【文献】
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【文献】
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(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ、本発明の望ましい実施形態について詳細に説明する。「少なくとも1つの」という表現が構成要素リストに先行する場合、かような表現は、全体構成要素リストを変更するものであり、リストの個別構成要素を変更するものではない。本明細書で「映像」は、ビデオまたは動映像を示したり、あるいはビデオ自体でありうる。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態による映像符号化装置を図示している。
図1を参照すれば、本発明の一実施形態による映像符号化装置100は、最大符号化単位分割部110、符号化深度決定部120、映像データ符号化部130及び符号化情報符号化部140を含む。
【0021】
最大符号化単位分割部110は、最大サイズの符号化単位である最大符号化単位に基づいて、現在ピクチャまたは現在スライスを分割することができる。現在ピクチャまたは現在スライスを、少なくとも1つの最大符号化単位に分割することができる。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、最大符号化単位及び深度(depth)を利用し、符号化単位が表現される。前述のように、最大符号化単位は、現在ピクチャの符号化単位のうち、最大サイズである符号化単位を示し、深度は、符号化単位が階層的に縮小されたサブ符号化単位のサイズを示す。深度が大きくなりつつ、符号化単位は、最大符号化単位から最小符号化単位まで縮小され、最大符号化単位の深度は、最小深度に定義され、最小符号化単位の深度は、最大深度に定義される。最大符号化単位は、深度が大きくなるにつれて、深度別符号化単位のサイズは縮小するので、k深度のサブ符号化単位は、複数個のkより大きい深度のサブ符号化単位を含んでもよい。
【0023】
符号化されるピクチャのサイズが大きくなるにつれて、さらに大きい単位で映像を符号化すれば、さらに高い映像圧縮率で映像を符号化することができる。しかし、符号化単位を大きくし、そのサイズを固定させてしまえば、変わり続ける映像の特性を反映して効率的に映像を符号化することができない。
【0024】
例えば、海または空に係わる平坦な領域を符号化するときには、符号化単位を大きくするほど圧縮率が向上しうるが、人またはビルディングに係わる複雑な領域を符号化するときには、符号化単位を小さくするほど圧縮率が向上する。
【0025】
このために、本発明の一実施形態は、ピクチャまたはスライスごとに異なる最大映像符号化単位を設定し、最大深度を設定する。最大深度は、符号化単位が縮小される最大回数を意味するので、最大深度によって、最大映像符号化単位に含まれた最小符号化単位サイズを可変的に設定することができる。
【0026】
符号化深度決定部120は、最大深度を決定する。最大深度は、R−Dコスト(rate-distortion cost)計算に基づいて決定される。最大深度は、ピクチャまたはスライスごとに異なって決定されるか、あるいはそれぞれの最大符号化単位ごとに異なって決定されもする。決定された最大深度は、符号化情報符号化部140に出力され、最大符号化単位別映像データは、映像データ符号化部130に出力される。
【0027】
最大深度は、最大符号化単位に含まれる最小サイズの符号化単位、すなわち、最小符号化単位を意味する。言い換えれば、最大符号化単位は、異なる深度によって、異なるサイズのサブ符号化単位に分割されてもよい。これについては、
図8A及び
図8Bを参照しつつ詳細に述べる。また、最大符号化単位に含まれた異なるサイズのサブ符号化単位は、異なるサイズの処理単位に基づいて、予測または変換される。言い換えれば、映像符号化装置100は、映像符号化のための複数の処理段階を、多様なサイズ及び多様な形態の処理単位に基づいて、遂行することができる。映像データの符号化のためには、予測、変換、エントロピ符号化などの処理段階を経るが、あらゆる段階にわたって同じサイズの処理単位が利用され、段階別に異なるサイズの処理単位を利用することができる。
【0028】
例えば、映像符号化装置100は、符号化単位を予測するために、符号化単位と異なる処理単位を選択することができる。
【0029】
符号化単位のサイズが、2Nx2N(ただし、Nは正の整数)である場合、予測のための処理単位は、2Nx2N、2NxN、Nx2N、NxNなどでありうる。言い換えれば、符号化単位の高さまたは幅のうち、少なくとも一つを半分にする形態の処理単位を基にして、動き予測が行われてもよい。以下、予測の基礎になるデータ単位を「予測単位」とする。
【0030】
予測モードは、イントラモード、インターモード及びスキップモードのうち少なくとも一つであって、特定予測モードは、特定サイズまたは形態の予測単位についてのみ遂行される。例えば、イントラモードは、正方形である2Nx2N,NxNサイズの予測単位についてのみ遂行される。また、スキップモードは、2Nx2Nサイズの予測単位についてのみ遂行される。符号化単位内部に複数の予測単位があるならば、それぞれの予測単位について予測を行い、符号化誤差が最小である予測モードが選択されてもよい。
【0031】
また、映像符号化装置100は、符号化単位と異なるサイズの処理単位に基づいて、映像データを周波数変換することができる。符号化単位の周波数変換のために、符号化単位より小さいか、あるいはそれと同じサイズのデータ単位を基にして、周波数変換が行われてもよい。以下、周波数変換の基になる処理単位を「変換単位」とする。周波数変換は、DCT(discrete cosine transform)またはKLT(Karhunen-Loeve transform)であってもよい。
【0032】
符号化深度決定部120は、ラグランジュ乗数(Lagrangian multiplier)基盤の率−歪曲最適化技法(rate-distortion optimization)を利用し、最大符号化単位に含まれたサブ符号化単位を決定することができる。言い換えれば、最大符号化単位がいかなる形態の複数のサブ符号化単位に分割されるか決定することができるが、ここで、複数のサブ符号化単位は、深度によってサイズが異なる。その後、映像データ符号化部130は、符号化深度決定部120で決定された分割形態に基づいて、最大符号化単位を符号化してビットストリームを出力する。
【0033】
符号化情報符号化部140は、符号化深度決定部120で決定された最大符号化単位の符号化モードについての情報を符号化する。最大符号化単位の分割形態についての情報、最大深度についての情報、及び深度別サブ符号化単位の符号化モードについての情報を符号化し、ビットストリームを出力する。サブ符号化単位の符号化モードについての情報は、サブ符号化単位の予測単位についての情報、予測単位別予測モード情報、サブ符号化単位の変換単位についての情報などを含んでもよい。
【0034】
最大符号化単位ごとに異なるサイズのサブ符号化単位が存在し、それぞれのサブ符号化単位ごとに、符号化モードについての情報が決定されねばならないので、1つの最大符号化単位については、少なくとも1つの符号化モードについての情報が決定される。
【0035】
映像符号化装置100は、深度が大きくなるにつれて、最大符号化単位を、高さ及び幅を半分にしてサブ符号化単位を生成することができる。すなわち、k深度の符号化単位のサイズが2Nx2Nであるならば、k+1深度の符号化単位のサイズは、NxNである。
【0036】
従って、一実施形態による映像復号化装置100は、映像の特性を考慮した最大符号化単位のサイズ及び最大深度を基にして、それぞれの最大符号化単位ごとに、最適の分割形態を決定することができる。映像特性を考慮して、可変的に最大符号化単位のサイズを調節し、異なる深度のサブ符号化単位に最大符号化単位を分割して映像を符号化することによって、多様な解像度の映像を、さらに効率的に符号化することができる。
【0037】
図2は、本発明の一実施形態による映像復号化装置を図示している。
図2を参照すれば、本発明の一実施形態による映像復号化装置200は、映像データ獲得部210、符号化情報抽出部220及び映像データ復号化部230を含む。
【0038】
映像データ獲得部210は、映像復号化装置200が受信したビットストリームをパージングし、最大符号化単位別に映像データを獲得し、映像データ復号化部230に出力する。映像データ獲得部210は、現在ピクチャまたはスライスに係わるヘッダから、現在ピクチャまたはスライスの最大符号化単位についての情報を抽出することができる。言い換えれば、ビットストリームを最大符号化単位で分割し、映像データ復号化部230をして、最大符号化単位ごとに映像データを復号化させる。
【0039】
符号化情報抽出部220は、映像復号化装置200が受信したビット列をパージングし、現在ピクチャに係わるヘッダから、最大符号化単位、最大深度、最大符号化単位の分割形態、サブ符号化単位の符号化モードについての情報を抽出する。分割形態及び符号化モードについての情報は、映像データ復号化部230に出力される。
【0040】
最大符号化単位の分割形態についての情報は、最大符号化単位に含まれた深度によって異なるサイズのサブ符号化単位についての情報を含むことができ、符号化モードについての情報は、サブ符号化単位別予測単位についての情報、予測モードについての情報、及び変換単位についての情報などを含んでもよい。
【0041】
映像データ復号化部230は、符号化情報抽出部220で抽出された情報に基づいて、それぞれの最大符号化単位の映像データを復号化し、現在ピクチャを復元する。最大符号化単位の分割形態についての情報に基づいて、映像データ復号化部230は、最大符号化単位に含まれたサブ符号化単位を復号化することができる。復号化過程は、イントラ予測及び動き補償を含む動き予測過程、及び逆変換過程を含んでもよい。
【0042】
映像データ復号化部230は、サブ符号化単位の予測のために、サブ符号化単位別予測単位についての情報、及び予測モードについての情報に基づいて、イントラ予測またはインター予測を行うことができる。また、映像データ復号化部230は、サブ符号化単位の変換単位についての情報に基づいて、サブ符号化単位ごとに逆変換を行うことができる。
【0043】
図3は、本発明の一実施形態による階層的符号化単位を図示している。
図3を参照すれば、本発明による階層的符号化単位は、幅x高さが64x64である符号化単位から、32x32、16x16、8x8及び4x4を含んでもよい。正四角形状の符号化単位以外にも、幅x高さが、64x32、32x64、32x16、16x32、16x8、8x16、8x4、4x8である符号化単位が存在してもよい。
【0044】
図3を参照すれば、解像度が1920x1080である映像データ310について、最大符号化単位のサイズは64x64、最大深度は2に設定されている。
【0045】
解像度が1920x1080である他の映像データ320について、最大符号化単位のサイズは64x64、最大深度は3に設定されている。解像度が352x288であるビデオデータ330について、最大符号化単位のサイズは16x16、最大深度は1に設定されている。
【0046】
解像度が高いか、あるいはデータ量が多い場合、圧縮率向上だけではなく、映像特性を正確に反映するために、符号化サイズの最大サイズが相対的に大きいことが望ましい。従って、映像データ330に比べて、解像度の高い映像データ310,320は、最大符号化単位のサイズが64x64に選択されてもよい。
【0047】
最大深度は、階層的符号化単位での総階層数を示す。映像データ310の最大深度が2であるから、映像データ310の符号化単位315は、長軸サイズが64である最大符号化単位から、深度が増加するにつれて、長軸サイズが32,16であるサブ符号化単位まで含んでもよい。
【0048】
一方、映像データ330の最大深度が1であるから、映像データ330の符号化単位335は、長軸サイズが16である最大符号化単位から、深度が増加するにつれて、長軸サイズが8である符号化単位まで含んでもよい。
【0049】
映像データ320の最大深度は、3であるから、ビデオデータ320の符号化単位325は、長軸サイズが64である最大符号化単位から、深度が増加するにつれて、長軸サイズが32,16,8であるサブ符号化単位まで含んでもよい。深度が増加するほど、さらに小さなサブ符号化単位に基づいて映像を符号化するので、さらに精密な場面を含んでいる映像を符号化するのに適することになる。
【0050】
図4は、本発明の一実施形態による符号化単位に基づいた映像符号化部を図示している。
【0051】
イントラ予測部410は、現在フレーム405において、イントラモードの予測単位について、イントラ予測を行い、動き推定部420及び動き補償部425は、インターモードの予測単位について、現在フレーム405及び参照フレーム495を利用してインター予測及び動き補償を行う。
【0052】
イントラ予測部410、動き推定部420及び動き補償部425から出力された予測単位に基づいて、残存値(residual value)が生成され、生成された残存値は、変換部430及び量子化部440を経て、量子化された変換係数として出力される。
【0053】
量子化された変換係数は、逆量子化部460、逆変換部470を介して、さらに残存値に復元され、復元された残存値は、デブロッキング部480及びループ・フィルタリング部490を経て後処理され、参照フレーム495として出力される。量子化された変換係数は、エントロピ符号化部450を経て、ビットストリーム455として出力される。
【0054】
本発明の一実施形態による映像符号化方法によって符号化するために、映像符号化部400の構成要素であるイントラ予測部410、動き推定部420、動き補償部425、変換部430、量子化部440、エントロピ符号化部450、逆量子化部460、逆変換部470、デブロッキング部480及びループ・フィルタリング部490は、いずれも最大符号化単位、深度によるサブ符号化単位、予測単位及び変換単位に基づいて、映像符号化過程を処理する。
【0055】
図5は、本発明の一実施形態による符号化単位に基づいた映像復号化部を図示している。
【0056】
ビットストリーム505が、パージング部510を経て、復号化対象である符号化された映像データ、及び復号化のために必要な符号化情報がパージングされる。符号化された映像データは、エントロピ復号化部520及び逆量子化部530を経て、逆量子化されたデータとして出力され、逆変換部540を経て残存値に復元される。残存値は、イントラ予測部550のイントラ予測の結果、または動き補償部560の動き補償結果と加算され、符号化単位別に復元される。復元された符号化単位は、デブロッキング部570及びループ・フィルタリング部580を経て、次の符号化単位または次のピクチャの予測に利用される。
【0057】
本発明の一実施形態による映像復号化方法によって復号化するために、映像復号化部400の構成要素であるパージング部510、エントロピ復号化部520、逆量子化部530、逆変換部540、イントラ予測部550、動き補償部560、デブロッキング部570及びループ・フィルタリング部580が、いずれも最大符号化単位、深度によるサブ符号化単位、予測単位及び変換単位に基づいて、映像復号化過程を処理する。
【0058】
特に、イントラ予測部550、動き補償部560は、最大符号化単位及び深度を考慮して、サブ符号化単位内の予測単位及び予測モードを決定し、逆変換部540は、変換単位のサイズを考慮して逆変換を行う。
【0059】
図6は、本発明の一実施形態による最大符号化単位、サブ符号化単位及び予測単位を図示している。
【0060】
本発明の一実施形態による映像符号化装置100及び映像復号化装置200は、映像特性を考慮して符号化、復号化を行うために、階層的な符号化単位を利用する。最大符号化単位及び最大深度は、映像の特性によって適応的に設定されたり、ユーザの要求によって多様に設定されてもよい。
【0061】
本発明の一実施形態による符号化単位の階層構造600は、最大符号化単位610の高さ及び幅が64であり、最大深度が4である場合を図示している。符号化単位の階層構造600の縦軸に沿って深度が増加し、深度の増加によって、サブ符号化単位620ないし650の高さ及び幅が縮小される。また、符号化単位の階層構造600の横軸に沿って、最大符号化単位610及びサブ符号化単位620ないし650の予測単位が図示されている。
【0062】
最大符号化単位610は、深度が0であり、符号化単位のサイズ、すなわち、高さ及び幅が64x64である。縦軸に沿って深度が増加し、サイズ32x32である深度1のサブ符号化単位620、サイズ16x16である深度2のサブ符号化単位630、サイズ8x8である深度3のサブ符号化単位640、サイズ4x4である深度4のサブ符号化単位650が存在する。サイズ4x4である深度4のサブ符号化単位650は、最小符号化単位である。
【0063】
図6を参照すれば、それぞれの深度別に、横軸に沿って予測単位の例示が図示されている。すなわち、深度0の最大符号化単位610の予測単位は、サイズ64x64の符号化単位610と同一であるか、あるいはそれより小さいサイズであるサイズ64x64の予測単位610、サイズ64x32の予測単位612、サイズ32x64の予測単位614、サイズ32x32の予測単位616であってもよい。
【0064】
深度1のサイズ32x32の符号化単位620の予測単位は、サイズ32x32の符号化単位620と同一であるか、あるいはそれより小さいサイズであるサイズ32x32の予測単位620、サイズ32x16の予測単位622、サイズ16x32の予測単位624、サイズ16x16の予測単位626であってもよい。
【0065】
深度2のサイズ16x16の符号化単位630の予測単位は、サイズ16x16の符号化単位630と同一であるか、あるいはそれより小さいサイズであるサイズ16x16の予測単位630、サイズ16x8の予測単位632、サイズ8x16の予測単位634、サイズ8x8の予測単位636であってもよい。
【0066】
深度3のサイズ8x8の符号化単位640の予測単位は、サイズ8x8の符号化単位640と同一であるか、あるいはそれより小さいサイズであるサイズ8x8の予測単位640、サイズ8x4の予測単位642、サイズ4x8の予測単位644、サイズ4x4の予測単位646であってもよい。
【0067】
最後に、深度4のサイズ4x4の符号化単位650は、最小符号化単位であり、最大深度の符号化単位であり、予測単位は、サイズ4x4の予測単位650である。
【0068】
図7は、本発明の一実施形態による、符号化単位及び変換単位を図示している。
【0069】
本発明の一実施形態による映像符号化装置100及び映像復号化装置200は、最大符号化単位そのまま符号化したり、最大符号化単位より小さいか、あるいはそれと同じサブ符号化単位で、最大符号化単位を分割して符号化する。
【0070】
符号化過程において、周波数変換のための変換単位のサイズは、それぞれの符号化単位より大きくない変換単位に選択される。例えば、現在符号化単位710が64x64サイズである、32x32サイズの変換単位720を利用して周波数変換が行われる。
【0071】
図8A及び
図8Bは、本発明の一実施形態による、符号化単位、予測単位及び変換単位の分割形態を図示している。
【0072】
図8Aは、本発明の一実施形態による符号化単位及び予測単位を図示している。
図8Aの左側は、最大符号化単位810を符号化するために、本発明の一実施形態による映像符号化装置100が選択した分割形態を図示している。映像符号化装置100は、多様な形態に最大符号化単位810を分割し、符号化した後、多様な分割形態の符号化結果をR−Dコストに基づいて比較し、最適の分割形態を選択する。最大符号化単位810をそのまま符号化することが最適である場合には、
図8A及び
図8Bのように、最大符号化単位810を分割せずに、最大符号化単位810を符号化することもできる。
【0073】
図8Aの左側を参照すれば、深度0である最大符号化単位810を、深度1以上のサブ符号化単位に分割して符号化する。最大符号化単位810を4個の深度1のサブ符号化単位に分割した後、全部または一部の深度1のサブ符号化単位をさらに深度2のサブ符号化単位に分割する。
【0074】
深度1のサブ符号化単位のうち、右側上部に位置したサブ符号化単位及び左側下部に位置したサブ符号化単位が、深度2以上のサブ符号化単位に分割された。深度2以上のサブ符号化単位のうち一部は、さらに深度3以上のサブ符号化単位に分割されてもよい。
【0075】
図8Bの右側は、最大符号化単位810に係わる予測単位の分割形態を図示している。
【0076】
図8Aの右側を参照すれば、最大符号化単位に係わる予測単位860は、最大符号化単位810と異なって分割される。言い換えれば、サブ符号化単位それぞれに係わる予測単位は、サブ符号化単位より小さくともよい。
【0077】
例えば、深度1のサブ符号化単位のうち、右側下部に位置したサブ符号化単位854に係わる予測単位は、サブ符号化単位854より小さくともよい。深度2のサブ符号化単位814,816,818,828,850,852のうち、一部サブ符号化単位815,816,850,852に係わる予測単位は、サブ符号化単位より小さくともよい。また、深度3のサブ符号化単位822,832,848に係わる予測単位は、サブ符号化単位より小さくともよい。予測単位は、それぞれのサブ符号化単位を高さ方向または幅方向に半分にした形態であり、高さ方向及び幅方向に4分した形態でもある。
【0078】
図8Bは、本発明の一実施形態による予測単位及び変換単位を図示している。
図8Bの左側は、
図8Aの右側に図示された最大符号化単位810に係わる予測単位の分割形態を図示し、
図8Bの右側は、最大符号化単位810の変換単位の分割形態を図示している。
【0079】
図8Bの右側を参照すれば、変換単位870の分割形態は、予測単位860と異なって設定される。
【0080】
例えば、深度1の符号化単位854に係わる予測単位が高さを半分にした形態に選択されたとしても、変換単位は、深度1の符号化単位854のサイズと同じサイズに選択されてもよい。同様に、深度2の符号化単位814,850に係わる予測単位が、深度2の符号化単位814,850の高さを半分にした形態に選択されても、変換単位は、深度2の符号化単位814,850の本来のサイズと同じサイズに選択されてもよい。
【0081】
予測単位よりさらに小さいサイズに変換単位が選択されもする。例えば、深度2の符号化単位852に係わる予測単位が、幅を半分にした形態に選択された場合、変換単位は、予測単位よりさらに小さいサイズの高さ及び幅を半分にした形態に選択されてもよい。
【0082】
図9は、本発明の一実施形態による動きベクトルを符号化する装置を図示している。
【0083】
図1と関連して述べた映像符号化装置100、または
図4と関連して述べた映像符号化部400に含まれて動きベクトルを符号化する装置を詳細に図示している。
図9を参照すれば、本発明の一実施形態による動きベクトル符号化装置900は、予測部910、第1符号化部920及び第2符号化部930を含む。
【0084】
インター予測、すなわち、ピクチャ間予測を利用して符号化されたブロックを復号化するためには、現在ブロックと、参照ピクチャ内の類似したブロックとの位置差を示す動きベクトルについての情報が必要である。従って、映像符号化時に、動きベクトルについての情報を符号化し、ビットストリームに挿入するが、動きベクトルについての情報をそのまま符号化して挿入すれば、動きベクトルについての情報を符号化するためのオーバーヘッド(overhead)が増加し、映像データの圧縮率が低くなる。
【0085】
従って、映像符号化では、現在ブロックの動きベクトルを予測し、予測の結果として生成された予測動きベクトル(motion vector predictor)と原本動きベクトルとの差分ベクトルだけを符号化してビットストリームに挿入することにより、動きベクトルについての情報も圧縮する。
図9は、かような予測動きベクトルを利用した動きベクトルを符号化する装置を図示している。
【0086】
図9を参照すれば、予測部910は、現在ブロックの予測動きベクトルが、明示モード(explicit mode)及び暗示モード(implicit mode)のうちいずれのモードに基づいて、予測符号化されるか決定する。
【0087】
前述のように、MPEG(moving picture experts group)−4H.264/MPEG−4 AVC(advanced video coding)のようなコーデックでは、現在ブロックの動きベクトルを予測するために、現在ブロックに隣接した以前に符号化されたブロックの動きベクトルを利用する。現在ブロックの左側、上部及び右側上部に隣接した以前に符号化されたブロックの動きベクトルの中央値(median value)を現在ブロックの予測動きベクトルとして利用する。インター予測を利用して符号化されたあらゆるブロックの動きベクトルが、同じ方法を利用して予測されるために、予測動きベクトルについての情報は、別途に符号化する必要がない。しかし、本願発明による映像符号化装置100または映像符号化部400は、動きベクトルをさらに正確に予測するために、前述の予測動きベクトルについての情報を別途に符号化しないモード、及び予測動きベクトルについての情報を符号化するモードをいずれも利用するが、これについて詳細に後述する。
【0088】
(1)明示モード
予測部910が選択することができる予測動きベクトルを符号化する方法のうち一つは、現在ブロックの予測動きベクトルについての情報を明示的に符号化するモードであってもよい。このモードは、少なくとも1つの予測動きベクトル候補を計算し、それらのうちいずれかの予測動きベクトルを利用して現在ブロックの動きベクトルを予測するか指示する情報を別途に符号化するモードである。
図10A、
図10B、
図11Aないし
図11Cを参照しつつ、本願発明の予測動きベクトル候補について説明する。
【0089】
図10A及び
図10Bは、本発明の一実施形態による明示モードの予測動きベクトル候補を図示している。
【0090】
図10Aを参照すれば、本発明の一実施形態による動きベクトル予測方法は、現在ブロックに隣接した以前に符号化されたブロックの動きベクトルのうち一つを、現在ブロックの予測動きベクトルとして利用することができる。現在ブロックの上部に隣接したブロックのうち、最も左側のa
0ブロック、左側に隣接した最も上部のb
0ブロック、右側上部に隣接したcブロック、左側上部に隣接したdブロック、及び右側下部に隣接したeブロックいずれも、現在ブロックの予測動きベクトルとして利用することができる。
【0091】
図10Bを参照すれば、現在ブロックの隣接したあらゆるブロックの動きベクトルを、現在ブロックの予測動きベクトルとして利用することができる。言い換えれば、上部に隣接したブロックのうち、最も左側のa
0ブロックだけではなく、上部に隣接したあらゆるブロックの動きベクトルを現在ブロックの予測動きベクトルとして利用することができれ、左側に隣接したブロックのうち、最も上部のb
0ブロックだけではなく、左側に隣接したあらゆるブロックの動きベクトルを、現在ブロックの予測動きベクトルとして利用することができる。
【0092】
また、隣接したブロックの動きベクトルの中央値を、予測動きベクトルとして利用することができる。言い換えれば、median(mv_a0,mv_b0,mv_c)を現在ブロックの予測動きベクトルとして利用することができる。ここで、mv_a0は、a
0ブロックの動きベクトルであり、mv_b0は、b
0ブロックの動きベクトルであり、mv_cは、cブロックの動きベクトルである。
【0093】
図11Aないし
図11Cは、本発明の他の実施形態による明示モードの予測動きベクトル候補を図示している。
【0094】
図11Aは、本発明の一実施形態によるBピクチャ(bi-directional predictive picture)の予測動きベクトルを計算する方法を図示している。現在ブロックを含む現在ピクチャが、双方向予測を行うBピクチャである場合、時間的距離(temporal distance)に基づいて生成された動きベクトルが、予測動きベクトル候補であってもよい。
【0095】
現在ピクチャ1110の現在ブロック1100の予測動きベクトルは、時間的に先行するピクチャ1112の同じ位置の(colocated)ブロック1120の動きベクトルを利用して生成されもする。例えば、現在ブロック1100と同じ位置のブロック1120の動きベクトルmv_colAが、現在ピクチャ1110の時間的に後行するピクチャ1114の検索されたブロック1122に対して生成されれば、現在ブロック1100の予測動きベクトル候補であるmv_L0A及びmv_L1Aは、次の通り生成される。
【0096】
mv_L1A=(t
1/t
2)Χmv_colA
mv_L0A=mv_L1A−mv_colA
ここで、mv_L0Aは、時間的に先行するピクチャ1112に係わる現在ブロック1110の予測動きベクトルを意味し、mv_L1Aは、時間的に後行するピクチャ1114に係わる現在ブロック1110の予測動きベクトルを意味する。
【0097】
図11Bは、本発明の他の実施形態によるBピクチャの予測動きベクトルを生成する方法を図示している。
図11Aに図示された方法と比較すれば、時間的に後行するピクチャ1114に、現在ブロック1100と同じ位置のブロックが存在するという点が異なる。
【0098】
図11Bを参照すれば、現在ピクチャ1110の現在ブロック1100の予測動きベクトルは、時間的に後行するピクチャ1114の同じ位置のブロック1130の動きベクトルを利用して生成されもする。例えば、現在ブロック1100と同じ位置のブロック1130の動きベクトルmv_colBが、現在ピクチャ1110の時間的に先行するピクチャ1112の検索されたブロック1132に対して生成されれば、現在ブロック1100の予測動きベクトル候補であるmv_L0B及びmv_L1Bは、次の通り生成される。
【0099】
mv_L0B=(t
3/t
4)Χmv_colB
mv_L1B=mv_L0B−mv_colB
ここで、mv_L0Bは、時間的に先行するピクチャ1112に係わる現在ブロック1110の予測動きベクトルを意味し、mv_L1Aは、時間的に後行するピクチャ1114に係わる現在ブロック1100の予測動きベクトルを意味する。
【0100】
Bピクチャの現在ブロック1100の予測動きベクトルを生成するにあたり、
図11Aに図示された方法及び
図11Bに図示された方法のうち少なくとも一つを利用することができる。言い換えれば、現在ブロック1100と同じ位置のブロック1120または1130の動きベクトルと時間的距離とを利用して、予測動きベクトルを生成するので、同じ位置のブロック1120及び1130の動きベクトルが必ず存在してこそ、
図11A及び
図11Bに図示された方法を利用して、予測動きベクトルを生成することができる。従って、本発明による予測部910は、同じ位置のブロック1120及び1130のうち、当該ブロックに係わる動きベクトルが存在するブロックのみを利用して、現在ブロック1100の予測動きベクトルを生成する。
【0101】
例えば、時間的に先行するピクチャ1112の同じ位置のブロック1120が、インター予測ではないイントラ予測を利用して符号化された場合、当該ブロック1120の動きベクトルは存在しないので、
図11Aに図示されているような予測動きベクトルを生成する方法を利用して、現在ブロック1100の予測動きベクトルを生成することができない。
【0102】
図11Cは、本発明の一実施形態によるPピクチャ(predictive picture)の予測動きベクトルを生成する方法を図示している。
図11Cを参照すれば、現在ピクチャ1110の現在ブロック1100の予測動きベクトルは、時間的に先行するピクチャ1112の同じ位置のブロック1140の動きベクトルを利用して生成される。例えば、現在ブロック1100と同じ位置のブロック1130の動きベクトルmv_colCが、他の時間的に先行するピクチャ1116の検索されたブロック1142に対して生成されれば、現在ブロック1100の予測動きベクトル候補であるmv_L0Cは、次の通り生成されてもよい。
【0103】
mv_L0C=(t
6/t
5)Χmv_colC
現在ピクチャ1110がPピクチャであるから、現在ブロック1100の予測動きベクトル候補は、
図11A及び
図11Bとは異なって、一つだけ生成される。
【0105】
C={median(mv_a
0,mv_b
0,mv_c),mv_a
0,mv_a
1,…,mv_aN,mv_b
0,mv_b
1,…,mv_bN,mv_c,mv_d,mv_e,mv_temporal}
または、予測動きベクトル候補の個数を減らして生成されもする。
【0106】
C={median(mv_a’,mv_b’,mv_c’),mv_a’,mv_b’,mv_c’,mv_temporal}
ここで、mv_xは、xブロックの動きベクトルを意味し、median()は、中央値を意味し、mv_temporalは、
図11Aないし
図11Cと関連して述べた時間的距離を利用して生成された予測動きベクトル候補を意味する。
【0107】
また、mv_a’は、mv_a
0,mv_a
1,…,mv_aNのうち有効な最初の動きベクトルを意味する。例えば、a
0ブロックがイントラ予測を利用して符号化された場合、a
0の動きベクトルであるmv_a
0は、有効ではないので、mv_a’=mv_a
1になり、a
1ブロックの動きベクトルも、有効ではない場合には、mv_a’=mv_a
2である。
【0108】
同様に、mv_b’は、mv_b
0,mv_b
1、…,mv_bNのうち有効な最初の動きベクトルを意味し、mv_c’は、mv_c,mv_d,mv_eのうち有効な最初の動きベクトルを意味する。
【0109】
明示モードは、前記C集合のうち、いかなる動きベクトルを現在ブロックの予測動きベクトルとして利用したか指示する情報を符号化するモードである。例えば、明示モードで動きベクトルを符号化する場合、C集合の元素、すなわち、予測動きベクトル候補にそれぞれ対応する二進数を割り当て、そのうち一つが現在ブロックの予測動きベクトルとして利用される場合、対応する二進数を出力することができる。
【0110】
明示モードと関連して述べたあらゆる予測動きベクトル候補以外に、他の予測動きベクトル候補が利用可能であるということは、本発明が属する技術分野で当業者は、容易に理解することができるであろう。
【0111】
(2)暗示モード
予測部910が選択することができる予測動きベクトルを符号化する方法のうち他の一つは、現在ブロックの予測動きベクトルが、現在ブロックに隣接した以前に符号化された領域に含まれたブロックまたはピクセルに基づいて生成されることを指示する情報のみ符号化するモードである。このモードは、明示モードとは異なり、予測動きベクトルを特定するための情報を符号化せずに、暗示モードで予測動きベクトルに生成することを指示する情報のみ符号化するモードである。
【0112】
前述のように、MPEG−4
H.264/MPEG−4 AVCのようなコーデックでは、現在ブロックの動きベクトルを予測するために、現在ブロックに隣接した以前に符号化されたブロックの動きベクトルを利用する。現在ブロックの左側、上部及び右側上部に隣接した以前に符号化されたブロックの動きベクトルの中央値を、現在ブロックの予測動きベクトルとして利用するが、この場合、明示モードのように、予測動きベクトル候補のうち一つを選択するための情報を符号化しなくともよい。
【0113】
言い換えれば、映像符号化過程では、現在ブロックの予測動きベクトルが暗示モードで符号化されたことを指示する情報のみ符号化すれば、映像復号化過程では、現在ブロックの左側、上部及び右側上部に隣接した以前に復号化されたブロックの動きベクトルの中央値を、現在ブロックの予測動きベクトルとして利用することができる。
【0114】
また、本発明による映像符号化方法は、現在ブロックの左側、上部及び右側上部に隣接した以前に符号化されたブロックの動きベクトルの中央値を、予測動きベクトルとして利用する方法以外に、新しい暗示モードを提供する。
図12を参照しつつ、詳細に説明する。
【0115】
図12は、本発明の一実施形態による暗示モードの予測動きベクトルを生成する方法を図示している。
図12を参照すれば、現在ピクチャ1210の現在ブロック1200の予測動きベクトルを生成するにあたり、現在ブロックに隣接した以前に符号化された領域1220に含まれたピクセル1222を利用する。隣接したピクセル1222を利用して参照ピクチャ1212を検索し、対応するピクセル1224を決定する。SAD(sum of absolute difference)を計算して、対応するピクセル1224を決定することができる。対応するピクセル1224が決定されれば、隣接したピクセル1222の動きベクトルmv_templateが生成され、mv_templateを現在ブロック1200の予測動きベクトルとして利用することができる。
【0116】
隣接したブロックの動きベクトルの中央値を、予測動きベクトルとして利用するモードをimplicit mode_1とし、現在ブロックに隣接したピクセル1222を利用して、予測動きベクトルを生成するモードをimplicit mode_2Lとするならば、映像符号化過程では、この2種の暗示モードのうち1つのモードについての情報を符号化し、映像復号化過程では、モードについての情報を参照し、implicit mode_1及びimplicit mode_2のうち一つを利用して、予測動きベクトルを生成することができる。
【0117】
(3)モードの選択
予測部910が、前述の明示モード及び暗示モードのうち一つを選択する基準には、多様な基準であってもよい。
【0118】
明示モードは、複数の予測動きベクトル候補のうち一つを選択するものであるから、現在ブロックの動きベクトルとさらに類似した予測動きベクトルを選択することができる。代わりに、複数の予測動きベクトル候補のうち一つを指示する情報を符号化するために、暗示モードよりさらに大きいオーバーヘッドが発生しうる。従って、サイズが大きい符号化単位である場合に、明示モードで動きベクトルを符号化することが妥当である。サイズが大きい符号化単位が、サイズが小さい符号化単位より、動きベクトルを誤って予測する場合に発生する誤差が大きくなる確率が高く、それぞれのピクチャごとにオーバーヘッドが発生する回数が小さくなるためである。
【0119】
例えば、m個の64Χ64サイズの符号化単位で均一に分割されたピクチャを明示モードで符号化する場合、オーバーヘッドが発生する回数は、m回であるが、同じサイズのピクチャを、4m個の32Χ32サイズの符号化単位で均一に分割されたピクチャを明示モードで符号化する場合、オーバーヘッドが発生する回数は4m回である。
【0120】
従って、本発明による予測部910が、現在ブロックの動きベクトルを符号化するにあたり、明示モード及び暗示モードのうち一つを、符号化単位のサイズに基づいて選択することができる。
【0121】
図1ないし
図8と関連して述べた本発明による映像符号化、復号化方法で、符号化単位のサイズは、深度によって表現されるので、予測部910は、現在ブロックの深度に基づいて、現在ブロックの動きベクトルを、明示モードで符号化するか、あるいは暗示モードで符号化するかを選択する。例えば、深度0及び深度1の符号化単位をインター予測する場合には、符号化単位の動きベクトルを明示モードで符号化し、深度2以上の符号化単位をインター予測する場合には、暗示モードで符号化することができる。
【0122】
本発明の他の実施形態によれば、予測部910は、ピクチャ単位またはスライス単位で、明示モードまたは暗示モードを選択することができる。ピクチャ単位またはスライス単位ごとに映像特性が異なるので、これを考慮して、ピクチャ単位またはスライス単位で、明示モードまたは暗示モードを選択することができる。R−Dコストを考慮して、明示モード及び暗示モードのうち最適のモードを選択し、現在ピクチャまたは現在スライスに含まれた符号化単位の動きベクトルを予測符号化することができる。
【0123】
例えば、明示モードを利用せずとも、ピクチャまたはスライスに含まれた符号化単位の動きベクトルを正確に予測することができるならば、ピクチャまたはスライスに含まれたあらゆる符号化単位の動きベクトルを、暗示モードで予測符号化することができる。
【0124】
また、本発明の他の実施形態によれば、予測部910は、現在ブロックがスキップモードで符号化されたか否かによって、明示モード及び暗示モードのうち一つを選択することもできる。スキップモードとは、現在ブロックがスキップモードで符号化されたことを指示するフラグ情報のみ符号化し、ピクセル値が符号化しない符号化モードを意味する。
【0125】
スキップモードは、予測動きベクトルを現在ブロックの動きベクトルとして利用して動き補償して生成された予測ブロックが、現在ブロックと非常に類似しており、現在ブロックのピクセル値を符号化しないモードである。従って、予測動きベクトルを現在ブロックの動きベクトルと類似して生成するほど、スキップモードで現在ブロックを符号化する確率が高まる。従って、スキップモードで符号化されるブロックは、明示モードで符号化することができる。
【0126】
再び
図9を参照すれば、予測部910で、明示モード及び暗示モードのうち一つを選択し、選択されたモードによって、予測動きベクトルを決定すれば、第1符号化920及び第2符号化部930は、符号化モードについての情報及び動きベクトルを符号化する。
【0127】
まず、第1符号化部920は、現在ブロックの予測動きベクトルについての情報を符号化する。予測部910で、明示モードで現在ブロックの動きベクトルを符号化することを選択すれば、明示モードで予測動きベクトルが生成されたことを指示する情報、及び複数の予測動きベクトル候補のうち、いずれの予測動きベクトルが現在ブロックの予測動きベクトルとして利用されたか指示する情報を符号化する。
【0128】
一方、予測部910で、暗示モードで現在ブロックの動きベクトルを符号化することを選択すれば、暗示モードで現在ブロックの予測動きベクトルを生成することを指示する情報を符号化する。言い換えれば、現在ブロックに隣接したブロックまたはピクセルを利用して、現在ブロックの予測動きベクトルを生成することを指示する情報を符号化する。二つ以上の暗示モードがある場合、いずれの暗示モードを利用して現在ブロックの予測動きベクトルを生成したかを指示する情報を符号化することもできる。
【0129】
第2符号化部930は、予測部910で決定された予測動きベクトルに基づいて、現在ブロックの動きベクトルを符号化する。動き補償の結果として生成された現在ブロックの動きベクトルから、予測部910で生成された予測動きベクトルを減算して差ベクトルを生成する。その後、差ベクトルについての情報を符号化する。
【0130】
図13は、本発明の一実施形態による動きベクトルを復号化する装置を図示している。
【0131】
図2と関連して述べた映像
復号化装置200、または
図5と関連して述べた映像
復号化部500に含まれて動きベクトルを復号化する装置を詳細に図示する。
図13を参照すれば、本発明の一実施形態による動きベクトル復号化装置1300は、第1復号化部1310、第2復号化部1320、予測部1330及び動きベクトル復元部1340を含む。
【0132】
第1復号化部1310は、ビットストリームに含まれている現在ブロックの予測動きベクトルについての情報を復号化する。現在ブロックの予測動きベクトルが、明示モードまたは暗示モードで符号化されたかを示す情報を復号化する。明示モードで現在ブロックの予測動きベクトルが符号化された場合には、複数の予測動きベクトル候補のうち、現在ブロックの予測動きベクトルとして利用した1つの予測動きベクトルを指示する情報も復号化する。また、暗示モードで現在ブロックの予測動きベクトルが符号化された場合には、複数の暗示モードのうちいずれの暗示モードで現在ブロックの予測動きベクトルが符号化されたかを指示する情報も復号化することができる。
【0133】
第2復号化部1310は、ビットストリームに含まれている現在ブロックの動きベクトルと、予測動きベクトルとの差ベクトルを復号化する。
【0134】
予測部1330は、第1復号化部1310で復号化された現在ブロックの予測動きベクトルについての情報に基づいて、現在ブロックの予測動きベクトルを生成する。
【0135】
明示モードで符号化された現在ブロックの予測動きベクトルについての情報を復号化した場合には、
図10A及び
図10B、
図11Aないし
図11Cと関連して述べた予測動きベクトル候補のうち1つの予測動きベクトルを生成し、現在ブロックの予測動きベクトルとして利用する。
【0136】
暗示モードで符号化された現在ブロックの予測動きベクトルについての情報を復号化した場合には、現在ブロックに隣接した以前に符号化された領域に含まれているブロックまたはピクセルを利用し、現在ブロックの予測動きベクトルを生成する。現在ブロックに隣接したブロックの動きベクトルの中央値を、現在ブロックの予測動きベクトルとして生成するか、または現在ブロックに隣接したピクセルを利用して参照ピクチャを検索して現在ブロックの予測動きベクトルを生成する。
【0137】
動きベクトル復元部1340は、予測部1330で生成された予測動きベクトルと、第2復号化部1320で復号化された差ベクトルとを加算し、現在ブロックの動きベクトルを復元する。復元された動きベクトルは、現在ブロックの動き補償に利用される。
【0138】
図14は、本発明の一実施形態による動きベクトルを符号化する方法について説明するためのフローチャートである。
図14を参照すれば、本発明の一実施形態による動きベクトル符号化装置は、段階1410で、予測動きベクトルについての情報を符号化するモードとして、明示モード及び暗示モードのうち1つのモードを選択する。
【0139】
明示モードは、予測動きベクトルについての情報として、少なくとも1つの予測動きベクトル候補のうち1つの予測動きベクトル候補を指示する情報を符号化するモードであり、暗示モードは、予測動きベクトルについての情報として、現在ブロックに隣接した以前に符号化された領域に含まれたブロックまたはピクセルに基づいて、予測動きベクトルを生成することを指示する情報を符号化するモードである。詳細な説明は、
図10A、
図10B、
図11Aないし
図11C及び
図12と関連して述べた。
【0140】
現在ブロックのサイズ、すなわち、現在ブロックの深度に基づいて、モードを選択したり、現在ブロックが含まれた現在ピクチャ単位または現在スライス単位で、モードを選択することができる。また、現在ブロックがスキップモードで符号化されたか否かによってモードを選択することもできる。
【0141】
段階1420で、動きベクトル符号化装置は、段階1410で選択されたモードによって、予測動きベクトルを決定する。段階1410で選択された明示モードまたは暗示モードに基づいて、現在ブロックの予測動きベクトルを決定する。明示モードによって、少なくとも1つの予測動きベクトル候補のうち1つの予測動きベクトル候補を、現在ブロックの予測動きベクトルに決定したり、あるいは暗示モードによって、現在ブロックに隣接したブロックまたはピクセルに基づいて、現在ブロックの予測動きベクトルを決定する。
【0142】
段階1430で、動きベクトル符号化装置は、段階1420で決定された予測動きベクトルについての情報を符号化する。明示モードの場合、現在ブロックの予測動きベクトルが、少なくとも1つの予測動きベクトルのうち1つの予測動きベクトルを指示する情報、及び現在ブロックの予測動きベクトルについての情報が、明示モードによって符号化されることを指示する情報を符号化する。暗示モードの場合、現在ブロックの予測動きベクトルが、現在ブロックに隣接した以前に符号化された領域に含まれたブロックまたはピクセルに基づいて生成されることを指示する情報を符号化する。複数の暗示モードがある場合、このうち1つの暗示モードを指示する情報も符号化されもする。
【0143】
段階1440で、動きベクトル符号化装置は、段階1420で決定された予測動きベクトルを、現在ブロックの動きベクトルから減算して生成された差ベクトルを符号化する。
【0144】
図15は、本発明の一実施形態による動きベクトルを復号化する方法について説明するためのフローチャートである。
図15を参照すれば、本発明の一実施形態による動きベクトル復号化装置は、段階1510で、ビットストリームに含まれた現在ブロックの予測動きベクトルについての情報を復号化する。明示モード及び暗示モードのうち現在ブロックの予測動きベクトルを符号化するのに利用されたモードについての情報を復号化する。
【0145】
明示モードの場合、現在ブロックの予測動きベクトルが明示モードによって符号化されたことを指示する情報、及び少なくとも1つの予測動きベクトル候補のうち1つの予測動きベクトル候補についての情報を復号化する。また、暗示モードの場合、現在ブロックの予測動きベクトルが、現在ブロックに隣接した以前に復号化された領域に含まれたブロックまたはピクセルに基づいて、生成されることを指示する情報を復号化する。複数の暗示モードがある場合、複数の暗示モードのうち1つの暗示モードを指示する情報も、共に復号化されもする。
【0146】
段階1520で、動きベクトル復号化装置は、差ベクトルについての情報を復号化する。差ベクトルは、現在ブロックの予測動きベクトルと、現在ブロックの動きベクトルとの差に係わるベクトルである。
【0147】
段階1530で、動きベクトル復号化装置は、段階1510で復号化された予測動きベクトルについての情報に基づいて、現在ブロックの予測動きベクトルを生成する。明示モードまたは暗示モードによって、現在ブロックの予測動きベクトルを生成する。少なくとも1つの予測動きベクトル候補のうち1つの予測動きベクトルを選択するか、あるいは現在ブロックに隣接した以前に復号化された領域に含まれたブロックまたはピクセルを利用して現在ブロックの予測動きベクトルを生成する。
【0148】
段階1540で、動きベクトル符号化装置は、段階1520で復号化された差ベクトルと、段階1530で生成された予測動きベクトルとを加算し、現在ブロックの動きベクトルを復元する。
【0149】
以上、本発明は、たとえ限定された実施形態と図面とによって説明されたにしても、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、本発明が属する分野で当業者であるならば、かような記載から多様な修正及び変形が可能であろう。従って、本発明の思想は、特許請求の範囲によってのみ把握され、それと均等であるか、あるいは等価的な変形は、いずれも本発明の思想の範疇に属するのである。また、本発明によるシステムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に、コンピュータで読み取り可能なコードとして具現することが可能である。
【0150】
例えば、本発明の例示的な実施形態による映像符号化装置、映像復号化装置、映像符号化部、映像復号化部、動きベクトル符号化装置及び動きベクトル復号化装置は、
図1、
図2、
図4、
図5、
図9及び
図13に図示されているような装置のそれぞれのユニットに結合されたバス、前記バスに連結された少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。また、命令、受信されたメッセージまたは生成されたメッセージを保存するために、前記バスに結合され、前述のような命令を遂行するための少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリを含んでもよい。
【0151】
また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み取り可能なデータが保存されるあらゆる種類の記録装置を含む。記録媒体の例としては、ROM(read-only memory)、RAM(random-access memory)、CD−ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データ保存装置などがある。また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、ネットワークに連結されたコンピュータシステムに分散され、分散方式で、コンピュータで読み取り可能なコードが保存されて実行される。