(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
3Dモードでマルチビュー映像を表示する表示パネルと、前記マルチビュー映像を分離するために、前記表示パネル上に配置されて、前記3Dモードでバリアを形成するスイッチャブルバリアとを備える立体映像表示装置の駆動方法であって、
カメラにより撮影された前記表示パネル全面のイメージを分析してユーザ位置情報を含むユーザ位置データを出力するステップと、
前記3Dモードでマルチビュー映像データの平均画像レベルを算出し、前記平均画像レベルと前記ユーザ位置情報とに応じて前記スイッチャブルバリアの開口率を制御し、前記平均画像レベルが基準値以上である場合、前記平均画像レベルが前記基準値より低い場合より、前記スイッチャブルバリアの開口率を高く制御するステップと、
前記スイッチャブルバリアの分割電極に駆動電圧を供給し、バリア共通電極に共通電圧を供給するステップと、
前記マルチビュー映像データをデータ電圧に変換して、前記表示パネルのデータラインにデータ電圧を供給し、前記表示パネルのゲートラインに前記データ電圧に同期するゲートパルスを順次供給するステップと、
を含み、
前記スイッチャブルバリアの開口率を制御するステップは、
2Dモードで第1のルックアップテーブルに格納された第1のバリア制御データを出力し、前記3Dモードで前記平均画像レベルが前記基準値以上である場合、第2のルックアップテーブルに格納された第2のバリア制御データを出力し、前記3Dモードで前記平均画像レベルが前記基準値より小さい場合、第3のルックアップテーブルに格納された第3のバリア制御データを出力するステップと、
前記2Dモードで前記第1のバリア制御データをバリア制御データとして設定し、前記3Dモードで前記第2及び第3のバリア制御データのうち、いずれか1つをバリア制御データとして設定し、前記3Dモードで前記ユーザ位置情報に応じて前記バリア制御データをシフトさせるステップと、
を含むことを特徴とする、立体映像表示装置の駆動方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る立体映像表示装置を概略的に示すブロック図である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る立体映像表示装置は、表示パネル10、スイッチャブルバリア30、表示パネル駆動部、スイッチャブルバリア駆動部130、表示パネル制御部140、スイッチャブルバリア制御部150、ホストシステム160、ユーザ位置検出部170などを備える。
【0011】
本発明の実施形態に係る立体映像表示装置は、液晶表示素子(Liquid Crystal Display、LCD)、電界放出表示素子(Field Emission Display、FED)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel、PDP)、有機発光ダイオード素子(Organic Light Emitting Diode、OLED)などの平板表示素子で実現されることができる。本発明は、下記の実施形態において液晶表示素子を中心として例示したが、液晶表示素子に限定されないことに注意すべきである。
【0012】
表示パネル10は、2枚の基板間に形成された液晶層を含む。表示パネル10の下部基板上には、データラインDとゲートラインG(またはスキャンライン)とが相互交差するように形成され、データラインDとゲートラインGとにより仕切られたセル領域に画素がマトリックス形態で配置された薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、「TFT」と称する)アレイが形成される。表示パネル10の画素の各々は、薄膜トランジスタに接続されて画素電極と液晶共通電極との間の電界により駆動される。
【0013】
表示パネル10の上部基板上には、ブラックマトリックス、カラーフィルタなどを含むカラーフィルタアレイが形成される。表示パネル10の上部基板には上部偏光板が取り付けられ、下部基板には下部偏光板が取り付けられる。上部偏光板の光透過軸と下部偏光板の光透過軸とは直交するように形成され得る。また、上部基板と下部基板とには、液晶のプレチルト角(pre−tilt angle)を設定するための配向膜が形成される。表示パネル10の上部基板と下部基板との間には、液晶セルのセルギャップ(cell gap)を維持するためのスペーサが形成される。
【0014】
液晶共通電極は、TN(Twisted Nematic)モードとVA(Vertical Alignment)モードのような垂直電界駆動方式において上部基板上に形成され、IPS(In Plane Switching)モードとFFS(Fringe Field Switching)モードのような水平電界駆動方式において画素電極とともに下部基板上に形成される。表示パネル10の液晶モードは、前述したTNモード、VAモード、IPSモード、FFSモードのみならず、いかなる液晶モードでも実現され得る。
【0015】
表示パネル10は、2Dモードで2D映像を表示し、3Dモードでマルチビュー映像を表示する。マルチビュー映像は、第1ないし第n(nは2以上の整数)のビュー(view)映像を含む。マルチビュー映像は、一般人の両眼間隔の分だけカメラを離隔し、オブジェクトを撮影して生成した映像である。例えば、4台のカメラを両眼間隔の分だけ離隔し、オブジェクトを撮影する場合、表示パネル10は、第1ないし第4のビュー映像を表示する。
【0016】
表示パネル10は、代表的にバックライトユニットからの光を変調する透過型液晶表示パネルが選択され得る。バックライトユニットは、バックライトユニット駆動部から供給される駆動電流によって点灯する光源、導光板(または拡散板)、複数の光学シーツなどを含む。バックライトユニットは、直下型(direct type)またはエッジ型(edge type)バックライトユニットで実現され得る。バックライトユニットの光源は、HCFL(Hot Cathode Fluorescent Lamp)、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)、EEFL(External Electrode Fluorescent Lamp)、LED(Light Emitting Diode)、OLED(Organic Light Emitting Diode)のうち、いずれか1つの光源または2種類以上の光源を含むことができる。
【0017】
バックライトユニット駆動部は、バックライトユニットの光源を点灯させるための駆動電流を発生する。バックライトユニット駆動部は、バックライト制御部の制御下に光源に供給される駆動電流をオン/オフ(ON/OFF)する。バックライト制御部は、ホストシステム160から入力されるグローバル/ローカルディミング信号DIMに応じてPWM(Pulse Width Modulation)信号のデューティ比調整値を含むバックライト制御データをSPI(Serial Peripheral Interface)データフォーマットでバックライト駆動部に伝送する。
【0018】
表示パネル10は、2枚の基板間に形成された液晶層を含む。表示パネル10の下部基板上には、データラインDとゲートラインG(またはスキャンライン)とが相互交差するように形成され、データラインDとゲートラインGとにより仕切られたセル領域に画素がマトリックス形態で配置された薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、「TFT」と称する)アレイが形成される。表示パネル10の画素の各々は、薄膜トランジスタに接続されて画素電極と液晶共通電極との間の電界により駆動される。
【0019】
データ駆動部120は、複数のソースドライブICを含む。ソースドライブICは、表示パネル制御部140から入力される2D映像データRGB2Dまたはマルチビュー映像データMVDを正極性/負極性ガンマ補償電圧に変換してアナログデータ電圧を発生する。ソースドライブICから出力されるアナログデータ電圧は、表示パネル10のデータラインDに供給される。
【0020】
ゲート駆動部110は、シフトレジスタ、シフトレジスタの出力信号を液晶セルのTFT駆動に適したスイング幅に変換するためのレベルシフト及び出力バッファなどを含む。ゲート駆動部110は、データ電圧に同期するゲートパルスを表示パネル10のゲートラインGに順次供給する。
【0021】
表示パネル制御部140は、ホストシステム160から2Dモードで2D映像データRGB2Dを受信し、3Dモードでマルチビュー映像データMVDを受信する。また、表示パネル制御部140は、ホストシステム160からタイミング信号とモード信号MODEとを受信する。タイミング信号は、水平同期信号(horizontal synchronization signal)、垂直同期信号(vertical synchronization signal)、データイネーブル信号(data enable signal)、及びドットクロック(dot clock)などを含むことができる。表示パネル制御部140は、タイミング信号に基づいて所定のフレーム周波数で表示パネル10を駆動させ、所定のフレーム周波数を基準としてゲート駆動部制御信号GCS、データ駆動部制御信号DCSを発生することができる。表示パネル制御部140は、ゲート駆動部制御信号GCSをゲート駆動部110に供給し、2D映像データRGB2Dまたはマルチビュー映像データMVDとデータ駆動部制御信号DCSをデータ駆動部120に供給する。
【0022】
スイッチャブルバリア30は表示パネル10上に配置される。スイッチャブルバリア30は、2Dモードでバリアを形成しない。スイッチャブルバリア30は、3Dモードで表示パネル10に表示されたマルチビュー映像である第1ないし第nのビュー映像を第1ないし第nのビュー領域に分離するためにバリアを形成する。スイッチャブルバリア30は、
図3のように液晶パネルで実現されることができる。以下において、
図2及び
図3を参照してスイッチャブルバリア30について詳細に説明する。
【0023】
図2は、
図1のスイッチャブルバリアを示す平面図である。
図3は、
図2のI−I’の断面図である。
図2及び
図3に示すように、スイッチャブルバリア30は、第1の基板31、第2の基板32、分割電極33、バリア共通電極34、液晶層36、第1の偏光板36A、及び第2の偏光板36Bを含む。第1及び第2の基板31、32の各々は、ガラス(glass)またはプラスチックフィルム(plastic flim)で実現されることができる。表示パネル10と向かい合う第1の基板31の一面には第1の偏光板36Aが取り付けられ、第1の基板31の他面には分割電極33が形成される。分割電極33の各々は、隣接した分割電極と所定の間隔の分だけ離隔して形成される。また、分割電極33の各々は、スイッチャブルバリア30でバリアが形成される方向と平行に形成されることができる。本発明の実施形態では、
図2のようにスイッチャブルバリア30のバリアは、垂直方向(y軸方向)に形成されるバーチカルタイプ(vertical type)で実現されたことを中心として説明した。しかし、スイッチャブルバリア30のバリアは、垂直方向に対して所定の角度で斜めに形成されるスランテッドタイプ(slanted type)でも実現されることができることに注意すべきである。分割電極33には、スイッチャブルバリア駆動部130から駆動電圧が供給される。
【0024】
第1の基板31と向かい合う第2の基板32の一面にはバリア共通電極34が形成され、第2の基板32の他面には第2の偏光板36Bが取り付けられる。バリア共通電極34は、第2の基板32の一面全体に1つの膜で形成されることができる。第1の偏光板36Aの光軸と第2の偏光板36Bの光軸とは互いに直交する。バリア共通電極34には、スイッチャブルバリア駆動部130からバリア共通電圧が供給される。
【0025】
スイッチャブルバリア30の液晶層36は、第1の基板31と第2の基板32との間に形成される。液晶層36の液晶分子は、分割電極33の各々とバリア共通電極34との間の電界により駆動される。
【0026】
スイッチャブルバリア駆動部130は、スイッチャブルバリア制御部150のバリア制御データBCDによってスイッチャブルバリア30の分割電極33に駆動電圧を供給し、バリア共通電極34にはバリア共通電圧を供給する。スイッチャブルバリア駆動部130は、2Dモードでスイッチャブルバリア30の全ての分割電極33に第1の駆動電圧を供給するように制御される。第1の駆動電圧が供給された分割電極33とバリア共通電圧が供給されたバリア共通電極34との電界により駆動された液晶層36の液晶分子は、第1の偏光板36Aを通過した光が第2の偏光板36Bを通過できるように光を変調する。その結果、スイッチャブルバリア30は2Dモードでバリアを形成しない。
【0027】
また、スイッチャブルバリア駆動部130は、3Dモードで開口領域の分割電極33に第1の駆動電圧を供給し、遮断領域の分割電極33に第2の駆動電圧を供給するように制御される。第2の駆動電圧が供給された分割電極33とバリア共通電圧が供給されたバリア共通電極34との電界により駆動された液晶層36の液晶分子は、第1の偏光板36Aを通過した光が第2の偏光板36Bを通過できないように光を変調しない。その結果、スイッチャブルバリア30は、3Dモードで開口領域にバリアを形成せず、遮断領域にバリアを形成する。つまり、スイッチャブルバリア30は、3Dモードでバリアを形成することにより、表示パネル10の第1ないし第nのビュー映像は、第1ないし第nのビュー領域に分離されるので、ユーザは、両眼視差によって立体映像を視聴することができる。
【0028】
一方、スイッチャブルバリア駆動部130は、液晶の直流化残像を防止するために、分割電極33に供給される駆動電圧の極性を周期的に反転させることができる。液晶の直流化残像は直流駆動をする場合、液晶分子の荷電粒子が配向膜に積まれるようになることを意味し、このため、液晶分子のプレチルト角(pre−tilt angle)が変更され得る。スイッチャブルバリア駆動部130は、分割電極33に供給される駆動電圧の極性を周期的に反転させる交流駆動をすることにより液晶の直流化残像を防止することができる。
【0029】
スイッチャブルバリア制御部150は、ホストシステム160からモード信号MODEを受信する。スイッチャブルバリア制御部150は、2Dモードでスイッチャブルバリア30にバリアが形成されないようにスイッチャブルバリア駆動部140にバリア制御データBCDを供給する。スイッチャブルバリア制御部150は、3Dモードでスイッチャブルバリア30の遮断領域にバリアが形成され、開口領域にバリアが形成されないようにスイッチャブルバリア駆動部140にバリア制御データBCDを供給する。具体的に、スイッチャブルバリア制御部150は、ホストシステム160からマルチビュー映像データMVDとユーザ位置データULCとを受信する。スイッチャブルバリア制御部150は、マルチビュー映像データMVDの平均画像レベル(average picture ratio)を算出し、平均画像レベルに依存してスイッチャブルバリア30の開口率を制御する。スイッチャブルバリア30の開口率は、数学式1のように算出され得る。数学式1において、APRは開口率(%)、APAは開口領域の幅、BLAは遮断領域の幅を指示する。
【0031】
また、スイッチャブルバリア制御部150は、ユーザ位置データULCのユーザ位置情報に応じてバリアをシフトさせる。すなわち、スイッチャブルバリア30のバリア形成位置はユーザ位置に依存する。つまり、平均画像レベルとユーザ位置とによってスイッチャブルバリア30の開口領域と遮断領域とが決定される。スイッチャブルバリア制御部150のバリア形成位置制御方法については、
図6ないし
図13を参照しながら後述する。
【0032】
ホストシステム160は、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)インターフェース、TMDS(Transition Minimized Differential Signaling)インターフェースなどのインターフェースを介して2D映像データRGB2Dまたはマルチビュー映像データMVDを表示パネル制御部140に供給する。また、ホストシステム160は、モード信号MODEとタイミング信号などを表示パネル制御部140に供給する。また、ホストシステム160は、モード信号MODEをスイッチャブルバリア制御部150に供給する。ホストシステム160は、3Dモードでユーザ位置検出部170からユーザ位置情報を含むユーザ位置データULCを受信する。ホストシステム160は、3Dモードでマルチビュー映像データMVDとユーザ位置データULCとをスイッチャブルバリア制御部150に供給する。モード信号MODEは、2Dモードまたは3Dモードを指示する信号である。
【0033】
ユーザ位置検出部170は、3Dモードでカメラにより撮影された表示パネル全面のイメージを分析してユーザ位置情報を検出する。ユーザ位置検出部170がユーザ位置情報を検出することにより、本発明の実施形態でもユーザの位置によってスイッチャブルバリア30のバリア形成位置を変更する「ユーザトラッキング(tracking)技術」を適用することができる。
【0034】
ユーザ位置検出部170は、3Dモードでユーザ位置情報を含むユーザ位置データULCをホストシステム160に出力する。以下において、
図4及び
図5を参照してユーザ位置検出部170のユーザ位置検出方法について詳細に説明する。
【0035】
図4は、
図1のユーザ位置検出部のユーザ位置検出方法を示すフローチャートである。
図5は、ユーザの顔を検出するための顔マスクの一例と、これをカメラから得たイメージにマッピングした結果を示す図である。まず、ユーザ位置検出部170は、カメラ(図示せず)を用いて撮影した表示パネル10の全面のイメージを格納する(S101)。それから、ユーザ位置検出部170は、前記イメージからユーザの顔を検出する。ユーザ位置検出部170は、
図5のように目、鼻、口の輪郭特徴を定義する形態で予め設定された顔マスクを前記イメージにマッピング(mapping)することにより、ユーザの顔を検出することができる(S102)。次いで、ユーザ位置検出部170は、両眼間の中心点を検出する(S103)。次に、ユーザ位置検出部170は、両眼間の中心点のx軸座標を算出する。算出されたx軸座標は、x軸上でのユーザの位置を指示する。x軸は、表示パネル10の長軸と平行した軸でありうる。ユーザ位置検出部170は、ユーザ位置情報であるx軸座標を含むユーザ位置データULCをホストシステム160に出力する(S104)。
【0036】
図6は、
図1のスイッチャブルバリア制御部を詳細に示すブロック図である。
図7は、本発明の第1実施形態に係るバリア制御方法を示すフローチャートである。
図6に示すように、スイッチャブルバリア制御部150は、平均画像レベル算出部151、選択信号出力部152、メモリ153、及びデータシフト部154を含む。メモリ153は、複数のルックアップテーブルを含む。以下において、
図6及び
図7を結びついてスイッチャブルバリア制御部150の本発明の第1実施形態に係るスイッチャブルバリア制御方法について詳細に説明する。
【0037】
第1に、平均画像レベル算出部151は、モード信号MODEに応じて2Dモードと3Dモードとを判断することができる。平均画像レベル算出部151は、3Dモードでマルチビュー映像データMVDの平均画像レベルAPLを算出する。平均画像レベルAPLは、1フレーム期間の輝度平均値を意味する。平均画像レベル算出部151は、平均画像レベルAPLを算出するために、数学式2のように画素別輝度値を算出することができる。マルチビュー映像データMVDは、赤色、緑色、及び青色デジタルデータ(R、G、B)を含む。数学式2において、Yは輝度値、Rは赤色デジタルデータ、Gは緑色デジタルデータ、Bは青色デジタルデータを指示する。
【0039】
平均画像レベル算出部151は、1フレーム期間の画素別輝度値を全て合算した後、画素個数に分けて平均画像レベルAPLを算出することができる(S201)。
【0040】
第2に、選択信号出力部152は、モード信号MODEに応じて2Dモードと3Dモードとを判断することができる。選択信号出力部152は、2Dモードでメモリ153の第1のルックアップテーブルを指示する選択信号SLを出力する。メモリ153は、2Dモードで選択信号SLに応じて第1のルックアップテーブルに格納された第1のバリア制御データBCD1をデータシフト部154に出力する。
【0041】
選択信号出力部152は、3Dモードで平均画像レベルAPLが基準値RV以上であるかを判断する。選択信号出力部152は、平均画像レベルAPLが基準値RV以上である場合、第2のルックアップテーブルを指示する選択信号SLを出力する。この場合、メモリ153は、選択信号SLに応じて第2のルックアップテーブルに格納された第2のバリア制御データBCD2をデータシフト部154に出力する。選択信号出力部152は、平均画像レベルAPLが基準値RVより小さい場合、第3のルックアップテーブルを指示する選択信号SLを出力する。この場合、メモリ153は、選択信号SLに応じて第3のルックアップテーブルに格納された第3のバリア制御データBCD3をデータシフト部154に出力する。
【0042】
図8は、第1ないし第3のルックアップテーブルに格納された第1ないし第3のバリア制御データを示す一例示図である。
図8に示すように、第1ないし第3のルックアップテーブルLUT1、LUT2、LUT3において、「0」値は、バリアが形成されていない駆動電圧の第1の駆動電圧を指示するデジタル値、「1」値は、バリアが形成される駆動電圧の第2の駆動電圧を指示するデジタル値を意味する。また、説明の便宜のために、
図8の第1ないし第3のルックアップテーブルLUT1、LUT2、LUT3は、スイッチャブルバリア30の8個の分割電極33に供給される駆動電圧を指示するデジタル値を格納することを例示した。このとき、スイッチャブルバリア30の8個の分割電極33は、バリアの1単位で実現されることができる。
【0043】
第1のルックアップテーブルLUT1に格納された第1のバリア制御データBCD1は、2Dモードでデータシフト部154に出力されるデータである。スイッチャブルバリア30は、2Dモードでバリアを形成しないため、第1のバリア制御データBCD1は「0」値のみを含む。
【0044】
第2のルックアップテーブルLUT2に格納された第2のバリア制御データBCD2は、3Dモードで平均画像レベルAPLが基準値RV以上である場合、データシフト部154に出力されるデータである。スイッチャブルバリア30は、3Dモードでバリアを形成するので、第2のバリア制御データBCD2は、「0」値と「1」値とを共に含む。
【0045】
第3のルックアップテーブルLUT3に格納された第3のバリア制御データBCD3は、3Dモードで平均画像レベルAPLが基準値RVより小さい場合、データシフト部154に出力されるデータである。スイッチャブルバリア30は、3Dモードでバリアを形成するので、第3のバリア制御データBCD3は、「0」値と「1」値とを共に含む。第3のバリア制御データBCD3は、第2のバリア制御データBCD2より「0」値を少なく含む。
【0046】
「0」値は、バリアが形成されない駆動電圧を指示するので、「0」値が多く含まれているほど、開口領域は広くなる。これについては、
図9A及び
図9Bを参照しながら詳細に説明する。
【0047】
図9A及び
図9Bは、開口率によるスイッチャブルバリアの開口領域と遮断領域とを詳細に示す一例示図である。具体的には、
図9Aは、スイッチャブルバリア駆動部130が第2のバリア制御データBCD2に応じてスイッチャブルバリア30の分割電極33に駆動電圧を供給した場合を示す一例示図である。
図9Bは、スイッチャブルバリア駆動部130が第3のバリア制御データBCD3に応じてスイッチャブルバリア30の分割電極33に駆動電圧を供給した場合を示す一例示図である。
【0048】
図9Aに示すように、スイッチャブルバリア駆動部130が第2のバリア制御データBCD2により制御される場合、スイッチャブルバリア30の第1及び第2の分割電極33a、33b、第7及び第8の分割電極33g、33h、第10及び第11の分割電極33l、33m、第15及び第16の分割電極33q、33rには、第2の駆動電圧V2が供給される。スイッチャブルバリア30の第3ないし第6の分割電極33c、33d、33e、33f、及び第11ないし第14の分割電極33m、33n、33o、33pには、第1の駆動電圧V1が供給される。第1の駆動電圧V1が供給された分割電極33とバリア共通電圧が供給されたバリア共通電極34との電界により駆動された液晶層36の液晶分子は、第1の偏光板36Aを通過した光が第2の偏光板36Bを通過できるように光を変調する。したがって、第1の駆動電圧V1が供給された第3ないし第6の分割電極33c、33d、33e、33f及び第11ないし第14の分割電極33m、33n、33o、33pの領域は、
図9Aのように開口領域に仕切られ得る。第2の駆動電圧V2が供給された分割電極33とバリア共通電圧が供給されたバリア共通電極34との電界により駆動された液晶層36の液晶分子は、第1の偏光板36Aを通過した光が第2の偏光板36Bを通過できないように光を変調しない。したがって、第2の駆動電圧V2が供給された第1及び第2の分割電極33a、33b、第7及び第8の分割電極33g、33h、第10及び第11の分割電極33l、33m、第15及び第16の分割電極33q、33rの領域は、
図9Aのように遮断領域に仕切られ得る。
【0049】
図9Bに示すように、スイッチャブルバリア駆動部130が第3のバリア制御データBCD3により制御される場合、スイッチャブルバリア30の第1ないし第3の分割電極33a、33b、33c、第6ないし第8の分割電極33f、33g、33h、第9ないし第11の分割電極33k、33l、33m、及び第14ないし第16の分割電極33p、33q、33rには、第2の駆動電圧V2が供給される。スイッチャブルバリア30の第4、第5、第12、及び第13の分割電極33d、33e、33n、33oには、第1の駆動電圧V1が供給される。第1の駆動電圧が供給された分割電極33とバリア共通電圧が供給されたバリア共通電極34との電界により駆動された液晶層36の液晶分子は、第1の偏光板36Aを通過した光が第2の偏光板36Bを通過できるように光を変調する。したがって、第1の駆動電圧V1が供給された第4、第5、第12、及び第13の分割電極33d、33e、33n、33oの領域は、
図9Bのように開口領域に仕切られ得る。第2の駆動電圧V2が供給された分割電極33とバリア共通電圧が供給されたバリア共通電極34との電界により駆動された液晶層36の液晶分子は、第1の偏光板36Aを通過した光が第2の偏光板36Bを通過できないように光を変調しない。したがって、第2の駆動電圧V2が供給された第1ないし第3の分割電極33a、33b、33c、第6ないし第8の分割電極33f、33g、33h、第9ないし第11の分割電極33k、33l、33m、及び第14ないし第16の分割電極33p、33q、33rの領域は、
図9Bのように遮断領域に仕切られ得る。
【0050】
以上で説明したように、スイッチャブルバリア30は、第3のバリア制御データBCD3により制御される場合より、第2のバリア制御データBCD2により制御される場合に開口領域が広くなる。すなわち、本発明の第1実施形態は、平均画像レベルAPLが基準値RV以上である場合、平均画像レベルAPLが基準値RVより低い場合より、スイッチャブルバリア30の開口率を高く制御する。
【0051】
一方、ユーザトラッキング技術は、ユーザの移動が完了した後、ユーザの位置を分析してバリア形成位置を変更するので、ユーザの移動完了時点からバリア形成位置変更時点まで所定の時間間隔が存在する。このため、ユーザは、所定の時間間隔の間、正立体視領域からバリア視聴領域へ移動する場合、フリッカ(flicker)を感じることになる。特に、表示パネル10に表示される立体映像の輝度が高いほど、ユーザが一層容易にフリッカ(flicker)を感じることになる。正立体視領域は、ユーザの左眼で左眼視差映像を視聴し、右眼で右眼視差映像を視聴する領域を指示し、バリア視聴領域は、立体映像ではないバリアに該当するブラックパターンが見える領域を指示し、フリッカ(flicker)は、ちらつき現象を意味する。
【0052】
しかし、本発明の第1実施形態は、平均画像レベルAPLが基準値RV以上である場合、スイッチャブルバリア30の開口率を高く制御する。スイッチャブルバリア30の開口率が高いほど、ビュー領域の各々が拡大するため、ユーザが所定の時間間隔の間にバリア視聴領域に位置する頻度を減らすことができる。すなわち、ユーザが移動をしてもユーザは所定の時間間隔の間に正立体視領域に位置する頻度が高まるようになる。したがって、本発明の第2実施形態は、ユーザが所定の時間間隔の間、フリッカのために立体映像視聴に不便を感じるという問題を解消することができる。
【0053】
一方、基準値RVが低いほど、スイッチャブルバリア30の開口率を高く制御する場合が多くなるので、フリッカのために立体映像視聴に不便を感じるという問題を解消しやすい。しかし、スイッチャブルバリア30の開口率を高く制御する場合、ビュー領域が拡大しつつ、ビュー領域の各々で隣接したビュー領域と重なる領域が発生するので、3Dクロストーク(crosstalk)が生じる可能性がある。3Dクロストークは、ユーザの左眼または右眼に左眼視差映像と右眼視差映像とが重なって見えることを意味する。したがって、基準値RVは、事前実験によって適切な値に予め設定されることが好ましい(S202、S203、S204)。
【0054】
第3に、データシフト部154は、選択信号出力部152の選択信号SLに応じてメモリ153から第1ないし第3のバリア制御データBCD1、BCD2、BCD3のうち、いずれか1つを受信する。具体的に、データシフト部154は、2Dモードでメモリ153から入力された第1のバリア制御データBCD1をバリア制御データBCDとして設定する。データシフト部154は、3Dモードでメモリ153から入力された第2及び第3のバリア制御データBCD2、BCD3のうち、いずれか1つをバリア制御データBCDとして設定する。
【0055】
また、データシフト部154は、ホストシステム160からユーザ位置データULCを受信する。データシフト部154は、ユーザ位置データULCのユーザ位置情報に応じてユーザの位置を判断することができる。ユーザ位置情報は、ユーザ位置検出部170から検出されたx軸座標でありうる。データシフト部154は、ユーザ位置データULCのx軸座標に基づいてバリア制御データBCDのシフト値を算出する。
【0056】
例えば、カメラにより撮影される表示パネル10全面のイメージの解像度が1920×1080である場合、x軸座標は、1ないし1920に表現され得る。x軸座標が960である場合、ユーザが表示パネル10全面の中央に位置しているので、スイッチャブルバリア30は、バリアをシフトする必要がない。この場合、データシフト部154は、バリア制御データBCDのシフト値を「0」として算出する。しかし、x軸座標が異なる値を有すると、データシフト部154は、予め格納された計算式に基づいてバリア制御データBCDのシフト値を算出する。
【0057】
図10は、ユーザ位置データに応じるバリア制御データのシフトを示す一例示図である。
図10では、データシフト部154が第3のバリア制御データBCD3をバリア制御データBCDとして設定したことを中心として説明した。
図10に示すように、データシフト部154は、3Dモードでバリア制御データBCDを算出されたシフト値に応じてシフトする。例えば、データシフト部154は、
図10のようにバリア制御データBCDを右側に2列シフトすることができる。すなわち、データシフト部154は、「11100111」を「11111001」にシフトすることができる。
【0058】
データシフト部154は、3Dモードでシフト値に応じてシフトされたバリア制御データBCDをスイッチャブルバリア駆動部130に供給する。スイッチャブルバリア駆動部130は、バリア制御データBCDに応じて駆動電圧をスイッチャブルバリア30の分割電極33に供給し、バリア共通電圧をバリア共通電極34に供給する(S205)。
【0059】
以上で説明したように、本発明の第1実施形態は、3Dモードでマルチビュー映像データMVDの平均画像レベルAPLを算出し、カメラにより撮影された表示パネル10全面のイメージを分析してユーザ位置情報を算出し、平均画像レベルAPLとユーザ位置情報とに応じてスイッチャブルバリア30のバリア形成を制御する。特に、本発明の第1実施形態は、平均画像レベルAPLが基準値RV以上である場合、平均画像レベルAPLが基準値RVより小さい場合より、スイッチャブルバリア30の開口率を高く制御する。スイッチャブルバリア30の開口率が高くなる場合、ビュー領域の各々が拡大するので、本発明の第1実施形態は、ユーザが所定の時間間隔の間に正立体視領域からバリア視聴領域へ移動する頻度を大きく減らすことができる。その結果、本発明の第1実施形態は、ユーザが所定の時間間隔の間、フリッカのために立体映像視聴に不便を感じるという問題を解消することができる。
【0060】
図11は、本発明の第2実施形態に係るバリア制御方法を示すフローチャートである。以下において、
図6及び
図11を結びついてスイッチャブルバリア制御部150の本発明の第2実施形態に係るスイッチャブルバリア制御方法について詳細に説明する。
【0061】
第1に、平均画像レベル算出部151は、3Dモードでマルチビュー映像データMVDの平均画像レベルAPLを算出する。平均画像レベル算出部151の平均画像レベルAPL算出方法は、
図7のS201ステップで説明したところと実質的に同様である(S301)。
【0062】
第2に、選択信号出力部152は、モード信号MODEに応じて2Dモードと3Dモードとを判断することができる。選択信号出力部152は、2Dモードでメモリ153の第1のルックアップテーブルを指示する選択信号SLを出力する。メモリ153は、2Dモードで選択信号SLに応じて第1のルックアップテーブルに格納された第1のバリア制御データBCD1をデータシフト部154に出力する。
【0063】
選択信号出力部152は、3Dモードで平均画像レベルAPLが第1の基準値RV1以上であるかを判断する。選択信号出力部152は、平均画像レベルAPLが第1の基準値RV以上である場合、第2のルックアップテーブルを指示する選択信号SLを出力する。この場合、メモリ153は、選択信号SLに応じて第2のルックアップテーブルに格納された第2のバリア制御データBCD2をデータシフト部154に出力する。選択信号出力部152は、平均画像レベルAPLが第1の基準値RV1より小さく、第2の基準値RV2以上である場合、第3のルックアップテーブルを指示する選択信号SLを出力する。この場合、メモリ153は、選択信号SLに応じて第3のルックアップテーブルに格納された第3のバリア制御データBCD3をデータシフト部154に出力する。選択信号出力部152は、平均画像レベルAPLが第2の基準値RV2より小さい場合、第4のルックアップテーブルを指示する選択信号SLを出力する。この場合、メモリ153は、選択信号SLに応じて第4のルックアップテーブルに格納された第4のバリア制御データBCD3をデータシフト部154に出力する。
【0064】
図12は、第1ないし第4のルックアップテーブルに格納された第1ないし第4のバリア制御データを示す一例示図である。
図12に示すように、第1ないし第4のルックアップテーブルLUT1、LUT2、LUT3、LUT4で「0」値は、バリアが形成されない駆動電圧の第1の駆動電圧を指示するデジタル値、「1」値は、バリアが形成される駆動電圧の第2の駆動電圧を指示するデジタル値を意味する。また、説明の便宜のために、
図12の第1ないし第3のルックアップテーブルLUT1、LUT2、LUT3、LUT4は、スイッチャブルバリア30の10個の分割電極33に供給される駆動電圧を指示するデジタル値を格納することを例示した。このとき、スイッチャブルバリア30の10個の分割電極33は、バリアの1単位で実現され得る。
【0065】
第1のルックアップテーブルLUT1に格納された第1のバリア制御データBCD1は、2Dモードでデータシフト部154に出力されるデータである。スイッチャブルバリア30は、2Dモードでバリアを形成しないため、第1のバリア制御データBCD1は「0」値のみを含む。
【0066】
第2のルックアップテーブルLUT2に格納された第2のバリア制御データBCD2は、3Dモードで平均画像レベルAPLが第1の基準値RV1以上である場合、データシフト部154に出力されるデータである。スイッチャブルバリア30は、3Dモードでバリアを形成するので、第2のバリア制御データBCD2は「0」値と「1」値とを共に含む。
【0067】
第3のルックアップテーブルLUT3に格納された第3のバリア制御データBCD3は、3Dモードで平均画像レベルAPLが第1の基準値RV1より小さく、第2の基準値RV2以上である場合、データシフト部154に出力されるデータである。スイッチャブルバリア30は、3Dモードでバリアを形成するので、第3のバリア制御データBCD3は「0」値と「1」値とを共に含む。第3のバリア制御データBCD3は、第2のバリア制御データBCD2より「0」値を少なく含む。
【0068】
第4のルックアップテーブルLUT4に格納された第4のバリア制御データBCD4は、3Dモードで平均画像レベルAPLが第2の基準値RV2より小さい場合、データシフト部154に出力されるデータである。スイッチャブルバリア30は、3Dモードでバリアを形成するので、第4のバリア制御データBCD4は「0」値と「1」値とを共に含む。第4のバリア制御データBCD4は、第3のバリア制御データBCD3より「0」値を少なく含む。
【0069】
「0」値は、バリアが形成されない駆動電圧を指示するので、「0」値が多く含まれているほど、開口領域は広くなる。これについては、
図9A及び
図9Bを結びついて既に上記で詳細に説明した。
【0070】
以上で説明したように、スイッチャブルバリア30は、第4のバリア制御データBCD4により制御される場合より第3のバリア制御データBCD3により制御される場合と、第3のバリア制御データBCD3により制御される場合より第2のバリア制御データBCD2により制御される場合に、開口領域が広くなる。すなわち、本発明の第2実施形態は、平均画像レベルAPLが高いほど、スイッチャブルバリア30の開口率を高く制御する。
【0071】
一方、ユーザトラッキング技術は、ユーザの移動が完了した後、ユーザの位置を分析してバリア形成位置を変更するので、ユーザの移動完了時点からバリア形成位置変更時点まで所定の時間間隔が存在する。このため、ユーザは、所定の時間間隔の間、正立体視領域からバリア視聴領域へ移動する場合、フリッカ(flicker)を感じることになる。特に、表示パネル10に表示される立体映像の輝度が高いほど、ユーザが一層容易にフリッカ(flicker)を感じることになる。正立体視領域は、ユーザの左眼で左眼視差映像を視聴し、右眼で右眼視差映像を視聴する領域を指示し、バリア視聴領域は、立体映像ではないバリアに該当するブラックパターンが見える領域を指示し、フリッカ(flicker)は、ちらつき現象を意味する。
【0072】
本発明の第2実施形態は、平均画像レベルAPLが高いほど、スイッチャブルバリア30の開口率を高く制御する。スイッチャブルバリア30の開口率が高いほど、ビュー領域の各々が拡大するので、ユーザが所定の時間間隔の間にバリア視聴領域に位置する頻度を減らすことができる。すなわち、ユーザが移動をしてもユーザは、所定の時間間隔の間に正立体視領域に位置する頻度が高まるようになる。したがって、本発明の第2実施形態は、ユーザが所定の時間間隔の間、フリッカのために立体映像視聴に不便を感じるという問題を解消することができる。
【0073】
一方、第1及び第2の基準値RV1、RV2が低いほど、スイッチャブルバリア30の開口率を高く制御する場合が多くなるので、フリッカのために立体映像視聴に不便を感じるという問題を解消しやすい。しかし、スイッチャブルバリア30の開口率を高く制御する場合、ビュー領域が拡大しつつ、ビュー領域の各々で隣接したビュー領域と重なる領域が発生するので、3Dクロストーク(crosstalk)が生じる可能性がある。3Dクロストークは、ユーザの左眼または右眼に左眼視差映像と右眼視差映像とが重なって見えることを意味する。したがって、第1及び第2の基準値RV1、RV2は、事前実験によって適切な値に予め設定されることが好ましい(S302、S303、S304、S305、S306)。
【0074】
第3に、データシフト部154は、選択信号出力部152の選択信号SLに応じてメモリ153から第1ないし第4のバリア制御データBCD1、BCD2、BCD3、BCD4のうち、いずれか1つを受信する。具体的に、データシフト部154は、2Dモードでメモリ153から入力された第1のバリア制御データBCD1をバリア制御データBCDとして設定する。データシフト部154は、3Dモードでメモリ153から入力された第2ないし第4のバリア制御データBCD2、BCD3、BCD4のうち、いずれか1つをバリア制御データBCDとして設定する。
【0075】
また、データシフト部154は、ホストシステム160からユーザ位置データULCを受信する。データシフト部154は、ユーザ位置データULCのユーザ位置情報に応じてユーザの位置を判断することができる。ユーザ位置情報は、ユーザ位置検出部170から検出されたx軸座標でありうる。データシフト部154は、ユーザ位置データULCのx軸座標に基づいてバリア制御データBCDのシフト値を算出する。
【0076】
例えば、カメラにより撮影される表示パネル10全面のイメージの解像度が1920×1080である場合、x軸座標は、1ないし1920に表現され得る。x軸座標が960である場合、ユーザが表示パネル10全面の中央に位置しているので、スイッチャブルバリア30は、バリアをシフトする必要がない。この場合、データシフト部154は、バリア制御データBCDのシフト値を「0」として算出する。しかし、x軸座標が異なる値を有すると、データシフト部154は、3Dモードで予め格納された計算式に基づいてバリア制御データBCDのシフト値を算出する。
【0077】
データシフト部154は、3Dモードでシフト値に応じてシフトされたバリア制御データBCDをスイッチャブルバリア駆動部130に供給する。スイッチャブルバリア駆動部130は、バリア制御データBCDに応じて駆動電圧をスイッチャブルバリア30の分割電極33に供給し、バリア共通電圧をバリア共通電極34に供給する(S307)。
【0078】
以上で説明したように、本発明の第2実施形態は、3Dモードでマルチビュー映像データMVDの平均画像レベルAPLを算出し、カメラにより撮影された表示パネル10全面のイメージを分析してユーザ位置情報を算出し、平均画像レベルAPLとユーザ位置情報とに応じてスイッチャブルバリア30のバリア形成を制御する。特に、本発明の第2実施形態は、平均画像レベルAPLが高いほど、スイッチャブルバリア30の開口率を高く制御する。スイッチャブルバリア30の開口率が高くなる場合、ビュー領域の各々が拡大するので、本発明の第2実施形態は、ユーザが所定の時間間隔の間に正立体視領域からバリア視聴領域へ移動する頻度を大きく減らすことができる。その結果、本発明の第2実施形態は、ユーザが所定の時間間隔の間、フリッカのために立体映像視聴に不便を感じるという問題を解消することができる。