特許第5755622号(P5755622)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5755622電力モジュールパッケージ及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5755622
(24)【登録日】2015年6月5日
(45)【発行日】2015年7月29日
(54)【発明の名称】電力モジュールパッケージ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20150709BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20150709BHJP
   H01L 23/28 20060101ALI20150709BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20150709BHJP
【FI】
   H01L25/04 C
   H01L23/28 A
   H01L23/12 J
【請求項の数】22
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-210433(P2012-210433)
(22)【出願日】2012年9月25日
(65)【公開番号】特開2013-80924(P2013-80924A)
(43)【公開日】2013年5月2日
【審査請求日】2012年9月25日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0099535
(32)【優先日】2011年9月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(72)【発明者】
【氏名】キム・キャン・ス
(72)【発明者】
【氏名】イ・ヨン・キ
(72)【発明者】
【氏名】パク・ション・キュン
(72)【発明者】
【氏名】チェ・ソク・ムン
【審査官】 井上 由美子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−196853(JP,A)
【文献】 特開平04−247645(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/00−25/18
H01L 23/34−23/46
H01L 23/28−23/31
H01L 23/12−23/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
段差部及び非段差部を有し、金属材料からなる基板と、
前記基板の表面に設けられる絶縁層と
前記段差部に設けられた回路配線に電気的に接続されるパワー回路部と、
前記非段差部に設けられた回路配線に電気的に接続される制御回路部と、
前記非段差部の回路配線が露出するように、前記基板にモールドされて前記パワー回路部を封止するモールディング部と、
を含む電力モジュールパッケージ。
【請求項2】
前記金属は、アルミニウムを含む請求項1に記載の電力モジュールパッケージ。
【請求項3】
前記絶縁層は、陽極酸化工程によって形成されるアルミニウム酸化膜を含む請求項1に記載の電力モジュールパッケージ。
【請求項4】
前記絶縁層は、20μm〜200μmの厚さで形成される請求項1に記載の電力モジュールパッケージ。
【請求項5】
前記段差部は、エッチングのような化学的加工または研磨のような機械的加工によって形成される請求項1に記載の電力モジュールパッケージ。
【請求項6】
前記段差部は、前記基板の表面から10μm〜2mmの厚さで形成される請求項1に記載の電力モジュールパッケージ。
【請求項7】
前記回路配線は、金属パッドを含み、
前記金属パッドを含む回路配線は、前記基板の表面に金属層を形成し、該金属層にエッチングまたはリフトオフ工程を行って形成される請求項1に記載の電力モジュールパッケージ。
【請求項8】
前記金属層は、乾式スパッターリングまたは湿式めっき工程によって形成され、Cu、Cu/Ni、Cu/Ti、Au/Pt/Ni/Cu、Au/Pt/Ni/Cu/Tiのうちのいずれか一つの材料で形成される請求項7に記載の電力モジュールパッケージ。
【請求項9】
前記回路配線は、10μm〜300μmの厚さで形成される請求項7に記載の電力モジュールパッケージ。
【請求項10】
前記パワー回路部は、パワー素子を含み、
前記パワー素子は、前記段差部に設けられた回路配線に直接接合されるか、前記回路配線に電気的に接続されたリードフレームに接合される請求項1に記載の電力モジュールパッケージ。
【請求項11】
前記パワー素子は、前記回路配線及び前記リードフレームにワイヤーボンデイングを通じて電気的に接続される請求項10に記載の電力モジュールパッケージ。
【請求項12】
前記制御回路部は、印刷回路基板と、該印刷回路基板に電気的に接続された制御素子とを含む請求項1に記載の電力モジュールパッケージ。
【請求項13】
前記印刷回路基板には、外部接続手段が設けられ、
前記制御回路部は、前記外部接続手段を介して前記非段差部に設けられた回路配線に電気的に接続される請求項12に記載の電力モジュールパッケージ。
【請求項14】
前記外部接続手段は、ボールグリッドアレイを含む請求項13に記載の電力モジュールパッケージ。
【請求項15】
前記外部接続手段は、前記印刷回路基板の一端に設けられ、
前記印刷回路基板の他端は、前記パワー回路部の上側の前記モールディング部の表面に配置される請求項13に記載の電力モジュールパッケージ。
【請求項16】
前記印刷回路基板の他端は、前記モールディング部の表面にスペーサまたはメタルポストを通じて支持される請求項15に記載の電力モジュールパッケージ。
【請求項17】
前記モールディング部の表面には、挿入溝が形成され、前記スペーサと前記メタルポストとが前記挿入溝に結合されることによって、前記印刷回路基板の他端は、前記モールディング部に固定支持される請求項16に記載の電力モジュールパッケージ。
【請求項18】
金属材料からなる基板に段差部及び非段差部を形成するステップ(a)と、
前記基板の表面に絶縁層を形成するステップ(b)と、
前記段差部及び前記非段差部に互いに電気的に接続された回路配線を形成するステップ(c)と、
前記段差部に設けられた回路配線にパワー回路部を電気的に接続するステップ(d)と、
前記非段差部の回路配線が露出するように前記パワー回路部をモールディングするステップ(e)と、
前記非段差部の回路配線に制御回路部を電気的に接続するステップ(f)
とを含む電力モジュールパッケージの製造方法。
【請求項19】
前記段差部は、化学的加工または機械的加工によって形成される請求項18に記載の電力モジュールパッケージの製造方法。
【請求項20】
前記絶縁層は、陽極酸化工程を通じて前記基板の表面にAl酸化膜を形成する工程によって形成される請求項18に記載の電力モジュールパッケージの製造方法。
【請求項21】
前記ステップ()は、前記制御回路部の一端を、外部接続手段を介して前記非段差部の回路配線に電気的に接続し、前記制御回路部の他端をスペーサまたはメタルポストを介して前記パワー回路部の上側のモールディング部の表面に支持するステップを含む請求項18に記載の電力モジュールパッケージの製造方法。
【請求項22】
前記スペーサと前記メタルポストとは、前記モールディング部の表面に形成された挿入溝に結合されて固定される請求項21に記載の電力モジュールパッケージの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力モジュールパッケージに関し、特に、優れる熱的特性を提供すると共に、パワー回路部と制御回路部との間の高い信頼性を具現し、またモジュールの設計自由度を向上すると共に小型化が可能な電力モジュールパッケージ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
全世界的にエネルギの使用量が増加するにつれて、制限されたエネルギの効率的な使用に対して大きい関心を持ち始めた。
【0003】
これによって、既存の家電用または産業用製品においてエネルギの効率的なコンバージョンのためのIPM(Intelligent Power Module)を適用したインバータの採用が加速化されている。
【0004】
このような電力モジュールの拡大適用に伴って、市場では、製品の高集積化、高容量化及び小型化が求められている。そのため、電子部品の発熱問題は、モジュール全体の性能を低下させるため、電力モジュールの効率増加及び高信頼性を確保するために、発熱問題を効果的に解決することができる高防熱及び高集積の電力モジュールパッケージの構造が必要になる実情である。
【0005】
以下、添付の図1及び図2を参照して、従来技術による電力モジュールパッケージについて説明する。
【0006】
まず、従来技術による電力モジュールパッケージの一例として、図1に示された電力モジュールパッケージは、発熱量の高いIGBTまたはダイオードのようなパワー素子11を防熱基板12上に配設した後、制御素子部との接続のためにメタルシリンダ(metal cylinder)またはコネクタのような接続体13を通じて、制御回路部が位置した印刷回路基板(PCB)を接続して構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−21706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、このような構造は、メタルシリンダまたはコネクタのような接続体による制御回路部の接続工程が難しくなり、電力モジュールパッケージの全体製造工程が難しく、製造費用が増加し、信頼性側面から制御回路部の印刷回路基板と接続体との間の電気的な接続に脆弱さが存在するという問題があった。
また、従来技術による電力モジュールパッケージの他例として、図2のパワー回路部21を制御回路部22及び手動素子23と接続する方法が示されている。しかしながら、このパワー回路部21をモジュール化して別に製作した後、駆動素子の位置した印刷回路基板24に半田付けで接合するため、電力モジュールパッケージのサイズが大きくなり、回路設計の自由度が大きく低下するという問題があった。
【0009】
本発明は上記の問題点に鑑みて成されたものであって、優れる熱的特性を提供すると共に、パワー回路部と制御回路部との間の高い信頼性を具現することができる電力モジュールパッケージ及びその製造方法を提供することに、その目的がある。
【0010】
本発明の他の目的は、モジュールの設計自由度を向上すると共に小型化が可能な電力モジュールパッケージ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を解決するために、本発明の一形態によれば、段差部及び非段差部を有する基板(substrate)と、前記段差部に設けられた回路配線に電気的に接続されるパワー回路部と、前記非段差部に設けられた回路配線に電気的に接続される制御回路部と、前記非段差部の回路配線が露出するように前記基板にモールドされて前記パワー回路部を封止するモールディング部と、を含む電力モジュールパッケージが提供される。
【0012】
前記基板は、防熱性付き金属材料で形成される。
【0013】
前記金属は、アルミニウムを含む。
【0014】
前記電力モジュールパッケージは、前記基板の表面に設けられる絶縁層をさらに含む。
【0015】
前記絶縁層は、陽極酸化工程によって形成されるアルミニウム酸化膜を含む。
【0016】
前記絶縁層は、20μm〜200μmの厚さで形成される。
【0017】
前記段差部は、エッチングなどの化学的加工や研磨(polishing)などの機械的加工によって形成される。
【0018】
前記段差部は、前記基板の表面から10μm〜2mmの厚さで形成される。
【0019】
前記回路配線は、金属パッドを含み、該金属パッドを含む回路配線は、前記基板の表面に金属層を形成し、該金属層にエッチングまたはリフトオフ(lift−off)工程を行うことによって形成される。
【0020】
前記金属層は、乾式スパッターリングまたは湿式めっき工程によって形成され、前記金属層は、Cu、Cu/Ni、Cu/Ti、Au/Pt/Ni/Cu、Au/Pt/Ni/Cu/Tiのうちのいずれか一つの材料で形成される。
【0021】
前記回路配線は、10μm〜300μmの厚さで形成される。
【0022】
前記パワー回路部は、パワー素子を含み、前記パワー素子は、前記段差部に設けられた回路配線に直接接合されるか、前記回路配線に電気的に接続されたリードフレームに接合される。
【0023】
前記パワー素子は、前記回路配線及び前記リードフレームにワイヤーボンディングを通じて電気的に接続される。
【0024】
前記制御回路部は、印刷回路基板と、該印刷回路基板に電気的に接続された制御素子とを含む。
【0025】
前記印刷回路基板には、外部接続手段が設けられ、前記制御回路部は、前記外部接続手段を介して前記非段差部に設けられた回路配線に電気的に接続される。
【0026】
前記外部接続手段は、ボールグリッドアレイ(Ball Grid Array:BGA)を含む。
【0027】
また、前記外部接続手段は、前記印刷回路基板の一端に設けられ、前記印刷回路基板の他端は、前記パワー回路部の上側の前記モールディング部の表面に配置される。
【0028】
前記印刷回路基板の他端は、前記モールディング部の表面にスペーサまたはメタルポスト(metal post)を通じて支持される。
【0029】
また、前記モールディング部の表面には、挿入溝が形成され、前記スペーサと前記メタルポストとが前記挿入溝に結合されることによって、前記印刷回路基板の他端は前記モールディング部に周定支持される。
【0030】
また、上記目的を解決するために、本発明によれば、基板に段差部及び非段差部を形成するステップ(a)と、前記段差部及び前記非段差部に互いに電気的に接続された回路配線を形成するステップ(b)と、前記段差部に設けられた回路配線にパワー回路部を電気的に接続するステップ(c)と、前記非段差部の回路配線が露出するように前記パワー回路部をモールディングするステップ(d)と、前記非段差部の回路配線に制御回路部を電気的に接続するステップ(e)と、を含む電力モジュールパッケージの製造方法を提供される。
【0031】
前記段差部は、化学的加工または機械的加工によって設けられる。
【0032】
前記電力モジュールパッケージの製造方法は、前記ステップ(a)後に、前記基板の表面に絶縁層を形成するステップをさらに含む。
【0033】
前記絶縁層は、陽極酸化工程を通じて前記基板の表面にAl酸化膜を形成する工程によって形成される。
【0034】
前記ステップ(e)は、前記制御回路部の一端を外部接続手段を介して前記非段差部の回路配線に電気的に接続し、前記制御回路部の他端をスペーサまたはメタルポストを介して前記パワー回路部の上側のモールディング部の表面に支持させるステップを含む。
【0035】
前記スペーサと前記メタルポストとは、前記モールディング部の表面に形成された挿入溝に結合されて固定される。
【発明の効果】
【0036】
前述のように、本発明の電力モジュールパッケージ及びその製造方法によれば、パワー回路部で発生した熱が制御回路部へ伝達されることを最小化し、電カモジュールパッケージの熱的特性を著しく向上すると共に、該パワー回路部と制御回路部との間の高い信頼性を具現することができるという効果が奏する。
【0037】
また、本発明の電力モジュールパッケージ及びその製造方法によれば、電力モジュールパッケージの回路部の設計自由度を向上すると共に、電力モジュールパッケージの左右サイズを減らすことができるなど、製品の小型化が可能になるという効果が奏する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】従来技術による電力モジュールパッケージの一例を概略的に示す断面図である。
図2】従来技術による電力モジュールパッケージの他例を概略的に示す断面図である。
図3】本発明による電力モジュールパッケージの第1の実施形態を概略的に示す断面図である。
図4a】a図3の電力モジュールパッケージの製造過程を説明するための断面図である。
図4b図3の電力モジュールパッケージの製造過程を説明するための断面図である。
図4c図3の電力モジュールパッケージの製造過程を説明するための断面図である。
図4d図3の電力モジュールパッケージの製造過程を説明するための断面図である。
図4e図3の電力モジュールパッケージの製造過程を説明するための断面図である。
図4f図3の電力モジュールパッケージの製造過程を説明するための断面図である。
図4g図3の電力モジュールパッケージの製造過程を説明するための断面図である。
図4h図3の電力モジュールパッケージの製造過程を説明するための断面図である。
図5】本発明による電力モジュールパッケージの第2の実施形態を概略的に示す断面図である。
図6】本発明による電力モジュールパッケージの第3の実施形態を概略的に示す断面図である。
図7図6の電力モジュールパッケージでスペーサに代わりにメタルポストを適用した一例を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の好適な実施の形態は図面を参考にして詳細に説明する。次に示される各実施の形態は当業者にとって本発明の思想が十分に伝達されることができるようにするために例として挙げられるものである。従って、本発明は以下示している各実施の形態に限定されることなく他の形態で具体化されることができる。そして、図面において、装置の大きさ及び厚さなどは便宜上誇張して表現されることができる。明細書全体に渡って同一の参照符号は同一の構成要素を示している。
【0040】
本明細書で使われた用語は、実施形態を説明するためのものであって、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は文句で特別に言及しない限り複数形も含む。明細書で使われる「含む」とは、言及された構成要素、ステップ、動作及び/又は素子は、一つ以上の他の構成要素、ステップ、動作及び/又は素子の存在または追加を排除しないことに理解されたい。
【0041】
以下、添付図面を参照して、本発明による電力モジュールパッケージ及びその製造方法について詳記する。
【0042】
図3は、本発明による電力モジュールパッケージの第1の実施形態を概略的に示す断面図で、図4a〜図4hは各々、図3の電力モジュールパッケージの製造過程を説明するための断面図であり、図5は、本発明による電力モジュールパッケージの第2の実施形態を概略的に示す断面図で、図6は、本発明による電力モジュールパッケージの第3の実施形態を概略的に示す断面図であり、図7は、図6の電力モジュールパッケージでスペーサに代わりにメタルポストを適用した一例を概略的に示す断面図である。まず、図3図4hを参照して、本発明による電力モジュールパッケージの第1の実施形態について詳記する。
【0043】
図3に示すように、本発明の第1の実施形態による電力モジュールパッケージ100は大きく、基板110、パワー回路部120、制御回路部130及びモールディング部140を含む。
【0044】
前記基板110には、段差部111及び非段差部112が形成される。
【0045】
前記基板110は、防熱性付き金属材料で形成される。
【0046】
前記金属は、アルミニウムを含む。
【0047】
前記段差部111は、エッチングなどの化学的加工や研磨などの機械的加工によって形成される。これによって、非段差部112は、前記基板110に段差部111が未形成された部位からなる。
【0048】
前記段差部111は、前記パワー回路部120の構造及びパッケージ工程によって、前記基板110の表面から10μm〜2mmの厚さで形成される。
【0049】
本実施形態による電力モジュールパッケージ100は、前記基板の表面に設けられる絶縁層115をさらに含む。
【0050】
前記絶縁層115は、陽極酸化工程によって形成されるAl、すなわちアルミニウム酸化膜を含む。
【0051】
前記絶縁層115、すなわち、アルミニウム酸化膜は、用途及び防熱特性によって20μm〜200μmの厚さで形成される。
【0052】
前記段差部111に形成された回路配線111a及び前記非段差部112に形成された回路配線112aは、互いに電気的な接続性を有するようにパターン化される。
【0053】
前記回路配線111a、112aは、金属パッドを含み、前記基板110の表面に金属層を形成した後、該金属層に一般的なエッチング工程を行って形成する。
【0054】
前記一般的なエッチング工程他に、リフトオフ工程を行って前記金属層をパターニングして回路配線を形成してもよい。このリフトオフ工程は、半導体工程におけるエッチング工程中に一般的なエッチングを行うことなくパターニングする場合に当る方式であって、フィルム蒸着(film deposition)前にPRパターニングを行って、その上にフィルム蒸着をした後、該PRを取り除くことによって、パターンを形成する方式である。
【0055】
前記金属層は、Cu、Cu/Ni、Cu/Ti、Au/Pt/Ni/Cu、Au/Pt/Ni/Cu/Tiのうちのいずれか一つの材料から成り、該いずれか一つ材料に対して乾式スパッターリングまたは湿式電解/無電解めっき工程を行って形成する。
【0056】
前記回路配線111a、112aは、10μm〜300μmの厚さで、パッケージの構造及び製造工程によって適切に選択的に形成される。
【0057】
前記パワー回路部120は、前記段差部111に設けられた回路配線111aに電気的に接続される。
【0058】
前記パワー回路部120は、パワー素子121を含み、前記パワー素子121は、前記段差部111に設けられた回路配線111aに直接接合されて固定される。
【0059】
前記パワー素子121は、前記段差部111に設けられた回路配線111a、パワー素子などチップを外部回路基板などと電気的に接続するためのリードフレーム150に、ワイヤーボンディングを通じて電気的に接続される。
【0060】
前記モールディング部140は、前記非段差部112の回路配線112aが露出し、前記パワー回路部110を封止するように、前記基板110にエポキシなどがモールドされて形成される。
【0061】
前記制御回路部130は、前記非段差部112に設けられた回路配線112aに電気的に接続される。
【0062】
前記制御回路部130は、印刷回路基板(PCB)131と、この印刷回路基板131に電気的に接続された制御素子132とを含む。
【0063】
前記印刷回路基板131には、外部接続手段133が設けられ、これによって前記制御回路部130は、前記外部接続手段133を介して前記非段差部112に設けられた回路配線112aに電気的に接続される。
【0064】
すなわち、本実施形態の制御回路部130は、制御素子が印刷回路基板にパッケージングされた状態で、印刷回路基板に形成された外部接続手段を通じて前記非段差部112に設けられた回路配線112aに半田付けされる。
【0065】
前記外部接続手段133は、ボールグリッドアレイ(BGA)を含むが、ここに限定されるのではない。
【0066】
次に、前述のように構成された本実施形態による電力モジュールパッケージの製造方法について詳記する。
【0067】
本実施形態による電力モジュールパッケージの製造方法は、大きく、基板110に段差部111及び非段差部112を形成するステップと、前記段差部111及び前記非段差部112に互いに電気的に接続された回路配線111a、112aを形成するステップと、前記段差部111に設けられた回路配線111aにパワー回路部120を電気的に接続するステップと、前記非段差部112の回路配線112aが露出するように前記パワー回路部120をモールディングするステップと、前記非段差部112の回路配線112aに制御回路部130を電気的に接続するステップとを含む。
【0068】
詳しくは、図4aに示すように、アルミニウムのような金属材料で形成された基板110を、段差部、パワー回路部及び制御回路部を考慮して、所望の厚さ及びサイズで加工処理して準備する。
【0069】
続いて、図4bに示すように、前記基板110の一部を加工して段差部111を形成する。この段差部111は、化学的加工または機械的加工によって形成され、該段差部111に加工されない部位は、相対的に非段差部112として形成される。
【0070】
続いて、図4cに示すように、前記基板110の表面に絶縁層115を形成する。この絶縁層115は、陽極酸化工程を通じて前記基板110表面にAl酸化膜を形成することによって形成される。
【0071】
続いて、図4dに示すように、前記段差部111及び非段差部112に回路配線111a、112aを形成する。
【0072】
続いて、図4eに示すように、前記段差部111の回路配線111aにパワー素子121を接合させて固定する。
【0073】
続いて、図4fに示すように、前記段差部111の回路配線111aの一部にリードフレーム150を接続接合して、前記パワー素子121を前記段差部111の回路配線111a及び前記リードフレーム150にワイヤーボンデイングを通じて電気的に接続する。
【0074】
続いて、図4gに示すように、前記基板110にエポキシなどをモールディングしてモールディング部140を形成する。このモールディング部140は、前記パワー素子121を含むパワー回路部120を封止しながら前記非段差部112の回路配線112aが露出するように形成される。
【0075】
続いて、図4fに示すように、前記非段差部112の回路配線112aに制御回路部130を電気的に接続する。前記制御回路部130の印刷回路基板131に形成された外部接続手段133を、前記非段差部112に設けられた回路配線112aに半田付けすることによって、前記制御回路部130を前記非段差部112に設けられた回路配線112aに電気的に接続すると共に固定することができる。
【0076】
次に、図5を参照して、本発明による電力モジュールパッケージの第2の実施形態について詳記する。
【0077】
図5に示すように、本実施形態による電力モジュールパッケージ200は、前述の第1の実施形態と異なり、パワー回路部220のパワー素子221を段差部211に設けられた回路配線211aに直接接合する代わり、該段差部211に設けられた回路配線211aに電気的に接続されるリードフレーム250に前記パワー素子221を接合して固定している。
【0078】
これによって、前記パワー回路部220のパワー素子221の作動時、防熱特性をより一層高めて回路部の信頼性をさらに向上することができる。
【0079】
本実施形態による電力モジュールパッケージ200は、前記パワー素子221とリードフレーム250との接合構造及び接合方法を除いて、前述の第1の実施形態と同様なので、これに対する詳細な説明は略する事にする。
【0080】
次に、図6を参照して、本発明による電力モジュールパッケージの第3の実施形態について詳記する。
【0081】
図6に示すように、本実施形態による電力モジュールパッケージ300は、前述の第1の実施形態と異なり、制御回路部330の印刷回路基板331に形成された外部接続手段333が前記印刷回路基板331の一端に集中して設けられ、これによって前記印刷田路基板331の他端は、前記パワー回路部320の上側のモールディング部340の表面に配置されている。
【0082】
これによって、本実施形態による電力モジュールパッケージ300は、前記制御回路部330の一部を前記パワー回路部320の上部の中方へ配置して、全体パッケージの左右サイズを減らし、製品の小型化ができるようになる。
【0083】
ここで、前記印刷回路基板331は、外部接続手段333が印刷回路基板の一端に集中されて設けられるため、該印刷回路基板の他端が下へ傾くかまたは固定されないことになる。
【0084】
したがって、前記印刷回路基板331の他端には、印刷回路基板331の水平を維持しながら該印刷回路基板の他端をモールディング部340の表面に固定支持するために、スベーサ334が設けられる。
【0085】
このスペーサ334は、非金属材料などによって形成され、前記モールディング部340の表面に形成された挿入溝340aに結合されて安定して固定される。
【0086】
一方、図7に示すように、スベーサに代わりに、金属材料のメタルポスト334aを適用することによって、メタルポスト334aを通じて制御回路部の防熱性を高めることもできる。
【0087】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、前記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0088】
100 電力モジュールパッケージ
110 基板
111 段差部
112 非段差部
115 絶縁層
120 パワー回路部
121 パワー素子
130 制御回路部
131 制御素子
140 モールディング部
150 リードフレーム
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図4f
図4g
図4h
図5
図6
図7