(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、衝撃を検知する衝撃センサが所定強度以上の衝撃を検知した場合には、前記圧力検知センサによって乗員が座っていることが検知された場合であっても前記ディスプレイ開閉手段に指示して前記ディスプレイを前記閉状態に駆動させる請求項1乃至3のいずれかに記載の表示装置。
衝撃を検知する衝撃センサが所定強度以上の衝撃を検知した場合には、乗員が座っている状態であっても前記ディスプレイを前記閉状態に駆動させる制御ステップを前記表示装置に実行させる請求項5乃至6のいずれかに記載の表示装置制御プログラム。
衝撃を検知する衝撃センサが所定強度以上の衝撃を検知した場合には、乗員が座っている状態であっても前記ディスプレイを前記閉状態に駆動させる請求項8乃至9のいずれかに記載の表示装置制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0012】
なお、各実施形態の装置等を構成する各部は、論理回路等のハードウェアで構成される。また、各部は、コンピュータの制御部、メモリ、メモリにロードされたプログラム、プログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット、ネットワーク接続用インターフェースなどからなり、ハードウェアとソフトウェアの任意の組合せによって実現されてもよい。そして特に断りのない限り、その実現方法、装置は限定されない。
【0013】
また、制御部はCPU(Central Processing Unit)などからなり、OS(Operating system)等を動作させて装置等の全体を制御するとともに、例えばドライブ装置などに装着された記録媒体からメモリにプログラムやデータを読み出し、これに従って各種の処理を実行する。記録媒体は、例えば光ディスク、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、外付けハードディスク、半導体メモリ等であって、コンピュータプログラムをコンピュータが読み取り可能に記録する。また、コンピュータプログラムは、通信網に接続されている図示しない外部コンピュータからダウンロードされても良い。
【0014】
<実施形態1>
次に、本発明の第1の実施形態について図面を用いて説明する。
【0015】
図1、
図2は本実施の形態における表示装置Aの構成の一例を示す図である。表示装置Aは、後席乗員検出部1、衝撃センサ2、開閉設定切換スイッチ3、システム制御部4、予備電源部5、表示部開閉部6、表示部7を備える。
【0016】
後席乗員検出部1は、後席に乗員が座っているか否かを検出する。後席乗員検出部1は、圧力を計測する圧力センサ、または、加圧されたときにON、圧力がないときにOFFとなるプッシュ型スイッチ等である。後席乗員検出部1は、例えば後述のように、後席(2列目以降)右左・中央付近の座面、背もたれ、足元(床面)に設置される(
図8参照)。
【0017】
衝撃センサ2は、衝突事故等の際に衝撃を検知するセンサである。衝撃センサ2は、予め設定された所定強度以上の衝撃を検知した際に電圧を出力させるセンサモジュール等である。
【0018】
衝撃センサ2は、衝突事故等による衝撃を受けたとき、衝撃を示す衝撃検出信号を送出する。
図2において衝撃センサ2は、装置内部に位置しているが、車両にあっても良い。
【0019】
衝撃センサ2は、衝撃検出信号が衝撃度を示すアナログ信号の場合はAD変換回路4dを介してディジタル化した衝撃検出信号をマイクロプロセッサ4aに送る。一方、衝撃センサ2は、衝撃検出信号がディジタル信号(センサー単体でON/OFFを検出)の場合は、AD変換回路4dを介さず、直接マイクロプロセッサ4aに送出する。
【0020】
なお、衝撃等により、カーバッテリの電源ラインが切断等した場合は、予備電源部5の内蔵バッテリ5bから出力される電源が、システム制御部4内部の装置駆動用電源ON/OFF制御回路4cを介して装置駆動用電源として供給され、装置動作が保持される。
【0021】
開閉設定切換スイッチ3は、表示部7の開閉動作モードの設定を行う。表示部7は、後述する
図3〜6示すような収納部に収納されるが、開閉動作モードとは、表示部7を収納部から開いた状態にするか閉じた状態にするかを指定するモードである。
【0022】
例えば、開閉設定切換スイッチ3は、表示部7を自動開閉モードにするための自動開閉モードボタン3a,3a’と、ACC(Accessory position)電源ON時において表示部7を収納部から開いた状態(開状態)とする開(OPEN)モードボタン3b,3b’と、閉じた状態(閉状態)とする閉(CLOSE)モードボタン3c,3c’とから構成される。ボタンは、例えばプッシュ型スイッチである。
【0023】
自動開閉モードとは、後席乗員検出部1の状態や、衝撃センサ2の検知する衝撃等に応じて表示部7の開閉動作制御が行われるモードである。詳細な動作については後述する。
【0024】
一方、開モードである場合、衝突事故などによる衝撃が衝撃センサ2によって検知された場合を除き、表示部7は常に開状態となるように制御される。また、閉モードである場合、表示部7は常に閉状態となるように制御される。
【0025】
システム制御部4は、表示部7の開閉を制御する。システム制御部4は、統括制御を実施するマイクロプロセッサ4a、ACC電源のON/OFFを検出するACC検出回路4b、表示装置Aの装置駆動用主電源VのON/OFF制御を行う装置駆動用電源ON/OFF制御回路4c、後席乗員検出部1からの乗員検出信号をディジタル化するAD変換回路4d、表示装置Aの動作仕様プログラムを格納するROM4e、開閉設定切換スイッチ3による設定情報や後席乗員検出部1の情報や表示部7の現在の開閉状態の情報を記録する不揮発性メモリ4f、表示部開閉部6の動きをPWM(Pulse Width Modulation)制御するモーター動作制御回路4g、表示部7への電源供給を制御する表示部用電源制御回路4hから構成される。
【0026】
予備電源部5は、バッテリ電源(カーバッテリ)による電源供給が絶たれた場合の装置電源となる。予備電源部5は、充電回路5a及び内蔵バッテリ5bから構成される。
【0027】
内蔵バッテリ5bは、カーバッテリから充電回路5aを介して充電される。内蔵バッテリ5bから出力される電源は、システム制御部4内部においてカーバッテリの出力電源とワイヤードオア接続され(整流ダイオードなど一般的な逆流防止措置は設けられる)、カーバッテリの電源ラインが遮断された状況下において装置駆動用電源として機能する。
【0028】
表示部開閉部6は、表示部7の開閉動作を実行する。表示部開閉部6は、例えば、ディジタル制御で高精度の位置決め運転が可能であるステッピングモーター等である。
【0029】
表示部7は画像表示をするLCD(Liquid Crystal Display)等の表示器である。
【0030】
次に、表示装置Aの外観の一例を
図3〜
図6に示す。
図3、
図4に示す表示装置Aと
図5、
図6に示す表示装置Aとは、表示部7が開閉する際の支点の位置が異なる。また、表示装置Aの車室内における設置例を
図7に示す。
【0031】
図3は、表示部7が支点を中心に回転して収納部から開いた状態(開状態)であることを示す。本例では、表示装置Aは支点を備え、表示部7は支点を中心に収納部から開閉する構成となっているが、表示装置Aは支点を備えていなくても良く、例えば、収納部から表示部7がスライドすることにより収納部に出し入れされる構造であっても良い。そのような場合も含め、表示部7が収納部から出た状態を開状態という。
【0032】
図3には、支点を中心として表示部7を開閉する表示部開閉部6が示されているが、表示部開閉部6の位置や形状等は図示されるものに限定されない。
図4〜6では表示部開閉部6を省略する。
【0033】
開閉設定切換スイッチ3(自動開閉モードボタン3a,3a’、開モードボタン3b,3b’、閉モードボタン3c,3c’)は、例えば、図示するように、後席側と前席側(運転席側)にそれぞれ配置される。このように表示装置A本体の後席側と前席側とに開閉設定切換スイッチ3を重複して設けることにより乗員の開閉設定切換スイッチ3の使い勝手を向上させることができる。
【0034】
図4は、
図3の表示部7が、閉じた状態(閉状態)であることを示す。閉状態は、図のように表示部7が収納部に収まった状態である。
【0035】
図5、6は、
図3、4と支点の位置が異なるものである。支点の配置や構成は図示するものに限られない。なお、本実施形態では、表示部7は後席乗員者が視聴するものであるため、
図3、5に示すように、開状態は後席側に表示部7の表面が向く状態である。しかし、表示装置Aは後席乗員のためではなく、前席乗員が視聴するために設けられても良い。その場合には表示装置Aの設置や支点の設け方、表示部7の配置等を適宜変更しても良い。
【0036】
図7は表示装置Aを車内の天井に設置した例を示している。
図7では、表示部7が開状態である場合を示している。
図8は、車内を天井から見下ろした例を示している。後列の2列目シート、3列目シートについては、足元、座面、背もたれのそれぞれに乗員センサ1a〜1rが設置されている。乗員が後列のシートに着席すると、足元、座面、背もたれに設置された各乗員センサが圧力を検知して乗員の存在を検知する。なお、各乗員センサの配置は一例に過ぎず、図示するものに限られない。
【0037】
次に、自動開閉モードにおける表示装置Aの動作例について説明する。
【0038】
まず、ユーザが車両において、キースイッチをACCまたはONの位置にすることでACC電源がONとなる。
【0039】
次に、システム制御部4に存在するACC検出回路4bは、ACC電源がONになったことを知らせる検出信号を装置駆動用電源ON/OFF制御回路4cとマイクロプロセッサ4aに送出する。
【0040】
装置駆動用電源ON/OFF制御回路4cは、この信号を受けて装置駆動用主電源VをONへ切り換えると、制御系をはじめとした各部に主電源が供給される。
【0041】
マイクロプロセッサ4aは、ROM4eに格納されたプログラムに従って動作を開始し、ACC電源がON状態であることを不揮発メモリ4fに記憶する。
【0042】
なお、表示部7の開閉動作の初期設定値も不揮発性メモリ4fに記憶されている。ここでは初期設定が自動開閉モードであると仮定している。
【0043】
後席乗員検出部1の乗員センサ1a〜1rは、
図8のように、2列目及び3列目座席の右側、左側、中央の、背もたれ、座面、足元にそれぞれ設置されている。
【0044】
後席乗員検出部1は、後席に座った乗員の圧力を検知して乗員が存在することを示す乗員検出信号をマイクロプロセッサ4aに送出するが、この信号が圧力を示すアナログ信号の場合はAD変換回路4dを介してディジタル化した乗員検出信号をマイクロプロセッサ4aに送る。一方、後席乗員検出部1は、圧力を示す信号がディジタル信号(センサー単体でON/OFFを検出)の場合は、AD変換回路4dを介さず、直接マイクロプロセッサ4aに乗員検出信号を送出する。
【0045】
マイクロプロセッサ4aは、“後席乗員あり”と判定した場合は、モーター動作制御回路4gに表示部7を開状態に位置づけるよう指示をする。
【0046】
モーター動作制御回路4gは表示部開閉部6を制御して表示部7を開状態まで回転させる。表示部7が開状態になった時、マイクロプロセッサ4aは表示部用電源制御回路4hに表示部7の電源を供給するよう指示し、表示部7の表示回路7aやLCD7bの表示動作を開始させる。
【0047】
なお、マイクロプロセッサ4aは、“後席乗員なし”と判定した場合には、モーター動作制御回路4gに表示部開閉部6を回転させる指示を行なわず、表示部7に閉状態を保持させる。また、マイクロプロセッサ4aは表示部用電源制御回路4hに表示部7への電源供給開始指示を行わない。
【0048】
以上、自動開閉モードでのACC電源がOFFの状態からONの状態となった時の動作例を説明したが、ACC電源状態や開閉動作設定状況により、いくつかの開閉動作パターンが存在する。
【0049】
[動作例その1]
まず通常時(衝突事故等による衝撃が検知されていない状態)の動作を、
図9を用いて説明する。
【0050】
駆動電源の投入によって内部処理を開始したマイクロプロセッサ4aは、ROM4eに格納されたプログラムに従って動作を開始するが、まずACC電源がONか否かを判定する(
図9−ステップS1)。
【0051】
ステップS1においてACC電源がOFFの場合(ステップS1、No)、マイクロプロセッサ4aは表示部7を閉じる、または表示部7が閉じた状態であればその状態を保持する(ステップS7)。
【0052】
ステップS1においてACC電源がONの状態と判定された場合(ステップS1、Yes)、マイクロプロセッサ4aは不揮発性メモリ4fに記憶された、表示部7の開閉動作のモード設定値を取得する(ステップS2)。
【0053】
次にマイクロプロセッサ4aは、ステップS2で取得した読み値が、自動開閉モードか否かを判定する(ステップS3)。自動開閉モードであった場合、マイクロプロセッサ4aは、後席乗員が存在するか否かの情報を確認する(ステップS4)。なお、上述のように、後列シートの足元、座面、背もたれのそれぞれに乗員センサ1a〜1rが設置されており、乗員が後列シートに着席すると、足元、座面、背もたれの各々に設置された各乗員センサが圧力を検知して乗員の存在を検知する。マイクロプロセッサ4aは、各乗員センサから乗員が存在することを示す乗員検出信号を取得することにより、後席乗員が存在するか否かを確認できる。
【0054】
マイクロプロセッサ4aは、後席乗員なしと判定した場合(ステップS4、No)は表示部7を閉じて閉状態にする、または表示部7が閉状態であればその状態を保持する(ステップS7)。
【0055】
マイクロプロセッサ4aは、ステップS4において後席乗員ありと判定した場合(ステップS4、Yes)は表示部7を開いて開状態にする、または、表示部7が開状態であった場合はその状態を保持する(ステップS5)。
【0056】
ステップS3において自動開閉モードでないと判定された場合、マイクロプロセッサ4aは、取得した読み値が開モードか否かを判定する(ステップS6)。ここで開モードであると判定された場合、マイクロプロセッサ4aは表示部7を開いて開状態にする、または表示部7が開状態であれば、その状態を保持する(ステップS5)。
【0057】
一方、ステップS6において開モードではないと判定された場合は、マイクロプロセッサ4aは、閉モードであるとみなし、表示部7を閉じて閉状態にする、または表示部7が閉状態であれば、その状態を保持する(ステップS7)。
【0058】
以上によれば、表示装置Aは、後席乗員の存在を検知して表示部7の開閉を制御することができる。
【0059】
特に、後席乗員検出部1として、座席の座面や背もたれに加えて、足元にもセンサを設けることにより、システムを複雑化させることなく検出精度の向上を実現したことにより、乗員の状況に応じてディスプレイの位置を制御することができる。
【0060】
上述の例では、後席乗員検出部1によって、いずれかのスイッチがONの場合、後席乗員ありと判定されることにより表示部7が開かれる形態を説明した。これは、乗員が腰を浮かせた場合などでも、足元のセンサがONであれば“乗員あり”と判定して表示部7を閉じないようにしているためである。
【0061】
一方、後部の各座席において、足元のセンサがON状態で、且つ背もたれ、及び、座面のセンサが所定時間以上OFFになった座席が存在した場合には、“後席乗員が起立した”とマイクロプロセッサ4aが判断して、表示部7を閉じるよう制御してもよい。これにより、開いたままの表示部7に乗員がぶつかるなどの危険性を軽減し、乗員の安全性を向上することができる。
【0062】
このように、マイクロプロセッサ4aは、センサによって乗員が座っている状態であることが検知された場合には、表示部開閉部6に指示して表示部7を開状態にし、乗員が立ち上がっている状態であることが検知された場合には表示部開閉部6に指示して表示部7を閉状態にする。この際、センサは、上述した圧力センサに限られず、光学的センサ等であっても良い。
【0063】
図14、15には、上述した圧力を検知するセンサが、乗員が座っているか否かを判定する一例が示されている。背もたれセンサがONであるにもかかわらず座面センサがOFFであることは通常考えにくいため、
図14ではその例を除外している。そのような場合には表示部7を開状態、閉状態のいずれの状態にしても良い。
【0064】
図14のように、(足元センサ、座面センサ、背もたれセンサ)=(ON,ON,ON)、(ON,ON,OFF)、(OFF,ON,ON)、(OFF,ON,OFF)の場合には、乗員が座面に座っているため、マイクロプロセッサ4aは、表示部7を開状態に制御する。
【0065】
一方、
図15のように、(足元センサ、座面センサ、背もたれセンサ)=(ON,OFF,OFF)である場合には、乗員は立ち上がった状態であり、(OFF,OFF,OFF)の場合には乗員が不存在であると考えられるから、マイクロプロセッサ4aは、表示部7を閉状態に制御する。
【0066】
マイクロプロセッサ4aは、座席が複数存在する場合には、そのうちの少なくとも1つの座席において足元のセンサがON状態で、且つ背もたれ、及び、座面のセンサが所定時間以上OFFになった座席が存在した場合には、表示部7を閉状態となるように制御してもよい。また、マイクロプロセッサ4aは、表示部7が設置されている箇所に最も近い座席(例えば中央の座席)において足元のセンサがON状態で、且つ背もたれ、及び、座面のセンサが所定時間以上OFFになった場合にのみ表示部7を閉状態としても良い。
【0067】
上述の説明では、センサは、足元、座面、背もたれに存在する例を説明したが、センサが足元だけに設置される場合であっても以下のようにして乗員が立ち上がった状態であることを検知して表示部7を閉じることができる。例えば、マイクロプロセッサ4aは、足元に設置されたセンサが所定圧力以上の圧力を検知した場合に表示部7を閉状態となるように制御しても良い。所定圧力とは、例えば乗客の平均体重等である。足元に設置されたセンサが乗客の体重相当の圧力がかかったことを検知することにより、マイクロプロセッサ4aは、乗客が立ち上がった状態であると認識し、表示部7を閉じることができる。
【0068】
このように、足元にもセンサを設けることにより、乗員が立ち上がった状態であることを検知して、表示部7を閉じることができ、乗員の状況に応じてディスプレイの位置を適切に制御することができる。
【0069】
[動作例その2]
次に、表示装置Aや車両が衝撃センサ2を備える場合に、衝突事故などによって衝撃センサ2が衝撃を検知した時の表示装置Aの動作について、
図10を用いて説明する。
【0070】
装置駆動用電源ON/OFF制御回路4cは、まずACC検出回路4bから送出された検出有無信号から、ACC電源がONか否かを確認する(
図10−ステップS11)。
【0071】
ここで、ACC電源がOFFの状態の場合(ステップS11、No)、装置駆動用電源ON/OFF制御回路4cは装置駆動用の主電源をONにしない。すなわち、制御系をはじめとした各部に主電源が供給されず、表示部7は閉じられる、あるいは、表示部7は閉状態のまま保持される(ステップS14)。
【0072】
一方、ACC電源がONの状態の場合(ステップS11、Yes)、マイクロプロセッサ4aは衝撃検出の有無を確認する(ステップS12)。具体的には、衝撃センサ2が衝撃を検知した場合に衝撃検出信号をマイクロプロセッサ4aに送出するため、マイクロプロセッサ4aは衝撃検出信号の有無を確認する。
【0073】
衝撃があった場合(ステップS12、Yes)、マイクロプロセッサ4aは、表示部7が開いた状態である場合は、モーター動作制御回路4gに表示部7を閉状態にさせるよう指示をする。そして、モーター動作制御回路4gは表示部開閉部6を制御して閉状態まで表示部7を回転させる(ステップS14、
図4、6参照)。
【0074】
一方、ステップS12において、衝撃が検知されなかった場合(ステップS12、No)、マイクロプロセッサ4aは、表示部7を開状態にするか、または開状態をそのまま保持する、または、閉モード時は、表示部7の閉状態を保持する(ステップS13)。すなわち、マイクロプロセッサ4aは、表示部7の開放、または、収納状態を保持する。
【0075】
なお、表示装置A内部に内蔵バッテリ5bを設けることにより、仮に事故等の衝撃によりカーバッテリの電源ラインが外れてしまったりした場合においても、表示装置A内部の内蔵バッテリ5bを駆動電源として使用することにより表示部7を自動的に閉状態にすることができる。
【0076】
以上によれば、衝撃センサ2を設けたことにより、衝突事故等で衝撃を検知した際に、突起物として危険になりうる表示部7を自動的に収納することができる。これにより、開いたままの表示部7に乗員がぶつかるなどの危険性を軽減し、乗員の安全性を向上することができる。
【0077】
このように、衝撃センサ2を設けることにより、乗員の状況に応じてディスプレイの位置を適切に制御することができる。
【0078】
図11は、以上の動作例その1、その2について、ACC電源のON/OFF、モード設定値、衝撃検知のそれぞれの有無に応じて、表示部7の開閉制御状態を示した図である。
【0079】
[装置駆動用電源ON/OFF制御回路4cに関する動作]
次に装置駆動用電源ON/OFF制御回路4cの動作について、
図12、
図13を用いて説明する。
【0080】
装置駆動用電源ON/OFF制御回路4cは、まずACC検出回路4bから送出された検出有無信号から、ACC電源がONか否かを確認する(
図12−ステップS21)。
【0081】
ここで、ACC電源がONの状態と判定された場合、装置駆動用電源ON/OFF制御回路4cは、装置駆動用の主電源をON、またはON状態を保持する(ステップS22)。
【0082】
一方、ステップS21においてACC電源がOFFの場合(ステップS21、NO)、装置駆動用電源ON/OFF制御回路4cはマイクロプロセッサ4aが出力する電源ON保持信号が“1:保持”か否かを確認する(ステップS23)。
【0083】
ここで、電源ON保持信号とは、ACC電源がONからOFFとなった後において、表示部開閉部6が表示部7を閉状態にするまでの間、装置駆動用主電源VにONの状態を保持させるための制御信号である。本実施形態では、装置駆動用主電源Vが表示部開閉部6の電源も兼ねている。
【0084】
電源ON保持信号の役割について説明する。例えば、ACC電源がONからOFFに操作されたとする。電源ON保持信号を存在させない場合、ACC電源をOFFにすると、装置駆動用電源ON/OFF回路4cが装置駆動用主電源VをOFFに制御してしまうため、この状態では表示部開閉部6の動力元が絶たれてしまう。すなわち、ACC電源OFF後は表示部7自動的に閉状態にしたいにもかかわらず、ACC電源OFFに連動して表示部開閉部6の動力元もOFFになってしまい、ACC電源ON時の表示部7の開状態から、ACC電源OFF後の表示部7を閉状態にするための動作ができないこととなる。これを避けるために、ACC電源OFF後も表示部7を閉じることができるよう表示部開閉部6の電源を確保するための信号が電源ON保持信号である。
【0085】
電源ON保持信号は、表示部7の開閉状態およびACC電源の状態によりマイクロプロセッサ4aが制御する出力信号であり、表示部7の閉動作完了後にマイクロプロセッサ4aが装置駆動用主電源VをOFFにさせる。電源ON保持信号がON、OFFとなるタイミングについて
図13に示す。
図13の1はON、0はOFFを示す。
【0086】
“1:保持”の場合、装置駆動用電源ON/OFF制御回路4cは装置駆動用主電源をONのまま保持する(ステップS22)。
【0087】
一方、ステップS23において、マイクロプロセッサ4aの処理が完了して電源ON保持信号が“0:保持しない”に変化した場合(ステップS23、No)、装置駆動用電源ON/OFF制御回路4cは、装置駆動用主電源をOFFにする(ステップS24)。
【0088】
これによりカーバッテリの常通電源を供給する部分は、ACC検出回路4b、装置駆動用電源ON/OFF制御回路4c、及び、充電用として予備電源部5だけで済むため、ACC電源OFF時におけるいわゆる暗電流の増加を抑えることができる。
【0089】
上述の通り、本実施の形態は、主に車両用の後部座席(後席)用モニタとして天井等に設置される吊り下げ式の表示装置Aに関し、後席への乗員状況に応じて、表示部7の開閉を自動制御することができる。
【0090】
特に、後席乗員検出部1として、座席の座面や背もたれに加えて、足元にもセンサを設けることにより、システムを複雑化させることなく検出精度の向上を実現することができる。
【0091】
また、衝撃センサ2を設けたことにより、衝突事故等で衝撃を検知した際に、突起物として危険になりうる表示部7を自動的に格納することができる。
【0092】
また、表示装置A内部に電池を有すことにより、仮に事故等の衝撃によりカーバッテリの電源ラインが外れてしまったりした場合においても、表示装置A内部の電池を駆動電源として使用することにより表示部7を自動的に収納することができる。
【0093】
このように、本実施の形態によれば、乗員の状況に応じてディスプレイの位置を適切に制御することができる。
【0094】
また、電源ON保持信号の存在により、カーバッテリの常通電源を供給する部分は、ACC検出回路4b、装置駆動用電源ON/OFF制御回路4c、及び、充電用として予備電源部5だけで済むため、ACC電源OFF時におけるいわゆる暗電流の増加を抑えることができる。
【0095】
なぜなら、電源ON保持信号がなく、且つ、ACC電源OFF後に表示部7を開状態から閉状態へ動作させるためには、カーバッテリの常通電源や内蔵バッテリ5bのいずれかまたは両方について、後段回路への電源供給を常にしておく必要が生じてしまう。しかし電源ON保持信号が存在する場合は、ACC電源OFF後、表示部7が開状態から閉状態になった後に装置駆動用主電源VがOFFされる。そのため、後段回路への電源供給を常にしておく必要がなく、いわゆる暗電流の増加を抑えることができるからである。
【0096】
<実施形態2>
次に、本発明の第2の実施の形態について
図14を用いて説明する。本実施の形態の表示装置Aは、表示部7と、表示部開閉部6と、システム制御部4とを備える。
【0097】
表示部7は、車内に設置可能な収納部に備えられるディスプレイである。表示部開閉部6は、表示部7を、収納部から出した開状態、または、収納部に納められた閉状態のいずれかに駆動するモーター等である。
【0098】
システム制御部4は、センサによって車内座席に乗員が座っていることが検知された場合には表示部開閉部6に指示して表示部7を開状態に駆動させ、乗員が立っていることが検知された場合には閉状態に駆動させる。
【0099】
このような構成によれば、乗員の状況に応じてディスプレイの位置を制御することができる。
【0100】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。