特許第5756171号(P5756171)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5756171
(24)【登録日】2015年6月5日
(45)【発行日】2015年7月29日
(54)【発明の名称】建設機械
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/00 20060101AFI20150709BHJP
   E02F 9/08 20060101ALI20150709BHJP
【FI】
   E02F9/00 F
   E02F9/08 Z
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-513976(P2013-513976)
(86)(22)【出願日】2012年4月25日
(86)【国際出願番号】JP2012061102
(87)【国際公開番号】WO2012153638
(87)【国際公開日】20121115
【審査請求日】2013年8月6日
(31)【優先権主張番号】特願2011-107149(P2011-107149)
(32)【優先日】2011年5月12日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079441
【弁理士】
【氏名又は名称】広瀬 和彦
(72)【発明者】
【氏名】植木 剛
(72)【発明者】
【氏名】立野 至洋
(72)【発明者】
【氏名】平松 秀文
【審査官】 石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−061223(JP,A)
【文献】 特開2006−193913(JP,A)
【文献】 特開2009−162000(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第2290163(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00
E02F 9/08
E02F 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走可能な車体(2,3)と、該車体(2,3)の前側で、左,右方向の中間位置に俯仰動可能に設けられた作業装置(4)と、該作業装置(4)の左側に位置して前記車体(2,3)の前部に設けられオペレータが着座する運転席(17)を備えたキャブ(16)と、前記作業装置(4)の右側に位置して前記車体(2,3)の前部に設けられ内部に物品(25)を収容する右前建屋カバー(23)とからなり、
前記作業装置(4)は、基端(5A)が前記車体(2,3)に回動可能に連結された第1ブーム(5)と、該第1ブーム(5)の先端(5C)に回動可能に連結された第2ブーム(6)と、
長さ方向の一端(9C,10C)が前記第1ブーム(5)の基端(5A)よりも前側位置で前記車体(2,3)のシリンダ取付部(15B2,15C2)に連結され、長さ方向の他端(9E,10E)が前記第1ブーム(5)の先端(5C)側に連結され前記車体(2,3)に対して前記第1ブーム(5)を俯仰動させるブームシリンダ(9,10)と、
前記第1ブーム(5)の前面側に位置して前記第1ブーム(5)と第2ブーム(6)との間に設けられ前記第1ブーム(5)に対し前記第2ブーム(6)の折れ角度を調整するポジショニングシリンダ(11)とを備え、
前記作業装置(4)は、前記ブームシリンダ(9,10)を伸長させて前記第1ブーム(5)の先端(5C)を後側に回動すると共に前記ポジショニングシリンダ(11)を縮小させて前記第2ブーム(6)の先端(6B)を下側に回動することによって走行姿勢とする構成としてなる建設機械において、
前記作業装置(4)の前記走行姿勢では、前記ブームシリンダ(9,10)は、前記長さ方向の一端(9C,10C)よりも前記長さ方向の他端(9E,10E)が後側に位置するように傾斜角(α)で後側に傾斜して配置し、
前記走行姿勢での前記ブームシリンダ(9,10)の前端(9A1,10A1)に沿って左,右方向に延びる面を、前記傾斜角(α)だけ後側に傾斜した傾斜面(24)としたときに、最前部に位置する前記右前建屋カバー(23)の前面板(23A)は、前記ブームシリンダ(9,10)の前記傾斜面(24)に沿うように後側に傾斜して形成し、
かつ前記右前建屋カバー(23)の前面板(23A)は、前記傾斜面(24)に沿って前記ブームシリンダ(9,10)の前端(9A1,10A1)と左,右方向で並んだ位置に配置する構成としたことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
前記右前建屋カバー(23)の前面板(23A)は、前記走行姿勢における前記ブームシリンダ(9,10)の前端(9A1,10A1)と同一の傾斜角(α)をもって配置する構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
記右前建屋カバー(23)の前面板(23A)は、前記走行姿勢における前記ブームシリンダ(9,10)の前記傾斜面(24)と同一面となるように形成してなる請求項1に記載の建設機械。
【請求項4】
前記車体(2,3)には、後側に搭載した原動機(18)を覆う後建屋カバー(20)を設け、前記右前建屋カバー(23)は、前記後建屋カバー(20)と同じ高さ寸法をもって形成する構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1ブームと第2ブームからなる2ピースブームを有する作業装置を備えた油圧ショベル等の建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建設機械の代表例である油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前側で、左,右方向の中間位置に俯仰動可能に設けられた作業装置とにより構成されている。上部旋回体は、支持構造体を形成する旋回フレームと、該旋回フレームの左前側に設けられオペレータが着座する運転席を備えたキャブと、該キャブと左,右方向の反対側となる右前側に位置して前記旋回フレーム上に設けられ内部に物品を収容する右前建屋カバーと、前記旋回フレームの後側に搭載されたエンジンと、該エンジンを覆う後建屋カバーとにより構成されている。
【0003】
作業装置は、基端が上部旋回体の旋回フレームに俯仰動可能に連結されたブームと、該ブームの先端に回動可能に連結されたアームと、該アームの先端に回動可能に連結されたバケットと、これらブーム、アーム、バケットを作動させるブームシリンダ、アームシリンダ、バケットシリンダとにより構成されている。
【0004】
一方、作業装置には、可動範囲を広げるために、ブームを第1ブームと第2ブームとに2分割した2ピースブームを用いたものがある。この2ピースブームは、基端が旋回フレームに回動可能に連結された第1ブームと、該第1ブームの先端に回動可能に連結された第2ブームと、前記第1ブームの基端よりも前側に位置して前記旋回フレームと第1ブームの先端との間に設けられ前記旋回フレームに対し前記第1ブームを俯仰動させるブームシリンダと、前記第1ブームの前側に位置して前記第1ブームと第2ブームとの間に設けられ前記第1ブームに対し前記第2ブームの折れ角度を調整するポジショニングシリンダとにより構成され、前記第2ブームの先端には、アームが回動可能に連結されている。
【0005】
2ピースブーム仕様の作業装置は、ポジショニングシリンダによって第1ブームに対して第2ブームを回動させることにより、第1ブームに対する第2ブームの折れ角度を適宜に調整することができる。作業装置を用いて掘削作業を行う場合には、掘削深さに応じて第1ブームと第2ブームとの折れ角度を調整することにより、作業装置の可動範囲を広げることができる。
【0006】
さらに、油圧ショベルには、公道を走行できるように、ホイール式の下部走行体を備えたものがある。この油圧ショベルの走行時には、ブームシリンダを伸長させて第1ブームの先端を後側に回動すると共にポジショニングシリンダを縮小させて第2ブームの先端を下側に回動した走行姿勢をとる。このように、作業装置を走行姿勢としたときには、全体をコンパクトに折畳むことができ、運転操作を容易に行うことができる。一方、第1ブームの先端を後側に配置することにより、キャブ内で運転するオペレータの右側方の視界を広くしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−61223号公報
【発明の概要】
【0008】
上述した特許文献1は、第1ブームの先端を後側に配置することにより、右側方の視界を広くしている。しかし、特許文献1では、工具類の収容箱として用いる右前建屋カバーがブームシリンダよりも前側に大きく突出して配置されている。このため、キャブから右側方を見たときには、この右前建屋カバーは、オペレータにとって障害となり、右側方の視界が狭くなるという問題がある。
【0009】
この場合、右前建屋カバーを後側に下げて右側方の視界を広くすることが考えられる。しかし、右前建屋カバーを後側に下げた場合には、右前建屋カバー内の工具類の収容スペースが小さくなるという問題がある。さらに、旋回フレーム上の設置スペースが狭くなるから、貯油タンク、熱交換器等の設置が制限されるという問題が生じてしまう。
【0010】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、右前建屋カバー内の収容スペースを確保しつつ、この右前建屋カバーを視界の妨げにならない位置に配置することにより、走行時の操作性を向上できるようにした建設機械を提供することにある。
【0011】
(1).本発明による建設機械は、自走可能な車体と、該車体の前側で、左,右方向の中間位置に俯仰動可能に設けられた作業装置と、該作業装置の左側に位置して前記車体の前部に設けられオペレータが着座する運転席を備えたキャブと、前記作業装置の右側に位置して前記車体の前部に設けられ内部に物品を収容する右前建屋カバーとからなり、前記作業装置は、基端が前記車体に回動可能に連結された第1ブームと、該第1ブームの先端に回動可能に連結された第2ブームと、長さ方向の一端が前記第1ブームの基端よりも前側位置で前記車体のシリンダ取付部に連結され、長さ方向の他側が前記第1ブームの先端側に連結され前記車体に対して前記第1ブームを俯仰動させるブームシリンダと、前記第1ブームの前面側に位置して前記第1ブームと第2ブームとの間に設けられ前記第1ブームに対し前記第2ブームの折れ角度を調整するポジショニングシリンダとを備え、前記作業装置は、前記ブームシリンダを伸長させて前記第1ブームの先端を後側に回動すると共に前記ポジショニングシリンダを縮小させて前記第2ブームの先端を下側に回動することによって走行姿勢とする構成としてなる。
【0012】
上述した課題を解決するために、本発明が採用する構成の特徴は、前記作業装置の前記走行姿勢では、前記ブームシリンダは、前記長さ方向の一端よりも前記長さ方向の他端が後側に位置するように傾斜角(α)で後側に傾斜して配置し、前記走行姿勢での前記ブームシリンダの前端に沿って左,右方向に延びる面を、前記傾斜角(α)だけ後側に傾斜した傾斜面としたときに、最前部に位置する前記右前建屋カバーの前面板は、前記ブームシリンダの前記傾斜面に沿うように後側に傾斜して形成し、かつ前記右前建屋カバーの前面板は、前記傾斜面に沿って前記ブームシリンダの前端と左,右方向で並んだ位置に配置する構成としたことにある。
【0013】
この構成によれば、右前建屋カバーの前面板を、作業装置が走行姿勢をとったときのブームシリンダの前端と傾斜角(α)の傾斜面に沿って左,右方向で並んだ位置に配置することにより、キャブ内の運転席に着座したオペレータが右側を見たときには、右前建屋カバーがブームシリンダで隠れた状態となっている。従って、オペレータは、右前建屋カバーに視界を遮られることなく、広い視界で建設機械を走行させることができる。しかも、走行時に右側方を確認する場合、オペレータによっては、頭を前側に移動させて右側方の確認動作を行うことがある。このような確認動作を行った場合でも、右前建屋カバーは、ブームシリンダの前端と傾斜角(α)の傾斜面に沿って左,右方向で並んだ位置に配置しているから、オペレータの右側方の視界範囲から外すことができる。
【0014】
一方で、右前建屋カバーは、その前面板をブームシリンダの前端と傾斜角(α)の傾斜面に沿って左,右方向で並んだ位置まで前側に配置することができるから、該右前建屋カバーを前側に大きく形成することができ、右前建屋カバーを含む車体上の設置スペースを大きくすることができる。
【0015】
この結果、右前建屋カバーを含む車体上の設置スペースを確保しつつ、キャブに搭乗して走行操作するときには、右側方の視界を広くすることができるから、走行時の操作性、安全性を向上することができる。しかも、右前建屋カバーを大きく形成できるから、車体には各種機器を容易に組付けることができ、組立作業性等を向上することができる。
【0016】
(2).本発明によると、前記右前建屋カバーの前面板は、走行姿勢における前記ブームシリンダの前端と同一の傾斜角(α)をもって配置する構成としたことにある。なお、同一の傾斜角とは、文字通りの同一角を意味するものではなく、右前建屋カバーの前面板の傾斜角とブームシリンダの前端の傾斜角とが設計上の許容範囲で多少の角度差を有する場合も、同一の傾斜角と認めることができる。
【0017】
この構成によれば、右側方を見たときには、右前建屋カバーに視界を遮られることなく、広い視界で建設機械を走行させることができる。一方で、右前建屋カバーは、その前面板をブームシリンダの前端と並ぶ位置に配置できるから、該右前建屋カバーを視界限界まで前側に延ばすことができる。
【0018】
(3).本発明によると、前記右前建屋カバーの前面板は、前記走行姿勢における前記ブームシリンダの前記傾斜面と同一面となるように形成したことにある。これにより、走行時における右側方の視界を広くすることができる。
【0019】
(4).本発明によると、前記車体には、後側に搭載した原動機を覆う後建屋カバーを設け、前記右前建屋カバーは、前記後建屋カバーと同じ高さ寸法をもって形成する構成としたことにある。
【0020】
この構成によれば、右前建屋カバーの高さ寸法を、大きな原動機を覆う後建屋カバーと同じ高さ寸法に形成しているから、右前建屋カバー内の収容スペースを大きく形成することができ、大きな機器、多くの工具を収容することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施の形態に適用される油圧ショベルを示す正面図である。
図2図1に示す油圧ショベルの背面図である。
図3】キャブを省略した上部旋回体と作業装置のブームとを拡大して示す正面図である。
図4】キャブを省略した上部旋回体と作業装置とを図3中の矢示IV−IV方向から拡大して見た横断面図である。
図5】キャブを省略した上部旋回体と作業装置のブームとを分解した状態で示す正面図である。
図6】キャブを省略した上部旋回体、作業装置のブーム、ブームシリンダ、ポジショニングシリンダ等を斜め前側から見た要部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態に係る建設機械として、2ピースブーム等からなる作業装置を備えたホイール式の油圧ショベルを例に挙げ、図1ないし図6に従って詳細に説明する。
【0023】
図1において、1は建設機械としてのホイール式の油圧ショベルを示している。この油圧ショベル1は、自走可能な下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、該上部旋回体3の前側で、左,右方向の中間位置に俯仰動可能に設けられ、土砂の掘削作業等を行う作業装置4とにより構成されている。ホイール式の油圧ショベル1は、ホイール式の下部走行体2によって公道等を走行し、作業現場において作業装置4を用いて土砂の掘削作業等を行うものである。
【0024】
ここで、作業装置4は、後述の第1ブーム5、第2ブーム6、アーム7、バケット8、ブームシリンダ9,10、ポジショニングシリンダ11、アームシリンダ12、バケットシリンダ13等により構成されている。
【0025】
第1ブーム5は、後述の第2ブーム6と共に作業装置4の2ピースブームを構成している。この第1ブーム5は、旋回フレーム15の左,右の縦板15B,15C間、即ち、旋回フレーム15の左,右方向の中間位置に回動可能に取付けられている。ここで、第1ブーム5は、横断面で角筒状に形成され、基端がフート部5Aとなって左,右の縦板15B,15Cの第1ブーム取付部15B1,15C1に連結ピン5Bにより回動可能に接続されている。一方、上側に延びた第1ブーム5の先端は、二又状の先端取付部5Cとなり、この先端取付部5Cには、第2ブーム6の基端と後述するブームシリンダ9,10のロッド側取付部9E,10Eとが連結ピン5Dにより同軸に、かつ回動可能に接続されている。第1ブーム5の前面には、フート部5A側(基端)に位置してシリンダブラケット5Eが設けられている。このシリンダブラケット5Eには、後述するポジショニングシリンダ11のチューブ11Aが取付けられている。
【0026】
第2ブーム6は第1ブーム5の先端に回動可能に取付けられ、該第2ブーム6は、ポジショニングシリンダ11の伸長、縮小により、第1ブーム5に対して上,下方向に回動するものである。ここで、第2ブーム6は、断面四角形状の角筒体として形成され、その基端6Aが第1ブーム5の先端取付部5Cに連結ピン5Dにより回動可能に接続されている。一方、第2ブーム6の先端は、二又状の取付部6Bとなり、この取付部6Bには、アーム7の基端が連結ピン6Cにより回動可能に接続されている。
【0027】
第2ブーム6の基端6Aの下面には、後述するポジショニングシリンダ11のロッド11Bが取付けられるシリンダブラケット6Dが設けられている。さらに、基端6Aの上面には、後述するアームシリンダ12のチューブが取付けられるシリンダブラケット6Eが設けられている。
【0028】
図1図2に示すように、アーム7は第2ブーム6の先端に回動可能に取付けられ、該アーム7は、断面四角形状の角筒体として形成されている。このアーム7の基端は、第2ブーム6の取付部6Bに連結ピン6Cにより回動可能に接続され、先端には、後述のバケット8が回動可能に取付けられている。一方、アーム7の基端には、アームシリンダ12のロッドが取付けられるシリンダブラケット7Aと、バケットシリンダ13のチューブが取付けられるシリンダブラケット7Bとが設けられている。
【0029】
バケット8は、アーム7の先端に回動可能に取付けられている。このバケット8は作業具の代表例でありバケットシリンダ13の伸縮動作により回動し、土砂等を掘削するものである。
【0030】
次に、本実施の形態に用いられる左ブームシリンダ9、右ブームシリンダ10、ポジショニングシリンダ11について述べる。
【0031】
左ブームシリンダ9は第1ブーム5の前側に位置して該第1ブーム5の左側面に設けられている。この左ブームシリンダ9は、後述の右ブームシリンダ10と協働して旋回フレーム15に対して第1ブーム5を俯仰動させるもので、旋回フレーム15と第1ブーム5の先端との間に設けられている。ここで、左ブームシリンダ9は、円筒状のチューブ9Aと、該チューブ9A内に摺動可能に設けられたピストン(図示せず)と、基端側が該ピストンに接続され、先端側がチューブ9Aから伸縮可能に突出したロッド9Bとにより構成されている。
【0032】
左ブームシリンダ9は、長さ方向の一端となるチューブ9Aのボトム部がボトム側取付部9Cとなり、該ボトム側取付部9Cは、旋回フレーム15の左縦板15Bのシリンダ取付部15B2に連結ピン9Dを用いて回動可能に取付けられている。これにより、図3図5に示すように、左ブームシリンダ9のボトム側取付部9C(連結ピン9D)は、第1ブーム5のフート部5Aが連結ピン5Bを用いて取付けられる左縦板15Bの第1ブーム取付部15B1よりも高さ寸法Hだけ低い位置で、かつ長さ寸法Lだけ前側に配置されている。一方、左ブームシリンダ9は、長さ方向の他端となるロッド9Bの先端がロッド側取付部9Eとなり、該ロッド側取付部9Eは、第1ブーム5の先端側に位置する第1ブーム5の先端取付部5Cに連結ピン5Dを介して、第2ブーム6の基端6Aと同軸に、かつ回動可能に取付けられている。
【0033】
右ブームシリンダ10は第1ブーム5を挟んで左ブームシリンダ9の反対側となる第1ブーム5の右側面に設けられている。この右ブームシリンダ10は、配設位置を除く構成、動作等について左ブームシリンダ9と同様であるために、対応する符号を付して説明を省略するものとする。即ち、右ブームシリンダ10は、そのチューブ10Aのボトム側取付部10Cが旋回フレーム15を構成する右縦板15Cのシリンダ取付部15C2に連結ピン10Dを用いて回動可能に取付けられ、ロッド10Bのロッド側取付部10Eが第1ブーム5の先端取付部5Cに連結ピン5Dを介して第2ブーム6の基端6A、左ブームシリンダ9と同軸に、かつ回動可能に取付けられている。ここで、右ブームシリンダ10のボトム側取付部10C(連結ピン10D)は、左ブームシリンダ9と同様に、右縦板15Cの第1ブーム取付部15C1よりも高さ寸法Hだけ低い位置で、かつ長さ寸法Lだけ前側に配置されている。
【0034】
左,右のブームシリンダ9,10は、チューブ9A,10Aに対してロッド9B,10Bを縮小、伸長させることにより、旋回フレーム15に対して第1ブーム5と第2ブーム6を俯仰動させるものである。ここで、油圧ショベル1を走行させる場合には、作業装置4の前側への突出寸法を抑えるために、各ブームシリンダ9,10のロッド9B,10Bを最も(最大限に)伸長させて第1ブーム5の先端を後側に回動させた走行姿勢の位置(図1ないし図3に示す位置)に配置する。
【0035】
この第1ブーム5の走行姿勢では、前側に位置する各ブームシリンダ9,10が第1ブーム5と一緒に後側に傾斜している。具体的には、図3に示すように、各ブームシリンダ9,10の連結ピン9D,10Dの位置での垂直線をA−Aとすると、走行姿勢での各ブームシリンダ9,10の軸線O−Oは、垂直線A−Aに対して傾斜角αだけ後側に傾斜している。この走行姿勢において、キャブ16側にある左ブームシリンダ9は、第1ブーム5、後述のポジショニングシリンダ11の下部よりも前側に配置され、かつ左ブームシリンダ9の前端となるチューブ9Aの前端9A1は、運転席17に着座したオペレータが右横を見たときの右側方視界の限界位置となっている。
【0036】
ポジショニングシリンダ11は第1ブーム5の前側に位置して第1ブーム5と第2ブーム6との間に設けられている。このポジショニングシリンダ11は、伸縮動作することにより、第1ブーム5に対し第2ブーム6の折れ角度を調整するものである。ここで、ポジショニングシリンダ11は、円筒状のチューブ11Aと、該チューブ11A内に摺動可能に設けられたピストン(図示せず)と、基端側が該ピストンに接続され、先端側がチューブ11Aから伸縮可能に突出したロッド11Bとにより構成されている。ポジショニングシリンダ11は、チューブ11Aの下端(ボトム部)が第1ブーム5に設けられたシリンダブラケット5Eに回動可能に取付けられ、ロッド11Bの上端(先端)が第2ブーム6に設けられたシリンダブラケット6Dに回動可能に取付けられている。
【0037】
ポジショニングシリンダ11は、チューブ11Aに対してロッド11Bを伸長、縮小させることにより、第1ブーム5に対して第2ブーム6を上,下方向に回動させるものである。ここで、作業装置4の走行姿勢では、ポジショニングシリンダ11のロッド11Bを最も縮小させることにより、第2ブーム6の先端を下側(図1ないし図3に示す位置)に回動させている。
【0038】
アームシリンダ12は、第2ブーム6とアーム7との間に設けられている(図1図2参照)。このアームシリンダ12の基端(チューブ側)は、第2ブーム6のシリンダブラケット6Eに回動可能に連結され、先端(ロッド側)は、アーム7のシリンダブラケット7Aに回動可能に連結されている。これにより、アームシリンダ12は、縮小、伸長することにより、第2ブーム6の先端でアーム7を上,下方向に回動することができる。
【0039】
バケットシリンダ13は、アーム7とバケット8との間に設けられている。このバケットシリンダ13の基端は、アーム7のシリンダブラケット7Bに回動可能に連結され、バケットシリンダ13の先端は、バケットリンク14を介してバケット8に連結されている。これにより、バケットシリンダ13は、縮小、伸長することにより、アーム7の先端でバケット8を上,下方向に回動することができる。
【0040】
次に、上部旋回体3の構成について述べる。即ち、上部旋回体3は、後述の旋回フレーム15、キャブ16、運転席17、エンジン18、後建屋カバー20、右前建屋カバー23等により構成されている。
【0041】
旋回フレーム15は上部旋回体3の支持構造体を形成し、該旋回フレーム15は、底板15Aと、該底板15A上に前,後方向に延びて立設された左縦板15B、右縦板15Cとを備えている。左縦板15Bの左側にはキャブフレーム部15Dが設けられ、右縦板15Cの右側にはタンクフレーム部15Eが設けられている。
【0042】
ここで、左,右の縦板15B,15Cの前側には、第1ブーム5のフート部5Aが回動可能に取付けられる第1ブーム取付部15B1,15C1が設けられ、前端には、ブームシリンダ9,10のボトム側取付部9C,10Cが回動可能に取付けられるシリンダ取付部15B2,15C2が設けられている。一方、左,右の縦板15B,15Cの後側には、後述のエンジン18、カウンタウエイト19が設けられている。
【0043】
さらに、左側のキャブフレーム部15Dの前側には、後述のキャブ16が搭載されている。右側のタンクフレーム部15Eには、後述の作動油タンク21、燃料タンク22、右前建屋カバー23等が設けられている。
【0044】
キャブ16は、作業装置4の左側となる旋回フレーム15のキャブフレーム部15Dの前部に搭載されている。このキャブ16は、オペレータが搭乗する居住空間を形成するもので、キャブ16の内部には、オペレータが着座する運転席17(図1中に点線で図示)が設けられている。これにより、オペレータは、運転席17に着座した状態で前方、側方等を目視しつつ、走行操作、作業操作を行うことができる。
【0045】
ここで、運転席17に着座したオペレータの目線位置EPは、キャブ16の左,右方向のほぼ中央で、運転席17のヘッドレストの前方に位置している。この目線位置EPは、不変的なものではない。例えば走行時において左,右の安全確認を行う場合、作業時において深穴の掘削作業を行う場合には、目線位置EPは前方や側方に移動する。一方、オペレータの体格に応じてオペレータが運転席17の位置を調整した場合は、目線位置EPは前,後方向や上,下方向に移動することになる。即ち、各図に示した目線位置EPは、平均的な体格のオペレータが運転席17に着座した場合の参考例となっている。
【0046】
エンジン18(図1中に点線で図示)は旋回フレーム15の後側に搭載され、該エンジン18は、左,右方向に延在する横置き状態に搭載されている。一方、カウンタウエイト19はエンジン18の後側に位置して旋回フレーム15の後端に取付けられている。なお、エンジン18は原動機の代表例であって、電動式建設機械では電動モータが使用される。
【0047】
後建屋カバー20は、エンジン18を覆うように旋回フレーム15上に設けられている。この後建屋カバー20は、エンジン18の左側を覆う左側面カバー部20Aと、エンジン18の右側を覆う右側面カバー部20Bと、エンジン18の上側を覆うように前記各側面カバー部20A,20Bの上部に亘って設けられた上面カバー部20Cとにより構成されている。ここで、後建屋カバー20は、搭載機器として最も大きなエンジン18を覆うものであるから、上面カバー部20Cの位置が高い位置に設定されている。
【0048】
作動油タンク21は、エンジン18の前側に位置して旋回フレーム15のタンクフレーム部15Eに搭載されている。この作動油タンク21は、直方体形状の密閉容器として形成され、その内部に各種アクチュエータに供給する作動油を貯えるものである。
【0049】
燃料タンク22は、作動油タンク21の前側に位置してタンクフレーム部15Eに搭載されている。この燃料タンク22は、直方体形状の密閉容器として形成され、その内部にエンジン18に供給する燃料を貯えるものである。
【0050】
次に、上部旋回体3に設けられた本実施の形態による右前建屋カバー23について説明する。
【0051】
この右前建屋カバー23は、作業装置4を構成する第1ブーム5の右側、即ち、燃料タンク22の前側となる旋回フレーム15のタンクフレーム部15Eの前部に設けられている。図2ないし図4に示すように、右前建屋カバー23は、最前部に位置する長方形状の前面板23Aと、燃料タンク22の前面と対面した長方形状の後面板23Bと、第1ブーム5側となる左,右方向の内側に配置された台形状の左側面板23Cと、左,右方向の外側に配置された台形状の右側面板23Dと、上側を閉塞する長方形状の上面板23Eとにより箱状体として構成されている。これにより、右前建屋カバー23は、その内部に後述の制御弁装置25、工具、グリースガン等(いずれも図示せず)を収容することができる。
【0052】
ここで、左,右のブームシリンダ9,10の軸線O−Oが傾斜角αで後側に傾斜した走行姿勢において、そのチューブ9A,10Aの前端9A1,10A1の位置で、各ブームシリンダ9,10の軸線O−Oと平行となる線を斜線B−Bとする。この場合、チューブ9A,10Aの前端9A1,10A1に沿った斜線B−Bの位置を左,右方向に延びた面を傾斜面24(図4図6中に網掛け面として図示)とする。
【0053】
然るに、右前建屋カバー23の前面板23Aは、走行姿勢をとった各ブームシリンダ9,10のチューブ9A,10Aの前端9A1,10A1と左,右方向で並んだ位置に配置されている。具体的には、右前建屋カバー23の前面板23Aは、各チューブ9A,10Aの前端9A1,10A1の位置に傾斜角αで形成された傾斜面24と実質的に同一面となるように形成されている。即ち、各ブームシリンダ9,10と傾斜面24とは、実質的に同一の傾斜角αで、かつ同一面上に配置されている。なお、同一の傾斜角とは、文字通りの同一角を意味するものではなく、右前建屋カバー23の前面板23Aの傾斜角とブームシリンダ9,10の前端9A1,10A1の傾斜角とが設計上の許容範囲で多少の角度差を有する場合も、同一の傾斜角と認めることができる。また、同一面に関しても多少の角度差を有する場合も、同一面と認めることができる。
【0054】
これにより、キャブ16内の運転席17に着座したオペレータが目線位置EPから右側を見たときに、右前建屋カバー23の前面板23Aは、各ブームシリンダ9,10の影に隠れることができる。しかも、油圧ショベル1の走行時に右側方を確認する場合、オペレータによっては、頭を前側に移動させて右側方の確認動作を行う。このように前方に乗り出して確認動作を行った場合でも、右前建屋カバー23の前面板23Aは、各ブームシリンダ9,10のチューブ9A,10Aの前端9A1,10A1と左,右方向で並んだ位置、即ち、傾斜面24の位置に配置しているから、この右前建屋カバー23は、オペレータから見えない位置、即ち、オペレータの右側方の視界範囲から外すことができる。
【0055】
一方、右前建屋カバー23は、その前面板23Aを各ブームシリンダ9,10のチューブ9A,10Aの前端9A1,10A1と左,右方向で並ぶ位置まで前側に配置することができる。このように、前面板23Aを各ブームシリンダ9,10の位置(傾斜面24)まで前側に配置した右前建屋カバー23は、オペレータの右側方の視界の邪魔にならない位置に配置しつつ、前側に向けて延ばすことができる。
【0056】
さらに、右前建屋カバー23は、上,下方向の高さ寸法を、大きなエンジン18を覆う後建屋カバー20と同じ高さ寸法をもって形成している。これにより、右前建屋カバー23を上側に大きく、上面カバー部20Cの位置を高い位置に設定することができる。従って、右前建屋カバー23は、その内部の収容スペースも上,下方向に拡大することができる。
【0057】
25は右前建屋カバー23内に位置して旋回フレーム15のタンクフレーム部15Eに搭載された制御弁装置(図2図4中に点線で図示)である。この制御弁装置25は、オペレータによる各種操作に応じて加圧された作動油を作業装置4の各シリンダ9,10,11,12,13等に給排するものである。制御弁装置25には、個々の弁体に複数本のホース類が接続されているから、この制御弁装置25の設置場所としては広いスペースが必要になる。然るに、右前建屋カバー23は、前述した理由で前側と上側に大きく形成できるから、制御弁装置25は、右前建屋カバー23内に余裕をもって収めることができる。
【0058】
本実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次に、この油圧ショベル1の動作について説明する。
【0059】
油圧ショベル1を走行させる場合には、オペレータは、キャブ16に搭乗して運転席17に着座し、各ブームシリンダ9,10を最も伸長させることにより第1ブーム5を後側に倒し、ポジショニングシリンダ11を最も縮小することにより第2ブーム6を下側に折畳む。さらに、アームシリンダ12によってアーム7を下側に延びた状態とし、バケットシリンダ13を伸長することによりバケット8を上側に回動(クラウド)させる。これらの動作により、作業装置4をコンパクトな走行姿勢とすることができる。この走行姿勢で走行用のステアリングホイール、ペダル等(いずれも図示せず)を操作することにより、下部走行体2を前進または後退させることができる。一方、運転席17に着座したオペレータは、作業装置4を俯仰動させることによって土砂の掘削作業等を行うことができる。
【0060】
かくして、本実施の形態によれば、右前建屋カバー23の前面板23Aは、作業装置4が走行姿勢をとったときの左,右のブームシリンダ9,10の傾斜角αに沿うように傾斜して形成すると共に、前記右前建屋カバー23の前面板23Aを前記各ブームシリンダ9,10を形成するチューブ9A,10Aの前端9A1,10A1と左,右方向で並んだ位置、即ち、傾斜面24と実質的に同一面となる位置に配置する構成としている。
【0061】
従って、キャブ16内の運転席17に着座したオペレータが右側を見たときには、右前建屋カバー23が左ブームシリンダ9で隠れた状態となっている。これにより、オペレータは、右前建屋カバー23に視界を遮られることなく、広い視界で油圧ショベル1を走行させることができる。しかも、走行時に右側方を確認する場合、オペレータによっては、頭を前側に移動させて右側方の確認動作を行うことがある。このような確認動作を行った場合でも、右前建屋カバー23は、各ブームシリンダ9,10と左,右方向で並んだ位置、即ち、チューブ9A,10Aの前端9A1,10A1と実質的に同一面となる傾斜面24の位置に配置しているから、この右前建屋カバー23をオペレータの右側方の視界範囲から排除することができる。
【0062】
一方、右前建屋カバー23は、その前面板23Aを各ブームシリンダ9,10の前端9A1,10A1と左,右方向で並んだ位置まで前側に配置することができるから、該右前建屋カバー23を視界限界まで前側に延ばすことができ、該右前建屋カバー23を含む旋回フレーム15上の設置スペースを大きくすることができる。
【0063】
この結果、右前建屋カバー23の収容スペースを含めて旋回フレーム15上の設置スペースを確保した場合でも、キャブ16に搭乗して走行操作するときには、右側方の視界を広くすることができるから、走行時の操作性、安全性を向上することができる。しかも、右前建屋カバー23を大きく形成できるから、旋回フレーム15上にはエンジン18、タンク21,22、制御弁装置25等を容易に組付けることができ、組立作業性等を向上することができる。
【0064】
一方、右前建屋カバー23の高さ寸法を、エンジン18を覆うために大きな高さ寸法に形成された後建屋カバー20と同じ高さ寸法に形成している。従って、右前建屋カバー23内の収容スペースを上,下方向に大きく形成することができ、大きな機器、多くの工具を収容することができる。
【0065】
さらに、各ブームシリンダ9,10のボトム側取付部9C,10Cは、旋回フレーム15の各縦板15B,15Cに設けられた第1ブーム取付部15B1,15C1よりも高さ寸法Hだけ低い位置で、長さ寸法Lだけ前側に位置するシリンダ取付部15B2,15C2に取付けている。一方、各ブームシリンダ9,10のロッド側取付部9E,10Eは、第1ブーム5の先端取付部5Cに第2ブーム6と同軸に連結させる構成としている。従って、作業装置4を走行姿勢としたときには、ブームシリンダ9,10を後側に大きく傾斜させることができ、このときの傾斜角αを大きくすることにより、右側方の視界を広くすることができる。
【0066】
なお、実施の形態では、右前建屋カバー23内に制御弁装置25を収容した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば右前建屋カバー23内に、工具、タンク等の他の機器を収容する構成としてもよい。
【0067】
実施の形態では、各ブームシリンダ9,10は、チューブ9A,10Aを下側に配置し、ロッド9B,10Bを上側に配置して用いた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、各ブームシリンダ9,10は、チューブ9A,10Aを上側に配置し、ロッド9B,10Bを下側に配置した倒立状態で用いる構成としてもよい。なお、この場合には、ロッド9B,10Bの下端が長さ方向の一端としてシリンダ取付部15B2,15C2に取付けられ、チューブ9A,10Aの上端が長さ方向の他端として第1ブーム5の先端取付部5Cに取付けられる。
【0068】
一方、実施の形態では、建設機械としてホイール式の下部走行体2を備えた油圧ショベル1を例に挙げて説明している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばクローラ式の下部走行体を備えた油圧ショベルにも適用することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 作業装置
5 第1ブーム
5A フート部
5C 先端取付部
6 第2ブーム
6A 基
6B 取付部
7 アーム
8 バケット
9 左ブームシリンダ
9A,10A チューブ
9A1,10A1 前端
9B,10B ロッド
9C,10C ボトム側取付部
9E,10E ロッド側取付部
10 右ブームシリンダ
11 ポジショニングシリンダ
12 アームシリンダ
13 バケットシリンダ
15 旋回フレーム
15A 底板
15B 左縦板
15B1,15C1 第1ブーム取付部
15B2,15C2 シリンダ取付部
15C 右縦板
16 キャブ
17 運転席
18 エンジン(原動機)
20 後側建屋カバー
23 右前建屋カバー
23A 前面板
24 傾斜面
O−O ブームシリンダの軸線
α ブームシリンダの傾斜角
B−B ブームシリンダの前端に沿った斜線
H 高さ寸法
L 長さ寸法
図1
図2
図3
図4
図5
図6