特許第5756104号(P5756104)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5756104
(24)【登録日】2015年6月5日
(45)【発行日】2015年7月29日
(54)【発明の名称】電動工具用電源装置
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/00 20060101AFI20150709BHJP
   H01M 8/00 20060101ALI20150709BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20150709BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20150709BHJP
【FI】
   B25F5/00 H
   H01M8/00 A
   H01M8/00 Z
   H01M10/44 P
   H01M10/48 P
【請求項の数】7
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-521540(P2012-521540)
(86)(22)【出願日】2011年6月23日
(86)【国際出願番号】JP2011064458
(87)【国際公開番号】WO2011162357
(87)【国際公開日】20111229
【審査請求日】2013年12月26日
(31)【優先権主張番号】特願2010-142720(P2010-142720)
(32)【優先日】2010年6月23日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】梅村 卓也
(72)【発明者】
【氏名】山田 徹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 均
【審査官】 石田 智樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−278375(JP,A)
【文献】 特開2008−260118(JP,A)
【文献】 特開平07−065868(JP,A)
【文献】 特開2008−067496(JP,A)
【文献】 特開2008−132551(JP,A)
【文献】 特開2008−132549(JP,A)
【文献】 特開2004−289973(JP,A)
【文献】 特開2006−122463(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 5/00
H01M 8/00
H01M 10/44
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動工具に電力を供給する電動工具用の電源装置であって、
前記電動工具から離脱可能に該電動工具と電気的に接続されるアダプタと、
燃料と酸化剤とを酸化反応させることにより、前記電動工具に供給される電力を発生させる燃料電池と、
前記電動工具に接続されて該電動工具に電力を供給する少なくとも1つの二次電池を装着可能に構成された少なくとも1つの電気的接続部と、
前記アダプタを、前記燃料電池及び前記少なくとも1つの電気的接続部と電気的に接続するケーブルと
前記少なくとも1つの二次電池に、前記燃料電池で発電された電力を充電するための充電装置と、
前記アダプタが前記電動工具に接続されているか否かを判定する接続判定装置と
を備え、
前記充電装置は、第1充電モード及び第2充電モードを含む複数の充電動作モードを備え、
前記第1充電モードは、前記接続判定装置により前記アダプタが前記電動工具に接続されていないと判定された場合に実行され、
前記第2充電モードは、前記接続判定装置により前記アダプタが前記電動工具に接続されていると判定された場合に実行される、電源装置。
【請求項2】
請求項に記載の電源装置であって、
前記燃料電池から供給される電力を蓄える蓄電機能、及び前記アダプタを介して前記電動工具に電力を供給する放電機能を有する、少なくとも1つの蓄電装置を備えている、電源装置。
【請求項3】
請求項に記載の電源装置であって、
前記少なくとも1つの蓄電装置は、前記充電装置により充電される、電源装置。
【請求項4】
請求項に記載の電源装置であって、
前記第2充電モードは、前記第1充電モードにおける電圧値よりも低い電圧値、及び該第1充電モードにおける電流値よりも小さい電流値の一方にて充電を行う充電動作モードである、電源装置。
【請求項5】
請求項ないしのいずれか1項に記載の電源装置であって、
前記少なくとも1つの蓄電装置は、複数の蓄電装置であり、
前記電源装置は、
前記複数の蓄電装置から、前記放電機能により放電を実行する蓄電装置と前記蓄電機能により充電される蓄電装置とを選択する選択装置を備える、電源装置。
【請求項6】
請求項に記載の電源装置であって、
前記選択装置によって前記放電機能による放電を実行する蓄電装置である放電源として選択された前記蓄電装置に蓄えられた電力が予め設定された下限に達しているか否かを判定する下限到達判定装置を備え、
前記選択装置は、前記放電源として選択された前記蓄電装置に蓄えられた電力が前記下限に達していると前記下限到達判定装置が判定したときに、該放電源として選択された該蓄電装置を充電対象に切り替える、電源装置。
【請求項7】
請求項に記載の電源装置であって、
前記選択装置によって充電対象として選択された前記蓄電装置に蓄えられた電力が予め設定された上限に達しているか否かを判定する上限到達判定装置を備え、
前記選択装置は、前記充電対象として選択された前記蓄電装置に蓄えられた電力が前記上限に達していると前記上限到達判定装置が判定したときに、該充電対象として選択された該蓄電装置を放電源に切り替える、電源装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本国際出願は、2010年6月23日に日本国特許庁に出願された日本国特許出願第2010−142720号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2010−142720号の全内容を参照により本国際出願に援用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、電動工具に電力を供給する電動工具用電源装置に関する。
【背景技術】
【0003】
例えば、下記特許文献1に記載の電動工具用電源装置は、電動工具に電気的に接続されるアダプタ、及び電動工具に電力を供給する二次電池等から構成されている。
そして、特許文献1に記載の発明では、二次電池に蓄えられている電力が減少して、二次電池が深放電状態となると、電動工具を作動させるのに十分な電力を二次電池から得られないので、二次電池を充電する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−145276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電動工具の稼働可能時間を長くするには、二次電池の容量を大きくする必要があるが、二次電池の容量が大きくなるほど、深放電状態の二次電池を満充電状態まで充電するのに要する時間が長くなる。
【0006】
そして、特許文献1に記載の発明では、充電時間中に電動工具を稼働させることができないので、電動工具を使用した作業が中断する時間が長くなってしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、上記点に鑑み、電動工具を使用した作業の中断時間を1つの電源装置でも短くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明は、電動工具に電力を供給する電動工具用の電源装置であって、電動工具と電気的に接続されるアダプタと、燃料と酸化剤とを酸化反応させることにより、アダプタを介して電動工具に供給される電力を発生させる燃料電池とを備える、電源装置である。
【0009】
本発明に係る電源装置では、電動工具に供給される電力は、燃料電池により発電されており、燃料電池は、燃料等の残量が減少したときに燃料等を補充することにより、容易に発電を再開させることができる。
【0010】
そして、燃料等を補充するために必要な時間は、通常、深放電状態の二次電池を満充電状態まで充電するのに要する時間に比べて短いので、電動工具を使用した作業の中断時間を1つの電源装置でも短くすることができる。
【0011】
本発明の電源装置は、電動工具に接続されてその電動工具に電力を供給する二次電池に、燃料電池で発電された電力を充電するための充電装置を有してもよい。
また、本発明の電源装置は、燃料電池から供給される電力を蓄える蓄電機能、及びアダプタを介して電動工具に電力を供給する放電機能を有する、少なくとも1つの蓄電装置を備えてもよい。
【0012】
また、少なくとも1つの蓄電装置は、充電装置により充電されてもよい。
また、アダプタが電動工具から離脱可能に電動工具と電気的に接続される場合、本発明の電源装置は、アダプタが電動工具に接続されているか否かを判定する接続判定装置を備えてもよい。この場合、充電装置は、第1充電モード及び第2充電モードを含む複数の充電動作モードを備え、第1充電モードは、接続判定装置によりアダプタが電動工具に接続されていないと判定された場合に実行され、第2充電モードは、接続判定装置によりアダプタが電動工具に接続されていると判定された場合に実行されてもよい。
【0013】
第2充電モードは、第1充電モードにおける電圧値よりも低い電圧値、及び第1充電モードにおける電流値よりも小さい電流値の一方にて充電を行う充電動作モードであってもよい。
【0014】
また、少なくとも1つの蓄電装置が複数の蓄電装置である場合、本発明に係る電源装置は、複数の蓄電装置から、放電機能により放電を実行する蓄電装置と蓄電機能により充電される蓄電装置とを選択する選択装置を備えてもよい。
【0015】
また、本発明の電源装置は、選択装置によって放電源として選択された蓄電装置に蓄えられた電力が予め設定された下限に達しているか否かを判定する下限到達判定装置を備えてもよい。この場合、選択装置は、放電源として選択された蓄電装置に蓄えられた電力が下限に達していると下限到達判定装置が判定したときに、その放電源として選択された蓄電装置を充電対象に切り替えてもよい。
【0016】
なお、下限は、どのような大きさに設定されてもよい。例えば、蓄電装置が深放電状態(すなわち、蓄電装置に蓄えられた電力が電動工具を作動させるには不十分な状態)であるときに蓄電装置に蓄えられている電力の大きさを下限に設定してもよい。
【0017】
また、本発明の電源装置は、選択装置によって充電対象として選択された蓄電装置に蓄えられた電力が予め設定された上限に達しているか否かを判定する上限到達判定装置を備えてもよい。この場合、選択装置は、充電対象として選択された蓄電装置に蓄えられた電力が上限に達していると上限到達判定装置が判定したときに、その充電対象として選択された蓄電装置を放電源に切り替えてもよい。
【0018】
なお、上限は、どのような大きさに設定されてもよい。例えば、蓄電装置が満充電状態であるときに蓄電装置に蓄えられている電力の大きさを上限に設定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1実施形態に係る電源装置の概念図である。
図2】第1実施形態に係る電源装置のブロック図である。
図3A】第1実施形態に係る電源装置の充電制御処理の一部を示すフローチャートである。
図3B】第1実施形態に係る電源装置の充電制御処理の残りの部分を示すフローチャートである。
図4】本発明の第2実施形態に係る電源装置の概念図である。
図5】第2実施形態に係る電源装置のブロック図である。
図6A】第2実施形態に係る電源装置の充電制御処理の一部を示すフローチャートである。
図6B】第2実施形態に係る電源装置の充電制御処理の別の一部を示すフローチャートである。
図6C】第2実施形態に係る電源装置の充電制御処理のさらに別の一部を示すフローチャートである。
図6D】第2実施形態に係る電源装置の充電制御処理の残りの部分を示すフローチャートである。
図7A】本発明の第3実施形態に係る電源装置の充電制御処理の一部を示すフローチャートである。
図7B】第3実施形態に係る電源装置の充電制御処理の残りの部分を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0020】
1…電動工具、1A…電池パック、10…電源装置、11…アダプタ、11A…ケーブル、13…燃料電池、15…二次電池、17…電源ケーシング、17A…背負いベルト、19…電流検出器、21…第1スイッチ素子、23…第2スイッチ素子、25…制御部、27…電源部
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の各実施形態は、電動ドライバーや電動ドリル等の電動工具に電力を供給する電動工具用電源装置に本発明を適用した例であり、図面と共に説明する。
(第1実施形態)
1.電動工具用電源装置の概要
図1に示すように、本第1実施形態に係る電動工具用電源装置10(以下、電源装置10と略称する。)は、アダプタ11、(図2に示す)燃料電池13、及び二次電池15等を含んでいる。なお、燃料電池13は電源ケーシング17に収納され、二次電池15は電源ケーシング17の外壁面(本第1実施形態では、上面側外壁面)から離脱可能に外壁面に装着されている。
【0022】
電源ケーシング17には1対の背負いベルト17Aが設けられており、ユーザは、電源装置10を背負った状態で電動工具1を使用することができる。
また、アダプタ11は、1対のケーブル11Aを介して燃料電池13及び二次電池15等に電気的に接続されているとともに、電動工具1から離脱可能に電動工具1に物理的に装着されて電動工具1と電気的に接続される中継器である。燃料電池13は、燃料と酸化剤とを酸化反応させることにより電力を発生し、二次電池15は、充放電可能な化学電池やキャパシタ等である。
【0023】
なお、本第1実施形態に係る燃料電池13は、改質後の燃料(水素)を当該燃料電池13における発電要素に供給するのではなく、図示しない燃料タンクに蓄えられた液体燃料(メタノール)を発電要素に直接供給する直接メタノール型燃料電池(DMFC)を採用している。
【0024】
また、本第1実施形態では、アダプタ11は、少なくとも電動工具1との電気的接続部(接続端子)が、電動工具用電池パック1A(以下、電池パック1Aと略称する。)の電気的接続部(接続端子)と同一の配置・形状に構成されている。
【0025】
このため、ユーザは、アダプタ11を介して電源装置10から電力の供給を受けて電動工具1を稼働させる場合、及び電池パック1Aから電力の供給を受けて電動工具1を稼働させる場合のいずれかをユーザの自由意志で選択することができる。
【0026】
電池パック1Aとは、電動工具1に直接的に装着される電源であって、一次電池又は二次電池にて構成されるものであるが、本第1実施形態では、充放電可能な化学電池やキャパシタ等にて構成されている。
【0027】
また、本第1実施形態では、二次電池15として電池パック1Aと同一又は互換性のある二次電池を使用しているので、電源ケーシング17に設けられた二次電池15との電気的接続部(接続端子)は、電池パック1Aが装着可能な配置・形状に構成されている。
【0028】
2.電源装置の電気的構成
図2に示すように、電源ケーシング17内には、燃料電池13、電流検出器19、第1スイッチ素子21、第2スイッチ素子23及び制御部25等が収納されている。
【0029】
なお、燃料電池13と二次電池15とは、互いに並列に接続された状態でアダプタ11(電動工具1)に接続されているので、アダプタ11(電動工具1)には、燃料電池13及び二次電池15のうちの少なくとも一方から電力(電流)が供給される。そこで、以下、燃料電池13及び二次電池15を総称するときは、電源部27という。
【0030】
そして、第1スイッチ素子21は、電源部27からアダプタ11に至る電流経路を開閉する。第2スイッチ素子23は、燃料電池13から出力される電流の経路を開閉する。より具体的には、第2スイッチ素子23がONすると、燃料電池13から電流が流れて燃料電池13の電力が供給され、一方、第2スイッチ素子23がOFFすると、燃料電池13からの電力供給が停止する。
【0031】
これら第1スイッチ素子21及び第2スイッチ素子23の動作は制御部25により制御されている。この制御部25は、演算部及び記憶部等を含むマイクロコンピュータによって構成されているとともに、二次電池15から電力の供給を受けて動作する。電流検出器19は、電源部27からアダプタ11(電動工具1)に供給される電流値を検出する。電流検出器19から出力される検出信号は、制御部25に入力される。
【0032】
なお、制御部25には、アダプタ11が電動工具1に接続されているか否かを示す信号が伝送される信号線L1、燃料電池13が接続されているか否かを示す信号、及び燃料電池13用の燃料の残量又は燃料電池13の出力電圧値を示す信号が伝送される信号線L2、並びに二次電池15の出力電圧値を示す信号及び出力電流値を示す信号が伝送される信号線L3が接続されている。
【0033】
3.電源装置の動作
制御部25は、当該制御部25に内蔵されたROM等の図示しない記憶部に記憶されたプログラムにしたがって、図3A−3Bのフローチャートに示される充電制御処理を実行して、第1スイッチ素子21及び第2スイッチ素子23のON/OFFを制御することにより二次電池15への充電等を制御する。制御部25の記憶部には、この充電制御処理を実行するためのプログラム、及び二次電池15を充電する際の充電電流値及び充電電圧値が記憶されている。
【0034】
充電制御処理は、下記タイミング(a)〜(c)のいずれかが到来すると実行される。
(a)二次電池15が電源装置10に装着されたタイミング
(b)アダプタ11が電動工具1に対して着脱されたタイミング
(c)アダプタ11が電動工具1に接続されたまま電動工具1が作動していない状態が所定時間継続した後、電動工具1が作動したタイミング
なお、制御部25は、二次電池15から電力の供給を受けて動作するので、充電制御処理は二次電池15が電源装置10に装着されていないときには実行されない。そして、二次電池15が電源装置10に装着されると、制御部25に電力が供給されて充電制御処理が実行される。その後、充電制御処理が終了すると、上記(b)又は(c)のタイミングが到来したときに、再び、充電制御処理が実行される。
【0035】
燃料電池13が接続されていない場合、及び燃料電池13用の燃料の残量又は燃料電池13の出力電圧が所定値以下となった場合には、その旨の警告(本第1実施形態では、警告ランプの点灯)が発生される。
【0036】
そして、充電制御処理が開始されると、先ず、アダプタ11が電動工具1に接続されているか否かが判定され(S1)、アダプタ11が電動工具1に接続されていないと判定された場合には(S1:NO)、第1充電モードにて二次電池15を充電すべく、第1充電モード用の充電電流値及び充電電圧値が、ROMから取得される(S3)。
【0037】
次に、二次電池15に蓄えられている電力量、つまり充電量が測定された後(S5)、二次電池15が満充電状態であるか否かが判定される(S7)。なお、本第1実施形態では、二次電池15の出力電圧値に基づいて、充電量の測定及び満充電状態であるか否かの判定がなされる。つまり、二次電池15の出力電圧値が満充電状態を示す電圧値以上であれば、満充電状態であると判定する。
【0038】
そして、二次電池15が満充電状態であると判定された場合には(S7:YES)、第1スイッチ素子21及び第2スイッチ素子23がOFFされた後(S9)、本充電制御処理が終了する。
【0039】
一方、二次電池15が満充電状態でないと判定された場合には(S7:NO)、第2スイッチ素子23がONされた後(S11)、再び、S5が実行される。つまり、燃料電池13から二次電池15に電力が供給されて二次電池15が満充電状態となるまで二次電池15が充電される。このとき、二次電池15は、S3にてROMから取得された第1充電モード用の充電電流値及び充電電圧値にて充電される。
【0040】
本第1実施形態では、充電電流値及び充電電圧値が第1充電モード用の充電電流値及び充電電圧値となるように、第2スイッチ素子23を周期的にON/OFFしている。つまり、S11では、第2スイッチ素子23を所定時間ONして、燃料電池13から電力を所定時間出力させる。なお、充電電流値及び充電電圧値を調整するための制御部を別途設けて第2スイッチ素子23を連続的にONしてもよい。
【0041】
また、S1にてアダプタ11が電動工具1に接続されていると判定された場合には(S1:YES)、二次電池15に蓄えられている充電量が測定された後(S13)、その充電量が満充電状態の30%を超えているか否かが判定され(S15)、充電量が満充電状態の30%以下であると判定された場合には(S15:NO)、第1充電モード用の充電電流値及び充電電圧値が、ROMから取得される(S17)。
【0042】
次に、第1スイッチ素子21がOFFされ(S19)、第2スイッチ素子23がONされた後(S21)、再び、S13が実行される。つまり、燃料電池13から二次電池15に電力が供給されて充電量が満充電状態の30%を超えるまで、二次電池15は、S17にてROMから取得された第1充電モード用の充電電流値及び充電電圧値にて充電される。
【0043】
なお、充電電流値及び充電電圧値の具体的な制御手法は、アダプタ11が電動工具1に接続されていないと判定された場合と同様な手法である。
また、S15にて充電量が満充電状態の30%を超えていると判定された場合には(S15:YES)、第1スイッチ素子21がONされて(S23)、電源装置10が電動工具1に電力を供給することが可能な状態となった後、電流検出器19の検出値に基づいて電動工具1に供給している電力、つまり負荷電流が測定される(S25)。
【0044】
次に、二次電池15の充電量が満充電状態の80%を超えているか否かが判定され(S27)、充電量が満充電状態の80%を超えていると判定された場合には(S27:YES)、S25にて測定された負荷電流の値に基づいて電動工具1が稼働しているか否かが判定される(S29)。
【0045】
そして、電動工具1が稼働していると判定された場合には(S29:YES)、再び、S13が実行され、一方、電動工具1が稼働していないと判定された場合には(S29:NO)、第1スイッチ素子21及び第2スイッチ素子23がOFFされた後(S31)、本充電制御処理が終了する。
【0046】
また、S27にて二次電池15の充電量が満充電状態の80%以下であると判定された場合には(S27:NO)、第2充電モードにて二次電池15を充電すべく、第2充電モード用の充電電流値及び充電電圧値が、ROMから取得される(S33)。
【0047】
次に、第2スイッチ素子23がONされた後(S35)、再び、S13が実行される。つまり、燃料電池13から二次電池15に電力が供給されて充電量が満充電状態の80%を超えるまで、二次電池15は、S33にてROMから取得された第2充電モード用の充電電流値及び充電電圧値にて充電される。
【0048】
なお、充電電流値及び充電電圧値の具体的な制御手法は、アダプタ11が電動工具1に接続されていないと判定された場合と同様な手法である。
ここで、第2充電モード用の充電電流値及び充電電圧値は、第1充電モード用の充電電流値及び充電電圧値に比べて、その絶対値が低い(小さい)値に設定されている。本第1実施形態では、二次電池15としてリチウムイオン電池を用いているので、1セル当たりの第1充電モード用の充電電流値は約2C(Cは充電レートを表す単位)であり、第1充電モード用の充電電圧値は約4.2Vであり、第2充電モード用の充電電流値は約1C(Cは充電レートを表す単位)であり、第2充電モード用の充電電圧値は約4.0Vである。
【0049】
4.本第1実施形態に係る電源装置の特徴
本第1実施形態では、電動工具1に供給される電力は、燃料電池13により発電されており、燃料電池13は、燃料等の残量が減少したときに燃料等を補充することにより、容易に発電を再開させることができる。
【0050】
そして、燃料等を補充するために必要な時間は、通常、深放電状態の二次電池を満充電状態まで充電するのに要する時間に比べて短いので、電動工具1を使用した作業の中断時間を1つの電源装置1でも短くすることができる。つまり、電動工具1の実質的な稼働可能時間を1つの電源装置10でも長くすることができる。
【0051】
本第1実施形態に係る燃料電池13の燃料タンクは、着脱可能なカートリッジ方式のタンクであるので、燃料タンクを交換することにより容易に燃料を補充することができる。
また、本第1実施形態では、燃料電池13で発電された電力を電池パック1Aに充電することができるので、電源装置10を電池パック1Aの充電器としても使用することができる。
【0052】
また、本第1実施形態では、燃料電池13から供給された電力を蓄える蓄電機能、及びアダプタ11を介して電動工具1に電力を供給する放電機能を有する二次電池15を備えているので、長時間、安定的に電力を電動工具1に供給することができる。
【0053】
また、本第1実施形態では、電池パック1Aの接続端子と二次電池15の接続端子とを同一の配置・形状として互換性を維持しているので、電池パック1Aおよび二次電池15の双方を充電することができるとともに、電池パック1Aを二次電池15として利用することもできる。
【0054】
また、本第1実施形態では、第1充電モードは、アダプタ11が電動工具に接続されていないと判定された場合に実行され、一方、第2充電モードは、アダプタ11が電動工具に接続されていると判定された場合に実行されるので、二次電池15の寿命を損なうことなく充電を実行することができる。
【0055】
つまり、電動工具1を稼働させながら二次電池15に充電を行うと、長時間二次電池15に負荷が加わることにより二次電池15に対する負荷が大きくなるので、二次電池15の寿命を損なうおそれがあるが、本第1実施形態では、電動工具1が稼働し得る状態であるアダプタ11が電動工具1に接続されていると判定された場合には、電動工具1が稼働しない状態であるアダプタ11が電動工具1に接続されていないと判定された場合に比べて、低い電圧値又は小さい電流値にて充電を行うので、二次電池15に対する負荷が大きくなることを抑制でき、二次電池15の寿命を損なうことを抑制できる。
【0056】
5.発明特定事項と本第1実施形態との対応関係
本第1実施形態では、二次電池15が本発明における蓄電装置の一例であり、電池パック1Aが本発明における二次電池の一例であり、制御部25が接続判定装置の一例及び充電装置の一例である。
【0057】
(第2実施形態)
図4に示すように、本第2実施形態に係る電源装置10は、複数の二次電池15が装着可能に構成されているとともに、図5に示すように、第1スイッチ素子21及び第2スイッチ素子23が二次電池15毎に設けられている。
【0058】
なお、本第2実施形態は、複数の二次電池15が装着可能な構成としたものであるが、以下、説明を容易にするために、2つの二次電池15が装着されている場合を例に本第2実施形態を説明する。
【0059】
そして、二次電池15が装着される複数の装着部(本第2実施形態では2つの装着部)のうち、第1の装着部に装着された二次電池15を第1の二次電池15Aと呼び、第2の装着部に装着された二次電池15を第2の二次電池15Bと呼び、第1の二次電池15A及び第2の二次電池15Bを総称するときは二次電池15と記す。
【0060】
また、第1の二次電池15A用の第1スイッチ素子21、第2スイッチ素子23それぞれを第1スイッチ素子21A、第2スイッチ素子23Aと記し、第2の二次電池15B用の第1スイッチ素子21、第2スイッチ素子23それぞれを第1スイッチ素子21B及び第2スイッチ素子23Bと記し、第1スイッチ素子21A、21Bを総称するときは第1スイッチ素子21と記し、第2スイッチ素子23A、23Bを総称するときは第2スイッチ素子23と記す。
【0061】
1.電源装置の動作
図6A,6B,6C及び図6Dは、本第2実施形態に係る電源装置10における充電制御処理を示すフローチャートであり、この充電制御処理も第1実施形態と同様なタイミングで実行される。なお、制御部25は、第1の二次電池15A及び第2の二次電池15Bのうち少なくとも一方から電力の供給を受けて動作するので、いずれの二次電池15も電源装置10に装着されていないときには充電制御処理は実行されない。
【0062】
そして、充電制御処理が実行されると、図6A−6Dに示すように、先ず、電源装置10に装着されている二次電池15の個数が2個であるか否かが判定され(S41)、装着されている二次電池15の個数が2個でない、つまり1個であると判定された場合には(S41:NO)、いずれの装着部に二次電池15が装着されているのかが認識される(S43)。以下、S43にて第1の装着部に二次電池15が装着されていると認識されたものとして説明する。
【0063】
次に、第1の二次電池15Aの充電量が測定された後(S45)、第1の二次電池15Aが満充電状態であるか否かが判定され(S47)、第1の二次電池15Aが満充電状態でないと判定された場合には(S47:NO)、第1の二次電池15A用の第2スイッチ素子23AがONされた後(S49)、再び、S45が実行される。
【0064】
一方、第1の二次電池15Aが満充電状態であると判定された場合には(S47:YES)、第1スイッチ素子21及び第2スイッチ素子23がOFFされた後(S51)、本充電制御処理が終了する。つまり、第1の二次電池15Aが満充電状態となるまで充電され、満充電状態となると、充電制御が終了する。なお、本第2実施形態では、二次電池15への充電は、上記した第1充電モードにて実行される。
【0065】
また、S41にて装着されている二次電池15の個数が2個であると判定された場合には(S41:YES)、第1の二次電池15A及び第2の二次電池15Bの充電量が測定された後(S53)、アダプタ11が電動工具1に接続されているか否かが判定される(S55)。
【0066】
そして、アダプタ11が電動工具1に接続されていないと判定された場合には(S55:NO)、第1スイッチ素子21(21A、21B)がOFFされた後(S57)、第1の二次電池15Aが満充電状態であるか否かが判定される(S59)。
【0067】
このとき、第1の二次電池15Aが満充電状態でないと判定された場合には(S59:NO)、第1の二次電池15A用の第2スイッチ素子23AがONされ(S61)、第1の二次電池15Aの充電量が測定された後(S63)、再び、S59が実行される。これにより、第1の二次電池15Aが満充電状態となるまで充電される。
【0068】
そして、第1の二次電池15Aが満充電状態であると判定された場合には(S59:YES)、第2の二次電池15Bが満充電状態であるか否かが判定され(S65)、第2の二次電池15Bが満充電状態でないと判定された場合には(S65:NO)、第2の二次電池15B用の第2スイッチ素子23BがONされる(S67)。
【0069】
次に、第2の二次電池15Bの充電量が測定された後(S69)、再び、S65が実行され、第2の二次電池15Bが満充電状態となるまで充電される。そして、第2の二次電池15Bが満充電状態であると判定された場合には(S65:YES)、第1スイッチ素子21及び第2スイッチ素子23がOFFされた後(S71)、本充電制御処理が終了する。
【0070】
また、S55にてアダプタ11が電動工具1に接続されていると判定された場合には(S55:YES)、第1の二次電池15Aの充電量と第2の二次電池15Bの充電量とが比較されて充電量の大きい方の二次電池が選択される(S73)。なお、以下、S73にて第1の二次電池15Aが充電量の大きい方の二次電池として選択されたものとして説明する。
【0071】
次に、第1の二次電池15Aの充電量が満充電状態の30%以上であるか否かが判定され(S75)、充電量が満充電状態の30%未満であると判定された場合には(S75:NO)、第1の二次電池15A用の第2スイッチ素子23AがONされる(S77)。
【0072】
その後、第1の二次電池15A及び第2の二次電池15Bの充電量が測定された後(S79)、再び、S75が実行される。つまり、第1の二次電池15Aの充電量が満充電状態の30%以上となるまで、第1の二次電池15Aへの充電が実行される。
【0073】
また、第1の二次電池15Aの充電量が満充電状態の30%以上であると判定された場合には(S75:YES)、第1の二次電池15A用の第2スイッチ素子23AがOFFされるとともに、第1の二次電池15A用の第1スイッチ素子21AがONとなり(S81)、第1の二次電池15Aから電動工具1に電力を供給することが可能な状態となる。
【0074】
次に、第2の二次電池15Bが満充電状態であるか否か判定され(S83)、第2の二次電池15Bが満充電状態でないと判定された場合には(S83:NO)、第2の二次電池15B用の第2スイッチ素子23BがONされて第2の二次電池15Bへの充電が開始された後(S92)、第1の二次電池15A及び第2の二次電池15Bの充電量が測定される(S91)。
【0075】
一方、第2の二次電池15Bが満充電状態であると判定された場合には(S83:YES)、第2の二次電池15B用の第2スイッチ素子23BがOFFされて第2の二次電池15Bへの充電が停止された後(S85)、電流検出器19の検出値に基づいて電動工具1に供給している電力、つまり負荷電流が測定される(S87)。
【0076】
次に、S87にて測定された負荷電流の値に基づいて電動工具1が稼働しているか否かが判定され(S89)、電動工具1が稼働していると判定された場合には(S89:YES)、第1の二次電池15A及び第2の二次電池15Bの充電量が測定された後(S91)、第1の二次電池15Aの充電量が満充電状態の0%とみなすことが可能な程度まで低下したか否かが判定される(S93)。
【0077】
そして、第1の二次電池15Aの充電量が満充電状態の0%とみなすことが可能な程度まで低下していないと判定された場合には(S93:NO)、再び、S83が実行され、一方、第1の二次電池15Aの充電量が満充電状態の0%とみなすことが可能な程度まで低下したと判定された場合には(S93:YES)、第1の二次電池15A用の第1スイッチ素子21AがOFFされ(S95)、第1の二次電池15Aから電動工具1への電力供給が停止される。
【0078】
次に、第2の二次電池15Bの充電量が満充電状態の30%を超えているか否かが判定され(S97)、第2の二次電池15Bの充電量が満充電状態の30%以下であると判定された場合には(S97:NO)、第1の二次電池15A及び第2の二次電池15Bの充電量が測定された後(S99)、再びS97が実行される。
【0079】
一方、第2の二次電池15Bの充電量が満充電状態の30%を超えていると判定された場合には(S97:YES)、S73が再び実行される。このとき、第1の二次電池15Aの充電量が第2の二次電池15Bの充電量より小さくなっているので、第2の二次電池15Bが選択される(S73)。
【0080】
つまり、放電源として選択された二次電池15が深放電状態となったときに、その放電源として選択された二次電池15が充電対象の二次電池15に選択されるとともに、それまで充電対象として選択されていた二次電池15が放電源の二次電池15として選択されることとなる。
【0081】
また、S89にて電動工具1が稼働していないと判定された場合には(S89:NO)、S73にて放電源として選択された二次電池15用の第1スイッチ素子21(この場合は、第1の二次電池15A用の第1スイッチ素子21A)がOFFされた後(S101)、放電源として選択された二次電池15(以下、第1の二次電池15Aと記す。)の充電量が測定される(S103)。
【0082】
そして、第1の二次電池15Aが満充電状態であるか否かが判定され(S105)、満充電状態でないと判定された場合には(S105:NO)、第1の二次電池15A用の第2スイッチ素子23AがONされて第1の二次電池15Aへの充電が開始された後(S107)、再び、S101が実行される。
【0083】
その後、第1の二次電池15Aが満充電状態であると判定された場合には(S105:YES)、第1スイッチ素子21及び第2スイッチ素子23がOFFされた後(S109)、本充電制御処理が終了する。
【0084】
2.本第2実施形態に係る電源装置の特徴
本第2実施形態では、複数の二次電池15が装着可能であるので、電動工具1の稼働時間を長くすることができる。
【0085】
また、本第2実施形態では、複数の二次電池15から、放電機能により放電させる二次電池と蓄電機能により充電させる二次電池とを選択するので、二次電池15に対する負荷を軽減することができ、二次電池15の寿命が損なわれることを抑制しつつ、電動工具1の稼働時間を長くすることができる。
【0086】
また、本第2実施形態では、二次電池15が深放電状態又は満充電状態になっているか否かを判定し、放電源として選択された二次電池15が深放電状態となったときに、その放電源として選択された二次電池15を充電対象に切り替えるので、二次電池15の寿命が損なわれることを抑制しつつ、効率よく、二次電池15を充放電させることができる。
【0087】
3.発明特定事項と本第2実施形態との対応関係
本第2実施形態では、制御部25が本発明における選択装置の一例、及び下限到達判定装置の一例である。
【0088】
(第3実施形態)
本第3実施形態は、上記第2実施形態の変形例であり、本第3実施形態は、S55にてアダプタ11が電動工具1に接続されていると判定された場合(S55:YES)以降の電源装置10における充電制御処理が、第2実施形態における充電制御処理(図6B及び6C)と異なる。そこで、以下、S55にてアダプタ11が電動工具1に接続されていると判定された場合(S55:YES)以降の電源装置10における充電制御処理を、図7A及び7Bを用いて説明する。
【0089】
1.電源装置の動作
S55にてアダプタ11が電動工具1に接続されていると判定された場合には(S55:YES)、第1の二次電池15Aの充電量と第2の二次電池15Bの充電量とが比較されて充電量の大きい方の二次電池が選択される(S111)。なお、以下、S111にて第1の二次電池15Aが充電量の大きい方の二次電池として選択されたものとして説明する。
【0090】
次に、第1の二次電池15Aの充電量が満充電状態の30%以上であるか否かが判定され(S113)、充電量が満充電状態の30%未満であると判定された場合には(S113:NO)、第1の二次電池15A用の第2スイッチ素子23AがONされる(S115)。
【0091】
その後、第1の二次電池15A及び第2の二次電池15Bの充電量が測定された後(S117)、再び、S113が実行される。そして、第1の二次電池15Aの充電量が満充電状態の30%以上であると判定された場合には(S113:YES)、第1の二次電池15A用の第2スイッチ素子23AがOFFされるとともに、第1の二次電池15A用の第1スイッチ素子21AがONとなり(S119)、第1の二次電池15Aから電動工具1に電力を供給することが可能な状態となる。
【0092】
次に、第2の二次電池15Bが満充電状態であるか否か判定され(S121)、第2の二次電池15Bが満充電状態でないと判定された場合には(S121:NO)、第2の二次電池15B用の第2スイッチ素子23BがONされて第2の二次電池15Bへの充電が開始される(S123)。その後、第1の二次電池15A及び第2の二次電池15Bの充電量が測定され(S125)、再び、S121が実行される。
【0093】
一方、第2の二次電池15Bが満充電状態であると判定された場合には(S121:YES)、第2の二次電池15B用の第2スイッチ素子23BがOFFされて第2の二次電池15Bへの充電が停止された後(S127)、電流検出器19の検出値に基づいて電動工具1に供給している電力、つまり負荷電流が測定される(S129)。
【0094】
次に、S129にて測定された負荷電流の値に基づいて電動工具1が稼働しているか否かが判定され(S131)、電動工具1が稼働していると判定された場合には(S131:YES)、再び、S111が実行される。
【0095】
このため、第1の二次電池15Aの充電量が第2の二次電池15Bの充電量より大きい場合には、引き続いて第1の二次電池15Aが放電源の二次電池15として選択され、一方、第1の二次電池15Aの充電量が第2の二次電池15Bの充電量を下回った場合には、第2の二次電池15Bが放電源の二次電池15として選択される。
【0096】
また、S131にて電動工具1が稼働していないと判定された場合には(S131:NO)、S111にて放電源として選択された二次電池15用の第1スイッチ素子21(この場合は、第1の二次電池15A用の第1スイッチ素子21A)がOFFされた後(S133)、放電源として選択された二次電池15(以下、第1の二次電池15Aと記す。)の充電量が測定される(S135)。
【0097】
そして、第1の二次電池15Aが満充電状態であるか否かが判定され(S137)、満充電状態でないと判定された場合には(S137:NO)、第1の二次電池15A用の第2スイッチ素子23AがONされて第1の二次電池15Aへの充電が開始された後(S139)、再び、S133が実行される。
【0098】
その後、第1の二次電池15Aが満充電状態であると判定された場合には(S137:YES)、第1スイッチ素子21及び第2スイッチ素子23がOFFされた後(S141)、本充電制御処理が終了する。
【0099】
2.本第3実地形態に係る電源装置の特徴
本第3実施形態では、充電対象として選択された二次電池15が満充電状態となったときに、その充電対象として選択された二次電池15を放電源に切り替えるので、二次電池15の寿命が損なわれることを抑制しつつ、効率よく、二次電池15を充放電することができる。
3.発明特定事項と本第3実地形態との対応関係
本第3実施形態では、制御部25が本発明における選択装置の一例、及び上限到達判定装置の一例である。
【0100】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、電池パック1Aと接続端子と二次電池15の接続端子とを同一の配置・形状として互換性を維持していたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0101】
また、上述の実施形態では、二次電池15を備えていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
上述の実施形態では、ピストル型の電動工具1に本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、例えば芝刈り機等の園芸用工具にも適用できる。
【0102】
また、上述の実施形態では、燃料電池13として直接メタノール型燃料電池(DMFC)を採用したが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、第2及び第3実施形態では、アダプタ11が電動工具1に接続されているか否かによらず、第1充電モードにて充電したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1実施形態と同様に、アダプタ11が電動工具1に接続されているか否かに応じて充電動作モードを変更してもよい。
【0103】
また、上述の実施形態では、二次電池15としてリチウムイオン電池を用いたが、本発明はこれに限定されるものでなく、例えばキャパシタ等の蓄電装置を用いてもよい。
また、第1実施形態では、第2充電モード用の充電電流値及び充電電圧値は、第1充電モード用の充電電流値及び充電電圧値に比べて、その絶対値が低い値に設定されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2充電モード用の充電電流値及び充電電圧値のうちいずれか一方を、第1充電モード用の充電電流値及び充電電圧値に比べて、その絶対値が低い値としてもよい。
【0104】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B