【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にしたがう解決策は、特許請求項1の特徴を有するアプリケータ用具アセンブリ、特許請求項17に述べられるようなアプリケータ用具アセンブリとの使用に適するアプリケータ用具、及び、特許請求項18にしたがう、アプリケータ用具アセンブリのための少なくとも1つの集合素子及び複数のアプリケータ用具を含むパーツキット、特にセールスユニットを提供する。有益な構成及び発展形は従属請求項に挙げられる。
【0008】
本文脈において、「アプリケータ用具」が、鉛筆、色鉛筆及びクレヨン、シャープペンシル、油性マジックペン、ガラス鉛筆、万年筆、ボールペン、ローラーポイントペン、ゲルインクペン、フェルトペン、ファイバペン、油性マーカー、テキストマーカー及び蛍光マーカー等だけしか包含しないと解されるべきではないことに注意すべきである。本発明にしたがうアプリケータ用具は原理的に、網羅はしていないが、例えば、メーキャップペンシル、アイシャドウまたはアイライナー、パウダースティック、口紅または医用リップスティック等の内の1つのような、化粧用及び/または医用物質を塗るためのペン様用具とすることもできる。構造及び機能に関して当業者にはこれらのアプリケータ用具は基本的に既知であるから、本発明の理解に必要ではない詳細が本明細書に含まれることはない。
【0009】
本発明の第1の態様は、実質的に集合素子及び少なくとも2つのアプリケータ用具を含む、アプリケータ用具アセンブリに関する。アプリケータ用具は、アプリケータ用具の長手方向及び少なくとも1つの作動端とおそらくは非作動端によって実質的に決定される主軸を特徴とする。これらの端の内の1つの領域において、本発明にしたがうアプリケータ用具は少なくとも1つの連結素子を有する。集合素子はそれぞれのアプリケータ用具とそれぞれの連結素子を用いて連結される。
【0010】
複数のアプリケータ用具を本発明にしたがうアプリケータ用具アセンブリによって容易にかつ確実に一緒にすることができる。連結素子がアプリケータ用具のキャップである構造の場合には特に、キャップを見失うかまたはキャップが置かれた場所にキャップを置き忘れる危険が著しく減じられる。さらに、十分な大きさにつくられた集合素子に確保されたキャップの飲み込みはほとんど完全に無くすことができる。
【0011】
本発明にしたがうアプリケータ用具アセンブリのための集合素子は集合貫通開口を有するかなり大きな構造体である。構造体は集合貫通開口の、本来実質的に閉じている、集合端を有することが好ましい。集合端は、集合素子全体にほとんどが実質的に同じであることが好ましい、あらかじめ定められた集合端断面をもつことが特に好ましい。いくつかの実施形態において、集合素子はカラビナフックの態様にある素子とすることができ、この点に関し、集合素子は円形リング等の態様で構成されることが特に好ましい。
【0012】
特定の構成において、それぞれの連結素子または集合素子は、それぞれのアプリケータ用具が集合素子に取付け/取外し可能な態様で連結されるような形状をとる。これにより−他の考え得る利点に加えて−ユーザが個々のアプリケータ用具を組み合わせて本発明にしたがうアプリケータ用具アセンブリにして一緒に持ち運ぶことが可能になる。
【0013】
取付け/取外し可能な態様でそれぞれのアプリケータ用具を集合素子に連結するため、集合素子の縁は、集合素子の取付け/取外しのための、それに適する、集合素子を貫通する集合開口(切り口)を有することができる。例えば、集合素子の先端は、特にキーリングの態様で、集合開口(切り口)において重なり合うことができる。
【0014】
集合開口の領域において、集合素子は、それによって集合開口を開閉可能な態様で閉じることができ、集合素子を閉じることができる、クロージャーを有することができる。クロージャーを開くと、集合素子に配されたアプリケータ用具の取外しが可能になり、及び/または、アプリケータ用具の集合素子への追加及び/または集合素子上の何か別の態様での配列が可能になる。クロージャーは、両側に設けられた、それぞれ対応するクロージャー素子を有することができる。すなわち、第1のクロージャー素子は例えば閉じられた形状においてループの態様で丸く拡がる中空形状を有することができ、クロージャーを閉じるときには、プラグ素子の形態にある第2のクロージャー素子が適する態様で中空形状を通り抜けることができる。この点に関し、プラグ素子が、少なくとも第1の方位では中空形状の内寸より狭いかまたは細く、プラグ素子の少なくとも1つの第2の方位では中空形状の上述した内寸より広いかまたは太ければ、さらに有利である。このようにすれば、互いに対するクロージャー素子のそれぞれの方位が、それぞれの方位においてクロージャーを開くかまたは閉じるために小さな力で済むかまたは大きな力が必要か、あるいは互いに対するクロージャー素子のそれぞれの方位において無破壊態様でクロージャーを開くことがともかく可能であるか否かの判定において決定的である。
【0015】
張力負荷下において、例えばアプリケータ用具アセンブリがクロージャーから離れた位置で掴まれて、フックにかかるかまたは目をもって取り上げられるかまたは吊り下げられたときに、クロージャーが不意に開くことを避けるため、例えば、プラグ素子を鏃の形状にしておいて、中空形状を、好ましくは、四辺形、台形、菱形、平行四辺形または洋凧形の輪郭、特に内側輪郭を有する、ループとすることができる。プラグ素子は、三角形の形態において実質的に一点で終端する限りにおいて、羽付鏃形素子の形態にあることができ、外側において一点で終端する三角の縁は羽と称される。この場合、鏃形素子の断面は実質的に平坦である。あるいは、羽がなく、したがって円錐のような回転対称形状で先端に向かう、断面が実質的に円形の、鏃形素子を用いることも可能であり、無羽鏃形状では基本的に、例えば正多角形のような、別の断面形状も考えられることは当然であろう。鏃形クロージャー素子の反対側の領域、すなわち無羽形状における円錐の底面または羽付形状の場合の三角形の底辺は、クロージャー素子の互いに対する配置のほとんどにおいて、特に張力負荷が関わる場合、中空形状の縁の少なくとも一部が鏃形素子より小さくなってクロージャーが不意に開くことを防止するため、中空素子における逆刺として機能する。
【0016】
張力負荷がない場合であってもクロージャーが閉じたままでいるように、すなわちプラグ素子が中空形状から外れ落ちることがないように、クロージャー素子、プラグ素子及び中空形状の寸法決定において中空形状の最長内寸が逆刺から鏃形素子の先までの鏃形素子の長さより短くなるように選ぶことができる。このようにすれば、(プラグ素子としての)鏃形素子は、好ましくは四辺形、台形、菱形または平行四辺形の内側輪郭を有し、最も好ましくは洋凧形(三角州形)の、中空形状において、鏃形素子が中空形状の対向する縁に突き当たってから先には、鏃形素子の逆刺が中空形状と噛み合うポイントのまわりで、回転することはできない。したがって、鏃形素子は「横向き」関係では中空形状を抜け出すことができず、中空形状に相対的に縦の方位が与えられたときにだけ抜け出すことができる。洋凧形(三角州形)は対角線の1つが対称軸である、すなわち2つの長さが等しい隣辺の対を有する、平四辺形であり、等辺洋凧形は菱形である。
【0017】
連結素子を通すために、アプリケータ用具を通すかまたはアプリケータ用具を取り外す際には、中空形状を弾性変形させる必要があるから、中空形状は形状に関して弾性的であることが好ましい。これにより、アプリケータ用具が紐から抜けるビーズのように集合素子から不意に外れ落ちることがなく、アプリケータ用具を集合素子から取り外すためにはあらかじめ定められた力をこえる力が必要であることが保証される。
【0018】
別の実施形態において、集合素子は、例えば弱化領域の形態で確立することができる、張力へのあらかじめ定められた最大抵抗力を有する。弱化領域はあらかじめ定められた張力で裂け、したがって必然的に開くような形状寸法につくられることが好ましい。そのような保護機能は特に、子供が本発明にしたがうアプリケータ用具アセンブリを妥当な適切に定められた態様で使用しない場合に、有益である。この点に関し、集合素子がつくられる材料は張力の作用の下における強度及び剛性を高めるいかなる処理も受けないように選ばれるか、あるいは材料の強度及び剛性のそのような増強が弱化領域の形状寸法を定める際に既に考慮されていることが好ましい。
【0019】
さらに、集合素子は少なくとも1つの掴み素子を有することができる。最も一般的な形態において、掴み素子は集合素子の集合縁に沿う断面の増大として解することができる。そのような断面は、とりわけ、ユーザが集合縁に沿う方位を触覚及び視覚で判定するに役立つ。
【0020】
掴み素子の別の利点は、断面積が小さいかまたは材料の直径が小さい集合素子の実施形態において、クロージャーのクロージャー素子を互いに対して所望または所要の態様で位置決めするために集合素子の縦方向にトルクをかける簡単で可能な方法をユーザに提供するから、ハンドリング補助として用い得ることである。クロージャーは掴み素子を用いることでより容易に、またより正確に、操作することができる。さらに、掴み素子は実質的にコインの形状とすることができ、選択的に製造業者のロゴまたは別の識別表示を表すことができる。
【0021】
それぞれのアプリケータ用具を集合素子に取付け/取外し可能な態様で連結するため、別にまたはさらに、連結素子は周縁が閉じた連結開口、例えば貫通孔の形態にあることができる。いくつかの構成において、アプリケータ用具を連結素子に簡単に連結するため及び/または連結素子からのアプリケータ用具の取外しを容易にするため、連結素子は、連結開口の周縁に、開口の縦軸に対して周縁にわたって実質的に径方向に拡がる材料弱化領域を少なくとも1つ有することができ、材料弱化領域の幅は集合縁断面の直径にほぼ相当し、それよりは若干広いことが好ましい。
【0022】
それぞれのアプリケータ用具を集合素子に取付け/取外し可能な態様で連結するため、別にまたはさらに、連結素子は開口の周縁に沿って延びる縁領域に、すなわち開口の縁に、切欠きをもつ開口の形態にあることができる。切欠きは集合縁の断面の直径より幅が小さい狭窄部を少なくとも1つ有する。連結素子を集合素子から取り外すかまたは連結素子を集合素子に嵌め合わせるためには、集合縁がその狭窄部を通らなければならない。したがって、集合素子からの連結素子の不意の外れ落ちはほとんど問題外である。
【0023】
いくつかの構成において、連結素子を集合素子に簡単に連結するため及び/または集合素子からの連結素子の取外しを容易にするため、連結素子は集合素子に対応する誘導面、特に平誘導面を有することができる。連結素子の連結及び/または取外しに際して集合素子の弾性的拡張、したがって狭窄部の通過がより容易であるような態様で、集合素子に対する2つのそれぞれの誘導面が互いに対してある角度をなして開口の狭窄部に配置されることが好ましい。
【0024】
特定の発展形において、周縁に広がる縁領域に切欠きがある連結素子の場合における切欠きは、開口の縦軸に対して、アプリケータ用具の主軸と、特に30°と150°の間の、安全角度をなす径方向の作用方向を有する。このようにすれば、アプリケータ用具をキャップから引き離しているときに生じる力の流れ方向が、連結素子を集合素子から取り外すかまたは連結素子を集合素子に連結する際の力の流れ方向及び作用方向から分離され、集合素子からのアプリケータ用具の不意の外れ落ちが防止される。
【0025】
連結素子がアプリケータ用具の作業端のためのキャップにある、別の特定の発展形において、キャップとアプリケータ用具の間の取外し可能な結合は、あらかじめ定められた閉封力がアプリケータ用具からキャップを外すための力を上回らなければならないような結合である。あらかじめ定められた閉封力は、アプリケータ用具を1つ除いた、アプリケータ用具アセンブリ全体の重量による力より実質的に大きいことが好ましい。このようにすれば、キャップとアプリケータ用具の間の結合が外れることよりアプリケータ用具アセンブリがばらばらになって地面に落ちることなしに、アプリケータ用具アセンブリを保持して、持ち歩くことができる。
【0026】
集合素子及び/または連結素子のための材料は、それぞれの素子がそれぞれの形状寸法及び材料特性によるあらかじめ定められた弾性または剛性を有するように選ばれることが好ましい。
【0027】
アプリケータ用具の作業端のためのキャップに連結素子がある発展形において、キャップの長さは集合素子の貫通開口の最小幅より実質的に小さい。したがって、アプリケータ用具が外されたキャップは集合素子の集合縁のまわりを回転することができる。したがって、特定の実施形態において、集合素子の集合開口及びそれぞれのアプリケータ用具のそれぞれの作業端のためのそれぞれのキャップにある連結素子は、アプリケータ用具が無いまま、連結素子の内側から径方向にのみ、外側に引き離すことができる。
【0028】
これは、例えば連結素子が、開口の縦軸に対して、アプリケータ用具の主軸と一致し、キャップの方向に延びることが好ましい径方向の第1の作用方向を有し、第1の作用方向とは異なる、特に第1の作用方向に対して垂直に延びる、第2の作用方向が第1の作用方向に接していれば、達成され得る。
【0029】
言い換えれば、本発明にしたがうアプリケータ用具アセンブリは、個々のアプリケータ用具の、例えば、色及び/または与えられた色調の濃淡及び/または異なる塗布幅による、順序に関するあらかじめ定められた特徴が異なる場合には特に、複数のアプリケータ用具が並べて配置された場合に、特に有益である。この点に関し、それぞれのアプリケータ用具が視覚的及び/または機械的に与えられたキャップと関係付けられるように、それぞれのアプリケータ用具のキャップが形状寸法及び/または色によるキャップコードを有していれば有益である。このようにすれば、アプリケータ用具がアセンブリ上に配置される所望のまたは適切な順序を容易に維持することができる。
【0030】
本発明の第2の態様にしたがえば、アプリケータ用具のそれぞれの他端を揚げるための少なくとも1つの手動揚げ補助具がアプリケータ用具の非作業端及び/またはキャップに設けられる。そのような揚げ補助具は、非作業端及び/またはキャップにおいて、アプリケータ用具の主軸に対して実質的に傾けられた少なくとも1つの面の形態とすることができ、特にアプリケータ用具の主軸に対して実質的に傾けられて配置された、実質的に対向する2つの面で形成することができる。揚げ補助具は、揚げ補助具の作動時にアプリケータ用具がおかれている表面に対してアプリケータ用具の他端が少なくともあらかじめ定められた揚げ高さまで梃子様に揚がることができるように構成される。揚げ高さは人間の指球の平均高で定められる指球高以上であり、特に10mmより大きいことが好ましい。手動揚げ補助具の装備は、ユーザによる、手動揚げ補助具を用いるアプリケータ用具の、容易で、簡単で、迅速な、取上げが可能になることを意味する。揚げ補助具が非作業端に装備されていれば、例えば筆記用具の場合に、作業端におけるペン先/芯先への悪影響、あるいはアプリケータ用具がおかれた表面のペン先/芯先による汚染を回避できるから有益である。
【0031】
揚げ補助具の傾斜面は、アプリケータ用具がおかれた表面とのアプリケータ用具の、梃子の支点として、すなわち軸旋回点または軸支持点として作用する、アプリケータ用具のそれぞれの端から離れている、傾斜面の端によってあらかじめ定められた、接触点として、作動時にアプリケータ用具のそれぞれの他端を揚げる。言い換えれば、揚げ運動は実質的に梃子の原理によっておこり、軸旋回点は、揚げ補助具の運動が作業端の対応する動きを生じさせるように、非作業端の揚げ補助具と作業端の間の領域に与えられる。揚げ高さは梃子のアーム長の比または軸旋回点によって定めるかまたは調節することができる。等長の梃子アームを用いると、揚げ高さは補助具がとる移動距離と同等である。高速揚げ運動をおこさせるためまたはアプリケータ用具を素早く掴めるようにするためには、揚げ補助具の移動距離が揚げ高さより小さくなるかまたは著しく小さくなる梃子比が有利である。このようにすれば、揚げ補助具の部分の短い移動距離で十分な揚げ高さを迅速に達成することができる。特に1:5ないしさらに大きい梃子比、すなわち、例えば、1cmの揚げ補助具側の梃子アーム及び5cmの作業端側の梃子アームが有利である。アプリケータ用具の少なくとも揚げ補助具がある側、特にそこに配置された揚げ補助具は、揚げ補助具部における所望の梃子機能を可能にするような曲げ剛性をもつべきであることに注意すべきである。
【0032】
揚げ動作において、本発明にしたがうアプリケータ用具のユーザは、揚げ補助具を1本またはさらに多くの指で押すことによって揚げ補助具を作動させ、よって、アプリケータ用具がおかれた表面に対する傾斜面を終点に移動させる。このようにすれば、アプリケータ用具は表面との接触点のまわりで傾く。そのような接触点は傾斜面の、アプリケータ用具に向かうかあるいはアプリケータ用具に対して内側である、末端によってあらかじめ定められる。傾き運動は接触点のまわりの回転運動であり、梃子アーム長の比に対応する態様で作業端が揚がる。揚げ高さは[角度変化の正弦]×[接触点からアプリケータ用具のそれぞれの他端までの距離]として計算することができる。したがって、揚げ運動の終点において、アプリケータ用具の作業端は支持面からあらかじめ定められた距離をとって空中にある。すなわち、アプリケータ用具の作業端は支持面から離れていて、本発明にしたがうアプリケータ用具の男性または女性のユーザは、アプリケータ用具がおかれた面上で横になった状態にある場合に行うであろうよりも、著しく容易に掴むかまたは取り上げることができる。本例においては、梃子アーム比が1:5であり、したがって揚げ補助具がとる移動距離が例えば1cmであれば、対応する揚げ高さは5cmになるであろう。
【0033】
特定の構成において、アプリケータ用具は、揚げ補助具の実装のため、アプリケータ用具の主軸に対して実質的に傾けて配置された、対向する2つの面を有する。この目的のため、アプリケータ用具の揚げ補助具が設けられる端は、例えば、チューブの端と実質的に同様の構成をもつ。チューブ形構成は、例えば独国実用新案第1938045U号明細書または独国実用新案第7911160U号明細書により既知であるが、いずれの場合も全体がチューブ形態である。チューブ形非作業端の幾何形状には、アプリケータ用具の主軸に対して実質的に傾けて配置された、対向する2つの面がある。
【0034】
2つの傾斜面を有する揚げ補助具にはさらに、本発明にしたがうアプリケータ用具をおくかまたは取り上げるときに、揚げ補助具を回転させて揚げるに特に都合の良い位置におくために注意を払う必要がないという利点がある。そのような揚げ補助具が設けられると、2つの特に都合の良い置き態様選択肢が与えられる。そのような2つの置き態様選択肢は、実質的に細長いアプリケータ用具の軸線に関し、互いに対して完全に180°をなして配置されるから、またアプリケータ用具が、方位が完璧に正確に定められた関係になくままおかれている状況においてもそれぞれの揚げプロセスは可能であるから、アプリケータ用具について上述した構成には、実際上アプリケータ用具が支持面上におかれている状況に関わらず、本発明にしたがう態様で揚げ補助具によりアプリケータ用具を揚げて掴むことができる。
【0035】
端のチューブ形構成は、それぞれの「チューブ底折畳み端」がアプリケータ用具の通常の幅より先に突き出していれば、転がり止めを設けるために用いることもできる。転がり止めは次いでアプリケータ用具の周縁の先に突き出している部分の形態で揚げ補助具に一体化される。したがって、転がり止めが揚げ補助具に一体化されている構成には、転がり止めのため、おかれていたアプリケータ用具のチューブ端にある揚げ補助具が、アプリケータ用具を用いるためのハンドリング時に、アプリケータ用具がおかれていた面に対して常に最適に配置されるという別の利点がある。
【0036】
本発明にしたがうアプリケータ用具は、アプリケータ用具の作業端が揚げ補助具の作動時に少なくともあらかじめ定められた揚げ高さまで揚がるような構成とすることができ、この点に関し、達成される揚げ高さは人間の指球の平均高さで形成される指球高以上であることが好ましい。ここで「指球高」はそれぞれの指の内側の端にある末端感覚球に対する中心の、指先に対する、または筆記用具がおかれていて、アプリケータ用具を取り上げるときに同じ指の指先がかかる、表面に対する、間隔を表す。本発明にしたがう揚げ補助具は、作動時に揚げ高さが10mmより大きくなるように、調節されることが特に好ましい。
【0037】
上述した態様において、揚がっている状態でアプリケータ用具を容易に掴み得ることを保証するためにアプリケータ用具の作業端が揚がっていなければならない最小高を定めることが可能である。言い換えれば、揚げ補助具の作動時に達成される揚げ高さが平均的なユーザの指球の平均高さに合わせて設計されるという有益な構成が提供される。このようにすればアプリケータ用具を掴むために用いられる指が、アプリケータ用具がおかれている面上に指先で支持され、はさみ具のように掴む運動において指球がアプリケータ用具と自動的に最適な接触をするから、おかれているアプリケータ用具を掴むことに関わる手順が特に簡単かつ確実になる。さらに、揚げ高さが指球高より小さくなっているときにはアプリケータ用具を正しく掴むことが著しく困難であるから、ともかく揚げ高さがアプリケータ用具を正しく掴むことができるに十分であることが保証される。揚げ高さが指球高より小さくなっているような場合、アプリケータ用具が掴まれるときにアプリケータ用具は指から滑り落ちて、おかれていた面に戻る傾向を有するであろう。このようにしてあらかじめ定めることができる揚げ高さに対する精確な値を選ぶ際に、想定ユーザの、例えば、小さな子供とは対照的な、熟練したグラフィックデザイナーの、特定の技能に、またそれぞれのユーザグループの初級の平均高さにも、揚げ高さを適合させることができる。本発明にしたがうアプリケータ用具はこのようにして、予期されるユーザグループに関し、さらに一層良く個人化することができる。
【0038】
本発明にしたがうアプリケータ用具または、少なくとも、本発明にしたがう揚げ補助具は、実質的に曲げ剛性が高い材料、特に、プラスチック、木材、金属または金属合金でつくられることが好ましい。特に、プラスチックでつくると、本発明にしたがうアプリケータ用具の製造における費用効率に関して大きな利点が得られる。好ましい曲げ剛性の高い構成によりさらに、アプリケータ用具の作業端の所望の揚げ高さに関する限り、アプリケータ用具の弾性を考慮するかまたは補償する必要はないから、揚げ補助具の揚げ運動及び構造形状の簡素化が可能になる。むしろ、本質的に曲げ剛性の高いアプリケータ用具により、アプリケータ用具の揚げ補助具と作業端の間に実質的に完全な梃子システムが得られる。
【0039】
本発明の第3の態様にしたがえば、キャップ、特に好ましくはキャップが集合素子に永久的には連結されない実施形態において、キャップは、アプリケータ用具の、閉封されるべき、作業端を受け入れるための少なくとも1つの受入れ開口及び受入れ開口の断面積に実質的に垂直な閉封軸に加えて、少なくとも1つの通気路を有する。閉封軸は通気路断面に対して少なくとも部分的には実質的に垂直である。この目的のため、封止キャップは外側部分及び内側部分を有することができ、よって少なくとも1つの通気路が外側部分と内側部分の間に形成され得る。通気路をさらに備えることは、キャップが集合素子から外れる、すなわち永久的には集合素子に連結されていない場合に、あるいはキャップの代わりにアプリケータ用具が集合素子への連結のために設計されている場合に、上で論じたISO標準11540による要件にしたがうために有益である。
【0040】
好ましい構成において、少なくとも1つの通気路は少なくとも一部が、キャップの実施形態で集合素子に連結されることが想定され得る連結素子で終わることができる。このようにすれば、そうでなければ外部からアクセスできる通気路開口が、連結素子で遮蔽され得るという利点が得られる。連結素子が例えば貫通開口の形態にあれば少なくとも1つの通気路は貫通開口に、好ましくは貫通開口内に、開くことができる。
【0041】
封止キャップはさらに、例えば、外側部分が内側部分に少なくとも1つの脚によって連結されるような構造形状をとることができる。少なくとも1つの通気路は少なくとも1つの脚と内側部分と外側部分の間に形成することができる。複数の脚が用いられる場合、対応する複数の通気路を形成することができる。そのような実施形態には、とりわけ、射出成形法を用いて比較的容易に作成できるという利点がある。通気路が内側部分と外側部分の間に設けられるという事実は、内側部分を、例えば筆記用具先端に対して気密封止関係を与えるために、事実上内部に配置されるキャップの形態とすることができる。このようにすれば、完全に封止された独立空間を設けることができ、それにもかかわらず、封止キャップ全体に関し、通気路を通じる所望の通気性はそのまま残る。少なくとも1つの通気路の他端は、受入れ開口の領域、特に好ましくはキャップの内側にあることが特に好ましい。
【0042】
少なくとも1つの通気路が連結素子の開口で少なくとも一部が終わっていれば、開口は通気路の上端を相互に対向する開口端に分割する。このようにすれば−既述したように−一方では通気路開口が遮蔽されるが、通気路を延長する空気誘導手段により、連結素子はいわゆる「拡散板」機能を果たし、よって、対向して配置された開口端の一方の閉塞または遮断によって通気路を通る空気流が完全に妨げられることはない。開口に侵入した閉塞物または付着物は、光にかざしてみた場合は特に、極めて容易に検出することができ、除去することができる。さらに、そのような構成においてはいかなる付着物または閉塞物も、連結素子として作用している開口から、適切な工具を用い、工具を開放端の一方に挿入して付着物または閉塞物を他方の側から押し出すことによって、容易に除去することができる。付着物または閉塞物は容易に検出できるが、見逃されしまった場合には、少なくとも、アプリケータ用具を集合素子の集合端に連結するかまたは集めるときに、そのような閉塞物は検出される、及び/またはうまく嵌め合わることができたときに自動的に除去されることさえあり、よって通気路への悪影響は排除されるであろう。
【0043】
少なくとも1つの通気路の好ましくは外側部分と内側部分の間の配置は、通気路が,一方では隠され、また他方では封止キャップの外側部分の外側掴み面から安全な距離にあることを意味する。そのような配置により、避けられるべき通気路の閉塞に関する別の保護手段が与えられる。隠蔽配置は、そのようにすれば通気路の閉塞がさらに一層良く防止され得るから有益である。通気路を閉塞させ得るであろう付着物が内側領域と外側領域の間の領域に入り込む確率は、通気路に実質的にアクセスできる態様に比較して、著しく小さい。少なくとも1つの通気路が連結素子に向けて開いている実施形態において、通気路のその端はさらに一層良く閉塞から保護される。例えば内側領域と外側領域の間の保護領域またはその他の別途に保護される領域に、別の通気路を設けることも可能であることは当然であろう。
【0044】
本発明の別の態様は、アプリケータ用具アセンブリに関して前述したアプリケータ用具の特徴を有し、したがって本発明にしたがうアプリケータ用具アセンブリに用いるに適する、アプリケータ用具に関する。
【0045】
本発明のまた別の態様は、アプリケータ用具アセンブリのための少なくとも1つの集合素子及び、本発明にしたがうアプリケータ用具アセンブリを形成するために集合素子に連結させることができる、複数のアプリケータ用具を含むパーツキット、特にセールスユニットに関する。
【0046】
本発明の別の有利な構成及びそれらに関する例としての多くの実施形態が、添付図面を参照して、以下でさらに詳細に説明される。特定の実施形態の説明に用いられる、「左」、「右」、「上」及び「下」は、参照数字及び図番号を普通に読むことができる向きにおいて図面に関係付けられる。