(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
物体側から順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、負の屈折力を有する第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群と、からなり、
変倍に際し、前記第2レンズ群および前記第4レンズ群が光軸に沿って移動し、前記第1レンズ群、前記第3レンズ群、および前記第5レンズ群が固定され、
以下に示す条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
(1) 0.60≦EPW/(fw×ft)1/2≦0.70
(2) 0.25≦(H1/Y1)/(ft/fw)≦0.35
ただし、EPWは広角端における前記第1レンズ群の最物体側面から入射瞳位置までの光軸上の距離、fwは広角端における光学系全系の焦点距離、ftは望遠端における光学系全系の焦点距離、H1は光学系の最も物体側に配置されているレンズの有効半径、Y1は光学系の最大像高を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明にかかるズームレンズの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0019】
この発明にかかるズームレンズは、物体側から順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、負の屈折力を有する第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群と、
により構成される。そして、第2レンズ群および第4レンズ群を光軸に沿って移動させることによって、広角端から望遠端への変倍を行う。なお、第1レンズ群、第3レンズ群、および第5レンズ群の位置は、常時固定されている(基本構成)。
【0020】
この発明は、近年、高画素化が著しい個体撮像素子が搭載された小型の撮像装置に最適な、光学系の外径、全長がともに小さく、優れた光学性能を有する、高変倍比のズームレンズを提供することを目的としている。そこで、かかる目的を達成するため、以下に示すような各種条件を設定している。
【0021】
まず、この発明にかかるズームレンズでは、上記基本構成に加え、広角端における第1レンズ群の最物体側面から入射瞳位置までの光軸上の距離をEPW、広角端における光学系全系の焦点距離をfw、望遠端における光学系全系の焦点距離をftとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(1) 0.60≦EPW/(fw×ft)
1/2≦0.70
【0022】
条件式(1)は、光学系の広角端における第1レンズ群の最物体側面から入射瞳位置までの光軸上の距離を実効焦点距離で割った値を示すものである。条件式(1)を満足することにより、全光学系中最大となる第1レンズ群の最物体側のレンズ有効径を小さくして、光学系全体の外径の小型化と、光学系の高い光学性能の維持とを両立させることができる。加えて、少ないレンズで良好な収差補正が可能なことから、光学系全長を短縮することもできる。
【0023】
条件式(1)においてその下限を下回ると、入射瞳位置が物体側に近くなるために、最物体側のレンズ有効径を小さくすることは可能になるが、物体側に近いレンズ群で諸収差(特に、歪曲収差やコマ収差)を補正することが困難になる。この場合、収差補正のためには、新たなレンズを光学系中に追加する必要があり、光学系全長が延びてしまうといった不都合が生じる。一方、条件式(1)においてその上限を超えると、入射瞳位置が物体側から遠くなるために、収差補正は容易であるが最物体側のレンズ有効径を小さくすることが困難になる。
【0024】
また、上記目的を達成するため、この発明にかかるズームレンズは、上記基本構成に加え、光学系の最も物体側に配置されているレンズの有効半径をH1、光学系の最大像高をY1、望遠端における光学系全系の焦点距離をft、広角端における光学系全系の焦点距離をfwとするとき、次の条件式を満足するように構成してもよい。
(2) 0.25≦(H1/Y1)/(ft/fw)≦0.35
【0025】
条件式(2)は、光学系の最大像高に対する最も物体側に配置されたレンズの有効半径の比を変倍比で割った値を示すものである。条件式(2)を満足することにより、全光学系中最大となる第1レンズ群の最物体側のレンズ有効径を小さくして、光学系全体の外径の小型化と、光学系の高い光学性能の維持とを両立させることができる。加えて、高変倍を実現することもできる。
【0026】
条件式(2)においてその下限を下回ると、高変倍化と最も物体側に配置されたレンズの有効径を小さくすることは可能であるが、物体側に配置されているレンズ群で諸収差(特に、歪曲収差やコマ収差)を補正することが困難になり、光学性能が劣化する。一方、条件式(2)においてその上限を超えると、高変倍化や最も物体側に配置されているレンズの有効半径の小型化が不十分になる。
【0027】
以上説明したように、この発明にかかるズームレンズは、条件式(1)を満足することにより、光学系全体の外径の小型化と、光学系の高い光学性能の維持とを両立させることができる。加えて、レンズ枚数を増やすことなく良好な収差補正が可能なことから、光学系全長を短縮することもできる。また、条件式(2)を満足することにより、光学系全体の外径の小型化と、光学系の高い光学性能の維持とを両立させることができる。加えて、高変倍を実現することもできる。
【0028】
この発明では、
条件式(1),(2)をいずれも満足することで、光学系全体の外径の小型化と、光学系の高い光学性能の維持に加え、光学系全長の短縮、高変倍を実現する
ことができる。
【0029】
以下、この発明にかかるズームレンズの実施例を図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0030】
図1は、実施例1にかかるズームレンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。このズームレンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G
11と、負の屈折力を有する第2レンズ群G
12と、正の屈折力を有する第3レンズ群G
13と、負の屈折力を有する第4レンズ群G
14と、正の屈折力を有する第5レンズ群G
15と、が配置されて構成される。第2レンズ群G
12と第3レンズ群G
13との間には、所定の口径を規定する開口絞りSTOPが配置されている。
【0031】
第1レンズ群G
11は、物体側から順に、負レンズL
111と、光路を折り曲げるためのプリズムPと、正レンズL
112と、が配置されて構成される。正レンズL
112の両面には、それぞれ非球面が形成されている。
【0032】
第2レンズ群G
12は、物体側から順に、負レンズL
121と、負レンズL
122と、正レンズL
123と、が配置されて構成される。負レンズL
122と正レンズL
123とは、接合されている。
【0033】
第3レンズ群G
13は、物体側から順に、正レンズL
131と、負レンズL
132と、正レンズL
133と、が配置されて構成される。正レンズL
131の両面には、それぞれ非球面が形成されている。負レンズL
132と正レンズL
133とは、接合されている。
【0034】
第4レンズ群G
14は、負レンズL
141により構成される。負レンズL
141の両面には、それぞれ非球面が形成されている。
【0035】
第5レンズ群G
15は、正レンズL
151により構成される。正レンズL
151の両面には、それぞれ非球面が形成されている。
【0036】
このズームレンズは、第2レンズ群G
12および第4レンズ群G
14を光軸に沿って物体側から像面側へ移動させることにより、広角端から望遠端への変倍を行う。また、第4レンズ群G
14を光軸に沿って移動させることにより、フォーカシングを行う。なお、第1レンズ群G
11、第3レンズ群G
13、および第5レンズ群G
15は、常時固定されている。
【0037】
以下、実施例1にかかるズームレンズに関する各種数値データを示す。
【0038】
ズームレンズ全系の焦点距離=4.28(fw:広角端)〜12.00(中間焦点位置)〜20.20(ft:望遠端)
Fナンバー=3.55(広角端)〜4.00(中間焦点位置)〜5.12(望遠端)
半画角(ω)= 36.42(広角端)〜14.24(中間焦点位置)〜8.44(望遠端)
変倍比:4.72
【0039】
(レンズデータ)
r
1=14.533
d
1=0.500 nd
1=1.847 νd
1=23.78
r
2=4.638
d
2=1.918
r
3=∞
d
3=6.000 nd
2=1.785 νd
2=25.72
r
4=∞
d
4=0.300
r
5=12.463(非球面)
d
5=2.255 nd
3=1.592 νd
3=67.02
r
6=-7.180(非球面)
d
6=D(6)(可変)
r
7=-14.783
d
7=0.400 nd
4=1.883 νd
4=40.81
r
8=9.445
d
8=0.583
r
9=-15.811
d
9=0.400 nd
5=1.729 νd
5=54.67
r
10=5.717
d
10=1.301 nd
6=1.923 νd
6=20.88
r
11=25.206
d
11=D(11)(可変)
r
12=∞(開口絞り)
d
12=0.150
r
13=4.156(非球面)
d
13=1.306 nd
7=1.689 νd
7=31.16
r
14=14.635(非球面)
d
14=0.300
r
15=10.342
d
15=0.400 nd
8=1.904 νd
8=31.32
r
16=3.094
d
16=2.229 nd
9=1.497 νd
9=81.61
r
17=-7.004
d
17=D(17)(可変)
r
18=-4.666(非球面)
d
18=0.400 nd
10=1.821 νd
10=24.06
r
19=69.376(非球面)
d
19=D(19)(可変)
r
20=6.623(非球面)
d
20=2.717 nd
11=1.553 νd
11=71.68
r
21=-8.014(非球面)
d
21=4.293
r
22=∞(像面)
【0040】
円錐係数(k)および非球面係数(A,B,C,D)
(第5面)
k=-3.3966×10
-1,
A=-4.4493×10
-4,B=2.4888×10
-5,
C=-1.9659×10
-6,D=5.3534×10
-8
(第6面)
k=4.6684×10
-2,
A=3.1547×10
-5,B=2.4256×10
-5,
C=-1.6762×10
-6,D=4.5589×10
-8
(第13面)
k=-7.2237×10
-3,
A=-6.9188×10
-5,B=-1.3542×10
-5,
C=1.0115×10
-6,D=5.9156×10
-8
(第14面)
k=4.4560,
A=1.4612×10
-3,B=1.5812×10
-6,
C=-8.2967×10
-7,D=1.8023×10
-7
(第18面)
k=-9.8563×10
-1,
A=1.9241×10
-3,B=1.3501×10
-5,
C=-3.7756×10
-5,D=4.3407×10
-6
(第19面)
k=-1.0000×10,
A=1.0264×10
-3,B=-1.1792×10
-4,
C=-4.5134×10
-6,D=9.1132×10
-7
(第20面)
k=7.7482×10
-1,
A=-7.9545×10
-4,B=-2.0300×10
-5,
C=-1.8523×10
-7,D=3.1545×10
-8
(第21面)
k=1.0576,
A=2.0399×10
-3,B=2.7027×10
-6,
C=-1.9019×10
-6,D=1.8422×10
-7
【0041】
(変倍データ)
広角端 中間焦点位置 望遠端
D(6) 0.600 6.188 8.673
D(11) 8.523 2.935 0.450
D(17) 5.299 8.474 8.389
D(19) 4.128 0.953 1.038
【0042】
(条件式(1)に関する数値)
EPW(広角端における第1レンズ群G
11の最物体側面から入射瞳位置までの光軸上の距離)=6.00
EPW/(fw×ft)
1/2=0.645
【0043】
(条件式(2)に関する数値)
H1(負レンズL
111の有効半径)=4.32
Y1(最大像高)=3.00
(H1/Y1)/(ft/fw)=0.305
【0044】
図2は、実施例1にかかるズームレンズのd線(λ=587.56nm)に対する諸収差図である。なお、非点収差図におけるS,Mは、それぞれサジタル像面、メリディオナル像面に対する収差を表す。
【実施例2】
【0045】
図3は、実施例2にかかるズームレンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。このズームレンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G
21と、負の屈折力を有する第2レンズ群G
22と、正の屈折力を有する第3レンズ群G
23と、負の屈折力を有する第4レンズ群G
24と、正の屈折力を有する第5レンズ群G
25と、が配置されて構成される。第2レンズ群G
22と第3レンズ群G
23との間には、所定の口径を規定する開口絞りSTOPが配置されている。
【0046】
第1レンズ群G
21は、物体側から順に、負レンズL
211と、光路を折り曲げるためのプリズムPと、負レンズL
212と、正レンズL
213と、が配置されて構成される。正レンズL
213の両面には、それぞれ非球面が形成されている。
【0047】
第2レンズ群G
22は、物体側から順に、負レンズL
221と、負レンズL
222と、正レンズL
223と、が配置されて構成される。負レンズL
222と正レンズL
223とは、接合されている。
【0048】
第3レンズ群G
23は、物体側から順に、正レンズL
231と、負レンズL
232と、正レンズL
233と、が配置されて構成される。正レンズL
231の両面には、それぞれ非球面が形成されている。負レンズL
232と正レンズL
233とは、接合されている。
【0049】
第4レンズ群G
24は、負レンズL
241により構成される。負レンズL
241の両面には、それぞれ非球面が形成されている。
【0050】
第5レンズ群G
25は、正レンズL
251により構成される。正レンズL
251の両面には、それぞれ非球面が形成されている。
【0051】
このズームレンズは、第2レンズ群G
22および第4レンズ群G
24を光軸に沿って物体側から像面側へ移動させることにより、広角端から望遠端への変倍を行う。また、第4レンズ群G
24を光軸に沿って移動させることにより、フォーカシングを行う。なお、第1レンズ群G
21、第3レンズ群G
23、および第5レンズ群G
25は、常時固定されている。
【0052】
以下、実施例2にかかるズームレンズに関する各種数値データを示す。
【0053】
ズームレンズ全系の焦点距離=4.28(fw:広角端)〜9.30(中間焦点位置)〜20.20(ft:望遠端)
Fナンバー=3.60(広角端)〜3.95(中間焦点位置)〜5.47(望遠端)
半画角(ω)= 36.44(広角端)〜17.39(中間焦点位置)〜8.25(望遠端)
変倍比:4.72
【0054】
(レンズデータ)
r
1=15.790
d
1=0.500 nd
1=1.847 νd
1=23.78
r
2=4.533
d
2=1.868
r
3=∞
d
3=6.000 nd
2=1.785 νd
2=25.72
r
4=∞
d
4=0.200
r
5=35.083
d
5=0.670 nd
3=1.923 νd
3=20.88
r
6=20.282
d
6=0.200
r
7=18.599(非球面)
d
7=1.977 nd
4=1.743 νd
4=49.33
r
8=-8.012(非球面)
d
8=D(8)(可変)
r
9=543.419
d
9=0.400 nd
5=1.729 νd
5=54.67
r
10=9.316
d
10=0.748
r
11=-11.190
d
11=0.400 nd
6=1.911 νd
6=35.25
r
12=5.688
d
12=1.462 nd
7=1.923 νd
7=20.88
r
13=854.867
d
13=D(13)(可変)
r
14=∞(開口絞り)
d
14=0.150
r
15=5.269(非球面)
d
15=1.658 nd
8=1.689 νd
8=31.16
r
16=-43.199(非球面)
d
16=0.200
r
17=29.877
d
17=0.400 nd
9=1.904 νd
9=31.31
r
18=4.033
d
18=2.240 nd
10=1.497 νd
10=81.61
r
19=-8.411
d
19=D(19)(可変)
r
20=-18.095(非球面)
d
20=0.400 nd
11=2.002 νd
11=19.32
r
21=9.683(非球面)
d
21=D(21)(可変)
r
22=7.213(非球面)
d
22=2.489 nd
12=1.619 νd
12=63.86
r
23=-18.972(非球面)
d
23=5.373
r
24=∞(像面)
【0055】
円錐係数(k)および非球面係数(A,B,C,D)
(第7面)
k=0,
A=-2.1828×10
-4,B=3.5882×10
-6,
C=-4.0155×10
-7,D=1.1548×10
-8
(第8面)
k=0,
A=-6.8055×10
-5,B=2.3789×10
-6,
C=-3.5289×10
-7,D=7.0773×10
-9
(第15面)
k=0,
A=-3.7344×10
-4,B=4.4098×10
-6,
C=-9.7757×10
-7,D=3.9334×10
-8
(第16面)
k=0,
A=8.1765×10
-4,B=4.3536×10
-6,
C=-1.7387×10
-6,D=9.5226×10
-8
(第20面)
k=0,
A=-5.6108×10
-4,B=-8.3811×10
-6,
C=-1.8690×10
-5,D=2.6957×10
-6
(第21面)
k=0,
A=-1.0858×10
-3,B=-2.7801×10
-5,
C=-1.4186×10
-5,D=2.1878×10
-6
(第22面)
k=0,
A=9.9827×10
-5,B=-2.2746×10
-5,
C=1.4324×10
-6,D=-2.4726×10
-8
(第23面)
k=0,
A=1.0379×10
-3,B=-2.7390×10
-5,
C=1.9148×10
-6,D=-3.5254×10
-8
【0056】
(変倍データ)
広角端 中間焦点位置 望遠端
D(8) 0.600 6.417 11.224
D(13) 11.074 5.258 0.450
D(19) 4.198 6.304 7.786
D(21) 6.794 4.687 3.206
【0057】
(条件式(1)に関する数値)
EPW(広角端における第1レンズ群G
21の最物体側面から入射瞳位置までの光軸上の距離)=6.00
EPW/(fw×ft)
1/2=0.645
【0058】
(条件式(2)に関する数値)
H1(負レンズL
211の有効半径)=4.31
Y1(最大像高)=3.00
(H1/Y1)/(ft/fw)=0.304
【0059】
図4は、実施例2にかかるズームレンズのd線(λ=587.56nm)に対する諸収差図である。なお、非点収差図におけるS,Mは、それぞれサジタル像面、メリディオナル像面に対する収差を表す。
【実施例3】
【0060】
図5は、実施例3にかかるズームレンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。このズームレンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G
31と、負の屈折力を有する第2レンズ群G
32と、正の屈折力を有する第3レンズ群G
33と、負の屈折力を有する第4レンズ群G
34と、正の屈折力を有する第5レンズ群G
35と、が配置されて構成される。第2レンズ群G
32と第3レンズ群G
33との間には、所定の口径を規定する開口絞りSTOPが配置されている。
【0061】
第1レンズ群G
31は、物体側から順に、負レンズL
311と、光路を折り曲げるためのプリズムPと、負レンズL
312と、正レンズL
313と、が配置されて構成される。正レンズL
313の両面には、それぞれ非球面が形成されている。
【0062】
第2レンズ群G
32は、物体側から順に、負レンズL
321と、負レンズL
322と、正レンズL
323と、が配置されて構成される。負レンズL
322と正レンズL
323とは、接合されている。
【0063】
第3レンズ群G
33は、物体側から順に、正レンズL
331と、負レンズL
332と、正レンズL
333と、が配置されて構成される。正レンズL
331の両面には、それぞれ非球面が形成されている。負レンズL
332と正レンズL
333とは、接合されている。
【0064】
第4レンズ群G
34は、物体側から順に、正レンズL
341と、負レンズL
342と、が配置されて構成される。正レンズL
341の両面には、それぞれ非球面が形成されている。
【0065】
第5レンズ群G
35は、正レンズL
351により構成される。正レンズL
351の両面には、それぞれ非球面が形成されている。
【0066】
このズームレンズは、第2レンズ群G
32および第4レンズ群G
34を光軸に沿って物体側から像面側へ移動させることにより、広角端から望遠端への変倍を行う。また、第4レンズ群G
34を光軸に沿って移動させることにより、フォーカシングを行う。なお、第1レンズ群G
31、第3レンズ群G
33、および第5レンズ群G
35は、常時固定されている。
【0067】
以下、実施例3にかかるズームレンズに関する各種数値データを示す。
【0068】
ズームレンズ全系の焦点距離=4.28(fw:広角端)〜9.30(中間焦点位置)〜20.20(ft:望遠端)
Fナンバー=3.60(広角端)〜4.01(中間焦点位置)〜5.66(望遠端)
半画角(ω)= 36.43(広角端)〜17.39(中間焦点位置)〜8.28(望遠端)
変倍比:4.72
【0069】
(レンズデータ)
r
1=13.753
d
1=0.500 nd
1=1.847 νd
1=23.78
r
2=4.296
d
2=1.962
r
3=∞
d
3=6.000 nd
2=1.785 νd
2=25.72
r
4=∞
d
4=0.200
r
5=22.773
d
5=0.425 nd
3=1.904 νd
3=31.31
r
6=9.588
d
6=0.150
r
7=10.373(非球面)
d
7=2.263 nd
4=1.743 νd
4=49.33
r
8=-7.598(非球面)
d
8=D(8)(可変)
r
9=62.106
d
9=0.400 nd
5=1.773 νd
5=49.62
r
10=8.194
d
10=0.837
r
11=-9.969
d
11=0.400 nd
6=1.883 νd
6=40.81
r
12=5.996
d
12=1.445 nd
7=1.923 νd
7=20.88
r
13=208.152
d
13=D(13)(可変)
r
14=∞(開口絞り)
d
14=0.150
r
15=5.686(非球面)
d
15=2.054 nd
8=1.821 νd
8=24.06
r
16=-28.021(非球面)
d
16=0.200
r
17=40.341
d
17=0.400 nd
9=1.923 νd
9=20.88
r
18=4.066
d
18=2.164 nd
10=1.497 νd
10=81.61
r
19=-10.856
d
19=D(19)(可変)
r
20=-12.027(非球面)
d
20=1.530 nd
11=2.002 νd
11=19.32
r
21=-3.648(非球面)
d
21=0.150
r
22=-3.711
d
22=0.400 nd
12=1.904 νd
12=31.31
r
23=90.379
d
23=D(23)(可変)
r
24=8.187(非球面)
d
24=2.471 nd
13=2.002 νd
13=19.32
r
25=-15.116(非球面)
d
25=5.693
r
26=∞(像面)
【0070】
円錐係数(k)および非球面係数(A,B,C,D)
(第7面)
k=0,
A=-1.3323×10
-4,B=3.2879×10
-6,
C=-2.9136×10
-7,D=1.1563×10
-8
(第8面)
k=0,
A=-1.3045×10
-5,B=1.2318×10
-6,
C=-2.9406×10
-7,D=5.8831×10
-9
(第15面)
k=0,
A=-3.7632×10
-4,B=2.1941×10
-7,
C=-4.2849×10
-7,D=6.2012×10
-8
(第16面)
k=0,
A=7.1533×10
-4,B=-8.5482×10
-6,
C=5.8944×10
-7,D=4.6993×10
-8
(第20面)
k=0,
A=4.0990×10
-3,B=-1.5980×10
-4,
C=3.9012×10
-5,D=-4.8543×10
-6
(第21面)
k=0,
A=3.3176×10
-3,B=-1.6647×10
-4,
C=2.3016×10
-5,D=-3.2826×10
-6
(第24面)
k=0,
A=1.7275×10
-4,B=-4.6217×10
-5,
C=2.7989×10
-6,D=-8.9059×10
-8
(第25面)
k=0,
A=9.6170×10
-4,B=-4.5306×10
-5,
C=2.4816×10
-6,D=-8.0992×10
-8
【0071】
(変倍データ)
広角端 中間焦点位置 望遠端
D(8) 0.600 5.919 10.308
D(13) 10.158 4.839 0.450
D(19) 2.646 4.914 6.933
D(23) 6.802 4.535 2.515
【0072】
(条件式(1)に関する数値)
EPW(広角端における第1レンズ群G
31の最物体側面から入射瞳位置までの光軸上の距離)=5.87
EPW/(fw×ft)
1/2=0.632
【0073】
(条件式(2)に関する数値)
H1(負レンズL
311の有効半径)=4.81
Y1(最大像高)=3.00
(H1/Y1)/(ft/fw)=0.340
【0074】
図6は、実施例3にかかるズームレンズのd線(λ=587.56nm)に対する諸収差図である。なお、非点収差図におけるS,Mは、それぞれサジタル像面、メリディオナル像面に対する収差を表す。
【実施例4】
【0075】
図7は、実施例4にかかるズームレンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。このズームレンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G
41と、負の屈折力を有する第2レンズ群G
42と、正の屈折力を有する第3レンズ群G
43と、負の屈折力を有する第4レンズ群G
44と、正の屈折力を有する第5レンズ群G
45と、が配置されて構成される。第2レンズ群G
42と第3レンズ群G
43との間には、所定の口径を規定する開口絞りSTOPが配置されている。
【0076】
第1レンズ群G
41は、物体側から順に、負レンズL
411と、正レンズL
412と、正レンズL
413と、が配置されて構成される。負レンズL
411と正レンズL
412とは、接合されている。
【0077】
第2レンズ群G
42は、物体側から順に、負レンズL
421と、負レンズL
422と、正レンズL
423と、が配置されて構成される。負レンズL
422と正レンズL
423とは、接合されている。
【0078】
第3レンズ群G
43は、物体側から順に、正レンズL
431と、正レンズL
432と、負レンズL
433と、が配置されて構成される。正レンズL
431の両面には、それぞれ非球面が形成されている。正レンズL
432と負レンズL
433とは、接合されている。
【0079】
第4レンズ群G
44は、物体側から順に、正レンズL
441と、負レンズL
442と、が配置されて構成される。負レンズL
442の両面には、それぞれ非球面が形成されている。
【0080】
第5レンズ群G
45は、正レンズL
451により構成される。正レンズL
451の両面には、それぞれ非球面が形成されている。
【0081】
このズームレンズは、第2レンズ群G
42および第4レンズ群G
44を光軸に沿って物体側から像面側へ移動させることにより、広角端から望遠端への変倍を行う。また、第4レンズ群G
44を光軸に沿って移動させることにより、フォーカシングを行う。なお、第1レンズ群G
41、第3レンズ群G
43、および第5レンズ群G
45は、常時固定されている。
【0082】
以下、実施例4にかかるズームレンズに関する各種数値データを示す。
【0083】
ズームレンズ全系の焦点距離=6.18(fw:広角端)〜19.00(中間焦点位置)〜58.20(ft:望遠端)
Fナンバー=2.52(広角端)〜3.20(中間焦点位置)〜4.00(望遠端)
半画角(ω)= 27.07(広角端)〜8.71(中間焦点位置)〜2.88(望遠端)
変倍比:9.42
【0084】
(レンズデータ)
r
1=34.230
d
1=0.700 nd
1=1.923 νd
1=20.88
r
2=21.201
d
2=2.265 nd
2=1.618 νd
2=63.40
r
3=493.372
d
3=0.200
r
4=26.331
d
4=1.764 nd
3=1.697 νd
3=55.46
r
5=103.939
d
5=D(5)(可変)
r
6=-820.278
d
6=0.500 nd
4=1.773 νd
4=49.62
r
7=7.857
d
7=1.429
r
8=-10.966
d
8=0.500 nd
5=1.729 νd
5=54.67
r
9=9.331
d
9=1.637 nd
6=1.923 νd
6=20.88
r
10=195.124
d
10=D(10)(可変)
r
11=∞(開口絞り)
d
11=0.500
r
12=14.827(非球面)
d
12=2.534 nd
7=1.619 νd
7=63.86
r
13=-12.882(非球面)
d
13=0.200
r
14=19.167
d
14=2.414 nd
8=1.497 νd
8=81.61
r
15=-9.307
d
15=0.500 nd
9=2.001 νd
9=25.46
r
16=-20.256
d
16=D(16)(可変)
r
17=-28.759
d
17=1.221 nd
10=1.923 νd
10=20.88
r
18=-11.783
d
18=0.611
r
19=-7.991(非球面)
d
19=0.500 nd
11=1.911 νd
11=35.25
r
20=19.224(非球面)
d
20=D(20)(可変)
r
21=26.220(非球面)
d
21=2.436 nd
12=1.497 νd
12=81.56
r
22=-8.065(非球面)
d
22=13.372
r
23=∞(像面)
【0085】
円錐係数(k)および非球面係数(A,B,C,D)
(第12面)
k=0,
A=-2.2066×10
-4,B=-1.8800×10
-5,
C=1.0292×10
-6,D=-7.2634×10
-8
(第13面)
k=0,
A=-9.9155×10
-5,B=-1.5332×10
-5,
C=6.0218×10
-7,D=-4.7729×10
-8
(第19面)
k=0,
A=3.1856×10
-5,B=3.5838×10
-5,
C=-9.5389×10
-7,D=-6.9451×10
-8
(第20面)
k=0,
A=-2.8279×10
-4,B=2.9241×10
-5,
C=-1.5968×10
-7,D=-1.0019×10
-7
(第21面)
k=0,
A=-1.8689×10
-4,B=1.9928×10
-6,
C=-9.6987×10
-8,D=1.6857×10
-8
(第22面)
k=0,
A=2.5432×10
-4,B=8.0612×10
-6,
C=-5.7580×10
-7,D=2.8735×10
-8
【0086】
(変倍データ)
広角端 中間焦点位置 望遠端
D(5) 0.600 10.096 16.900
D(10) 16.900 7.404 0.600
D(16) 0.601 3.963 7.282
D(20) 8.616 5.254 1.935
【0087】
(条件式(1)に関する数値)
EPW(広角端における第1レンズ群G
41の最物体側面から入射瞳位置までの光軸上の距離)=12.00
EPW/(fw×ft)
1/2=0.633
【0088】
(条件式(2)に関する数値)
H1(負レンズL
411の有効半径)=7.50
Y1(最大像高)=3.00
(H1/Y1)/(ft/fw)=0.265
【0089】
図8は、実施例4にかかるズームレンズのd線(λ=587.56nm)に対する諸収差図である。なお、非点収差図におけるS,Mは、それぞれサジタル像面、メリディオナル像面に対する収差を表す。
【0090】
なお、上記各実施例中の数値データにおいて、r
1,r
2,・・・・は各レンズ、絞り面などの曲率半径、d
1,d
2,・・・・は各レンズ、絞りなどの肉厚またはそれらの面間隔、nd
1,nd
2,・・・・は各レンズのd線(λ=587.56nm)に対する屈折率、νd
1,νd
2,・・・・は各レンズのd線(λ=587.56nm)に対するアッベ数を示している。そして、長さの単位はすべて「mm」、角度の単位はすべて「°」である。
【0091】
また、上記各非球面形状は、非球面の深さをZ、曲率(1/r)をc、光軸からの高さをhとし、光の進行方向を正とするとき、以下に示す式により表される。
【0092】
【数1】
【0093】
ただし、kは円錐係数、A,B,C,Dはそれぞれ4次,6次,8次,10次の非球面係数である。
【0094】
以上説明したように、実施例1〜3のズームレンズは、第1レンズ群中に光路を曲げるプリズムを配置して光学系全長の短縮を図るとともに、条件式(1),(2)を満足することにより、全光学系中最大となる第1レンズ群の最物体側のレンズ有効径を小さくして光学系全体の外径の小型化と、光学系の高い光学性能の維持とを両立させることができる。
【0095】
また、条件式(1)を満足することで、少ないレンズ枚数で良好な収差補正が可能になることから、光学系全長をより短縮することができる。条件式(2)を満足することで、高変倍(4.7倍程度)を実現することもできる。さらに、適宜接合レンズや非球面レンズを用いることにより、より良好な収差補正を行うことができる。
【0096】
また、実施例4のズームレンズは、条件式(1),(2)を満足することにより、全光学系中最大となる第1レンズ群の最物体側のレンズ有効径を小さくして光学系全体の外径の小型化と、光学系の高い光学性能の維持とを両立させることができる。
【0097】
実施例4のズームレンズは、光学系中に光路を曲げるプリズムが配置されていないが、条件式(1)を満足することで、少ないレンズ枚数で良好な収差補正が可能になることから、結果的に光学系全長を短縮することができる。また、条件式(2)を満足することで、高変倍(9.4倍程度)を実現することもできる。さらに、適宜接合レンズや非球面レンズを用いることにより、より良好な収差補正を行うことができる。