特許第5755411号(P5755411)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大王製紙株式会社の特許一覧
<>
  • 特許5755411-ロールペーパー用ディスペンサー 図000002
  • 特許5755411-ロールペーパー用ディスペンサー 図000003
  • 特許5755411-ロールペーパー用ディスペンサー 図000004
  • 特許5755411-ロールペーパー用ディスペンサー 図000005
  • 特許5755411-ロールペーパー用ディスペンサー 図000006
  • 特許5755411-ロールペーパー用ディスペンサー 図000007
  • 特許5755411-ロールペーパー用ディスペンサー 図000008
  • 特許5755411-ロールペーパー用ディスペンサー 図000009
  • 特許5755411-ロールペーパー用ディスペンサー 図000010
  • 特許5755411-ロールペーパー用ディスペンサー 図000011
  • 特許5755411-ロールペーパー用ディスペンサー 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5755411
(24)【登録日】2015年6月5日
(45)【発行日】2015年7月29日
(54)【発明の名称】ロールペーパー用ディスペンサー
(51)【国際特許分類】
   A47K 10/40 20060101AFI20150709BHJP
   A47J 47/16 20060101ALI20150709BHJP
【FI】
   A47K10/40 D
   A47J47/16 C
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2010-95739(P2010-95739)
(22)【出願日】2010年4月19日
(65)【公開番号】特開2011-224108(P2011-224108A)
(43)【公開日】2011年11月10日
【審査請求日】2013年4月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082647
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 義久
(72)【発明者】
【氏名】堀 由香奈
【審査官】 油原 博
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−066993(JP,U)
【文献】 実開昭63−181391(JP,U)
【文献】 実開昭51−155144(JP,U)
【文献】 実開平7−016697(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 10/40
A47J 47/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面開放のケース本体と、ケース本体の前面開放部分を被覆する蓋体と、下部にロールペーパーから巻き出されたペーパーシートを外部に露出させる排紙口とを備える筐体の内部両側部に、通常状態において水平方向内側に向かって突出し、先端がロールペーパーの管芯内に位置してロールペーパーを支持する一対の支持部を具備し、前記ケース本体を前面開放状態にして、ロールペーパーの交換を可能とするロールペーパー用ディスペンサーであって、
前記支持部は、前記通常状態に付勢された状態で基端部を軸として先端部側が円弧軌道を描きつつ上方に跳ね上げ可能とされているとともに、
その前面側が、基端側から先端側に向かって前面から奥側に向かって傾斜し、底面側が、基端側から先端側に向かって登り傾斜するように、基端側から先端に向かって狭窄し、
その先端が、支持部の奥側手前側方向における中心よりも奥側にあってかつ支持部の上下方向における中心以上の高さにあり、
かつ、前側端と先端とを結ぶ線と、先端を通る水平方向基準線との交差角の角度が30〜45度とされているとともに、底側端と先端とを結ぶ線と、先端を通る水平方向基準線との交差角の角度が30〜45度とされている
ことを特徴とするロールペーパー用ディスペンサー。
【請求項2】
支持部は、少なくとも前面から底面にかけて曲面で構成されている請求項1記載のロールペーパー用ディスペンサー。
【請求項3】
支持部は、先端から回転軸までの範囲が曲面で構成されている請求項1記載のロールペーパー用ディスペンサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状のペーパーをロール状に巻取ったロールペーパー用のディスペンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、手拭き用途として使われているロールペーパータオル用ディスペンサーは、筐体内部にロールペーパータオルを回動自在に支持する支持機構を有し、その支持機構に取付けたロールペーパータオルから巻き出したペーパータオルを、筐体下部等に設けた排紙口から適宜必要な長さ引き出して裁断可能にしたものである。排紙機構については、センサーによって自動的に適宜長さを排紙するもの、使用者自身が紙を引き出すタイプ等が知られる。
このディスペンサーは、化粧室の洗面台近傍、キッチンの水回り近傍の壁面などに比較的狭い場所に設置されることが多く、コンパクトであることが求められる。
他方、この種のディスペンサーでは、ロールペーパーのすべてを使い切ってしまった後には、新たなロールペーパーを補充する必要があり、上述の支持機構は、ロールペーパーを交換可能となっている。
【0003】
この従来の支持機構は、ロールペーパーを取付ける態様別に、例えば、図9〜11に示す(1)〜(3)ものが例示できる(従来支持機構のディスペンサーを符号X2〜X4とする)。
(1)図9に示すX2は、筐体101内において所定間隔を開けて手前に延出する一対のアーム部151と、各アーム部151の先端に取付けられてロールペーパー7の管芯70に挿入される支持部152とを有し、前記アーム部151が可撓性を有して、前記支持部152,152間を拡幅可能に構成したものである。使用時には支持部間が所定間隔であり、ロールペーパー取付け時にはアーム部151を撓ませて先端支持部を拡幅してロールペーパー7を交換する。
(2)図10に示すX3は、図10(A)〜(C)にも示されるとおり、通常状態において筐体内側部において水平方向内側に向かって突出する一対の支持部152,152を有し、前記支持部152,152が前記通常状態に付勢された状態でその基端部152s,152sを軸として奥側に向かって倒れるように構成されている。そして、一対の支持部152,152の先端152t,152t間は、ロールペーパー7の管芯70の幅未満の距離とされているとともに、先端152t,152t部分が奥側に倒れたときに支持部152,152間がロールペーパー7の幅よりも広くその間隔が開くように構成されている。ロールペーパー取付け時には、手前から奥に向かって支持部152,152間にロールペーパー7を挿入し、さらに倒れた支持部先端152t,152tが管芯70内に位置するまで奥側へ押し込む。支持部先端152t,152tが管芯70内に到着すると支持部が通常状態位置への付勢によって戻り、支持部先端152t,152tが管芯70内に位置してロールペーパー7が支持される。
(3)図11に示すX4は、図11(A)〜(C)にも示されるとおり、通常状態において筐体内側部において水平方向内側に向かって突出する一対の支持部152,152を有し、前記支持部152,152が前記通常状態に付勢された状態でその基端部152s,152sを軸として先端152t,152tが円弧軌道を描きつつ上方に跳ね上げ可能に構成されている。そして、一対の支持部152,152の先端152t,152t間は、ロールペーパー7の管芯70の幅未満の距離とされているとともに、先端152t,152tが跳ね上がったときに少なくとも支持部152,152間にロールペーパー7の幅よりも広くその間隔が開くように構成されている。ロールペーパーの取付け時には、下方から上方に向かって支持部152,152間にロールペーパー7を挿入し、さらに跳ね上げられた支持部先端152t,152tが管芯70内に位置するまで上方へ押し上げる。そして、支持部先端152t,152tが管芯70内に到着すると先端支持部152t,152tが通常状態位置への付勢によって戻り、支持部先端152t,152tが管芯70内に位置してロールペーパー7が支持される。
【0004】
ここで、上述のとおりディスペンサーは、狭い場所に設置されることからそれ自体の大きさをコンパクトにすることが重要であるとともに、ロールペーパーの交換に必要なスペースが省スペースであることも重要である。設置場所において邪魔にならないように筐体をコンパクトにしたとしても、ロールペーパーの交換に空間を広く必要とするのでは設置場所を限定してしまう。また、このような交換は、迅速かつ煩雑な操作なく交換可能であることも求められる。
この点につき従来例X2〜X4について検証すると、図9に示す(1)のものはアーム部151を拡幅する点で煩雑な操作を要し、また、図10の(2)のものは、交換時に奥側に倒れた位置にある先端152tの位置よりさらに巻き厚さ(ロール半径−管芯半径)分の奥行きが少なくとも必要となり、ディスペンサーを奥行き方向にコンパクトにし難い。図11の(3)のものは、支持部152の下方と上方とに空間が必要であるためディスペンサーの設置場所として、上方、下方に空間のある場所に限定される。
特に、(2)及び(3)の従来例X3,X4は、管芯径が小さく巻径が大きいロールペーパー、すなわち長い巻き長さを有する巻き厚さの厚い好ましい形態のロールペーパーを使用する場合に、筐体がコンパクトにできなかったり、広い空間が必要となったりするなどデメリットが顕著なものとなる。
【0005】
なお、本発明におけるロールペーパーのペーパーとは、前述した手拭き用途で使用される、いわゆる紙だけで製造されたペーパータオルをいうだけでなく、紙をベースにしフィルム等をラミネートした積層紙等も含まれるものとする。そして、これらペーパーの長尺物をロール状に巻いたものを本発明におけるロールペーパーという。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平09−215628
【特許文献2】特開2006−068345
【特許文献3】特開2007−222372
【特許文献4】特開2002−102105
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の主たる課題は、簡素な機構であり、ロールペーパーの交換を狭い空間範囲で煩雑な操作なく迅速に行なうことができるロールペーパー用ディスペンサーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
[請求項1]
前面開放のケース本体と、ケース本体の前面開放部分を被覆する蓋体と、下部にロールペーパーから巻き出されたペーパーシートを外部に露出させる排紙口とを備える筐体の内部両側部に、通常状態において水平方向内側に向かって突出し、先端がロールペーパーの管芯内に位置してロールペーパーを支持する一対の支持部を具備し、前記ケース本体を前面開放状態にして、ロールペーパーの交換を可能とするロールペーパー用ディスペンサーであって、
前記支持部は、前記通常状態に付勢された状態で基端部を軸として先端部側が円弧軌道を描きつつ上方に跳ね上げ可能とされているとともに、
その前面側が、基端側から先端側に向かって前面から奥側に向かって傾斜し、底面側が、基端側から先端側に向かって登り傾斜するように、基端側から先端に向かって狭窄し、
その先端が、支持部の奥側手前側方向における中心よりも奥側にあってかつ支持部の上下方向における中心以上の高さにあり、
かつ、前側端と先端とを結ぶ線と、先端を通る水平方向基準線との交差角の角度が30〜45度とされているとともに、底側端と先端とを結ぶ線と、先端を通る水平方向基準線との交差角の角度が30〜45度とされている
ことを特徴とするロールペーパー用ディスペンサー。
【0009】
【0010】
【0011】
<請求項記載の発明>
支持部は、少なくとも前面から底面にかけて曲面で構成されている請求項1記載のロールペーパー用ディスペンサー。
【0012】
<請求項記載の発明>
支持部は、先端から回転軸までの範囲が曲面で構成されている請求項1記載のロールペーパー用ディスペンサー。
【発明の効果】
【0013】
以上の本発明によれば、簡素な機構でありながら、ロールペーパーの交換を狭い空間範囲で煩雑な操作なく迅速に行なうことができるロールペーパー用ディスペンサーが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明のロールペーパー用ディスペンサーの正面図である。
図2】本発明のロールペーパー用ディスペンサーの側面図である。
図3】本発明のロールペーパー用ディスペンサーの支持機構を説明するための斜視図である
図4】本発明のロールペーパー用ディスペンサーの支持部を説明するための平面図である。
図5】本発明のロールペーパー用ディスペンサーの支持部を説明するための正面図である。
図6】本発明のロールペーパー用ディスペンサーの支持部の好ましい形状を説明するための図である。
図7】本発明のロールペーパー用ディスペンサーの支持機構に対するロールペーパーの取り付け方法を説明するための正面図である。
図8】本発明のロールペーパー用ディスペンサーの支持機構に対するロールペーパーの取り付け方法を説明するための側面図である。
図9】従来のディスペンサーのロールペーパー用ディスペンサーにおけるロールペーパーの交換の態様を説明するための図である。
図10】従来の他のディスペンサーのロールペーパー用ディスペンサーにおけるロールペーパーの交換の態様を説明するための図である。
図11】従来の別のディスペンサーのロールペーパー用ディスペンサーにおけるロールペーパーの交換の態様を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次いで、本発明の実施の形態を図1〜8を参照しながら以下に詳述する。
本形態のロールペーパー用ディスペンサーX1は、手や顔などの肌の清拭や食材のドリップや水分等の拭き取りに用いられるペーパーをロール状としたロールペーパー用のディスペンサーである。
このディスペンサーX1は、その素材が例えばABS樹脂等の合成樹脂である筐体1と、この筐体内部に設けられたロールペーパー7を回動自在に支持する支持機構2とを具備する。
【0016】
『筐体の構造例』
筐体1は、前面開放のケース本体10と、ケース本体10の前面開放部分を被覆する蓋体20とで構成され、その下部に前記支持機構2に支持されたロールペーパーから巻き出されたペーパーシートを筐体外部に露出させる排紙口30を有している。
【0017】
ケース本体10は、天板部11と底板部12と背板部13とこの背板部13の両側縁若しくは両側縁部から手前に延在する左右一対の本体側板部14,14とで構成され、前記背板部13を介して壁面等に設置される。
【0018】
蓋体20は、上部がケース本体10の天板部11と一連となるような湾曲面部分を有する前板部21と、この前板部21と直角をなして手前に延在する左右一対の蓋体側板部22,22とを有し、ケース本体10の正面側開放部分を被覆すように配置され、前記ケース本体10とともに箱型の筺体1を構成する。
また、蓋体20は、ケース本体10に対してハッチ式に取付けられ、引き下げることにより、ケース本体10を前面開放状態にし、筺体内部の支持機構2を露出させ、ロールペーパー7の交換を可能とする。
【0019】
このようなハッチ式にするにあたっては、蝶番機構23をケース本体10の底板部12の正面側縁と蓋体20の前板部21の下縁に設けるようにすればよい。ケース本体10の天板部11の正面側縁と蓋体20の前板部21の背面側上縁に蝶番機構23を設けて前面を跳ね上げるようにするハッチ式としてもよい。さらには、各本体側板部の上部或いは下部に一対の凸部、各蓋体側板部の上部或いは下部に前記凸部に対応する一対の嵌合孔を設けて、これらを嵌め込むようにして、ケース本体と蓋体とを連結することで達成できる。もちろん、凸部と嵌合孔とは対をなせばよく、そのどちらがケース本体側であるかは問わない。
【0020】
他方、筐体下部の排紙口30は、ケース本体10の底板部12に形成することができ、図示例では、ケース本体10の底板部12の正面側が天板部11側に向かって傾斜され、その傾斜部分に幅方向細長の排紙口30が形成されており、使用者におけるペーパーの取り出しを容易なものとしている。
【0021】
『支持機構』
前記筐体1内に収納される支持機構2は、背板部13の両側板近傍からそれぞれ前板側(壁面取付け時における手前側)に向かって所定長さ延出する一対の腕部51,51を有し、その腕部51,51の先端に支持部52,52が取付けられている。なお、図示例に限らず腕部51,51は、本体側板部14から水平方向に突出するように延出している態様であってもよいし、天板部11から垂下するような態様であってもよいし、底板部12から天板部11に向かって立ち上がるものであってもよい。腕部51は、本発明の効果を妨げない範囲で支持部52を所定位置に位置せしめるものであれば、その具体的な態様は限定されない。
【0022】
他方、支持部52は、支持部基端部52sが腕部先端に設けられた回転軸53に回動自在に軸支持されているとともに、図示されない突起等の適宜の規制手段によってその先端52tが水平方向下側に向かって回転しないように規制されている。このため、通常状態においては筐体内の水平方向内側に向かって支持部52,52が突出するようにして停止しており、この状態で各支持部52,52の先端52t,52tがロールペーパー7の端面側から管芯70内に挿入された位置とされることでロールペーパー7を回転可能に支持する。
【0023】
また、支持部52は、図示されない付勢バネなど既知の付勢手段を介して、前記通常状態に付勢された状態となっているとともに、前記回転軸53を軸として先端52t側が円弧軌道を描きつつ上方に跳ね上げ可能に構成されている。
【0024】
ここで、本形態における支持部52は、特徴的に、その形状として前面側52Fが、基端部52s側から先端52tに向かって、ディスペンサーの前面から背面に向かうように平面的或いは曲面的に傾斜しているともに、底面側52Bが、基端部52s側から先端52tに向かって平面的に或いは曲面的に登り傾斜することで、基端部52s側から先端52t側に向かって狭窄する形状となっている。
【0025】
この前面側52Fにおける傾斜は、支持部52の前側端52fと先端52tとを結ぶ線Aと、前記先端52tを通る水平方向の基準線Bとの交差角αが30〜45度とされているのが望ましい。それとともに、この底面側52Bにおける傾斜は、支持部52の底側端52bと先端52tとを結ぶ線Cと、前記先端52tを通る水平方向の基準線Dとの交差角βが30〜45度とされているのが望ましい。
【0026】
ここで、前側端52fとは、支持部52の部位のうち最もディスペンサー前面側に位置する部位であり、図4に示される例のように当該部分が平面である場合には、その平面のもっとも支持部先端52t側(水平方向内側)部位を前側端とする。先端52tとは水平方向内側の先端である。水平方向基準線とは、水平に延在する仮想線である。本発明における水平方向基準線は、設置状態を基準として、正面視で左右方向に延在する線である。また、底側端52bとは支持部52の部位のうち最もディスペンサー底面側に位置する部位であり、図5に示される例のように当該部分が平面である場合には、その平面のもっとも支持部先端52t側(水平方向内側)部位を底側端とする。
【0027】
本発明のディスペンサーX1では、上記構成の支持機構2とすることで、支持部52の直下から上方に力を加えなくとも、先端52t部分に対して前面側下方(使用状態における手前側下方)から奥側上方(奥角上方)に向かって力を加えた際にも、容易に先端52tが前記回転軸53を軸として回転する。詳細は後述するが、その結果、これまで筐体1のデッドスペースであった奥側上方(奥角上方)の空間を有効に利用することができるようになり、支持部52を過度に長くしたりする必要がなくなり、ディスペンサーX1自体をコンパクトにすることができる。また、交換に必要な空間が省スペースですむとともに、簡易に取付けが可能となる。そして、特に前述のとおり、前側面52F及び底側面52Bにおける交差角α及びβを30〜45度の範囲とすることで、特に確実に先端52t部分に対して前面側下方(使用状態における手前側下方)から奥側上方(奥角上方)に向かって力を加えた際に、容易に先端52tが前記回転軸53を軸として回転するようになる。
【0028】
ここで、支持部52は、より好ましくは、各支持部52,52の傾斜の基端となる前側端52f間の長さ(距離)は、ロールペーパー7の幅よりも長くなるように設計するとロールペーパーの取り付けが容易となる。もちろん、先端52t間は、ロールペーパー7の幅よりも狭くする。
【0029】
なお、前面側52F、底面側52Bの傾斜は平面よりも曲面のほうが望ましい。ロールペーパー7の管芯70内に挿入されて、ロールペーパー7を回動自在に支持した状態において、ロールペーパー7の回転がスムーズになる。
【0030】
ここで、支持部52の最も好ましい形状は、図6に示すように正面視において鶏卵形状をなす形態である。ロールペーパー7の回転と跳ね上げによる省スペース化を両立させるにもっとも望ましい。なお、支持部7の天板部についても基端部52s側から先端52t側に向かって傾斜してもよいが、過度の下り傾斜とすると、通常状態におけるロールペーパー7の支持が不十分となり、ペーパー引出し時に支持部52からロールペーパー7脱落するおそれが高まるので、過度の下り傾斜とはしない。
【0031】
『ロールペーパーの取付け態様1』
次いで、本発明のロールペーパータオル用ディスペンサーX1におけるロールペーパー7の取付け態様と効果とを特に図7及び図8を参照しながら説明する。図7において表される支持部52は、図6に示す形状のものである。また、図8は、図7の左側面視である。
【0032】
まず、図7(A)及び図8(a)に示すようにロールペーパー7一方端面の管芯70内に一方の支持部52の先端52tを挿入する(図7(A)では右側)。このとき、図からも理解できるように、本形態の支持部52は、前面側及び底面側が傾斜する先端狭窄形状をなしているため、挿入にあたっては右側支持部52Rの左手前下側からロールペーパー7の右側端面に開口する管芯70を挿入すればよい。この操作は、片手でロールペーパーを持って行なうことができる。
【0033】
次に、図7(B)及び図8(b)に示すようにロールペーパー7の他方端部(図7(B)では左側)を奥側上方(左奥角方向)に向かって押し上げる。この操作の際、左側支持部52Lは、ロールペーパー7の左端部、左端面の順に当接しつつ押されて、先端52tが基端部52sの回転軸を軸心として通常状態の付勢に逆らって上方に向かって回転して跳ね上げられる。このとき、本発明にかかる支持部52は、前面及び底面が傾斜しているので、この奥側上方方面へのロールペーパー7の押し込みにも関わらず、支持部52はその押し込み方向とは相違する垂直方向上方(天板分方向)へとスムーズに付勢に逆らって回転され跳ね上げられる。そして、このスムーズな回転は、上述のとおり支持部52の前面側52Fから底面側52Bにかけて曲面で構成されている場合により一層顕著となる。なお、この操作も、片手でロールペーパーを持って行なうことができる。
【0034】
次に、図7(C)及び図8(c)に示すようにロールペーパー7の他方端部を奥側上方(左奥角方向)に向かってさらに押し上げる。このとき、上述のとおり本発明にかかる支持部52は、前面側52F及び底面側52Bが傾斜しているので、この奥側上方方面へのロールペーパー7の押し込みにも関わらず、支持部52はその押し込み方向とは相違する垂直方向上方(天板部方向)へとスムーズに付勢に逆らって回転され跳ね上げられる。そして、このスムーズな回転は、上述のとおり支持部52の前面側52Fから底面側52Bにかけて曲面で構成されている場合により一層顕著となる。そして、このさらなる押し込み操作の途中で左側支持部52Lの先端52tは、ロールペーパー7の端面の管芯部分に到達する。そうすると、左側支持部52Lは付勢に逆らう力が失われ、管芯70内で通常状態へと戻る。このとき、一対の支持部先端52t,52t間は、ロールペーパー7の管芯70の幅よりも狭く設計されるので、一対の支持部52,52の先端52t,52tの両方が管芯内に位置し、ロールペーパー7が支持されて取付けられる。なお、この操作も、片手でロールペーパー7を持って行なうことができる。
【0035】
また、この操作の際には付勢された支持部52の先端52tがロールペーパー7の端面に押接するため、先端52tから回転軸53までの範囲、特に先端52tが曲面で構成されていると端面を傷つけずに好適である。
【0036】
以上の説明のとおり、本発明のディスペンサーX1では、ロールペーパー7を支持部52の手前側下方から奥側上方に向かうように押し込む操作を行なう。すなわち、従来デッドスペースとなっていた筐体の上方奥角を有効に利用した取付けが可能となる。従って、従来の図10図11に示すものと比較して、ロールペーパー7を取付ける際に、支持部52の下方や上方、さらに奥側に必要な空間が少ない。このため、従来例と比較すると、省空間でのロールペーパー7の取付けが可能であり、また、筐体1をコンパクトにすることができる。また、片手で簡易に交換を行なうこともできる。さらに、支持部52の前面側52Fから底面側52Bにかけて曲面で構成されている形態、さらには、先端52tから回転軸53までの範囲が曲面で構成されている形態については、それぞれ特有の利点があり、特に、上述の正面視で鶏卵形状をなすものについて優れることが理解される。
【0037】
『ロールペーパーの交換態様2』
なお、ロールペーパーの取付け態様1では、まず、右側の支持部52Rをロールペーパー7の管芯に挿入したが、もちろん先に左側支持部52Lから挿入してもよい。
さらに、本発明の支持部52は、上述のとおり手前側下方から奥側上方へ向かう押力であっても、先端52がスムーズに上方に跳ね上げることが可能である。したがって、ロールペーパー7の両側端部の双方を手前側下方から一対の各支持部52,52に押し当てて、さらに押し込み一対の各支持部52,52の両方の先端52t,52tを同時に跳ね上げる操作をしても取付けることができる。その場合でも上述のロールペーパー7の取付け態様1で述べたのと同様の本願発明の効果を奏する。また、このように操作する場合であっても、上述のロールペーパー7の取付け態様1で述べた好ましい形態は、より一層の利点・効果を奏する。
【符号の説明】
【0038】
X1…ロールペーパー用ディスペンサー、1,101…筐体、2…支持機構、7…ロールペーパー、10…ケース本体、11…天板部、12…底板部、13…背板部、14…本体側板部、20…蓋体、21…前板部、22…蓋体側板部、23…蝶番機構、30…排紙口、51…腕部、52,152…支持部(52R…右側支持部、52L…左側支持部)、52F…支持部前面側、52B…支持部底面側、52f…支持部前側端、52b…支持部底側端、52s,152s…支持部基端部、52t,152t…支持部先端、53…回転軸、70…管芯、151…アーム部 W…壁。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11