特許第5755951号(P5755951)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5755951
(24)【登録日】2015年6月5日
(45)【発行日】2015年7月29日
(54)【発明の名称】グレーチング
(51)【国際特許分類】
   E03F 5/04 20060101AFI20150709BHJP
【FI】
   E03F5/04 F
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-142334(P2011-142334)
(22)【出願日】2011年6月27日
(65)【公開番号】特開2013-7246(P2013-7246A)
(43)【公開日】2013年1月10日
【審査請求日】2014年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000133294
【氏名又は名称】株式会社ダイクレ
(74)【代理人】
【識別番号】100079636
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 晃一
(72)【発明者】
【氏名】三浦 隆男
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 利将
(72)【発明者】
【氏名】大久保 達夫
(72)【発明者】
【氏名】川口 隆尚
【審査官】 石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3133644(JP,U)
【文献】 特開2001−115543(JP,A)
【文献】 実開平06−043083(JP,U)
【文献】 特開2001−003440(JP,A)
【文献】 特開2009−299376(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03F 5/04、5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水溝に用いるコンクリート製溝ブロックの開口部の対向辺上縁に形成される段に嵩上げ材を介して載置して取付けられるグレーチングであって、前記開口部に一列に並べて取付けられる、複数の格子状をなす矩形のパネルより構成され、これらパネルのうち、両側のパネルには、前記段に載置される辺以外の対向辺のうち、一方の辺にパネル下より外側方に突出して前記天壁部下に挿入される突片が突設され、また各パネルには、前記段に載置される辺に嵩上げ材が固着され、該嵩上げ材はパネルより側方に突出し、前記開口部に一列に並べて取付けられるパネルの隣接するパネル同士は、前記嵩上げ材のパネルよりの突出部分とパネルとを連結手段により連結し一体化することにより連結されることを特徴とするグレーチング
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側溝や道路の横断溝などの排水溝又は排水桝(以下、これらを総称して単に排水溝といい、したがって本発明でいう排水溝は排水桝を含むものである)に用いられるコンクリート製溝ブロックの開口部に取付けられるグレーチングに関する。
【背景技術】
【0002】
グレーチングは、排水溝等のコンクリート製溝ブロックの開口部上縁に形成される段に直接、或いは該段に取着の受枠に嵩上げ材を介し、又は介さないで載置して取付けられていることが多いが、この場合、その上を車両が走行するときに跳ね上がることがある。
【0003】
グレーチングの跳ね上がりを防止するために、グレーチングを固定することも行われ、グレーチングの固定は一般には、コンクリート製溝ブロックの開口部にアンカーを埋設し、開口部より内向きに突出するアンカー部分にグレーチングを差込んで行われているが、溝ブロックの開口部の対向辺上縁の段に取付けた受枠に収納部を固着する一方、グレーチングに鉤状部を軸支し、受枠にグレーチング取付後、ドライバーによる回動操作により鉤状部をグレーチングより突出させ、収納部に係止させてグレーチングが持ち上がらないようにする方法(特許文献1)、溝ブロックの開口部の対向辺上縁の段に取付けた受枠にグレーチングを載置したのち、受枠とグレーチングをボルトにて連結し、受枠の溝ブロックへの固定は、受枠に止着され、受枠より突出する延設片を、前記開口部の対向辺間の天壁部に下側より当てて係止する方法(特許文献2)なども知られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3099251号
【特許文献2】特許第4454579号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1及び2に開示されるグレーチングは、コンクリート製溝ブロックにアンカーが埋設されていない既存の溝ブロックに対しても僅かな加工をするだけで、或いは全く加工することなく取付けることができるが、いずれも受枠が必要であり、またグレーチングの取付けには、受枠の溝ブロックへの取付作業と、受枠に取付けたグレーチングを受枠に固定する作業が必要である。
【0006】
本発明は、受枠を用いることなく、排水溝等の固定を簡易に行うことができるグレーチングを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係わる発明は、排水溝に用いるコンクリート製溝ブロックの開口部の対向辺上縁に形成される段に嵩上げ材を介して載置して取付けられるグレーチングであって、前記開口部に一列に並べて取付けられる、複数の格子状をなす矩形のパネルより構成され、これらパネルのうち、両側のパネルには、前記段に載置される辺以外の対向辺のうち、一方の辺にパネル下より外側方に突出して前記天壁部下に挿入される突片が突設され、また各パネルには、前記段に載置される辺に嵩上げ材が固着され、該嵩上げ材はパネルより側方に突出し、前記開口部に一列に並べて取付けられるパネルの隣接するパネル同士は、前記嵩上げ材のパネルよりの突出部分とパネルとを連結手段により連結し一体化することにより連結されることを特徴とする。
【0008】
【0009】
【0010】
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係わる発明によると、グレーチングを構成するパネルを溝ブロックの開口部に取付けて一列に並べたのち、隣接するパネル同士を嵩上げ材を利用して連結手段で連結するだけで、両側のパネルの突片が溝ブロックの天壁部に下方より当たって支えた状態となることにより、グレーチングの跳ね上がりが防止されるようになる。またグレーチング全体は重量が大であっても個々のパネルは比較的軽量であるため、溝ブロックへの取付け作業が手作業でも容易に行うことができる。
【0012】
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】溝ブロックの平面図。
図2】溝ブロックの開口部にパネルを並べて取付けたグレーチングの平面図。
図3】溝ブロックの開口部の片側に取付けたパネルの平面図。
図4】一方のパネルを取付後、他方のパネルを取付けるときの態様を示す図2のA −A線部分での断面図。
図5】同B−B線部分での断面図。
図6】パネル端に突片を取付けたパネル要部の断面図。
図7】パネルをクリップにより連結した別の実施形態の平面図。
図8図7のC−C線断面図。
図9】同D−D線断面図。
図10】更に別の実施形態の要部の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に係わるグレーチングにいついて図面により説明する。
図1に示すように、排水溝等に用いるコンクリート製の溝ブロック1は、細長い矩形の開口部2を有し、開口部2の対向する長辺の上縁には段3が形成され、また長辺間の短辺上端には天壁部4が内向きにせり出して形成されている。
【0015】
図2に示すように、前記開口部2に設置されるグレーチング6は、矩形のパネル7と8よりなり、各パネル7、8はそれぞれベアリングバーよりなる主部材11と、該主部材11と直交して配置されるツイストバーよりなる補助部材12より構成されて格子状をなし、端の主部材11には、図6に示すように断面倒L形断面をなす型鋼14をボルト15にて止着した取付板16が上端部を溶接にて固着して下向きに突設され、型鋼14の水平部はパネル下でパネル7、8より外側方に突出する突片14aとなっている。そして一方のパネル7の他方のパネル寄りの嵩上げ材(後述する)上には、座13(図2参照)が取付けられ、該座13に後述のボルトが通されるようになっている。
【0016】
図4は、図2のA−A線断面、図5は同B−B線断面でのパネル7の取付態様を示すもので、図示されるようにパネル8には、長辺側に沿う、すなわち補助部材12に沿う両側縁の下面にそれぞれ角パイプよりなる嵩上げ材17が固着され、該嵩上げ材17はパネル8より側方に突出し、該突出部分の前記座13と対応する箇所にはボルト18が突設されている。
一方、パネル7には嵩上げ材19がパネル8の前記嵩上げ材17の延長上に前記嵩上げ材17の突出部分の長さだけ引込めて固着されている。
【0017】
溝ブロック1の開口部2にグレーチング6を取付けるときには、先ずパネル8について、開口部2の片側(図3に示す実施形態においては右側)にパネル8を嵩上げ材17が溝ブロック1の段3に載置されるようにして取付けたのち、パネル8全体を嵩上げ材17と共に図の右方に開口部端に当たるまでずらし、突片14aを天壁部4下に挿入する。パネル8の取付けはそのほか、パネル8を傾け、突片14aが天壁部下に差込まれるようにパネル8をパネル端が天壁部側端面に当たるまで押込み、ついでパネル8を水平にして嵩上げ材17が段上に載置されるようにして取付てもよい。
【0018】
パネル8の取付け後、図3に示す左側の開口部2に図2に示すパネル7を図4に示すように傾けながら嵩上げ材17を端から段3上に当て、座13のボルト通し孔21にボルト18を差込み、かつ突片14aを天壁部下にくぐらせる。上述するようにパネル7を取付ける際、傾けるのは、突片14aが天壁部4で干渉してパネル7の取付けに支障を来たすことがないようにするためであるが、パネル8と同様、パネル7に関してもボルト通し孔21にボルト18を通した状態で突片14aが天壁部下に差し込まれるようにパネル8を開口部内でずらすことができるスペース上の余裕があれば、パネル7を嵩上げ材19と共に水平に降ろし、嵩上げ材が段3に載置されるようにして取付けることもできる。
【0019】
パネル8取付後、座13より突出するボルト18にナット、好ましくは図示されるような袋ナット22を捩じ込み、締着して固定する。
以上のようにして溝ブロック開口部2へのパネル7、8の組付けによるグレーチング1の取付けが行われる。図2は、この取付状態を示す。
【0020】
本実施形態によると、パネル7、8は突片14aを溝ブロック1の天壁部下に差込んで溝ブロックに組付けたのち、一方のパネル8より延出する嵩上げ材17より突出するボルト18にて袋ナット22を捩じ込むだけの簡単な作業で取付けることができ、取付後は、両パネル7、8の突片14aが天壁部4に支えることにより、パネル7、8の跳ね上がりを阻止できること、パネル7、8はグレーチング6全体よりも軽量で、持ち運びが容易であり、しかもナット22の締め込み作業はパネル上面より行われるため、溝ブロック1への取付作業が容易となること、パネル7、8の連結が嵩上げ材17を利用して行われ、その分、構成を簡素にすることができること等の効果を有する。
【0021】
前記実施形態では、パネル7、8を連結する連結手段がパネル8より突出する嵩上げ材17の突出部分、該突出部分に突設されるボルト18、前記パネル7に取付けられる座13及びボルト18に捩じ込まれるナット22よりなっている
【0022】
図7図9は、クリップ24を用いてパネル25、26を連結した参考例を示すもので、各パネル25、26は主部材同士が互いに接合するように接続される
【0023】
溝ブロック1は、パネル25、26を順不同に取付け、主部材同士を互いに接合させた状態で、略U形断面のクリップ24を両パネル25、26の互いに接合する主部材28に上方より差込んで連結する。
【0024】
別の参考例では、クリップ24に代えてボルトとナットが用いられる。すなわち両パネル25、26の互いに接合する主部材28同士にボルトを通し、ナットを締着することにより、パネル25、26が連結される。
【0025】
両パネル25、26をボルトとナットで連結するよりも、前記参考例に示されるように、クリップ24を用いて連結する方が、パネル25、26の連結作業がパネル上面より垂直向きで行えるようになり、作業性がよく望ましい。
【0026】
以上は、2個のパネル7、8を組付けた例を示すものであるが、3個以上のパネルを組付けることもできる。
【0027】
図10は、3個のパネル31、32、33を組付けた例を示すもので、両側のパネル31、33は前記パネル7、8と同様に構成され、中央のパネル32には嵩上げ材34が一側は引込め、他側はパネル2より突出して固着される。
【0028】
本実施形態におけるパネル31、32、33の組付けは、両側のパネル31、33を前記実施形態のパネル7、8と同様の方法により溝ブロック1の開口部2に取付ける。次に中央のパネル32を両パネル31、33の間の開口部2に嵩上げ材34を段3に載置して装着する。その後、パネル33より突出する嵩上げ材35とパネル32を前記実施形態と同様にして図示しないボルトとナットにより連結し、更にパネル32より突出する嵩上げ材34とパネル31を同じく図示しないボルトとナットにより連結する。
【0029】
前記実施形態の中央のパネル32に固着される嵩上げ材34は、一側がパネル32より引込み、他方がパネル32より突出しているが、嵩上げ材34の両側をパネル32より引込めて固着させてもよい。この場合、左右のパネル31、33は前記実施形態のパネル8と同一に構成することができる。
【符号の説明】
【0030】
1・・溝ブロック
2・・開口部
3・・段
4・・天壁部
6・・グレーチング
7、8、25、26、31、32、33・・パネル
11、28・・主部材
12・・補助部材
13・・座
14a・・突片
17、34、35・・嵩上げ材
18・・ボルト
22・・袋ナット
24・・クリップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10