【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記図示した配送用伝票DSは、配達票DS2と領収証DS3の側辺縁部に、糊殺しがなされて接着されていない剥がし口107が三角形状に縁取られて設けてあり、この剥がし口107を指先で摘んで引っ張ることで両票を基材101から簡単に剥がすことが可能となっている。
しかし、
図10に示されるように、前記剥がし口107が設けられた配送用伝票DSの側辺縁部は凹凸のない直線状に縁取られて剥がし口107が当該側辺縁部に埋まっているため、剥がし口107を狙って指先を添え難く、また、配送用伝票DSは極めて薄く、これを箱110の上面に貼付けると当該上面と略面一になることと相俟って、剥がし口107を指先で引き起こしてこれを摘む操作に手間取ることがあった。
そのため、配送業者の配達作業員によっては、受取主宅での配達票DS2の剥離操作に手間取らないようにするべく、受取主宅で荷物を引き渡す際に、携帯するボールペンなどのペン先を前記剥がし口107の下側に押し入れて剥がし口107を捲り上げ、捲り上がった部分を摘んで配達票DS2を基材101から剥がすこともあった。
【0006】
この場合、前記剥がし口107を指先で摘みやすくするための方策として、例えば
図12(A)に示されるように、前記剥がし口107を狙って指先を容易に添えることができるように、帳票印刷用シート100の剥がし口107が隣接する縁部に切欠け部108を打ち抜いて設けることが考えられる。また、同図(B)に示されるように、基材101よりも小面積の情報印字用シート104を基材101の上面に接着して、配達票DS2や領収証DS3の周囲に基材101の縁部が残って段差ができるようにするとともに、情報印字用シート104の剥がし口107が隣接する縁部に切欠け部108を形成することが考えられる。
然し乍ら、帳票印刷用シート100の側辺部に切欠け部108が打ち抜かれていたのでは、帳票印刷用シート100をプリンタにセットして情報を印字・印刷するときに、プリンタ内で帳票印刷用シート100の走行が安定せず、前記切欠け部108が引っ掛って紙詰まりを起こしやすくなってしまう。また、同図(B)に示した形態のものでは、情報印字用シート104の情報表示面積が小さくなるという問題がある。
【0007】
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑み、プリンタで情報が印字・印刷される表面シートが剥離可能に基材に接着された構成を有する帳票印刷用シートにおいて、プリンタ内で紙詰まりを起こし難く、シート表面に安定して情報の印字・印刷が可能であり、表面シートの端部を摘んで基材から簡単に剥離することができるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため本発明の帳票印刷用シートは、基材の表面側に情報印字用シートが剥離可能に接着され、基材の裏面側に粘着剤が設けられ、且つ離型紙で被覆保護されてなるシートであって、前記情報印字用シートの表面側から離型紙の上までに至る切断線によって当該シート端部側のマージン部とその上方の帳票部とに区画形成されていて離型紙剥離前は全体が同じ厚さとなるように形成された構成を有する帳票印刷用シートにおいて、
前記情報印字用シートがその表面側から基材の上までに至る切断線によって上部帳票領域と下部帳票領域に区画形成され、
前記基材の
表面側端部に沿って
帯状に情報印字用シートと非接着の領域である帯状縁部が設けられ、この帯状縁部の境界部に沿って設けた、基材の表面側から離型紙の上までに至る深さの切断線により基材が
情報印字用シートに非接着の帯状縁部と
情報印字用シートが剥離可能に接着した主体部とに区画形成されているとともに、
前記帯状縁部は基材の前記情報印字用シートの上部帳票領域及び下部帳票領域の縁部が面する部分のみ幅広に設けられ、
前記マージン部と帳票部を区画する切断線の切り込みが前記帯状縁部内に設けられ、且つこの帯状縁部内に切断線が切り込まれていない幅Wの非切断部が設けられており、
前記マージン部を切断線に沿って切除し、これを離型紙とともに帳票部から分離する際に、
離型紙の剥離に伴い基材の主体部はその裏面に粘着剤が露出し、帯状縁部は離型紙の表面に残り、且つ切断線に沿って切除されて主体部から分離するように設けられた構成を有することを特徴とする。
基材の端部が切除されて離型紙とともに分離させる手段としては、例えば基材の裏面側に設ける粘着剤の粘着力を基材の端部に沿って部分的に調節することが挙げられ、基材の端部にスポット的に或いは適宜な長さだけ粘着力を大きくして離型紙を基材から剥がれ難く設定し、併せて粘着力を大きくした部分に沿って基材に切断線を設けておき、離型紙を剥離する際に前記粘着力を大きく設けた基材端部が離型紙側に一体に固着し、切断線に沿って切除されて基材から分離するように設けることができる。
他の手段として、基材の端部に沿って表面に糊殺し加工がなされた非接着領域を帯状に設けるとともに、当該非接着領域の境界部に沿って基材の表面側から離型紙の上までに至る切断線を設け、切断線に沿って切除したマージン部を離型紙とともに基材から分離する際に、基材の端部が前記切断線に沿って帯状に切除されて離型紙とともに基材から分離するように設けることができる。
前記構成において、情報印字用シートは、その表面側から基材の上までに至る切断線によって少なくとも二つの帳票領域に区画形成することができる。
【0009】
また、本発明の帳票印刷用シートは、基材の表面側に情報印字用シートが剥離可能に接着され、基材の裏面側に粘着剤が設けられ、且つ離型紙で被覆保護されてなるシートであって、前記情報印字用シートの表面側から離型紙の上までに至る切断線によって当該シート端部側のマージン部とその上方の帳票部とに区画形成されていて離型紙剥離前は全体が同じ厚さとなるように形成された構成を有する帳票印刷用シートにおいて、
前記情報印字用シートがその表面側から基材の上までに至る切断線によって上部帳票領域と下部帳票領域(4b)に区画形成され、
前記基材の
表面側端部の略中間位置まで沿って帯状
に情報印字用シートと非接着の領域である帯状縁部が設けられ、この帯状縁部の境界部に沿って設けた、基材の表面側から離型紙の上までに至る深さの切断線により基材が
情報印字用シートに非接着の帯状縁部と
情報印字用シートが剥離可能に接着した主体部とに区画形成されているとともに、
前記帯状縁部は基材の前記情報印字用シートの上部帳票領域及び下部帳票領域の縁部が面する部分のみ幅広に設けられ、
前記マージン部と帳票部を区画する切断線の切り込みが前記帯状縁部内に設けられ、且つこの帯状縁部内に切断線が切り込まれていない幅Wの非切断部が設けられており、
前記マージン部を切断線に沿って切除し、これを離型紙とともに帳票部から分離する際に、
離型紙の剥離に伴い基材の主体部はその裏面に粘着剤が露出し、帯状縁部は離型紙の表面に残り、且つ切断線に沿って切除されて主体部から分離するように設けられた構成を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の配送用伝票は、基材と、基材の表面側に剥離可能に接着していて配達票を含む上部帳票領域と下部帳票領域が切断線を介して区画形成された情報印字用シートと、基材の裏面側に設けられた粘着剤を被覆保護する離型紙とにより構成されていて、前記情報印字用シートの表面側から離型紙の上までに至る切断線によってマージン部とその上方の帳票部とに区画形成されていて離型紙剥離前は全体が同じ厚さとなるように形成された構成を有する配送用伝票において、
前記基材の
表面側端部に沿って帯状
に情報印字用シートと非接着の領域である帯状縁部が設けられ、この帯状縁部の境界部に沿って設けた、基材の表面側から離型紙の上までに至る深さの切断線により基材が
情報印字用シートに非接着の帯状縁部と
情報印字用シートが剥離可能に接着した主体部とに区画形成されているとともに、
前記帯状縁部は基材の前記情報印字用シートの上部帳票領域及び下部帳票領域の縁部が面する部分のみ幅広に設けられ、
前記マージン部と帳票部を区画する切断線の切り込みが前記帯状縁部内に設けられ、且つこの帯状縁部内に切断線が切り込まれていない幅Wの非切断部が設けられており、
前記マージン部を切断線に沿って切除し、これを離型紙とともに帳票部から分離する際に、
離型紙の剥離に伴い基材の主体部はその裏面に粘着剤が露出し、帯状縁部は離型紙の表面に残り、且つ切断線に沿って切除されて主体部から分離するように設けられた構成を有することを特徴とする。
また、基材と、基材の表面側に剥離可能に接着していて配達票を含む上部帳票領域と下部帳票領域が切断線を介して区画形成された情報印字用シートと、基材の裏面側に設けられた粘着剤を被覆保護する離型紙とにより構成されていて、前記情報印字用シートの表面側から離型紙の上までに至る切断線によってマージン部とその上方の帳票部とに区画形成されていて離型紙剥離前は全体が同じ厚さとなるように形成された構成を有する配送用伝票において、
前記基材の
表面側端部の略中間位置まで沿って帯状
に情報印字用シートと非接着の領域である帯状縁部が設けられ、この帯状縁部の境界部に沿って設けた、基材の表面側から離型紙の上までに至る深さの切断線により基材が
情報印字用シートに非接着の帯状縁部と
情報印字用シートが剥離可能に接着した主体部とに区画形成されているとともに、
前記帯状縁部は基材の前記情報印字用シートの上部帳票領域及び下部帳票領域の縁部が面する部分のみ幅広に設けられ、
前記マージン部と帳票部を区画する切断線の切り込みが前記帯状縁部内に設けられ、且つこの帯状縁部内に切断線が切り込まれていない幅Wの非切断部が設けられており、
前記マージン部を切断線に沿って切除し、これを離型紙とともに帳票部から分離する際に、
離型紙の剥離に伴い基材の主体部はその裏面に粘着剤が露出し、帯状縁部は離型紙の表面に残り、且つ切断線に沿って切除されて主体部から分離するように設けられた構成を有することを特徴とする。
【0011】
なお、前記構成において、剥離可能に接着するとは、例えば感圧接着剤などを用いて接着し、接着後に手で剥がそうとすれば容易に剥がすことができるように接着することを意味する。また、切断線とは、情報印字用シートや基材を手先の操作で分断できるように加工された部分であり、ミシン目やスリット、ハーフカットやハーフミシンなどの切れ目を意味する。