(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような燃費の比較は、一般的には、コンビネーションメータに表示された値を目視で確認することにより行われているので、正確性、客観性に欠けるとともに、他者との燃費の比較を車両において行うことができないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記課題に係る問題を解決することを目的としている。即ち、本発明は、燃費などの車両の走行に係る走行情報を正確かつ客観的に比較することができる車両用表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、
図1の基本構成図に示すように、自車両の走行に係る走行情報を表示する車両用表示装置であって、前記自車両と異なる他車両において検出された他車両の走行情報を外部から取得する走行情報取得手段P1と、前記走行情報取得手段P1によって取得された前記他車両の走行情報を走行情報記憶部D1に格納する走行情報格納手段P2と、前記走行情報記憶部D1に格納された前記他車両の走行情報を前記自車両の走行情報に並べて情報表示部D2に表示する比較表示手段P3と、
外部から送信された、送信元を示す送信元情報と、送信先を示す送信先情報として前記自車両に割り当てられたアドレス情報と、前記他車両の走行情報と、を含む、他車両情報を無線受信部D3を通じて受信する情報受信手段P4と、前記情報受信手段P4によって受信された前記他車両情報に含まれた前記送信元情報を情報表示部D2に表示する送信元情報表示手段P5と、所定の受信確認操作が操作部D4に入力されたか否かを判定する受信確認操作判定手段P6と、を有し、前記走行情報取得手段P1が、前記情報受信手段P4によって受信された前記他車両情報に含まれた前記他車両の走行情報を取得するように構成され、前記走行情報格納手段P2が、前記送信元情報表示手段P5によって前記送信元情報が情報表示部D2に表示された後に前記受信確認操作判定手段P6によって操作部D4に前記受信確認操作が入力されたことが判定されたとき、前記他車両の走行情報を前記走行情報記憶部D1に格納するように構成されていることを特徴とする車両用表示装置である。
【0008】
請求項
2に記載された発明は、請求項
1に記載された発明において、
図1の基本構成図に示すように、外部への送信先を示す送信先情報が予め格納された送信先情報記憶部D5と、前記自車両の走行情報と前記送信先情報記憶部D5に格納された前記送信先情報とを含む車両情報を生成する車両情報生成手段P7と、前記車両情報生成手段P7によって生成された前記車両情報を無線送信部D6を通じて送信する情報送信手段P8と、をさらに有していることを特徴とするものである。
【0009】
請求項
3に記載された発明は、請求項
2に記載された発明において、
図1の基本構成図に示すように、前記車両情報生成手段P7によって生成された前記車両情報に含まれた前記送信先情報を情報表示部D2に表示する送信先情報表示手段P9と、所定の送信確認操作が操作部D4に入力されたか否かを判定する送信確認操作判定手段P10と、をさらに有し、前記情報送信手段P8が、前記送信先情報表示手段P9によって前記送信先情報が情報表示部D2に表示された後に前記送信確認操作判定手段P10によって操作部D4に前記送信確認操作が入力されたことが判定されたとき、前記車両情報を無線送信部D6を通じて送信するように構成されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項
4に記載された発明は、請求項
2又は3に記載された発明において、
図1の基本構成図に示すように、登録送信先情報を含む登録情報を無線受信部D3を通じて受信する登録情報受信手段P11と、前記登録情報受信手段P11によって受信された前記登録情報に含まれた前記登録送信先情報を情報表示部D2に表示する登録前情報表示手段P12と、所定の登録操作が操作部D4に入力されたか否かを判定する登録操作判定手段P13と、前記登録前情報表示手段P12によって前記登録送信先情報が情報表示部D2に表示された後に前記登録操作判定手段P13によって操作部D4に前記登録操作が入力されたことが判定されたとき、前記登録情報に含まれた前記登録送信先情報を前記送信先情報として前記送信先情報記憶部D5に格納する送信先情報格納手段P14と、をさらに有していることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載された発明によれば、本発明の車両用表示装置が搭載された車両即ち自車両と異なる他の車両において検出された他車両の走行情報を外部から取得して、この他車両の走行情報を、走行情報記憶部に格納するとともに当該自車両の走行情報に並べて情報表示部に表示するので、走行情報を比較する際に、目視での確認において生じるおそれのある走行情報の確認誤りや恣意的な情報操作などを防止することができ、走行情報を正確かつ客観的に比較することができる。また、車両において検出された走行情報の比較方法として、例えば、カーナビゲーション装置などに搭載された通信機能を用いて走行情報をサーバにアップロードし、パソコンや携帯電話などからインタネットを通じて比較結果を確認するというシステムなどが考えられるが、このような大がかりなシステムを用いることなく、車両に搭載された車両用表示装置上で比較結果を容易に確認することができる。
【0012】
また、請求項
1に記載された発明によれば、自車両に割り当てられたアドレス情報を送信先情報として含む他車両情報を無線受信部を通じて受信するとともに、当該他車両情報に含まれる他車両の走行情報を取得するので、自車両とは異なる別の車両宛に送信された他車両情報を誤って受信することがなく、誤った走行情報の比較を回避することができ、また、メモリカードなどの可搬型記憶手段などの着脱等の煩雑な操作を行うことなく、容易に他の車両において検出された他車両の走行情報を取得することができる。
【0013】
また、他車両情報には、その送信元を示す送信元情報がさらに含まれており、他車両情報を受信したときにこの送信元情報を情報表示部に表示するとともに、それが表示された後に操作部に所定の受信確認操作が入力されたとき、受信した他車両情報に含まれる他車両の走行情報を走行情報記憶部に格納するので、走行情報記憶部に他車両の走行情報を格納する前に、他車両情報の送信元を確認することができ、そのため、希望しない相手(送信元)からの他車両の走行情報が走行情報記憶部に格納されることを防止することができる。
【0014】
請求項
2に記載された発明によれば、自車両の走行情報と、送信先情報記憶部に予め格納された外部への送信先を示す送信先情報と、を含む車両情報を生成して、この車両情報を無線送信部を通じて送信するので、メモリカードなどの可搬型記憶手段などの着脱等の煩雑な操作を行うことなく、容易に他の車両等の外部に向けて自車両で検出された走行情報を送信することができる。
【0015】
請求項
3に記載された発明によれば、車両情報に含まれる送信先情報を情報表示部に表示するとともに、それが表示された後に操作部に所定の送信確認操作が入力されたとき、当該車両情報を無線送信部を通じて外部に送信するので、車両情報を送信する前に、車両情報の送信先を確認することができ、そのため、車両情報が誤った送信先に向けて送信されてしまうことを防止できる。
【0016】
請求項
4に記載された発明によれば、外部から送信された、登録送信先情報を含む、登録情報を無線受信部を通じて受信して、この登録情報に含まれた登録送信先情報を情報表示部に表示するとともに、それが表示された後に操作部に所定の登録操作が入力されたとき、当該登録情報に含まれた登録送信先情報を送信先情報として送信先情報記憶部に格納するので、外部から送信された登録情報に含まれる登録送信先情報を送信先情報記憶部に格納することができ、容易に送信先情報の登録ができるとともに、当該登録情報に含まれた登録送信先情報が送信先情報記憶部に格納(即ち、登録)される前に当該登録送信先情報を確認することができ、そのため、登録を希望しない送信先情報が意図せず登録されてしまうことを防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の車両用表示装置の一実施形態であるメータECUを、
図2〜
図15を参照して説明する。
【0019】
メータECU1は、公知であるコンビネーションメータであり、
図2に示すように、車両の走行速度及びエンジン回転数を表示する表示部としての複数の指針計器20と、情報表示部としての液晶ディスプレイ(LCD)30と、ターンランプなどの各種表示灯40と、を備えている。そして、メータECU1は、周知であるように、複数の指針計器20とLCD30との間は見返し板8が配置されており、それらを図示しない表ガラスで覆った状態で車両の運転席の前方に配置されている。また、見返し板8のLCD30の下方の箇所には、メモリカード28が挿入されるメモリカード挿入口8aが設けられており、その奥には、後述する外部記録メディアI/F18が配設されている。
【0020】
複数の指針計器20の各々は、表面に目盛及び数字、文字または記号等の指標が設けられた文字板と、該文字板の前面に配置される指針と、状態情報の計測量に応じて指針を駆動する内機(図示なし)と、を有して構成している。本実施形態の複数の指針計器20は、速度計(SPEED)20aと回転計(REV)20bとを有している。
【0021】
メータECU1は、
図3に示すように、中央演算処理装置(Central Processing Unit;CPU)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、EEPROM14(Electrically Erasable ROM)と、通信部15と、アナログ−デジタル変換部(A/D部)26と、を有している。
【0022】
CPU11は、メータECU1全体の制御を司り、ROM12に記憶されているプログラムに従った制御を行う。CPU11は、電源回路11jを介して車両のバッテリから供給される電力によって動作する。CPU11は、インタフェース(I/F)11iを介して車両のイグニッションスイッチ(IGN+)のOFF状態からON状態への変化(即ち、電源投入)に応じて起動し、IGN+のON状態からOFF状態への変化に応じて動作を終了する。
【0023】
CPU11は、I/F11iを介して、車両が単位距離走行する毎に走行パルスを出力する走行センサ(不図示)からの走行パルス信号(速度信号)と、エンジン点火系の一構成要素として構成されるイグニッションコイル(不図示)からのエンジン回転数に比例したパルス信号(エンジン回転数信号)と、が入力される。CPU11は、速度信号が入力されると、その信号が示す走行速度を走行速度情報として取得する。また、CPU11は、エンジン回転数信号が入力されると、その信号が示すエンジン回転数をエンジン回転数情報として取得する。また、CPU11は、上記走行パルス信号(速度信号)に基づいて車両の走行距離を取得するとともに、後述するEEPROM14に格納された総走行距離及び区間走行距離に取得した走行距離を順次積算する。
【0024】
ROM12は、
図1に示す請求項中の走行情報取得手段P1、走行情報格納手段P2、比較表示手段P3、情報受信手段P4、送信元情報表示手段P5、受信確認操作判定手段P6、車両情報生成手段P7、情報送信手段P8、送信先情報表示手段P9、送信確認操作判定手段P10、登録情報受信手段P11、登録前情報表示手段P12、登録操作判定手段P13、及び、送信先情報格納手段P14、などの各種手段としてCPU11を機能させるための制御プログラムなどを記憶している。CPU11は、上記制御プログラムを実行することで、上記各種手段等として機能することになる。また、ROM12には、制御プログラムなどによって用いられる各種情報を記憶している。RAM13は、各種のデータを格納するとともにCPU11の処理作業に必要なエリアを有している。
【0025】
EEPROM14は、電気的消去/書き換え可能な読み出し専用のメモリであり、CPU11に電気的に接続されている。EEPROM14には、
図4に示すように、(1)前回給油時の総走行距離、(2)現時点での総走行距離(ODD)、(3)前回リセット時からの区間走行距離(TRIP)、(4)総給油量、(5)後述する無線LAN通信のためにこのメータECU1が搭載された自車両に割り当てられたIPアドレスである自車両アドレス、(6)無線LAN通信のために後述する車両情報J1を送信する相手先に割り当てられたIPアドレスである送信先アドレス、(7)自車両の燃費情報、(8)自車両と異なる他の車両などから受信した後述する他車両情報J2に含まれた他車両の燃費情報、などが格納されている。EEPROM14は、請求項中の送信先情報記憶部、走行情報記憶部に相当する。また、上記IPアドレスが、請求項中のアドレス情報に相当し、自車両アドレスが、請求項中の送信元情報に相当し、送信先アドレスが、請求項中の送信先情報に相当し、自車両の燃費情報が、請求項中の自車両の走行情報に相当し、他車両の燃費情報が、請求項中の他車両の走行情報に相当する。
【0026】
通信部15は、車両に構築されているCAN等の図示しない車載ネットワークにI/F11iを介して通信可能に接続され、CAN等の通信プロトコルで車載ネットワークに接続された他の電子機器と通信を行う。通信部15は、CPU11から入力される情報を他の電子機器に送るとともに、他の電子機器から送られた情報を受け取りCPU11に出力する。CPU11には、例えば、他の電子機器によって検知された給油口の開閉情報が通信部15を通じて入力され、この開閉情報に基づいて、給油状態の開始及び終了を検出する。
【0027】
A/D部26は、周知のアナログ−デジタル変換モジュールで構成されており、図示しない液面レベルセンサから送信され、自車両に設けられた燃料タンク内の液面レベルに比例したアナログ電圧となる液面レベル信号が入力されて、このアナログ電圧を量子化してデジタル値に変換し、CPU11に出力する。CPU11は、このデジタル値に基づいて燃料タンク内の燃料残量を検出する。
【0028】
また、CPU11にはモータドライバ16とLCDドライバ17が電気的に接続されている。そして、モータドライバ16には、速度計20a、回転計20bの2つの指針計器20が電気的に接続されている。モータドライバ16は、CPU11の制御により各計器2の内機(モータ)を駆動させる。これにより、各指針計器20は、モータドライバ16を介して入力された駆動信号により、指針を駆動信号に応じた指示位置まで回動させ、文字板の指標と協働して走行速度情報及びエンジン回転数情報を表示する。
【0029】
LCDドライバ17には、LCD30が電気的に接続されており、CPU11の制御によりLCD30を駆動させる。LCD30は、CPU11からの要求に応じた各種情報を表示することが可能な構成となっている。そして、本実施形態において、LCDドライバ17は、CPU11から要求された各種情報(車両の総走行距離(ODD)及び区間走行距離(TRIP)31、ウォーニング32、シフトインジケータ33、燃料残量情報34、燃費情報38、二酸化炭素排出量情報39など)を、LCD30に表示させる。
【0030】
また、CPU11には、I/F11iを介して無線通信が可能な無線通信ユニット27が接続されている。この無線通信ユニット27は、CPU11の制御に応じて、近隣にある他の車両に搭載されたメータECUの無線通信ユニットやパソコンや携帯電話などの無線通信端末などとの間で、各種情報の送受信を行う。本実施形態において無線通信ユニット27は、無線LANの標準規格(IEEE802.11シリーズなど)に準拠しており、他の無線通信ユニットや無線通信端末との間でアドホック接続を可能とするように構成されている。勿論、これ以外にも、Bluetoothや赤外線などを用いた無線通信機器間での近距離無線通信などにより各種情報の送受信を行うものであってもよい。
【0031】
CPU11は、無線通信ユニット27を通じて、
図5(a)、(b)、(c)に一例を示す、車両情報J1、他車両情報J2、登録情報J3などを送受信する。
【0032】
車両情報J1は、メータECU1において算出(検出)された自車両における燃費情報を外部に送信する時に生成される情報であって、送信元アドレスとしてEEPROM14に格納された自車両アドレス、送信先アドレスとしてEEPROM14に格納された送信先アドレス、及び、自車両における燃費情報(生涯燃費/給油区間燃費[km/L])を含んでいる。なお、生涯燃費とは、車両が走行した総走行距離と当該車両に給油された総給油量とから求められた燃費であり、給油区間燃費とは、前回給油時から今回給油時までに走行した走行距離と今回給油時に給油された給油量とから求められた燃費である。
【0033】
また、他車両情報J2は、自車両と異なる他車両において生成された上記車両情報J1であって、送信元アドレスとして他車両などの情報送信機器に割り当てられたIPアドレス、送信先アドレスとして送信相手に割り当てられたIPアドレス(自車両宛の場合は、自車両アドレス)、及び、他車両における燃費情報(生涯燃費/給油区間燃費[km/L])を含んでいる。
【0034】
また、登録情報J3は、EEPROM14に送信先アドレスとして登録を求めるIPアドレス(即ち、登録送信先アドレス)を含む情報であって、送信元アドレスとして他車両などの情報通信機器等に割り当てられたIPアドレス、送信先アドレスとして送信相手に割り当てられたIPアドレス(自車両宛の場合は、自車両アドレス)、及び、登録送信先アドレスを含んでいる。なお、登録送信先アドレスが、請求項中の登録送信先情報に相当する。
【0035】
また、CPU11には、外部記録メディアI/F18が電気的に接続されている。外部記録メディアI/F18には、CFカードやSDカードなどの可搬型記憶手段であるメモリカード28を着脱可能なリーダライタ部が設けられている。外部記録メディアI/F18は、CPU2の制御に応じてリーダライタ部に取り着けられたメモリカード28に各種情報を記録したり、メモリカード28に記録された各種情報を読み出したりする。
【0036】
また、LCD30に表示する情報を切り換える際などに操作される操作スイッチ5が設けられている。この操作スイッチ5は、CPU11に接続されており、CPU11は、操作スイッチ5に入力された各種操作を検出して、これら各種操作に対応してLCD30の表示を切り換えたり、区間走行距離をリセットしたり、車両情報J1を送信したりする。
【0037】
また、この操作スイッチ5には、後述する他車両情報の受信確認時において、所定の受信確認操作又はキャンセル操作が入力され、車両情報の送信確認時において、所定の送信確認操作又はキャンセル操作が入力され、登録送信先アドレスの登録確認時において、所定の登録操作又はキャンセル操作が入力され、CPU11は、これら操作を検出して入力された操作に応じた動作を行う。
【0038】
以下、上述したメータECU1が備えるCPU11における本発明に係る処理(燃費表示処理、送信先登録処理、燃費演算処理、車両情報送信処理、他車両情報受信処理)の一例を、
図6〜
図10のフローチャートを参照して説明する。なお、メータECU1が搭載された自車両には、無線LAN通信のためのIPアドレス、即ち、自車両アドレスとして、「192.168.1.1」が割り当てられており、このメータECU1の通信相手となる他車両には、IPアドレスとして「192.168.1.2」が割り当てられている。
【0039】
メータECU1に電源が投入されると、CPU11は、所定の初期化処理を実行したのち、入力された各種信号に基づいて、走行速度及びエンジン回転数を速度計20a、回転計20bに表示するとともに、
図11に示すように、車両の総走行距離(ODD)及び区間走行距離(TRIP)31、ウォーニング32、シフトインジケータ33等を表示する標準画面を、LCD30に表示する処理を実行するとともに、この処理と並行して
図6に示す燃費表示処理を実行する。
【0040】
燃費表示処理において、まず、送信先登録処理(S100、
図7のS110〜S150)を実行する。
【0041】
送信先登録処理では、
図11に示す標準画面をLCD30に表示している状態において、例えば、
図5(c)に示すような、送信先アドレスとして自車両アドレスを含む登録情報J3を無線通信ユニット27を通じて受信したか否かを判定して(S110)、登録情報J3を受信していなければ(S110でN)、送信先登録処理を終了し、受信していれば(S110でY)、当該登録情報J3に含まれた登録送信先アドレスを取得して(S120)、この登録送信先アドレスを登録確認メッセージとともにLCD30に表示する(S130、
図12の登録確認画面の符号35)。この状態、即ち、登録送信先アドレスの登録確認時において、操作スイッチ5に長押し操作(例えば、3秒以上連続した押下操作)が入力されると、所定の登録操作が入力されたものとして(S140でY)、当該登録送信先アドレスを送信先アドレスとしてEEPROM14に格納し(S150)、または、操作スイッチ5に短押し操作(例えば、3秒未満の押下操作)が入力されると、キャンセル操作が入力されたものとして(S140でN)、当該登録送信先アドレスをEEPROM14に格納せず破棄する。そして、登録送信先アドレスの表示を消去して標準画面(
図11)に戻し、送信先登録処理を終了する。
【0042】
上記送信先登録処理を終了すると、次に、燃費演算処理(S200、
図8のS210〜S270)を実行する。
【0043】
燃費演算処理では、CPU11に、通信部15を通じて給油口の開情報が入力されたか否かを判定して(S210)、上記開情報が入力されていなければ(S210でN)、燃費演算処理を終了し、入力されていれば(S210でY)、給油状態になったものとして、液面レベル信号に基づいて給油前の燃料残量を検出するとともに、その後、通信部15を通じて給油口の閉情報が入力されるまで待ったのち、当該閉情報が入力されると再度液面レベル信号に基づいて給油後の燃料残量を検出して、これらの差分から燃料の給油量を取得する(S220)。そして、EEPROM14から総走行距離と前回給油時の総走行距離を取得して(S230、S240)、これら差分から前回給油時からの走行距離を取得して、当該走行距離と燃料の給油量から給油区間燃費を演算する(S250)。そして、燃料の給油量をEEPROM14の総給油量に積算して、総走行距離と総給油量から生涯燃費を演算する(S260)。そして、給油区間燃費と生涯燃費とを自車両の燃費情報としてEEPROM14に格納する(S270)。そして、燃費演算処理を終了する。
【0044】
上記燃費演算処理を終了すると、次に、車両情報送信処理(S300、
図9のS310〜S360)を実行する。
【0045】
車両情報送信処理では、
図11に示す標準画面をLCD30に表示している状態において、操作スイッチ5に上記短押し操作が連続して2回入力されたか否かを判定して(S310)、これら操作が入力されていなければ(S310でN)、車両情報送信処理を終了し、入力されていれば(S310でY)、EEPROM14に格納された自車両アドレス、送信先アドレス、及び、自車両の燃費情報を取得して、例えば、
図5(a)に示すような、これら情報を含む車両情報J1を生成する(S320)。そして、この車両情報J1に含まれた送信先アドレスを取得して(S330)、この送信先アドレスを送信確認メッセージとともにLCD30に表示する(S340、
図13の送信確認画面の符号36)。この状態、即ち、送信先アドレスへの車両情報J1の送信確認時において、操作スイッチ5に上記長押し操作が入力されると、所定の送信確認操作が入力されたものとして(S350でY)、上記送信先アドレスに無線通信ユニット27を通じて車両情報J1を送信し(S360)、または、操作スイッチ5に上記短押し操作が入力されると、キャンセル操作が入力されたものとして(S360でN)、車両情報J1を送信せず破棄する。そして、送信先アドレスの表示を消去して標準画面(
図11)に戻し、車両情報送信処理を終了する。
【0046】
上記車両情報送信処理を終了すると、次に、他車両情報受信処理(S400、
図10のS410〜S470)を実行する。
【0047】
他車両情報受信処理では、
図11に示す標準画面をLCD30に表示している状態において、例えば、
図5(b)に示すような、送信先アドレスとして自車両アドレスを含む他車両情報J2を無線通信ユニット27を通じて受信したか否かを判定して(S410)、他車両情報J2を受信していなければ(S410でN)、他車両情報受信処理を終了し、受信していれば(S410でY)、当該他車両情報J2に含まれた送信元アドレスを取得して(S420)、この送信元アドレスを受信確認メッセージとともにLCD30に表示する(S430、
図14の受信確認画面の符号37)。この状態、即ち、送信元アドレスからの他車両情報の受信確認時において、操作スイッチ5に上記長押し操作が入力されると、所定の受信確認操作が入力されたものとして(S440でY)、他車両情報J2に含まれた他車両において検出された燃費情報を取得するとともに(S450)、この他車両の燃費情報をEEPROM14に格納(S460)する。そして、
図15に示すように、EEPROM14に格納された自車両燃費情報(符号38aで示す)に並べて、EEPROM14に格納された他車両燃費情報(符号38bで示す)を表示するとともに他車両燃費情報の下方に他車両を示す送信元アドレス(符号38cで示す)を表示する燃費比較画面を、LCD30に表示する。この燃費比較画面を表示している状態において、操作スイッチ5に上記短押し操作が入力されると、生涯燃費/給油区間燃費をトグルして表示する。そして、燃費比較画面を表示している状態において、上記長押し操作が入力されると、標準画面(
図11)に戻し、他車両受信処理を終了する。または、送信元アドレスからの他車両情報の受信確認時において、上記操作スイッチ5に上記短押し操作が入力されると、キャンセル操作が入力されたものとして(S440でN)、当該他車両情報J2を破棄して、標準画面(
図11)に戻し、他車両情報受信処理を終了する。
【0048】
上記他車両情報受信処理を終了すると、上記送信先登録処理に戻り、以降、上述した処理を繰り返す。また、上述した燃費表示処理と並行して行われる処理において、標準画面(
図11)を表示している状態で操作スイッチ5に上記短押し操作が1回入力されると、以前に受信されてEEPROM14に格納されている他車両の燃費情報を自車両の燃費情報に並べて表示する燃費比較画面(
図15)を表示する処理を行う。
【0049】
上述したステップS450が、請求項中の走行情報取得手段P1に相当し、ステップS460が、請求項中の走行情報格納手段P2に相当し、ステップS470が、請求項中の比較表示手段P3に相当し、ステップS410が、請求項中の情報受信手段P4に相当し、ステップS430が、請求項中の送信元情報表示手段P5に相当し、ステップS440が、請求項中の受信確認操作判定手段P6に相当し、ステップS320が、請求項中の車両情報生成手段P7に相当し、ステップS360が、請求項中の情報送信手段P8に相当し、ステップS340が、請求項中の送信先情報表示手段P9に相当し、ステップS350が、請求項中の送信確認操作判定手段P10に相当し、ステップS110が、請求項中の登録情報受信手段P11に相当し、ステップS130が、請求項中の登録前情報表示手段P12に相当し、ステップS140が、請求項中の登録操作判定手段P13に相当し、ステップS150が、請求項中の送信先情報格納手段P14に相当する。
【0050】
なお、より簡易な処理構成とするために、上述した送信先登録処理において、ステップS130、S140を削除して登録確認処理を省略してもよく、上述した車両情報送信処理において、ステップS330〜S350を削除して送信確認処理を省略してもよく、上述した他車両情報受信処理において、ステップS420〜S440を削除して受信確認処理を省略してもよい。また、ステップS320において、送信先アドレス及び燃費情報を含み、自車両アドレスを含まない、車両情報を生成するようにしてもよい。また、燃費表示処理は、少なくとも他車両情報受信処理を含んでいればよく、自車両の燃費情報については他の電子制御装置(ECU)で検出したものを、通信部15を通じて受信するようにしてもよい。
【0051】
以上より、本発明によれば、メータECU1が搭載された車両即ち自車両と異なる他の車両において検出された他車両の燃費情報を外部から取得して、この他車両の燃費情報を、EEPROM14に格納するとともに当該自車両の燃費情報に並べてLCD30に表示するので、燃費情報を比較する際に、目視での確認において生じるおそれのある燃費情報の確認誤りや恣意的な情報操作などを防止することができ、燃費情報を正確かつ客観的に比較することができる。また、車両において検出された燃費情報の比較方法として、例えば、カーナビゲーション装置などに搭載された通信機能を用いて燃費情報をサーバにアップロードし、パソコンや携帯電話などからインタネットを通じて比較結果を確認するというシステムなどが考えられるが、このような大がかりなシステムを用いることなく、車両に搭載されたメータECU1上で比較結果を容易に確認することができる。
【0052】
また、自車両に割り当てられた自車両アドレスを送信先アドレスとして含む他車両情報J2を無線通信ユニット27を通じて受信するとともに、当該他車両情報J2に含まれる他車両の燃費情報を取得するので、自車両とは異なる別の車両宛に送信された他車両情報J2を誤って受信することがなく、誤った燃費情報の比較を回避することができ、また、メモリカードなどの可搬型記憶手段などの着脱等の煩雑な操作を行うことなく、容易に他の車両において検出された他車両の燃費情報を取得することができる。
【0053】
また、他車両情報J2には、その送信元を示す送信元アドレスがさらに含まれており、他車両情報J2を受信したときにこの送信元アドレスをLCD30に表示するとともに、それが表示された後に操作スイッチ5に所定の受信確認操作が入力されたとき、受信した他車両情報J2に含まれる他車両の燃費情報をEEPROM14に格納するので、EEPROM14に他車両の燃費情報を格納する前に、他車両情報J2の送信元を確認することができ、そのため、希望しない相手(送信元)からの他車両の燃費情報がEEPROM14に格納されることを防止することができる。
【0054】
また、自車両の燃費情報と、EEPROM14に予め格納された外部への送信先を示す送信先アドレスと、を含む車両情報J1を生成して、この車両情報J1を無線通信ユニット27を通じて送信するので、メモリカードなどの可搬型記憶手段などの着脱等の煩雑な操作を行うことなく、容易に他の車両等の外部に向けて自車両で検出された燃費情報を送信することができる。
【0055】
また、車両情報J1に含まれる送信先アドレスをLCD30に表示するとともに、それが表示された後に操作スイッチ5に所定の送信確認操作が入力されたとき、当該車両情報J1を無線通信ユニット27を通じて外部に送信するので、車両情報J1を送信する前に、車両情報J1の送信先を確認することができ、そのため、車両情報J1が誤った送信先に向けて送信されてしまうことを防止できる。
【0056】
また、EEPROM14に予め格納された自車両に割り当てられた自車両アドレスを、送信元アドレスとして含めて車両情報J1を生成するので、当該車両情報J1の送信元を明確にすることができ、当該車両情報J1を他車両情報J2として受信した自車両とは異なる別の車両において、送信元を参照することにより燃費情報の比較相手を明確に把握できるとともに、希望しない相手との燃費情報の比較等を回避できる。
【0057】
また、外部から送信された、登録送信先アドレスを含む、登録情報J3を無線通信ユニット27を通じて受信して、この登録情報J3に含まれた登録送信先アドレスをLCD30に表示するとともに、それが表示された後に操作スイッチ5に所定の登録操作が入力されたとき、当該登録情報J3に含まれた登録送信先アドレスを送信先アドレスとしてEEPROM14に格納するので、外部から送信された登録情報J3に含まれる登録送信先アドレスをEEPROM14に格納することができ、容易に送信先アドレスの登録ができるとともに、当該登録情報J3に含まれた登録送信先アドレスがEEPROM14に格納(即ち、登録)される前に当該登録送信先アドレスを確認することができ、そのため、登録を希望しない送信先アドレスが意図せず登録されてしまうことを防止できる。
【0058】
上述した本実施形態においては、CPU11は、無線通信ユニットを通じて、外部と車両情報J1、他車両情報J2、及び、登録情報J3の送受信を行うものであったが、これに限定されるものではなく、例えば、CPU11は、外部記録メディアI/F18を通じて、メモリカード28に車両情報J1を書き込み、又は、メモリカード28から他車両情報J2及び登録情報J3を読み込むようにして、メモリカード28を用いて外部との間でこれら情報のやりとりを行うようにしてもよい。
【0059】
また、本実施形態においては、CPU11は、受信した他車両情報J2に含まれる他車両の燃費情報をEEPROM14に格納するものであったが、他車両情報J2の受信時のみ燃費情報を並べて表示するのであれば、上記他車両の燃費情報をRAM13に一時的に格納するようにしてもよい。
【0060】
また、本実施形態においては、自車両アドレス、送信元アドレス、送信先アドレス、登録送信先アドレスについて、無線LAN通信に用いられるIPアドレスをそのまま表示するものであったが、これに限定されるものではなく、例えば、IPアドレスに対応したニックネーム情報を設けてIPアドレスとともにEEPROM14に格納し、このニックネーム情報として、例えば、車両の登録ナンバーや車両所有者の氏名などを設定するとともに、ニックネーム情報を、上記自車両アドレス、送信元アドレス、送信先アドレス、登録送信先アドレスとして表示することで、通信相手などをよりわかりやすくすることができる。
【0061】
また、本実施形態においては、無線LAN通信に用いられるIPアドレスを自車両等を識別するためのアドレス情報として用いたが、これに限定されるのではなく、例えば、車両の登録ナンバーや車体製造番号など、通信において車両を識別できる情報であれば、アドレス情報として用いる種類は任意である。
【0062】
また、本実施形態においては、車両の走行に係る走行情報として燃費情報を比較するものであったが、これに限定されるものではなく、例えば、総走行距離や、車両の急加速、急減速、急ハンドルなどの危険走行を数値化した危険走行指数などを走行情報として比較するものであってもよく、本発明の目的に反しない限り、比較する走行情報の種類は任意である。
【0063】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。