特許第5756172号(P5756172)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5756172骨粗しょう症予防又は治療用組成物及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5756172
(24)【登録日】2015年6月5日
(45)【発行日】2015年7月29日
(54)【発明の名称】骨粗しょう症予防又は治療用組成物及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/663 20060101AFI20150709BHJP
   A61P 19/10 20060101ALI20150709BHJP
   A61K 31/593 20060101ALI20150709BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20150709BHJP
【FI】
   A61K31/663
   A61P19/10
   A61K31/593
   A61K9/20
【請求項の数】13
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-514106(P2013-514106)
(86)(22)【出願日】2011年6月3日
(65)【公表番号】特表2013-528210(P2013-528210A)
(43)【公表日】2013年7月8日
(86)【国際出願番号】KR2011004067
(87)【国際公開番号】WO2011155728
(87)【国際公開日】20111215
【審査請求日】2012年12月10日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0054921
(32)【優先日】2010年6月10日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512318752
【氏名又は名称】ナヴィファーム カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】512318763
【氏名又は名称】ドリーム ファーマ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100122688
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100117743
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 美由紀
(74)【代理人】
【識別番号】100163658
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 順造
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(72)【発明者】
【氏名】パーク、サン−グン
(72)【発明者】
【氏名】リー、チャン−キョー
(72)【発明者】
【氏名】リー、タエ−ウォン
【審査官】 吉田 佳代子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−513328(JP,A)
【文献】 特表2005−531532(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0049225(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0097468(US,A1)
【文献】 国際公開第2008/026907(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第2478909(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00−33/44
A61K 9/00− 9/72
A61K 47/00−47/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物を含み、且つ0.4g/mL〜0.7g/mLの密度を有する顆粒、及びコレカルシフェロール粉末を含み、
前記イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物の含量は100mg/錠剤〜300mg/錠剤であり、前記コレカルシフェロールの用量は12,000IU/錠剤〜36,000IU/錠剤である、骨粗しょう症予防又は治療用錠剤。
【請求項2】
前記顆粒が乾式顆粒化工程によって製造される、請求項1に記載の骨粗しょう症予防又は治療用錠剤。
【請求項3】
前記顆粒の50重量%以上が30メッシュ〜80メッシュの粒度を有する、請求項1に記載の骨粗しょう症予防又は治療用錠剤。
【請求項4】
前記錠剤が、賦形剤、滑沢剤及び崩壊剤よりなる群から選ばれた少なくとも一つをさらに含む、請求項1に記載の骨粗しょう症予防又は治療用錠剤。
【請求項5】
前記薬学的に許容される塩がアンモニウム塩、アルカリ金属塩、アルカリ土金属塩又はアミノ酸塩である、請求項1に記載の骨粗しょう症予防又は治療用錠剤。
【請求項6】
イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物を含み、且つ0.4g/mL〜0.7g/mLの密度を有する顆粒を製造する段階と、
前記顆粒にコレカルシフェロール粉末を添加して混合物を製造する段階とを含み、
前記イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物の含量は100mg/錠剤〜300mg/錠剤であり、
前記コレカルシフェロールの用量は12,000IU/錠剤〜36,000IU/錠剤である、骨粗しょう症予防又は治療用錠剤の製造方法。
【請求項7】
前記顆粒を製造する段階が、
前記イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物に、賦形剤及び滑沢剤を添加して顆粒用混合物を製造する段階と、
前記顆粒用混合物を圧縮して圧縮物を製造する段階と、
前記圧縮物を粉砕及び整粒して前記顆粒を製造する段階とを含む、請求項に記載の骨粗しょう症予防又は治療用錠剤の製造方法。
【請求項8】
前記圧縮物を製造する段階が2MPa〜10MPaの圧力下で行われる、請求項に記載の骨粗しょう症予防又は治療用錠剤の製造方法。
【請求項9】
前記混合物に、滑沢剤及び崩壊剤を含む群から選ばれた少なくとも一つを添加する段階と、
前記滑沢剤及び崩壊剤の少なくとも一つを含む前記混合物を打錠して錠剤を製造する段階とをさらに含む、請求項に記載の骨粗しょう症予防又は治療用錠剤の製造方法。
【請求項10】
イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物を含み、且つ0.5g/mL〜0.7g/mLの密度を有する顆粒、及びコレカルシフェロール粉末を含み、
前記イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物の含量は100mg/錠剤〜300mg/錠剤であり、前記コレカルシフェロールの用量は12,000IU/錠剤〜36,000IU/錠剤である、錠剤。
【請求項11】
コレカルシフェロール粉末の密度が0.65g/mLである、請求項1に記載の骨粗しょう症予防又は治療用錠剤。
【請求項12】
コレカルシフェロール粉末の密度が0.65g/mLである、請求項6に記載の骨粗しょう症予防又は治療用錠剤の製造方法。
【請求項13】
コレカルシフェロール粉末の密度が0.65g/mLである、請求項10に記載の錠剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨粗しょう症予防又は治療用組成物及びそれを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
骨は、身体の物理的支持体として必要な骨量と構造を保持する役割を果たし、カルシウム(Ca2+)などの保管庫としてカルシウムなどの血中濃度維持に重要な役割を果たしている。このような機能を果たすために、骨は常に分解作用とリモデリング(remodeling)の調整を行う。よって、骨では、骨吸収と骨形成の両者が盛んに行われ、代謝面で平衡に達する動的な状態にある。
【0003】
一般に、骨粗しょう症(Osteoporosis)は、骨の代謝性疾患であって、単位体積あたりの骨の重量が減少し、骨の微細構造の変化による骨脆弱性及び骨折に対する感受性の増加を特徴とする疾患である。骨粗しょう症は、寿命の延長に比例して発病が顕著に増加している状況である。
【0004】
このような骨粗しょう症は、先天性、閉経期後、甲状腺機能亢進、副甲状腺機能亢進、慢性腎不全、副腎皮質ホルモン投与などの様々な原因によって発病するが、最も一般的な類型は閉経期後の女性に発病するものであり、エストロゲン(Estrogen)欠乏により、造骨細胞による骨の生成より破骨細胞による骨の再吸収(resorption)が大きく増加し、カルシウムの腸内吸収が減少して、小柱骨(bone trabecular)部分において骨の重量、すなわち骨無機質密度(骨密度、bone mineral density、BMD)が大幅に減少することにより発病する。
【0005】
この種の骨粗しょう症を治療するために、破骨細胞の骨吸収の選択的抑制剤としてビスフォスフォネート(Bisphosphonate)系の薬物が使われてきた。これらのビスホスフォート系の薬物は骨へのカルシウムの流入を誘発し、その結果として血清中カルシウム要求量が上昇するため、カルシウムの補充が必須である。よって、最近では、正常なカルシウム吸収に必要なビタミンDと、ビスフォスフォネートの両方を含む固定単位剤形の複合剤の開発の必要性が増大しつつあり、実際、これらの複合剤(例えば:Fosmax Plus)が市販されている。
【0006】
ところが、ビスフォスフォネート系薬物の中でも、薬効(potency)及び結合力(binding affinity)に優れることが知られているイバンドロン酸は、現在、錠剤や注射剤の単一剤のみが開発されている。イバンドロン酸とビタミンDとの複合剤の開発が切実に求められている実情であるにも拘らず、イバンドロン酸とビタミンDの物性差により、固定単位剤形の複合剤の製剤化は容易ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、骨粗しょう症を予防又は治療することが可能な組成物を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、骨粗しょう症を予防又は治療することが可能な錠剤を提供することにある。
【0009】
本発明の別の目的は、骨粗しょう症を予防又は治療することが可能な組成物を製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物、及びビタミンDを含む、骨粗しょう症予防又は治療用組成物を提供する。
【0011】
本発明によれば、前記組成物は、イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物、及びビタミンDを含む、固定単位剤形の複合剤(fixed dosage combination)であってもよい。すなわち、本発明に係る前記骨粗しょう症予防又は治療用組成物は、1回の投薬で、2つの有効成分であるイバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物、及びビタミンDを摂取することが可能な複合剤であってもよい。例えば、前記組成物は、イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物、及びビタミンDを含む錠剤であってもよい。
【0012】
本発明に係る前記組成物は、イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物を含む顆粒、及びビタミンDを含む、骨粗しょう症予防又は治療用組成物であってもよい。
【0013】
有効成分であるイバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物の顆粒を製造すると、前記ビタミンDとの密度や粒度などの物理的性質の差を減少させることができるため、固定単位剤形の複合剤を製造する際に、均一な物性を有する複合剤を容易に製造することができる。
【0014】
イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物を顆粒とせずに、直ちにビタミンDと混合すると、スティッキング(sticking)が見られ、及び流動性が不良であって、錠剤などの固定単位剤形の複合剤を製造する際に問題が発生するおそれがある。
【0015】
前記イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物を含む顆粒は、乾式顆粒化工程によって製造することができる。或いは、前記イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物を含む顆粒は、湿式顆粒化工程によって製造することができる。
【0016】
好ましくは、前記顆粒は乾式顆粒化工程によって製造することができる。乾式顆粒化工程によって顆粒を製造すると、前記顆粒製造工程中に、有効成分であるイバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物に熱が加えられないため、前記有効成分を安定に維持することができる。また、製造工程の条件を一定に維持することが容易であるから、生成される顆粒の物性変化が少なく、均一な物性の顆粒を製造することができ、これにより最終的に生成される組成物の物性も均一に維持することができる。また、前記乾式顆粒化工程によって製造された顆粒は、ビタミンDとの密度差が少ないため、前記顆粒と前記ビタミンDを全て含む固定単位剤形の複合剤の製造の際に、前記顆粒と前記ビタミンDとを均一に混合することができる。
【0017】
本発明において、前記顆粒は、0.3g/mL〜0.75g/mLの密度を有してもよい。前記顆粒が前記範囲の密度を有するとき、ビタミンDと前記顆粒の密度差が少なく、組成物の製造の際に均一に混合することができる。例えば、前記顆粒は0.4g/mL〜0.7g/mLの密度を有することができ、好ましくは0.5g/mL〜0.65g/mLの密度を有する。
【0018】
本発明において、前記顆粒は、前記顆粒の約30重量%以上が、30メッシュ以上80メッシュ以下(メッシュ:標準規格KSA5101−1による)の粒度を有することができる。前記の粒度を有する場合、ビタミンDと類似の粒度を有するため、前記顆粒と前記ビタミンDを含む固定単位剤形の複合剤の製造の際に、前記ビタミンDと前記顆粒とが均一に混合されて、最適の薬効を示す複合剤を製造することができる。好ましくは、前記顆粒は、前記顆粒の約50重量%以上が、30メッシュ以上80メッシュ以下の粒度を有することができる。すなわち、本発明に係る組成物に含まれる前記顆粒は、直径が類似であって均一な粒度を有することができ、その結果、前記顆粒を含む複合剤などの組成物の製造の際に、均一な薬理効果を有する組成物を得ることができる。
【0019】
本発明に係る前記組成物は、賦形剤、滑沢剤、崩壊剤などの添加剤をさらに含んでもよい。
【0020】
前記賦形剤は、乳糖又はその水和物、各種澱粉、白糖、マンニトール、ソルビトール、無機塩又はその混合物を含んでもよい。前記滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸、二酸化珪素又はこれらの混合物を含んでもよい。前記崩壊剤としては、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、澱粉グリコール酸ナトリウム又はこれらの混合物を含んでもよい。
【0021】
本発明に係る前記組成物に含まれる顆粒は、賦形剤及び滑沢剤をさらに含んでもよい。前記賦形剤としては乳糖、その水和物、セルロース又はこれらの混合物を使用してもよい。例えば、前記顆粒は、乳糖水和物及び微結晶セルロースの混合物であってもよい。また、前記滑沢剤としてはステアリン酸マグネシウム、二酸化珪素又はこれらの混合物を使用してもよい。例えば、前記顆粒はステアリン酸マグネシウムとコロイド性二酸化珪素の混合物を含んでもよい。
【0022】
本発明に係る前記組成物は、前記顆粒の外部に滑沢剤及び崩壊剤をさらに含んでもよい。前記滑沢剤はステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸又はこれらの混合物を使用してもよく、前記崩壊剤としてはクロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、澱粉グリコール酸ナトリウム又はこれらの混合物を使用してもよい。例えば、前記組成物は、顆粒の外部にさらにステアリン酸マグネシウムとクロスポビドンを含んでもよい。
【0023】
本発明によれば、前記組成物は、前記イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物を75mg〜300mg含んでもよく、好ましくは100mg〜200mg含む。例えば、前記組成物は、イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物を150mg含んでもよい。前記組成物に含まれるイバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物を前記含量の範囲で含む場合、ビタミンDと共に複合剤に製剤化することが容易であり得る。これに対し、イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩又はそれらの水和物の含量が300mgを超える場合、ビタミンDと共に複合剤に製剤化することが難しいおそれがある。
【0024】
本発明に係る前記組成物において、前記薬学的に許容される塩は、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、アルカリ土金属塩又はアミノ酸塩であってもよい。例えば、前記薬学的に許容される塩はナトリウム塩であってもよい。
【0025】
本発明に係る前記組成物は、前記ビタミンDを12,000IU〜36,000IUで含んでもよく、好ましくは20,000IU〜30,000IUで含む。前記組成物が前記ビタミンDを前記含量の範囲内で含むと、骨粗しょう症の予防又は治療効果に優れると同時に、前記イバンドロン酸、その薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物と均一に混合されて、固定単位剤形の複合剤を効果的に形成することができる。また、前記組成物が前記ビタミンDを前記含量の範囲内で含むと、血液中のカルシウムを効果的に補充することができ、前記組成物を経口摂取向けのサイズに容易に剤形化することができる。
【0026】
本発明に係る前記組成物において、前記ビタミンDは、コレカルシフェロール(cholecalciferol)、カルシフェジオール(calcifediol)、カルシトリオール(calcitriol)、エルゴカルシフェロール又はその混合物であってもよく、好ましくはコレカルシフェロールである。例えば、前記ビタミンDはブチル化ヒドロキシトルエン(butylated hydroxytoluene、BHT)によって抗酸化処理された力価90,000IU/g〜120,000IU/gの濃縮コレカルシフェロール粉末であってもよい。
【0027】
本発明の前記組成物は、経口投与又は非経口投与(例えば、静脈内、皮下、腹腔内又は局所に適用)でき、投与量は、患者の体重、年齢、性別、健康状態、食事、投与時間、投与方法、排泄率又は疾患の症状の程度などによって、その範囲は様々である。本発明の前記組成物は、週1回又は毎月1回単一投与でき、組成物に含まれたイバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物、及びビタミンDなどの有効成分の含量に応じて、投与回数を適切に調節することができる。例えば、前記組成物は、毎月1回0.5mg/Kg〜30mg/Kg、好ましくは2mg/Kg〜10mg/Kgの量で投与できる。
【0028】
本発明は、イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物、及びビタミンDを含む、骨粗しょう症予防又は治療用錠剤を提供する。
【0029】
本発明に係る錠剤は、イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物を含む顆粒、及び前記ビタミンDを含んでもよい。
【0030】
本発明に係る錠剤に含まれる前記顆粒は、乾式顆粒化工程又は湿式顆粒化工程によって製造することができ、好ましくは乾式顆粒化工程によって製造される。前記乾式顆粒化工程によって製造された顆粒は、前記ビタミンDと類似の密度及び粒度を有するため、錠剤製造の際に、前記ビタミンDと均一に混合することができる。その結果として、均一な物性を有し、且つ有効成分であるイバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物及びビタミンDを高い用量で含有する、固定単位剤形の錠剤を製造することができる。
【0031】
本発明は、イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物を含む顆粒を製造する段階、及び前記顆粒にビタミンDを添加して混合物を製造する段階を含む、骨粗しょう症予防又は治療用組成物の製造方法を提供する。
【0032】
前記骨粗しょう症予防又は治療用組成物の製造方法によれば、前記イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物を含む顆粒を製造すると、前記顆粒は、前記ビタミンDと類似の密度を有してもよく、かつ均一な粒度を有してもよい。よって、前記顆粒をビタミンDと混合して固定単位剤形の複合剤などの骨粗しょう症予防又は治療用組成物を製造すると、均一な物性を有する骨粗しょう症予防又は治療用組成物を製造することができる。
【0033】
本発明の製造方法によれば、前記顆粒は乾式顆粒化工程によって製造することができる。すなわち、前記顆粒は水又は有機溶媒などの溶媒を使用せずに製造することができる。また、前記顆粒は湿式顆粒化工程によっても製造することができる。前記湿式顆粒化工程は、練合、造粒、乾燥及び整粒工程を含む通常の方法によって行ってもよい。
【0034】
前述したようにイバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物を用いて顆粒を形成すると、前記顆粒は0.3g/mL〜0.75g/mLの密度を有することができる。前記顆粒の密度が前記範囲の値であると、前記顆粒とビタミンDの密度差が少なく、複合剤の製造の際に互いに均一に混合することができる。
【0035】
前記顆粒は、好ましくは乾式顆粒化工程によって製造することができる。前記乾式顆粒化工程のように、水又は有機溶媒などの溶媒を使用せずに、有効成分としてのイバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物を含む顆粒を製造すると、前記有効成分を高温で加熱することなく顆粒を製造することができる。よって、前記イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物が熱によって分解せず、前記組成物の製造中、安定に維持することができる。また、湿式顆粒化工程と比較して、前記乾式顆粒化工程は顆粒製造中の工程条件が一定に維持され、一定の密度及び粒度を有する顆粒を製造することができる。また、前記乾式顆粒化工程によって製造されたイバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物を含む顆粒は、0.5g/mL以上の密度を有するため、湿式顆粒化工程によって製造された顆粒に比べて、ビタミンDと類似の密度を有する。また、前記乾式顆粒化工程によって製造された顆粒は、約50重量%以上が30メッシュ〜80メッシュ(標準規格KSA5101−1)の均一な密度を有する。従って、前記乾式顆粒化工程によって製造された前記顆粒を用いて、イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物、及びビタミンDを含む固定単位剤形の錠剤のような複合剤を製造する場合、イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物とビタミンDを均一に混合することができるため、薬理効果のバラツキがない組成物を製造することができる。
【0036】
本発明の製造方法に係る前記顆粒の製造においては、イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物に賦形剤及び滑沢剤を添加して、顆粒用混合物を製造する。前記顆粒用混合物を圧縮して圧縮物を製造した後、前記圧縮物を粉砕及び整粒して、前記顆粒を製造することができる。
【0037】
本発明の前記顆粒用混合物の製造において、前記賦形剤としては、乳糖、その水和物、セルロース又はこれらの混合物を使用してもよい。例えば、前記顆粒用混合物の前記賦形剤は、乳糖水和物と微結晶セルロースの混合物であってもよい。また、前記滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、二酸化珪素、又はこれらの混合物を使用してもよい。例えば、前記顆粒用混合物の製造において、前記滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムとコロイド性二酸化珪素の混合物であってもよい。
【0038】
前記圧縮物は、前記顆粒用混合物を2MPa〜10MPaの圧力下で圧縮して製造することができる。好ましくは、前記圧縮物は3MPa〜9MPaの圧力下で圧縮して製造することができる。前記圧力下で前記顆粒用混合物を圧縮すると、前記ビタミンDと均一に混合できる密度及び粒度を有する顆粒を製造することができる。
【0039】
このように熱を加える工程を経ることなく特定の圧力下で圧縮し、粉砕して顆粒を製造する場合、熱により組成物中の有効成分が不安定になることを防ぐことができ、それにより含まれた有効成分の安定性を向上することができる。
【0040】
本発明に係る製造方法において、前記顆粒とビタミンDを含む混合物に滑沢剤及び崩壊剤の少なくとも一つを添加した後、これを打錠して錠剤を製造することができる。
【0041】
前記滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸、又はこれらの混合物を使用してもよく、前記崩壊剤としては、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、澱粉グリコール酸ナトリウム、又はこれらの混合物を使用してもよい。例えば、前記ビタミンDと前記顆粒を含む錠剤の製造において、滑沢剤としてはステアリン酸マグネシウムを使用してもよく、前記崩壊剤としてはクロスポビドンを使用してもよい。
【0042】
本発明の製造方法によって製造された前記錠剤は、各錠剤毎に薬理効果のバラツキがなく、物性が均一であって、経口用製剤として優れた物性を有する。
【発明の効果】
【0043】
本発明は、イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物、及びビタミンDを含む骨粗しょう症予防又は治療用組成物を提供する。
【0044】
本発明の前記組成物は、イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物を含む顆粒を製造した後、これをビタミンDと混合して製造することができる。前記顆粒は、前記ビタミンDと類似の密度及び均一な粒度を有し、ビタミンDと均一に混合することができる。その結果、薬効のバラツキのない固定単位剤形の複合剤である骨粗しょう症予防又は治療用組成物を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明の理解を助けるために、好適な製造例及び実施例を提示する。ただし、下記の製造例及び実施例は、本発明をより容易に理解させるために提供されるものに過ぎず、本発明の内容を限定するものではない。
【0046】
下記において、イバンドロン酸としては、イバンドロン酸ナトリウム一水和物を使用し、濃縮コレカルシフェロール粉末は、ヨーロッパ薬局方規格の濃縮コレカルシフェロール粉末タイプを使用した。乳糖水和物はSupertab 14SD(DMV−Fonterra Excipient社)、微結晶セルロースはAvicel 102(FMC社)、コロイド性二酸化珪素はAerosil 200(Deggusa社)、ステアリン酸マグネシウムはFaci社の原料を使用し、クロスポビドンはKolidon CL(BASF社)、ポビドンK−30はKolidon K−30(BASF社)をそれぞれ使用した。
【0047】
下記実施例に記載された分量は1錠に相当する分量であり、製造単位は全て1,000錠単位で製造した。
【0048】
<実施例1>
イバンドロン酸ナトリウム一水和物168.75mg、乳糖水和物52.75mg及び微結晶セルロース25mgを混合した後、コロイド性二酸化珪素1.5mg及びステアリン酸マグネシウム5mgを添加し、混合して顆粒用混合物を製造した。前記顆粒用混合物をローラーコンパクター(Roller Compactor)(Fruend社のTF−Labo)によって4MPaの圧力下で圧縮して板状の圧縮物に製造した。前記圧縮物をオシレーター(ERWEKA社のAR−402)で18メッシュ(標準規格KSA5101−1)を用いて粉砕及び整粒して乾式顆粒を製造した。
前記で製造された乾式顆粒に、濃縮コレカルシフェロール粉末120mgとクロスポビドン25mgを添加して混合し、ステアリン酸マグネシウム2mgを添加してさらに混合した。前記で製造された混合物を、ロータリー式打錠機(Jenn−chiang Machinery社、JC−DH−23D)を用いて錠剤に打錠した。
【0049】
<実施例2>
イバンドロン酸ナトリウム一水和物168.75mg、乳糖水和物61.75mg及び微結晶セルロース25mgを混合した後、コロイド性二酸化珪素1.5mg及びステアリン酸マグネシウム5mgを添加し、混合して顆粒用混合物を製造した。前記顆粒用混合物をローラーコンパクター(Fruend社のTF−Labo)によって4MPaの圧力下で圧縮して、板状の圧縮物を製造した。前記圧縮物をオシレーター(ERWEKA社のAR−402)で18メッシュ(標準規格KSA5101−1)を用いて粉砕及び整粒し、乾式顆粒を製造した。
前記で製造された乾式顆粒に、濃縮コレカルシフェロール粉末240mgとクロスポビドン35mgを添加して混合し、ステアリン酸マグネシウム3mgを添加してさらに混合した。前記製造された混合物をロータリー式打錠機(Jenn−chiang Machinery社、JC−DH−23D)を用いて錠剤に打錠した。
【0050】
<実施例3>
イバンドロン酸ナトリウム一水和物168.75mg、乳糖水和物61.25mg及び微結晶セルロース25mgをスピードミキサ(キサン機械、KM−5)で混合した後、8mgのポビドンK−30を0.08mLの精製水に溶かしたポビドン水溶液を添加して、4分間練合した。これを16メッシュ(標準規格KSA5101−1)に通過させて造粒し、乾燥機(Jisco社、J−300M)によって60℃で5時間乾燥させた後、18メッシュ(標準規格KSA5101−1)を通過させて整粒し、湿式顆粒を形成させた。
前記で製造された湿式顆粒にクロスポビドン25mgを添加して混合し、ステアリン酸マグネシウム2mgを添加し混合して混合物を製造した。前記で製造された混合物をロータリー式打錠機(Jenn−chiang Machinery社、JC−DH−23D)を用いて錠剤に打錠した。
【0051】
<実施例4>
イバンドロン酸ナトリウム一水和物168.75mg、乳糖水和物83.25mg及び微結晶セルロース12mgを混合した後、8mgのポビドンK−30を0.08mLの蒸留水に溶かしたポビドン水溶液を添加して、実施例3の湿式顆粒製造方法による練合、造粒、乾燥及び整粒工程を経て、湿式顆粒を製造した。
前記で製造された湿式顆粒に、濃縮コレカルシフェロール粉末240mg及びクロスポビドン35mgを添加して混合し、ステアリン酸マグネシウム3mgを添加し混合して、混合物を製造した。前記で製造された混合物を、ロータリー式打錠機(Jenn−chiang Machinery社、JC−DH−23D)を用いて錠剤に打錠した。
【0052】
前記実施例1〜4の錠剤の製造に使用された物質及び含量を下記表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
<実験例1>
顆粒の密度測定
前記実施例1〜4で製造された顆粒20gを、100mLのメスシリンダーに入れて体積を測定した。前記重量及び体積を用いて実施例1〜4の顆粒の密度を計算した。結果を下記表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】
前記表2から分かるように、前記実施例1〜4の前記顆粒は、約0.3g/mL以上の密度を示し、濃縮コレカルシフェロール粉末の密度(0.65g/mL)と大きな差を示していない。特に、実施例1及び2の顆粒はいずれも0.5g/mL以上の密度を示し、濃縮コレカルシフェロール粉末の密度と相当に類似していた。これは前記実施例1及び2の顆粒とビタミンDを混合するとき、より均一な混合物が製造できることを示唆する。
【0057】
<実験例2>
顆粒の粒度測定
前記実施例1〜4で製造された顆粒の粒度をふるい振とう機(sieve shaker)を用いて分析した。前記実施例1〜4で製造された顆粒10gを前記ふるい振とう機に載置してふるい掛けを行った後、30メッシュ(標準規格KSA5101−1)および80メッシュ(標準規格KSA5101−1)のふるいに残された顆粒の重量を測定した。前記各ふるいに残された重量及び前記ふるいを通過した顆粒の重量を、初めにふるい振とう機に載置した10gに対する重量%に換算して前記表2に示す。
【0058】
前記表2から分かるように、実施例1〜4の顆粒は、略40%以上の顆粒がいずれも80メッシュ以下の粒度を有する。特に実施例1及び2では、70重量%以上の顆粒が80メッシュ以下の粒度を有し、50重量%以上の顆粒が30メッシュ〜80メッシュの粒度を有するため、均一な粒度を有する顆粒が製造されたことが分かる。
【0059】
<実験例3>
錠剤における各成分の含量測定
前記実施例1〜4の打錠工程で打錠初期、打錠中期及び打錠末期の錠剤をそれぞれ収得し、各錠剤におけるイバンドロン酸ナトリウム一水和物及びコレカルシフェロールの力価含量(%)を液体クロマトグラフィー(Waters社のAlliance 2695)を用いて測定した。その結果を下記表3に示す。また、前記打錠初期、打錠中期及び打錠末期に錠剤に含まれた各成分の力価含量に対して相対標準偏差(Relative Standard deviation)を計算する。その結果を下記表3に示す。
【0060】
【表3】
【0061】
前記表3から分かるように、実施例1〜4の湿式及び乾式顆粒工程により顆粒を形成し、打錠を行う場合、スティッキング及び流動性の問題を引き起こすことなく錠剤が製造された。また、打錠の後、イバンドロン酸ナトリウム一水和物及びコレカルシフェールの平均力価含量は99.4〜105.6%であって、完成品の基準である90〜110%の範囲内であることが分かる。
【0062】
特に、実施例1及び2の錠剤の場合、前記打錠初期、打錠中期及び打錠末期に収得された錠剤に含まれるイバンドロン酸ナトリウム一水和物及びコレカルシフェロールの相対標準偏差値が、いずれも2%程度であった。よって、実施例1及び2の錠剤の場合、打錠工程の時点を問わず、錠剤に含まれたイバンドロン酸ナトリウム一水和物及びコレカルシフェロールの含量が略均一である。これは実施例1及び2の顆粒及びビタミンDが均一に混合されたことを示唆する。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物、及びビタミンDを含む骨粗しょう症予防又は治療用組成物を提供する。
【0064】
本発明の前記組成物は、イバンドロン酸又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの水和物を含む顆粒を製造した後、これをビタミンDと混合して製造することができる。前記顆粒は、前記ビタミンDと類似の密度及び均一な粒度を有し、ビタミンDと均一に混合することができる。その結果、薬効のバラツキのない固定単位剤形の複合剤である骨粗しょう症予防又は治療用組成物を製造することができる。