特許第5755841号(P5755841)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5755841ワイヤレスネットワークの送信方法および対応する受信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5755841
(24)【登録日】2015年6月5日
(45)【発行日】2015年7月29日
(54)【発明の名称】ワイヤレスネットワークの送信方法および対応する受信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 56/00 20090101AFI20150709BHJP
   H04W 92/10 20090101ALI20150709BHJP
   H04J 11/00 20060101ALI20150709BHJP
【FI】
   H04Q7/00 462
   H04Q7/00 686
   H04J11/00 Z
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2010-70110(P2010-70110)
(22)【出願日】2010年3月25日
(65)【公開番号】特開2010-252320(P2010-252320A)
(43)【公開日】2010年11月4日
【審査請求日】2013年3月25日
(31)【優先権主張番号】0901456
(32)【優先日】2009年3月27日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】501263810
【氏名又は名称】トムソン ライセンシング
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル ギルアード
(72)【発明者】
【氏名】パトリック フォンテーヌ
【審査官】 ▲高▼橋 徳浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−314094(JP,A)
【文献】 特表2008−522542(JP,A)
【文献】 特表2009−509438(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/024214(WO,A2)
【文献】 国際公開第2008/113265(WO,A2)
【文献】 国際公開第2008/137354(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/139976(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24−H04B7/26
H04W4/00−H04W99/00
H04J 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレスネットワーク内で送信する方法であって、前記ワイヤレスネットワークは、複数の基地局と少なくとも1つの移動端末とを備え、前記ワイヤレスネットワークの前記複数の基地局は、同一周波数でフレームを送信する方法において、
少なくとも2つの基地局を備える第1の集合により、少なくとも1つの第1の時間インターバルを備える同一の第1の物理チャネルで、フレームヘッダの少なくとも1つの第1の部分を送信するステップと、
少なくとも1つの基地局を備える少なくとも1つの第2の集合により、少なくとも1つの第2の時間インターバルを備える少なくとも1つの第2の物理チャネルで、前記フレームヘッダの少なくとも1つの第2の部分を送信するステップと
を備え、
前記少なくとも1つの第2の時間インターバルは、前記少なくとも1つの第1の時間インターバルと異なり、
前記少なくとも1つの第2の集合は、前記第1の集合と異なり、前記少なくとも1つの第2の集合は前記第1の集合に含まれる、前記方法。
【請求項2】
前記フレームヘッダの前記少なくとも1つの第2の部分は、少なくとも1つの第1の移動端末への少なくとも1つのフレームインターバルの割り振りを表す少なくとも1つの第1の情報要素を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フレームヘッダの前記少なくとも1つの第1の部分は、フレーム構造を表す情報の項目を備え、前記少なくとも1つの第1の情報要素は、前記フレーム構造を表す前記情報の少なくとも一部を参照する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記フレームヘッダの前記少なくとも1つの第2の部分は、フレーム構造を表す情報の項目を備える、請求項1または2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記フレームヘッダの前記少なくとも1つの第1の部分は、前記フレームヘッダの前記少なくとも1つの第2の部分を表す情報の項目を備える、請求項1または2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記フレームヘッダの前記少なくとも1つの第1の部分を送信する前記ステップは、少なくとも第1のパイロットを送信するステップを備え、前記フレームヘッダの前記少なくとも1つの第2の部分を送信する前記ステップは、少なくとも第2のパイロットを送信するステップを備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの第1の情報要素ごとに第2のパイロットが送信される、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの移動端末に前記少なくとも1つの第2の集合を割り当てるステップを備える、請求項2から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも2つの基地局を備える少なくとも1つの第3の集合により、前記フレームヘッダの前記少なくとも1つの第2の部分を送信するステップを備え、
前記フレームヘッダの前記少なくとも1つの第2の部分は、少なくとも1つの第2の移動端末への少なくとも1つのフレームインターバルの割り振りを表す少なくとも1つの第2の情報要素を備え、
前記第2の集合と第3の集合は、少なくとも1つの共通の基地局を備え、前記第2の集合と前記第3の集合は異なり、前記少なくとも1つの第3の集合は、前記第1の集合と異なり、かつ前記第1の集合に含まれる、請求項2から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
ワイヤレスネットワーク内で受信する方法であって、前記ワイヤレスネットワークは、複数の基地局と少なくとも1つの移動端末とを備え、前記複数の基地局は同一周波数でフレームを送信する方法において、前記少なくとも1つの移動端末によって実施される、
フレームヘッダの、少なくとも1つの受信された第1の部分を復号するステップであって、前記フレームヘッダの前記少なくとも1つの第1の部分は、少なくとも2つの基地局を備える第1の集合により、少なくとも1つの第1の時間インターバルを備える同一の第1の物理チャネルで送信される、ステップと、
前記フレームヘッダの、少なくとも1つの受信された第2の部分の少なくとも一部を復号するステップであって、前記フレームヘッダの前記少なくとも1つの第2の部分は、少なくとも1つの基地局を備える少なくとも1つの第2の集合により、少なくとも1つの第2の時間インターバルを備える少なくとも1つの第2の物理チャネルで送信される、ステップと
を備え、
前記少なくとも1つの第2の時間インターバルは、前記少なくとも1つの第1の時間インターバルと異なり、
前記少なくとも1つの第2の集合は前記第1の集合と異なり、前記少なくとも1つの第2の集合は前記第1の集合に含まれる、前記方法。
【請求項11】
前記フレームヘッダの前記少なくとも1つの第2の部分は、前記少なくとも1つの移動端末への少なくとも1つのフレームインターバルの割り振りを表す少なくとも1つの情報要素を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記フレームヘッダの前記少なくとも1つの第1の部分に関連付けられた少なくとも1つの第1のパイロットに基づく、少なくとも1回の第1の物理チャネル推定と、前記フレームヘッダの前記少なくとも1つの第2の部分に関連付けられた少なくとも1つの第2のパイロットに基づく、少なくとも1回の第2の物理チャネル推定とを備える、請求項10または11のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気通信の分野に関し、より具体的には、同一の周波数で同期してフレームを送信するいくつかの基地局を備えるシステムにおけるワイヤレスのデータ送受信に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術によると、例えば3GPP(3rd Generation Partnership Project)プロジェクトのGSM(Global System for Mobile communication)、WiMAX(IEEE802.16標準に基づく)、またはLTE(Long Term Evolution)タイプのモバイルネットワークは、各々が1つの基地局を含んでいる複数のセルを有し、セルは、基地局の伝送の対象となる地域によって定義される。そのようなネットワーク内で移動端末が移動するときに、移動端末のレベルにおけるサービスを中断することなく移動端末が1つのセルから別のセルに移ることが必要な場合があり、伝送周波数はセルごとに異なる。そのような継続性を保証することを可能にする仕組みは、一般に「ハンドオーバー」と呼ばれる。
【0003】
SFN(単一周波数ネットワーク)と呼ばれる従来技術で周知の技術では、いくつかの基地局が同期して1つのOFDM(直交周波数分割多重化)信号を送信する。そのようにして、移動端末はいくつかの送信装置(transmitter)からの信号の組み合わせを受信すると共に、シンボル間干渉を打ち消すためのOFDM特有の特性を使用して、そのようにして取得した信号の組み合わせを復号する。SFNネットワークの基地局で使用される伝送周波数は同一であるため、そのようなSFNネットワーク内で移動する移動端末に「ハンドオーバー」機構を実施する必要はなくなる。そのような解決法が、Thomson Licensing SAの名義で2008年11月21日に出願された特許文献1に記載される。
【0004】
標準的なセルシステム、すなわちSFNでない場合は、基地局の伝送到達範囲によって定義されるセル内に存在するすべての移動端末に、基地局から通信フレームヘッダが同報通信(broadcast)される。フレームヘッダは、特に、フレームの構造、すなわち例えば対象セルに存在する異なる移動端末へのフレームを構成するインターバルの割り振りを表す情報を備える。各移動端末は、フレームヘッダに含まれる情報から、どのインターバルが自身に割り当てられたのか、すなわち、フレームのどのインターバル中に対象セルの基地局と通信するのかを知る。SFNネットワークの場合は、SFNネットワークの全基地局が同期して同一周波数で通信フレームを送信するので、標準的なセルシステムで定義されるところのセルの概念がもはや存在しない。そのようなSFNネットワークの通信フレームのヘッダは、SFNネットワークの基地局によって同報通信され、フレームの構造、すなわちネットワーク内に存在するすべての移動端末へのフレームのインターバルの割り振りを表す情報を備え、数個の移動端末が互いから十分に遠く、同じ基地局と通信しないときに、すなわち、それら移動端末各々が、各移動端末にとって特定の1つ(または数個)の基地局と通信する場合に、数個の移動端末で1つのインターバルが使用されることができる。ネットワーク内に存在する移動端末の数が多いほど、フレーム構造を表す情報の量が多くなり、ヘッダのサイズが大きくなる。そのようなヘッダに伴う問題は、ヘッダが通信フレームの大きな割合を占め、有用なデータ(すなわち「ペイロード」)を通信するための空間をほとんど残さないことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】仏国特許出願公開第0806545号明細書
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、上記のような従来技術の不利点の少なくとも1つを克服することである。
【0007】
より具体的には、本発明の目的は、特に、同一の周波数で同期してフレームを送信するいくつかの基地局を備えるネットワーク内で、通信フレームのヘッダのサイズを最適化することである。
【0008】
本発明は、ワイヤレスネットワーク内における送信の方法に関し、ネットワークは、複数の基地局と少なくとも1つの移動端末を備え、複数の基地局は同一周波数でフレームを送信する。フレームヘッダのサイズを最適化するために、この方法は、少なくとも2つの基地局を備える第1の集合(set,セット)により、少なくとも第1の時間インターバルを備える同一の第1の物理チャネルで、フレームヘッダの少なくとも第1の部分を送信するステップと、少なくとも1つの基地局を備える少なくとも第2の集合により、少なくとも第2の時間インターバルを備える少なくとも第2の物理チャネルで、フレームヘッダの少なくとも第2の部分を送信するステップとを備え、少なくとも1つの第2の時間インターバルは、少なくとも1つの時間インターバルと異なり、少なくとも1つの第2の集合は、第1の集合と異なり、少なくとも1つの第2の集合は第1の集合に含まれる。
【0009】
特定の特徴によると、フレームヘッダの少なくとも1つの第2の部分は、少なくとも1つの第1の移動端末への少なくとも1つのフレームインターバルの割り振りを表す少なくとも1つの第1の情報要素を備える。
【0010】
有利には、ヘッダの少なくとも1つの第1の部分は、フレーム構造を表す情報を備え、少なくとも1つの第1の情報要素は、構造を表す情報の少なくとも一部を参照する。
【0011】
別の特徴によると、フレームヘッダの少なくとも1つの第2の部分は、フレーム構造を表す情報を備える。
【0012】
有利には、フレームヘッダの少なくとも1つの第1の部分は、ヘッダの少なくとも1つの第2の部分の構造を表す情報を備える。
【0013】
特定の特徴によると、ヘッダの少なくとも1つの第1の部分を送信するステップは、少なくとも第1のパイロット(pilot)を送信するステップを備え、ヘッダの少なくとも1つの第2の部分を送信するステップは、少なくとも第2のパイロットを送信するステップを備える。
【0014】
別の特徴によると、少なくとも1つの第1の情報要素ごとに第2のパイロットが送信される。
【0015】
有利には、この方法は、少なくとも1つの移動端末に少なくとも1つの第2の集合を割り当てるステップを備える。
【0016】
特定の特徴によると、この方法は、少なくとも2つの基地局を備える少なくとも第3の集合により、ヘッダの少なくとも1つの第2の部分を送信するステップを備え、フレームヘッダの少なくとも1つの第2の部分は、少なくとも第2の移動端末への少なくとも1つのフレームインターバルの割り振りを表す少なくとも第2の情報要素を備え、第2の集合と第3の集合は、少なくとも1つの共通の基地局を備え、第2の集合と第3の集合は異なり、少なくとも1つの第3の集合は、第1と異なり、かつ第1の集合に含まれる。
【0017】
本発明は、ワイヤレスネットワークの受信の方法にも関し、ネットワークは、複数の基地局と少なくとも1つの移動端末とを備え、複数の基地局は単一周波数でフレームを送信し、この方法は、少なくとも1つの移動端末によって実施される、フレームヘッダの、少なくとも1つの受信された第1の部分を復号するステップであって、少なくとも1つの第1のヘッダ部分は、少なくとも2つの基地局を備える第1の集合により、少なくとも第1の時間インターバルを備える同一の第1の物理チャネルで送信される、ステップと、フレームヘッダの、少なくとも1つの受信された第2の部分の少なくとも一部を復号するステップであって、ヘッダの少なくとも1つの第2の部分は、少なくとも1つの基地局を備える少なくとも1つの第2の集合により、少なくとも第2の時間インターバルを備える少なくとも1つの第2の物理チャネルで送信される、ステップとを備え、少なくとも1つの第2の時間インターバルは、少なくとも1つの第1の時間インターバルと異なり、少なくとも1つの第2の集合は第1の集合と異なり、少なくとも1つの第2の集合は第1の集合に含まれる。
【0018】
特定の特徴によると、ヘッダの少なくとも1つの第2の部分は、少なくとも1つの第1の移動端末への少なくとも1つのフレームインターバルの割り振りを表す少なくとも1つの情報要素を備える。
【0019】
有利には、この受信の方法は、ヘッダの少なくとも第1の部分に関連付けられた少なくとも第1のパイロットに基づく、少なくとも1回の第1の物理チャネル推定と、少なくとも1つの第2のヘッダ部分に関連付けられた少なくとも第2のパイロットに基づく、少なくとも1回の第2の物理チャネル推定とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0020】
以下の説明を読むことにより、本発明がより理解され、その他の具体的な特徴および利点が明らかになろう。以下の説明は添付図面を参照する。
図1】本発明の特定の実施形態による、いくつかの基地局といくつかの移動端末を実施するワイヤレスネットワークの図である。
図2】本発明の特定の実施形態による図1のシステムの基地局を模式的に示す図である。
図3】本発明の特定の実施形態による図1のシステムの移動端末を模式的に示す図である。
図4a】本発明の特定の実施形態による、システム1の各基地局のレベルにおける通信フレームの構造を模式的に示す図である。
図4b】本発明の特定の実施形態による、システム1の各基地局のレベルにおける通信フレームの構造を模式的に示す図である。
図4c】本発明の特定の実施形態による、システム1の各基地局のレベルにおける通信フレームの構造を模式的に示す図である。
図4d】本発明の特定の実施形態による、システム1の各基地局のレベルにおける通信フレームの構造を模式的に示す図である。
図5a】本発明の特定の実施形態による、システム1の各基地局のレベルにおける通信フレームヘッダの構造を模式的に示す図である。
図5b】本発明の特定の実施形態による、システム1の各基地局のレベルにおける通信フレームヘッダの構造を模式的に示す図である。
図5c】本発明の特定の実施形態による、システム1の各基地局のレベルにおける通信フレームヘッダの構造を模式的に示す図である。
図5d】本発明の特定の実施形態による、システム1の各基地局のレベルにおける通信フレームヘッダの構造を模式的に示す図である。
図6】本発明の特定の実施形態による、図1のシステムの1つまたは複数の基地局によって実施される送信方法を示す図である。
図7】本発明の特定の実施形態による、図1のシステムの1つまたは複数の基地局によって実施される送信方法を示す図である。
図8】本発明の特定の実施形態による、図1のシステムの移動端末によって実施される受信方法を示す図である。
図9】本発明の特定の実施形態による、図1のシステムの移動端末によって実施される受信方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明の特定の実施形態による、第1の基地局の集合を形成するいくつかの基地局101、102、103、104と、いくつかの移動端末1001、1002、1003、1004とを実施するワイヤレス通信システム1を示す。基地局101から104は単一の周波数で伝送する。すなわち、基地局は単一の周波数(すなわち、ここで対象とするOFDMシステムに関して無視できる周波数差、典型的にはDVB−T(Digital Video Broadcasting − Terrestrial)型のシステムでは通例は1Hz未満の周波数差)で動作する。ネットワークの基地局の集合が単一の周波数で伝送すると、移動端末のレベルで「ハンドオーバー」機構を用いずに済む。基地局101から104および移動端末1001から1004は各々、単一の送信アンテナを有する。基地局101および102は、移動端末1001と通信し、第1の集合に含まれる第2の基地局の集合を形成する。基地局102および103は、移動端末1002と通信し、第1の集合に含まれる、第3の基地局の集合を形成する。基地局102は、第2の集合と第3の集合に属し、したがって移動端末1001および移動端末1002の両方と通信する。基地局101は第2の集合に属し、第3の集合には属さず、基地局103は第3の集合に属し、第2の集合には属さない。基地局104は第1の集合に属し、第2の集合と第3の集合には属さない。基地局103は、移動端末1003とも通信する。基地局104は、移動端末1004と通信する。移動端末1001から1004は、基地局101から104によって送信される信号を受信および復号することができ、基地局101から104は、移動端末1001から1004によって送信される信号を受信および復号することができる。点線の円で定義されたゾーン11、12、13、14は、基地局101から104各々の干渉ゾーンを表している。これら各ゾーン11から14の内部では干渉レベルは所与の閾値よりも小さく、ゾーン11から14の外側では干渉レベルは所与の閾値よりも大きい。
【0022】
有利には、システム1の移動端末1001、1002、1003、1004は、携帯型機器であり、例えば、同報通信サービス(例えば音声またはオーディオデータの再生および/または映像データの表示、またはより一般的にはマルチメディアデータの再生、記憶、または処理)を受信し、処理するように適合された携帯電話または携帯端末である。
【0023】
有利には、システム1の基地局101から104は、固定型機器である。基地局は、広い到達範囲にデータを同報通信するように適合された高出力送信機、または、より制限された到達範囲にデータを同報通信するように適合された平均または低出力送信機である。変形形態によると、基地局101から104の少なくとも1つは、「ピコセル(picocell)」、すなわち建物の内部、スーパーマーケット、駅等の狭いエリアを対象とする、すなわち数十メートルの範囲(いくつかの実施形態によるとピコセルでは範囲は有利には300m以下)を有するシステムを形成する。別の変形形態によると、基地局の少なくとも1つは、「フェムトセル(femtocell)」、すなわち住居や建物の数個の部屋、建物の1フロア、飛行機等、ピコセルよりも小さなサイズに制約されたエリアをカバーするように設計された、すなわち数メートルの範囲(いくつかの実施形態によると、フェムトセルにおける範囲は有利には100メートル以下)を有するシステムを形成する。
【0024】
変形形態によると、基地局101から104は、SISO(単入力単出力)型であり、1つのみのアンテナを有する。基地局は、同期化されたネットワークを形成して、所与の移動端末に同じ内容を同じ周波数で送信する。すなわち、基地局は、単一の周波数で(すなわちここで検討するOFDMシステムに関して無視できる周波数ずれ(通例、DVB−T型のシステムでは1Hz未満)で)、同期して(すなわち無視できる時間ずれ(例えば1マイクロ秒未満)で、かつ別の基地局から送信された別の信号に関して基地局から送信される信号を時間的にずらすことなく)動作し、伝送周波数は、例えば、外部要素(例えばGPS(全地球測位システム)衛星や、地上の基準時間または周波数の放送局)によって提供される基準周波数を受信することにより、異なる基地局で同期される。
【0025】
別の変形形態によると、基地局101から104はMIMO型であり、各々がMIMOコーダと、MIMO信号を送信する数個のアンテナとを有する。この変形形態でも、基地局は、同期化されたネットワークを形成して、所与の移動端末を対象とする同じ内容を同じ周波数で送信する。
【0026】
有利には、システム1の基地局の一部はSISO型で、一部はMIMO型である。この変形形態でも、基地局は、同期化されたネットワークを形成して、所与の移動端末を対象とする同じ内容を同じ周波数で送信する。
【0027】
別の実施形態によると、システム1の第1、第2、および/または第3の基地局の集合の基地局は、基地局が偏りなく1つまたは複数のアンテナを所有する協調(cooperative)MIMOシステムを形成する。そのような協調MIMOシステムは、数個の基地局に分散されたアンテナを使用し、すなわち、送信信号は、同じ部分集合(sub-set,サブセット)中の数個の基地局に属する可能性のある数個のアンテナに空間的に分散される。すべての空間ストリームを有する完全な信号は、空中で組み合わせられて、対象の部分集合の基地局が割り当てられている移動端末で受信される。そのような協調MIMOシステムの基地局も、同期化ネットワークを形成して、対象移動端末を対象とする同じ内容を同じ周波数で送信する。
【0028】
別の変形形態によると、システム1の一部の基地局は、協調または非協調型のMIMO型であり、残りはSISO型である。
【0029】
有利には、移動端末1001から1004の少なくとも1つはMIMO型であり、数個のアンテナを有する。
【0030】
変形形態によると、エリア11から14は、基地局101から104のそれぞれの到達範囲(coverage areas,カバーする範囲)を定義する。
【0031】
図2は、例えば図1の基地局101から104に対応する基地局2のハードウェア実施形態を模式的に示す。
【0032】
基地局2は、以下の要素を備え、要素間は、クロック信号も移送するアドレスおよびデータのバス24で接続される。
− マイクロプロセッサ21(すなわちCPU(中央演算処理装置))
− ROM(読み取り専用メモリ)型の不揮発性メモリ22
− ランダムアクセスメモリすなわちRAM23
− 無線インタフェース26
− データの送信(例えばサービスの同報通信や、マルチポイントツーポイントまたはポイントツーポイント送信)と、特にコーダおよび/またはOFDM変調器の機能について適合されたインタフェース27、
− 同期信号を受信し、インタフェース27を同期するように適合されたインタフェース28、および/または
− ユーザに情報を表示する、および/またはデータやパラメータ(例えばサブキャリアや送信データのパラメータの設定)を入力するのに適した特定のアプリケーションのMMI(マンマシンインタフェース)インタフェース29。
【0033】
メモリ22および23の説明で使用される単語「レジスタ」は、上記のメモリ各々において、小容量のメモリ領域(いくらかのバイナリデータ)と、大容量のメモリ領域(1つのプログラム全体の記憶や、受信データまたは同報通信しようとするデータを表すデータのすべてまたは一部を可能にする)の両方を指すことに留意されたい。
【0034】
メモリROM22は、詳細には以下を備える。
− 「prog」220プログラム、および
− 物理層のパラメータ221。
【0035】
下記で説明する本発明に固有の方法のステップを実施するアルゴリズムは、それらステップを実施する基地局2と関連付けられてメモリROM22に記憶される。電源が投入されると、マイクロプロセッサ21は、それらアルゴリズムの命令をロードし、実行する。
【0036】
ランダムアクセスメモリ23は、特に以下を備える。
− レジスタ230内に、基地局2における切り替えを担うマイクロプロセッサ21の動作プログラム
− 送信パラメータ231(例えば変調、符号化、MIMO、フレームの繰り返しのパラメータ)、
− 受信パラメータ232(例えば変調、符号化、MIMO、フレームの繰り返しのパラメータ)、
− 受信データ233、
− データ送信のための符号化データ234、
− 1つまたは複数の移動端末への基地局の割り当てパラメータ235
(例えば、割り当てられる移動端末の数、割り当てられる基地局の最大数、基地局と割り当てられた移動端末間のリンクの品質、基地局のビットレート単位で見た効率性、移動端末の位置の特定)、
− 物理チャネルのパラメータ236(例えば決定された時間インターバルの割り振り、決定された符号の割り振り、および/または基地局2によるデータの送信に決定されたサブキャリアのインターバルの割り振り)、
− 基地局2から送信される通信フレームヘッダの構造を表す情報、および
− 通信フレームの構造を表す情報(例えば1つまたは複数の移動端末への、時間インターバル、周波数インターバル、および/または空間インターバルの割り振りの記述)。
【0037】
変形形態によると、基地局2は、RAM内に、移動端末の地理的位置に対応したレジスタを備える。
【0038】
無線インタフェース26は、該当する場合にシステム1の移動端末1001、1002、1003、1004によって同報通信される信号を受信するように適合される。
【0039】
図3は、システム1に属する移動端末3のハードウェア実施形態を模式的に示し、この移動端末3は、例えば移動端末1001、1002、1003、1004に対応し、基地局2から送信される信号を受信および復号するように適合される。
【0040】
移動端末3は以下の要素を備え、要素間は、クロック信号も移送するアドレスおよびデータのバス34で接続されている。
− マイクロプロセッサ31(すなわちCPU)、
− ROM(読み出し専用メモリ)型の不揮発性メモリ32、
− ランダムアクセスメモリすなわちRAM33、
− 無線インタフェース36、
− データ送信に適合されたインタフェース37、および
− ユーザに情報を表示する、および/またはデータやパラメータ(例えばサブキャリアや送信データのパラメータの設定)を入力するために適合されたMMIインタフェース39。
【0041】
メモリ32および33の説明で使用される単語「レジスタ」は、上記のメモリ各々において、小容量のメモリ領域と、大容量のメモリ領域(1つのプログラム全体の記憶や、受信または復号されたデータセットを表すデータのすべてまたは一部を可能にする)の両方を指すことに留意されたい。
メモリROM32は、特に、
− 「prog」320プログラム、および
− 物理層のパラメータ321
を備える。
【0042】
下記で説明する本発明に固有の方法のステップを実施するアルゴリズムは、それらステップを実施する移動端末3と関連付けられてメモリROM32に記憶される。電源が投入されると、マイクロプロセッサ31は、それらアルゴリズムの命令をロードし、実行する。
【0043】
ランダムアクセスメモリ33は、特に以下を備える。
− レジスタ330内に、移動端末3における切り替えを担うマイクロプロセッサ31の動作プログラム、
− 受信パラメータ331(例えば変調、符号化、MIMO、フレームの繰り返しのパラメータ)、
− 送信パラメータ332(例えば変調、符号化、MIMO、フレームの繰り返しのパラメータ)、
− 受信機36によって受信され、復号されたデータに対応する受信データ333、および
− インタフェースでアプリケーション39に送信されるために形成される復号データ334。
【0044】
図2および3に関して説明した構造以外の基地局2および/または移動端末3の他の構造が本発明に適用可能である。詳細には、変形形態によると、本発明に適用可能な基地局および/または移動端末は、純粋にハードウェアの実施形態により実施され、例えば、専用コンポーネントの形態(例えばASIC(特定用途集積回路)またはFPGA(利用者書き換え可能ゲートアレー)またはVLSI(大規模集積回路))、または機器内に一体化された数個の電子コンポーネントの形態、さらにはハードウェア要素とソフトウェア要素の組み合わせの形態で実施される。
【0045】
無線インタフェース36は、システム1の基地局101から104により同報通信される信号を受信するように適合される。
【0046】
図4aから4dはそれぞれ、本発明の特に有利な非制限実施形態による、図1のシステムの基地局BS1 101、BS2 102、BS3 103、B4 104各々のレベルにおけるバーストの交換を表す通信フレームの構造を示す。
【0047】
図4aは、一方にある基地局BS1ともう一方のネットワークの移動端末との間のバースト交換(exchanges of burst)を表す通信フレーム4001を示す。フレーム4001は、フレームヘッダ40と、ダウンリンク、すなわち基地局から1つまたは複数の移動端末へのバースト送信のために割り振られた一連のインターバルDL41と、アップリンク、すなわち1つまたは複数の移動端末から送信されるバーストを受信するために割り振られた一連のインターバルUL42とを備える。フレームヘッダは、同じ第1の物理チャネルにある第1の基地局の集合BS1、BS2、BS3、BS4に相当する、ネットワークの基地局の集合BS1、BS2、BS3、BS4に共通のフレームヘッダの第1の部分400と、第2の物理チャネルで送信される基地局BS1に固有の第2の部分401、の2つの部分からなる。物理チャネルは、サブキャリアのリスト、時間インターバル、干渉レベル、そしCDMA(符号分割多重接続)アクセスの場合は同じ拡散符号、を含むパラメータの群によって特徴付けられる。第1の物理チャネルは、有利には、第2の物理チャネルとは異なる時間インターバルを用いる点で第2の物理チャネルと異なる。すなわち、ヘッダの第1の部分は、第1の時間インターバルと異なる少なくとも1つの第2の時間インターバルで送信される。ヘッダ400の第1の部分は、フレームの構造を表す情報、すなわち、例えばフレームを構成する一連のDLおよびULインターバルと、ヘッダ401の第2の部分の記述を備える。そのような記述は、例えば、各インターバルの開始および終了時間、フレームの継続時間、インターバルの下り(DL)または上り(UL)の特性、CDMA(符号分割多重接続)変調の場合に使用されるスペクトルの拡散符号のOFDMA(直交周波数分割多重接続)変調の場合に各インターバルに関連付けられた各バーストの通信に割り振られたサブキャリアを表す情報を含む。ヘッダ401の第2の部分は、2つのインターバル(またはミニインターバル)402および403からなり、402および403は、少なくとも1つの移動端末MT1 1001への、それぞれDLおよびULフレームのペイロードインターバルの割り振りを表す情報要素を備える。ミニインターバル402および403は、有利には、各々OFDMシンボルに対応する。第1のシンボルOFDM402は、数個の部分(n個の部分、nは2以上の整数、例えば16、60、240。2048個の点の大きさおよび32サブキャリアのブロックサイズのFFT(高速フーリエ変換)の場合は60個の部分が得られ、8サブキャリアのブロックサイズの場合は240個の部分が得られる)に分割され、各部分に複数のサブキャリアが関連付けられる。OFDMシンボルの第1の部分4021は、移動端末MT1へのダウンリンクDLのフレームの第1のインターバルT1 410の割り振りを表す情報を備え、第2の部分4022は空のままにされ、n番目の部分402nは、ネットワークの移動端末の集合を対象とするバーストを同報通信するためにDLのn番目のインターバルTn 41nが割り振られていることを表す情報を備える。第2のシンボルOFDM403もn個の部分に分割され、各部分に複数のサブキャリアが関連付けられる。第1の部分4031は、移動端末MT1へのアップリンク(UL)の第1のインターバルT1 420の割り振りを表す情報を備え、残りの(n−1個の)インターバル4032から403nは空のままにされる。すなわち、このシンボルOFDMのサブキャリアでは信号は送信されない。少なくとも移動端末MT1へのフレームインターバルの割り振りを表す情報要素は、有利には、インターバルが割り振られる移動端末の識別子と、割り振られるインターバルの識別子を備える。変形形態によると、割り振られるインターバルの識別子は、ヘッダの第1の部分に含まれるフレームの構造を表す情報のうち、割り振られたインターバルを記述する部分を指すポインタ型の情報である。したがって、インターバルの割り振りを表す情報要素は、ヘッダの第1の部分に含まれるフレームの構造を表す情報の少なくとも一部を参照する。フレームの残りの部分は、ペイロードを移送するインターバルDLおよびULからなる。ダウンリンクDLでは、第1のインターバル410が、BS1から移動端末MT1へのデータバーストの通信に割り振られ、インターバル411、412から41(n−1)は割り振られず、最後のインターバル41nは、ネットワークの基地局の集合BS1からBS4により、ネットワークの移動端末MT1からMT4のすべてを対象とするバーストを同報通信するために割り振られる。アップリンクULでは、第1のインターバル420は、移動端末MT1から送信されたバーストを、MT1と通信する第2の基地局の集合を形成する基地局BS1およびBS2で受信するために割り振られる。アップリンクULのその他のインターバル421、422から42nは割り振られない。
【0048】
図4bは、一方の基地局BS2と、もう一方のネットワークの移動端末との間のバースト交換を表す通信フレーム4002を示す。フレーム4002は、フレームヘッダ43と、ダウンリンク通信に割り振られた一連のインターバルDL44と、アップリンク通信に割り振られた一連のインターバルUL45とを備える。ヘッダ43も、同じ第1のヘッダ部分400を有する。すなわち、第1の部分の内容は、それを送信するすべての基地局について同じであり、第1の基地局の集合(BS1からBS4)により第1の物理チャネルで同期して送信され、第2のヘッダ部分431は、BS1から送信される第2のヘッダ部分401と同期して基地局BS2によって送信され、BS1によって送信される第2のヘッダ部分401の内容に対して内容が異なる。第2のヘッダ部分431は、2つのインターバル(またはミニインターバル)432および433からなり、432および433は、特に移動端末MT1 1001およびMT2 1002へのそれぞれDLおよびULフレームのペイロードのインターバルの割り振りを表す情報要素を備える。有利には、ミニインターバル432および433は各々、OFDMシンボルに対応する。第1のミニインターバル432はn個の部分に分割され、OFDMに従い、各部分に複数のサブキャリアが割り振られる。シンボルOFDM432の第1の部分4321は、移動端末MT1にダウンリンクDLのフレームの第1のインターバルT1 440が割り振られることを表す情報を備え、第2の部分4322は、移動端末MT2にフレームのペイロードの第2のインターバルT2 441が割り振られることを表す情報を備え、n番目の部分402nは、ネットワークの移動端末の集合を対象とするバーストを同報通信するためにDLのn番目のインターバルTn 44nが割り振られることを表す情報を備える。第2のミニインターバル433もn個の部分に分割され、各部分に複数のサブキャリアが関連付けられる。シンボルOFDM433の第1の部分4331は、移動端末MT1へのアップリンク(UL)の第1のインターバルT1 420の割り振りを表す情報を備え、残りの(n−1個の)インターバル4032から403nは空のままにされる。フレームの残りの部分は、ペイロードを移送するDLおよびULインターバルからなる。ダウンリンクDLでは、第1のインターバル440は、BS2から移動端末MT1へのデータバーストの通信に割り振られ、このバーストは、同じくMT1と通信するBS1からも同期して送信され、第2のインターバル441は、BS2から移動端末MT2へのデータバーストの通信に割り振られ、最後のインターバル44nは、ネットワークの基地局の集合BS1からBS4により、ネットワークの移動端末MT1からMT4すべてを対象とするバーストを同報通信するために割り振られる。アップリンクULでは、第1のインターバル450は、MT1と通信する第2の基地局の集合を形成するBS2およびBS1が、移動端末MT1から送信されたバーストを受信するために割り振られる。アップリンクULのその他のインターバル421、422から42nは、割り振られない。
【0049】
図4cは、一方の基地局BS3と、もう一方のネットワークの移動端末との間のバーストの交換を表す通信フレーム4003を示す。フレーム4003は、フレームヘッダ46と、ダウンリンク通信に割り振られた一連のインターバルDL47と、アップリンク通信に割り振られた一連のインターバルUL48とを備える。ヘッダ46も、第1の物理チャネルで第1の基地局の集合(BS1からBS4)によって同期して送信される同一の第1のヘッダ部分400と、BS1およびBS2から送信される第2のヘッダ部分401と同期して基地局BS3から送信される第2のヘッダ部分461とを備え、第2のヘッダ部分461は、BS1および/またはBS2によって送信される第2のヘッダ部分401の内容に対して内容が異なる。第2のヘッダ部分461は、2つのインターバル(またはミニインターバル)462および463を含み、462および463は、特に、移動端末MT2 1002およびMT3 1003にそれぞれフレームDLおよびULのペイロードのインターバルが割り振られることを表す情報要素を備える。有利には、ミニインターバル462および463は、各々OFDMシンボルに対応する。第1のミニインターバル462はn個の部分に分割され、OFDMに従い、各部分に複数のサブキャリアが割り振られる。シンボルOFDM462の第1の部分4621は、ダウンリンクDLのフレームのペイロードの第1のインターバルT1 470が移動端末MT3に割り振られることを表す情報を備え、第2の部分4622は、移動端末MT2にフレームのペイロードの第2のインターバルT2 471が割り振られることを表す情報を備え、n番目の部分402nは、ネットワークの移動端末の集合を対象とするバーストを同報通信するために、DLのn番目のインターバルTn 47nが割り振られることを表す情報を備える。第2のミニインターバル463もn個の部分に分割され、各部分に複数のサブキャリアが関連付けられる。シンボルOFDM463の第1の部分4631は、移動端末MT3へのアップリンク(UL)の第1のインターバルT1 420の割り振りを表す情報を備え、残りの(n−1個の)インターバル4632から403nは空のままにされる。フレームの残りの部分は、ペイロードを移送するDLおよびULインターバルからなる。ダウンリンクDLでは、第1のインターバル470は、BS3から移動端末MT3へのデータバーストの通信に割り振られ、第2のインターバル471は、BS3から移動端末MT2へのデータバーストの通信に割り振られ、このバーストは、MT2とも通信するBS2からも同期して送信され、最後のインターバル44nは、ネットワークの基地局の集合BS1からBS4から、ネットワークの移動端末MT1からMT4すべてを対象とするバーストを同報通信するために割り振られる。アップリンクULでは、第1のインターバル480は、移動端末MT3から送信されたバーストをBS3で受信するために割り振られる。アップリンクULのその他のインターバル481、482から48nは、割り振られない。
【0050】
図4dは、一方の基地局BS4と、もう一方のネットワークの移動端末との間のバースト交換を表す通信フレーム4004を示す。フレーム4004は、フレームヘッダ49と、ダウンリンク通信に割り振られた一連のインターバルDL50と、アップリンク通信に割り振られた一連のインターバルUL51とを備える。ヘッダ49も、第1の物理チャネルで第1の基地局の集合(BS1からBS4)によって同期して送信される同一の第1のヘッダ部分400と、BS1、BS2、およびBS3から送信される第2のヘッダ部分401、431、461と同期して基地局BS4から送信される第2のヘッダ部分491とを備え、第2のヘッダ部分491は、BS1、BS2、BS3によって送信される第2のヘッダ部分401、431、461の内容に対して内容が異なる。第2のヘッダ部分491は、2つのインターバル(またはミニインターバル)492および493を含み、492および493は、特に、移動端末MT4 1004にフレームのそれぞれDLおよびULのペイロードのインターバルが割り振られることを表す情報要素を備える。有利には、ミニインターバル492および493は、各々OFDMシンボルに対応する。第1のミニインターバル492はn個の部分に分割され、OFDMに従い、各部分に複数のサブキャリアが割り振られる。シンボルOFDM492の第1の部分4921は、ダウンリンクDLのフレームペイロードの第1のインターバルT1 500が移動端末MT4に割り振られることを表す情報を備え、第2の部分4922は空のままにされ、n番目の部分402nは、ネットワークの移動端末の集合を対象とするバーストを同報通信するためにDLのn番目のインターバルTn 49nが割り振られることを表す情報を備える。第2のミニインターバル493もn個の部分に分割され、各部分に複数のサブキャリアが関連付けられる。シンボルOFDM493の第1の部分4931は、移動端末MT4へのアップリンク(UL)の第1のインターバルT1 510の割り振りを表す情報を備え、残りの(n−1個の)インターバル4932から493nは空のままにされる。フレームの残りの部分は、ペイロードを移送するDLおよびULインターバルからなる。ダウンリンクDLでは、第1のインターバル500は、BS4から移動端末MT4へのデータバーストの通信に割り振られ、インターバル501、502から50(n−1)は割り振られず、最後のインターバル50nは、ネットワークの基地局の集合BS1からBS4により、ネットワークの移動端末MT1からMT4すべてを対象とするバーストを同報通信するために割り振られる。アップリンクULでは、第1のインターバル510は、移動端末MT4から送信されたバーストをBS4で受信するために割り振られる。アップリンクULのその他のインターバル511、512から51nは、割り振られない。
【0051】
変形形態によると、フレームヘッダの第2の部分に含まれるミニインターバルは、OFDMシンボルには対応せず、時間的に分散されたインターバルに対応する。したがって、このミニインターバルに含まれる各情報要素は、有利にはミニ時間インターバルに対応する。
【0052】
図5aから5dは、本発明の特に有利な非制限的実施形態による、図1のシステムのそれぞれ基地局BS1101、BS2102、BS3103、BS4104各々のレベルにおける通信フレームヘッダの構造を示す。
【0053】
図5aは、局BS1によって送信される通信フレームヘッダ5001を示す。ヘッダ5001は、第1のヘッダ部分5011と第2のヘッダ部分5012の2つの部分からなる。第1のヘッダ部分5011は、第1のパイロット520、すなわち受信側が受信信号の伝搬条件を推定することを可能にする信号と、部分521と備え、部分521は、フレームの構造を表す情報を備え、例えば、第2のヘッダ部分5012の構造の記述とフレームのペイロードの構造の記述を備える。第2のヘッダ部分5012はミニインターバルを備え、各ミニインターバルは、ネットワークの移動端末へのDLおよびULのフレームのペイロードのインターバルの割り振りを表す情報要素を含んでいる。したがって、第1のOFDMシンボルは、n個の部分523および525に分割され、nは1以上の整数である。第1のOFDMシンボルの第1の情報要素523は、フレームのペイロードの最初のインターバルDL410、440がMT1に割り振られることを表し、最後の情報要素525は、最後のインターバルDL41n、44nおよび50nが、ネットワークの移動端末の集合MT1からMT4を対象とするバーストを、基地局の集合BS1からBS4により同報通信するために割り振られることを表す。第2のOFDMシンボルは、フレームのペイロードULの最初のインターバル420、450がMT1に割り振られることを表す第1の情報要素527を備える。各情報要素523、525、527の前にはそれぞれパイロット522、524、526が置かれる。
【0054】
図5bは、局BS2によって送信される通信フレームヘッダ5002を示す。ヘッダ5002は、第1のヘッダ部分5011と第2のヘッダ部分5022の2つの部分からなる。第1のヘッダ部分5011は、第1のパイロット520と部分521とを備え、部分521は、フレームの構造を表す情報を備え、例えば、第2のヘッダ部分5012の構造の記述とフレームのペイロードの構造の記述を備える。第2のヘッダ部分5022はミニインターバルを備え、各ミニインターバルは、ネットワークの移動端末へのDLおよびULのフレームのペイロードのインターバルの割り振りを表す情報要素を含んでいる。したがって、第1のOFDMシンボルは、n個の部分523、525、529に分割される。第1のOFDMシンボルの第1の情報要素523は、フレームのペイロードの最初のインターバルDL410、440がMT1に割り振られることを表し、情報要素529は、フレームの2番目のインターバル441および471がMT2に割り振られることを表し、最後の情報要素525は、最後のインターバルDL41n、44nおよび50nが、ネットワークの移動端末の集合MT1からMT4を対象とするバーストを、基地局の集合BS1からBS4により同報通信するために割り振られることを表す。第2のOFDMシンボルは、フレームのペイロードULの最初のインターバル420、450がMT1に割り振られることを表す第1の情報要素527を備える。各情報要素523、525、527、529の前にはそれぞれパイロット522、524、526、528が置かれる。
【0055】
図5cは、局BS3によって送信される通信フレームヘッダ5003を示す。ヘッダ5003は、第1のヘッダ部分5011と第2のヘッダ部分5032の2つの部分からなる。第1のヘッダ部分5011は、第1のパイロット520と部分521とを備え、部分521は、フレームの構造を表す情報を備え、例えば、第2のヘッダ部分5032の構造の記述とフレームのペイロードの構造の記述を備える。第2のヘッダ部分5032はミニインターバルを備え、各ミニインターバルは、ネットワークの移動端末へのDLおよびULのフレームのペイロードのインターバルの割り振りを表す情報要素を含んでいる。したがって、第1のOFDMシンボルは、n個の部分531、529、525に分割される。第1のOFDMシンボルの第1の情報要素531は、フレームのペイロードの最初のインターバルDL470がMT3に割り振られることを表し、情報要素529は、フレームの2番目のインターバル441および471がMT2に割り振られることを表し、最後の情報要素525は、最後のインターバルDL41n、44n、47n、50nが、ネットワークの移動端末の集合MT1からMT4を対象とするバーストを、基地局の集合BS1からBS4により同報通信するために割り振られることを表す。第2のOFDMシンボルは、フレームのペイロードULの最初のインターバル480がMT3に割り振られることを表す第1の情報要素533を備える。各情報要素531、525、529、533の前にはそれぞれパイロット530、524、528、532が置かれる。
【0056】
図5dは、局BS4によって送信される通信フレームヘッダ5004を示す。ヘッダ5004は、第1のヘッダ部分5011と第2のヘッダ部分5042の2つの部分からなる。第1のヘッダ部分5011は、第1のパイロット520と部分521とを備え、部分521は、フレームの構造を表す情報を備え、例えば、第2のヘッダ部分5042の構造の記述とフレームのペイロードの構造の記述を備える。第2のヘッダ部分5042はミニインターバルを備え、各ミニインターバルは、ネットワークの移動端末へのDLおよびULのフレームのペイロードのインターバルの割り振りを表す情報要素を含んでいる。したがって、第1のOFDMシンボルは、n個の部分535および525に分割される。第1のOFDMシンボルの第1の情報要素535は、フレームのペイロードの最初のインターバルDL500がMT4に割り振られることを表し、最後の情報要素525は、最後のインターバルDL41n、44n、47n、50nが、ネットワークの移動端末の集合MT1からMT4を対象とするバーストを、基地局の集合BS1からBS4により同報通信するために割り振られることを表す。第2のOFDMシンボルは、フレームのペイロードULの最初のインターバル510がMT4に割り振られることを表す第1の情報要素537を備える。各情報要素535、525、537の前にはそれぞれパイロット534、524、536が置かれる。
【0057】
第1のヘッダ部分5011は、有利には、基地局の集合により第1の物理チャネルで同じ周波数で同期して送信される。したがって、インターバル521の送信の前に送信されるパイロット520で、パイロット520を受信するすべての移動端末がチャネル応答を推定し、インターバル521を受信して正確に復号することが可能になる。インターバル521は、ヘッダの第2の部分5012、5022、5032、5042の構造とフレームペイロードの構造を表す情報を備えるが、これは、ヘッダの第2の部分の構造が送信元のすべての基地局に共通であることを意味する。ヘッダの第2の部分の内容のみが、発信元の基地局に応じて異なる。同じ論法が、通信フレームのペイロードの構造に当てはまる。
【0058】
第1のヘッダ部分とミニインターバルは同一の基地局の集合によって送信されないので、伝搬チャネルは、第1のヘッダ部分の伝送とミニインターバルの伝送とで異なる。受信信号の復号を試みる移動端末は、各ヘッダ部分の前、より一般的には各ミニインターバルの前にチャネル推定を実施しなければならない。したがって、第1のヘッダ部分と各ミニインターバルは、受信機および移動端末が当業者に周知の技術に従って新しい伝搬チャネル応答を計算するように、パイロットシーケンスを備える。パイロットシーケンスは、有利には、ミニインターバルデータを含むOFDMシンボルより前にあるOFDMシンボルで構成される。変形形態によると、パイロットシーケンスは、ミニインターバルデータを含むOFDMシンボルと同じOFDMシンボル中に含まれ、OFDMシンボルのサブキャリアの一部がパイロットシーケンスの移送に使用される。その場合、伝搬チャネルの完全な推定は、ミニインターバルデータを移送する残りの他のサブキャリアに周波数応答を補間することによって行われる。
【0059】
別の変形形態によると、有利には、同じ物理チャネルを共有する場合、すなわち特に同じ基地局から送信される場合に、フレームヘッダの第2の部分のミニインターバルがグループ化される。これは例えば、基地局BS1およびBS2を含む第2の集合の基地局についてMT1にインターバルが割り振られることを表す情報を含むミニインターバル、または、基地局BS2およびBS3を含む第3の集合の基地局についてMT2にインターバルが割り振られることを表す情報を含むミニインターバルの場合である。この変形形態は、帯域幅を最適化し、システム1の性能を向上させる利点がある。
【0060】
図6は、本発明の特に有利な非制限的実施形態による、一方が少なくとも2つの基地局2を備え、もう一方が少なくとも1つの基地局2を備える、少なくとも2つの基地局の集合で実施される送信方法を示す。
【0061】
初期化ステップ60で、各基地局の各種パラメータが更新される。詳細には、送信または受信される信号に対応するパラメータと、対応するサブキャリアに対応するパラメータが任意の方式で初期化される(例えば、マスタ局と称される基地局のうち1つ、またはシステム1に図示しないサーバ、またはオペレータコマンドによって送信される初期化メッセージの受信に従って)。
【0062】
次いでステップ61で、少なくとも2つの基地局BS 101、BS2 102、BS3 103、BS4 104を備える第1の集合が、第1の物理チャネルでフレームヘッダ400の第1の部分を同期して送信する。第1のヘッダ部分は、有利には、システム1の通信フレームの構造を表す情報、すなわちフレームのヘッダとペイロードの構造の記述を備える。ヘッダの第1の部分は、例えば第2のヘッダ部分を備えるミニインターバルの記述、すなわち、ミニインターバルの開始および終了時間、各ミニインターバルに割り振られたサブキャリア、使用される変調の種類(すなわち、例えばQPSK(4位相偏移変調)または16QAM(16直交振幅変調)のコンステレーション(constellation)タイプ、1つまたは複数の重畳/LDPC(低密度パリティチェック)タイプ符号の使用、例えば空間多重化やSTOBC(空間時間直交ブロック符号)を含むMIMOスキーマの使用、およびパイロットサブキャリアの分布を含む、使用される変調レベルや物理的方式)に関する情報、またはパイロットに関する情報と、フレームのペイロードインターバルの記述、すなわち、例えば各インターバルのアップリンクULまたはダウンリンクDL、各インターバルの開始および終了時間、OFDMAの場合に割り振られるサブキャリア、CDMAの場合に使用される拡散符号、フレームの継続時間等と、を備える。
【0063】
次いで、ステップ62で、少なくとも1つの基地局BS1 101およびBS2 102を備える第2の基地局の集合が、第2の物理チャネルで第2のフレームヘッダ部分401、431を同期して送信する。第2のヘッダ部分の構造は、送信元の基地局に関係なく同じである。有利には、第2のヘッダ部分の内容は、送信元の基地局に応じて異なる。第2のヘッダ部分は、有利には、1つまたは複数の移動端末へのフレームペイロードのDLまたはULインターバルの割り振りを表す1つまたは複数の情報要素を含む。OFDM変調の場合、第2のヘッダ部分は有利には2つのミニインターバルを備え、各ミニインターバルは、第2の基地局の集合の少なくとも1つの基地局と通信する1つまたは複数の移動端末へのフレームペイロードインターバルの割り振りに関する情報を備えるOFDMシンボルに対応する。第1のミニインターバルは、例えば、ダウンリンクDLのインターバルの割り振りに関する情報に関連付けられ、第2のミニインターバルは、例えば、アップリンクULのインターバルの割り振りに関する情報に関連付けられる。OFDMプロパティを使用して、各OFDMシンボルは、対象のOFDMシンボルに応じて、フレームのダウンリンクまたはアップリンクを構成するインターバルの数と同じ数の部分に分割される。そして、OFDMシンボルの各部分に、フレームのインターバルの割り振りに関する情報要素を移送する複数のサブキャリアが関連付けられる。インターバルの割り振りを表す各情報要素は、有利には、対象フレームのインターバルが割り振られた移動端末の識別子を備える。変形形態によると、フレームの構造の記述を含むフレームヘッダの第1の部分は、例えばインターバル番号の昇順で各フレームインターバルと識別子の関連付けを表す情報を備える。したがって、第2のヘッダ部分の各情報要素は、フレームインターバル識別子を備える第1のヘッダ部分を参照する。すなわち、第2のヘッダ部分の各情報要素は、所与の移動端末に割り振られたフレームのインターバルを記述する第1のヘッダ部分の一部をポイントする(point,指し示す)。
【0064】
有利には、第1の物理チャネルと第2の物理チャネルは、第1の物理チャネルが第1の時間インターバルを使用する点、すなわち、第1のヘッダ部分は第1の時間インターバル中に送信される点で異なり。また、第1の物理チャネルと第2の物理チャネルは、第2の物理チャネルが第1の時間インターバルとは異なる第2の時間インターバルを使用する点、すなわち、第2のヘッダ部分は、第1の時間インターバルとは異なる第2の時間インターバル中に送信される点で異なる。物理チャネルは、サブキャリアのリスト、時間インターバル、干渉レベル、CDMA(符号分割多重接続)アクセスの場合は同じ拡散符号、を含むパラメータ群によって特徴付けられ、変形形態によると、第1の物理チャネルと第2の物理チャネルは、上記パラメータの1つまたは組み合わせが異なる点で異なる。
【0065】
変形形態によると、フレームのペイロードの構造を表す情報は第2のヘッダ部分に含まれ、そして第1のヘッダ部分は、フレームヘッダの第2の部分の構造を表す情報のみを備える。この変形形態によると、各ミニインターバルのフレームのペイロードのインターバルの割り振りを表す各情報は、割り振られたインターバルを表す情報を備える(継続時間、使用される変調方式、開始および終了時間等)。
【0066】
有利には、フレームヘッダの第1の部分は、ネットワークの基地局の集合、すなわち第1の集合により、単一の同じ第1の物理チャネルで送信される。このフレームヘッダの第1の部分の内容は、送信元の基地局に関わらず同じである。変形形態によると、第2のヘッダ部分のミニインターバルの送信に使用される物理チャネルは、ミニインターバルに応じて異なる。別の変形形態によると、ヘッダの第2の部分のミニインターバルに含まれる各情報要素の送信に使用される物理チャネルは、情報要素に応じて異なる。第2の集合の少なくとも2つの基地局によって送信されるフレームのインターバルの割り振りを表す情報要素は、有利には同じ第2の物理チャネルで送信される。
【0067】
特に有利な変形形態によると、少なくとも2つの基地局BS2 102およびBS3 103を備える第3の基地局の集合は、第2のヘッダ部分を同じ周波数で第2の部分として同期して送信する。したがって、フレームヘッダの第2の部分の構造は、送信元の基地局の集合すべてについて同じである。第2のヘッダ部分の内容は、集合ごとに異なり、変形形態によると基地局ごとに異なる。第3の基地局の集合によって送信される第2のヘッダ部分は、フレームのDLおよび/またはULペイロードの1つまたは複数のインターバル、または、1つまたは複数の第2の移動端末の割り振りを表す1つまたは複数の情報要素を備える。第3の集合は第1の集合に含まれ、第1の集合とは異なる(特に第1の集合の基地局BS1およびBS4を備えない点で)。第2の集合と第3の集合は、例えばBS2等の共通の基地局を有する。第2の集合と第3の集合は異なる(特に第2の集合は基地局BS3を備えず、第3の集合は基地局BS1を備えない点で)。移動端末MT1は基地局BS2およびBS3と通信し、BS2は第2の集合と第3の集合の両方に属し、したがって、MT1およびMT2へのフレームのインターバルの割り振りを表すいくつかの情報要素は、第2の集合と第3の集合から送信される第2のヘッダ部分に共通である。したがって、干渉を回避するために、MT1とMT2に割り振られるインターバルは異なる。MT1とMT2に割り振られるインターバルは、有利には、特にTDMA(時分割多重接続)変調の場合に異なる時間インターバルを使用する点で異なる。変形形態によると、MT1とMT2に割り振られるインターバルは、OFDMA変調の場合に異なるサブキャリアを使用する点で異なる。別の変形形態によると、MT1とMT2に割り振られるインターバルは、異なる空間ストリームを使用する点で異なり、1つの空間ストリームは、伝送容量を増加するために空間多重化技術を使用してMIMO送信機によって送信される信号の1つに対応する。変形形態によると、MT1とMT2に割り振られるインターバルは、TDMA、OFDMA、および/または空間変調のいずれかの組み合わせが適用される点で異なる。
【0068】
図7は、本発明の特に有利な非制限的実施形態による、一方が少なくとも2つの基地局2を備え、もう一方が少なくとも1つの基地局2を備える、少なくとも2つの基地局の集合内で実施される送信方法を示す。
【0069】
初期化ステップ70で、各基地局の各種パラメータが更新される。詳細には、送信または受信される信号に対応するパラメータと、対応するサブキャリアに対応するパラメータが任意の方式で初期化される(例えば、マスタ局と称される基地局のうち1つ、またはシステム1に図示しないサーバ、またはオペレータコマンドによって送信される初期化メッセージの受信に従って)。
【0070】
次いでステップ71で、1つまたは複数の移動端末が、通信バーストの交換のために基地局の集合に割り当てられる。そのような割り当てについては、特に、2008年11月21日に出願された特許文献1に記載される。特許文献1は、少なくとも1つの決定された割り当てパラメータに従って、各移動端末を基地局の集合に割り当てる方法について記載する。少なくとも1つの割り当てパラメータは、以下のパラメータを含むパラメータ群に属する。
− 割り当てようとする基地局に割り当てられた移動端末の数: 新しい移動端末に割り当てようとする基地局に割り当てられた移動端末の数が閾値より小さい場合は、新しい移動端末の割り当てが行われ、新しい移動端末に割り当てようとする基地局に割り当てられた移動端末の数がこの閾値より大きい場合は、新しい移動端末の割り当ては行われない。閾値の非制限的な例は、5、10、20、50、100、200、300台等の通信中の移動端末(すなわち、自身を対象とするデータを受信し、処理する端末)である。変形形態によると、閾値は、通信中の移動端末に加えて、待機中の移動端末(すなわち、基地局が割り当てられているがアクティブな通信状態にない端末。すなわち、明確に自身を対象とするデータの受信を待っている端末)を考慮に入れ、例えば100、500、1000台等の待機中の移動端末を考慮に入れる。変形形態によると、閾値は、各移動端末に必要なリソース(例えば帯域幅要件)を考慮する。このパラメータを考慮すると、特に、ネットワークを飽和させず、割り当てられた各移動端末に十分な量の帯域幅を保証するという利点が得られる。
− 1つの移動端末に割り当てられる基地局の最大数: 所与の移動端末に割り当てることができる基地局の最大数は固定されており(例えば3、4、5等)、検討中の移動端末に割り当てようとする新しい基地局は、その移動端末に割り当てられた基地局が最大数に達していない場合にのみ割り当てられることができる。割り当てられた基地局の最大数に達している場合、検討中の移動端末に割り当てようとする新しい基地局は、既に割り当てられた基地局の割り当てが解除される場合にのみ割り当てられることができる。変形形態によると、所与の移動端末に割り当てられる基地局の最大数は、次の2つの間の折り合いとなる。
・基地局によって形成されるネットワークの帯域幅の効率性の損失: 効率の損失を最小にするには基地局の数を制限する必要がある。
・その移動端末を対象とする同じデータを単一の周波数で同期して送信する基地局を増やすことで得られるダイバーシティの利得による、移動端末の受信の利得
このパラメータを考慮すると、特に、1台の移動端末に多過ぎる数の基地局が割り当てられるのを回避することによって基地局の利用状況を最適化するという利点が得られ、また、例えば、ネットワーク内で実装される基地局の数を制限することができる。
− 割り当てようとする基地局と対象の移動端末との間のリンクの品質: リンクの品質は例えば、基地局で受信され、移動端末から送信される信号電力の測定、従来技術で周知の技術によって実施される測定から推定される。有利には、移動端末から送信される信号の受信レベルが最も高い基地局が優先的に対象の移動端末に割り当てられ、移動端末に割り当てられる追加的な基地局は、信号受信レベルの高い順に決定される(最良レベルから開始)。変形形態によると、受信レベルが閾値未満(例えば最良の基地局の受信レベルを基準として10dB、15dB、または20dB未満)の基地局は、割り当てられない。別の変形形態によると、移動端末から送信された信号を受信する基地局で実施される電力測定の頻度は、SNR(信号対雑音比)が下がると増大し、SNRが上がると低下する。このパラメータを考慮すると、特に、移動端末による処理のために、送信信号が有効に受信される基地局だけが移動端末に割り当てられるという利点が得られる。
− 割り当てようとする基地局のビットレートの効率性: 割り当てようとする基地局によって提供されるビットレートが閾値よりも大きい場合は、割り当てが失敗しなければ割り当てが行われる。変形形態によると、基地局によって形成されるネットワークの総ビットレートが基地局割り当ての際に考慮される。ビットレートが閾値より大きい基地局は、例えば、別の移動端末との通信を確立するために使用できる唯一の基地局であるので、割り当てられない。このパラメータの考慮により、特に、移動端末に対して最小限のビットレートを保証するという利点が得られる。
− 対象とする移動端末の位置の特定: 検討対象の移動端末との距離が閾値よりも小さい1つまたは複数の基地局が、その移動端末に割り当てられる。ピコセルシステムの場合は、閾値は、例えば50m、100m、または200mの値を非制限的にとる。フェムトセルシステムの場合は、閾値は、例えば5m、10m、または50mの値を非制限的にとる。移動端末の位置特定により、移動端末の絶対的な地理的位置、または(基地局を基準とした)相対的な地理的位置が理解される。位置は、例えばGPSにより、または、従来技術で周知の技術で、移動端末によって送信され、基地局によって受信される信号から、各基地局と移動端末との間の距離を測定することによって求められる。このパラメータを考慮することにより、特に、実装が簡略になるという利点が得られる。
このようにして、移動端末BT1は、BS1およびMS2を備える第2の基地局の集合に割り当てられ、移動端末は、BS2およびBS3を備える第3の基地局の集合に割り当てられ、移動端末は、例えば第4の集合を形成する基地局BS3に割り当てられ、移動端末MT4は、例えば第5の集合を形成するBS4に割り当てられる。このようにして各移動端末に割り当てられた1つまたは複数の基地局は、割り振られた移動端末を対象とするデータの送信と、割り振られた移動端末から送信されるデータの受信を担う。
【0071】
次いでステップ72で、第1のパイロット、すなわち、受信する移動端末が信号の伝搬チャネルを推定することを可能にする参照信号が送信される。第1のパイロットは、第1の集合の基地局の集合BS1からBS4により同じ第1の物理チャネルで同期して送信される。有利には、第1のパイロットは、フレームヘッダの第1の部分の前に送信されるOFDM信号からなる。変形形態によると、第1のパイロットは、フレームヘッダの第1の部分の送信に対応するインターバルの前に、第1の時間ミニインターバルで送信される。別の変形形態によると、第1のパイロットは、第1のヘッダ部分のデータを移送するOFDMシンボルと同じOFDMシンボルに含まれ、OFDMシンボルのサブキャリアの一部がこの第1のパイロットの送信に割り振られる。
【0072】
次いでステップ73で、少なくとも1つの第1のヘッダ部分が、基地局BS1 101、BS2 102、BS3 103、BS4 104を備える第1の基地局の集合によって送信される。第1のヘッダ部分を送信するステップは、上記の図4で説明したステップ61と同様であり、ここでは再度詳しく説明しない。
【0073】
有利には、ステップ74で、第2のパイロットが第2のヘッダ部分の送信の前に送信される。第2のヘッダ部分の内容は、それを送信する基地局の集合に応じて、または有利にはそれを送信する基地局に応じて異なるが、有利には、第2のパイロットは、第2のヘッダ部分に含まれる移動端末へのフレームのインターバルの割り振りを表す情報要素ごとに送信される。有利には、第2のパイロットは、第2のヘッダ部分を構成する各ミニインターバルの前に送信されるOFDMシンボルから構成される。変形形態によると、第2のパイロットは、フレームのインターバルの割り振りを表す各情報要素の後に送信されるOFDMシンボルの一部から構成される。別の変形形態によると、ミニインターバルまたは情報要素に関連付けられた第2のパイロットが、それぞれミニインターバルデータまたは情報要素に関連するデータを備えるOFDMシンボルと同じOFDMシンボル中に含まれ、そのOFDMシンボルのサブキャリアの一部が第2のパイロットの移送に使用される。次いで、ミニインターバルのデータまたは情報要素を移送する残りの他のサブキャリアに周波数応答を補間することにより、移動端末で伝搬チャネルの完全な推定が行われる。
【0074】
最後にステップ75で、第2のヘッダ部分が図5のステップ62で説明したように送信される。対象の集合に割り当てられた移動端末へのフレームのインターバルの割り当てを表す情報に内容が対応している第2のヘッダ部分を送信する集合の基地局。したがって、第2のヘッダ部分の内容は、通信のためにその送信元の基地局に割り当てられた1つまたは複数の移動端末に応じて、送信元基地局に固有となる。変形形態によると、第2の部分の一部が送信された後、第2のヘッダ部分の別の部分を送信する前に別の第2のパイロットを送信するために第2のパイロットの送信ステップ74が再度実施される。有利には、このシナリオは、第2のヘッダ部分に備わるすべてのミニインターバルまたは情報要素について繰り返される。
【0075】
図8は、本発明の特に有利な非制限的実施形態による、移動端末3で実施される受信方法を示す。
【0076】
初期化ステップ80で、移動端末の種々のパラメータが更新される。詳細には、送信または受信される信号に対応するパラメータ、および対応するサブキャリアのパラメータが任意の方式で初期化される(例えば、マスタ局と称される基地局のうち1つ、またはシステム1に図示しないサーバ、またはオペレータコマンドによって送信される初期化メッセージの受信に従って)。
【0077】
次いでステップ81で、移動端末が、通信フレームヘッダの第1の部分のすべてまたは一部を受信し、復号する。第1のヘッダ部分は、第1の基地局の集合BS1からBS4により、同じ第1の時間インターバル中に、またはCDMAアクセスの場合は同じスペクトル拡散符号で、同じ第1の物理チャネルで同期して、すなわち同じ周波数で送信され、各移動端末MT1からMT4はフレームヘッダの第1の部分を受信し、復号する。有利には、フレームヘッダの第1の部分は、フレームヘッダの構造とフレームのペイロードの構造を表す情報、すなわちフレームヘッダに含まれる一連のミニインターバルの記述とフレームのペイロードのインターバルの記述を備える。
【0078】
ステップ82で、1つまたは複数の移動端末が、フレームヘッダの第2の部分のすべてまたは一部を受信し、復号する。ヘッダの第2の部分に含まれる各ミニインターバルの内容は、基地局の集合ごとに、または有利には基地局ごとに異なり、ミニインターバル(またはペイロードのインターバルの割り振りを表す情報要素)に適用される符号化(OFDMにおけるサブキャリアの割り当て、またはCDMAにおけるスペクトル拡散符号の割り当て)は、有利には、ミニインターバルごとに異なり、所与の移動端末は、第2のヘッダ部分の1つの部分のみを復号することができる。ミニインターバルのサイズは小さく、各ミニインターバルは、例えば移動端末の識別子やその移動端末に割り振られたインターバルの識別子等の最小限の数の情報だけを含み、OFDMシンボルの一部のみが、その情報を移送することができる。OFDMAに従ってミニインターバルを多重化することにより、同一のOFDMシンボルで、しかし異なるサブキャリアで数個のミニインターバルを送信することが可能になる。そのような技術によると、そのような信号を受信する移動端末は、どのサブキャリアがアクティブなのかを検出し、次いでそのサブキャリアを復号し、自身に割り振られたミニインターバル(または情報要素)を検出する。特に有利な変形形態によると、例えばFEC(順方向誤り訂正)タイプの堅牢なエラー防御方式がミニインターバルの符号化に適用されて、特に移動端末が別の移動端末に割り振られたインターバルを使用する場合に、誤った復号を回避する。変形形態によると、所与の移動端末は、閾値を超える電力レベルで受信されたミニインターバル(または情報要素)のみを復号する。実際、所与の移動端末MT1との通信に割り振られた基地局BS1およびBS2は、ネットワークの他の基地局BS3およびBS4までよりも端末に近く、移動端末MT1に割り振られたミニインターバルは、BS1およびBS2から送信される他のミニインターバルよりも高い電力レベルで受信されるが、対象となる移動端末MT1には関係しない。そのため、所与の移動端末が、基地局から送信されたミニインターバルの集合の中から、より一般的には、他の移動端末に他のミニインターバル(または情報要素)を送信する他の基地局によって発生した干渉から、自身を対象とするミニインターバルを検出することが容易である。図4aから4dおよび5aから5dを参照すると、移動端末MT1は、第2の基地局の集合の基地局から送信されたミニインターバル(または情報要素)523、525、527を検出および復号し、移動端末MT2は、第3の集合の基地局から送信されたミニインターバル529および525を検出および復号し、移動端末MT3は、第4の集合の基地局から送信されたミニインターバル531、533および525を検出および復号し、移動端末MT4は、第5の集合の基地局から送信されたミニインターバル535、537、および525を検出および復号する。
【0079】
有利には、所与の基地局の集合により所与の移動端末に割り振られたミニインターバルは、その他の移動端末に割り振られ、その他の基地局の集合から送信されるミニインターバルの送信に使用される物理チャネル以外の物理チャネルで送信される。
【0080】
変形形態によると、第2のヘッダ部分のミニインターバルの集合は、同じ第2の物理チャネルで送信される。各移動端末は、次いで第2のヘッダ部分全体を受信し、復号する。そして、例えば、所与の移動端末に割り振られたミニインターバルがその移動端末の識別子を含んでいるために、所与の移動端末に関連するデータを検出することができる。
【0081】
図9は、本発明の特に有利な非制限的実施形態による、移動端末3で実施される受信の方法を示す。
【0082】
初期化ステップ90で、移動端末の種々のパラメータが更新される。詳細には、送信または受信される信号に対応するパラメータおよび対応するサブキャリアのパラメータが任意の方式で初期化される(例えば、マスタ局と称される基地局のうち1つ、またはシステム1に図示しないサーバ、またはオペレータコマンドによって送信される初期化メッセージの受信に従って)。
【0083】
次いでステップ91で、移動端末MT1からMT4が、基地局BS1からBS4を備える第1の集合から送信された第1のパイロットを同期して受信し、復号する。この第1のパイロットに基づいて、1つまたは複数の移動端末は、当業者に知られる任意の方式で物理チャネルの第1の推定を実施する。物理チャネルの推定により、移動端末が受信信号の効率的な復調を行うことが可能になる。実際には、移動端末は、伝搬条件によって生じた干渉を伴う信号を受信する。各信号サブキャリアには、送信信号に変更を加える複素h係数(振幅−位相)が割り当てられる。r=h.sで、rは受信信号であり、sは送信信号(すなわち送信コンステレーションポイント)である。このh係数を知らないと、移動端末は、送信に使用されるコンステレーションポイントsを求めることができない。移動端末に既知のパイロットの送信により、移動端末は係数hを求めることができる(pilot_r=h.pilot_s。それより、h_estimated=r/pilot_s)。したがって、移動端末は、受信信号を「修正」することができ(r_corrected=r/h_estimated=(h/h_estimated).s〜=sを実施することにより)、効率的な復調を行うことができる。
【0084】
次いでステップ92で、フレームのヘッダの第1の部分が、図8のステップ81で説明したように復号される。
【0085】
ステップ93で、フレームヘッダの第2の部分を受信した各移動端末は、1つまたは複数の第2のパイロットを受信および復号し、1つまたは複数の第2のパイロットはそれぞれ、対象となる移動端末と通信する基地局によって送信される。移動端末は、受信された各第2のパイロットから、次いで1回または複数回の第2の物理チャネル推定を行って、ミニインターバルまたは移動端末へのインターバルの割り振りを表す情報要素の受信に常時適合する。
【0086】
最後にステップ94で、図8のステップ82で説明したようにヘッダの第2の部分のすべてまたは一部が受信され、復号される。第2のパイロットが各ミニインターバルまたは情報要素に関連付けられる場合は、物理チャネルの第2の推定を行うステップ93は、第2のパイロットを受信するたびに繰り返され、その後、第2のパイロットの後に続く、または第2のパイロットを備えるミニインターバルの受信と復号が行われる。
【0087】
言うまでもなく、本発明は、上記の実施形態に限定されない。
【0088】
詳細には、本発明は、4つの基地局を備えるシステムに限定されず、3つ以上の集合および3つ以上の基地局を備えるシステムにも適用される。本発明はまた、4つの移動端末を備えるシステムにも制限されず、3つ以上の移動端末を備えるシステムにも適用される。同じ部分集合の基地局の割り当ては、1つの移動端末に制限されず、複数の移動端末にも適用される。
【0089】
有利には、本システムの基地局は、同じ周波数で同期してフレームを送信する(すなわち、ここで検討するOFDMシステムに関して無視できる周波数ずれで。通例、DVB−T型のシステムでは1Hz未満)。有利には、第2のヘッダ部分に備わり、所与の移動端末に割り振られた情報要素またはミニインターバルは、OFDMAタイプの多重化の場合は異なるサブキャリアを使用することにより、かつ/または、CDMAタイプの符号の場合は異なるスペクトル拡散符号を適用することにより、他の移動端末に割り振られた他の情報要素の送信に使用される他の物理チャネルとは異なる、同一の第2の物理チャネルで送信される。
【0090】
有利には、第1のヘッダ部分に含まれるフレームの構造を表す情報は、基地局の集合からシステム1の移動端末に同報通信され、フレームの中に含まれるインターバルの数と、それらインターバル各々の継続時間は、基地局BS1からBS4と、移動端末MT1からMT4によって構成されるネットワークの集合について一定である。変形形態によると、ネットワークの通信フレームの構造は時間的に不変である。すなわち、第2のヘッダ部分のミニインターバルとフレームのペイロードのインターバルの記述は、すべてのフレームについて時間的に不変である。別の変形形態によると、フレームの構造は時間と共に変化する。その場合、有利には、フレームヘッダ中にフィールドが追加され、このフィールドは、例えば、記述されたフレーム構造が有効であるフレームの数を表す情報を備える。別の変形形態によると、フレームの構造が変更される次フレームの記述は、構造が変更されるフレームの直前に送信されるフレームのフレームヘッダで事前に送信される。
【0091】
変形形態によると、フレームヘッダの第1の部分は、数個の部分に分割される。フレームヘッダの第1の部分の各部分は、フレームの構造を表す情報の一部を備え、例えば、第1の部分はダウンリンクのインターバルの記述を備え、第2の部分はアップリンクについての記述を備える。
(付記1)
ワイヤレスネットワーク内で送信する方法であって、前記ネットワークは、複数の基地局(101、102、103、104)と少なくとも1つの移動端末(1001、1002、1003、1004)とを備え、前記ネットワークの前記複数の基地局は、同一周波数でフレームを送信する方法において、
少なくとも2つの基地局(101、102、103、104)を備える第1の集合により、少なくとも第1の時間インターバルを備える同一の第1の物理チャネルで、フレームヘッダの少なくとも第1の部分(400)を送信する(61)ステップと、
少なくとも1つの基地局(101、102)を備える少なくとも第2の集合により、少なくとも第2の時間インターバルを備える少なくとも第2の物理チャネルで、前記フレームヘッダの少なくとも第2の部分(401、431)を送信する(62)ステップと
を備え、
前記少なくとも1つの第2の時間インターバルは、前記少なくとも1つの時間インターバルと異なり、
前記少なくとも1つの第2の集合は、前記第1の集合と異なり、前記少なくとも1つの第2の集合は前記第1の集合に含まれる
ことを特徴とする方法。
(付記2)
前記フレームヘッダの前記少なくとも1つの第2の部分(401、431)は、少なくとも1つの第1の移動端末(1001)への少なくとも1つのフレームインターバル(410、420)の割り振りを表す少なくとも1つの第1の情報要素(4021、4031)を備えることを特徴とする付記1に記載の方法。
(付記3)
前記ヘッダの前記少なくとも1つの第1の部分(400)は、フレーム構造を表す情報を備え、前記少なくとも1つの第1の情報要素は、前記構造を表す前記情報の少なくとも一部を参照することを特徴とする付記2に記載の方法。
(付記4)
前記フレームヘッダの前記少なくとも1つの第2の部分(401、431)は、フレーム構造を表す情報を備えることを特徴とする付記1または2のいずれか一項に記載の方法。
(付記5)
前記フレームヘッダの前記少なくとも1つの第1の部分(400)は、前記ヘッダの前記少なくとも1つの第2の部分(401、431)を表す情報を備えることを特徴とする付記1または2のいずれか一項に記載の方法。
(付記6)
前記ヘッダの前記少なくとも1つの第1の部分を送信する前記ステップは、少なくとも第1のパイロットを送信する(72)ステップを備え、前記ヘッダの前記少なくとも1つの第2の部分を送信する前記ステップは、少なくとも第2のパイロットを送信する(74)ステップを備えることを特徴とする付記1から5の一項に記載の方法。
(付記7)
少なくとも1つの第1の情報要素ごとに第2のパイロット(522、526)が送信されることを特徴とする付記2および6に記載の方法。
(付記8)
少なくとも1つの移動端末に前記少なくとも1つの第2の集合を割り当てる(71)ステップを備えることを特徴とする付記2から7のいずれか一項に記載の方法。
(付記9)
少なくとも2つの基地局(102、103)を備える少なくとも第3の集合により、前記ヘッダの前記少なくとも1つの第2の部分を送信するステップを備え、
前記ヘッダの前記少なくとも1つの第2の部分は、少なくとも第2の移動端末(1002)への少なくとも1つのフレームインターバル(441)の割り振りを表す少なくとも第2の情報要素(4322)を備え、
前記第2の集合と第3の集合は、少なくとも1つの共通の基地局(102)を備え、前記第2の集合と前記第3の集合は異なり、前記少なくとも1つの第3の集合は、前記第1と異なり、かつ前記第1の集合に含まれる
ことを特徴とする付記2から8のいずれか一項に記載の方法。
(付記10)
ワイヤレスネットワーク内で受信する方法であって、前記ネットワークは、複数の基地局(101、102、103、104)と少なくとも1つの移動端末(1001、1002、1003、1004)とを備え、前記複数の基地局は同一周波数でフレームを送信する方法において、前記少なくとも1つの移動端末によって実施される、
前記フレームヘッダの、少なくとも1つの受信された第1の部分を復号する(81)ステップであって、前記少なくとも1つの第1のヘッダ部分は、少なくとも2つの基地局を備える第1の集合により、少なくとも第1の時間インターバルを備える同一の第1の物理チャネルで送信される、ステップと、
前記フレームヘッダの、少なくとも1つの受信された第2の部分の少なくとも一部を復号する(82)ステップであって、前記ヘッダの前記少なくとも1つの第2の部分は、少なくとも1つの基地局を備える少なくとも1つの第2の集合により、少なくとも1つの第2の時間インターバルを備える少なくとも1つの第2の物理チャネルで送信される、ステップと
を備え、
前記少なくとも1つの第2の時間インターバルは、前記少なくとも1つの第1の時間インターバルと異なり、
前記少なくとも1つの第2の集合は前記第1の集合と異なり、前記少なくとも1つの第2の集合は前記第1の集合に含まれることを特徴とする方法。
(付記11)
前記ヘッダの前記少なくとも1つの第2の部分は、前記少なくとも1つの移動端末への少なくとも1つのフレームインターバルの割り振りを表す少なくとも1つの情報要素を備えることを特徴とする付記10に記載の方法。
(付記12)
前記ヘッダの前記少なくとも1つの第1の部分に関連付けられた少なくとも1つの第1のパイロットに基づく、少なくとも1回の第1の物理チャネル推定(91)と、前記少なくとも1つの第2のヘッダ部分に関連付けられた少なくとも1つの第2のパイロットに基づく、少なくとも1回の第2の物理チャネル推定(92)とを備えることを特徴とする付記10または11の一項に記載の方法。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図5a
図5b
図5c
図5d
図6
図7
図8
図9