(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5755061
(24)【登録日】2015年6月5日
(45)【発行日】2015年7月29日
(54)【発明の名称】レーザ加工機用窒素供給装置
(51)【国際特許分類】
B23K 26/14 20140101AFI20150709BHJP
B23K 26/60 20140101ALI20150709BHJP
【FI】
B23K26/14
B23K26/60
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-150643(P2011-150643)
(22)【出願日】2011年7月7日
(65)【公開番号】特開2013-18005(P2013-18005A)
(43)【公開日】2013年1月31日
【審査請求日】2013年10月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231235
【氏名又は名称】大陽日酸株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(72)【発明者】
【氏名】山田 貞弘
【審査官】
豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−277287(JP,A)
【文献】
特開2007−313545(JP,A)
【文献】
特開平11−267875(JP,A)
【文献】
特開平9−174275(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00 − 26/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒素を発生させる窒素発生手段と、該窒素発生手段で発生した窒素をあらかじめ設定された貯留圧力に昇圧する昇圧機と、該昇圧機で昇圧した窒素を貯留するバッファタンクと、該バッファタンク内の窒素をレーザ加工機に供給する窒素供給経路とを備えたレーザ加工機用窒素供給装置において、前記昇圧機よりも吐出量が多い第2昇圧機を備えた第2窒素供給経路を前記窒素供給経路に対して並列に設け、前記窒素供給経路に第1開閉弁を、前記第2窒素供給経路における前記第2昇圧機の吸入側に第2開閉弁をそれぞれ設けるとともに、前記バッファタンク内の圧力を検出し、検出した圧力があらかじめ設定された切換圧力以上のときには前記第1開閉弁を開いて前記第2開閉弁を閉じ、検出した圧力が前記切換圧力未満のときには前記第1開閉弁を閉じて前記第2開閉弁を開く圧力スイッチを設けたことを特徴とするレーザ加工機用窒素供給装置。
【請求項2】
前記第2窒素供給経路における前記第2昇圧機と前記第2開閉弁との間に、第3開閉弁を介して外部窒素供給源からの窒素を前記第2窒素供給経路に導入する外部窒素導入経路を設けるとともに、前記圧力スイッチは、前記バッファタンク内の圧力があらかじめ設定された下限圧力未満のときに、前記第3開閉弁を開いて前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を閉じることを特徴とする請求項1記載のレーザ加工機用窒素供給装置。
【請求項3】
前記窒素発生手段は、純度99.999%以上の窒素を発生するPSA装置であることを特徴とする請求項1又は2記載のレーザ加工機用窒素供給装置。
【請求項4】
前記第2昇圧機は、吸入側圧力があらかじめ設定された運転圧力に到達したときに自動的に運転を開始し、吸入側圧力が前記運転圧力を下回ったときに自動的に停止することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のレーザ加工機用窒素供給装置。
【請求項5】
前記昇圧機は、レーザ加工機の窒素の平均使用量に対応した吐出量を有するものであり、前記第2昇圧機は、レーザ加工機における窒素の最大窒素使用量に対応した吐出量を有するものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のレーザ加工機用窒素供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ加工機用窒素供給装置に関し、詳しくは、窒素発生装置で発生させた窒素をあらかじめ設定された比較的高い圧力でレーザ加工機に供給するためのレーザ加工機用窒素供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ加工機を使用してステンレス鋼の切断などの加工を行う際には、レーザ加工中のレーザビームの周囲にアシストガスとして不活性ガス、例えば窒素を噴射してステンレス鋼の表面、切断面及び裏面を窒素雰囲気とすることにより、大気中の酸素とステンレス鋼とが反応して焼け焦げなどが発生することを防止するようにしている。
【0003】
アシストガスとして窒素を使用する場合、空気中の窒素を濃縮する窒素発生装置、一般的には、PSA装置を使用して高純度の窒素を製造し、必要に応じて精製装置で窒素中に残存する微量酸素を除去した後、昇圧機にてレーザ加工機に設定された圧力に窒素を昇圧し、昇圧後の高圧の窒素をバッファタンクに貯留し、該バッファタンクからレーザ加工機に窒素を供給するようにしている(例えば、非特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】エア・ウォーター株式会社、”レーザ加工機用PSA式窒素ガス発生装置”、[online]、エア・ウォーター株式会社、[平成23年6月29日検索]、インターネット<URL:http://www.awi.co.jp/bp/pg/laser.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のようにバッファタンクからレーザ加工機に窒素を供給する場合、バッファタンク内にはレーザ加工機が要求する窒素の圧力より高い圧力で窒素を貯留しておく必要があり、例えば、レーザ加工機が要求する窒素の圧力が3MPaの場合は、バッファタンク内に5MPa程度の圧力で窒素を貯留する必要があった。この場合、バッファタンクからレーザ加工機に窒素を供給可能なバッファタンク内の圧力は3MPa以上であるから、バッファタンク内の圧力が3MPaに低下するとレーザ加工機に窒素を供給することはできず、バッファタンク内の窒素を有効に利用することはできなかった。
【0006】
したがって、レーザ加工機の窒素使用量の変動が大きい場合には、最大窒素使用量に対応させるため、レーザ加工機の平均的な窒素使用量に比べて窒素発生量が多いPSA装置や大容量あるいは複数のバッファタンクを必要とし、窒素供給装置におけるコストアップの要因となっていた。
【0007】
なお、バッファタンクを設けない場合は、レーザ加工機の最大窒素使用量以上の窒素発生能力を有するPSA装置を設置しなければならず、大幅なコストアップとなる。また、PSA装置の内蔵バッファタンクは、発生する窒素の純度均一化や圧力変動緩和などを主目的とするものであり、高圧の窒素を大量に貯留する機能は備えていない。
【0008】
そこで本発明は、バッファタンク内に貯留した窒素の有効利用を図ることができ、PSA装置やバッファタンクの小型化を図ることができるレーザ加工機用窒素供給装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明のレーザ加工機用窒素供給装置は、窒素を発生させる窒素発生手段と、該窒素発生手段で発生した窒素をあらかじめ設定された貯留圧力に昇圧する昇圧機と、該昇圧機で昇圧した窒素を貯留するバッファタンクと、該バッファタンク内の窒素をレーザ加工機に供給する窒素供給経路とを備えたレーザ加工機用窒素供給装置において、前記昇圧機よりも吐出量が多い第2昇圧機を備えた第2窒素供給経路を前記窒素供給経路に対して並列に設け、前記窒素供給経路に第1開閉弁を、前記第2窒素供給経路における前記第2昇圧機の吸入側に第2開閉弁をそれぞれ設けるとともに、前記バッファタンク内の圧力を検出し、検出した圧力があらかじめ設定された切換圧力以上のときには前記第1開閉弁を開いて前記第2開閉弁を閉じ、検出した圧力が前記切換圧力未満のときには前記第1開閉弁を閉じて前記第2開閉弁を開く圧力スイッチを設けたことを特徴としている。
【0010】
さらに、本発明のレーザ加工機用窒素供給装置は、前記第2窒素供給経路における前記第2昇圧機と前記第2開閉弁との間に、第3開閉弁を介して外部窒素供給源からの窒素を前記第2窒素供給経路に導入する外部窒素導入経路を設けるとともに、前記圧力スイッチは、前記バッファタンク内の圧力があらかじめ設定された下限圧力未満のときに、前記第3開閉弁を開いて前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を閉じるように形成することができる。また、前記窒素発生手段は、純度99.999%以上の窒素を発生するPSA装置であることが好ましく、前記第2昇圧機が、吸入側圧力があらかじめ設定された運転圧力に到達したときに自動的に運転を開始し、吸入側圧力が前記運転圧力を下回ったときに自動的に停止するものであることが好ましい。
また、前記昇圧機は、レーザ加工機の窒素の平均使用量に対応した吐出量を有するものであり、前記第2昇圧機は、レーザ加工機における窒素の最大窒素使用量に対応した吐出量を有するものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明のレーザ加工機用窒素供給装置によれば、バッファタンク内の圧力が切換圧力以上のときには第1開閉弁を開いて窒素供給経路からバッファタンク内の圧力で窒素をレーザ加工機に供給し、バッファタンク内の圧力が切換圧力未満のときには第2開閉弁を開いて第2昇圧機で昇圧した窒素を第2窒素供給経路からレーザ加工機に供給するので、バッファタンク内の圧力が低くなってもレーザ加工機に窒素を供給することができる。これにより、窒素発生手段で発生させた窒素を無駄なく利用できるとともに、レーザ加工機に供給可能な窒素量が増大するため、窒素使用量の変動が大きなレーザ加工機に窒素を供給するための窒素発生手段や昇圧機、バッファタンクといった機器の小型化を図ることができる。また、同程度の能力の機器を使用した場合は、運転に余裕が生じるので、消費動力の削減を図ることが可能である。
【0012】
さらに、外部窒素導入経路を設けておくことにより、レーザ加工機の窒素使用量が急激に増大したときなどに、装置外に設けられている窒素ボンベや液化窒素貯槽などからの窒素を第2昇圧機で昇圧してレーザ加工機に供給することができる。また、窒素発生手段として、純度99.999%以上の窒素を発生するPSA装置を使用することにより、窒素中に残存する酸素を除去するための精製装置を設ける必要がなくなり、装置コストを低減することができる。さらに、第2昇圧機として、吸入側圧力の変動に応じて自動的に運転及び停止を行う昇圧機を使用することにより、制御手段を別途設けることなく、圧力スイッチによる各開閉弁の開閉のみで窒素の供給経路を自動的に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明のレーザ加工機用窒素供給装置の一形態例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本形態例に示すレーザ加工機用窒素供給装置は、原料空気圧縮機11で圧縮した空気を原料として窒素を発生させる窒素発生手段であるPSA装置(圧力変動吸着式窒素発生装置)12と、該PSA装置12で発生した窒素をあらかじめ設定された貯留圧力に昇圧する昇圧機(第1昇圧機)13と、該第1昇圧機13で昇圧した窒素を貯留するバッファタンク14と、該バッファタンク14内の窒素をレーザ加工機(図示せず)に供給する窒素供給経路(第1窒素供給経路)15と、該第1窒素供給経路15に設けられた第1開閉弁16と、前記第1窒素供給経路15の前記第1開閉弁16より上流側から分岐して第1窒素供給経路15に対して並列に設けられた第2窒素供給経路17と、該第2窒素供給経路17に設けられた第2開閉弁18及び該第2開閉弁18の下流側に設けられた第2昇圧機19とを備えている。
【0015】
さらに、本形態例に示すレーザ加工機用窒素供給装置には、第2窒素供給経路17における第2開閉弁18と第2昇圧機19との間に接続した外部窒素導入経路20と、該外部窒素導入経路20に設けられた第3開閉弁21とを備えている。また、前記第1開閉弁16、第2開閉弁18及び第3開閉弁21の開閉操作を、前記バッファタンク14内の圧力に応じて行う圧力スイッチ(PS)22が設けられており、レーザ加工機用窒素供給装置とレーザ加工機とを接続する窒素供給用配管23には、レーザ加工機への供給圧力をあらかじめ設定された圧力に調節するための減圧弁24が設けられている。
【0016】
圧力スイッチ22は、バッファタンク14内の圧力を検出し、検出した圧力があらかじめ設定された切換圧力以上のときには第1開閉弁16を開、第2開閉弁18及び第3開閉弁21を閉とし、検出した圧力が前記切換圧力未満で、かつ、あらかじめ設定された下限圧力以上のときには第2開閉弁18を開、第1開閉弁16及び第3開閉弁21を閉とし、検出した圧力が前記下限圧力未満のときには第3開閉弁21を開、第1開閉弁16及び第2開閉弁18を閉とするように設定されている。
【0017】
PSA装置12は、吸着剤を充填した吸着筒の圧力を変動させることによって空気中の窒素を濃縮する周知のPSA装置を使用することができ、好ましくは、吸着剤の種類や運転条件を適宜選択することによって純度99.999%以上の窒素を発生することができるPSA装置を使用する。PSA装置12で発生した窒素中の酸素残量が多い場合は、必要に応じて精製装置を付加することにより、酸素を除去して窒素純度を上げることができる。
【0018】
PSA装置12及び第1昇圧機13は、レーザ加工機が要求する窒素使用量に応じた能力のものが用いられ、通常は、レーザ加工機の稼働時間内における平均使用量を賄える能力を有するものが選定される。また、バッファタンク14は、レーザ加工機における窒素使用量の変動状態に応じた容積のものが用いられ、通常は上限圧力が5MPa以下に設定され、大量の窒素を貯留する必要があるときには、複数のバッファタンクを設置することができる。
【0019】
第2昇圧機19は、レーザ加工機における最大窒素使用量に対応した吐出量を有するものが用いられており、通常は、窒素の平均使用量に対応した第1昇圧機13の吐出量に対して2倍程度の吐出量を有する昇圧機が第2昇圧機19として用いられる。また、第1昇圧機13の吐出圧は、バッファタンク14の上限圧力以上、第2昇圧機19の吐出圧は、レーザ加工機への供給圧力以上の能力を有していればよい。さらに、第2昇圧機19には、吸入側圧力があらかじめ設定された運転圧力に到達したときに自動的に運転を開始し、吸入側圧力が前記運転圧力を下回ったときに自動的に停止あるいはアイドリング状態となる昇圧機を用いることが好ましい。
【0020】
各開閉弁16,18,21には、圧力スイッチ22からの信号で開閉作動可能な周知の電動弁や空圧弁を使用することができる。また、外部窒素導入経路20には、高圧窒素ガスを充填したボンベや液化窒素貯槽などの適宜な窒素供給源を接続しておくことができる。
【0021】
このように形成されたレーザ加工機用窒素供給装置を使用してレーザ加工機に窒素を供給する運転状態を以下に説明する。なお、ここでは、レーザ加工機への窒素供給圧力は3MPa、バッファタンク14の上限圧力は5MPa、圧力スイッチ22に設定した切換圧力は3.5MPa、下限圧力は1MPaとする。
【0022】
まず、準備段階としてPSA装置12及び第1昇圧機13の運転を開始し、バッファタンク14内に昇圧した窒素を充填する。バッファタンク14内の圧力が上限圧力、例えば5MPaに達すると、第1昇圧機13がアイドリング状態となり、第1昇圧機13の吸入側圧力、即ちPSA装置12の出口側圧力が上昇することによってPSA装置12の原料空気圧縮機11もアイドリング状態となって待機状態となる。この待機状態では、前記圧力スイッチ22の検出圧力が前記切換圧力以上であるから、第1開閉弁16は開状態で、第2開閉弁18及び第3開閉弁21は共に閉状態となっている。
【0023】
レーザ加工機が稼働して窒素の使用を開始すると、バッファタンク14内に貯留された高圧の窒素が、第1開閉弁16を経て第1窒素供給経路15を通り、配管23の減圧弁24で圧力を3MPaに調節されてレーザ加工機に供給される。レーザ加工機への窒素の供給に伴い、バッファタンク14内の圧力が低下していくと、第1昇圧機13及び原料空気圧縮機11がアイドリング状態から運転状態となり、PSA装置12から発生する窒素の純度が規定値以上になると第1昇圧機13で昇圧した窒素がバッファタンク14内に導入される。レーザ加工機の窒素使用量が比較的少ない場合は、PSA装置12で発生し、第1昇圧機13で昇圧され、バッファタンク14内に導入された高圧の窒素が第1窒素供給経路15を通ってレーザ加工機に供給される運転状態と、前述の待機状態とが繰り返される。
【0024】
レーザ加工機における窒素使用量が増大してバッファタンク14内に貯留された窒素の圧力が前記切換圧力の3.5MPa未満に低下すると、圧力低下を検出した前記圧力スイッチ22が作動することによって第1開閉弁16が開状態から閉状態に、第2開閉弁18が閉状態から開状態になり、バッファタンク14内の窒素が第2窒素供給経路17を通って第2昇圧機19によって3MPa以上に昇圧された後、配管23の減圧弁24で圧力を3MPaに調節されてからレーザ加工機に供給される。
【0025】
第2窒素供給経路17から窒素を供給している状態が長く継続し、バッファタンク14内の圧力が下限圧力の1MPa未満まで低下すると、圧力スイッチ22によって第2開閉弁18が閉状態に、第3開閉弁21が開状態に切り替えられ、装置外部に設けられている窒素供給源からの窒素が外部窒素導入経路20を通って第2昇圧機19の吸入側に導入され、第2昇圧機19で昇圧されてからレーザ加工機に供給される。
【0026】
外部窒素導入経路20から窒素を導入している間は、バッファタンク14内の窒素は消費されないので、PSA装置12で発生した窒素が第1昇圧機13で昇圧されてバッファタンク14内に導入されることにより、バッファタンク14内の圧力は次第に上昇する。バッファタンク14内の圧力が前記下限圧力以上になると、第3開閉弁21が閉状態、第2開閉弁18が開状態となり、バッファタンク14内の窒素が第2窒素供給経路17、第2昇圧機19を通ってレーザ加工機に供給される状態となる。
【0027】
レーザ加工機の窒素使用量が減少し、PSA装置12から第1昇圧機13を経てバッファタンク14内に導入される窒素量がレーザ加工機への窒素供給量を上回るとバッファタンク14内の圧力が次第に上昇し、前記切換圧力以上に上昇すると、圧力スイッチ22によって第1開閉弁16が開状態に、第2開閉弁18が閉状態に切り替えられ、バッファタンク14から第1窒素供給経路15を通ってレーザ加工機に窒素が供給される。また、第2開閉弁18が閉じることによって第2昇圧機19は運転を停止、あるいは、アイドリング状態となる。
【0028】
このように、バッファタンク14内の圧力が低下して第1窒素供給経路15からの窒素供給が困難になったときに、窒素供給を第1窒素供給経路15から第2窒素供給経路17に切り替えて第2昇圧機19で昇圧した窒素をレーザ加工機に供給することにより、バッファタンク14内の窒素を有効に利用することができる。これにより、PSA装置12で発生させた窒素を無駄なく利用できるとともに、レーザ加工機に供給可能な窒素量が増大するため、窒素使用量の変動が大きなレーザ加工機に対しても安定した状態で窒素を供給することができる。
【0029】
さらに、外部窒素導入経路20を設けておくことにより、装置外に設けられている窒素供給源から窒素を導入し、第2昇圧機19で昇圧してレーザ加工機に供給することができるので、レーザ加工機の窒素使用量が急激に増大した場合にも対応することができる。また、純度99.999%以上の窒素を発生するPSA装置12を用いることにより、窒素中に残存する酸素を除去するための精製装置を設ける必要がなくなり、装置コストやランニングコストの低減を図ることができる。さらに、第2昇圧機19として、吸入側圧力の変動に応じて自動的に運転及び停止を行う昇圧機を使用することにより、制御手段を別途設けることなく、圧力スイッチ22による各開閉弁16,18,21の開閉のみの操作で第2昇圧機19の運転や停止を自動的に行うことができる。
【0030】
なお、外部窒素導入経路は、必要に応じて設ければよく、PSA装置などの窒素発生手段で発生した窒素中に残存する酸素が多い場合は、酸素を除去する精製装置を設けることができる。また、バッファタンク内の圧力やレーザ加工機への窒素供給量に基づいて窒素発生手段、各昇圧機、各開閉弁を集中的に制御、監視する制御手段を設けることもできる。
【符号の説明】
【0031】
11…原料空気圧縮機、12…PSA装置、13…第1昇圧機、14…バッファタンク、15…第1窒素供給経路、16…第1開閉弁、17…第2窒素供給経路、18…第2開閉弁、19…第2昇圧機、20…外部窒素導入経路、21…第3開閉弁、22…圧力スイッチ、23…窒素供給用配管、24…減圧弁