特許第5756048号(P5756048)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5756048
(24)【登録日】2015年6月5日
(45)【発行日】2015年7月29日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20150709BHJP
【FI】
   A63F7/02 304D
【請求項の数】1
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2012-80224(P2012-80224)
(22)【出願日】2012年3月30日
(65)【公開番号】特開2013-208254(P2013-208254A)
(43)【公開日】2013年10月10日
【審査請求日】2014年3月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100077573
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100126413
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 太亮
(72)【発明者】
【氏名】末原 勝公
(72)【発明者】
【氏名】石川 裕章
【審査官】 高藤 華代
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−100995(JP,A)
【文献】 特開2008−043658(JP,A)
【文献】 特開2010−148701(JP,A)
【文献】 特開2012−170603(JP,A)
【文献】 特開2008−245922(JP,A)
【文献】 特開2010−017423(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体の内部に形成された所定の領域に可動装置を設け、図柄表示装置で表示される各種表示を視認可能な視認領域が形成された遊技機であって、
前記可動装置は、
少なくとも、扇状に形成された第1扇状羽根片、前記第1扇状羽根片の後方に位置する扇状に形成された第2扇状羽根片及び前記第2扇状羽根片の後方に位置する扇状に形成された第3扇状羽根片を有し、前記視認領域に対して進退可能に設けられ、前記視認領域から退避している時は前記第1扇状羽根片、第2扇状羽根片及び第3扇状羽根片が重なって配置されている羽根部材と、
前記第2扇状羽根片と第3扇状羽根片との間に設けられ、前記第2扇状羽根片を前記視認領域へ進出させる方向へ付勢し、前記第3扇状羽根片を前記視認領域から退避させる方向へ付勢する第1付勢手段と、
前記第1扇状羽根片と第2扇状羽根片との間に設けられ、前記第1扇状羽根片を前記視認領域へ進出させる方向へ付勢し、前記第2扇状羽根片を前記視認領域から退避させる方向へ付勢し、前記第1付勢手段よりも付勢力が大きい第2付勢手段と、を備え、
前記第1付勢手段が前記第2扇状羽根片を前記視認領域へ進出させる方向へ付勢し、前記第2付勢手段が前記第1扇状羽根片を前記視認領域へ進出させる方向へ付勢することにより、前記第1扇状羽根片、第2扇状羽根片及び第3扇状羽根片が重なって前記視認領域に進出し、前記第1扇状羽根片が視認可能な第1表示態様、
前記第1付勢手段が前記第2扇状羽根片を前記視認領域へ進出させる方向へ付勢することにより、前記第1扇状羽根片及び第2扇状羽根片が重なって前記視認領域に進出し、前記第3扇状羽根片が前記第1扇状羽根片よりも視認領域に進出し、前記第1扇状羽根片及び前記第3扇状羽根片が視認可能な第2表示態様、
前記第1扇状羽根片が前記視認領域に進出し、前記第2扇状羽根片が前記第1扇状羽根片よりも視認領域に進出し、さらに前記第3扇状羽根片が前記第2扇状羽根片よりも視認領域に進出し、前記第1扇状羽根片、第2扇状羽根片及び第3扇状羽根片が視認可能な第3表示態様のいずれかの表示態様で前記羽根部材が前記視認領域で視認されるように構成したことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機体の内部に形成された所定の領域に可動装置を設けた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ機をはじめとする遊技機では、遊技盤に形成された遊技領域に役物装置としてのセンター役物や装飾ランプが設けられている。近年は、センター役物には図柄表示装置として液晶表示装置が用いられることが多く、この液晶表示装置に数字等から構成される種々の図柄やアニメーションを表示して、遊技の状態に応じて遊技者の遊技に対する興趣を向上させるための種々の演出が行われる。また、装飾ランプは、立体的なカバーで覆われているものや、遊技機に関連するキャラクター等のモチーフを模した意匠の形をしているものを用いることが多い。この装飾ランプも、例えば液晶表示装置で表示される図柄やアニメーションの表示と連動して、又は液晶表示装置等とは独立して、種々の発光態様で遊技者の遊技に対する興趣を向上させるための演出を行う。
【0003】
近年は、遊技機での演出が多様化する傾向にあり、上記した液晶表示装置や装飾ランプ以外のものを遊技機に設けて、新たな演出を行う遊技機が存在する。例えば、特許文献1に記載されている遊技機は、扇状の複数の羽根片からなり、液晶表示装置の一部を覆うように出現したり、退避するように構成された演出役物を備えている。この演出役物は、通常は各羽根が重なった状態で退避しており、出現した時は、各羽根が開いた状態となって、複数の羽根によって一つの扇形状が形成されている。また、演出役物は、このように複数の羽根によって一つの扇形状が形成された時に、該演出役物の略中央部分に所定の象形が形成されるようにも構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−43658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されている遊技機の演出役物は、略中央部分に形成された所定の象形を視認することができるように出現する。そのため、該演出役物は、全ての羽根を開いて液晶表示装置の一部を覆うように出現する態様で使用することしかできず、演出役物による演出の態様が乏しいという問題があった。
【0006】
本発明は、上記した問題点を解決するためになされたもので、遊技者が飽きず、遊技に対する興趣を向上させる演出を行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
(1)機体の内部に形成された所定の領域に可動装置を設け、図柄表示装置で表示される各種表示を視認可能な視認領域が形成された遊技機であって、前記可動装置は、少なくとも、扇状に形成された第1扇状羽根片、前記第1扇状羽根片の後方に位置する扇状に形成された第2扇状羽根片及び前記第2扇状羽根片の後方に位置する扇状に形成された第3扇状羽根片を有し、前記視認領域に対して進退可能に設けられ、前記視認領域から退避している時は前記第1扇状羽根片、第2扇状羽根片及び第3扇状羽根片が重なって配置されている羽根部材と、前記第2扇状羽根片と第3扇状羽根片との間に設けられ、前記第2扇状羽根片を前記視認領域へ進出させる方向へ付勢し、前記第3扇状羽根片を前記視認領域から退避させる方向へ付勢する第1付勢手段と、前記第1扇状羽根片と第2扇状羽根片との間に設けられ、前記第1扇状羽根片を前記視認領域へ進出させる方向へ付勢し、前記第2扇状羽根片を前記視認領域から退避させる方向へ付勢し、前記第1付勢手段よりも付勢力が大きい第2付勢手段と、を備え、前記第1付勢手段が前記第2扇状羽根片を前記視認領域へ進出させる方向へ付勢し、前記第2付勢手段が前記第1扇状羽根片を前記視認領域へ進出させる方向へ付勢することにより、前記第1扇状羽根片、第2扇状羽根片及び第3扇状羽根片が重なって前記視認領域に進出し、前記第1扇状羽根片が視認可能な第1表示態様、前記第1付勢手段が前記第2扇状羽根片を前記視認領域へ進出させる方向へ付勢することにより、前記第1扇状羽根片及び第2扇状羽根片が重なって前記視認領域に進出し、前記第3扇状羽根片が前記第1扇状羽根片よりも視認領域に進出し、前記第1扇状羽根片及び前記第3扇状羽根片が視認可能な第2表示態様、前記第1扇状羽根片が前記視認領域に進出し、前記第2扇状羽根片が前記第1扇状羽根片よりも視認領域に進出し、さらに前記第3扇状羽根片が前記第2扇状羽根片よりも視認領域に進出し、前記第1扇状羽根片、第2扇状羽根片及び第3扇状羽根片が視認可能な第3表示態様のいずれかの表示態様で前記羽根部材が前記視認領域で視認されるように構成したことを特徴とする遊技機
を要旨とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、少なくとも第1扇状羽根片、第2扇状羽根片及び第3扇状羽根片を有する羽根部材を備え、予め定められた条件が成立した時に、第1表示態様、第2表示態様又は第3表示態様の少なくともいずれかの表示態様で羽根部材が視認領域で視認されるように構成したので、羽根部材を用いた演出態様を増加することができ、遊技機全体としての演出態様をも大きく増加することが可能になる。したがって、本発明によれば、羽根部材を用いて遊技者を飽きさせない演出を行うことが可能になるとともに、遊技者の遊技に対する興趣を向上させるような演出をも行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態に係る遊技機の正面図である。
図2】本実施の形態に係る遊技機を構成する遊技盤の正面図である。
図3】本実施の形態に係る遊技機を構成する裏ユニットの正面図である。
図4】扇状可動装飾装置の外観斜視図である。
図5】扇状可動装飾装置の構成を表面側から表した分解斜視図である。
図6】扇状可動装飾装置の構成を裏面側から表した分解斜視図である。
図7】第1扇状羽根片の外観構成を表した外観斜視図であり、(a)図は第1扇状羽根片を表側から表した図、(b)図は第1扇状羽根片を裏側から表した図である。
図8】第2扇状羽根片の外観構成を表した外観斜視図であり、(a)図は第2扇状羽根片を表側から表した図、(b)図は第2扇状羽根片を裏側から表した図である。
図9】第3扇状羽根片の外観構成を表した外観斜視図であり、(a)図は第3扇状羽根片を表側から表した図、(b)図は第3扇状羽根片を裏側から表した図である。
図10】羽根部材の外観斜視図である。
図11】羽根部材が視認領域から退避している状態を表した説明図である。
図12】(a)図は羽根部材が視認領域から退避している時の第2扇状羽根片と第3扇状羽根片との関係を表した説明図であり、(b)図は羽根部材が視認領域から退避している時の第1扇状羽根片と第2扇状羽根片との関係を表した説明図である。
図13】羽根部材の第1表示態様を表した説明図である。
図14】(a)図は羽根部材が第1表示態様をした場合における第2扇状羽根片と第3扇状羽根片との関係を表した説明図であり、(b)図は第1表示態様をした場合における第1扇状羽根片と第2扇状羽根片との関係を表した説明図である。
図15】羽根部材の第2表示態様を表した説明図である。
図16】(a)図は羽根部材が第2表示態様をした場合における第2扇状羽根片と第3扇状羽根片との関係を表した説明図であり、(b)図は第2表示態様をした場合における第1扇状羽根片と第2扇状羽根片との関係を表した説明図である。
図17】羽根部材の第3表示態様を表した説明図である。
図18】(a)図は羽根部材が第3表示態様をした場合における第2扇状羽根片と第3扇状羽根片との関係を表した説明図であり、(b)図は第3表示態様をした場合における第2扇状羽根片と第3扇状羽根片との関係を表した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る遊技機の実施の形態について、図面を用いて具体的に説明する。なお、本実施の形態では、本発明に係る遊技機の一例としてパチンコ機を用いて説明するが、本発明はパチンコ機以外の他の遊技機にも適用してよい。また、本明細書においては、パチンコ機及びパチンコ機を構成する各部材の「前側」、「後側」は、パチンコ機を正面から見た場合における表面側(図1における手前側)、背面側(図1における奥側)を示すものとする。また、本明細書においては、パチンコ機及びパチンコ機を構成する各部材に関して「上側」、「下側」、「左側」及び「右側」は、図1に示すようにパチンコ機を正面から見た場合における上側、下側、左側及び右側を示すものとする。
【0011】
本明細書においては、遊技球が各種入賞口に流入することを「入賞」と言い、遊技球が入賞することによって遊技者に払い出される遊技球のことを「賞球」と言う。
【0012】
本実施の形態に係る遊技機の外観構成及び遊技盤の構成を図1に基づいて説明する。遊技機1は、機体の外郭を構成する縦長方形の外枠2を備えている。この外枠2の開口前面側には、縦長方形の中枠3が着脱自在に組み付けられている。中枠3は、全体的に合成樹脂材料を用いて成形されており、内部に遊技盤12等を取り付けることができるように構成されている。前枠4は、中枠3の前面側に、該前枠4の左側に設けられたヒンジを中心に中枠3に対して横開きをすることができるように開閉自在に組み付けられている。前枠4は、ガラス板5を備えており、遊技者が遊技盤12を視認することができ、かつ遊技盤12を保護することができるように構成されている。また、前枠4は、遊技に使用する遊技球を一時的に貯留する上受け皿6と、上受け皿6から溢れ出て流下した遊技球を貯留する下受け皿7とをガラス板5の下方に備えている。
【0013】
また、遊技機1は、遊技盤12に向けて遊技球を弾発するための発射装置を内部に備えており、この発射装置の弾発強さを操作ハンドル8の回動量によって調節することができるように構成されている。また、上受け皿6には、遊技球を貯留する貯留スペースの前側に、遊技者が遊技中に押圧操作する各種ボタン9a,9b,9cが配置されている。なお、図1中の符号10,11は、音声を出力するためのスピーカである。
【0014】
遊技盤12は、アクリルやポリカーボネート等の合成樹脂材料で成型された略正方形の平板状の部材である。この遊技盤12の後側には、裏ユニット13(図3参照)がビス等によって取付固定されている。図2に示すように、遊技盤12には、役物装置としてのセンター役物18を取り付けるための開口部14が略中央部に開口形成されている。また、遊技盤12の表面には、外レール15及び内レール16が半円弧状に配設されている。これら外レール15及び内レール16は、前後方向に所定の厚さを有する部材で形成されている。外レール15は、遊技盤12の中央よりも左側の下部から遊技盤12の上部を経て該遊技盤12の中央よりも右側の上部まで円弧を描くように形成されている。また、内レール16は、遊技盤12の盤面上においては外レール15と対向するように配置されている。これら外レール15及び内レール16は、発射装置で弾発された遊技球が通過可能な間隔を有するように配置されている。
【0015】
遊技領域17は、外レール15と内レール16との間を通過した遊技球が流下するように形成された領域であり、遊技盤12において外レール15の内側(外レール15と内レール16とが対向配置されている箇所においては、内レール16の内側)に形成されている。遊技球は、これら外レール15と内レール16との間を通過した後に、遊技領域17の上部から下部に向けて流下するように構成されている。
【0016】
遊技領域17には、普通入賞装置20、始動入賞装置21、大入賞装置22等の各種入賞装置が設けられている。また、遊技領域17には、多数の誘導釘23が打たれている。遊技領域17を流下する遊技球は、誘導釘23に当たって流下方向を変化させながら遊技領域17の上部から下部に向かって流下する。流下する一部の遊技球は、各種入賞装置に設けられている各種入賞口(図示せず)に入賞するものの、各種入賞口に入賞しなかったほとんどの遊技球は、遊技領域17の最下部に設けられたアウト口24に流入する。
【0017】
普通入賞装置20は、遊技領域17に複数個(本実施の形態では3個)設けられている。これら普通入賞装置20は、図示しない普通入賞口を有しており、遊技球が普通入賞口に入賞すると所定数(例えば10個)の賞球を払い出すように構成されている。なお、本実施の形態では普通入賞装置を3個設けた例を用いて説明しているが、普通入賞装置の数はこれに限定されるものではない。
【0018】
始動入賞装置21は、センター役物18の下方に配置されている。始動入賞装置21は、図示しない始動入賞口を有しており、遊技球が始動入賞口に入賞すると遊技者に有利な大当り状態で遊技を行うか否かを抽選する大当り抽選が行われるように構成されている。
【0019】
大入賞装置22は、始動入賞装置21の下方に配置された第1大入賞装置22aと、センター役物18の下方であって遊技領域17の左右方向の中心よりも右側に配置された第2大入賞装置22bとの二つが遊技領域17に設けられている。これら第1大入賞装置22a及び第2大入賞装置22bは、図示しない大入賞口を備えている。これら第1大入賞装置22a及び第2大入賞装置22bは、通常は大入賞口に遊技球が入賞しないように構成されており、大当り抽選に当選した時に、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するか、又は所定時間(例えば30秒)が経過するまでの間、大入賞口に遊技球が入賞するように構成されている。遊技機1は、大入賞口に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の数に対応した数の賞球を遊技者に払い出すように構成されている。なお、本実施の形態では、第1大入賞装置22aと第2大入賞装置22bの二つを有する遊技機1を用いて説明したが、大入賞装置22の数はこれに限定するものではない。
【0020】
センター役物18は、装飾枠25、図柄表示装置としての液晶表示装置26を備え、液晶表示装置26で表示される各種表示を視認することが可能な視認領域26aが形成されている。また、センター役物18は、扇状可動装飾装置27を備えている。なお、本明細書において、「図柄表示装置で表示される各種表示」とは、例えば停止表示又は変動表示される各種図柄やアニメーションに限定されるものではなく、図柄表示装置で表示される全ての表示を意味する。
【0021】
装飾枠25は、各種の装飾が施されている枠状の部材であり、遊技盤12の開口部14に対して該遊技盤12の前側から挿入して、遊技盤12に取付固定されている。液晶表示装置26は、数字等から構成される種々の図柄やアニメーションを表示したり、遊技の状態に応じた種々の演出表示を行うためのもので、図3に示す裏ユニット13に取付固定されている。裏ユニット13で液晶表示装置26が配置される位置は遊技盤12における開口部14の位置と一致するように形成されており、液晶表示装置26で表示される図柄等は、遊技盤12の開口部14を介して遊技者が視認できるように構成されている。視認領域26aは、液晶表示装置26で表示される各種表示を遊技者が視認することが可能な領域であり、図2における点線で囲まれた領域を意味するものである。なお、本実施の形態では、図柄表示装置として液晶表示装置26を使用した例について説明するが、上記した演出表示を行うことが可能であれば、液晶表示装置以外のものを任意に選択して使用してもよい。
【0022】
図3に示すように、裏ユニット13は、遊技盤12と略同一の大きさに形成された略正方形状の部材であり、遊技盤12の背面側に取付固定される。裏ユニット13は、各種入賞口に入賞した遊技球を遊技機1の外部へ排出するための各種排出経路28が形成されている。また、裏ユニット13には、液晶表示装置26が取り付けられる液晶表示装置取付スペース29が該裏ユニット13の略中央に開口形成されている。また、裏ユニット13は、液晶表示装置取付スペース29の左側に扇状可動装飾装置27を備えている。扇状可動装飾装置27は、視認領域26aに進出する位置と視認領域26aから退避する位置との間で進退可能に形成されている。なお、図3は、扇状可動装飾装置27は、視認領域26aに進出する位置に位置しており、液晶表示装置26の前方にて開いた状態を表している。
【0023】
図4に示すように、扇状可動装飾装置27は、羽根部材31と、この羽根部材31を覆うカバー部材32と、羽根部材31を回動するための駆動手段としての駆動部33と、羽根部材31の位置を検出する位置検出部34(図5参照)とを備えている。
【0024】
図5及び図6に示すように、羽根部材31は、第1扇状羽根片35、第2扇状羽根片36、第3扇状羽根片37、第1付勢手段としての第1バネ部材38、第2付勢手段としての第2バネ部材39、スリーブ40及び回動軸41を備えている。カバー部材32は、前カバー部42及び後カバー部43から構成されている。また、駆動部33は、駆動モータ44と駆動ギヤ45とから構成されている。さらに、位置検出部34は、第1位置検出センサ46と第2位置検出センサ47とから構成されている。
【0025】
第1扇状羽根片35、第2扇状羽根片36及び第3扇状羽根片37は、アクリルやポリカーボネート等の合成樹脂材料で扇状に形成された部材である。図5及び図6に示すように、第1扇状羽根片35は第1挿通孔48を有し、第2扇状羽根片36は第2挿通孔49を有し、第3扇状羽根片37は第3挿通孔50を有している。これら第1挿通孔48及び第3挿通孔50は回動軸41が挿通可能な大きさに形成されており、第2挿通孔49はスリーブ40が挿入可能な大きさに形成されている。スリーブ40は、回動軸41が挿通可能な大きさの内径に形成された挿通孔40aを有する部材である。回動軸41は、第1挿通孔48、スリーブ40に形成された挿通孔40a及び第3挿通孔50を挿通可能な大きさに形成されており、一端が前カバー部42の第1回動軸支持穴51に挿入固定され、他端が後カバー部43の第2回動軸支持穴52に挿入固定されている。これら第1扇状羽根片35、第2扇状羽根片36及び第3扇状羽根片37は、回動軸41を軸中心として、図2に示すA方向又はB方向に回動することができるように構成されている。なお、本明細書においては、図2中のA方向を「視認領域26aに進出する方向」と言い、図2中のB方向を「視認領域26aから退避する方向」と言う。
【0026】
第1バネ部材38は、第2扇状羽根片36を視認領域26aに進出する方向へ付勢し、第3扇状羽根片37を視認領域26aから退避する方向へ付勢するためのもので、第2扇状羽根片36と第3扇状羽根片37との間に設けられている。また、第2バネ部材39は、第1扇状羽根片35を視認領域26aへ進出する方向へ付勢し、第2扇状羽根片36を視認領域26aから退避する方向へ付勢するためのもので、第1扇状羽根片35と第2扇状羽根片36との間に設けられている。この第2バネ部材39は、第1バネ部材38よりも付勢力が大きくなるように形成されている。なお、本実施の形態では、第1バネ部材38及び第2バネ部材39としてねじりバネを用いているが、第1バネ部材38は第2扇状羽根片36を視認領域26aへ進出する方向へ付勢し、第3扇状羽根片37を視認領域26aから退避する方向へ付勢することが出来ればよく、ねじりバネ以外のものを任意に選択して適宜用いてもよい。また、第2バネ部材39は、第2扇状羽根片36を視認領域26aへ進出する方向へ付勢し、第2扇状羽根片36を視認領域26aから退避する方向へ付勢することができればよく、ねじりバネ以外のものを任意に選択して適宜用いてもよい。
【0027】
駆動モータ44は、羽根部材31を視認領域26aに進出する方向又は羽根部材31を視認領域26aから退避する方向へ回動させるためのものである。この駆動モータ44は、前カバー部42に開口形成された駆動軸挿通孔54に駆動軸53を該前カバー部42の前側から挿通して、該前カバー部42の前側に取付固定されている。また、駆動モータ44の駆動軸53には、前カバー部42の後方において該前カバー部42の後方側から駆動ギヤ45がネジ止め等の適宜な方法によって取付固定されている。この駆動ギヤ45は、第3扇状羽根片37に形成されている後述する従動ギヤ93と噛み合うように形成されており、図示しない制御装置から出力される駆動信号を受けて回転する駆動モータ44の駆動力を従動ギヤ93に伝達することが出来るように構成されている。
【0028】
図7に示すように、第1扇状羽根片35は、全体として略扇形状となるように形成されており、第1挿通孔48に挿通した回動軸41を軸中心として回動することができるように構成されている。第1扇状羽根片35は、上部が透光性を有する部材で形成されている第1透光部60となっており、この第1透光部60には第1装飾部61が形成されている。第1装飾部61は、第1透光部60の下部から左端の上部にかけて装飾模様を設けることによって装飾されている。また、第1装飾部61の上には第1上装飾体62が形成されており、該第1装飾部61の下には第1下装飾体63が形成されている。本実施の形態では、第1上装飾体62及び第1下装飾体63には略同一の装飾を施しているが、これらの装飾が異なっていてもよい。また、第1装飾部61、第1上装飾体62及び第1下装飾体63の装飾は、任意に選択したものを適宜使用してよい。
【0029】
第1扇状羽根片35は表面に第1突起部65が突出形成されている。第1突起部65は、第1扇状羽根片35の表面から前方向に向けて突出形成されている。この第1突起部65は、前カバー部42に形成されている長孔形状の第1移動規制孔66に挿し込まれ、かつ第1移動規制孔66内で該第1移動規制孔66の左端部66a又は右端部66bのいずれかと接触するまで移動することができるように形成されている。
【0030】
また、第1扇状羽根片35は、裏面に第2突起部67及び第3突起部68が突出形成されている。第2突起部67は、第1扇状羽根片35の裏面から後方向に向けて突出形成されている。この第2突起部67は、第2扇状羽根片36に形成されている長孔形状の第2移動規制孔69に挿し込まれ、かつ第2移動規制孔69内で該第2移動規制孔69の左端部69a又は右端部69bのいずれかと接触するまで移動することができるように形成されている。第3突起部68は、第1扇状羽根片35の裏面から後方向に向けて突出形成されている。この第3突起部68は、第2バネ部材39の一端部と当接し、かつ第1扇状羽根片35が回動した時に第2バネ部材39に付勢力を付与することができるように形成されている。
【0031】
第1扇状羽根片35は、下部に第1位置検出センサ46を備えている。第1位置検出センサ46は、第3扇状羽根部材31に形成された第1検出片92の位置を検出するためのものであり、例えば光学センサ等が使用されている。なお、本実施の形態では、光学センサ等を第1位置検出センサ46として使用した例について説明したが、光学センサ以外のセンサを任意に選択して適宜用いてもよい。
【0032】
図8に示すように、第2扇状羽根片36は、全体として略扇形状となるように形成されており、第2挿通孔49に挿通したスリーブ40を介し、回動軸41を軸中心として回動することができるように構成されている。第2扇状羽根片36は、上部が透光性を有する部材で形成されている第2透光部71となっており、この第2透光部71には第2装飾部72が形成されている。第2装飾部72は、第2透光部71の下部に装飾模様を設けることによって装飾されている。また、第2装飾部72の上には第2上装飾体73が形成されており、該第2装飾部72の下には第2下装飾体74が形成されている。本実施の形態では、第2上装飾体73及び第2下装飾体74には略同一の装飾を施しているが、これらの装飾は異なっていてもよい。また、第2装飾部72、第2上装飾体73及び第2下装飾体74の装飾は、任意に選択したものを適宜使用してよい。
【0033】
第2扇状羽根片36は、第1扇状羽根片35及び第3扇状羽根片37とともに羽根部材31を構成するものであり、第1扇状羽根片35の後側で、かつ第3扇状羽根片37の前側となる位置に配置されている。第2扇状羽根片36には、第2移動規制孔69及び第3移動規制孔75が開口形成されている。また、第2扇状羽根片36の表面には、第2バネ部材固定部76が形成されている。さらに、第2扇状羽根片36の裏面には、第4突起部81が突出形成されている。また、第2扇状羽根片36には、第1ガイド部材82が設けられている。
【0034】
第2移動規制孔69は、第1扇状羽根片35の第2突起部67が挿し込まれる長孔形状に形成されている。また、この第2移動規制孔69は、本実施の形態では、回動軸41を軸中心として第2突起部67が円弧を描くように移動する移動方向に沿って湾曲状に形成されている。この第2移動規制孔69は、第2移動規制孔69の左端部69a又は右端部69bのいずれかと第2突起部67が接触するまでは第2突起部67の移動を許容し、第2移動規制孔69の左端部69a又は右端部69bのいずれかと第2突起部67が接触すると第2突起部67の移動を規制するように形成されている。
【0035】
第3移動規制孔75は、第3扇状羽根片37の第5突起部89が挿し込まれる長孔形状に形成されている。この第3移動規制孔75は、本実施の形態では、回動軸41を軸中心として第5突起部89が円弧を描くように移動する移動方向に沿って湾曲状に形成されている。この第3移動規制孔75は、該第3移動規制孔75の左端部75a又は右端部75bのいずれかと第5突起部89とが接触するまでは第5突起部89の移動を許容し、第3移動規制孔75の左端部75a又は右端部75bのいずれかと第5突起部89が接触すると、第5突起部89の移動を規制するように形成されている。
【0036】
第2扇状羽根片36には、第2挿通孔49の周囲を囲むように、第2バネ部材固定部76が形成されている。第2バネ部材固定部76は、第2バネ部材39を取付固定することができるように構成されている。図8(a)に示すように、第2バネ部材固定部76は、該第2バネ部材固定部76の表面において第2挿通孔49の周囲を該表面よりも手前側に突出させた第2内側突出部77と、第2内側突出部77の外側に所定間隔を開けて該表面よりも手前側に突出させた第2外側突出部78と、これら第2内側突出部77と第2外側突出部78との間に形成され、第2内側突出部77及び第2外側突出部78の表面よりも相対的に奥側に位置して溝状に形成された第2バネ部材取付溝部79とを備えている。また、第2外側突出部78の右下端部には、第2バネ部材39に付勢力が作用した時に、該第2バネ部材39が第2バネ部材取付溝部79から外れることを防止するために突出形成された第2バネ部材用突出部80を有し、第2バネ部材取付溝部79に配置された第2バネ部材39の他端部を第2バネ部材用突出部80で支持するように構成されている。
【0037】
第4突起部81は、第2扇状羽根片36の裏面から後方向に向けて突出形成されている。この第4突起部81は、第3扇状羽根片37に形成されている長孔形状の第4移動規制孔90に挿し込まれ、かつ第4移動規制孔90内で該第4移動規制孔90の左端部90a又は右端部90bのいずれかと接触するまで移動することができるように形成されている。また、第4突起部81は、第1バネ部材38の一端部と当接し、かつ第2扇状羽根片36が回動した時に第1バネ部材38に付勢力を付与することができるようにも形成されている。
【0038】
第1ガイド部材82は、第2扇状羽根片36の左上部に取り付けられている。この第1ガイド部材82は、第2扇状羽根片36が第1扇状羽根片35に対して移動する際、第2扇状羽根片36の移動をスムーズにするためのものである。
【0039】
図9に示すように、第3扇状羽根片37は、全体として略扇形状となるように形成されており、第3挿通孔50に挿通した回動軸41を軸中心として回動することができるように構成されている。第3扇状羽根片37は、上部が透光性を有する部材で形成されている第3透光部85となっており、この第3透光部85には第3装飾部86が形成されている。第3装飾部86は、第3透光部85の下部から右端の上部に向けて装飾模様を設けることによって装飾されている。また、第3装飾部86の上には第3上装飾体87が形成されており、該第3装飾部86の下には第3下装飾体88が形成されている。本実施の形態では、第3上装飾体87及び第3下装飾体88には略同一の装飾を施しているが、これらの装飾は異なっていてもよい。また、第3装飾部86、第3上装飾体87及び第3下装飾体88の装飾は、任意に選択したものを適宜使用してよい。また、第1上装飾体62、第2上装飾体73及び第3上装飾体87の装飾、並びに第1下装飾体63、第2下装飾体74及び第3下装飾体88の装飾は、同じでもよいし、異なっていてもよい。この場合も、装飾は任意に選択したものを適宜使用してよい。
【0040】
本実施の形態では、第1扇状羽根片35に形成されている第1装飾部61、第2扇状羽根片36に形成されている第2装飾部72、及び第3扇状羽根片37に形成されている第3装飾部86は、後述する第1表示態様、第2表示態様、及び第3表示態様のいずれにおいても、連続的な装飾となるように形成されている。
【0041】
第3扇状羽根片37は、第1扇状羽根片35及び第2扇状羽根片36とともに羽根部材31を構成するものであり、第2扇状羽根片36の後側となる位置に配置されている。第3扇状羽根片37は、表面に、第5突起部89、第4移動規制孔90、第1バネ部材固定部91及び第1検出片92を備えている。また、第3扇状羽根片37は、側面に、従動ギヤ93と第2検出片94を備えている。
【0042】
第5突起部89は、第3扇状羽根片37の表面から前方向に向けて突出形成されている。この第5突起部89は、第2扇状羽根片36に形成されている第3移動規制孔75に挿し込まれ、かつ第3移動規制孔75内で該第3移動規制孔75の左端部75a又は右端部75bのいずれかと接触するまで移動することができるように形成されている。第4移動規制孔90は、第2扇状羽根片36の第4突起部81が挿し込まれる長孔形状に形成されている。この第4移動規制孔90は、本実施の形態では、回動軸41を軸中心として第4突起部81が円弧を描くように移動する移動方向に沿って湾曲状に形成されている。この第4移動規制孔90は、該第4移動規制孔90の左端部90a又は右端部90bのいずれかと第4突起部81とが接触するまでは第4突起部81の移動を許容し、第4移動規制孔90の左端部90a又は右端部90bのいずれかと第4突起部81が接触すると、第4突起部81の移動を規制するように形成されている。
【0043】
第1バネ部材固定部91は、第1バネ部材38を取付固定することができるように構成されている。図9(a)に示すように、第1バネ部材固定部91は、該第1バネ部材固定部91の表面において第3挿通孔50の周囲を該表面よりも前側に突出させた第1内側突出部95と、この第1内側突出部95の外側に所定間隔を開けて該表面よりも前側に突出させた第1外側突出部96と、これら第1内側突出部95と第1外側突出部96との間に形成され、第1内側突出部95と第1外側突出部96の表面よりも相対的に奥側に位置して溝状に形成された第1バネ部材取付溝部97とを備えている。また、第1外側突出部96の右下端部には、第1バネ部材38に付勢力が作用した時に、該第1バネ部材38が第1バネ部材取付溝部97から外れることを防止するために突出形成された第1バネ部材用突出部98を有し、第1バネ部材取付溝部97に配置された第1バネ部材38の他端部を第1バネ部材用突出部98で支持するように構成されている。
【0044】
第1検出片92は、第1扇状羽根片35に対する第3扇状羽根片37の位置を検出するためのもので、第3扇状羽根片37の下部から下方向に向けて突出形成された片状の部材である。第1検出片92は、第1扇状羽根片35が備えている第1位置検出センサ46によって該第1位置検出センサ46を通過したか否かが検出されるように構成されている。なお、この第1検出片92は、第1位置検出センサ46によって第1扇状羽根片35に対する第3扇状羽根片37の位置を検出できれば、その形状は特に限定されるものではない。また、本実施の形態では、第1位置検出センサ46と第1検出片92とによって第1扇状羽根片35に対する第3扇状羽根片37の位置を検出しているが、上記した位置を検出できるものであれば、他の構成のものを任意に選択して適宜使用してもよい。
【0045】
従動ギヤ93は、第3扇状羽根片37の下部側面に形成されている。この従動ギヤ93は駆動ギヤ45と噛み合うように形成されており、該駆動ギヤ45を介して伝達される駆動モータ44の駆動力を受けることができるように構成されている。第3扇状羽根片37は、この駆動モータ44の駆動力を受けて、回動軸41を軸中心として回動する。
【0046】
第2検出片94は、カバー部材32に対する第3扇状羽根片37の位置を検出するためのものである。この第2検出片94は、第3下装飾体88と近接した位置に突出形成されており、後カバー部43に取付固定されている第2位置検出センサ47により、第3扇状羽根片37がカバー部材32の内部に位置しているか否かが検出されるように構成されている。
【0047】
第2ガイド部材99は、第3扇状羽根片37の左上部に取り付けられている。この第2ガイド部材99は、第3扇状羽根片37が第2扇状羽根片36に対して移動する際、第3扇状羽根片37の移動をスムーズにするためのものである。
【0048】
このように構成された羽根部材31は、組み立てると、図10に示すように構成される。すなわち、前後方向の最前部に第1扇状羽根片35が位置し、この第1扇状羽根片35の後方に第2扇状羽根片36が位置し、第2扇状羽根片36の後方に第3扇状羽根片37が位置するように配置され、第1扇状羽根片35と第2扇状羽根片36との間に第2バネ部材39が設けられ、第2扇状羽根片36と第3扇状羽根片37との間に第1バネ部材38が設けられている。このとき、第1バネ部材38は、第2扇状羽根片36を視認領域26aへ進出する方向へ付勢し、第3扇状羽根片37を視認領域26aから退避する方向へ付勢している。また、第2バネ部材39は、第1扇状羽根片35を視認領域26aへ進出する方向へ付勢し、第2扇状羽根片36を視認領域26aから退避する方向へ付勢している。
【0049】
次に、扇状可動装飾装置27の動作について説明する。図11に示すように、本実施の形態に係る遊技機1は、通常は、扇状可動装飾装置27の羽根部材31は遊技者が視認することのできない位置、すなわち視認領域26aから退避する位置に位置している。図11中、扇状可動装飾装置27の右に点線で示した領域が視認領域26aである。扇状可動装飾装置27が視認領域26aから退避した位置に位置する時の第1〜第5突起部と第1〜第4移動規制孔90との関係を図11及び図12に示す。
【0050】
図12(a)は、第2扇状羽根片36の第3移動規制孔75と第3扇状羽根片37の第5突起部89との関係、第2扇状羽根片36の第2移動規制孔69と第1扇状羽根片35の第2突起部67との関係、及び第1扇状羽根片35の第3突起部68と第2バネ部材39との関係を表した図である。また、図12(b)は、第3突起部68と第2バネ部材39との関係を表した図である。
【0051】
図12(a)に示すように、第3扇状羽根片37の従動ギヤ93には駆動ギヤ45が噛み合っている。羽根部材31が視認領域26aから退避する位置に位置している時は、駆動ギヤ45が取付固定されている駆動軸53を有する駆動モータ44は回転駆動していない。
【0052】
このとき、第2扇状羽根片36の第4突起部81は、第1バネ部材38の一端部38aを図12(a)中のA方向に付勢しているため、第1バネ部材38には復元力が発生する。この第1バネ部材38に発生する復元力は、一端部38aと当接している第4突起部81に対してはA方向とは反対方向のB方向となるため、第2扇状羽根片36は、第1バネ部材38の復元力によって、図12(a)中のC方向へ付勢されている。
【0053】
また、図12(a)に示すように、羽根部材31が視認領域26aから退避する位置に位置している時は、第3扇状羽根片37に形成された第5突起部89が第2扇状羽根片36に形成された第3移動規制孔75の左端部75aと接触した状態を維持している。これは、第2扇状羽根片36が第1バネ部材38によりC方向へ付勢されているからである。
【0054】
また、図12(b)に示すように、第1扇状羽根片35の第3突起部68は、第2バネ部材39の一端部39aを図12(b)中のD方向に付勢しているため、第2バネ部材39には復元力が発生する。このときのD方向の力及びE方向の力は、図12(b)中の符号R1を支点として作用するものである。また、第2バネ部材39に発生する復元力は、一端部39aと当接している第3突起部68に対してはD方向と反対方向のE方向となるため、第1扇状羽根片35は、第2バネ部材39の復元力によって、図12(b)中のF方向へ付勢されている。
【0055】
また、羽根部材31が視認領域26aから退避する位置に位置している時は、第1扇状羽根片35の第3突起部68が第2扇状羽根片36の第2移動規制孔69の右端部69bと接触した状態を維持している。これは、第1扇状羽根片35が第2バネ部材39によりF方向へ付勢されているからである。
【0056】
すなわち、羽根部材31が視認領域26aから退避する位置に位置している時は、第1扇状羽根片35は、第2バネ部材39によってF方向へ回動する方向に力が付勢されているものの、第2移動規制孔69と第2突起部67との係止により、第2扇状羽根片36との間における相対的な動きが規制されている。また、第2扇状羽根片36は、第1バネ部材38によってC方向へ回動する方向に力が付勢されているものの、第3移動規制孔75と第5突起部89との係止により、第3扇状羽根片37との間における相対的な動きが規制されている。したがって、第1扇状羽根片35、第2扇状羽根片36及び第3扇状羽根片37は、第1バネ部材38及び第2バネ部材39の付勢力等により、前後に重なって配置される状態が維持される。なお、羽根部材31が視認領域62aから退避する位置に位置している時は、第1扇状羽根部材35の第1突起部65は、第1移動規制孔66の左端部66aと接触するか、又は第1移動規制孔66の左端部66aに近接した位置関係となる。
【0057】
次に、羽根部材31の第1表示態様について説明する。図13に示すように、第1表示態様は、第1扇状羽根片35、第2扇状羽根片36及び第3扇状羽根片37が前後に重なって視認領域26aに進出した表示態様であり、遊技者は、第1表示態様の場合には、羽根部材31の外形は第1扇状羽根片35のみを視認することが可能になり、第1扇状羽根片35の第1透光部61を介して第2扇状羽根片36の第2装飾部72及び第3扇状羽根片37の第3装飾部86を視認することが可能な態様である。
【0058】
遊技機1が羽根部材31を第1表示態様にして演出を行うのは、予め定められた条件が成立した場合である。ここで、遊技機1が羽根部材31を第1表示態様にするための条件とは、図示しない主制御部において大当り抽選が行われたことである。遊技機1は、大当り抽選が行われると、この大当り抽選の結果に基づいて以降の遊技を行うように構成されているほか、遊技者の遊技に対する興趣を向上させるための演出表示をどのような態様で行うかを演出抽選によって行っている。このときの演出の態様は、大当り抽選の結果として生じる「ハズレ」、「リーチ」又は「当り」のいずれにおいても複数種類が設定されており、大当り抽選の結果を見て演出抽選を行い、遊技者の遊技の興趣を向上させるような演出を行う。第1表示態様は、上記に例示した「ハズレ」、「リーチ」又は「当り」のいずれの大当り抽選の結果に基づいて行われる演出抽選であっても行われる表示態様であるので、ここでの「予め定められた条件」とは、主制御部で大当り抽選が行われたこととなる。
【0059】
遊技機1が羽根部材31を第1表示態様にしようとする場合には、副制御部から駆動モータ44に対して駆動信号が出力される。駆動信号の入力を受けた駆動モータ44は図13中のS方向への回転駆動を開始し、駆動軸53の先端に取付固定されている駆動ギヤ45を介して第3扇状羽根片37の従動ギヤ93に駆動力を伝達する。
【0060】
駆動力が伝達された第3扇状羽根片37は、回動軸41を軸中心として図13中T方向への回動を開始する。この時、第1扇状羽根片35は、第2バネ部材39によって図14中のF方向へ回動する方向に力が付勢されているものの、第2移動規制孔69と第2突起部67との係止により、第2扇状羽根片36との間における相対的な動きが規制されている。また、第2扇状羽根片36は、第1バネ部材38によってC方向へ回動する方向に力が付勢されているものの、第3移動規制孔75と第5突起部89との係止により、第3扇状羽根片37との間における相対的な動きが規制されている。したがって、第1表示態様の場合も、第1扇状羽根片35、第2扇状羽根片36及び第3扇状羽根片37は、第1バネ部材38及び第2バネ部材39の付勢力等により、前後に重なって配置される状態を維持しながら、視認領域62aに進出する。
【0061】
羽根部材31が視認領域62aに進出する方向へ回動していくと、第1扇状羽根片35の第1突起部65が第1移動規制孔66の右端部66bに接触する第1位置まで回動する。第1位置まで回動すると、第1突起部65が第1移動規制孔66の右端部66bと接触しているため、第1位置から先への回動動作が第1移動規制孔66により規制される。
【0062】
第1表示態様の場合には、第1扇状羽根片35、第2扇状羽根片36及び第3扇状羽根片37が前後に重なった状態を維持しながら第1位置まで回動するのみであるから、第2扇状羽根片36の第3移動規制孔75と第3扇状羽根片37の第5突起部89との関係、第2扇状羽根片36の第2移動規制孔69と第1扇状羽根片35の第2突起部67との関係、第1扇状羽根片35の第3突起部68と第2バネ部材39との関係は、羽根部材31が視認領域26aから退避した位置に位置している時と同じである。また、図14(a)に示すように、第3移動規制孔75と第5突起部89との関係は、第5突起部89が第3移動規制孔75の左端部75aと接触した状態を維持しており、第2突起部67と第2移動規制孔69との関係は、第2突起部67が第2移動規制孔69の右端部69bと接触した状態を維持している。
【0063】
なお、第1表示態様は、第1バネ部材38が第2扇状羽根片36を視認領域26aへ進出する方向へ付勢し、第2バネ部材39が第1扇状羽根片35を視認領域26aへ進出する方向へ付勢することにより、第1扇状羽根片35、第2扇状羽根片36及び第3扇状羽根片37が前後に重なって視認領域26aに進出した表示態様であるとも言える。
【0064】
次に、羽根部材31の第2表示態様について説明する。第2表示態様は、第1扇状羽根片35及び第2扇状羽根片36が前後に重なって視認領域26aに進出し、第3扇状羽根片37が第1扇状羽根片35よりも視認領域26aに進出した表示態様であり、遊技者は、第2表示態様の場合には、第1扇状羽根片35及び第3扇状羽根片37を視認することが可能になる態様である。
【0065】
遊技機1が羽根部材31を第2表示態様にして演出を行うのは、予め定められた条件が成立した場合である。ここで、遊技機1が羽根部材31を第2表示態様にするための条件とは、図示しない主制御部において行われる大当り抽選で「リーチ」又は「当り」のいずれかに当選し、これら「リーチ」又は「当り」の当選に基づく演出抽選で第2表示態様を用いた演出を行うことが決定されたことである。ここで、羽根部材31を第2表示態様にする場合には、羽根部材31が回動軸41を回動軸として回動することにより、該羽根部材31が視認領域26aから退避した位置から視認領域26aに進出し、第1表示態様で演出表示を行った後に第2表示態様で演出表示を行うというように、第1表示態様、第2表示態様と段階的に表示態様を変更させるようにしてもよいし、羽根部材31が回動軸41を回動軸として回動し、視認領域26aから退避した位置より第2表示態様で演出表示を行うように表示させてもよい。
【0066】
遊技機1が羽根部材31を第2表示態様にしようとする場合の動作について説明する。遊技機1が羽根部材31を第2表示態様にしようとする場合には、副制御部から駆動モータ44に対して駆動信号が出力される。駆動信号の入力を受けた駆動モータ44は図15中のS方向への回転駆動を開始して、駆動ギヤ45を介して第3扇状羽根片37の従動ギヤ93に駆動力を伝達する。駆動力が伝達された第3扇状羽根片37は、回動軸41を軸中心として図15中T方向への回動を開始する。ここで、羽根部材31が視認領域26aから退避した位置から第1位置まで回動する時の動作は、羽根部材31を第1表示態様にしようとする場合の動作と同じであるから、ここでの説明は省略する。
【0067】
第2表示態様にする場合は、第1位置まで到達した羽根部材31に対して、駆動モータ44から継続的に、回動軸41を軸中心としてT方向に回動するための駆動力が加えられ、第3扇状羽根片37が回動する。この時、第1扇状羽根片35の第1突起部65が第1移動規制孔66の右端部66bに接触していることから、第1扇状羽根片35は第1位置よりも先に回動することはない。しかし、駆動モータ44からの駆動力によって、第3扇状羽根片37はさらに視認領域26aへ進出する方向に進出する。そして、第3扇状羽根片37は、第1位置から、第1扇状羽根片35及び第3扇状羽根片37が視認可能となる第2位置まで回動する。
【0068】
この場合には、第1位置において第1扇状羽根片35の第1突起部65が第1移動規制孔66の右端部66bに接触しているので、この先の第2位置まで回動する場合には第1突起部65が第1移動規制孔66の右端部66bと係止した状態が維持される。以下において、第1表示態様から第2表示態様へ移行する場合、すなわち、羽根部材31が第2位置まで回動した場合における、第2扇状羽根片36の第4突起部81と第1バネ部材38との間の力の関係、第1バネ部材38と第3扇状羽根片37との間の力の関係、第1扇状羽根片35の第3突起部68と第2バネ部材39との間の力の関係、及び第2バネ部材39と第2扇状羽根片36との間の力の関係を説明する。
【0069】
図16(a)に示すように、第2扇状羽根片36の第4突起部81は、第1バネ部材38の一端部38aをG方向へ付勢する。第1バネ部材38は、一端部38aに対してG方向に力が加わると、他端部38bにH方向の付勢力が生じる。この時、第1バネ部材38の他端部38bは、第1バネ部材固定部91に固定されているので、第1バネ部材38によるH方向の付勢力は、第1バネ固定部91が形成されている第3扇状羽根片37に作用する。したがって、第3扇状羽根片37には、第1バネ部材38によって、I方向へ回動する力が作用している。
【0070】
一方、第4突起部81は、第1バネ部材38の一端部38aをG方向に付勢しているので、第1バネ部材38からはJ方向の力の作用を受けている。第4突起部81は、第2扇状羽根片36に形成されているので、第1バネ部材38によるJ方向の付勢力は、第2扇状羽根片36に作用する。したがって、第2扇状羽根片36には、第1バネ部材38によってK方向へ回動する力が作用している。
【0071】
図16(b)に示すように、第1扇状羽根片35の第3突起部68は、第2扇状羽根片36に取り付けられた第2バネ部材39の一端部39aをL方向に付勢している。この場合、第2バネ部材39の一端部39aにはL方向に付勢されて力が加わるため、該第2バネ部材39の他端部39bにはM方向に付勢力が生じる。この時、第2バネ部材39の他端部39bは第2バネ部材固定部76に固定されているので、第2バネ部材39によるM方向の付勢力は、第2バネ部材固定部76が形成されている第2扇状羽根片36に作用し、第2扇状羽根片36にはN方向へ回動する力が作用している。また、この場合にL方向、M方向及びN方向へ回動する力は、図16(b)における第3突起部68と第2バネ部材39の一端部39aが係合する位置R2を支点として作用する。すなわち、第1表示態様から第2表示態様となる場合には、支点の位置は、図12(b)に示すR1の位置から図16(b)に示すR2の位置に移動することになる。
【0072】
ここで、第1表示態様から第2表示態様となる場合には、第1扇状羽根片35は第1突起部65と第1移動規制孔66の右端部66bとの係止により回動が規制されている。一方、第3扇状羽根片37は、駆動モータ44からの駆動力によって、さらに視認領域26aへ進出する方向に進出する。この時、第2扇状羽根片36は、第1バネ部材38の付勢力によりK方向へ回動する力を受けているが、それと同時に第2バネ部材39の付勢力によってN方向へ回動する力も受けている。第1表示態様から第2表示態様へとなる場合には、支点の位置がR1(図12(b)参照)からR2に移動するため、L方向の力が第2バネ部材39に加わることにより作用するM方向の力及びN方向の力の大きさが大幅に増大する。すなわち、第2扇状羽根片36に作用する力は、第1表示態様から第2表示態様へとなる場合には、第2扇状羽根片36に作用する力の向きがK方向からN方向へ反転し、その大きさはN方向へ回動する力の大きさとK方向へ回動する力の大きさとの差になる。
【0073】
図16に示すように、羽根部材31が第2位置に位置し、第2表示態様となっている場合の第3移動規制孔75と第5突起部89との関係は、第5突起部89が第3移動規制孔75の右端部75bと接触した状態を維持している。また、第2突起部67と第2移動規制孔69との関係は、第2突起部67が第2移動規制孔69の右端部69bと接触した状態を維持している。
【0074】
なお、第2表示態様は、第1バネ部材38が第2扇状羽根片36を視認領域26aへ進出する方向へ付勢することにより第1扇状羽根片35及び第2扇状羽根片36が前後に重なって視認領域26aに進出し、第3扇状羽根片37が第1扇状羽根片35よりも視認領域26aに進出し、第1扇状羽根片35及び第3扇状羽根片37が視認されるように構成した表示態様であるとも言える。
【0075】
次に、羽根部材31の第3表示態様について説明する。第3表示態様は、第1扇状羽根片35が視認領域26aに進出し、第2扇状羽根片36が第1扇状羽根片35よりも視認領域26aに進出し、さらに第3扇状羽根片37が第2扇状羽根片36よりも視認領域26aに進出する表示態様であり、遊技者は、第3表示態様の場合には、第1扇状羽根片35、第2扇状羽根片36及び第3扇状羽根片37を視認することが可能になる態様である。
【0076】
遊技機1が羽根部材31を第3表示態様にして演出を行うのは、予め定められた条件が成立した場合である。ここで、遊技機1が羽根部材31を第3表示態様にするための条件とは、図示しない主制御部において行われる大当り抽選で、「特定のリーチ」又は「特定の当り」のいずれかに当選し、これら「特定のリーチ」又は「特定の当り」の当選に基づく演出抽選で第3表示態様を用いた演出を行うことが決定されたことである。ここで、羽根部材31を第3表示態様にする場合には、羽根部材31が視認領域26aから退避した位置より進出し、第1表示態様、第2表示態様を表示した後に第3表示態様とするように、各表示態様を段階的に順次変更させるようにしてもよいし、羽根部材31が視認領域26aから退避した位置より進出して直接第3表示態様となるように表示させてもよい。
【0077】
遊技機1が羽根部材31を第3表示態様にしようとする場合の動作について説明する。遊技機1が羽根部材31を第3表示態様にしようとする場合には、副制御部から駆動モータ44に対して駆動信号が出力される。駆動信号の入力を受けた駆動モータ44は図17中のS方向への回転駆動を開始して、駆動ギヤ45を介して第3扇状羽根片37の従動ギヤ93に駆動力を伝達する。駆動力が伝達された第3扇状羽根片37は、回動軸41を軸中心として図17中T方向への回動を開始する。ここで、羽根部材31が視認領域26aから退避した位置から第2位置まで回動する時の動作は、羽根部材31を第2表示態様にしようとする場合の動作と同じであるから、ここでの説明は省略する。
【0078】
第3表示態様にする場合は、第2位置まで到達した羽根部材31に対して、駆動モータ44から継続的に、回動軸41を軸中心としてT方向に回動するための駆動力が加えられ、第3扇状羽根片37が回動する。この時、第3扇状羽根片37の第5突出部89は、第2扇状羽根片36の第3移動規制孔75の右端部75bに接触している。そのため、駆動モータ44から図18(a)に示すP方向の駆動力を受けている第3扇状羽根片37は、第2扇状羽根片36に対してP方向の駆動力を伝達して第2位置から第3位置へ進出する。この時、駆動モータ44からの駆動力は第2バネ部材39の付勢力よりも大きいため、第2扇状羽根片36及び第3扇状羽根片37には、駆動モータ44からの駆動力と第2バネ部材39の付勢力との差の大きさの力が、第2扇状羽根片36及び第3扇状羽根片37をさらに視認領域26aへ進出する方向に作用する。そして、第3扇状羽根片37は、第2扇状羽根片36と共に、第2位置から、第1扇状羽根片35、第2扇状羽根片36及び第3扇状羽根片37が視認可能となる第3位置まで回動する。
【0079】
図18は、第2扇状羽根片36の第3移動規制孔75と第3扇状羽根片37の第5突起部89との関係、第2扇状羽根片36の第2移動規制孔69と第1扇状羽根片35の第2突起部67との関係、及び第1扇状羽根片35の第3突起部68と第2バネ部材39との関係を表した図である。
【0080】
なお、第2扇状羽根片36の第4突起部81と第1バネ部材38との間における力の関係、第1バネ部材38と第3扇状羽根片37との間における力の関係、第1扇状羽根片35の第3突起部68と第2バネ部材39との間における力の関係、及び第2バネ部材39と第2扇状羽根片36との間における力の関係は、第2表示態様の箇所で説明したのと同様であるから、ここでの説明は省略する。
【0081】
図18に示すように、羽根部材31が第3位置に位置し、第3表示態様となっている場合の第3移動規制孔75と第5突起部89との関係は、第5突起部89が第3移動規制孔75の右端部75bと接触した状態を維持している。また、第2突起部67と第2移動規制孔69との関係は、第2突起部67が第2移動規制孔69の左端部69aと接触した状態を維持している。
【0082】
なお、第3表示態様は、第1扇状羽根片35が視認領域26aに進出し、第2扇状羽根片36が第1扇状羽根片35よりも視認領域26aに進出し、さらに第3扇状羽根片37が第2扇状羽根片36よりも視認領域26aに進出し、第1扇状羽根片35、第2扇状羽根片36及び第3扇状羽根片37が視認可能に構成した表示態様であるとも言える。
【0083】
次に、第3位置に位置し第3表示態様となっている羽根部材31が視認領域26aから退避する位置まで移動する場合の動作について説明する。この場合は、副制御部から駆動モータ44に対して駆動信号が出力される。駆動信号の入力を受けた駆動モータ44は図17中のU方向への回転駆動を開始して、駆動ギヤ45を介して第3扇状羽根片37の受動ギヤ93に駆動力を伝達する。駆動力が伝達された第3扇状羽根片37は、回動軸41を軸中心として図17中Z方向への回動を開始する。
【0084】
この時、第1扇状羽根片35と第2扇状羽根片36との間には第2バネ部材39が設けられており、第2扇状羽根片36と第3扇状羽根片37との間には第1バネ部材38が設けられており、第2バネ部材39は第1バネ部材38よりも付勢力が大きいことから、第3位置から、羽根部材31が視認領域26aから退避する位置まで移動する場合には、第2バネ部材39よりも強い付勢力の第1バネ部材38で付勢されている第2扇状羽根片36と、第5突起部89と第3移動規制孔75とによって第2扇状羽根片36と係合している第3扇状羽根片37とが視認領域26aから退避する方向へ回動する。
【0085】
そして、第2扇状羽根片36が第1扇状羽根片35の後方に位置し、第1扇状羽根片35と第3扇状羽根片37が視認される第2表示態様に相当する表示態様に移行する。その後、さらに第3扇状羽根片37を回動させると、第1バネ部材38の付勢力によって第3扇状羽根片37が回動し、該第3扇状羽根片37が第2扇状羽根片36の後方に位置し、第1扇状羽根片35、第2扇状羽根片36及び第3扇状羽根片37が前後に重なった状態、すなわち第1表示態様に相当する態様となる。その後、さらに第3扇状羽根片37に駆動力を加えると、第1扇状羽根片35、第2扇状羽根片36及び第3扇状羽根片37が前後に重なった状態を維持しつつ、視認領域26aから退避した位置まで移動する。
【0086】
このように、本実施の形態に係る遊技機1では、上述した予め定められた条件に従って、第1表示態様、第2表示態様、第3表示態様といった複数種類の表示態様で羽根部材31を表示させて演出を行うことができる。したがって、本実施の形態に係る遊技機1によれば、羽根部材31を用いた演出態様を増加することができ、遊技機全体としての演出態様をも大きく増加することが可能になる。したがって、本実施の形態に係る遊技機1によれば、羽根部材31を用いて遊技者の遊技に対する興趣を飛躍的に向上させ、かつ遊技者を飽きさせないようにする演出を行うことが可能になる。
【0087】
また、本実施の形態に係る遊技機1では、第1扇状羽根片35に形成されている第1装飾部61、第2扇状羽根片36に形成されている第2装飾部72、及び第3扇状羽根片37に形成されている第3装飾部86は、後述する第1表示態様、第2表示態様、及び第3表示態様のいずれにおいても、連続的な装飾となるように形成されている。すなわち、後述するように第1表示態様は、第1扇状羽根片35、第2扇状羽根片36及び第3扇状羽根片37が前後に重なった状態で視認領域26aに進出している態様であり、この場合は、第1装飾部61の装飾模様と、第1扇状羽根片35の第1透光部61及び第2扇状羽根片36の第2透光部71を介して視認できる第3装飾部の装飾模様とが連続的な一つの模様として視認することができる。また、第2表示態様は、第1扇状羽根片35及び第2扇状羽根片36が前後に重なった状態で視認領域26aに進出し、第3扇状羽根片37が第1扇状羽根片35よりもさらに視認領域26aに進出するようにした表示態様である。この場合は、第1装飾部61の装飾模様と、第3装飾部86の装飾模様とが連続的な一つの模様として視認することができる。また、第3表示態様は、第1扇状羽根片35が視認領域26aに進出し、第2扇状羽根片36が第1扇状羽根片35よりもさらに視認領域26aに進出し、第3扇状羽根片37が第2扇状羽根片36よりもさらに視認領域26aに進出するようにした表示態様である。この場合は、第1装飾部61の装飾模様と、第2装飾部72の装飾模様と、第3装飾部86の装飾模様とが連続的な一つの装飾模様として視認することができる。このように、本実施の形態によれば、第1表示態様、第2表示態様及び第3表示態様のいずれにおいても、第1扇状羽根片35、第2扇状羽根片36及び第3扇状羽根片37の装飾模様を用いて、連続的な一つの装飾模様とすることができる。また、このような装飾模様を形成することができるので、遊技機1の遊技の進行に応じて、様々なパターンの演出を行うことができ、遊技機1の演出に幅を持たせることも可能になる。
【0088】
なお、本実施の形態では、羽根部材として、第1扇状羽根片、第2扇状羽根片及び第3扇状羽根片の3つの羽根片を有するものを用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、3つ以上の羽根片を有するものであればよい。即ち、扇状羽根片は、少なくとも3つあればよい。また、本実施の形態では、予め定められた条件を上記した通りのものとして説明したが、これに限定されるものではなく、他の条件を予め定められた条件としてもよい。
【0089】
以上、本発明の実施の形態に係る遊技機について詳細に説明したが、本実施の形態に係る遊技機の構成は一例であり、これに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更してよいのは勿論である。
【符号の説明】
【0090】
1 遊技機
12 遊技盤
13 裏ユニット
17 遊技領域
18 センター役物
26 液晶表示装置
26a 視認領域
27 扇状可動装飾装置
31 羽根部材
32 カバー部材
33 駆動部
35 第1扇状羽根片
36 第2扇状羽根片
37 第3扇状羽根片
38 第1バネ部材
39 第2バネ部材
41 回動軸
42 前カバー部
43 後カバー部
44 駆動モータ
45 駆動ギヤ
48 第1挿通孔
49 第2挿通孔
50 第3挿通孔
60 第1透光部
61 第1装飾部
65 第1突起部
66 第1移動規制孔
67 第2突起部
68 第3突起部
69 第2移動規制孔
71 第2透光部
72 第2装飾部
75 第3移動規制孔
76 第2バネ部材固定部
81 第4突起部
85 第3透光部
86 第3装飾部
89 第5突起部
90 第4移動規制孔
93 従動ギヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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