特許第5755267号(P5755267)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5755267整列走行するカップに具材を供給する装置およびその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5755267
(24)【登録日】2015年6月5日
(45)【発行日】2015年7月29日
(54)【発明の名称】整列走行するカップに具材を供給する装置およびその方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 1/04 20060101AFI20150709BHJP
   B65B 57/06 20060101ALI20150709BHJP
【FI】
   B65B1/04
   B65B57/06
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-26313(P2013-26313)
(22)【出願日】2013年2月14日
(65)【公開番号】特開2014-151964(P2014-151964A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2014年1月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】593178317
【氏名又は名称】株式会社シンセイ
(74)【代理人】
【識別番号】100061310
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 郁二
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 伸男
(72)【発明者】
【氏名】小野 茂樹
【審査官】 加藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】 特許第3712172(JP,B2)
【文献】 登録実用新案第3144939(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 1/04
B65B 57/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
4列等にて整列走行するカップの整列走行ライン上に具材を収容するタンクと該タンクの下出口につながる具材通路と、該具材通路に具材を落下させる落下口と該落下口下に下向きのシュートとを設け、該シュート下に該整列走行する各カップに具材を分配供給する複数個の供給筒を該カップの整列ライン幅内に収まるように隙間のない4列2行等の四角形状に集中配設し、90度角を挟んで設ける縦横2本のクランクシャフトの交互作動により該シュートの下半を該供給筒群上において横方向と縦方向に交互に振り作動させて該シュート内に流入する具材を該各供給筒に振り分け入れして直下を整列走行する4列等の該各カップに該各供給筒を通して自動供給し、さらに該具材通路を具材の落下口より外方に延長する延長部と該落下口に蓋を設けて該カップの整列走行ラインの故障等による走行不能時に該落下口を蓋閉じして具材を具材通路の延長部に流して具材通路の目詰まりを防止するとともに流し具材を延長部端にて回収するようにしたことを特徴とする整列走行するカップに具材を供給する装置。
【請求項2】
4列等にて整列走行するカップの整列走行ライン上のタンクより具材通路を通って落下する具材の落下口下に下向きのシュートを設け、該シュート下に該整列走行する各カップに具材を分配供給する複数個の供給筒を該カップの整列ライン幅内に収まるように隙間のない4列2行等の四角形状に集中配設し、縦横2本のクランクシャフトの交互作動により該シュートの下半を該供給筒群上において横方向と縦方向に交互に振り作動させて該シュート内に落下する具材を該各供給筒に振り分け入れして直下を整列走行する4列等の各カップに該各供給筒を通して自動供給し、且つ該具材通路を落下口より外方に延長して該カップの整列走行ラインの故障等による走行不能時に該落下口を蓋閉じして具材を具材通路の延長側に流して具材通路の目詰まりを防止するとともに具材を延長側端にて回収するようにしたことを特徴とする整列走行するカップに具材を供給する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、整列走行するカップに具材を供給する装置およびその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リテーナーコンベアにより麺などの食材を充填して吊下げ整列走行するカップ内に上方からネギ,小エビ,肉,卵,スープの素などの具材を自動供給する装置として特許第3712172号公報は、複数個の円形をした供給筒を平面視円形または多角形状に間隔を置いて配設し、具材タンクにつながるシュートを円回転させて具材を各供給筒に順次注入して下の小供給筒を通して具材を整列走行するカップ内に自動供給することを記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第号3712172公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、装置の中心をなす円形の供給筒を間隔を置いて円形または多角形状に配設する構成は具材の受け入れを多とする関係で各供給筒が大形となることから円形または多角形状が著しく大型となって、狭い間隔で2編成以上のカップ整列走行ラインを設けてなる既設のライン上には互いに衝突することが生じて取付けられないという課題がある。
【0005】
また、装置が総体に大型で重くしかも複雑な構成によって点検,清掃のための分解組立てを容易でないものにしているという課題がある。
【0006】
さらに大きな欠陥として具材を収容するタンクにつながるシュートを目詰まりを防止するために具材を流し放しにしていることから、カップの整列走行が故障などにより走行不能となると具材がシュート,供給筒から溢れだして周囲に四散して、すべての具材を無駄にするほか、清掃に難儀するという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ネギ,小エビ,肉,卵,スープの素などより1種乃至数種の具材を収容したタンクの下出口につながる具材通路の中間下の落下口下にシュートを取付け、該シュート下に小角形とする複数個の供給筒を4列2行等の四角形状にコンパクトに集中配設し、該シュートの下半を90度角を挟んで設ける2組のクランクシャフトにて縦横に振り作動させてシュート内に流入する具材を各供給筒に振り分け入れして、該各供給筒を通して直下を4列等にて整列走行する麺入り等の各カップ内に具材を自動供給するようにし、さらにタンクの下出口につながる具材通路を中間の落下口より外方に延長して前記のカップが何等かの理由による走行不能時に落下口を蓋閉じして具材を具材通路の延長側に流し延長端にて回収するようにして、前記したすべての課題を解決するようにしたのである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、装置の中心をなす複数個の供給筒を小角形にして4列2行等のコンパクトな四角形状に集中配設したので、4列等にて整列走行するカップの走行ラインと同幅かそれ以内にとどめることができて、狭い間隔にて2編成以上において並設する既設のカップの整列走行ライン上にも余裕をもって容易に取付けることができるという効果を生ずる。
【0009】
供給筒群がコンパクトな四角形状で軽量且つ簡素になることによって点検,清掃のための分解,組立てが容易になるという効果を生ずる。
【0010】
タンクにつながる具材通路を中間の落下口より外方に延長して、カップ走行ラインが万一故障等により走行不能になるときも、具材を延長した外方に流して回収することで具材通路の目詰まりと具材の無駄と四散を防止することができるという効果を生ずる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施例の正面図
図2】同、供給筒から下を示す平面図
図3】シュートの横振れ作動を示す説明正面図
図4】同、縦振れ作動を示す説明側面図
図5】カップの走行不能時に落下口を蓋閉じして具材を延長部に流し回収しつつある状態を示す正面図
図6】第2実施例を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、4列等にて整列走行するカップの整列走行ライン上に具材を収容するタンクと該タンクの下出口につながる具材通路と、該具材通路に具材を落下させる落下口と該落下口下に下向きのシュートとを設け、該シュート下に該整列走行する各カップに具材を分配供給する複数個の供給筒を該カップの整列ライン幅内に収まるように隙間のない4列2行等の四角形状に集中配設し、90度角を挟んで設ける縦横2本のクランクシャフトの交互作動により該シュートの下半を該供給筒群上において横方向と縦方向に交互に振り作動させて該シュート内に流入する具材を該各供給筒に振り分け入れして直下を整列走行する4列等の該各カップに該各供給筒を通して自動供給し、さらに該具材通路を具材の落下口より外方に延長する延長部と該落下口に蓋を設けて該カップの整列走行ラインの故障等による走行不能時に該落下口を蓋閉じして具材を具材通路の延長部に流して具材通路の目詰まりを防止するとともに流し具材を延長部端にて回収するようにしたのである。
【実施例1】
【0013】
以下図1乃至図5に基づいて第1実施例を説明する。
図1に示すように具材Gを収容するタンク1の下出口2につながる具材通路3はベルトコンベア3aを有して下出口2より流出する具材Gを乗せて中間下の落下口4より下向きのシュート5内に流入させ、タンク1側に設けるクランクシャフト6と90度角を挟んで側方に設けるクランクシャフト7の交互作動により第3図および第4図に示すようにシュート5の下半を縦横に振り作動して4列2行の供給筒8を通して下の麺入り等して4列走行する各カップK内に具材Gを自動供給する。8aは各供給筒8の下端に設けた開閉蓋で、間歇走行するカップKの停止タイミングに合わせて開いて具材GをカップK内に供給するのである。4列にて走行するカップには前後2行のカップKに具材Gが交互に供給されることになる。
【0014】
麺入りの不良等によりカップKが走行不能となったときは、図5に示すようにタンク1につながる具材通路3の中間下の落下口4を蓋9閉じして通路3の延長部3bに具材Gを流し、回収部10にて回収して、具材通路3の目詰まりを防止するとともに具材Gの無駄と四散を防止する。
【実施例2】
【0015】
図6は第2実施例であって、具材収容のタンク1を2個並設しそれぞれの下出口1につながる具材通路3を2列にして異なる具材GをカップK内に混合落入するようにしたもので、その他の構成と作用は第1実施例と同じである。
なお、具材収容のタンク1は3個以上にすることもできる。3列以上の具材通路3から下向きのシュート5内に3種以上の具材が混合して落入することとなる。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本発明は、装置の中心をなす複数個の供給筒を小角形にして4列2行等のコンパクトな四角形状に集中配設したので、既設の狭い間隔のカップ走行ライン上にも余裕をもって容易に取付けることができ、且つ小型化による軽量化にて分解組立てを伴う点検,清掃も容易となり、さらには具材をカップの走行不能時に回収可能にしたことで広く利用されるものである。
【符号の説明】
【0017】
1は具材収容のタンク
2は下出口
3は具材通路
3aはベルトコンベア
3bは具材通路の延長部
4は中間の落下口
5はシュート
6はタンク1側のクランクシャフト
7はクランクシャフト6と90度角を挟んで側方に設けるクランクシャフト
8は供給筒
8aは供給筒の下端の開閉蓋
9は落下口の蓋
10は回収部
図1
図2
図3
図4
図5
図6