(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記レンズカバーの表面に設けられた前記導光部の出力端が、凸レンズ状に成形され、出力される光が集光されることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項記載の電飾装置。
前記屈折板における前記基板と対向面には、前記第2の光源部からの光を受けて前記レンズカバー方向へ屈折させる傾斜面部が形成された複数の凹陥部が予め定められた配列パターンで緊密に形成され、全体として凹凸面形状とされていることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項記載の電飾装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の構造では、肉厚方向の寸法が前記導光部の長さ寸法に依存するため、厚さ方向の設計仕様に制限が生じる。
【0007】
また、導光部と光源との間隙は固定的であるため、導光部の出射面の光量を増減する、或いは、拡散する光を増減するといった演出はできず、結果として、電飾装置としての光量調整等に制限があるという問題が生じている。
【0008】
本発明は上記事実を考慮し、筐体の肉厚等を含む設計の自由度を向上し、かつ、光を強調するべき領域、並びに背景として光を拡散するべき領域をそれぞれ独立して制御することができる電飾装置及び遊技機を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、装飾品の一部として本体に取り付けられ、意匠に基づく装飾効果に加えて、光を用いた演出を行う電飾装置であって、前記意匠に基づく形状に生成されたベース板、発光点の光軸が前記ベース板から離れる方向とされた第1の光源部、発光点の光軸を前記ベース板に沿う方向とすることで、照射された光の中に少なくとも前記ベース板に対して平行に進行する光を含む第2の光源部を備え、前記ベース板に少なくとも第1の光源部と第2の光源部を別個に給電する複数系統の配線パターンが施された基板と、前記基板のベース板上に、前記第1の光源部及び第2の光源部を回避する
位置に形成されると共に、前記第2の光源部の発光点から照射された光を内周面から受け入れる貫通孔、及び、前記貫通孔の内周面から受け入れた光の内、少なくとも
ベース板に対して平行に進行する光を直接前記第1の光源部の発光点から出射された光の方向と同方向へ屈折
させる傾斜面部が形成された
凹陥部、を備えた屈折板と、適宜箇所に前記基板方向に向けて支柱状の導光部が形成され、当該導光部には前記第1の光源部の発光点が対向され、当該導光部と第1の光源部の発光点が密着または近接するように、前記基板上に配置されるレンズカバーと、を有している。
【0010】
本発明によれば、導光部で強調する光と、その背景で拡散する光とをそれぞれ独立して光量制御することができる。また、導光部と第1の光源部とに背景となる拡散光との光量バランス調整のための間隙を設ける必要がないので、薄肉構造の電飾装置を実現することができる。
【0011】
本発明において、前記レンズカバーの前記導光部以外
の領域には、入力する光を拡散して出力する拡散部が形成されていることを特徴としている。
【0012】
第2の光源から出力され、屈折板で屈折した光は、拡散部によって拡散される。拡散された光は、レンズカバーにおける導光部以外の領域から出力されるため、導光部の周囲は、所謂淡い光となり、より導光部からの光を強調することができる。
【0013】
また、本発明において、前記基板が収容されると共に、前記レンズカバーとにより前記基板を被覆する基板カバーをさらに有し、前記基板カバーには、外部から駆動力を受ける被駆動力部と、前記被駆動力部で受けた駆動力で移動させるための支持部と、前記支持部を基準に移動するときの肉厚方向のブレを防止するガイド板と、が設けられていることを特徴としている。
【0014】
可動する電飾装置として適用できる。このときガイド板がガイドされていることで、肉厚方向のブレを防止することができるため、肉厚方向に接近している他の部材と接触することがない。
【0015】
なお、例えば、支持部が回転軸部であれば、駆動力で電飾装置を回転運動させることができる。
【0016】
さらに、本発明において、前記レンズカバーの表面に設けられた前記導光部の出力端が、凸レンズ状に成形され、出力される光が集光されることを特徴としている。
【0017】
導光部から出力される光をより強調することができる。例えば、この導光部からの光を見る者までの距離がある程度推定できるのであれば、その距離を焦点距離とする凸レンズとすればよい。或いは、特定の位置まで平行光で案内して、光によって導光部の表面に形成たされた形状を画像として表示する構成としてもよい。
【0018】
また、本発明において、前記屈折板における前記基板と対向面には、前記第2の光源
部からの光を受けて前記レンズカバー方向へ屈折させる傾斜面部が形成された複数の凹陥部が予め定められた配列パターンで緊密に形成され、全体として凹凸面形状とされていることを特徴としている。
【0019】
第2の光源
部からの光を拡散しながら導光部以外のレンズカバーの表面へ案内することができ、少なくとも導光部から出射される光量よりも弱い光量で出力され、導光部からの光を際立たせる役目を実現することができる。凹陥部の配列パターンとしては、縦横にマトリクス状に配列するパターン、千鳥状に配列するパターン横方向に傾斜面が連続して断面形状がノコギリ状に形成された配列パターン等、第2の光源からの光が、レンズカバー方向に屈折する形状であればよい。また、拡散機能を持たせてもよい。
【0020】
また、例えば、光量以外に、色調整が可能であれば、さらに、導光部からの光とそれ以外のレンズカバーからの光との差を明確することができ、演出としてのバリエーションを向上することができる。
【0021】
本発明の電飾装置を遊技機に搭載することで、例えば、遊技仕様に基づく抽選の結果を報知するための主たる手段として表示装置があり、当該表示装置で前記抽選の結果を報知するとき、必要に応じて、電飾装置による光の演出、或いは動作演出を併用することで、遊技者への抽選の結果の報知結果への期待感(例えば、当/落抽選であれば、電飾装置の光具合で当選の可能性が高くなるといった期待感)を持たせることができる。
【0022】
一例として、表示装置の前面に回転可能に電飾装置を配置し、回転動作の一端部では表示装置と重ならない待避位置に位置決めされ、何らかの特別の報知(予告報知等)が必要なときに待避位置から表示装置の前面位置まで回転駆動させる。電飾装置自体が装飾部材としての役目を持っているため、これだけでも演出となるが、さらに、表示装置の前で光による演出を実行することで、遊技者は大いに期待感をもって抽選結果を待つことになる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明した如く本発明では、筐体の肉厚等を含む設計の自由度を向上し、かつ、光を強調するべき領域、並びに背景として光を拡散するべき領域をそれぞれ独立して制御することができるというすぐれた効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(パチンコ機の構成)
図1に示されるように、パチンコ機10の前面下部には、化粧パネルとなる下飾り12が取り付けられている。
【0026】
また、パチンコ機10の下飾り12の上部には、互いに平行、かつ奥行き方向に所定の間隔をおいて配置された一対のガラス板14を装着したガラス枠16が配置されており、ガラス枠16は左側端部が軸支されて開閉可能に取り付けられている。このガラス枠16の奥側には、着脱交換可能な遊技盤18がセットされており、遊技盤18は、ガラス枠16で閉塞された状態でガラス板14に対向するようになっている。
【0027】
ガラス枠16の下部には、一体皿24が配置されている。一体皿24の
図1の右端部には、鍵穴27が設けられ、この鍵穴27にキーを差し込み、左右の内、一方に回すとガラス枠16が開放し、他方に回すと一体皿24が開放する。
【0028】
一体皿24には、上皿部28と、下皿部30とが設けられている。上皿部28を形成する周縁壁部32には、上皿球抜きレバー34が設けられ、この上皿球抜きレバー34を操作することで、上皿部28に貯留された遊技球を下皿部30へ送り出すことができるようになっている。また、下皿部30には、下皿球抜きボタン36が設けられ、この下皿球抜きボタン36を操作することで、下皿部30に貯留された遊技球PBを外部(例えば、所謂「ドル箱」)へ排出することができるようになっている。
【0029】
上皿部28の周縁壁32における
図1の右端部には、球貸ボタン42と、返却ボタン44が設けられている。
【0030】
また、一体皿24の右側下部には打球の発射力(飛距離)を調整するためのグリップユニット(発射ハンドル)26が取り付けられ、左側下部には、灰皿46が取り付けられている。
【0031】
一体皿24における下皿部30の
図1の右側には受け皿スピーカ60Uが配置されている。
【0032】
ここで、一体皿24における上皿部28の周縁壁32には、遊技者が操作可能な操作ボタン50が設けられている。この操作ボタン50は、遊技中において、操作有効期間中に操作することで、演出画像に対して介入することができるようになっており、それぞれの遊技仕様によって設定される。
【0033】
ガラス枠16におけるガラス板14の周囲には、アーチ状に遊技の進行に応じて点灯、消灯、及び点滅し照明による視覚的効果や、音声等による聴覚的効果等の演出効果を生み出す上部演出部52が配置されている。この上部演出部52の下端部は、一体皿24の周囲に略U字型に配置された下部演出部54の上端部と連結されている。
【0034】
この結果、上演出部52と下演出部54とで、遊技盤18の周囲を取り囲むように、演出部56が形成されている。
【0035】
この演出部56は、上演出部52及び下演出部54共に、照明部材(LED等)が取り付けられた基板(図示省略)と、この基板を覆うように、所定の意匠で形成されたレンズカバー58が取り付けられている。
【0036】
レンズカバー58は、前記照明部材が点灯する領域を区画するよう凹凸状にカットされており、区画された領域(以下、必要に応じて「レンズ部58」という)毎に照明部材の点灯制御がなされる。なお、照明部材は基本的にR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色に点灯するLEDが1組となっており、それぞれの点灯時の光量比により、様々な配色の点灯が可能となっている。また、ガラス枠の上部角部には、それぞれ三連表示62が設けられ、遊技状態の報知(エラー報知等を含む)に適用される。
【0037】
また、前記上演出部52における、ガラス枠16の上部円弧の約1/3に相当する領域の中央及び両端には、ガラス枠スピーカ60C、60L、60Rが内蔵され、照明と同時に、音声を出力する。
【0038】
なお、以下では、前述した受け皿スピーカ60Uと、このガラス枠スピーカ60C、60L、60Rを総称して、「スピーカ60」という。
【0039】
(遊技盤の構成)
図2に示される遊技盤18は、基板となるベニヤ板に樹脂製シート状のセルが貼着されてそのセルの表面が盤面となっており、盤面の外周端部付近に、円弧状の外レール102及び内レール104が取り付けられている。
【0040】
前記外レール102及び内レール104との間は、一定の間隔を持って球案内流路200が形成されている。球案内流路200は、発射装置165(
図3参照)から発射された遊技球PBを遊技盤18の円形状の領域(遊技領域)へ案内する役目を有している。なお、この球案内流路200の終端には、球逆流防止弁202が取り付けられている。球逆流防止弁202は、その基部が内レール104の先端部に取り付けられ、外レール102方向に延長されている。
【0041】
前記遊技盤18における、外レール102(並びに一部が内レール104)によって囲まれた円形状の領域は、発射装置165(
図3参照)から発射されて、前記球案内流路200を介して打ち込まれた遊技球PBが自重落下により移動可能とされ、この領域が遊技を行う遊技領域とされている。
【0042】
遊技盤18の遊技領域には、遊技釘及び風車21が点在して打ち込まれている。また、遊技領域におけるほぼ中央には、センター役物105が配置されている。センター役物105は、各種演出等の映像を表示する液晶表示部(LCD表示部)106を備えている。
【0043】
LCD表示部106では、例えば、3列の図柄列が独立して変動し、最終的に3列の図柄列が同一図柄で停止した場合に特別図柄抽選の当選を報知するといった、図柄変動パターン演出が実行される。なお、3列の内、先に2列が同一図柄で停止(仮停止)して、残りの1列が変動中の場合を、「リーチ」という。
【0044】
センター役物105の下辺部は、ステージ105Sが形成されている。ステージ105Sには、釘等で跳ね返えることで受け入れた遊技球PB、或いは図示しないワープ路に案内されて受け入れた遊技球PBが送り込まれるようになっている。
【0045】
ステージ105Sは、傾斜面や突起部等が形成され、前記遊技球PBの移動が当該傾斜面や突起部等により不規則に変化し、最終的に下辺手前から遊技盤18へ戻されるようになっている。
【0046】
図2に示される如く、センター役物105の
図2に向かって左側には、普通図柄抽選の始動機能を持つ通過ゲート118が配置されている。
【0047】
また、センター役物105の下部には、特別図柄始動入賞口(A)130と特別図柄始動入賞口(B)134とが縦列に配置されている。
【0048】
特別図柄始動入賞口(A)130が常時入賞可能に上部が開口しており、一方、特別図柄始動入賞口(B)134の上部開口は、特別図柄始動入賞口(A)130が閉塞している。
【0049】
この特別図柄始動入賞口(B)134には、電動チューリップ136が取り付けられている。電動チューリップ136は、遊技盤18の裏面側に配設された電チューソレノイド138(
図3参照)の通電・非通電によって開閉する構成となっている。
【0050】
ここで、電動チューリップ136が開放状態になると、特別図柄始動入賞口(B)の入賞開口部へのパチンコ球PBの受け入れが可能となり、パチンコ球PBの入賞が可能となる。
【0051】
さらに、
図2に示される如く、前記特別図柄始動入賞口(B)134のさらに下部には、遊技領域の下端部付近に位置してアタッカー112が配置されている。
【0052】
アタッカー112には、開閉扉116が設けられている。この開閉扉116が、アタッカーソレノイド148(
図3参照)の通電・非通電によって開放又は閉塞する。すなわち、開閉扉116の開放時には、開閉扉116上に落下した遊技球PBが開閉扉116に案内されてアタッカー112へ入賞する。
【0053】
また、遊技領域の最下位置には、外れ球を遊技盤18の裏側へ排出するアウト口124が設けられている。
【0054】
さらに、センター役物105よりも下、かつ特別図柄始動入賞口(A)130と特別図柄始動入賞口(B)134の左右には、複数の一般入賞口120(本実施の形態では、
図2に向かって左側に2個の一般入賞口120A、120C、右側に1個の一般入賞口120Cとする。)が設けられている。なお、一般入賞口120は、3個に限られるものではなく、例えば、入賞率等の設計上の演算によってその数を決めればよい。
【0055】
また、この遊技領域に設けられたセンター役物105や盤面周縁には、遊技の進行に応じて点灯、消灯、及び点滅し照明による演出効果を生み出す照明演出用の発光素子136(
図3参照)が多数設けられている。
【0056】
ここで、特別図柄始動入賞口(A)130又は特別図柄始動入賞口(B)134に遊技球PBが入賞すると、特別図柄抽選が実行され、この特別図柄抽選に当選すると、前記アタッカー112の開閉扉116が所定のパターンで開閉動作し、これを所定回数(所定ラウンド)繰り返すようになっている(「特別遊技状態」又は「大役処理」等と言う場合がある)。
【0057】
なお、前記特別図柄抽選の当選/落選は、主としてLCD表示部106の図柄変動表示演出において報知され、この図柄変動パターン演出中、或いは、前記大役処理中の場合は、抽選結果を保留し、順次報知していくようになっている。また、図柄変動表示演出と共に、動物などが擬人化されたキャラクタが表示され、抽選で当選した旨を暗示させることにより、遊技者に期待感を持たせるといった、視覚的な演出をすることがあり、その場合は効果音によって聴覚からも遊技者の興趣を増大させる。
【0058】
なお、本実施の形態では、1個の特別図柄始動入賞口に対して最大4個(本実施の形態では、特別図柄始動入賞口(A)130及び特別図柄始動入賞口(B)134の2個の特別図柄始動入賞口なので、8個となる。)の保留が可能となっている。なお、この保留球数に限定されるものではない。
【0059】
保留球数は、センター役物105における、
図2に向かって右下に配置され、主として特図表示部を備えた遊技進行ガイドランプユニット109の一部である保留ランプによって報知される他、LCD表示部106の一部を用いて、遊技者に見易く表示するようになっている。
(制御系の構成)
次に、
図3を用いてパチンコ機10の制御系について説明する。
【0060】
図3に示されるように、本実施形態に係るパチンコ機10の制御系は、主制御部150を中心として構成されており、この主制御部150には、演出制御部152と払出制御部154とが接続されている。主制御部150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御部150からの命令信号に基づいて、各部の動作が制御されるようになっている。
【0061】
主制御部150からは盤用外部端子190を介してホールコンピュータ(図示省略)へ遊技の進行状態を示す情報(始動入賞信号や大当たり信号、図柄確定回数信号)が送信される。
【0062】
主制御部150には、入力系として、通過ゲート118を通過する遊技球PBを検出する通過ゲートセンサ118S、特別図柄始動入賞口(A)130への入賞球を検出する特
図A始動口センサ130S、特別図柄始動入賞口(B)134への入賞球を検出する特
図B始動口センサ134S、特別遊技状態の際に開放するアタッカー112への入賞球を検出するアタッカーセンサ112S、一般入賞口120A、120B、120Cへの入賞球を検出する一般入賞センサ120AS、120BS、120CSが接続されている。
【0063】
また、主制御部150には、出力系として、遊技情報をランプの点灯状態で報知するガイドランプユニット109、電動チューリップ136を開閉する電チューソレノイド138、アタッカー112の開閉扉116を開閉するためのアタッカーソレノイド148が接続されている。
【0064】
演出制御部152には、入力系として、操作ボタン50が接続されている。また、演出制御部152には、出力系として、パチンコ機10の各種遊技部品に設けられた照明演出用の発光素子136、スピーカ60が接続されている。
【0065】
さらに、演出制御部152には、図柄制御部156を介してLCD表示部106が接続されている。
【0066】
払出制御部154には、払出装置160及び発射制御部164が接続され、発射制御部164には発射装置165が接続されている。この払出制御部154は、パチンコ機10内に設けられた払出装置160を作動させて、賞球又は貸し球の払い出し及び停止動作と払出数を制御する。また、発射制御部164は、遊技者によるグリップユニット26(
図1参照)の操作により発射装置165を作動させて、遊技球PBの発射開始、及び、グリップユニット26の操作量に応じた発射力を制御する。
【0067】
さらに、払出制御部154では、枠用外部端子191を介して払出情報をホールに設置されたホールコンピュータ(図示省略)へ送信するようになっている。
【0068】
(電飾装置)
図2に示される如く、上記構成の遊技盤18には、可動型の電飾装置210が設けられている。
【0069】
この電飾装置210は、左右対称の左電飾部210L、右電飾部210Rとで構成されている。左電飾部210L、右電飾部210Rは、LCD表示部106の前面(遊技者が対面する側)で互いに一部(
図2のA線矢視部)が当接することで、全体として「ハート型」を構成する演出位置(
図2の実線参照)と、左電飾部210L、右電飾部210RがそれぞれLCD表示部106の左右に分離して待避する待避位置(
図2の鎖線参照)とに、選択的に回転軸212L、212Rを介して回転動作するようになっている。
【0070】
なお、左電飾部210L、右電飾部210Rには、それぞれガイド片214L、214Rが取り付けられており、LCD表示部106の上部に設けられたスリット溝(図示省略)に収容されている。このガイド片214L、214Rは、左電飾部210L、右電飾部210Rの前記回転動作中に肉厚方向にブレが生じないように前記スリット溝に案内されて移動するようになっている。
【0071】
上記電飾装置210は、演出位置において、「ハート型」を構成するため、意匠的な演出効果をもたらすと共に、自身が発光することで、演出効果をさらに高め、かつ盛り上げるようになっている。
【0072】
光による演出効果の1つとして、「ハート型」の電飾装置210には、ほぼ均等ピッチで強調演出部216が設けられている。強調演出部216は、正面視でハート型とされ、表面が凸レンズ状に形成されており、後述する第1の光源部228からの光が焦点位置に集光するようになっている。
【0073】
一方、強調演出部216の周囲は背景演出部218とされ、前記強調演出部216を引き立てるためのカットが施されている。この背景演出部218からは、後述する第2の光源部230からの光が拡散されて出力されるようになっている。
【0074】
図4〜
図8には、電飾装置210の構造が示されている。なお、電飾装置210を構成する左電飾部210Lと右電飾部210Rとは左右対称で同一構造であるため、本実施の形態で左電飾部210Lを例にとり説明する。なお、以下において、「電飾装置210は」とした場合、左電飾部210L、右電飾部210Rの何れか一方を指し示す場合を含むものとする。
【0075】
図5に示される如く、左電飾部210Lは、4層構造となっており、基板カバー220、基板222、屈折板224、レンズカバー226が重ねられることで左電飾部210Lが構成されるようになっている。
【0076】
基板カバー220は、電飾装置210の形状の基準(左電飾部210Lのみでは「ハート型」の左半分形状)となるものであり合成樹脂の成型品であり、その他の部材(基板222、屈折板224、レンズカバー226)を支持する役目を有している。
【0077】
基板カバー220の周縁(一部を除く)には、リブ220Aが形成されており、このリブ220Aの内側に基板222が収容され、嵌め込まれるようになっている。なお、この嵌め込み構造として、圧入、爪係止、ビス締め等、特に限定されるものではないが、ガタツキがない状態で嵌め込まれることが好ましい。
【0078】
基板222には、図示は省略したが配線パターンが施されており、この配線パターンに応じて複数の光源部(第1の光源部228、第2の光源部230)が取り付けられている。
【0079】
光源部は、種類の異なる第1の光源部228と第2の光源部230とが、1個ずつの対となって、予め定められたピッチで複数セット(本実施の形態では、7セット)が基板222の長手方向に沿って配置されている。
【0080】
第1の光源部228と第2の光源部230の共通点はチップ型のLED光源ユニットであり、それぞれ発光点として赤色、緑色、青色の3原色のLED発光素子R、G、Bが取り付けられ、各LED発光素子R、G、Bの発光光量を制御することによって、所謂フルカラーの光を出力することができるようになっている。
【0081】
一方、第1の光源部228と第2の光源部230の相違点は、当該LED発光素子R、G、Bが取り付けられた面、すなわち発光面228A、230Aの向きが異なっている。
【0082】
本実施の形態では、第1の光源部228の発光面228Aが上向き(基板222の主面222Aと平行な方向)であり、発光点から発する光の光軸は基板222からほぼ垂直に離れる方向となる。また、第2の光源部230の発光面230Aが横向き(基板222の主面222Aと直交する方向)となっており、発光点から発する光の光軸は基板222に対してほぼ平行
な方向となる。第2の光源部230の発光面230Aは、ほぼ、次のピッチに位置する第1の光源部228に向いている。この「ほぼ」とは、電飾装置210が「ハート型」に弧を描いているため、実際には、第2の光源部230の発光面230Aが直線的に次のピッチの第1の光源部228に向いていない場合があるからである。
【0083】
ここで、基板222に、前記第1の光源部228と第2の光源部230とが取り付けられることで、当該基板222の主面222A側は、平坦ではなくなっている。このような基板222の主面222A上に、前記屈折板224が取り付けられるようになっている。このとき、屈折板224には、前記第1の光源部228及び第2の光源部230が取り付けられた位置とほぼ同一のピッチで矩形状の貫通孔232が形成されている。
【0084】
このため、屈折板224は、基板222にほぼ密着する状態で取り付けられるようになっている。
【0085】
屈折板224の下面(基板222との対向面)は、複数の凹陥部234が形成されている。凹陥部234の側面の一部は傾斜面部234Aとされている。この傾斜面部234Aは、前記第2の光源部230の発光面230Aに対面しており、この結果、第2の光源部230から発光した光は、この傾斜面部234Aで屈折して、第1の光源部228の発光方向と同一方向に向けられるようになっている(
図8(A)の矢印B参照)。
【0086】
本実施の形態では、屈折板224に形成された凹陥部234は、千鳥状に配列されている。このため、第2の光源部230から照射された光が、前段の凹陥部234で全て屈折するのではなく、後段の凹陥部234まで行き届くように、意図的に凹陥部234をくぐり抜ける光を作り出している。従って、1個の第2の光源部230から照射された光は、次のピッチの第1の光源部228までの領域の全域に亘り分散され、かつ屈折されるようになっている。
【0087】
なお、光の分散を考慮して凹陥部234を千鳥状配列としたが、電飾装置210の大きさや形状によっては、千鳥状配列以外の配列の方が好ましい場合もある。従って、凹陥部234は、縦横に所謂マトリクス状配列としてもいし、凹陥部234が横方向に連続し、縦断面形状がのこぎり状となる配列、或いは、意図的にランダムに配列するようにしてもよい。
【0088】
レンズカバー226は、前記屈折板224を挟むように基板222上に取り付けられている。
【0089】
レンズカバー226は、電飾装置210の幅方向中央部に相当する部分が凸となる円弧形状(所謂オワン型)となり、その周縁部には、側壁部226Aが形成されている。側壁部226Aは、前記基板カバー220の側面に達するようになっており、この結果、レンズカバー226と基板カバー220とにより、基板222(及び屈折板224)を被覆するようになっている。
【0090】
レンズカバー226と、基板カバー220との係合は、特に限定されるものではないが、内部メンテナンス等を考慮すると着脱可能に爪部材を変形することで係合する構成が好ましい。
【0091】
レンズカバー226の表面は、前述したように、強調演出部216と背景演出部218とが形成されている。この強調演出部216と背景演出部218の形成は、レンズカバー226の成形時に金型による成形で
あってもよいし、金型成形後に加工するようにしてもよい。
【0092】
ここで、レンズカバー226が基板カバー220に係合された状態で、前記強調演出部216は、前記第1の光源部228に対向するようになっている。
【0093】
図6に示される如く、レンズカバー226には、強調演出部216を最表層部とした導光部236が形成されている。導光部236は柱状(円柱、多角柱等)とされ、底面部236Aが前記第1の光源部228の発光面228Aに近接している。なお、ここで言う「近接」は、底面部236Aが第1の光源部228の発光面228Aと接触して所定の荷重を受けている状態、底面部236Aと第1の光源部228の発光面228Aとが互いに非接触で若干(約1mm以下)の隙間を持っている状態を含む。底面部236Aが第1の光源部228の発光面228Aに接触して、所定の加重を受けている場合は、導光部236は、レンズカバー226を支える支柱としての役目も兼ねることになる。従って、必要に応じて、前記「近接」状態を設定すればよい。
【0094】
導光部236は、第1の光源部228から出射された光を前記底面部236Aで受け入れ、そのほとんどの光を前記最表層部の強調演出部216へ伝送する役目を有している。このため、第1の光源部228の発光光量のほとんどが、強調演出部216で発光されることになる。
【0095】
一方、レンズカバー226における導光部236以外の領域は、空洞部238が形成され、この空洞部238を形成する壁面全域に亘り、筋状の凹凸部240が形成されている。本実施の形態の凹凸部240は、半円形状の突起が連続して形成されている。
【0096】
この凹凸部240には、前記第2の光源部230から出射され、かつ屈折板224の傾斜面部234Aによって屈折された光が照射されるようになっている。この照射された光は、凹凸部240に当たることによりそれぞれ拡散され、空洞内の光量がほぼ均一化されることになる。この均一化された光が、レンズカバー226の最表層部である背景演出部218から出力される。なお、凹凸部240の形状は、半円形状の突起を連続して形成されたものではなく、規則性をもって、或いはランダムに独立した凹陥部を複数個形成したもの、空洞部238に肉盛りをして、透明度を調整(曇り、泡、不純物等)するようにしてもよい。
【0097】
以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0098】
パチンコ機10による遊技では、遊技者がグリップユニット26を操作すると、一球ずつ発射装置165によって上方へ発射される。発射された遊技球PBは、外レール102に沿って遊技盤18の遊技領域19に打ち込まれ、遊技釘や風車に当たり方向を変えながら遊技領域19内を落下する。そして、入賞せずに遊技領域19の下端部に至った遊技球PBはアウト口40からパチンコ機10内に回収される。
【0099】
また、遊技球PBが遊技領域19内に設けた始動入賞口20に入賞したり、通過ゲート22を通過すると、それぞれの遊技仕様に基づく処理(例えば、抽選等)が実行されると共に、LCD表示部106への画像表示演出、スピーカ60を用いた音演出等が実行される。また、図示は省略したが、普通入賞口に入賞すると、予め定めた賞球(払い出し)が実行される。
【0100】
(遊技仕様の概要)
まず、主制御部150における抽選処理を中心とした遊技制御について説明する。
【0101】
特別図柄始動入賞口(A)130又は特別図柄始動入賞口(B)134に、遊技球PBが入賞すると、有効始動入賞か否かが判断される。この有効始動入賞とは、保留球が満杯(例えば、1個の始動口に対して4個)ではなく、かつ特別図柄始動入賞口(A)130又は特別図柄始動入賞口(A)134へ遊技球PBが入賞したことを言い、これによって抽選権利を得ることになる。なお、無効始動入賞時は、抽選の権利は与えられないが、所定数(3〜5個程度)の賞球払出しがなされる場合もある。
【0102】
上記始動入賞が有効始動入賞であった場合には、乱数を取得し、予め記憶されている当り値を読み出し、双方を比較して、抽選が当りか外れかを判定する。
【0103】
なお、現在の遊技状態が大当たり処理中、或いは図柄変動パターン演出中の場合は、抽選の権利を保留にするべく、保留数を1つ加算(+1)し、現在の遊技状態が大当たり処理中ではなく、或いは図柄変動パターン演出中でもなくなったときに、保留数を1つ減算して抽選処理が実行される。
【0104】
この抽選の当り/外れに基づいて、図柄変動パターン演出時間を設定し、抽選結果、図柄変動パターン時間を含むコマンドを副制御部152へ送出する。
【0105】
副制御部152では、抽選の結果を、設定された演出時間を使って報知する。
【0106】
この報知後、抽選の結果が当たりの場合には、特別遊技状態(大当たり処理)が実行される。通常遊技状態では常に閉止状態のアタッカー112を所定のラウンド数(5R,10R,15R)だけ開閉する。なお、アタッカー112の開放時間は最大30秒であり、アタッカー112が開放中に所定数(例えば、8〜10個)の遊技球の入賞があった時点で閉止し、所定の閉止時間をおいて、次のラウンド(開放)に移行する。これにより、遊技者は短時間で多くの遊技球の賞球を受けることができる。
【0107】
(電飾装置210の可動による演出)
上記遊技仕様に基づく遊技の進行において、特に、抽選の結果を報知する図柄変動パターン演出の際、LCD表示部106での演出に加え、機械的な動作を伴う、電飾装置210による演出をする場合がある。この電飾装置210による演出は、例えば、抽選結果に基づいて、副制御部152で別途抽選を行ない、LCD表示部106による演出中の所定のタイミングで実行される。
【0108】
電飾装置210は、通常は、
図2の鎖線で示されるように、左電飾部210L、右電飾部210RがそれぞれLCD表示部106の左右に分離して待避する待避位置にいるため、遊技者にはほとんど見えない状態となっている。
【0109】
ここで、演出タイミングになると、左電飾部210L、右電飾部210Rがそれぞれ回転を介して、
図2の実線で示されるように、LCD表示部106の前面で互いに一部(
図2のA線矢視部)が当接するまで移動する。この当接によって、電飾装置210の全体として「ハート型」を構成することで、遊技者には充分は演出を提供することができる。なお、電飾装置210は、所定時間経過すると、再度待避位置へ移動する。
【0110】
なお、左電飾部210L、右電飾部210Rには、それぞれガイド片214L、214Rが取り付けられ、LCD表示部106の上部に設けられたスリット溝に収容されているため、左電飾部210L、右電飾部210Rの前記回転動作中に肉厚方向にブレが生じることがなく、例えば、LCD表示部106の表示面を傷つけるようなことはない。
【0111】
上記電飾装置210は、演出位置において、「ハート型」を構成するため、意匠的な演出効果をもたらすと共に、自身が発光することで、演出効果をさらに高め、かつ盛り上げるようになっている。
【0112】
(電飾装置210の電飾による演出)
電飾装置210が
図2の実線位置にいるとき、第1の光源部228及び第2の光源部230が、それぞれ独立して制御されて発光する。
【0113】
第1の光源部228は、その発光面228Aが上を向いており、導光部236と対向しているため、そのほとんどの光が強調演出部216へ導かれ出力される。この強調演出部216は、ハート型でありかつ凸レンズ状に形成されているため、出力された光は、拡散することなく集光されていくため、遊技者はこの強調演出部216の光を強く受けることになる。
【0114】
一方、第2の光源部230は、その発光面230Aが横向きであり、まず、屈折板224の傾斜面部234Aによって上向きに屈折され、その後、レンズカバー226の空洞部238における壁面に形成された凹凸部240によって拡散され、背景演出部218から出力される。このため、背景演出部218は、例えば、強調演出部216よりも光量が少なく、かつ全体的に均一な光として、発光することになる。
【0115】
このように、本実施の形態では、強調演出部216から出力させる光を第1の光源部228とし、背景演出部218から出力させる光を第2の光源部230とし、それぞれが独立して光量制御等を実施可能としたため、演出効果を向上することができる。
【0116】
第1の光源部228の発光面228Aは、導光部236に近接させたため、第1の光源部228から出射されるほとんどの光が導光部236によって強調演出部216に導かれ、背景演出部218に影響を与えることがない。
【0117】
また、第2の光源部230の発光面230Aを横向きとし、屈折板224の傾斜面部234Aでレンズカバー226の背景演出部218に対応する空洞部238の全域に光を行き渡らせるようにしたため、光量むらがなく、かつ第1の光源部228の光とは完全に分離して、強調演出部216に影響を与えることがない。
【0118】
以上説明したように、本実施の形態の電飾装置210では、レンズカバー226の表層面において、第1の光源部228から出射された光のほとんどが強調演出部216から出力され、第2の光源部230から出射された光が拡散されて背景演出部218から出力され、それぞれの光が互いに影響を与えることがなく、また、独立した光量等の加減により様々な演出が可能となる。また、それぞれの光量や色あいを調整する際、一方の調整が他方の調整に関与するものではないので、演出のバリエーションの自由度を高くすることができる。