特許第5755225号(P5755225)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5755225経皮電気的神経刺激装置を保持する包帯用のアセンブリ配置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5755225
(24)【登録日】2015年6月5日
(45)【発行日】2015年7月29日
(54)【発明の名称】経皮電気的神経刺激装置を保持する包帯用のアセンブリ配置
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20150709BHJP
   A61N 1/04 20060101ALI20150709BHJP
【FI】
   A61N1/36
   A61N1/04
【請求項の数】11
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-515295(P2012-515295)
(86)(22)【出願日】2010年6月14日
(65)【公表番号】特表2012-532631(P2012-532631A)
(43)【公表日】2012年12月20日
(86)【国際出願番号】BR2010000198
(87)【国際公開番号】WO2010144982
(87)【国際公開日】20101223
【審査請求日】2013年4月2日
(31)【優先権主張番号】MU8901002-7
(32)【優先日】2009年6月15日
(33)【優先権主張国】BR
(31)【優先権主張番号】09174137.1
(32)【優先日】2009年10月27日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】511305564
【氏名又は名称】メデセル ド ブラジル コマーシオ エ インポルタソン エルティーディーエー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モアシール ラモス ビゲッティ
【審査官】 宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2006/113801(WO,A2)
【文献】 国際公開第2009/064641(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/026588(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0181341(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/00 − A61N 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
経皮電気的神経刺激装置を使用者の身体に保持する長い包帯(10)用のアセンブリ配置であって、
(a)2つの電極(70)間の電流を制御するダッシュボードが取り付けられる中央モジュール(11)と、
(b)前記中央モジュール(11)の2つの側方タブ(12)であって、互いに反対側に位置して、使用者の身体との接触に適合しかつゲル層(90)によって覆われる前記電極(70)の1つずつと関連する側方タブ(12)と、
を備え、
(c)前記ダッシュボードは、4つのボタン(20,40,50,60)とLED(30)を備え、前記LED(30)は、点灯したときに前記装置が作動中であることを示し、前記ボタン(20)は、前記装置のオンまたはオフを切り替えるためのON/OFFのボタンであり、他の3つのボタン(40,50,60)は、前記電極間の電流を独立して3つの刺激の強さのレベルに制御するためのものであって、前記ON/OFFのボタン(20)がオンのときに前記電極(70)間に低レベルの電流を供給することによって、低レベルの強さの刺激を与える低レベルボタン(40)と、前記ON/OFFのボタン(20)がオンのときに前記電極(70)間に中レベルの電流を供給することによって、中レベルの強さの刺激を与える中レベルボタン(50)と、前記ON/OFFのボタン(20)がオンのときに前記電極(70)間に高レベルの電流を供給することによって、高レベルの強さの刺激を与える高レベルボタン(60)と、を含み、
(d)前記中央モジュールの厚さは、前記側方タブ(12)、前記電極(70)、および前記ゲル層(90)の合計の厚さよりも大きく、
(e)前記3つのボタン(40,50,60)は、前記ダッシュボードの表面から突出しかつ一列に並べられる
ことを特徴とするアセンブリ配置。
【請求項2】
前記タブ(12)は丸められた端部を有することを特徴とする請求項1に記載の経皮電気的神経刺激装置を保持する包帯(10)用のアセンブリ配置。
【請求項3】
前記電極(70)は円形状であることを特徴とする請求項1に記載の経皮電気的神経刺激装置を保持する包帯(10)用のアセンブリ配置。
【請求項4】
前記ゲル層(90)は、使用の前に、取外し可能なシート(13,14)によって保護されることを特徴とする請求項に記載の経皮電気的神経刺激装置を保持する包帯(10)用のアセンブリ配置。
【請求項5】
前記オン/オフのボタン(20)、前記LED(30)、および電流(50)のレベルを制御するための1つのボタン、電流レベルを制御するための前記3つのボタン(40,50,60)の配列と交差するように一列に並べられることを特徴とする請求項1に記載の経皮電気的神経刺激装置を保持する包帯(10)用のアセンブリ配置。
【請求項6】
前記包帯(10)は、長さと幅の比が3:1であることを特徴とする請求項1に記載の経皮電気的神経刺激装置を保持する包帯(10)用のアセンブリ配置。
【請求項7】
前記中央モジュールと前記側方タブ(12)の長さは、同じであることを特徴とする請求項1に記載の経皮電気的神経刺激装置を保持する包帯(10)用のアセンブリ配置。
【請求項8】
前記側方タブ(12)の長さと幅の比が1:1であることを特徴とする請求項1に記載の経皮電気的神経刺激装置を保持する包帯(10)用のアセンブリ配置。
【請求項9】
前記包帯(10)の長さは15cm、前記中央モジュール(11)および前記側方タブの長さは5cm、前記包帯(10)の幅はcmであることを特徴とする請求項1に記載の経皮電気的神経刺激装置を保持する包帯(10)用のアセンブリ配置。
【請求項10】
前記中央モジュールの厚さは0.7cm、前記側方タブ(12)、前記電極(70)、および前記ゲル層(90)は、0.3cmの合計の厚さを有することを特徴とする請求項に記載の経皮電気的神経刺激装置を保持する包帯(10)用のアセンブリ配置。
【請求項11】
前記中央モジュールの幅は、前記側方タブ(12)の幅よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の経皮電気的神経刺激装置を保持する包帯(10)用のアセンブリ配置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、TENS、つまり”経皮電気的神経刺激装置(transcutaneous electric nerve stimulator)”として知られる技術に用いられる、経皮電気的神経刺激装置を保持する包帯用のアセンブリ配置に関する。特に、携帯可能、使い捨て可能、および小型なタイプのための包帯に関連する。
【背景技術】
【0002】
経皮神経の電気的な刺激は、単純であって、非侵襲的鎮痛技術(noninvasive analgesic technique)である。この技術には様々な既知の使用があり、急性の良性慢性痛(acute non-malignant chronic pain)の対症的管理を含む。技術文献におけるレポートは、このタイプの刺激の使用は、抗嘔吐作用と治療効果もあると述べている。
【0003】
特に、刺激は、パルス発生器における電流の発生によって行われ、それは、電極として知られる接触ポイントを通して皮膚の2つのエリア間に与えられる。専門的な個人が知っているように、痛覚のエリアに感覚異常を生じさせるほど強い毎秒1−25パルスの周波数、および50−1000μ秒のパルス幅の使用を除いて、効果的な電気刺激は快適でなければならない。
【0004】
刺激に関する参考刊行物は、非特許文献1の本である。
【0005】
TENS装置を用いる包帯は、時代の最先端技術として知られている。
【0006】
既知のモデルのいくつかは携帯可能ではなく、つまり、患者の身体に置かれる電極が大型の電気制御モジュールに接続されるように組み立てられる。これのユニットは、電気的刺激装置が使用可能な場所に患者が置かれたときに用いられ、つまり、患者がそれらを、治療されるべき範囲に接続するワイヤと共に身に付けることを可能とするように、ベルトや他の手段の中に位置されるであろう。
【0007】
この状況を考慮して、装置が使用可能な場所に患者を移動させる必要がなくて、使用を容易とするために、どこでも患者によって使用される形態モジュールが開発されている。いくつかの例は、特許文献1,2の実用モデルに見ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第02/089911号パンフレット
【特許文献2】国際公開第01/03768号パンフレット
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Electrotherapy: Evidence-based Practice, Elsevier Health Sciences, editor: Tim Watson, chapter 17 by Mark Johnson “Transcutaneous electrical nerve stimulation (TEMS)”, p. 259-286, April 2008.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
最先端の技術において見られる解決法は、それらの携帯性が与えられた使用に技術的に適合可能であるが、単純で非威圧的外観の使い捨て製品、および、使用者が複雑な装置に対処する必要がないように使用者によって使用が直感的に認識できることの要求もあり、また、それが極めて低レベルの電流(それは効果のない)または高レベルの電流(患者に不快感や痛みを生じさせる可能性がある)、および再使用または捨てられることを避けるために、特に、それが安全かつ効果的であることが要求される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
実用モデルにおける包帯の形状の利点は、それが人体の各部分に人間工学的にフィットすることであり、電極が、それをの間に適当な間隔をもって使用者の皮膚と接触することを可能とし、使用者の思い通りの制御下において、低、中、高の強さの痛みを治療するための効果的な電流の流れを補償する。
【0012】
他の利点は、厚さ、大きさ、および、包帯の構成部品の割合が、注目されることなく、全く目立たない方法で患者の衣服の下において使用されるために充分に小さいことである。
【0013】
この実用モデルの他の注目点は、包帯と関連するTENSを制御するためのボタンの配列であり、それは、それらの機能が即座に理解されて、使用が最初から安全であることを意味する。
【0014】
したがって、この設計は、経皮電気的神経刺激装置を保持する包帯用のアセンブリ配置に関して革新的なものであり、長い片を備えることによって特徴付けられ、その片は、
2つの電極間の電流を制御するダッシュボードが取り付けられる中央モジュールと、
前記中央モジュールの2つの側方タブであって、互いに反対側に位置して、使用者の身体に接触するために前記電極の1つずつと関連する側方タブと、
を、持ち、
前記ダッシュボードは、4つのボタンとLEDを持ち、
前記LEDは、点灯したときに前記装置が作動中であることを示すためのものであり、
1つのボタンは、前記装置のオンまたはオフを切り替えるためのものであり、
他の3つのボタンは、前記電極間の電流を独立して制御するためのものである。
【0015】
前記中央モジュール(これは、本実用モデルには決定されない)は、1つ以上の電気回路、およびTENS装置の機能のための電力を供給するバッテリーを備える。
【0016】
特別な特徴として、中央モジュール側方タブは、丸められて(rounded)より人間工学的な端部(more ergonomic ends)を有する。この点において、さらに特別な特徴として、電極は円形状であって、中央モジュールにおける側方タブの端部の近くに配置される。
【0017】
これらのタブは、何らかの、ラミネートされ構造材料、典型的な不織布、本実用モデルとは関係を持たない特徴のものによって構成される。その材料は、中央モジュールを囲むように、1つのタブの端部から、反対側のタブの端部まで延在する。
【0018】
さらに特別な特徴として、中央モジュールの側方タブのそれぞれの側における電極のそれぞれは、ゲルの層によって被覆され、それは、電流の流れと、使用者の皮膚に対する包帯の充分な密着を促進する。
【0019】
さらに特別な特徴として、これらのゲルの層のそれぞれは、包帯の使用前に、取外し可能なシートによって保護される。
【0020】
さらに特別な特徴として、ダッシュボードには、低、中、高の電流に対応する電流レベルを制御するための3つのボタンが装備される。
【0021】
さらに特別な特徴として、使用者に供給される電流を個別に制御するためのこれら3つのボタンは、一列に並べられ、弱、中、および強、あるいは強、中、および弱の電流の論理的な順序順で配列される。
【0022】
さらに特別な特徴として、ON/OFFボタン、LEDボタン、中レベル電流アクチュエータボタン(medium-level actuator button)は、弱、中、および強の電流のレベルのための3つのボタンの配列と交差するように、一列に配列される。
【0023】
さらに特別な特徴として、ON/OFFボタンは、例えば、3秒の長期間押下されることにより、使用される電流を一定(steady)およびパルス(pulsed)との間で切り替える機能と関連する。電流がパルスのときは、LEDは、点滅することにより、そのことを示してもよい。
【0024】
包帯の長さと幅の特別な比は3:1であり、その長さは、同じ桁の長さ(lengths of the same order of magnitude)の3つの部分(segments)、すなわち中央モジュールを保持する中央部分、側方タブを構成する端部分と、に分けられる。特別な特徴として、中央モジュールは、側方タブよりもわずかに狭い。
【0025】
さらに特別な特徴として、側方タブの長さと幅の比が1:1である。
【0026】
さらに特別な特徴として、包帯の長さは約15cmである。
【0027】
さらに特別な特徴として、中央モジュールの形態は四辺形であるが、側方タブは、中央モジュールを含む四辺形の一側と共通する一側と、中央モジュールと反対側の丸められた端部をもつ一側と、を有し、これらの2つの反対の側部は、2つの対向する平行な側部によってつなげられる。
【0028】
本実用モデルの実施形態の例は、ここでの意図が教示的な図解および本実用モデルの異なる形態を説明することであるので、必ずしも実際の製品と対応する必要のない寸法および比率をもって、以下に示される。本例は説明的なものであり、添付した請求項における表現を超えたどんな追加の限定を強いるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】包帯の上面図である。
図2A】未だ定位置にある取外し可能な保護膜が付いた包帯の下面図である。
図2B】包帯の断面図である。
図3】取外し可能な保護膜が取り外された包帯の下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図面は、本実用モデルを用いる包帯用のアセンブリ配置を示す。
【0031】
特に図1について、それは、中央モジュール11を備える包帯10を示し、その長さはAであり、長さがBの側方タブ12に装着されている。それらの側方タブ12の幅は、Cであり、端部80で丸められている。中央モジュール11(不図示のTENS装置の回路とバッテリーを内蔵する)は、Cよりもわずかに狭く、ボタン20,40,50,60、およびLED30が装着されている。ボタン20は、ダッシュボード(dashboard)のオンまたはオフの切り換えをし(例えば、3秒の長期間圧迫される場合に、随意的に、電流を一定およびパルスとの間で切り替えるために用いてもよい)、LED20は、TENS装置の作動中に点灯し、ボタン40,50,60は、文字L,M,およびH(「低」,「中」,「高」)で示されていて、電流レベルを低、中、および高のそれぞれに制御する。
【0032】
図1中の点線は電極70の輪郭を示し、本例において、それらは円形状である。その点線は、実製品には存在せず、図3に詳細に示されているように、それらの電極がここに示される側と反対の側に配置されていることの教授を目的として、表示することを意図している。
【0033】
図2Aおよび2Bにおいて示される使用前の包帯10の裏面上には、電極70の周囲のゲル層90を保護するための取り外し可能シート13および14が取り付けられている。図3は、包帯10の裏面から取り外された取外し可能シート13および14を示し、ゲル層90が電極を覆って、製品を用いて患者の身体に接触することを示す。
【0034】
電極70は、電気コネクタ15によって、ダッシュボードに電気的に接続される。
【0035】
この具体例において、一側のタブ12の端部から反対側のタブの端部までの距離は、B+A+Bの合計に対応する15.2cmであり、Bは5cmをわずかに超え、Aは5cmをわずかに下回り、Cは5.2cmであり、さらに、中央モジュール11の幅は4cmである。中央モジュールの厚さは0.7cmであり、さらに、側方タブ12の厚さは、電極70およびゲル層90を含めて0.3cmである。
【0036】
繰り返すと、記述された例は、経皮電気的神経刺激装置を保持する包帯のための、本実用モデルのアセンブリアレンジメントの単なる1つの具体例である。当業者であれば、提供された記述によって他の可能な例がもたらされること、および、添付した特許請求の範囲によってそれらが保護されることも理解するであろう。
図1
図2A
図2B
図3