特許第5755410号(P5755410)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5755410
(24)【登録日】2015年6月5日
(45)【発行日】2015年7月29日
(54)【発明の名称】散水板を備えないシャワーヘッド
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/28 20060101AFI20150709BHJP
   B05B 1/18 20060101ALI20150709BHJP
【FI】
   A47K3/22
   B05B1/18 101
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2010-68839(P2010-68839)
(22)【出願日】2010年3月5日
(65)【公開番号】特開2011-183125(P2011-183125A)
(43)【公開日】2011年9月22日
【審査請求日】2013年2月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】512319531
【氏名又は名称】市澤 順一
(74)【代理人】
【識別番号】100093816
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 邦雄
(72)【発明者】
【氏名】高橋 勝栄
(72)【発明者】
【氏名】春日井 一彦
(72)【発明者】
【氏名】市澤 邦一
【審査官】 油原 博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−103367(JP,A)
【文献】 特開平07−163915(JP,A)
【文献】 実開平06−029646(JP,U)
【文献】 特開2003−080119(JP,A)
【文献】 特開2002−096857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/28
B05B 1/00−1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周に第一ネジ部、内部に水をスプレー状に吐水するための吐出口となる流水の入口側から出口側に向けラッパ状に広がった第一通水路(2a)を持った第一部品(1a)と、
前記第一部品(1a)の第一ネジ部と螺合する第二ネジ部、他端外周にシャワーホース先端の回転揺動部(5)に接続するシャワーホースの受け口(4)に螺合する第三ネジ部(7)、前記シャワーホース側端部の内部位置にスペースとなる入り口部分、内部に前記スペースから他端に向け流速をあげるためテーパー状に内径が絞り込まれた第二通水路(2b)及び同径の円筒状で前記第一通水路(2a)と前記第二通水路(2b)を接続する最も狭い第三通水路(2c)を備える第二部品(1b)と、
前記スペースに収納され流水に旋回流を起こさせるため、入口側から出口側へ向けて口径が小さくなるテーパー形状の複数のねじれた穴開口を持った円盤状のプレート(3)と、
前記第一部品(1a)と第二部品(1b)の螺合部をシールする第二のオーリングパッキン(6)と、
前記第ネジ部外周に嵌められ前記第二部品(1b)と前記受け口(4)との螺合部をシールするオーリングパッキン(6)と、
からなり、
散水板を備えることなく前記シャワーホースから送水されてくる水を前記吐出口からスプレー状に吐出させることを特徴とする散水板を備えないシャワーヘッド。
【請求項2】
内部に水をスプレー状に吐水するための吐出口となる流水の入口側から出口側に向けラッパ状に広がった第一通水路(2a)を持った第一部品(1a)と、
他端外周にシャワーホース先端の回転揺動部(5)に接続するシャワーホースの受け口(4)に螺合する第三ネジ部(7)、前記シャワーホース側端部の内部位置にスペースとなる入り口部分、内部に前記スペースから他端に向け流速をあげるためテーパー状に内径が絞り込まれた第二通水路(2b)及び同径の円筒状で前記第一通水路(2a)と前記第二通水路(2b)を接続する最も狭い第三通水路(2c)を備え、前記第一部品(1a)の反吐出側に一体成形される第二部品(1b)と、
前記スペースに収納され流水に旋回流を起こさせるため、入口側から出口側へ向けて口径が小さくなるテーパー形状の複数のねじれた穴開口を持った円盤状のプレート(3)と、
前記第三ネジ部外周に嵌められ前記第二部品(1b)と前記受け口(4)との螺合部をシールするオーリングパッキン(6)と、
からなり、
散水板を備えることなく前記シャワーホースから送水されてくる水を前記吐出口からスプレー状に吐出させることを特徴とする散水板を備えないシャワーヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシャワーホースの先に接続している一般的なシャワーヘッドの代わりとなる吐水口部の形状に関するものであり、シャワーヘッドの様に吐水口に散水板を必要としないシンプルな構造で、ラッパ状に広がった吐水口部の開口壁に沿って吐水流が旋回しながらスプレー状に広がって吐水させることを可能にした吐水口部の構造である。
【背景技術】
【0002】
従来のシャワーヘッドはシャワーホースからの流水が筒状のシャワーヘッドの握り部の中を通り、その先の複数の穴が開口されている散水板の各穴を通って、複数のシャワー状の吐水流となって散水する構造となっており、そのため、散水板にあけられた穴の数や穴の径、穴の形状などがシャワー体感を左右する重要な要素となっていた。
(特許文献1)(特許文献2)(特許文献3)(特許文献4)(特許文献5)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−57535号公報
【特許文献2】特開2003−265351号公報
【特許文献3】特開2003−310468号公報
【特許文献4】特開2006−239106号公報
【特許文献5】特開2008−229516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
散水板が無くても快適なシャワー体感が得られるようなスプレー状の散水が確保され、シャワーホースの先に取り付けることのできる吐水口部をつくる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
シャワーホースから流れ込んでくる流水に本体入口部で旋回流としてのひねりを加えながら、内径を絞り込んで流速を速め、さらにそれをラッパ状に開放された吐水口の内壁に沿ってスプレー状に拡散させて放出することにより、散水板の複数の穴から放出されるシャワーとは異なるが、快適なシャワー体感が得られる構造の吐水口部を作る。
【0006】
この吐水口部の通水路の内径が徐々に絞り込まれてから、再度、徐々に広がっていく、いわゆる鼓状の構造を作るには、樹脂や鋳物などで一体に作っても良いし、ラッパ状の筒を二本つくり、それぞれのラッパの吹き口部分で接続することにより、鼓状の構造を作っても良い。
【0007】
流速をあげるためには流水路を入口側から出口側に向かって口径が小さくなるようにテーパー状に絞り込むとともに、さらに流速をあげ、スムーズな流れとなるよう、流水路の入口部分に円盤状のプレートで、そのプレートに複数のねじれた穴が開口されていて、流水に旋回流を強制的に起こさせるための部材を組み込む。
【0008】
吐水をスプレー状に拡散させるための吐水口部のラッパ状に広がった内壁に、意図的に凹凸を付けることにより、吐水流に乱流を起こさせ、シャワー体感を向上させる。
【発明の効果】
【0009】
流水に通水路の入口部のプレートでねじれの回転を加え、流水を旋回させながらテーパー状に狭くなった狭隘部を通すことで、流速を速め、それをラッパ状に広がった、ラッパ管の内壁に沿って旋回させながら吐水させることで、スプレー状に拡散して吐水させることができ、散水板が無くても、シャワーと類似の体感を確保することができる。
【0010】
鼓状の通水路を作るためのラッパ状の筒の接続部分は同じサイズの口径同士で接続しても良いが、異形サイズで接続しても良く、その場合は接続部において、出口側の内径を大きくすることで、流水の圧力を急激に空気中に開放したり、逆に接続部の出口側の内径を狭めて、通水路を通ってきた水流の中心部以外の水流が狭い出口側のトンネルの開口の周囲の壁に当るようにして、流水に乱流を起こさせ、その後、急激に空気中に開放することにより、今までの複数の穴の開いた散水板によるシャワーとは異なったシャワー体感を得ることができる。
【0011】
また、該器具の吐水口部を水中に沈めた状態で、該器具に40度程度の温水を通すと、温水中に含まれた空気が旋回しながら高速で狭隘部を通って圧縮され、その後、急激に水中に開放され、圧力が下がることにより、水中で吐水とともに微細な気泡が発生する。これにより、水中で微細な気泡を発生させる装置としての効果も確認することができた。
【0012】
旋回流を起こさせるための円盤状のプレート部材に開口された、複数のねじれた穴の開口の口径の合計面積と穴のねじれ角度を変化させることにより、流速や水流のひねり角度を変化させることができる。試作品での実験では円盤状のプレートの形状を直径13.5ミリとしたが、これは給水・給湯管の管径が15Aの管径であったためであり、このサイズに限定はされない。また、円盤状のプレートに開口された、ねじれた流水路に入口側から出口側へ向けて口径が小さくなるようなテーパーを付けても良い。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1はシャワーホースの先に該器具を組み合わせた状態の断面斜視図である。
図2図2は該器具の側面断面図である。
図3図3は該器具の平面図である。
図4図4は該器具の底面図である。
図5図5は入口側から出口側へ、ねじれ角度15度の複数のねじれた穴開口を持った円盤状のプレートの斜視図である。
図6図6は入口側から出口側へ、ねじれ角度15度の複数のねじれた穴開口を持った円盤状のプレートの平面図である。
図7図7は入口側から出口側へ、ねじれ角度15度の複数のねじれた穴開口を持った円盤状のプレートの側面図である。
【符号の説明】
【0014】
1a:二分割された本体のラッパ状に広がった通水路を持った第一部品
1b:二分割された本体のテーパー状に内径を絞り込んだ通水路を持った第二部品
2a:ラッパ状に広がった第一通水路
2b:テーパー状に内径が絞り込まれた第二通水路
2c:最も狭い第三通水路
3:複数のねじれた穴開口を持った円盤状のプレート
4:シャワーホースの受け口
5:シャワーホースの回転摺動部
6:オーリングパッキン
7:シャワーホースの受け口である符号4への取り付けネジ部
8:符号1aの部品と符号1bの部品を接合して一体化するためのネジ部分

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7