(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、従来のロッカーおよびその扉や、従来のキャビネットおよびその扉には、以下の問題点が存在する。すなわち、従来のロッカーでは、収納状態のスキー靴を好適に乾燥させるために、扉を閉めた状態において扉の上下に大きな開口部がそれぞれ生じるように構成されている。この場合、従来のロッカーでは、上記の両開口部の大きさが、収納状態のスキー靴を取り出すことはできない程度に規定されているものの、収納空間内に手を差し入れたり、手と同程度の比較的大きな物品を収納空間内に侵入させたりするのに十分な大きさとなっている。したがって、従来のロッカーおよびその扉には、収納状態のスキー靴がいじられてこの物品が破損したり、空き缶等の大きなゴミが収納空間に捨て入れられたり、スキー靴の部品が収納空間から取り出されたりするおそれがある。
【0006】
これに対して、従来のキャビネットでは、両収納室を覆うように形成された網状の扉を備えている。しかしながら、従来のキャビネットでは、扉の全体が針金状の構成部材によって形成されているため、その剛性を高くするのが困難となっている。このため、従来のキャビネットでは、仮に、キャビネット本体に対して扉を施錠可能に構成したとしても、扉を撓ませるようにして比較的容易に変形させることが可能となっている。したがって、従来のキャビネットでは、仮に、キャビネット本体に対して扉を施錠したとしても、扉を変形させることで大きな開口部を生させることができる結果、収納室内に収納されている物品がいじられてこの物品が破損したり、空き缶等の大きなゴミが収納室内に捨て入れられたり、収納室内から物品が取り出されたりするおそれがある。
【0007】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、通気性や収納状態の物品の視認性を低下させることなく、収納状態の物品がいじられる事態、意図しない物品が侵入させられる事態、および収納状態の物品が取り出される事態を好適に阻止し得る収納棚用扉および収納棚を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく請求項1記載の収納棚用扉は、収納棚の棚本体に対して開閉可能に取り付けられる収納棚用扉であって、金属製の網板で構成された扉本体と、金属板を折曲げ加工して形成されると共に前記扉本体の左端部に取り付けられて当該収納棚用扉における左側の小口を構成する左小口構成部材と、金属板を折曲げ加工して形成されると共に前記扉本体の右端部に取り付けられて当該収納棚用扉における右側の小口を構成する右小口構成部材とを備えて、前記左小口構成部材、前記扉本体および前記右小口構成部材が正面視において左側からこの順で並んだ状態で一体化され、前記左小口構成部材および前記右小口構成部材は、取付け状態において前記扉本体における当該収納棚用扉の正面側に配置される正面パネルと、
当該収納棚用扉の裏面側に向かって当該正面パネルの上辺から延出する上端面パネルと、前記裏面側に向かって当該正面パネルの下辺から延出する下端面パネルと、前記裏面側に向かって当該正面パネルの左辺から延出する左端面パネルと、前記裏面側に向かって当該正面パネルの右辺から延出する右端面パネルとをそれぞれ備えると共に、前記上端面パネルにおける前記裏面側の一辺には、前記正面パネルに対して平行な折返し部が下側に向かって延出するように設けられ、前記下端面パネルにおける前記裏面側の一辺には、前記正面パネルに対して平行な折返し部が上側に向かって延出するように設けられ、前記左端面パネルにおける前記裏面側の一辺には、前記正面パネルに対して平行な折返し部が右側に向かって延出するように設けられ、前記右端面パネルにおける前記裏面側の一辺には、前記正面パネルに対して平行な折返し部が左側に向かって延出するように設けられ、前記左小口構成部材は、前記上端面パネル、前記下端面パネルおよび前記左端面パネルにそれぞれ設けられた前記折返し部における前記正面側の表面と、前記右端面パネルに設けられた前記折返し部における前記裏面側の表面とが、前記扉本体の厚みと等しい距離だけ当該収納棚用扉の厚み方向に沿って離間するように、前記上端面パネル、前記下端面パネルおよび前記左端面パネルよりも前記右端面パネルが細幅に形成され、前記右小口構成部材は、前記上端面パネル、前記下端面パネルおよび前記右端面パネルにそれぞれ設けられた前記折返し部における前記正面側の表面と、前記左端面パネルに設けられた前記折返し部における前記裏面側の表面とが、前記扉本体の厚みと等しい距離だけ
当該収納棚用扉の厚み方向に沿って離間するように、前記上端面パネル、前記下端面パネルおよび前記右端面パネルよりも前記左端面パネルが細幅に形成され、前記扉本体は、
前記正面側に向かって折り曲げられた折曲げ部が前記左端部および前記右端部の双方にそれぞれ形成されると共に、前記左端部に形成されている前記折曲げ部の先端が、前記左小口構成部材の前記正面パネルにおける前記裏面側の表面に当接し、かつ、前記右端部に形成されている前記折曲げ部の先端が、前記右小口構成部材の前記正面パネルにおける前記裏面側の表面に当接するように構成されると共に、前記左小口構成部材の前記上端面パネル、前記下端面パネルおよび前記左端面パネルにそれぞれ設けられた前記折返し部と当該左小口構成部材の前記右端面パネルに設けられた前記折返し部との間に前記左端部を差し込まれた状態において当該右端面パネルに設けられた当該折返し部に対して固着され
、かつ前記右小口構成部材の前記上端面パネル、前記下端面パネルおよび前記右端面パネルにそれぞれ設けられた前記折返し部と当該右小口構成部材の前記左端面パネルに設けられた前記折返し部との間に前記右端部を差し込まれた状態において当該左端面パネルに設けられた当該折返し部に対して固着されている。
【0009】
また、請求項2記載の収納棚用扉は、請求項1記載の収納棚用扉において、
前記扉本体は、前記左小口構成部材および前記右小口構成部材の間に位置する部位が前記正面側に向かって突出するように平面視凸状に形成されている。
【0010】
さらに、請求項3記載の収納棚用扉は、
収納棚の棚本体に対して開閉可能に取り付けられる収納棚用扉であって、金属製の網板で構成された扉本体と、金属板を折曲げ加工して形成されると共に前記扉本体の左端部に取り付けられて当該収納棚用扉における左側の小口を構成する左小口構成部材と、金属板を折曲げ加工して形成されると共に前記扉本体の右端部に取り付けられて当該収納棚用扉における右側の小口を構成する右小口構成部材とを備えて、前記左小口構成部材、前記扉本体および前記右小口構成部材が正面視において左側からこの順で並んだ状態で一体化され、前記左小口構成部材および前記右小口構成部材は、取付け状態において前記扉本体における当該収納棚用扉の正面側に配置される正面パネルと、当該収納棚用扉の裏面側に向かって当該正面パネルの上辺から延出する上端面パネルと、前記裏面側に向かって当該正面パネルの下辺から延出する下端面パネルと、前記裏面側に向かって当該正面パネルの左辺から延出する左端面パネルと、前記裏面側に向かって当該正面パネルの右辺から延出する右端面パネルとをそれぞれ備えると共に、前記上端面パネルにおける前記裏面側の一辺には、前記正面パネルに対して平行な折返し部が下側に向かって延出するように設けられ、前記下端面パネルにおける前記裏面側の一辺には、前記正面パネルに対して平行な折返し部が上側に向かって延出するように設けられ、前記左端面パネルにおける前記裏面側の一辺には、前記正面パネルに対して平行な折返し部が右側に向かって延出するように設けられ、前記右端面パネルにおける前記裏面側の一辺には、前記正面パネルに対して平行な折返し部が左側に向かって延出するように設けられ、前記左小口構成部材は、前記上端面パネル、前記下端面パネルおよび前記左端面パネルにそれぞれ設けられた前記折返し部における前記正面側の表面と、前記右端面パネルに設けられた前記折返し部における前記裏面側の表面とが、前記扉本体の厚みと等しい距離だけ当該収納棚用扉の厚み方向に沿って離間するように、前記上端面パネル、前記下端面パネルおよび前記左端面パネルよりも前記右端面パネルが細幅に形成され、前記右小口構成部材は、前記上端面パネル、前記下端面パネルおよび前記右端面パネルにそれぞれ設けられた前記折返し部における前記正面側の表面と、前記左端面パネルに設けられた前記折返し部における前記裏面側の表面とが、前記扉本体の厚みと等しい距離だけ当該収納棚用扉の厚み方向に沿って離間するように、前記上端面パネル、前記下端面パネルおよび前記右端面パネルよりも前記左端面パネルが細幅に形成され、前記扉本体は、前記左小口構成部材および前記右小口構成部材の間に位置する部位が前記正面側に向かって突出するように平面視凸状に形成され
ると共に、前記左小口構成部材の前記上端面パネル、前記下端面パネルおよび前記左端面パネルにそれぞれ設けられた前記折返し部と当該左小口構成部材の前記右端面パネルに設けられた前記折返し部との間に前記左端部を差し込まれた状態において当該右端面パネルに設けられた当該折返し部に対して固着され、かつ前記右小口構成部材の前記上端面パネル、前記下端面パネルおよび前記右端面パネルにそれぞれ設けられた前記折返し部と当該右小口構成部材の前記左端面パネルに設けられた前記折返し部との間に前記右端部を差し込まれた状態において当該左端面パネルに設けられた当該折返し部に対して固着されている。
【0011】
また、請求項4記載の収納棚用扉は、収納棚の棚本体に対して開閉可能に取り付けられる収納棚用扉であって、金属製の網板で構成された扉本体と、金属板を折曲げ加工して形成されると共に前記扉本体の上端部に取り付けられて当該収納棚用扉における上側の小口を構成する上小口構成部材と、金属板を折曲げ加工して形成されると共に前記扉本体の下端部に取り付けられて当該収納棚用扉における下側の小口を構成する下小口構成部材とを備えて、前記上小口構成部材、前記扉本体および前記下小口構成部材が正面視において上側からこの順で並んだ状態で一体化され、前記上小口構成部材および前記下小口構成部材は、取付け状態において前記扉本体における当該収納棚用扉の正面側に配置される正面パネルと、
当該収納棚用扉の裏面側に向かって当該正面パネルの上辺から延出する上端面パネルと、前記裏面側に向かって当該正面パネルの下辺から延出する下端面パネルと、前記裏面側に向かって当該正面パネルの左辺から延出する左端面パネルと、前記裏面側に向かって当該正面パネルの右辺から延出する右端面パネルとをそれぞれ備えると共に、前記上端面パネルにおける前記裏面側の一辺には、前記正面パネルに対して平行な折返し部が下側に向かって延出するように設けられ、前記下端面パネルにおける前記裏面側の一辺には、前記正面パネルに対して平行な折返し部が上側に向かって延出するように設けられ、前記左端面パネルにおける前記裏面側の一辺には、前記正面パネルに対して平行な折返し部が右側に向かって延出するように設けられ、前記右端面パネルにおける前記裏面側の一辺には、前記正面パネルに対して平行な折返し部が左側に向かって延出するように設けられ、前記上小口構成部材は、前記上端面パネル、前記左端面パネルおよび前記右端面パネルにそれぞれ設けられた前記折返し部における前記正面側の表面と、前記下端面パネルに設けられた前記折返し部における前記裏面側の表面とが、前記扉本体の厚みと等しい距離だけ当該収納棚用扉の厚み方向に沿って離間するように、前記上端面パネル、前記左端面パネルおよび前記右端面パネルよりも前記下端面パネルが細幅に形成され、前記下小口構成部材は、前記下端面パネル、前記左端面パネルおよび前記右端面パネルにそれぞれ設けられた前記折返し部における前記正面側の表面と、前記上端面パネルに設けられた前記折返し部における前記裏面側の表面とが、前記扉本体の厚みと等しい距離だけ
当該収納棚用扉の厚み方向に沿って離間するように、前記下端面パネル、前記左端面パネルおよび前記右端面パネルよりも前記上端面パネルが細幅に形成され、前記扉本体は、
前記正面側に向かって折り曲げられた折曲げ部が前記上端部および前記下端部の双方にそれぞれ形成されると共に、前記上端部に形成されている前記折曲げ部の先端が、前記上小口構成部材の前記正面パネルにおける前記裏面側の表面に当接し、かつ、前記下端部に形成されている前記折曲げ部の先端が、前記下小口構成部材の前記正面パネルにおける前記裏面側の表面に当接するように構成されると共に、前記上小口構成部材の前記上端面パネル、前記左端面パネルおよび前記右端面パネルにそれぞれ設けられた前記折返し部と当該上小口構成部材の前記下端面パネルに設けられた前記折返し部との間に前記上端部を差し込まれた状態において当該下端面パネルに設けられた当該折返し部に対して固着され
、かつ前記下小口構成部材の前記下端面パネル、前記左端面パネルおよび前記右端面パネルにそれぞれ設けられた前記折返し部と当該下小口構成部材の前記上端面パネルに設けられた前記折返し部との間に前記下端部を差し込まれた状態において当該上端面パネルに設けられた当該折返し部に対して固着されている。
【0012】
また、請求項5記載の収納棚用扉は、請求項4記載の収納棚用扉において、前記扉本体は、
前記上小口構成部材および前記下小口構成部材の間に位置する部位が前記正面側に向かって突出するように側面視凸状に形成されている。
【0013】
さらに、請求項6記載の収納棚用扉は、
収納棚の棚本体に対して開閉可能に取り付けられる収納棚用扉であって、金属製の網板で構成された扉本体と、金属板を折曲げ加工して形成されると共に前記扉本体の上端部に取り付けられて当該収納棚用扉における上側の小口を構成する上小口構成部材と、金属板を折曲げ加工して形成されると共に前記扉本体の下端部に取り付けられて当該収納棚用扉における下側の小口を構成する下小口構成部材とを備えて、前記上小口構成部材、前記扉本体および前記下小口構成部材が正面視において上側からこの順で並んだ状態で一体化され、前記上小口構成部材および前記下小口構成部材は、取付け状態において前記扉本体における当該収納棚用扉の正面側に配置される正面パネルと、当該収納棚用扉の裏面側に向かって当該正面パネルの上辺から延出する上端面パネルと、前記裏面側に向かって当該正面パネルの下辺から延出する下端面パネルと、前記裏面側に向かって当該正面パネルの左辺から延出する左端面パネルと、前記裏面側に向かって当該正面パネルの右辺から延出する右端面パネルとをそれぞれ備えると共に、前記上端面パネルにおける前記裏面側の一辺には、前記正面パネルに対して平行な折返し部が下側に向かって延出するように設けられ、前記下端面パネルにおける前記裏面側の一辺には、前記正面パネルに対して平行な折返し部が上側に向かって延出するように設けられ、前記左端面パネルにおける前記裏面側の一辺には、前記正面パネルに対して平行な折返し部が右側に向かって延出するように設けられ、前記右端面パネルにおける前記裏面側の一辺には、前記正面パネルに対して平行な折返し部が左側に向かって延出するように設けられ、前記上小口構成部材は、前記上端面パネル、前記左端面パネルおよび前記右端面パネルにそれぞれ設けられた前記折返し部における前記正面側の表面と、前記下端面パネルに設けられた前記折返し部における前記裏面側の表面とが、前記扉本体の厚みと等しい距離だけ当該収納棚用扉の厚み方向に沿って離間するように、前記上端面パネル、前記左端面パネルおよび前記右端面パネルよりも前記下端面パネルが細幅に形成され、前記下小口構成部材は、前記下端面パネル、前記左端面パネルおよび前記右端面パネルにそれぞれ設けられた前記折返し部における前記正面側の表面と、前記上端面パネルに設けられた前記折返し部における前記裏面側の表面とが、前記扉本体の厚みと等しい距離だけ当該収納棚用扉の厚み方向に沿って離間するように、前記下端面パネル、前記左端面パネルおよび前記右端面パネルよりも前記上端面パネルが細幅に形成され、前記扉本体は、前記上小口構成部材および前記下小口構成部材の間に位置する部位が前記正面側に向かって突出するように側面視凸状に形成され
ると共に、前記上小口構成部材の前記上端面パネル、前記左端面パネルおよび前記右端面パネルにそれぞれ設けられた前記折返し部と当該上小口構成部材の前記下端面パネルに設けられた前記折返し部との間に前記上端部を差し込まれた状態において当該下端面パネルに設けられた当該折返し部に対して固着され、かつ前記下小口構成部材の前記下端面パネル、前記左端面パネルおよび前記右端面パネルにそれぞれ設けられた前記折返し部と当該下小口構成部材の前記上端面パネルに設けられた前記折返し部との間に前記下端部を差し込まれた状態において当該上端面パネルに設けられた当該折返し部に対して固着されている。
【0014】
また、請求項7記載の収納棚用扉は、請求項1から6のいずれかに記載の収納棚用扉において、前記扉本体の前記裏面側に板部材が取外し可能に取り付けられている。
【0015】
また、請求項8記載の収納棚は、請求項1から7のいずれかに記載の収納棚用扉が前記棚本体に対して開閉可能に取り付けられている。
【発明の効果】
【0016】
請求項1
および3記載の収納棚用扉では、金属製の網板で構成された扉本体、金属板を折曲げ加工して形成されると共に扉本体の左端部に取り付けられて収納棚用扉における左側の小口を構成する左小口構成部材、および金属板を折曲げ加工して形成されると共に扉本体の右端部に取り付けられて収納棚用扉における右側の小口を構成する右小口構成部材を備え、扉本体が、左小口構成部材の上端面パネル、下端面パネルおよび左端面パネルにそれぞれ設けられた折返し部と左小口構成部材の右端面パネルに設けられた折返し部との間に左端部を差し込まれた状態において右端面パネルに設けられた折返し部に対して固着されると共に、右小口構成部材の上端面パネル、下端面パネルおよび右端面パネルにそれぞれ設けられた折返し部と右小口構成部材の左端面パネルに設けられた折返し部との間に右端部を差し込まれた状態において左端面パネルに設けられた折返し部に対して固着されている。また、請求項8記載の収納棚は、上記の収納棚用扉が棚本体に対して開閉可能に取り付けられている。
【0017】
したがって、請求項1
および3記載の収納棚用扉、
並びに請求項8記載の収納棚によれば、収納棚用扉を閉じることで棚本体における各収納領域の正面側の全域が収納棚用扉によって覆われた状態においても、網板で構成された扉本体の存在によって収納空間の内部と外部とが連通した状態が維持されるため、収納されている物品の視認性や、収納空間の通気性が損なわれる事態を招くことなく、収納空間内に手が差し入れられていじられたり、空き缶等の大きなゴミが収納空間内に捨て入れられたり、収納空間内から物品が取り出されたりする事態を好適に回避することができる。また、この収納棚用扉、および収納棚用扉を備えた収納棚によれば、扉本体の左端部および右端部に左小口構成部材および右小口構成部材をそれぞれ取り付けたことで、収納棚用扉の剛性が十分に高くなっているため、この収納棚用扉を変形させるようにして抉じ開けるのが困難となる結果、この点においても、収納空間内に手が差し入れられていじられたり、空き缶等の大きなゴミが収納空間内に捨て入れられたり、収納空間内から物品が取り出されたりする事態を好適に回避することができる。さらに、この収納棚用扉、および収納棚用扉を備えた収納棚によれば、扉本体に引っ掛けたフックを利用して、収納棚用扉の正面側に物品を釣り下げることができるだけでなく、正面視において、左小口構成部材、扉本体および右小口構成部材が左側からこの順で並んだ収納棚用扉を有する非常に趣向性の高い収納棚を提供することができる。
【0018】
また、請求項
1記載の収納棚用扉、および請求項8記載の収納棚によれば、正面側に向かって折り曲げられた折曲げ部が左端部および右端部の双方にそれぞれ形成されると共に、左端部に形成されている折曲げ部の先端が、左小口構成部材の正面パネルにおける裏面側の表面に当接し、かつ、右端部に形成されている折曲げ部の先端が、右小口構成部材の正面パネルにおける裏面側の表面に当接するように扉本体を構成したことにより、左小口構成部材内において扉本体の左端部が正面パネルに向かって移動するように扉本体や左小口構成部材が変形したり、右小口構成部材内において扉本体の右端部が正面パネルに向かって移動するように扉本体や右小口構成部材が変形したりする事態を回避することができる。これにより、左小口構成部材や右小口構成部材に対して扉本体を固着する固着箇所の数を少なくすることができる結果、収納棚用扉の製造コストを十分に低減することができる。
【0019】
さらに、請求項
2および3記載の収納棚用扉、
並びに請求項8記載の収納棚によれば、左小口構成部材および右小口構成部材の間が正面側に向かって突出するように平面視凸状に扉本体を形成したことにより、閉じた状態の収納棚用扉に物品を釣り下げた状態において、棚本体の棚板や収納棚用扉の左小口構成部材および右小口構成部材が邪魔となる事態を回避することができるため、この収納棚用扉を有する収納棚の利便性を十分に向上させることができる。
【0020】
また、請求項4
および6記載の収納棚用扉では、金属製の網板で構成された扉本体、金属板を折曲げ加工して形成されると共に扉本体の上端部に取り付けられて収納棚用扉における上側の小口を構成する上小口構成部材、および金属板を折曲げ加工して形成されると共に扉本体の下端部に取り付けられて収納棚用扉における下側の小口を構成する下小口構成部材を備え、扉本体が、上小口構成部材の上端面パネル、左端面パネルおよび右端面パネルにそれぞれ設けられた折返し部と上小口構成部材の下端面パネルに設けられた折返し部との間に上端部を差し込まれた状態において下端面パネルに設けられた折返し部に対して固着されると共に、下小口構成部材の下端面パネル、左端面パネルおよび右端面パネルにそれぞれ設けられた折返し部と下小口構成部材の上端面パネルに設けられた折返し部との間に下端部を差し込まれた状態において上端面パネルに設けられた折返し部に対して固着されている。また、請求項8記載の収納棚は、上記の収納棚用扉が棚本体に対して開閉可能に取り付けられている。
【0021】
したがって、請求項4
および6記載の収納棚用扉、
並びに請求項8記載の収納棚によれば、収納棚用扉を閉じることで棚本体における各収納領域の正面側の全域が収納棚用扉によって覆われた状態においても、網板で構成された扉本体の存在によって収納空間の内部と外部とが連通した状態が維持されるため、収納されている物品の視認性や、収納空間の通気性が損なわれる事態を招くことなく、収納空間内に手が差し入れられていじられたり、空き缶等の大きなゴミが収納空間内に捨て入れられたり、収納空間内から物品が取り出されたりする事態を好適に回避することができる。また、この収納棚用扉、および収納棚用扉を備えた収納棚によれば、扉本体の上端部および下端部に上小口構成部材および下小口構成部材をそれぞれ取り付けたことで、収納棚用扉の剛性が十分に高くなっているため、この収納棚用扉を変形させるようにして抉じ開けるのが困難となる結果、この点においても、収納空間内に手が差し入れられていじられたり、空き缶等の大きなゴミが収納空間内に捨て入れられたり、収納空間内から物品が取り出されたりする事態を好適に回避することができる。さらに、この収納棚用扉、および収納棚用扉を備えた収納棚によれば、扉本体に引っ掛けたフックを利用して、収納棚用扉の正面側に物品を釣り下げることができるだけでなく、正面視において、上小口構成部材、扉本体および下小口構成部材が上側からこの順で並んだ収納棚用扉を有する非常に趣向性の高い収納棚を提供することができる。
【0022】
また、請求項
4記載の収納棚用扉、および請求項8記載の収納棚によれば、正面側に向かって折り曲げられた折曲げ部が上端部および下端部の双方にそれぞれ形成されると共に、上端部に形成されている折曲げ部の先端が、上小口構成部材の正面パネルにおける裏面側の表面に当接し、かつ、下端部に形成されている折曲げ部の先端が、下小口構成部材の正面パネルにおける裏面側の表面に当接するように扉本体を構成したことにより、上小口構成部材内において扉本体の上端部が正面パネルに向かって移動するように扉本体や上小口構成部材が変形したり、下小口構成部材内において扉本体の下端部が正面パネルに向かって移動するように扉本体や下小口構成部材が変形したりする事態を回避することができる。これにより、上小口構成部材や下小口構成部材に対して扉本体を固着する固着箇所の数を少なくすることができる結果、収納棚用扉の製造コストを十分に低減することができる。
【0023】
さらに、請求項
5および6記載の収納棚用扉、
並びに請求項8記載の収納棚によれば、上小口構成部材および下小口構成部材の間に位置する部位が正面側に向かって突出するように側面視凸状に扉本体を形成したことにより、閉じた状態の収納棚用扉に物品を釣り下げた状態において、棚本体の棚板や収納棚用扉の左小口構成部材および右小口構成部材が邪魔となる事態を回避することができるため、この収納棚用扉を有する収納棚の利便性を十分に向上させることができる。
【0024】
また、請求項7記載の収納棚用扉、および請求項8記載の収納棚によれば、扉本体の裏面側に板部材を取外し可能に取り付けたことにより、収納空間内の視認性を損ないたくない場合には、光透過性を有する板部材を扉本体に取り付け、収納空間内の物品を視認されたくない場合には、不透明な板部材を扉本体に取り付けることで、埃や小さなゴミの侵入を好適に回避することができる。また、ゴミ等の侵入を回避する必要がないときには、扉本体から板部材を取り外して、その通気性や視認性を確保することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、収納棚用扉および収納棚の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0027】
図1〜4に示す扉1は、収納棚用扉の一例である開き戸タイプの扉であって、
図15に示すように、ロッカー100のロッカー本体101に対して開閉可能に取り付けられてロッカー本体101における各収納空間の前面開口部位を閉塞可能に構成されている。この場合、ロッカー100は、収納棚の一例であって、左右両側板、天板、底板、背板、棚板および仕切り板の各板体が金属板によって形成されたロッカー本体101(棚本体の一例)と、複数の扉1(この例では、12枚の扉1)とを備えて構成されている。また、
図1〜4に示すように、扉1は、扉本体2、左小口構成部材3および右小口構成部材4を備えて正面視矩形状に形成されている。この場合、この扉1は、
図15に示すように、その左右方向の長さが、ロッカー本体101における各収納領域の左右方向の長さと等しく、かつ、その上下方向の長さが、ロッカー本体101における各収納領域の上下方向の長さと等しくなるように形成されている。
【0028】
扉本体2は、
図5,6に示すように、一例として、直径3mmのステンレススチールの棒で構成された複数の横棒21と、直径2mmのステンレススチールの棒で構成された複数の縦棒22とが格子状に組み合わされて、各横棒21と各縦棒22との交差部位が溶接された網板で構成されている。この場合、直径3mmの横棒21と直径2mmの縦棒22とを格子状に組み合わせて構成されたこの扉本体2では、その厚みが3+2=5mmとなっている。また、この扉本体2では、後述するようにして、その左端部に取り付けられる左小口構成部材3を扉本体2に固定するためのねじ止め用ステー23と、その右端部に取り付けられる右小口構成部材4を扉本体2に固定するためのねじ止め用ステー23とが、一例として、上下方向で隣り合う横棒21,21の間に掛け渡された状態で両横棒21,21に溶接されている。
【0029】
左小口構成部材3は、所定形状に打ち抜き加工した金属板を折り曲げて箱状に形成されると共に(「金属板を折曲げ加工して形成され」との構成)、
図1〜4に示すように、扉本体2の左端部に取り付けられて扉1における左側の小口を構成する。この左小口構成部材3は、
図7〜9に示すように、取付け状態において扉本体2における扉1の正面側に配置される正面パネル31と、扉1の裏面側に向かって正面パネル31の上辺から延出する上端面パネル32と、裏面側に向かって正面パネル31の下辺から延出する下端面パネル33と、裏面側に向かって正面パネル31の左辺から延出する左端面パネル34と、裏面側に向かって正面パネル31の右辺から延出する右端面パネル35とを備えている。
【0030】
また、この左小口構成部材3は、上端面パネル32における裏面側の一辺に、正面パネル31に対して平行な折返し部32aが下側に向かって延出するように設けられ、下端面パネル33における裏面側の一辺に、正面パネル31に対して平行な折返し部33aが上側に向かって延出するように設けられ、左端面パネル34における裏面側の一辺に、正面パネル31に対して平行な折返し部34aが右側に向かって延出するように設けられ、右端面パネル35における裏面側の一辺に、正面パネル31に対して平行な折返し部35aが左側に向かって延出するように設けられている。この場合、この左小口構成部材3では、折返し部32a,33a,34aにおける正面側の表面と、折返し部35aにおける裏面側の表面とが、扉本体2の厚みと等しい距離(本例では、5mm)だけ扉1の厚み方向に沿って離間するように、上端面パネル32、下端面パネル33および左端面パネル34よりも右端面パネル35が細幅に(扉1の厚み方向の長さが短く)形成されている。
【0031】
さらに、この左小口構成部材3は、
図7に示すように、上記の正面パネル31に、ネームプレート取付け部11(
図1,3,4参照)を取り付けるための取付け用孔31aと、取っ手12(
図1,3参照)を取り付けるための取付け用孔31bとが形成されている。この場合、本例の扉1に取り付けられているネームプレート取付け部11は、一例として、樹脂材料で形成されている。また、本例の扉1に取り付けられている取っ手12は、一例として、その主要部分が樹脂材料で形成されると共に、図示しないロック機構を施錠/解錠するためのキーシリンダが一体的に設けられている。この左小口構成部材3は、
図7に示すように、後述するようにして扉本体2(ねじ止め用ステー23)を左小口構成部材3にねじ止めするためのねじ孔35bが上記の折返し部35aに形成されている。
【0032】
一方、右小口構成部材4は、所定形状に打ち抜き加工した金属板を折り曲げて箱状に形成されると共に(「金属板を折曲げ加工して形成され」との構成)、
図1〜4に示すように、扉本体2の右端部に取り付けられて扉1における右側の小口を構成する。この右小口構成部材4は、
図7,8,10に示すように、取付け状態において扉本体2における扉1の正面側に配置される正面パネル41と、扉1の裏面側に向かって正面パネル41の上辺から延出する上端面パネル42と、裏面側に向かって正面パネル41の下辺から延出する下端面パネル43と、裏面側に向かって正面パネル41の左辺から延出する左端面パネル44と、裏面側に向かって正面パネル41の右辺から延出する右端面パネル45とを備えている。
【0033】
また、この右小口構成部材4は、上端面パネル42における裏面側の一辺に、正面パネル41に対して平行な折返し部42aが下側に向かって延出するように設けられ、下端面パネル43における裏面側の一辺に、正面パネル41に対して平行な折返し部43aが上側に向かって延出するように設けられ、左端面パネル44における裏面側の一辺に、正面パネル41に対して平行な折返し部44aが右側に向かって延出するように設けられ、右端面パネル45における裏面側の一辺に、正面パネル41に対して平行な折返し部45aが左側に向かって延出するように設けられている。この場合、この右小口構成部材4では、折返し部42a,43a,45aにおける正面側の表面と、折返し部44aにおける裏面側の表面とが、扉本体2の厚みと等しい距離(本例では、5mm)だけ扉1の厚み方向に沿って離間するように、上端面パネル42、下端面パネル43および右端面パネル45よりも左端面パネル44が細幅に(扉1の厚み方向の長さが短く)形成されている。
【0034】
さらに、この右小口構成部材4は、
図7に示すように、後述するようにして扉本体2(ねじ止め用ステー23)を右小口構成部材4にねじ止めするためのねじ孔44bが上記の折返し部44aに形成されている。また、この右小口構成部材4は、
図2,4,8に示すように、この扉1をロッカー本体101(
図15参照)に対して開閉可能に取り付けるための一対の軸部材10(
図1,3参照)を挿通可能な挿通用孔42b,43bが上記の上端面パネル42および下端面パネル43にそれぞれ形成されている。
【0035】
この扉1では、
図5,6に示すように、扉本体2の左端部および右端部の双方に正面側に向かって折り曲げられた折曲げ部21aがそれぞれ形成されている。この場合、
図2,4に示すように、両折曲げ部21aは、左小口構成部材3および右小口構成部材4を扉本体2に取り付けた状態において、左端部に形成されている折曲げ部21aの先端が、左小口構成部材3の正面パネル31における裏面側の表面に当接し、かつ、右端部に形成されている折曲げ部21aの先端が、右小口構成部材4の正面パネル41における裏面側の表面に当接するようにその長さ(折り曲げ長さ)が規定されている。なお、本例の扉1では、前述した取っ手12の装着の妨げとなる部位の横棒21が、その他の横棒21よりも短尺に形成されている。
【0036】
この扉1は、
図2,4に示すように、左小口構成部材3の折返し部32a,33a,34aと折返し部35aとの間に扉本体2の左端部を差し込まれた状態において、扉本体2(ねじ止め用ステー23)が折返し部35aにねじ止めされると共に、右小口構成部材4の折返し部42a,43a,45aと折返し部44aとの間に扉本体2の右端部を差し込まれた状態において、扉本体2(ねじ止め用ステー23)が折返し部44aにねじ止めされている。
【0037】
具体的には、この扉1の組立てに際しては、
図11に示すように、まず、上端面パネル32の折返し部32aおよび下端面パネル33の折返し部33aと、右端面パネル35の折返し部35aとの間に扉本体2の左端部に形成された折曲げ部21aの先端部を差し込むようにして、左小口構成部材3を扉本体2に対して矢印E1の向きに移動させると共に、上端面パネル42の折返し部42aおよび下端面パネル43の折返し部43aと、左端面パネル44の折返し部44aとの間に扉本体2の右端部に形成された折曲げ部21aの先端部を差し込むようにして、右小口構成部材4を扉本体2に対して矢印E1の向きに移動させる。なお、同図では、左小口構成部材3および右小口構成部材4の下端部側を図示しているため、上端面パネル32,42(折返し部32a,42a)は図示されていない。
【0038】
次いで、右端面パネル35と折返し部35aとの角部を軸にして左小口構成部材3を扉本体2に対して矢印E2の向きに回動させると共に、左端面パネル44と折返し部44aとの角部を軸にして右小口構成部材4を扉本体2に対して矢印E2の向きに回動させる。この際には、
図12に示すように、扉本体2の左端部に形成された折曲げ部21aの先端が左小口構成部材3の正面パネル31における裏面側の表面に当接すると共に、扉本体2の右端部に形成された折曲げ部21aの先端が右小口構成部材4の正面パネル41における裏面側の表面に当接する。続いて、左小口構成部材3および右小口構成部材4を扉本体2に対してそれぞれ矢印Fの方向でスライドさせて、
図2,4に示すように、左小口構成部材3の左端面パネル34における右側の表面(つまり、左端面パネル34の裏面)に扉本体2の左端部を当接させると共に、右小口構成部材4の右端面パネル45における左側の表面(つまり、右端面パネル45の裏面)に扉本体2の右端部を当接させる。
【0039】
次いで、扉本体2の各ねじ止め用ステー23を挿通させた固定用ねじ(
図3参照)を折返し部35aに形成されている各ねじ孔35b、および折返し部44aに形成されている各ねじ孔44bにそれぞれねじ込むことにより、左小口構成部材3および右小口構成部材4に対して扉本体2を固着させる(固定する)。この後、左小口構成部材3の正面パネル31にネームプレート取付け部11や取っ手12を取り付けることにより、扉1が完成する。なお、ネームプレート取付け部11や取っ手12の取り付けに際しては、扉本体2に対する左小口構成部材3の取り付けに先立って実行してもよい。
【0040】
この場合、前述したように、この扉1は、その左右方向の長さが、ロッカー本体101における各収納領域の左右方向の長さと等しく、かつ、その上下方向の長さが、ロッカー本体101における各収納領域の上下方向の長さと等しくなるように形成されている。したがって、この扉1では、扉を閉めた状態において扉の上下に大きな開口部が生じる構成の従来のロッカーとは異なり、
図15に示すように、扉1を閉めた状態において各収納領域の正面側の全域(開口部の全域)が扉1によって覆われた状態となる。また、正面視において、左小口構成部材3、扉本体2および右小口構成部材4が左側からこの順で並ぶように構成されているこの扉1では、各収納領域の正面側の全域が扉1によって覆われた状態においても、網板で構成された扉本体2の存在により、収納空間の内部と外部とが連通した状態が維持される。
【0041】
さらに、扉本体2の左端部および右端部に左小口構成部材3および右小口構成部材4が取り付けられて構成された扉1では、扉の全体が針金状の構成部材によって網状に形成された従来のキャビネットとは異なり、扉1の剛性が十分に高くなっている。また、この扉1では、扉本体2に引っ掛けたフック(図示せず)を利用して、扉1の正面側に物品を釣り下げることができる。加えて、この扉1では、扉全体を金属板等で構成した単調な扉(図示せず)とは異なり、正面視において、左小口構成部材3、扉本体2および右小口構成部材4が左側からこの順で並んだ扉1を有する非常に趣向性の高いロッカー100を提供することが可能となっている。
【0042】
このように、この扉1では、金属製の網板で構成された扉本体2、金属板を折曲げ加工して形成されると共に扉本体2の左端部に取り付けられて扉1における左側の小口を構成する左小口構成部材3、および金属板を折曲げ加工して形成されると共に扉本体2の右端部に取り付けられて扉1における右側の小口を構成する右小口構成部材4を備え、扉本体2が、左小口構成部材3の折返し部32a,33a,34aと折返し部35aとの間に左端部を差し込まれた状態において折返し部35aに対して固着される(この例では、ねじ止めされる)と共に、右小口構成部材4の折返し部42a,43a,45aと折返し部44aとの間に右端部を差し込まれた状態において折返し部44aに対して固着されている(この例では、ねじ止めされている)。また、このロッカー100では、上記の扉1がロッカー本体101に対して開閉可能に取り付けられている。
【0043】
したがって、この扉1、および扉1を備えたロッカー100によれば、扉1を閉じることでロッカー本体101における各収納領域の正面側の全域が扉1によって覆われた状態においても、網板で構成された扉本体2の存在によって収納空間の内部と外部とが連通した状態が維持されるため、収納されている物品の視認性や、収納空間の通気性が損なわれる事態を招くことなく、収納空間内に手が差し入れられていじられたり、空き缶等の大きなゴミが収納空間内に捨て入れられたり、収納空間内から物品が取り出されたりする事態を好適に回避することができる。また、この扉1、および扉1を備えたロッカー100によれば、扉本体2の左端部および右端部に左小口構成部材3および右小口構成部材4をそれぞれ取り付けたことで、扉1の剛性が十分に高くなっているため、この扉1を変形させるようにして抉じ開けるのが困難となる結果、この点においても、収納空間内に手が差し入れられていじられたり、空き缶等の大きなゴミが収納空間内に捨て入れられたり、収納空間内から物品が取り出されたりする事態を好適に回避することができる。さらに、この扉1、および扉1を備えたロッカー100によれば、扉本体2に引っ掛けたフックを利用して、扉1の正面側に物品を釣り下げることができるだけでなく、正面視において、左小口構成部材3、扉本体2および右小口構成部材4が左側からこの順で並んだ扉1を有する非常に趣向性の高いロッカー100を提供することができる。
【0044】
また、この扉1、および扉1を備えたロッカー100によれば、正面側に向かって折り曲げられた折曲げ部21aが左端部および右端部の双方にそれぞれ形成されると共に、左端部に形成されている折曲げ部21aの先端が、左小口構成部材3の正面パネル31における裏面側の表面に当接し、かつ、右端部に形成されている折曲げ部21aの先端が、右小口構成部材4の正面パネル41における裏面側の表面に当接するように扉本体2を構成したことにより、左小口構成部材3内において扉本体2の左端部が正面パネル31に向かって移動するように扉本体2や左小口構成部材3が変形したり、右小口構成部材4内において扉本体2の右端部が正面パネル41に向かって移動するように扉本体2や右小口構成部材4が変形したりする事態を回避することができる。これにより、左小口構成部材3や右小口構成部材4に対して扉本体2を固着する固着箇所(本例では、ねじ止め箇所)の数を少なくすることができる結果、扉1の製造コストを十分に低減することができる。
【0045】
次に、収納棚用扉の他の形態について、図面を参照して説明する。なお、前述した扉1およびロッカー100と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0046】
前述した扉1では、その扉本体2が、折曲げ部21aを除いてほぼ平坦に(平板状に)形成されている。したがって、この扉1では、扉本体2が左小口構成部材3や右小口構成部材4よりも奥まった位置に存在することとなる。このため、扉1を閉めた状態において、左小口構成部材3や右小口構成部材4の正面パネル31,41がロッカー本体101の棚板における正面側端面に対して面一となるように扉1をロッカー本体101に取り付けた場合に、棚板における正面側端面に対して扉本体2が奥まった位置に存在することとなる。この結果、扉本体2に対してフックなとを引っ掛けて物品を吊す際に、ロッカー本体101の棚板や扉1の左小口構成部材3および右小口構成部材4などが邪魔となる可能性もある。
【0047】
これに対して、
図13に示す扉1Aでは、上記の扉1における扉本体2に代えて、左小口構成部材3および右小口構成部材4の間が正面側に向かって突出するように平面視凸状に形成された扉本体2aを備えて構成されている。この扉1Aの扉本体2aでは、一例として、扉本体2aの左端部および右端部に左小口構成部材3および右小口構成部材4を取り付けた状態で、この左小口構成部材3および右小口構成部材4の間に位置する部位において各横棒21が左小口構成部材3の正面パネル31や右小口構成部材4の正面パネル41よりも正面側に突出するように形成されている。したがって、この扉1Aの扉本体2aに対してフックなとを引っ掛けて物品を吊す際に、ロッカー100A(
図15参照)のロッカー本体101における棚板や、扉1Aの左小口構成部材3および右小口構成部材4などが邪魔となる事態が回避される。なお、横棒21が正面パネル31,41から突出しない程度に扉本体を凸状に形成した場合(例えば、
図14に示す扉1Bの扉本体2b参照)においても、前述した扉本体2と比較して、棚板や左小口構成部材3および右小口構成部材4が邪魔となる事態は十分に改善される。
【0048】
一方、上記の扉1,1Aでは、左小口構成部材3と右小口構成部材4との間の扉本体2,2aの存在によって、収納空間の内部と外部とが連通した状態となっている。このため、埃や小さなゴミが収納空間内に侵入することがある。また、収納空間内の物品を視認されたくないときもある。この点に関し、
図14に示す扉1Bでは、扉本体2bの裏面側に、樹脂板5(「板部材」の一例)を取外し可能に取り付けることができるように構成されている。具体的には、この扉1Bの扉本体2bでは、上記の扉本体2aと同様に扉本体2bが平面視凸状に形成されると共に、縦棒22に取り付けた押さえ用横棒24と縦棒22との間に扉1Bの上方から樹脂板5を差し入れることができるように構成されている。これにより、この扉1Bを取り付けたロッカー100B(
図15参照)の使用に際して、必要に応じて任意の樹脂板5を取り付け、また、不要なときには、樹脂板5を取り外すことが可能となっている。
【0049】
このように、この扉1A、および扉1Aを備えたロッカー100Aによれば、左小口構成部材3および右小口構成部材4の間に位置する部位が正面側に向かって突出するように平面視凸状に扉本体2aを形成したことにより、閉じた状態の扉1Aに物品を釣り下げた状態において、ロッカー本体101の棚板や扉1Aの左小口構成部材3および右小口構成部材4が邪魔となる事態を回避することができるため、この扉1Aを有するロッカー100Aの利便性を十分に向上させることができる。
【0050】
また、この扉1B、および扉1Bを備えたロッカー100Bによれば、扉本体2bの裏面側に樹脂板5を取外し可能に取り付けたことにより、収納空間内の視認性を損ないたくない場合には、光透過性を有する樹脂板5を扉本体2bに取り付け、収納空間内の物品を視認されたくない場合には、不透明な樹脂板5を扉本体2bに取り付けることで、埃や小さなゴミの侵入を好適に回避することができる。また、ゴミ等の侵入を回避する必要がないときには、扉本体2bから樹脂板5を取り外して、その通気性や視認性を確保することができる。
【0051】
続いて、収納棚用扉のさらに他の形態について、図面を参照して説明する。なお、前述した扉1,1A,1Bおよびロッカー100,100A,100Bと同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0052】
図16〜18に示す扉1Cは、収納棚用扉の他の一例である開き戸タイプの扉であって、
図19に示すように、ロッカー100Cのロッカー本体101に対して開閉可能に取り付けられてロッカー本体101における各収納空間の前面開口部位を閉塞可能に構成されている。この場合、前述した扉1(1A,1B)では、扉本体2(2a,2b)の左端部および右端部に左小口構成部材3および右小口構成部材4が取り付けられて、正面視において左小口構成部材3、扉本体2(2a,2b)および右小口構成部材4が左側からこの順で並ぶように構成されているのに対し、この扉1Cでは、扉本体2cの上端部および下端部に上小口構成部材6および下小口構成部材7が取り付けられて、正面視において上小口構成部材6、扉本体2cおよび下小口構成部材7が上側からこの順で並ぶように構成されている。この扉1Cは、前述した扉1(1A,1B)と同様にして、
図19に示すように、その左右方向の長さが、ロッカー本体101における各収納領域の左右方向の長さと等しく、かつ、その上下方向の長さが、ロッカー本体101における各収納領域の上下方向の長さと等しくなるように形成されている。
【0053】
扉本体2cは、
図16〜18に示すように、複数の横棒21と複数の縦棒22とが格子状に組み合わされて、各横棒21と各縦棒22との交差部位が溶接された網板で構成されている。また、この扉本体2cでは、後述するようにして、その左端部に取り付けられる上小口構成部材6を扉本体2cに固定するためのねじ止め用ステー23と、その右端部に取り付けられる下小口構成部材7を扉本体2cに固定するためのねじ止め用ステー23とが、一例として、左右方向で隣り合う縦棒22,22の間に掛け渡された状態で両縦棒22,22に溶接されている。
【0054】
上小口構成部材6は、所定形状に打ち抜き加工した金属板を折り曲げて箱状に形成されると共に(「金属板を折曲げ加工して形成され」との構成)、扉本体2cの上端部に取り付けられて扉1Cにおける上側の小口を構成する。この上小口構成部材6は、取付け状態において扉本体2cにおける扉1Cの正面側に配置される正面パネル61と、扉1Cの裏面側に向かって正面パネル61の上辺から延出する上端面パネル62と、裏面側に向かって正面パネル61の下辺から延出する下端面パネル63と、裏面側に向かって正面パネル61の左辺から延出する左端面パネル64と、裏面側に向かって正面パネル61の右辺から延出する右端面パネル65とを備えている。
【0055】
また、この上小口構成部材6は、上端面パネル62における裏面側の一辺に、正面パネル61に対して平行な折返し部62aが下側に向かって延出するように設けられ、下端面パネル63における裏面側の一辺に、正面パネル61に対して平行な折返し部63aが上側に向かって延出するように設けられ、左端面パネル64における裏面側の一辺に、正面パネル61に対して平行な折返し部64aが右側に向かって延出するように設けられ、右端面パネル65における裏面側の一辺に、正面パネル61に対して平行な折返し部65aが左側に向かって延出するように設けられている。この場合、この上小口構成部材6では、折返し部62a,64a,65aにおける正面側の表面と、折返し部63aにおける裏面側の表面とが、扉本体2cの厚みと等しい距離(本例では、5mm)だけ扉1Cの厚み方向に沿って離間するように、上端面パネル62、左端面パネル64および右端面パネル65よりも下端面パネル63が細幅に(扉1の厚み方向の長さが短く)形成されている。
【0056】
さらに、この上小口構成部材6は、
図18に示すように、上記の正面パネル61に、ネームプレート取付け部11(
図16参照)を取り付けるための取付け用孔61aが形成されている。また、この上小口構成部材6は、この扉1Cをロッカー本体101(
図19参照)に対して開閉可能に取り付けるための軸部材10(
図16,18参照)を挿通可能な挿通用孔(図示せず)が上記の上端面パネル62に形成されている。さらに、この上小口構成部材6は、後述するようにして扉本体2c(ねじ止め用ステー23)を上小口構成部材6にねじ止めするためのねじ孔(図示せず)が上記の折返し部63aに形成されている。
【0057】
一方、下小口構成部材7は、所定形状に打ち抜き加工した金属板を折り曲げて箱状に形成されると共に(「金属板を折曲げ加工して形成され」との構成)、扉本体2cの下端部に取り付けられて扉1Cにおける下側の小口を構成する。この下小口構成部材7は、
図16〜18に示すように、取付け状態において扉本体2cにおける扉1Cの正面側に配置される正面パネル71と、扉1Cの裏面側に向かって正面パネル71の上辺から延出する上端面パネル72と、裏面側に向かって正面パネル71の下辺から延出する下端面パネル73と、裏面側に向かって正面パネル71の左辺から延出する左端面パネル74と、裏面側に向かって正面パネル71の右辺から延出する右端面パネル75とを備えている。
【0058】
また、この下小口構成部材7は、上端面パネル72における裏面側の一辺に、正面パネル71に対して平行な折返し部72aが下側に向かって延出するように設けられ、下端面パネル73における裏面側の一辺に、正面パネル71に対して平行な折返し部73aが上側に向かって延出するように設けられ、左端面パネル74における裏面側の一辺に、正面パネル71に対して平行な折返し部74aが右側に向かって延出するように設けられ、右端面パネル75における裏面側の一辺に、正面パネル71に対して平行な折返し部75aが左側に向かって延出するように設けられている。この場合、この下小口構成部材7では、折返し部73a,74a,75aにおける正面側の表面と、折返し部72aにおける裏面側の表面とが、扉本体2cの厚みと等しい距離(本例では、5mm)だけ扉1Cの厚み方向に沿って離間するように、下端面パネル73、左端面パネル74および右端面パネル75よりも上端面パネル72が細幅に(扉1の厚み方向の長さが短く)形成されている。
【0059】
さらに、この下小口構成部材7は、
図18に示すように、上記の正面パネル71に、ロック機構13(
図16参照)を取り付けるための取付け用孔71aが形成されている。この場合、本例のロック機構13は、カードキー13aを備えて構成されている。このカードキー13aは、施錠状態においてロック機構13からの取外しが許容されると共に、解錠状態においてロック機構13からの取外しが阻止されて扉1Cを開け閉めするための「取っ手」として機能するように構成されている。また、この下小口構成部材7は、この扉1Cをロッカー本体101(
図19参照)に対して開閉可能に取り付けるための軸部材10(
図16,18参照)を挿通可能な挿通用孔(図示せず)が上記の下端面パネル73に形成されている。さらに、この下小口構成部材7は、後述するようにして扉本体2c(ねじ止め用ステー23)を下小口構成部材7にねじ止めするためのねじ孔(図示せず)が上記の折返し部72aに形成されている。
【0060】
この扉1Cでは、
図17に示すように、扉本体2cの上端部および下端部の双方に正面側に向かって折り曲げられた折曲げ部22aがそれぞれ形成されている。この場合、両折曲げ部22aは、上小口構成部材6および下小口構成部材7を扉本体2cに取り付けた状態において、上端部に形成されている折曲げ部22aの先端が、上小口構成部材6の正面パネル61における裏面側の表面に当接し、かつ、下端部に形成されている折曲げ部22aの先端が、下小口構成部材7の正面パネル71における裏面側の表面に当接するようにその長さ(折り曲げ長さ)が規定されている。なお、本例の扉1Cでは、前述したロック機構13の装着の妨げとなる部位の縦棒22が、その他の縦棒22よりも短尺に形成されている。
【0061】
この扉1Cは、上小口構成部材6の折返し部62a,64a,65aと折返し部63aとの間に扉本体2cの上端部を差し込まれた状態において、扉本体2c(ねじ止め用ステー23)が折返し部63aにねじ止めされると共に、下小口構成部材7の折返し部73a,74a,75aと折返し部72aとの間に扉本体2cの下端部を差し込まれた状態において、扉本体2c(ねじ止め用ステー23)が折返し部72aにねじ止めされている。なお、この扉1Cの組立て方法については、前述した扉1の組立て方法と同様のため、その説明を省略する。
【0062】
この場合、前述したように、この扉1Cは、その左右方向の長さが、ロッカー本体101における各収納領域の左右方向の長さと等しく、かつ、その上下方向の長さが、ロッカー本体101における各収納領域の上下方向の長さと等しくなるように形成されている。したがって、この扉1Cでは、扉を閉めた状態において扉の上下に大きな開口部が生じる構成の従来のロッカーとは異なり、
図19に示すように、扉1Cを閉めた状態において各収納領域の正面側の全域(開口部の全域)が扉1Cによって覆われた状態となる。また、正面視において、上小口構成部材6、扉本体2cおよび下小口構成部材7が上側からこの順で並ぶように構成されているこの扉1Cでは、各収納領域の正面側の全域が扉1Cによって覆われた状態においても、網板で構成された扉本体2cの存在により、収納空間の内部と外部とが連通した状態が維持される。
【0063】
さらに、扉本体2cの上端部および下端部に上小口構成部材6および下小口構成部材7が取り付けられて構成された扉1Cでは、扉の全体が針金状の構成部材によって網状に形成された従来のキャビネットとは異なり、扉1Cの剛性が十分に高くなっている。また、この扉1Cでは、扉本体2cに引っ掛けたフック(図示せず)を利用して、扉1Cの正面側に物品を釣り下げることができる。加えて、この扉1Cでは、扉全体を金属板等で構成した単調な扉(図示せず)とは異なり、正面視において、上小口構成部材6、扉本体2cおよび下小口構成部材7が上側からこの順で並んだ扉1Cを有する非常に趣向性の高いロッカー100Cを提供することが可能となっている。
【0064】
このように、この扉1Cでは、金属製の網板で構成された扉本体2c、金属板を折曲げ加工して形成されると共に扉本体2cの上端部に取り付けられて扉1Cにおける上側の小口を構成する上小口構成部材6、および金属板を折曲げ加工して形成されると共に扉本体2cの下端部に取り付けられて扉1Cにおける下側の小口を構成する下小口構成部材7を備え、扉本体2cが、上小口構成部材6の折返し部62a,64a,65aと折返し部63aとの間に上端部を差し込まれた状態において折返し部63aに対して固着される(この例では、ねじ止めされる)と共に、下小口構成部材7の折返し部73a,74a,75aと折返し部72aとの間に下端部を差し込まれた状態において折返し部72aに対して固着されている(この例では、ねじ止めされている)。また、このロッカー100Cでは、上記の扉1Cがロッカー本体101に対して開閉可能に取り付けられている。
【0065】
したがって、この扉1C、および扉1Cを備えたロッカー100Cによれば、扉1Cを閉じることでロッカー本体101における各収納領域の正面側の全域が扉1Cによって覆われた状態においても、網板で構成された扉本体2cの存在によって収納空間の内部と外部とが連通した状態が維持されるため、収納されている物品の視認性や、収納空間の通気性が損なわれる事態を招くことなく、収納空間内に手が差し入れられていじられたり、空き缶等の大きなゴミが収納空間内に捨て入れられたり、収納空間内から物品が取り出されたりする事態を好適に回避することができる。また、この扉1C、および扉1Cを備えたロッカー100Cによれば、扉本体2cの上端部および下端部に上小口構成部材6および下小口構成部材7をそれぞれ取り付けたことで、扉1Cの剛性が十分に高くなっているため、この扉1Cを変形させるようにして抉じ開けるのが困難となる結果、この点においても、収納空間内に手が差し入れられていじられたり、空き缶等の大きなゴミが収納空間内に捨て入れられたり、収納空間内から物品が取り出されたりする事態を好適に回避することができる。さらに、この扉1C、および扉1Cを備えたロッカー100Cによれば、扉本体2cに引っ掛けたフックを利用して、扉1Cの正面側に物品を釣り下げることができるだけでなく、正面視において、上小口構成部材6、扉本体2cおよび下小口構成部材7が上側からこの順で並んだ扉1Cを有する非常に趣向性の高いロッカー100Cを提供することができる。
【0066】
また、この扉1C、および扉1Cを備えたロッカー100Cによれば、正面側に向かって折り曲げられた折曲げ部22aが上端部および下端部の双方にそれぞれ形成されると共に、上端部に形成されている折曲げ部22aの先端が、上小口構成部材6の正面パネル61における裏面側の表面に当接し、かつ、下端部に形成されている折曲げ部22aの先端が、下小口構成部材7の正面パネル71における裏面側の表面に当接するように扉本体2cを構成したことにより、上小口構成部材6内において扉本体2cの上端部が正面パネル61に向かって移動するように扉本体2cや上小口構成部材6が変形したり、下小口構成部材7内において扉本体2cの下端部が正面パネル71に向かって移動するように扉本体2cや下小口構成部材7が変形したりする事態を回避することができる。これにより、上小口構成部材6や下小口構成部材7に対して扉本体2cを固着する固着箇所(本例では、ねじ止め箇所)の数を少なくすることができる結果、扉1Cの製造コストを十分に低減することができる。
【0067】
なお、収納棚用扉、および収納棚の構成は、上記の扉1,1A〜1Cの構成に限定されない。例えば、折曲げ部22aを除いてほぼ平坦に(平板状に)形成された扉本体2cを有する扉1Cについて説明したが、この扉本体2cに代えて、前述した扉本体2a,2bと同様にして、上小口構成部材6と下小口構成部材7との間に位置する部位を正面側に向かって突出させた側面視凸状の扉本体(図示せず)を採用することができる(図示せず)。また、そのように形成した扉本体の裏面側に樹脂板5を取外し可能に取り付けることもできる(図示せず)。このような構成を採用した扉においても、上記の扉1A,1Bと同様の効果を奏することができる。
【0068】
また、複数の横棒21および複数の縦棒22を格子状に組み合わせた網板で構成された扉本体2,2a〜2cを有する扉1,1A〜1Cを例に挙げて説明したが、互いに交差する斜めの棒を格子状に組み合わせた網板(図示せず)によって「扉本体」を構成することもできる。さらに、左端部および右端部の双方に折曲げ部21a,21aを形成した扉本体2,2a,2bや、上端部および下端部の双方に折曲げ部22a,22aを形成した扉本体2cを有する扉1,1A〜1Cを例に挙げて説明したが、「折曲げ部」が存在しない「扉本体」を備えて「収納棚用扉」を構成することもできる。このような構成を採用する場合においては、例えば、上記の扉1、1A〜1Cにおけるねじ止め部位に加えて、「扉本体」の端部を、「左小口構成部材」や「右小口構成部材」にねじ止めすればよい。
【0069】
また、「板部材」の一例としての樹脂板5を取外し可能に取り付けた例について説明したが、樹脂板5に代えて、金属板やガラス板などの各種の板部材を取外し可能に取り付けることができる。この場合、「板部材」として、細目のメッシュ板や連続気泡性樹脂板などを採用して、必要に応じて「扉本体」の裏面側に取り付けることにより、通気性を損なうことなく、小さなゴミ等の侵入を好適に回避することができる。さらに、「固着」の一例としてねじ止めを採用した例について説明したが、ねじ止めに代えて(或いは、ねじ止めに加えて)、溶接や接着などの各種方法によって「扉本体」を「左小口構成部材(上小口構成部材)」や「右小口構成部材(下小口構成部材)」に対して固着させる構成を採用することができる。加えて、開き戸タイプの扉1,1A〜1Cを例に挙げて説明したが、収納棚用扉の構成はこれに限定されず、引き戸タイプの扉に対しても、本発明を適用することができるのは勿論である。