(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5756208
(24)【登録日】2015年6月5日
(45)【発行日】2015年7月29日
(54)【発明の名称】単針時計
(51)【国際特許分類】
G04C 3/00 20060101AFI20150709BHJP
G04B 19/00 20060101ALI20150709BHJP
【FI】
G04C3/00 Z
G04B19/00 Z
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-101729(P2014-101729)
(22)【出願日】2014年5月15日
(65)【公開番号】特開2014-228543(P2014-228543A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2014年8月27日
(31)【優先権主張番号】13002618.0
(32)【優先日】2013年5月17日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514122683
【氏名又は名称】ビーゲルト ウント フンク プロダクト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(72)【発明者】
【氏名】フンク・アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ビーゲルト・マルコ
【審査官】
櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第01/071433(WO,A1)
【文献】
特開平01−308992(JP,A)
【文献】
米国特許第04991154(US,A)
【文献】
特開2011−191280(JP,A)
【文献】
実開平01−171391(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04C 3/00
9/00
G04B 19/00−19/04
19/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単針時計(10)は、
複数の針位置へ移動可能な単針(20)と
前記針(20)が現在の時刻に対応する針位置に位置するように、機械的に前記針(20)を動かす時計機構とを備え、
前記単針時計(10)は前記時計機構と接続された駆動素子(26)を備え、
前記時計機構は、駆動素子(26)の作動に応じて、第1動作状態から第2動作状態へ変化し、前記針位置は前記第1動作状態において分情報を示し、前記第2動作状態において時間情報を示すように前記針(20)を制御するように構成されている単針時計(10)。
【請求項2】
前記時計は、正確に60個の固有の識別可能な針位置が可能であるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の単針時計(10)。
【請求項3】
前記時計機構は、第2動作状態において、正確に12個の固有の識別可能な針位置が可能であるように構成されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の単針時計(10)。
【請求項4】
前記時計機構は前記針を動かす電気機械制御素子を備える
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つの単針時計(10)。
【請求項5】
前記時計機構は電子時計機構である
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一つの単針時計(10)。
【請求項6】
前記単針時計はリストバンド(18)を備える
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一つの単針時計(10)。
【請求項7】
前記時計機構は、駆動素子(26)の作動後、前記第1動作状態へ自動的に戻るように構成されている
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一つの単針時計(10)。
【請求項8】
前記時計機構は、駆動素子(26)の作動後、予め定められた期間、第2動作状態を維持するように構成されている
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一つの単針時計(10)。
【請求項9】
前記時計機構は、2回の駆動素子(26)の作動に応じて、第3動作状態へ変化し、第3動作状態において前記針位置が秒情報を示すように前記針(20)を移動するように構成されている
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一つの単針時計(10)。
【請求項10】
前記時計機構は、3回の駆動素子(26)の作動に応じて、第4動作状態へ変化し、第4動作状態において前記針位置が日情報を示すように前記針(20)を移動するように構成されている
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一つの単針時計(10)。
【請求項11】
前記時計機構は、4回の駆動素子(26)の作動に応じて、第5動作状態へ変化し、第5動作状態において前記針位置が月情報を示すように前記針(20)を移動するように構成されている
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか一つの単針時計(10)。
【請求項12】
前記時計機構は、5回の駆動素子(26)の作動に応じて、第6動作状態へ変化し、第6動作状態において前記針位置が年情報を示すように前記針(20)を移動するように構成されている
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか一つの単針時計(10)。
【請求項13】
第1動作状態から始まる動作状態の変化に応じて前記針は常に時計回りに移動し、第1動作状態へ戻る操作状態の変化に応じて常に反時計回り、
または、その逆に移動するように前記時計が構成されている
ことを特徴とする請求項1から12のいずれか一つの単針時計(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は時計機構と単針を備える単針時計に関する。
【背景技術】
【0002】
時針と分針とを用いて時刻を表示する従来の時計と対照的に、単針時計はこの目的のために単針のみ用いる。単針を用いようとする当初の動機は、機械式時計機構の可能な限りの単純化であったのに対して、このごろにおいては、単針だけを備える時計の利点は、特に時計の独特のデザインに見出すことができる。かくして、単針を用いることで本質的事項を減少させたデザインのための空間を許容する。
【0003】
一般的に公知の単針時計は単針を備え、単針の移動は従来の時針に対応する。最も正確に時刻を読み取ることができるように、種々の補助手段が提案されている。
【0004】
例えば、米国特許5、280、461A号公報には、時針の長手方向に移動可能なスライドが取り付けられた時針を備える時計が示されている。分情報はスライドの位置から読み取ることができる。
【0005】
米国特許5、134、596A号公報から、文字盤が2つの目盛りを備える単針時計が知られている。時間情報は内側の目盛りで読むことができ、分情報は外側の目盛で読むことができる。ここで、外側の目盛りは、5分間隔の目盛りである。
【0006】
仏国1422624A号公報から、文字盤が、時間目盛に加えて、15分間隔で分情報を読み取ることができるステップ形状の線を備える単針時計が知られている。
【0007】
英国185321A号公報から、文字盤が分ステップにおいて特に微細な尺度の目盛りを備える単針時計が知られている。さらに、特別なバランス機構が、針の先端の正確な位置を保証しなければならない。
【0008】
他の公知の単針時計は、昼と夜とが区別できるように、24時間で1回、回転する単針を備える。12時間で回転する針と比較して、針のより緩慢な動きは、正確な読み取りをより困難にもする。
【0009】
互いに別々に動く時計機構を備える時計も知られており、時計機構の1つは時針を駆動し、もう1つの時計機構は分針を駆動する。そのような時計は、例えば、独国実用新案29912624U1号公報および独国実用新案202008010962U1号公報から知られている。
【0010】
独国特許4003655C1号公報から、分針を備える腕時計が知られている。分針の下方の画像ディスクが回転し、分針の外観が画像ディスクの位置により影響される。これにより、分針で時間情報を読み取ることを可能にする。
【0011】
米国特許2011/0299365A1号公報から、分針と時針とを備える時計が知られている。2つの針が、時刻を従来方式により表示する。ボタンを押すことにより、分針が、1から31への特別な目盛り上で現在の日付の日にちを表示する異なる位置へ移動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許5、280、461A号公報
【特許文献2】米国特許5、134、596A号公報
【特許文献3】仏国1422624A号公報
【特許文献4】英国185321A号公報
【特許文献5】独国実用新案29912624U1号公報
【特許文献6】独国実用新案202008010962U1号公報
【特許文献7】独国特許4003655C1号公報
【特許文献8】米国特許2011/0299365A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
このような背景から始まって、本発明の目的は、組み立てが容易で、特に、なめらかで簡潔なデザインとすることができ、それでいて正確に分まで読み取ることができる単針時計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、請求項1の特徴を有する単針時計によって達成される。有益な構成は、その後の従属請求項に明記されている。
【0015】
単針時計は、
複数の針位置へ移動可能な単針と、
前記針が現在の時刻に対応する針位置に位置するように、機械的に前記針を動かす時計機構とを備え、
前記単針時計は前記時計機構と接続された駆動素子を備え、
前記時計機構は、駆動素子の作動に応じて、第1動作状態から第2動作状態へ変化し、前記針位置は前記第1動作状態において分情報を示し、前記第2動作状態において時間情報を示すように前記針を移動するように構成されている。
【0016】
単針は細長い基本形状を有してもよい。単針は、回転可能な方法で、一端または中央部で取り付けられ、単針時計の場合回転可能な方法で取り付けられる回転軸に、この目的のために、強く接続されている。回転軸から遠く離れた針の端部は、針の先端を有する。回転軸、または、単針時計の文字盤とそれぞれ関連する針のこの端部の位置により分情報または時間情報をそれぞれ読み取ることができる。この目的のために、文字盤は、例えば、5分間隔の印の形で、したがって、時間目盛りを有する従来の文字盤の時間標識の位置に、任意のスケーリングを有してもよい。文字盤上のさらなる標識は、分間隔の位置を特定することができる。文字盤は、標識に加えて、または、標識の代わりに、例えば、1〜12の数字を有してもよい。
【0017】
針は時計機構により機械的に複数の針位置へ移動され、回転可能な方法で取り付けられた針の場合、針の先端は円軌道を回転することができる。現在の時刻に常に対応する針の位置のために、時計機構は現在の時刻に関する情報を有する。このため、時計機構はパルス発生器を備えてもよく、例えば、水晶振動子、てん輪、または、ツールビロンが挙げられる。
【0018】
本発明において、単針時計は、時計のユーザーにより作動される駆動素子を備える。駆動素子は、特にボタン、キー、表面センサー、フィールドセンサでもよい。したがって、駆動素子は例えば指を使用して、例えば接触するまたは押すことにより作動することができる。
【0019】
時計機構は2つの動作状態を有する。基本状態とも呼ばれる第1動作状態において、針位置が分情報を示すように時計機構は針を移動する。駆動素子の作動に応じて時計機構が変化する第2動作状態において、単針は時間情報を示す。
【0020】
時計の典型的な読み出し手順の場合、多くのユーザーは時計を読む前に時間情報を既に得ているので、時間情報は関心が低いという認識に本発明は基づいている。例えば、差し迫った約束を守るために、しばしば、分情報はより重要である。したがって、本発明者は単針時計に時間情報を常に表示する必要はないと認識した。この状況において、冒頭に記載された公知の単針時計のように、複雑な補助手段を用いて、時間および分情報の同時表示により十分に正確な読みやすさを目指す代わりに、時計の正確で平易な読みやすさのために、基本状態において単針を用いて単純で正確に読みとることができる形式において分情報を表示することは実用的な大きな効果である。
【0021】
しかしながら、多くの状況において時間情報の読みやすさは重要である。このことは、本発明において、単針が時間情報を示す第2動作状態により考慮されている。
【0022】
したがって、本発明による単針時計により、ほとんどの状況において現在の時刻に関して知るために針位置を一目みるだけで十分である。これに加えて時間情報を読むことが必要な場合、駆動素子をたった一度作動させて時計をもう一度見るだけで十分である。
【0023】
本発明の特別な効果は、時間情報と同様に分情報の両方を特に容易に読み取ることができる点にある。特に、情報の両方の部分は従来時計から公知である様式で示すことができる。ユーザーは、単針時計の特有の表示形式にうんざりするほど慣れる必要は無い。同時に、本発明による単針時計は組み立てるのが容易である。他の単針時計と同様に、この時計も、単針だけを必要とする。さらに、針運動の精度上の要件は、分針を備える従来の時計のそれと異ならない。
【0024】
1つの構造において、時計機構は正確に60個の固有の識別可能な針位置が可能であるように構成されている。第1動作状態におけるこれらの針位置は、特に、分針を備える従来の時計の文字盤の分区分に対応することができる。この構成において、これらの分位置間の針位置は可能ではない。さらに、針は1つの針位置から次の針位置へ飛ぶ。このように、いかなる時でも、何分が現在の針位置に対応するかを疑いなく認識することができる。
【0025】
1つの構造において、前記時計機構は、第2動作状態において、正確に12個の固有の識別可能な針位置が可能であるように構成されている。これらの12個の針位置は、いずれの場合においても完全な時間に、特に、従来の時計の時針の位置に対応することができる。第2動作状態において、いずれの場合においても針は12個の針位置の1つにちょうど位置するように時計機構は針を移動する。中間位置は可能ではない。これにより、通常、無段階に回転し、次の完全な時間までの2つのそれらの位置の間の中間位置もとる従来の時針の針位置と、第2動作状態において針位置は異なる。これは、絶対的確実性をもって時間情報を読み取るのに有益である。
【0026】
1つの構造において、前記時計機構は前記針を動かす電気機械制御素子を備える。基本的に、単針時計は、例えば、エネルギー貯蔵としてばねを用いる機械式時計機構も備えていてもよい。しかしながら、好ましくは、単針時計は電気機械制御素子を備え、例えば、針を動かすステッピングモーターである。単針時計はエネルギー貯蔵として電池を備えてもよい。所望の方法で特に容易に電気機械制御素子を制御することができる。
【0027】
1つの構造において、前記時計機構は電子時計機構である。ここで、電子時計機構は特に、時間基準として水晶振動を用いる水晶時計機構でもよい。電波を介して放送時間信号を受信するアンテナを備える電波制御時計機構も適切である。これらの場合、単針時計はエネルギー貯蔵として電池を備えてもよい。電子時計機構は時間情報および駆動素子からの信号を処理し、これらを針の電子制御素子のために適した制御信号へ変換する制御部を備えてもよい。
【0028】
1つの構造において、前記単針時計は腕バンドを備える。この場合、単針時計は単針腕時計である。基本的に、単針時計は、据え置き型時計、または、掛け時計、または、懐中時計のような他の携帯型時計として構成されていてもよい。
【0029】
1つの構造において、前記時計機構は、駆動素子の作動後、前記時計機構が前記第1動作状態へ自動的に戻るように構成されている。例えば、制御部が駆動素子の作動に応じて変化する第2動作状態は駆動素子が作動する間だけ維持される。続いて、このように駆動素子を作動させた後、分情報を再び表示するために制御部は自動的に第1動作状態へ戻る。
【0030】
1つの構造において、前記制御部は、駆動素子の作動後、特定の期間、第2動作状態を維持するように構成されている。特定期間は特に1〜10秒の範囲、好ましくは2〜5秒の範囲、特に約3秒でもよい。この場合、駆動素子がどれくらい作動するかは重要でない。各作動の後、制御部は、時間情報を確実に読み取るのに十分な期間、第2動作状態を維持する。それから、制御部は分情報を表示するために自動的に戻ることができる。
【0031】
1つの構造において、前記時計機構は、2回の駆動素子の作動に応じて、前記時計機構が第3動作状態へ変化し、第3動作状態において前記針位置が秒情報を示すように前記針を移動するように構成されている。特に、第3動作状態への変化は、駆動素子がある特定の期間内で2回作動された場合に発生する。特に、駆動素子の2回の作動は、駆動素子の第1作動により時計機構がまだ第2動作状態にある時に第2作動が発生してもよい。この場合、時計機構は第3動作状態へ変化する。特に、例えば、第2から第1動作状態への自動変更に関連して説明されているように、駆動素子の作動がそれ以上無い場合、時計機構は第1動作状態へ自動的に戻ってもよい。この構成により、この目的のためにさらなる表示素子を必要とすること無く、第2の情報の単純で正確な読み取りをすることができる。
【0032】
1つの構造において、前記時計機構は、3回の駆動素子の作動に応じて、前記時計機構が第4動作状態へ変化し、第4動作状態において前記針位置が日情報を示すように前記針を移動するように構成されている。日情報は現在の日付の日に関連する。
【0033】
1つの構造において、前記時計機構は、4回の駆動素子の作動に応じて、前記時計機構が第5動作状態へ変化し、第5動作状態において前記針位置が月情報を示すように前記針を移動するように構成されている。月情報は現在の日付に関連する。
【0034】
1つの構造において、前記時計機構は、5回の駆動素子の作動に応じて、前記時計機構が第6動作状態へ変化し、第6動作状態において前記針位置が年情報を示すように前記針を移動するように構成されている。年情報は現在の日付に関連する。記載された構成により、この目的のために、特別な表示素子を必要とすること無く、日情報の単純で正確な読み取りをすることができる。2回作動させる上記説明は駆動素子の多数の作動の存在に対応して適用する。同じことが、第3、第4、第5または第6動作状態それぞれから、第2動作状態から第1動作状態への変更と関連して構成されている第1動作状態への常に可能な自動的な変更に対してあてはまる。
【0035】
1つの構造において、第1動作状態から始まる動作状態の変化に応じて前記針は常に時計回りの方向に移動し、第1動作状態へ戻る操作状態の変化に応じて常に反時計回り、または、その逆に移動するように前記時計機構が構成されている。第1動作状態から始まる変化は、特に、第1動作状態から第2動作状態への変更であるが、第1動作状態から、例えば、駆動素子の多数の作動に応じた結果である第3、第4、第5または第6動作状態への変更でもよい。第1動作状態へ戻る変化は、特に第2動作状態から第1動作状態へ変更されるが、第3、第4、第5または第6動作状態から第1動作状態へ戻ってもよい。「またはその逆に」は、第1動作状態から始まる変化に伴って針が反時計周りに移動し、第1動作状態へ戻る変化に伴って時計回りに移動することを意味する。回転の特定の方向の認識により次の針の表示が後続の動作状態の1つに対応するかどうか、例えば時間情報を読み取ることができるか、または、分表示へ戻る変化が既に発生したかどうかが直ちに明らかであるので、回転の異なる方向により、時計を読み取るのが容易になる。
【0036】
本発明は、6つの図に示される例示的実施形態に基づいて、以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明による第1動作状態における単針時計の概略図である。
【
図2】
図1の第2動作状態における単針時計である。
【
図3】
図1の第3動作状態における単針時計である。
【
図4】
図1の第4動作状態における単針時計である。
【
図5】
図1の第5動作状態における単針時計である。
【
図6】
図1の第6動作状態における単針時計である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0038】
図1の単針時計10はケース12と文字盤14とを備える。文字盤14は、従来の時計の時針がそれぞれちょうど1時間に対して呈する位置に配置される目盛り線16の形式での12個の目盛り模様を有する目盛りを備える。さらに、単針時計10は、ケース12に固定されたリストバンド18を備える。
【0039】
単針時計10は、針の先端22を有する単針20を備える。針の先端22が円軌道を回転するように、針20は回転軸24のまわりを回転可能な方法で取り付けられる。押しボタン形式の駆動素子26がケース12の右側にある。
【0040】
単針時計10の内部に配置される素子が点線で図示されている。これは針20の調整駆動装置を形成するステッピングモーター28を備える時計機構であり、ステッピングモーター28により針20を複数の異なる針位置の間を移動可能にする。時計機構はさらに、ステッピングモーター28を制御する電子制御部30を備える。電子制御部30は第1導電体32を介してステッピングモーター28へ接続される。電子制御部30は第2導電体34を介して駆動素子26に接続される。
【0041】
単針時計10の全ての異なる動作状態が、時刻08:10:51および日付が2013年5月30日を例として説明される。
図1は、基本状態ともいうことができる第1動作状態を示す。この第1動作状態において、針20は分情報を示す。針20は、従来の時計の10分の位置の分針と対応する針位置にある。これにより、分情報「10」が示される。
【0042】
図1の第1動作状態から始める場合、駆動素子26が一回作動されると、時計機構、または制御部30がそれぞれ、
図2に示される第2動作状態へ変化する。第2動作状態において、時計機構は、従来の時計の分針の40分の位置に対応する針位置に針20を配置する。これにより、時間情報「8」が示される。第2動作状態においてさらに駆動素子26の作動が無ければ、時計機構は
図1に示される第1動作状態へ自動的に戻り、その結果、分情報を示す。
【0043】
しかしながら、駆動素子26の2回目の作動があると、制御部30は
図3に示される第3動作状態へ変化する。この第3動作状態において、針20は、従来の時計の分針の51分の位置に対応する針位置へ移動される。単針時計10が、秒情報が示される第3動作状態にあるので、これは、現在の秒情報が「51」であることを意味する。
【0044】
駆動素子26の3回目の作動の場合には、第4動作状態となり、これは
図4に示される。針20は、日にち「30」の表示に対応する30分の位置へ動かされる。
【0045】
駆動素子26の4回目の作動の場合には、時計機構は、針20が「5分の位置」となる
図5に示される第5動作状態へ変化する。これは、5月の暦月に対応する。
【0046】
駆動素子26の5回目の作動の場合には、時計機構は、
図6に示される第6動作状態へ変化する。針20は「13分の位置」へ動かされ、年号の「13」の表示と対応する。
【符号の説明】
【0047】
10 単針時計
12 ケース
14 文字盤
16 目盛り線
18 リストバンド
20 針
22 針の先端
24 回転軸
26 駆動素子
28 ステッピングモーター
30 電子制御部
32 第1導電体
34 第2導電体