【実施例】
【0015】
図1〜
図5は、本発明の一実施例を示す図である。
図1は、自動車1のカーテンエアバッグ装置2のエアバッグ本体2aを車体上部1dに収納した状態からカーテン状に膨張展開した状態を示す図を示している。
図2は、カーテン状に展開したエアバッグ本体2aの詳細を示している。
【0016】
自動車1の符号1aは、フロントピラー(Aピラーとも、1stピラーとも言う)であり、符号1bは、センターピラー(Bピラーとも、2ndピラーとも言う)であり、符号1cは、リヤピラー(Cピラーとも、3rdピラーとも言う)であり、これら各ピラー1a、1b、1cに車体上部1dが支えられてなる。該車体上部1dは、平板状のルーフパネル(図示省略)と、前後方向に沿って閉断面構造のサイドルーフレール(図示省略)とよりなる。フロントピラー1aからリヤピラー1cにかけて、前記エアバッグ本体2aの上端部は、数カ所の支持部18によってサイドルーフレール(図示省略)に固定されてなる。前記エアバッグ本体2aの下端部は、全体としてはロール状に巻き取られて収納される。前記エアバッグ本体2aの下端部は、図示せぬ筒状のラップにより包むことで収納状態を維持されてなる。
【0017】
前記エアバッグ本体2aは、互いに重ね合わせた状態の乗員側基布2bと、車外側基布2cとを外周接合部2ba及び2caで縫製16されることで接合した中空袋状をなしている。外周接合部2ba及び2caは、縫製16だけでなく接着剤(図示省略)による接合のため、気密性が高い。エアバッグ本体2aの内部空間は、外周接合部2ba及び2caにより、前席の乗員3に対応する前側膨張部19と、後席の乗員(図示省略)に対応する後側膨張部20とに区別され、前側膨張部19と後側膨張部20とは、パイプ22を介してインフレータ21に連通した流入口4の直下に配されてなるメイン連通路5から前後に分割されてなる。
【0018】
符号8aは、前記メイン連通路5に連通した前側膨張部19の一番上側の第1サブ連通路であり、該第1サブ連通路8aの下に第1サブ膨張部12aが配され、該第1サブ膨張部12aの下に前記メイン連通路5に連通した前側膨張部19の上から2番目の第2サブ連通路8bが配され、該第2サブ連通路8bの下に第2サブ膨張部12bが配され、該第2サブ膨張部12bの下に前記メイン連通路5に連通した前側膨張部19の上から3番目の第3サブ連通路8cが配され、該第3サブ連通路8cの下に第3サブ膨張部12cが配され、該第3サブ膨張部12cの下に前記メイン連通路5に連通した前側膨張部19の上から4番目の第4サブ連通路8dが配され、該第4サブ連通路8dの下に第4サブ膨張部12dが配され、該第4サブ膨張部12dの下に前記メイン連通路5に連通した前側膨張部19の上から5番目の第5サブ連通路8eが配されてなる。
【0019】
符号9aは、前記メイン連通路5に連通した後側膨張部20の一番上側の第1サブ連通路であり、該第1サブ連通路9aの下に第1サブ膨張部13aが配され、該第1サブ膨張部13aの下に前記メイン連通路5に連通した後側膨張部20の上から2番目の第2サブ連通路9bが配され、該第2サブ連通路9bの下に第2サブ膨張部13bが配され、該第2サブ膨張部13bの下に前記メイン連通路5に連通した後側膨張部20の上から3番目の第3サブ連通路9cが配され、該第3サブ連通路9cの下に第3サブ膨張部13cが配され、該第3サブ膨張部13cの下に前記メイン連通路5に連通した後側膨張部20の上から4番目の第4サブ連通路9dが配され、該第4サブ連通路9dの下に第4サブ膨張部13dが配され、該第4サブ膨張部13dの下に前記メイン連通路5に連通した後側膨張部20の上から5番目の第5サブ連通路9eが配されてなる。
【0020】
前記第1サブ連通路8a及び前記第1サブ連通路9aの下流側、即ち、前記流入口4の反対側には、第2メーン連通路6及び7が形成されてなり、前記メイン連通路5から前後に分かれてエアバッグ本体2aの下側LWRには、第3メーン連通路10、11が形成されてなる。
【0021】
前記エアバッグ本体2aの前側FRの端部とフロントピラー1aとの間には、図示しないストラップが設けられている。
図2の符号17は、非膨張部であり、前記センターピラー1bに合致する位置に形成されている。
【0022】
長尺の前記第1サブ膨張部12a乃至前記第4サブ膨張部12dの内、前記第1サブ膨張部12a及び前記第2サブ膨張部12bは、
図3に示すように、頂部同士が当接していて、縫製16により支持されている。前記第3サブ膨張部12c及び前記第4サブ膨張部
12dは、図示しないが、前記第1サブ膨張部12a及び前記第2サブ膨張部12b同様、頂部同士が当接していて、縫製16により支持されている。
【0023】
長尺の前記第1サブ膨張部13a乃至前記第4サブ膨張部13dの内、前記第2サブ膨張部13bを代表して説明すると、
図4に示すように、乗員側基布2b及び車外側基布2cに複数箇所縫製支持される支持部13bc、13bcの間は、頂部同士が当接していて、縫製16により支持されている。前記第1サブ膨張部12a乃至前記第4サブ膨張部12dの間及び長尺の前記第1サブ膨張部13a乃至前記第4サブ膨張部13dの間には、上下に連通した上下連通路23が形成されている。
図5に示すように、前記支持部12ac、12bc、12cc、12dc、13ac、13bc、13cc、13dcは、ガスGの流れを妨げないように傾いていることが望ましい。
【0024】
次に、この実施例の作用を説明する。
【0025】
前記エアバッグ本体2aは、前記インフレータ21にパイプ22を介して連通されてなる流入口4と、該流入口4から前記エアバッグ本体2aの下部LWRまで連通してなる
「連通路」であるメーン連通路5
及び第3メーン連通路10、11と、該
メーン連通路5
及び第3メーン連通路10、11に向けて開口し且つ前記乗員側基布2b及び車外側基布2cにそれぞれに接合されてなる複数の袋状のサブ膨張部12a、12b、12c、12d、13a、13b、13c、13dと、各サブ連通路8a、8b、8c、8d、8e、9a、9b、9c、9d、9eとより構成されてなるため、前記インフレータ21から噴出されたガスGが
図5に白抜き矢印のような例をとって流れ込み、パイプ22を介して流入口4に封入され、前記メーン連通路5を経て下側LWRに流れ込むことで、エアバッグ本体2aが次々に膨張展開される。
【0026】
こうして、サブ膨張部12a、12b、12c、12d、13a、13b、13c、13dの口が開き、サブ膨張部12a、12b、12c、12d、13a、13b、13c、13dが膨張する。また、各サブ連通路8a、8b、8c、8d、8e、9a、9b、9c、9d、9eや
第2メーン連通路6、7にもガスGは流れ込む。ガスGの流れ方は、上流、下流の区別が無く、ガスGの充填されていない部位に次々に充填されることになり、該サブ膨張部12a、12b、12c、12d、13a、13b、13c、13dが略円錐形に膨張すると共に、次の膨張部へ流れ込むことになる。従って、エアバッグ本体2aへのガスG充填完了までの時間を短くすることができると共に充填されるまでの時間的な差が少なくできる。従って、乗員保護が可能となる度合いが増すことになる。
【0027】
また、前記サブ膨張部12a、12b、12c、12d、13a、13b、13c、13dは、該サブ膨張部12a、12b、12c、12d、13a、13b、13c、13dの頂部同士が、前記乗員側基布2b及び車外側基布2cの間で支持されてなるため、前記サブ膨張部12a、12b、12c、12d、13a、13b、13c、13dが前記乗員側基布2b及び車外側基布2c内にあって踊ることなく、位置が安定する。
【0028】
更に、前記
メーン連通路5
及び第3メーン連通路10、11は、前記流入口4に上部UPが直接連通してなり且つ前記エアバッグ本体2aの下部LWRまで連通してなる複数のメーン連通路5、6、7、10、11と、該
メーン連通路5
、第2メーン連通路6、7、第3メーン連通路10、11に前後で連通してなり且つ前記サブ膨張部12a、12b、12c、12d、13a、13b、13c、13dを保持可能なるサブ連通路8a、8b、8c、8d、8e、9a、9b、9c、9d、9eとよりなるため、
メーン連通路5
、第2メーン連通路6、7、第3メーン連通路10、11によりいち早くエアバッグ本体2aが下方向LWRに展開が可能であると共にサブ連通路8a、8b、8c、8d、8e、9a、9b、9c、9d、9eによりサブ膨張部12a、12b、12c、12d、13a、13b、13c、13dを保持できる。