(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5755738
(24)【登録日】2015年6月5日
(45)【発行日】2015年7月29日
(54)【発明の名称】鏡面基板を用いた光受信器アーキテクチャ
(51)【国際特許分類】
G02B 6/42 20060101AFI20150709BHJP
H01L 31/0232 20140101ALI20150709BHJP
【FI】
G02B6/42
H01L31/02 C
【請求項の数】22
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-518524(P2013-518524)
(86)(22)【出願日】2011年6月27日
(65)【公表番号】特表2013-533984(P2013-533984A)
(43)【公表日】2013年8月29日
(86)【国際出願番号】US2011041978
(87)【国際公開番号】WO2012009149
(87)【国際公開日】20120119
【審査請求日】2012年12月27日
(31)【優先権主張番号】12/825,257
(32)【優先日】2010年6月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ヘック,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,アンシュヨン
(72)【発明者】
【氏名】パニッチア,マリオ,ジェイ.
【審査官】
奥村 政人
(56)【参考文献】
【文献】
特開平07−199006(JP,A)
【文献】
特開平07−151940(JP,A)
【文献】
特開2000−241642(JP,A)
【文献】
特表2002−529787(JP,A)
【文献】
特開2009−229809(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/12− 6/14
G02B 6/26− 6/27
G02B 6/30− 6/34
G02B 6/42− 6/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リフレクタダイを有する装置であって:
前記リフレクタダイは:
前記リフレクタダイを結合するための結合表面と、
第1の側面を含む1つ以上の側面であり、該1つ以上の側面は各々、前記結合表面に垂直であり且つ前記結合表面の外を向いている、1つ以上の側面と、
前記結合表面と前記第1の側面とに対するベベルによって形成される平坦なベベル面であり、該ベベル面は光信号のターゲット領域を提供し、該ベベル面及び前記1つ以上の側面が前記結合表面の1つ以上のエッジを画成する、ベベル面と、
前記結合表面内の1つ以上の溝であり、該1つ以上の溝の各々が前記ベベル面及び前記1つ以上の側面のうちのそれぞれの1つを通って延在し、該1つ以上の溝の各々が前記ターゲット領域のアライメント用のそれぞれのアライメントピンを受け入れる、1つ以上の溝と、
前記ベベル面上に配設された反射コーティングであり、前記光信号を反射する反射コーティングと、
前記結合表面に結合された電気的接合構造と
を含む、
装置。
【請求項2】
前記電気的接合構造を介して前記結合表面に結合された光検出器ダイであり、該光検出器ダイは、反射された前記光信号を受信し、該光検出器ダイは更に前記光信号を電気信号に変換する、光検出器ダイ、
を更に有する請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記リフレクタダイは更に、前記結合表面上に堆積された1つ以上の配線を有し、該1つ以上の配線は前記電気的接合構造に結合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記結合表面に結合された光検出器ダイであり、該光検出器ダイは、反射された前記光信号を受信し、該光検出器ダイは更に前記光信号を電気信号に変換し、前記1つ以上の配線が該光検出器ダイから前記電気信号を伝達する、光検出器ダイ、
を更に有する請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記1つ以上の配線に結合され、電気信号を受信して増幅する増幅器ダイ、
を更に有する請求項3に記載の装置。
【請求項6】
リフレクタダイ基板の結合表面内に:
1つ以上のアライメント溝と、
ベベル溝と
をエッチングする工程と、
前記ベベル溝の表面に反射コーティングを堆積する工程と、
前記結合表面に電気的接合構造を堆積する工程と、
前記エッチング後に、前記リフレクタダイ基板からリフレクタダイを切り出す工程であり、該切り出す工程は、前記結合表面の1つ以上のエッジを画成する1つ以上の側面を形成し、前記1つ以上の側面は各々、前記結合表面に垂直であり且つ前記結合表面の外を向き、該切り出す工程は、前記1つ以上の側面のうちの第1の側面を形成する切断を実行することを含み、該切り出す工程は、前記ベベル溝を二分して、前記結合表面と前記第1の側面とに対するベベルを形成し、前記ベベルは、前記反射コーティングが上に堆積された平坦なベベル面を含み、前記1つ以上のアライメント溝が各々、前記ベベル面及び前記1つ以上の側面のうちのそれぞれの1つを通って延在することになる、切り出す工程と
を有する方法。
【請求項7】
前記電気的接合構造を介して前記結合表面に光検出器ダイを接合する工程、を更に有する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記光検出器ダイを接合する工程は、前記ベベル面と前記光検出器ダイとをアライメントすることを含み、該アライメントは、前記1つ以上のアライメント溝を介して前記リフレクタダイに力を加えることを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記結合表面に1つ以上の配線を堆積する工程を更に有し、該1つ以上の配線は前記電気的接合構造に結合される、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記結合表面に光検出器ダイを接合する工程を更に有し、該工程は、前記電気的接合構造を介して前記1つ以上の配線に該光検出器ダイを結合させることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記結合表面に増幅器ダイを接合する工程を更に有し、該工程は、前記電気的接合構造を介して前記1つ以上の配線に該増幅器ダイを結合させることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
命令を格納したコンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、前記命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、該1つ以上のプロセッサに:
リフレクタダイ基板の結合表面内に:
1つ以上のアライメント溝と、
ベベル溝と
をエッチングする工程と、
前記ベベル溝の表面に反射コーティングを堆積する工程と、
前記結合表面に電気的接合構造を堆積する工程と、
前記エッチング後に、前記リフレクタダイ基板からリフレクタダイを切り出す工程であり、該切り出す工程は、前記結合表面の1つ以上のエッジを画成する1つ以上の側面を形成し、前記1つ以上の側面は各々、前記結合表面に垂直であり且つ前記結合表面の外を向き、該切り出す工程は、前記1つ以上の側面のうちの第1の側面を形成する切断を実行することを含み、該切り出す工程は、前記ベベル溝を二分して、前記結合表面と前記第1の側面とに対するベベルを形成し、前記ベベルは、前記反射コーティングが上に堆積された平坦なベベル面を含み、前記1つ以上のアライメント溝が各々、前記ベベル面及び前記1つ以上の側面のうちのそれぞれの1つを通って延在することになる、切り出す工程と
を有する方法を実行させる、コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項13】
前記方法は更に、前記電気的接合構造を介して前記結合表面に光検出器ダイを接合する工程を有する、請求項12に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項14】
前記光検出器ダイを接合する工程は、前記ベベル面と前記光検出器ダイとをアライメントすることを含み、該アライメントは、前記1つ以上のアライメント溝を介して前記リフレクタダイに力を加えることを含む、請求項13に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項15】
前記方法は更に、前記結合表面に1つ以上の配線を堆積する工程を有し、該1つ以上の配線は前記電気的接合構造に結合される、請求項12に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項16】
前記方法は更に、前記結合表面に光検出器ダイを接合する工程を有し、該工程は、前記電気的接合構造を介して前記1つ以上の配線に該光検出器ダイを結合させることを含む、請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項17】
前記方法は更に、前記結合表面に増幅器ダイを接合する工程を有し、該工程は、前記電気的接合構造を介して前記1つ以上の配線に該増幅器ダイを結合させることを含む、請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項18】
リフレクタダイと回路基板とを有する装置であって:
前記リフレクタダイは:
前記リフレクタダイを結合するための結合表面と、
第1の側面を含む1つ以上の側面であり、該1つ以上の側面は各々、前記結合表面に垂直であり且つ前記結合表面の外を向いている、1つ以上の側面と、
前記結合表面と前記第1の側面とに対するベベルによって形成される平坦なベベル面であり、該ベベル面は光信号のターゲット領域を提供し、該ベベル面及び前記1つ以上の側面が前記結合表面の1つ以上のエッジを画成する、ベベル面と、
前記結合表面内の1つ以上の溝であり、該1つ以上の溝の各々が前記ベベル面及び前記1つ以上の側面のうちのそれぞれの1つを通って延在し、該1つ以上の溝の各々が前記ターゲット領域のアライメント用のそれぞれのアライメントピンを受け入れる、1つ以上の溝と、
前記ベベル面上に配設された反射コーティングであり、前記光信号を反射する反射コーティングと、
前記結合表面に結合された電気的接合構造と
を含み、
前記回路基板は、前記光信号に基づく1つ以上の信号を交換するように前記リフレクタダイに結合されている、
システム。
【請求項19】
前記電気的接合構造を介して前記結合表面に結合された光検出器ダイであり、該光検出器ダイは、反射された前記光信号を受信し、該光検出器ダイは更に前記光信号を電気信号に変換する、光検出器ダイ、
を更に有する請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記リフレクタダイは更に、前記結合表面上に堆積された1つ以上の配線を有し、該1つ以上の配線は前記電気的接合構造に結合されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記結合表面に結合された光検出器ダイであり、該光検出器ダイは、反射された前記光信号を受信し、該光検出器ダイは更に前記光信号を電気信号に変換し、前記1つ以上の配線が該光検出器ダイから前記電気信号を伝達する、光検出器ダイ、
を更に有する請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記1つ以上の配線に結合され、電気信号を受信して増幅する増幅器ダイ、
を更に有する請求項20に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は概して、光デバイス内で光信号を導く構造に関する。より具体的には、特定の実施形態は、対応する電気信号を生成する光検出器内に光信号を反射するリフレクタ(反射体)ダイに関する。
【背景技術】
【0002】
光デバイス用アーキテクチャは、基板の平面シリコン層が光信号を伝える導波路として機能するシリコン層導波路に基づくアプローチに頼っていることが多い。シリコンの吸収品質のため、そのようなアプローチは、限られた範囲(レンジ)の光信号波長でのみ実現されることができる。例えば、シリコン層の導波路構造は、より長い波長の光信号、例えばおよそ1310nmの波長を有するレーザと相性が良い。しかしながら、例えば850nmレンジといった、より短い波長の光信号は、そのような波長でのシリコンの吸収係数のため、効率的に交換されることができない。
【0003】
これらの光デバイスアーキテクチャにおいて、このような波長レンジはまた、光信号を対応する電気信号に変換する光検出器の使用をも制約し得る。例えば法線入射光検出器(normal incidence photodetector;NIPD)などの光検出器は、例えば、850nmレンジで動作するレーザに対してかなり容易に使用され得る。しかしながら、例えば1310nmといった、より長い波長のレーザの場合、NIPDのアクティブ(活性)領域は、そのような長い波長で高帯域幅性能を達成するために、遙かに小さくされなければならない。そのような長波長信号において、光検出器のそのような小さいアクティブ領域に光学系(例えば、レンズ、ミラーなど)をアライメントするのに必要な精度は、体積的に、達成するのが非常に困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一態様において、光検出器内に光信号を反射するリフレクタダイが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態において、リフレクタダイを有する装置が提供される。リフレクタダイは、第1の側面を含む1つ以上の側面と、前記リフレクタダイを結合するための結合表面と、前記結合表面及び前記第1の側面に対するベベルによって形成されるベベル面であり、該ベベル面は光信号のターゲット領域を提供し、該ベベル面及び前記1つ以上の側面が前記結合表面の1つ以上のエッジを画成する、ベベル面と、前記結合表面内の1つ以上の溝であり、該1つ以上の溝の各々が前記ベベル面及び前記1つ以上の側面のうちのそれぞれの1つを通って延在し、該1つ以上の溝の各々が前記ターゲット領域のアライメント用のそれぞれのアライメントピンを受け入れる、1つ以上の溝と、前記ベベル面上に配設された反射コーティングであり、前記光信号を反射する反射コーティングとを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
以下の図を含む添付図面に、限定ではなく例として、本発明の様々な実施形態を図示する。
【
図1A】光信号の反射ターゲット領域を提供する一実施形態に係るリフレクタダイのうちの選択要素群を例示するブロック図である。
【
図1B】光信号の反射ターゲット領域を提供する一実施形態に係るリフレクタダイのうちの選択要素群を例示するブロック図である。
【
図1C】光信号の反射ターゲット領域を提供する一実施形態に係るリフレクタダイのうちの選択要素群を例示するブロック図である。
【
図2】一実施形態に係るリフレクタダイを提供するようにエッチング・切断される基板のうちの選択要素群を例示するブロック図である。
【
図3A】一実施形態に係るリフレクタダイにメタライゼーションを施す方法の選択要素群を例示するブロック図である。
【
図3B】一実施形態に係るリフレクタダイにメタライゼーションを施す方法の選択要素群を例示するブロック図である。
【
図3C】一実施形態に係るリフレクタダイを接合してダイアセンブリを作り出す方法の選択要素群を例示するブロック図である。
【
図3D】一実施形態に係るリフレクタダイを接合してダイアセンブリを作り出す方法の選択要素群を例示するブロック図である。
【
図3E】一実施形態に係るダイアセンブリをパッケージングする方法の選択要素群を例示するブロック図である。
【
図3F】一実施形態に係るダイアセンブリをパッケージングする方法の選択要素群を例示するブロック図である。
【
図4】一実施形態に係る光信号を導いて処理するシステムのうちの選択要素群を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
特定の実施形態により、1310nmの光信号及び850nmの光信号と相性の良い光受信器の動作を可能にするリフレクタ(反射体)ダイが提供される。これらのうちの後者は、既存の光通信規格との下位互換性のために必要とされる。導波路ベースのシリコン光デバイスと異なり、様々な実施形態は、自由空間光通信によって双方の波長を法線入射光検出器(NIPD)上に集束させることが可能なアーキテクチャを実装する。このようなアーキテクチャにおいて、光信号は、ダイアセンブリが接続される例えば回路基板などのベースに垂直な側面に沿ってダイアセンブリに入り得る。
【0008】
様々な実施形態が有するリフレクタダイは、光を反射する光学品質ファセット(小平面)を含むようにメタライゼーションを施される基板から製造される。リフレクタダイはまた、当該リフレクタダイを1つ以上のその他のコンポーネントに接合するときに正確なアライメント(位置合わせ)を実現するよう、例えばV字溝などの光学アライメント機構を含み得る。特定の実施形態は更に、リフレクタダイに接合された、法線入射光検出器(NIPD)及び/又は例えばトランスインピーダンス増幅器(TIA)などの関連集積回路を有する。リフレクタダイは、NIPD及び/又はTIAが接合され得るボンドパッド又は同様の接合構造を提供し得る。それに加えて、あるいは代えて、リフレクタダイは、それに接合されたコンポーネント群を相互接続するための一つ以上の配線(トレース)を含んでいてもよい。
【0009】
図1Aは、光信号を導くターゲット領域を提供する一実施形態に係るリフレクタダイ105のうちの選択要素群を第1の見た目(ビュー)100aで例示するブロック図である。リフレクタダイ105は、高抵抗基板から製造され、あるいはその他の形態で高抵抗基板を有し、基板の低濃度ドーピングが高周波信号通信における容量(キャパシティブ)効果を軽減する。第1のビュー100aは、リフレクタダイ105を、例えばダイアセンブリを形成するために、1つ以上のその他のダイに結合するためのリフレクタダイ105の結合表面110を示している。一実施形態において、そのようなダイアセンブリは、例えば光ファイバケーブル、導波路、又はその他の同様の信号通信媒体から受信される光信号を処理するデバイス内にパッケージングされ得る。
【0010】
結合表面110の1つ以上の側部すなわちエッジは、それぞれ、結合表面110に隣接するリフレクタダイ105の1つ以上のその他の表面(ここでは側面と称する)によって画成され得る。1つ以上のこのような側面は、例えば、比較上“水平”な結合表面110に対する“鉛直”表面であると考えられ得る。限定ではなく例として、ビュー100aにてエッジ上に示されるリフレクタダイ105の側面120は、少なくとも部分的に結合表面110に接してその側部を画成する。それに代えて、あるいは加えて、側面120は、結合表面110とのベベル(斜面)が形成され得る表面を提供することによって、少なくとも部分的に結合表面の側部を画成してもよい。限定ではなく例として、リフレクタダイ105のベベル面BvS130が、結合表面110及び側面120に対するベベルによって形成される。ビュー100aにおいて、他の側面は単にリフレクタダイ105の終端範囲を例示するために示されている。
【0011】
一実施形態において、BvS130は、リフレクタダイ105によって反射されるべき光信号のターゲット領域を提供し得る。ビュー100aにおいて陰影領域によって指し示される反射コーティングをBvS130上に堆積することができ、それにより、そのターゲット領域に入射する光(例えば、レーザ信号)が反射され得る。一実施形態において、反射コーティングは、BvS130の少なくとも一部に光学品質の鏡面仕上げを提供する。理解されるように、様々な実施形態において、リフレクタダイ105上に、更なる、より多くの、より少ない、あるいは代替的な反射表面が設けられてもよい。
【0012】
リフレクタダイ105は更に、結合表面110内に1つ以上の溝を含むことができ、該1つ以上の溝の各々が、BvS130の光信号ターゲット領域のアライメント用にそれぞれの勢力点を提供し得る。一実施形態において、これら1つ以上のアライメント溝は、結合表面110に沿って、結合表面110の側部を画成する例えば表面120などの側面を通って、様々に延在し得る。それに代えて、あるいは加えて、これら1つ以上のアライメント溝は、例えばBvS130などのベベル面を通って様々に延在し得る。図示した第1のビュー100aの場合、結合表面110は、2つの溝140を含むものとして示されており、各々が、BvS130を形成するベベルのそれぞれの側で側面120を通って延在している。
【0013】
理解されるように、様々な実施形態によれば、リフレクタダイ105は、結合表面及び側面に対するベベルによって形成されるベベル面と、該ベベル面内のターゲット領域のアライメント用の結合表面内の1つ以上の溝とを含んだ、多様な追加構成又は代替構成のうちの何れを含んでいてもよい。
【0014】
図1Bは、リフレクタダイ105のうちの選択要素群を第2のビュー100bで例示するブロック図である。ビュー100bは、側面120を正面に示しており、結合表面110はエッジ上に見られる。一実施形態において、BvS130は、BvS130の反射コーティングと組み合わさって、側面120によって画成される平面を通過してからリフレクタダイ105に入射する光信号を反射するターゲット領域を提供し得る。一実施形態において、BvS130は結合表面110に対して54.7°又はそれ未満のベベル角(例えば、45°の角度)で形成される。例えば、結晶面内54.7°の角度は異方性エッチングを受けて自然に形成し得る。選択されたエッチャントがより低い選択性を結晶面に対して有する場合、この角度は54.7°より小さくなり得る。
【0015】
ビュー100bはまた、側面120との複数の溝140それぞれの交差部を示している。個々の溝140は、例えば、結合表面110と、その溝140が貫通して延在する例えば側面120である別の表面と、によって画成される辺に沿った幅に従って特徴付けられ得る。それに代えて、あるいは加えて、溝140は、結合表面110から下方への深さ、及び/又は例えば側面120である交差表面から離れる方向へ結合表面110に沿って延在する部分の長さに従って特徴付けられてもよい。限定ではなく例として、溝140の幅及び深さは、それぞれ、500μm及び350μmとし得る。しかしながら、理解されるように、1つ以上の溝140のそれぞれの寸法は、異なる複数の実施形態で相異なったものとなり得る。例えば、1つ以上の溝140の特定の寸法は、BvS130のターゲット領域をアライメントする際に使用される具体的なアライメントツールに基づいて選定され得る。
【0016】
一実施形態において、BvS130は、結合表面110及び側面120によってそれぞれ画成される交差面によって定められる方向に沿ったBvS130の幅に従って特徴付けられ得る。それに代えて、あるいは加えて、BvS130は、側面120から離れる方向へ結合表面110内を延在する部分の長さ、及び/又は結合表面110から離れる方向へ側面120内を延在する部分の長さによって特徴付けられ得る。
【0017】
一実施形態において、BvS130の大きさ、形状及び/又は向きは、リフレクタダイ105から反射されたレーザ光を受ける1つ以上の光検出器の寸法に基づいて選定され得る。例えば、BvS130の1つ以上の寸法は、結合表面110に結合される光検出器ダイ(図示せず)内の一組の光検出器素子に対して或る特定のターゲットプロファイルを提示するように選定され得る。一実施形態において、BvS130は、結合表面110及び側面120によってそれぞれ画成される交差面によって定められる方向に沿って1000−1500μmの長さにまたがる一組の光検出器素子の各々にターゲットプロファイルを提示するのに十分な長さを有し得る。
【0018】
図1Cは、リフレクタダイ105のうちの選択要素群を第3のビュー100cで例示するブロック図である。ビュー100cにおいては、結合表面110及び側面120の双方がエッジ上に示されている。ビュー100cはまた、BvS130及び溝140の各々について、表面120から離れる方向への結合表面110に沿った延在長さを例示している。理解されるように、様々な実施形態において、図示したリフレクタダイ105の構造は、例えば、溝140の形状及び大きさの点、BvS130の形状及び大きさの点、及び/又はBvS130及び溝140の相互間の相対的な構成の点で異なったものとなり得る。
【0019】
図2は、一実施形態に係るリフレクタダイ基板205のうちの選択要素群を例示するビュー200である。リフレクタダイ基板205上の構造は、基板ウェハ上に形成された後に、リフレクタダイを形成するようにウェハから切り出され得る。一実施形態において、結果として得られるダイは、リフレクタダイ105の特徴のうちの一部又は全てを含む。例えば、一実施形態において、リフレクタダイ基板205の結合表面210の領域が結合表面110に対応し得る。リフレクタダイ基板205の例えば側面215といった様々な側面は、最終的に得られるリフレクタダイ内に形成され得る側面を例示するものである。しかしながら、理解されるように、これらの側面は、ビュー200内に示す例えば様々な溝などのその他の構造を製造する時点において、必ずしも未だ形成されていないものであり得る。
【0020】
リフレクタダイ基板205は、結合表面210内に形成されたベベル溝230及び1つ以上のアライメント溝240を含み得る。製造中の或る時点において、リフレクタダイ基板205からのリフレクタダイの切断の部分は、側面ダイカット225を実行することを含み得る。例えば、側面ダイカット225は、得られるダイの部分として残るベベル溝230の部分が、結合表面210と側面ダイカット225から得られる側面との間にベベルを形成するように、ベベル溝230の長さ方向に沿って、例えば二等分に、切断し得る。得られたベベルは、一実施形態において、BvS130の特徴のうちの一部又は全てを含み得る。
【0021】
一実施形態において、ベベル溝及び1つ以上のアライメント溝240の一部又は全ては、最終的なリフレクタダイがリフレクタダイ基板205から切断される前に、結合表面210内に形成され得る。結合表面210内のそれらの溝は、例えば水酸化カリウム(KOH)エッチング、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)エッチング、エチレンジアミンピロカテコール(EDP)エッチング、水酸化アンモニウム(NH4OH)エッチング、又は他のこれらのようなエッチング処理などの結晶エッチングプロセスを用いて形成され得る。このエッチングプロセスは、例えばパターニングされた窒化シリコンマスク又は熱酸化膜マスクを用いて、リフレクタダイ基板205内の図示した溝構造のうちの一部又は全てを形成し得る。
【0022】
1つ以上の溝240及びベベル溝230の形成後、結合表面210の或る領域にメタライゼーションが施され得る。これは、ベベル溝230の表面に反射コーティングを堆積することを含む。例えば、最終的に得られるリフレクタダイのベベル面を形成することになるベベル溝230の領域が、その上のターゲット領域の反射性を実現するように金(Au)でコーティングされ得る。このメタライゼーションは、スパッタリング、蒸着、又は、金若しくはその他の反射性金属の皮膜を堆積してベベル面に光学品質の鏡面仕上げを与えるその他の技術、を用いて実行され得る。
【0023】
リフレクタダイ基板205内のベベル溝230及び1つ以上のアライメント溝240の形成後、且つ少なくともベベル溝230の反射部分のメタライゼーション後、これらの溝を含むリフレクタダイがリフレクタダイ基板205から切り出され得る。これは、側面ダイカット225を実行することを含む。理解されるように、リフレクタダイ基板205からリフレクタダイを切り出すことは、リフレクタダイの更なる構造(図示せず)がリフレクタダイ基板205上に製造された後に実行され得る。例えば、信号配線及び/又は接合構造(例えば、ボンドパッド及び/又はスタッドバンプ)が結合表面210上に堆積された後に、側面ダイカット225及び/又はその他の切断が実行され得る。それに加えて、あるいは代えて、リフレクタダイがリフレクタダイ基板205から切り出される前に、1つ以上のその他のダイが結合表面210に接合され得る。すなわち、この場合、切断時のダイは既に1つ以上のその他のダイに結合されている。一実施形態において、リフレクタダイは、当該リフレクタダイのパッケージ基板への接合に先立って、リフレクタダイ基板205から切り出される。
【0024】
特定の代替実施形態による特徴を例示するため、ビュー200は、ベベル溝の代替位置235とアライメント溝の代替位置245とを示している。代替位置235は、リフレクタダイ基板205から切断される最終的に得られるダイにおいて、代替ベベル溝235から製造されるベベルを通ってアライメント溝240が延在することになる一実施形態を例示している。それに加えて、あるいは代えて、代替位置245は、リフレクタダイ基板205から切断される最終的に得られるダイにおいて、ベベル溝230から形成されるベベルの側面ではない側面215を通って代替アライメント溝245が延在することになる一実施形態を例示している。理解されるように、様々な実施形態によれば、アライメント溝240及びベベル溝230の互いに対する様々なその他の構成も使用され得る。
【0025】
図3Aは、光信号を導く装置を製造する一実施形態に係る方法の選択要素群を例示する第1のビュー300aである。この製造方法は、リフレクタダイ305の様々な構造を作り出す処理を含み得る。リフレクタダイ305は、例えば、リフレクタダイ105の特徴の一部又は全てを含み得る。一実施形態において、リフレクタダイ305は、リフレクタダイ基板205から切り出される最終的に得られるリフレクタダイを表す。
【0026】
一実施形態において、リフレクタダイ305の構造の製造は、リフレクタダイ305の結合表面310内に1つ以上のアライメント溝340をエッチングすることと、結合表面310とリフレクタダイ305の側面320との間にベベルを作り出すことによってベベル面BvS330を形成することとを含み得る。BvS330の作成は、例えば、ベベル溝230に関して説明した技術に従い得る。リフレクタダイ305の構造の製造は更に、BvS330上への反射コーティングの堆積を含み得る。別個のリフレクタダイ305として示されているが、理解されるように、
図3A−3Fに例示される製造処理のうちの様々なものは、リフレクタダイ305が基板ウェハから切り出される前に実行され得る。
【0027】
メタライゼーションプロセスは、更に、あるいは代替的に、1つ以上の配線355、及び/又は1つ以上の接合構造350(例えば、ボンドパッド及び/又はスタッドバンプ)を結合表面310上に配設するように実行され得る。それらの配線355及び/又は接合構造350の具体的な個数、大きさ、形状、構成などは、結合表面310と結合される1つ以上のダイに依存し得る。一実施形態において、それらの配線355及び/又は接合構造350を形成するために、例えばリフレクタダイ305の基板ウェハ上に存在する地形に適合する堆積プロセスを用いて、例えば金又はニッケル/金などの金属が堆積され得る。例えば、標準厚さのレジストのスピンコーティングが可能でない場合、スプレイコーティングあるいは電着されたレジストを用いてリソグラフィが適用され得る。
【0028】
図3Bは、
図3Aに示した製造方法の選択要素群を例示する第2のビュー300bである。ビュー300bは、側面320を正面に示しており、結合表面310はエッジ上に見られる。理解されるように、一実施形態において、側面320は、更なる構造又は代替構造が、リフレクタダイ305が後に切り出される基板ウェハ内にエッチングされ、且つ/或いは該基板ウェハ上に堆積された後にのみ形成され得る。
【0029】
図3Cは、
図3A及び3Bに示した製造方法の選択要素群を例示する第3のビュー300cである。ビュー300cは、1つ以上の集積回路ダイを結合表面310に接合することによってダイアセンブリが作り出される例示的な一実施形態を示している。
【0030】
例えば、結合表面310上に配設された1つ以上の接合構造350に光検出器ダイ360が接合され得る。光検出器は、例えば、ゲルマニウムフォトダイオード又はその他のタイプの光検出器とし得る。光検出器ダイ360は、光信号を受けて対応する電気信号に変換する1つ以上の光検出器素子を含み得る。一実施形態において、光検出器ダイ360は1つ以上の法線入射増幅器を含み得る。光検出器ダイ360を結合表面310に接合することは、光検出器ダイ360のアクティブ領域(例えば、検出領域)を、反射コーティングが上に配設されたBvS330の領域に重なって面するように位置付けることを含み得る。例えば、BvS330と光検出器ダイ360のアクティブ領域との重なりは、例えば、側面320に垂直な方向に沿ったものである。BvS330の反射コーティングに対して光検出器ダイ360をこのように位置付けることは、BvS330のターゲット領域に入射する光信号が光検出器ダイ360のアクティブ領域上に反射することを可能にし得る。
【0031】
それに加えて、あるいは代えて、結合表面310上に配設された1つ以上のその他の接合構造350に増幅器ダイ370が接合され得る。一実施形態において、光検出器ダイ360に接合する1つ以上の接合構造350、及び増幅器ダイ370に接合する1つ以上の接合構造350は、結合表面上に配設された配線群355のうちのそれぞれの配線によって様々に結合され得る。このような配線355は、BvS330から反射された光信号を検出して変換することによって生成された電気信号を光検出器ダイ360が増幅器370に提供することを可能にし得る。増幅器ダイ370は、配線355を介して光検出器ダイ360から受信した信号を増幅した後、増幅された信号をその他の回路コンポーネント(図示せず)に提供し得る。一実施形態において、増幅器ダイ370はトランスインピーダンス増幅器(TIA)を含んでいる。
【0032】
光検出器ダイ360及び増幅器ダイ370は各々、結合表面310上の接合構造のうちの対応する接合構造に接合するための、それぞれの接合構造(例えば、ボンドパッド及び/又はスタッドバンプ;図示せず)を含み得る。一実施形態において、光検出器ダイ360及び/又は増幅器ダイ370は、例えば、金スタッドバンプ化されるアルミニウムや金などのパッドを有し得る。そして、一方又は双方のダイが接合構造350のうちのそれぞれの接合構造に接合され得る。この接合は、例えば、熱圧着又は熱超音波ボンディングを用いて実行され得る。
【0033】
図3Dは、
図3A−3Cに示した製造方法の選択要素群を例示する第4のビュー300dである。ビュー300dは、側面320を正面に示しており、結合表面310はエッジ上に見られる。一実施形態において、結合表面310への光検出器ダイ360及び/又は増幅器ダイ370の接合は、リフレクタダイ305が基板ウェハから切り出された後に実行され得る。基板ウェハからリフレクタダイ305を切り出すことは、例えば側面320を含む複数の側面のうちの1つ以上を様々に作り出すことができ、アライメント溝340は、それら1つ以上の側面のうちのそれぞれの側面を通って様々に延在し得る。
【0034】
1つの側面及び/又はBvS330を通るアライメント溝の延在(例えば、側面320を通る1つ以上の溝340)は、アライメント溝340へのアクセスを提供し得る。故に、1つ以上のアライメント溝340は、ダイを結合表面310結合するためにBvS330のターゲット領域に対するダイの正確なアライメントを与えるよう、アライメントピンにそれぞれの勢力(leverage)点を提供し得る。一実施形態において、複数のアライメント溝340のうちの一部又は全ては、それぞれのアライメントピンを受け入れることができ、正確な操作のための力を与え、結合表面310への結合のために光検出器ダイ360及び/又は増幅器ダイ370の位置決め及び/又は固定を行い得る。
【0035】
図3Eは、
図3A−3Dに示した製造方法の選択要素群を例示する第5のビュー300eである。ビュー300eは、ビュー300cに示されるダイアセンブリをパッケージングする処理の特徴を例示している。一実施形態において、リフレクタダイ305と光検出器ダイ360と増幅器ダイ370とを含んだダイアセンブリが、例えば結合表面310に配設された1つ以上の接合構造350を用いて、パッケージ基板380に接合され得る。パッケージ基板380は、例えばFR−4などのラミネート材料又は集積回路パッケージングに使用されるその他の材料とし得る。パッケージ基板380は1つのタイプのパッケージ基板を例示するものであり、理解されるように、多様な付加的あるいは代替的なパッケージング構造のうちの何れがダイアセンブリに接合されてもよい。パッケージ基板380の接合は、例えば、標準的なはんだ付けプロセスを用いて行われ得る。一実施形態において、接合構造350のNi/Au堆積物が、標準的な鉛フリーはんだに適合するアンダーバンプメタルとして機能し、ニッケルをバリア材料とし且つ金を濡れ性材料として、この接続を形成することになる。
【0036】
図3Fは、
図3A−3Eに示した製造方法の選択要素群を例示する第6のビュー300fである。ダイアセンブリとパッケージ基板380との結合体が、光信号を受信して電気信号に変換する装置として提供され、あるいはそのような装置に組み込まれ得る。そのような装置は、例えば、光ユニバーサル・シリアル・バス(USB)デバイスを含み得る。
【0037】
図4は、光信号を導いて処理する一実施形態に係るシステム400内の選択要素群のハイレベル図である。システム400は、例えば
図3A−3Fの処理によって生成される構造などの光信号反射・変換構造を含み得る。図示した実施形態において、システム400は、リフレクタダイ405と光検出器ダイPD460とパッケージ基板480とを含んだダイアセンブリを含み得る。システム400は更に、PD460が光信号を変換することによって生成した電気信号を増幅する増幅器(図示せず)を含んでいてもよい。
【0038】
例えば、システム400は、レーザ信号425をリフレクタダイ405のベベル面BvS430に導く光媒体410(例えば、光ファイバケーブル又は導波路)を含み得る。BvS430のターゲット領域の方にレーザ425を導くために、回路基板490は、光媒体410を位置決めし且つ/或いは方向付ける位置決めハードウェア415を含むことができ、あるいは位置決めハードウェア415に結合されることができる。一実施形態において、BvS430は、ターゲット領域上に反射コーティングを含み、レーザ信号425をPD460のアクティブ領域上に反射し得る。理解されるように、溝440及び/又はBvS430は、例えば互いに関して、且つ/或いはシステム400内のその他の構造に関して、大きさ又は構成において様々であり得る。一実施形態において、円筒形のピン(図示せず)が溝440内に添えられて側面420から垂直に外側に延在し、アライメントのためにこれらのピンを用いてシステム400に高い精度でモールドプラスチックレンズアレイが取り付けられるようにされ得る。
【0039】
集積回路ダイアセンブリに反射ターゲット領域を提供する技術及びアーキテクチャをここに記載した。以上の記載においては、特定の実施形態の完全なる理解を提供するため、説明目的で、数多くの具体的詳細事項を説明した。しかしながら、当業者に認識されるように、他の特定の実施形態は、これらの具体的詳細事項を用いずに実施されてもよい。また、説明を不明瞭にしないよう、構造及び装置をブロック図の形態で示した。
【0040】
本明細書における“一実施形態”又は“或る実施形態”への言及は、その実施形態に関連して説明された特定の機能、構造又は特徴が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。“一実施形態において”という言い回しが本明細書の様々な箇所に現れることは、必ずしも、全てが同一の実施形態に言及しているというわけではない。
【0041】
この詳細な説明の一部の部分は、コンピュータメモリ内でのデータビット上の処理のアルゴリズム及び記号表現に関して提示されている。それらのアルゴリズム記述及び表現は、自身の仕事の内容を他の当業者に最も効率的に伝えるためにコンピューティング技術の当業者によって使用される手段である。アルゴリズムは、ここでは、そして一般的に、所望の結果をもたらす首尾一貫した一連のステップであると考えられる。それらのステップは、物理量の物理的な操作を必要とするものである。通常、必ずしもそうではないが、それらの量は、記憶、伝送、結合、比較及びその他の操作が為されることが可能な電気信号又は磁気信号の形態を取る。折々、主に一般用法の理由により、それらの信号をビット、値、成分、記号、文字、用語、数字、又はこれらに類するものとして参照することが好都合であることがわかっている。
【0042】
しかしながら、留意すべきことには、それらの用語及び同様の用語は全て、適切な物理量に関連付けられるものであり、それらの量に適用される単なる簡便なラベルである。特に断らない限り、ここでの議論から明らかなように、ここでの説明の全体を通して、例えば“処理する”、“計算する”、“演算する”、“決定する”又は“表示する”などの用語を用いた議論は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理的(電子的)な量として表されるデータを操作して、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ又はその他の情報記憶装置、情報伝達装置若しくは情報表示装置内で同様に物理量として表されるその他のデータに変換するコンピュータシステム又は同様の電子計算装置の動作及び処理に言及するものであることが認識されよう。
【0043】
特定の実施形態はまた、ここでの処理を実行する装置に関する。この装置は、要求される目的に合わせて特別に構築されてもよいし、コンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的に起動あるいは再設定される汎用コンピュータを有していてもよい。そのようなコンピュータプログラムは、例えば、以下に限られないが、各々がコンピュータシステムバスに結合された、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、CD−ROM及び磁気光ディスクを含む何らかの種類のディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、例えばダイナミックRAM(DRAM)などのランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード若しくは光カード、又は電子的な命令を格納するのに適した何らかの種類の媒体などの、コンピュータ読み取り可能記憶媒体に格納され得る。
【0044】
ここに提示されたアルゴリズム及び表示は、如何なる特定のコンピュータ又はその他の装置にも本質的に関連するものではない。様々な汎用システムがここでの技術に従ったプログラムとともに使用されてもよいし、必要な方法ステップを実行するように、より専用化された装置を構築するのが好都合であることが判明することもある。多様なこれらシステムに必要な構造は、ここでの説明から見えてくるであろう。また、特定の実施形態は、如何なる特定のプログラミング言語も参照することなく説明される。認識されるように、ここで説明した特定の実施形態を実装することには、多様なプログラミング言語が使用され得る。
【0045】
ここに記載されることに加えて、開示した実施形態及びその実装例には、それらの範囲を逸脱することなく様々な変更が為され得る。故に、ここでの図示及び例は、限定的な意味ではなく、例示的な意味で解釈されるべきである。本発明の範囲は、添付の請求項を参照することのみをもって定められるべきである。