータと関連する通常の利点を得ながら、経験することが可能である。例えば、COTスイッチングレギュレータ100は、尚且つ、高速過渡的応答、良好な定常状態応答、簡単なデザイン、及び一定のオン/オフ時間を有することが可能である。
【0041】
図1はCOTスイッチングレギュレータ100の1例を例示しているが、種々の変更を
図1に対して行うことが可能である。例えば、
図1に示した機能分割は例示的なものに過ぎない。
図1における種々の部品は、結合させたり、更に細分化させたり、又は省略したりすることが可能であり、且つ特定の必要性に応じて付加的な部品を付加させることも可能である。特定の例として、
図1にはバックコンバータが示されているが、レギュレータ100は、ブースト、バック・ブースト、SEPIC、又はフライバックコンバータ等のその他のスイッチングコンバータを実現することが可能である。
【0042】
図2及び3は、本発明に基く
図1のCOTスイッチングレギュレータ100と関連する例示的な波形を夫々示している。特に、
図2は、COTスイッチングレギュレータ100のインダクタ108を介してのシミュレーションしたインダクタ電流を表す波形202を例示している。又、波形204はCOTスイッチングレギュレータ100のシミュレーションした出力電圧V
OUTを表している。
【0043】
図2に示した如く、出力電圧V
OUTは、この例においては約5mVである、非常に小さな量の出力電圧リップルを蒙る。50mΩの抵抗を具備する高ESR出力コンデンサを使用する従来のCOTスイッチングレギュレータは、32mV等のかなり一層大きな出力電圧リップルを有する場合がある。更に、
図2に示した如く、COTスイッチングレギュレータ100は非常に高速の負荷応答を維持する。このことは、COTスイッチングレギュレータ100が、出力電圧リップルを著しく減少させる一方、高速の応答時間を維持することが可能であることを示している。
【0044】
図3はCOTスイッチングレギュレータ100の出力及び検知コンデンサ110及び114におけるシミュレーションした電流と関連する波形302−304を例示している。この例においては、波形302は出力コンデンサ110を介してのシミュレーションした電流I
Cを表しており、且つ波形304は検知コンデンサ114を介してのシミュレーションした電流I
SENを表している。
【0045】
図3に示した如く、検知コンデンサ114を介しての電流I
SENは、概略、出力コンデンサ110を介しての電流I
Cを追跡する。しかしながら、検知コンデンサ114を介しての電流I
SENは出力コンデンサ110を介しての電流I
Cよりも著しく一層小さい。このシミュレーションにおいて、検知コンデンサの容量に対する出力コンデンサの容量の比は1000:1であることが仮定されている。このことは、検知電流I
SENに対する出力電流I
Cの比も1000:1であることを意味している。このことは、高出力電流において複数パルス動作効果を発生させることなしに、COTスイッチングレギュレータ100が出力電流I
Cを検知することを可能としている。更に、検知コンデンサ114を介しての電流I
SENはDC成分を欠如しており、従って、検知電流I
SENからDC成分を除去するために付加的な部品が必要とされることはない。
【0046】
図2及び3は
図1のCOTスイッチングレギュレータ100と関連する波形の例を例示しているが、
図2及び3に対して種々の変更を行うことが可能である。例えば、これらの波形はCOTスイッチングレギュレータ100の特定の実現例のシミュレーションした動作を表している。COTスイッチングレギュレータ100のその他の実現例はここに示したシミュレーションした動作とは異なる場合がある。
【0047】
図4は、本発明に従うCOTスイッチングレギュレータにおいて検知コンデンサを使用する例示的な方法400を示している。説明の便宜上、方法400を
図1のCOTスイッチングレギュレータ100に関して説明する。方法400は、ブースト、バック・ブースト、SEPIC、又はフライバックコンバータ等の任意の適宜のレギュレータと共に使用することが可能である。
【0048】
図4に示したように、ステップ402において、スイッチングレギュレータを使用して出力電圧が発生される。このことは、例えば、COTスイッチングレギュレータ100におけるスイッチ104を動作させることにより出力電圧V
OUTを発生させることを包含することが可能である。出力電圧V
OUTの発生は、出力コンデンサ110を介しての電流I
Cを形成する。
【0049】
検知コンデンサを介しての電流は、ステップ404において、変換され且つ増幅される。このことは、例えば、トランスインピーダンス増幅器116が検知コンデンサ114を介して流れる電流I
SENを変換し且つ増幅して、フィードバック電圧V
FBを発生することを包含することが可能である。検知コンデンサ114を介しての電流I
SENは、出力コンデンサ110を介しての電流I
Cのスケーリングしたレプリカとすることが可能である。
【0050】
出力電圧は、ステップ406において、フィードバック電圧と結合される。このことは、例えば、フィードバック電圧V
FBと出力電圧V
OUTとを結合させて結合電圧V
CMBを発生させることを包含することが可能である。該結合電圧は、ステップ408において、基準電圧と比較される。このことは、例えば、分圧器119が結合電圧V
CMBをスケーリングし且つ比較器120がそのスケーリングした結合電圧V
CMBを基準電圧V
REFと比較することを包含することが可能である。
【0051】
COTレギュレータ内の1個又はそれ以上のスイッチをターンオン又はターンオフさせる信号がステップ410において発生され、且つ該COTレギュレータ内の該1個又はそれ以上のスイッチは、ステップ412において、ターンオン又はターンオフされる。このことは、例えば、COT制御器及びドライバユニット122内のワンショットタイマーがスイッチ104へ供給される駆動信号における1個のパルスをトリガーすることを包含することが可能である。該パルスはステップ408期間中に行われる比較に基いてトリガーさせることが可能であり、且つ該パルスは一定量の時間に対して該スイッチをターンオン又はターンオフさせることが可能である。この点において、方法400は繰り返し、その場合に、ステップ402において発生された出力信号はスイッチ404がターンオン又はターンオフされることに(少なくとも部分的に)基く。
【0052】
図4はCOTスイッチングレギュレータにおいて検知コンデンサを使用する方法400の1例を示しているが、
図4に対して種々の変更を行うことが可能である。例えば、一連のステップとして示されているが、
図4における種々のステップはオーバーラップするか、並列的に行われるか、又は異なる順番で発生することが可能である。
【0053】
本書において使用されている或る単語及び語句の定義について説明することが有益的である場合がある。「結合(couple)」という用語、及びその派生語は、2個又はそれ以上の部品の間の何らかの直接又は間接の通信のことを意味しており、該部品が互いに物理的に接触しているか否かを問うものではない。「包含する(include)」及び「有する(comprise)」という用語、及びそれらの派生語は、限定無しでの包含を意味している。「又は(or)」という用語は包含的であり、及び/又はであることを意味している。「と関連する(associated with)」及び「それと関連する(associated therewith)」という語句、及びそれらの派生語句は、含むこと、中に含まれること、と相互接続すること、含有すること、中に含有されること、へ又はと接続すること、へ又はと結合すること、と通信可能であること、と協働すること、インターリーブすること、並置すること、と近接であること、へ又はと拘束されていること、持っていること、所有していること等を意味する場合がある。
【0054】
以上本発明の具体的実施の態様について詳細に説明したが、本発明はこれらの具体的な実施例に限定されるべきものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱すること無しに、種々の変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0055】
100:COTスイッチングレギュレータ
102:入力電圧源
104:スイッチ
106:ダイオード
108:インダクタ
110:出力コンデンサ
112:抵抗
114:検知コンデンサ
116:トランスインピーダンス増幅器
118:結合器
119:分圧器
120:比較器
122:COT制御器及びドライバユニット
124:集積化制御回路