(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、2つのビームに備えられた装着ヘッドの電子部品の装着処理時間に著しい偏りが起きて、電子部品の装着ラインにおける各電子部品装着装置の生産効率のバランス上のネックになる電子部品装着装置が発生することがあり、これを是正する解決手段が求められている。
【0005】
そこで本発明は、これらの問題点に鑑み、2つのビームに備えられた装着ヘッドの電子部品の装着処理時間に著しい偏りがあっても、電子部品の装着ラインにおける各電子部品装着装置の生産効率のバランス上のネックになる電子部品装着装置が発生するのを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この
発明の第1の局面による電子部品の装着方法は、一方向に並び夫々が
一方向と直交する他方向に基板の搬送
を行なう2台の搬送装置と、装置本体の
一方向における手前側と奥側に配設さ
れ基板に装着する複数種類の電子部品を供給する2つの部品供給装置と、一方向に一方向駆動源により移動可能な対向する一対のビームに
他方向に夫々他方向駆動源により移動可能な装着ヘッドとを備えて、いずれか一方
のビームに備えられ
た装着ヘッドでいずれか一方の部品供給装置から取り出した電子部品をいずれか一方
の搬送装置で搬送され
る基板上に装着する電子部品の装着方法において、
いずれのビームの装着ヘッドも遊休状態となっていない場合には、手前側のビームの装着ヘッドにより、手前側の部品供給装置から電子部品を取り出して、手前側の搬送装置における基板上へ装着し、奥側のビームの装着ヘッドにより、奥側の部品供給装置から電子部品を取り出して、奥側の搬送装置における基板上へ装着する一方、いずれか一方
のビーム
の装着ヘッドが遊休状態となっている場合に
は、対向する他方
の搬送装置における基板への電子部品の装着状況を把握し、この電子部品の装着状況を把握した結果に基づいて、他方
の搬送装置における基板へ装着されていない電子部品につい
て遊休状態
の装着ヘッドが
、他方のビームの装着ヘッドと同時乗り入れできる状況において、他方
の搬送装置に近
い部品供給装置から取り出して、
遊休状態の装着ヘッドが他方のビームの装着ヘッドと衝突しないように乗り入れ調整の上、他方
の搬送装置における基板上に装着することを特徴とする。
【0007】
この発明の第2の局面による電子部品の装着方法は、一方向に並び夫々が
一方向と直交する他方向に基板の搬送
を行なう2台の搬送装置と、装置本体の
一方向における手前側と奥側に配設さ
れ基板に装着する複数種類の電子部品を供給する2つの部品供給装置と、一方向に一方向駆動源により移動可能な対向する一対のビームに
他方向に夫々他方向駆動源により移動可能な装着ヘッドとを備えて、いずれか一方
のビームに備えられ
た装着ヘッドでいずれか一方の部品供給装置から取り出した電子部品をいずれか一方
の搬送装置で搬送され
る基板上に装着する電子部品の装着方法において、
いずれのビームの装着ヘッドも、電子部品の装着が完了することなく待機状態となっていない場合には、手前側のビームの装着ヘッドにより、手前側の部品供給装置から電子部品を取り出して、手前側の搬送装置における基板上へ装着し、奥側のビームの装着ヘッドにより、奥側の部品供給装置から電子部品を取り出して、奥側の搬送装置における基板上へ装着する一方、電子部品の装着が完了して、いずれか一方
のビーム
の装着ヘッドが待機状態となっている場合に
は、対向する他方
の搬送装置における基板への電子部品の装着状況を把握し、この電子部品の装着状況を把握した結果に基づいて、他方
の搬送装置における基板へ装着されていない電子部品につい
て待機状態
の装着ヘッドが
、他方のビームの装着ヘッドと同時乗り入れできる状況において、他方
の搬送装置に近
い部品供給装置から取り出して、
待機状態の装着ヘッドが他方のビームの装着ヘッドと衝突しないように乗り入れ調整の上、他方
の搬送装置における基板上に装着することを特徴とする。
【0008】
この発明の第3の局面による電子部品の装着方法は、一方向に並び夫々が
一方向と直交する他方向に基板の搬送
を行なう2台の搬送装置と、装置本体の
一方向における手前側と奥側に配設さ
れ基板に装着する複数種類の電子部品を供給する2つの部品供給装置と、一方向に一方向駆動源により移動可能な対向する一対のビームに
他方向に夫々他方向駆動源により移動可能な装着ヘッドとを備えて、いずれか一方
のビームに備えられ
た装着ヘッドでいずれか一方の部品供給装置から取り出した電子部品をいずれか一方
の搬送装置で搬送され
る基板上に装着する電子部品の装着方法において、
いずれのビームの装着ヘッドも、電子部品の装着が完了することなく待機状態となっていない場合には、手前側のビームの装着ヘッドにより、手前側の部品供給装置から電子部品を取り出して、手前側の搬送装置における基板上へ装着し、奥側のビームの装着ヘッドにより、奥側の部品供給装置から電子部品を取り出して、奥側の搬送装置における基板上へ装着する一方、電子部品の装着が完了して、いずれか一方
のビーム
の装着ヘッドが待機状態となっている場合に
は、対向する他方
の搬送装置における基板への電子部品の装着状況を把握し、この電子部品の装着状況を把握した結果に基づいて、他方
の搬送装置におけ
る基板に対応する装着データにおける装着処理が未処理の装着ステップを待機状態
のビームの1往復分抽出して、この抽出された1往復分の未処理の装着ステップに基づ
き、待機状態の装着ヘッドが他方のビームの装着ヘッドと同時乗り入れできる状況において、他方
の搬送装置に近
い部品供給装置から
他方の搬送装置における基板へ装着されていない電子部品を取り出し
、抽出された1往復分の未処理の装着ステップに基づき、待機状態の装着ヘッドが他方のビームの装着ヘッドと衝突しないように乗り入れ調整の上、他方
の搬送装置における基板上に装着することを特徴とする。
【0009】
この発明の第4の局面による電子部品の装着装置は、一方向に並び夫々が
一方向と直交する他方向に基板の搬送
を行なう2台の搬送装置と、装置本体の
一方向における手前側と奥側に配設さ
れ基板に装着する複数種類の電子部品を供給する2つの部品供給装置と、一方向に一方向駆動源により移動可能な対向する一対のビームに
他方向に夫々他方向駆動源により移動可能な装着ヘッドとを備えて、いずれか一方
のビームに備えられ
た装着ヘッドでいずれか一方の部品供給装置から取り出した電子部品をいずれか一方
の搬送装置で搬送され
る基板上に装着する電子部品の装着装置において、
いずれのビームの装着ヘッドも遊休状態となっていない場合には、手前側のビームの装着ヘッドにより、手前側の部品供給装置から電子部品を取り出して、手前側の搬送装置における基板へ装着し、奥側のビームの装着ヘッドにより、奥側の部品供給装置から電子部品を取り出して、奥側の搬送装置における基板へ装着するように制御する制御手段と、いずれか一方
のビーム
の装着ヘッドが遊休状態となっている場合に、対向する他方
の搬送装置における基板への電子部品の装着状況を把握する把握手段と
を備え、
制御手段は、いずれか一方のビームの装着ヘッドが遊休状態となっている場合には、把握手段が電子部品の装着状況を把握した結果に基づいて、他方
の搬送装置における基板へ装着されていない電子部品について
、遊休状態
の装着ヘッドが
他方のビームの装着ヘッドと同時乗り入れできる状況において、他方
の搬送装置に近
い部品供給装置から取り出して、
遊休状態の装着ヘッドが他方のビームの装着ヘッドと衝突しないように乗り入れ調整の上、他方
の搬送装置における基板上に装着するように制御す
ることを特徴とする。
【0010】
この発明の第5の局面による電子部品の装着装置は、一方向に並び夫々が
一方向と直交する他方向に基板の搬送
を行なう2台の搬送装置と、装置本体の
一方向における手前側と奥側に配設さ
れ基板に装着する複数種類の電子部品を供給する2つの部品供給装置と、一方向に一方向駆動源により移動可能な対向する一対のビームに
他方向に夫々他方向駆動源により移動可能な装着ヘッドとを備えて、いずれか一方
のビームに備えられ
た装着ヘッドでいずれか一方の部品供給装置から取り出した電子部品をいずれか一方
の搬送装置で搬送され
る基板上に装着する電子部品の装着装置において、
いずれのビームの装着ヘッドも、電子部品の装着が完了することなく待機状態となっていない場合には、手前側のビームの装着ヘッドにより、手前側の部品供給装置から電子部品を取り出して、手前側の搬送装置における基板へ装着し、奥側のビームの装着ヘッドにより、奥側の部品供給装置から電子部品を取り出して、奥側の搬送装置における基板へ装着するように制御する制御手段と、電子部品の装着が完了して、いずれか一方
のビーム
の装着ヘッドが待機状態となっている場合に、対向する他方
の搬送装置における基板への電子部品の装着状況を把握する把握手段と
を備え、
制御手段は、いずれか一方のビームの装着ヘッドが待機状態となっている場合には、把握手段が電子部品の装着状況を把握した結果に基づいて、他方
の搬送装置における基板へ装着されていない電子部品について
、待機状態
の装着ヘッドが
他方のビームの装着ヘッドと同時乗り入れできる状況において、他方
の搬送装置に近
い部品供給装置から取り出して、
待機状態の装着ヘッドが他方のビームの装着ヘッドと衝突しないように乗り入れ調整の上、他方
の搬送装置における基板上に装着するように制御す
ることを特徴とする。
【0011】
この発明の第6の局面による電子部品の装着装置は、一方向に並び夫々が
一方向と直交する他方向に基板の搬送
を行なう2台の搬送装置と、装置本体の
一方向における手前側と奥側に配設さ
れ基板に装着する複数種類の電子部品を供給する2つの部品供給装置と、一方向に一方向駆動源により移動可能な対向する一対のビームに
他方向に夫々他方向駆動源により移動可能な装着ヘッドとを備えて、いずれか一方
のビームに備えられ
た装着ヘッドでいずれか一方の部品供給装置から取り出した電子部品をいずれか一方
の搬送装置で搬送され
る基板上に装着する電子部品の装着装置において、
いずれのビームの装着ヘッドも、電子部品の装着が完了することなく待機状態となっていない場合には、手前側のビームの装着ヘッドにより、手前側の部品供給装置から電子部品を取り出して、手前側の搬送装置における基板へ装着し、奥側のビームの装着ヘッドにより、奥側の部品供給装置から電子部品を取り出して、奥側の搬送装置における基板へ装着するように制御する制御手段と、電子部品の装着が完了して、いずれか一方
のビーム
の装着ヘッドが待機状態となっている場合に、対向する他方
の搬送装置における基板への電子部品の装着状況を把握する把握手段と、この把握手段が電子部品の装着状況を把握した結果に基づいて、他方
の搬送装置におけ
る基板に対応する装着データにおける装着処理が未処理の装着ステップを待機状態
のビームの1往復分抽出する抽出手段と
を備え、
制御手段は、いずれか一方のビームの装着ヘッドが待機状態となっている場合には、抽出手段
により抽出された1往復分の未処理の装着ステップに基づ
き、待機状態の装着ヘッドが他方のビームの装着ヘッドと同時乗り入れできる状況において、待機状態
の装着ヘッドが他方
の搬送装置に近
い部品供給装置から
他方の搬送装置における基板へ装着されていない電子部品を取り出
し、抽出された1往復分の未処理の装着ステップに基づき、待機状態の装着ヘッドが他方のビームの装着ヘッドと衝突しないように乗り入れ調整の上、他方
の搬送装置における基板上に装着するように制御す
ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、一方のビームの装着ヘッドによる一方の搬送装置における基板への電子部品の装着作業が遊休状態となった場合に、前記一方のビームの装着ヘッドにより他方の搬送装置に対応する他方の部品供給装置から電子部品を取り出して、他方の搬送装置における基板へ装着することにより、他方の搬送装置における基板への装着作業を補助するようにすることができる。従って、2つのビームに備えられた装着ヘッドの電子部品の装着処理時間に著しい偏りがあっても、これを解消することができて、電子部品の装着ラインにおける各電子部品装着装置の生産効率のバランス上のネックになる電子部品装着装置の発生を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下
図1に基づき、基板上に電子部品を装着する電子部品装着装置1について、本発明の実施の形態を説明する。この電子部品装着装置1には、基板である各プリント基板Pの搬送を並列に行なうと共に各プリント基板Pを位置決めするように並設された二列の搬送装置(「レーン」とする省略する場合がある。)2A、2Bと、装置本体の手前側と奥側に配設され電子部品を供給する部品供給装置3A、3Bと、駆動源により一方向に移動可能(Y方向に往復移動可能)な一対のビーム4A、4Bと、それぞれ吸着ノズル5を備えて前記各ビーム4A、4Bに沿った方向に各駆動源により移動可能な装着ヘッド6A、6Bとが設けられている。
【0015】
前記搬送装置2A、2Bは電子部品装着装置1の奥側と手前側との前後中間部に配設され、それぞれ供給コンベアと、プリント基板Pを位置決め固定する位置決め部と、排出コンベアとを備えている。そして、前記各供給コンベアは上流より受けた各プリント基板Pを前記各位置決め部に搬送し、この各位置決め部で位置決め装置により位置決めされた各基板P上に電子部品が装着された後、各排出コンベアに搬送され、その後下流側装置に搬送される。
【0016】
前記部品供給装置3A、3Bは前記搬送装置2A、2Bの奥側位置と手前側位置に配設され、取付台であるカート台7A、7Bのフィーダベース上に部品供給ユニット8を多数並設したものである。各カート台7A、7Bは部品供給ユニット8の部品供給側の先端部がプリント基板Pの搬送路に臨むように前記装置本体に連結具を介して着脱可能に配設され、各カート台7A、7Bが正規に装置本体に取り付けられるとカート台7A、7Bに搭載された部品供給ユニット8に電源が供給され、また前記連結具を解除して把手を引くと下面に設けられたキャスタにより移動できる構成である。
【0017】
そして、X方向に長い前後一対の前記ビーム4A、4Bは、各Y方向リニアモータ9の駆動により左右一対の前後に延びたガイドに沿って前記各ビームに固定されたスライダが摺動して個別にY方向に移動する。前記Y方向リニアモータ9は、左右一対の基体1A、1Bに沿って固定された上下一対の固定子と、前記ビーム4A、4Bの両端部に設けられた取付板の下部に固定された可動子9Aとから構成される。
【0018】
また、前記ビーム4A、4Bにはその長手方向(X方向)にX方向リニアモータ10によりガイドに沿って移動する前記装着ヘッド6A、6Bが夫々内側に設けられており、前記X方向リニアモータ10は各ビーム4A、4Bに固定された前後一対の固定子と、各固定子の間に位置して前記装着ヘッド6A、6Bに設けられた可動子とから構成される。
【0019】
従って、各装着ヘッド6A、6Bは向き合うように各ビーム4A、4Bの内側に設けられ、通常モード(アシストモード以外)では前記搬送装置2A、2B上の対応するプリント基板Pと、対応する部品供給装置3A、3Bの部品取出し位置上方を移動する。
【0020】
即ち、ビーム4A、4Bに設けられた装着ヘッド6A、6Bは、対応する部品供給装置3A、3Bの部品供給ユニット8から電子部品の取出し作業を行い、原則として(通常モード)、ビーム4Aに設けられた装着ヘッド6Aは奥側の部品供給装置3Aから電子部品を取り出して奥側の搬送装置2A上のプリント基板Pのみに装着し、ビーム4Bに設けられた装着ヘッド6Bは手前側の部品供給装置3Bから電子部品を取り出して手前側の搬送装置2B上のプリント基板Pのみに装着するように、分担している。
【0021】
しかし、後述するアシストモードでは、ビーム4Aに設けられた装着ヘッド6Aは手前側の部品供給装置3Bから電子部品を取り出して手前側の搬送装置2B上のプリント基板Pに装着し、又はビーム4Bに設けられた装着ヘッド6Bは奥側の部品供給装置3Aから電子部品を取り出して奥側の搬送装置2A上のプリント基板Pに装着するように制御される。
【0022】
そして、各装着ヘッド6A、6Bには各バネにより下方へ付勢されている吸着ノズル5が円周上に所定間隔を存して4本配設されており、この吸着ノズル5は上下軸モータ12により昇降可能であり、またθ軸モータ13により装着ヘッド6A、6Bを鉛直軸周りに回転させることにより、結果として各装着ヘッド6A、6Bの各吸着ノズル5はX方向及びY方向に移動可能であり、垂直線回りに回転可能で、且つ上下動可能となっている。
【0023】
また、各部品認識カメラ14は、各装着ヘッド6A、6Bに設けられた各吸着ノズル5に吸着保持された電子部品を一括して撮像する。
【0024】
図2は電子部品装着装置1の電子部品装着に係る制御のための制御ブロックであり、以下説明する。電子部品装着装置1の各要素はCPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)15が統括制御しており、この制御に係るプログラムを格納するROM(リ−ド・オンリー・メモリ)16及び各種データを格納するRAM(ランダム・アクセス・メモリ)17がバスライン18を介して接続されている。また、CPU15には操作画面等を表示するモニタ19及び該モニタ19の表示画面に形成された入力手段としてのタッチパネルスイッチ20がインターフェース21を介して接続されている。また、前記Y方向リニアモータ9等が駆動回路22、インターフェース21を介して前記CPU15に接続されている。なお、前記CPU15は制御手段、把握手段、確認手段、判定手段、抽出手段などの機能を果たす。
【0025】
前記RAM13には、前記搬送装置2A、2B毎に部品装着に係るプリント基板Pの種類毎に装着データが記憶されている。
図3及び
図4には、前記搬送装置2A、2Bに対応してそれぞれ1種類のプリント基板Pについての装着データが表されている。即ち、その装着順序(ステップ番号P)毎に、プリント基板P内での各電子部品の装着座標のX方向の位置情報(装着座標X)、Y方向の位置情報(装着座標Y)、装着角度情報(装着角度Z)、吸着ノズル5のノズル番号情報(ノズル番号N、「1」〜「4」で表示)、各部品供給ユニット8の配置番号情報(フィーダ番号FDR)、装着ヘッド6A、6Bの番号情報(ヘッド番号HD、奥側のビーム4Aに設けられた装着ヘッド6Aは「1」、手前側のビーム4Bに設けられた装着ヘッド6Bは「2」で表示)、二列の搬送装置2A、2Bのうち奥側の搬送装置2Aは「B」と表示し、手前側の搬送装置2Bは「A」と表示する搬送レーン情報(DUALレーンA/B)、コントロールコマンドが格納されている。
【0026】
更に、前記装着データの装着順序(ステップ番号P)毎に、ステータス情報及びヘッド番号情報(ヘッド番号)から成るアシストデータAと、アシストする場合における使用する吸着ノズル5のノズル番号情報、各部品供給ユニット8の配置番号情報および装着ヘッド6A、6Bの番号情報とから成るアシストデータBとが格納されている。
【0027】
前記アシストデータAのステータス情報はアシスト動作の管理のために、処理実行の状態を示す情報で、「0」は電子部品の装着処理が未処理状態、「1」は装着ステップ番号の切出し済み(前記部品供給装置3A又は3Bとプリント基板Pとの1回の往復分で処理する装着ステップ番号の決定済みの意で、最大4個の連鎖吸着が行える(吸着動作中を含んで、処理中を意味する。))、「2」は装着処理の終了をそれぞれ意味する。また、前記アシストデータAのヘッド番号情報は、装着ステップを切出した場合にこの切出した装着処理を行う装着ヘッド番号データを追加する情報で、「0」は未引き当て状態、「1」は装着ヘッド番号「1」(装着ヘッド6Aの意。)が装着処理を行うこと、「2」は装着ヘッド番号「2」(装着ヘッド6Bの意。)が装着処理を行うことを意味する。
【0028】
なお、前記アシストデータBにおける吸着ノズル5のノズル番号情報、各部品供給ユニット8の配置番号情報及び装着ヘッド6A、6Bの番号情報が「−」であるのは、アシスト可能な対象搬送装置が無いことを示す。前記搬送装置2Aにおいて生産するプリント基板Pの装着データを
図3に示し、前記搬送装置2Bにおいて生産するプリント基板Pの装着データを
図4に示す。
【0029】
また、前記RAM13には、
図5に示すように、一方のカート台7A上に配設された前記各部品供給ユニット8の部品供給ユニット配置番号(FDR番号)に対応した各電子部品の種類(部品ID)の情報(部品配置データ)が格納されており、また
図6に示すように、他方のカート台7B上に配設された前記各部品供給ユニット8の部品供給ユニット配置番号(FDR番号)に対応した各電子部品の種類(部品ID)の情報(部品配置データ)が格納されている。
【0030】
そして、
図5及び
図6に示すように、前記搬送装置2Aに対応するカート台7Aに係るFDR番号「101」から「126」の部品供給ユニット8と、前記搬送装置2Bに対応するカート台7Bに係るFDR番号「201」から「226」の部品供給ユニット8とは異なる種類(部品IDが異なる。)の電子部品を供給する。
【0031】
更には、電子部品の特徴を表す形状データ・認識データ・制御データ・部品供給データから成る電子部品毎の部品ライブラリデータ等が格納されている。
【0032】
23はインターフェース21を介して前記CPU15に接続される認識処理装置で、前記部品認識カメラ14により撮像して取込まれた画像の認識処理が該認識処理装置23にて行われ、CPU15に処理結果が送出される。即ち、CPU15は部品認識カメラ14により撮像された画像を認識処理(位置ずれ量の算出など)するように指示を認識処理装置23に出力すると共に、認識処理結果を認識処理装置23から受取るものである。
【0033】
以上の構成により、以下装着動作について、
図7に基づき説明する。1枚のプリント基板Pへの部品装着が終了した時には、先ず、CPU15は電子部品装着装置1内に電子部品の装着が完了した基板があるかを確認し(ステップS01)、部品装着が完了した基板Pがあるので、次に、後工程装置から基板要求があるかを確認し(ステップS02)、要求があれば後工程装置へプリント基板Pを排出動作させて(ステップS03)、排出が完了してから、前工程装置へ基板要求をするが(S04)、その直後前工程装置から基板Pが搬入されたかを確認する(S05)。
【0034】
基板要求を出した直後のステップS05の判断時には、基板Pは搬入されていないので、CPU15は後述するアシストモード処理を開始するよう制御する。
【0035】
即ち、部品装着完了後、基板Pが無い状態で、前工程装置への基板要求を出力して、基板Pが搬入されてくるのを待っていて、装着ヘッド6A又6Bが装着動作をできない待機状態であることを判断してアシストモード処理が行われる。
【0036】
アシストモード処理が実行された後、ステップS01に戻るが、装着済の基板Pは排出されており無いので前工程から基板Pが搬入されたかが判断される(S05)。
【0037】
前工程装置より基板Pが搬入されていなければ、装着ヘッド6A又6Bの待機状態を利用して再度アシストモード処理が実行される(S05、S06)。前工程装置より搬入されていれば、前工程装置への基板要求をオフ(OFF)した後(ステップS07)、プリント基板Pを取り込んで位置決め部において位置決めする(ステップS08)。
【0038】
次に、CPU15は装着データに基づいて、処理装着ステップを抽出して、切出し、アシストデータAを書き込む(ステップS09)。即ち、
図3又は
図4に示す装着データにおいて、装着ヘッド6A又は6Bが吸着して電子部品をそれぞれの部品供給装置3A又は3Bから取り出すために、電子部品の装着処理が未処理状態であることを示すステータス情報が「0」である装着ステップを抽出し、この抽出した装着ステップの中から切出しを行い、ステータス情報を「1」と書き込みと共にヘッド番号情報(ヘッド番号)を書き込む(ステップS09)。この場合、装着ステップの抽出が搬送装置2Aのプリント基板Pの装着データであれば装着ヘッド6Aのヘッド番号として「1」を、搬送装置2Bのプリント基板Pの装着データであれば装着ヘッド6Bのヘッド番号として「2」を書き込む。
【0039】
そして、例えば装着ステップの抽出が搬送装置2Aのプリント基板Pの装着データの装着ステップ番号「0001」から「0004」であれば、初めに装着ステップ番号「0001」では装着ヘッド6AがFDR番号「101」のカート台7A上の部品供給ユニット8から電子部品を吸着して取り出し(ステップS10)、装着ヘッド6Aに吸着する電子部品が他にもあるので、順に「102」、「103」、「104」のカート台7A上の部品供給ユニット8から電子部品を吸着して取り出す(ステップS11)。
【0040】
そして、CPU15は搬送装置2A上にあるプリント基板Pの装着部における乗り入れの調停処理の制御を行い、即ち装着ヘッド6Aと6Bとが衝突しないように、逃避する制御を行い(ステップS12)、前記プリント基板Pの装着エリアへの進入が可能か否かを判定し(ステップS13)、即ち対向するビーム4A又は4Bのアシスト動作における装着状況をチェックして装着エリアへの進入が可能か否かを判定し、進入が可能となるまで乗り入れの調停処理の制御を繰り返す。
【0041】
そして、進入が可能であると判定すると装着ヘッド6Aの4本の吸着ノズル5に吸着保持された電子部品を部品認識カメラ14が一括して撮像し、認識処理装置23が認識処理する(ステップS14)。
【0042】
即ち、装着ヘッド6Aを部品認識カメラ14上方を通過させ、この移動中に両装着ヘッド6Aの各吸着ノズル5に吸着保持された複数の電子部品を一括して撮像して、この撮像された画像を認識処理装置23が認識処理して吸着ノズル5に対する位置ズレを把握する。
【0043】
その後、装着データの装着座標に各部品認識処理結果を加味して、搬送装置2A上で位置決めされているプリント基板P上に移動して、上下軸モータ12及びθ軸モータ13をも補正制御しつつ、順次吸着ノズル5を下降させて電子部品を装着する(ステップS15)。
【0044】
この場合、電子部品の装着動作毎に、装着ステップ番号のアシストデータAのステータス情報として「2」と書き込む(「1」から「2」への書替え(ステップS16))。装着ヘッド6Aに装着する電子部品が他にもあるかを確認して、装着ヘッド6Aの全ての電子部品の装着が終了するまで繰り返し、装着ヘッド6Aの全ての電子部品の装着が終了したと判定すると(ステップS17)、次に装着データで指定された電子部品が全て装着を終了したか否かを判定する(ステップS18)。
【0045】
装着データで指定された電子部品が全て装着を終了していないと判定すると、ステップS09に戻り、装着データにおけるコントロールコマンドが「E」となるまで次の切出し及び装着を繰り返す。
【0046】
そして、以上の切出しによる電子部品の取り出し及びプリント基板Aへの装着は、搬送装置2Aのプリント基板P及び搬送装置2Bのプリント基板Pに対して行われることとなる。そして、装着データで指定された電子部品が全て装着を終了したか否かを判定して(ステップS18)、終了したと判定した場合には、装着運転の停止の指示があるか否かを判定し(ステップS19)、停止指示があれば停止して装着運転は終了するように制御され、停止指示が無ければステップS01へ戻る。なお、前記装着運転の停止の指示は、例えば停止ボタンが作業者により押圧されると、停止スイッチが動作するので、これをCPU15が指示の有無を確認できる。
【0047】
ステップS01に戻り、装着完了基板Pがあるので、後工程装置からの基板要求があるか確認されるが(ステップS02)、無い場合にはアシストモード処理が実行される(ステップS06)。
【0048】
アシストモード処理が実行された後、ステップS01に戻るが、後工程からの基板要求がまだなければ(ステップS02)、再度アシストモード処理が実行される(ステップS06)。
【0049】
このようにして、後工程装置からの基板要求が発生した場合(ステップS02)には前述と同様に基板排出動作が実行され(ステップS03)、前工程装置への基板要求がなされる(ステップS04)。
【0050】
ここで、前述したように、電子部品装着装置1内に装着が完了したプリント基板Pがあって(ステップS01)、後工程装置から基板要求があるかを確認して(ステップS02)、要求がない場合や、また前工程装置へ基板要求をONした(ステップS04)後に、前工程装置からプリント基板Pが搬入されたどうかの確認をして(ステップS05)、搬入されていない場合に、アシストモード処理を行うように制御するが(ステップS06)、このアシストモード処理動作について、
図8に基づいて説明する。
【0051】
即ち、上記いずれの場合においても、一方のビーム4A又は4Bの装着ヘッド6A、6Bによる一方の搬送装置2A又は2Bにおける基板への電子部品の装着作業が待機状態となった場合、例えば、電子部品の装着が完了しプリント基板Pの有無に関わらず、ビーム4Aの装着ヘッド6Aか、又はビーム4Bの装着ヘッド6Bが待機状態となっている場合に、互いに他方の搬送装置2B又は2Aにおけるプリント基板Pへの電子部品の装着に係る作業を補助するアシストモード処理動作について説明する。なお、このアシストモード処理動作により、2つのビーム4A、4Bに備えられた装着ヘッド6A、6Bの電子部品の装着処理時間に、基板Pが受け渡される搬送装置2Aまたは2Bで構成される1つの前記レーンについて、装着ラインを構成する複数の電子部品装着装置間で著しい偏りがあっても、電子部品の装着ラインにおける各電子部品装着装置1の生産効率のバランス上のネックになる電子部品装着装置1が発生するのを極力防止することができる。
【0052】
尚、上記のような待機状態でなくても基板Pの有無に関係なく片方のレーンの異常発生、片方のレーンのカート台7の部品供給ユニット8の段取替え、前記部品供給ユニット8の抜き取り等で装着ヘッド6A又は6Bが当該片方のレーン側(自陣側)の本来装着すべき基板Pに部品装着ができない遊休状態(待機状態も遊休状態に含まれる。)の場合にも、CPU15が遊休状態の判断をしてアシストモード処理をするよう制御することができる。
【0053】
図8において、先ず、対向する搬送装置2A又は2B(「対向レーン」で、アシストされる側のレーン)はプリント基板Pがあるかを判定し(ステップS21)、無ければ、この対向する搬送装置2A又は2Bも待機中であって、アシスト動作が見送りとなり、アシストモード処理動作は終了する。
【0054】
しかし、前述したように、搬送装置2Aにおけるプリント基板Pの装着点数「88」より搬送装置2Bにおけるプリント基板Pの装着点数「308」が多いので
、搬送装置2Aにおけるプリント基板Pの装着が完了するので、対向する搬送装置2B(アシストされる側の搬送装置)にプリント基板Pがあれば、CPU15は対向レーンにおけるプリント基板Pの電子部品の装着状況を把握する(ステップS22)。具体的には、対向レーンにおけるプリント基板Pの装着データ(
図4参照)を参照して、装着状況を把握する。
【0055】
そして、対向する搬送装置2Bに近い側の前記部品供給装置3Bとプリント基板Pとの1回の往復分で処理するアシストされる未処理(アシストデータAのステータス情報が「0」である。)の装着ステップ番号を先頭から、即ち装着ステップ番号の一番小さい順から最大4つ抽出する(ステップS23)。
【0056】
次に、この抽出された装着ステップ番号におけるアシストデータAのステータス情報について「1」を書き込むと共にアシスト動作する装着ヘッド6A又は6Bの番号を1往復分書き込む(ステップS24)。
【0057】
そして、CPU15はアシストされるべき前記部品供給装置3Bの吸着部における乗り入れの調停処理の制御を行い、即ち装着ヘッド6Aと6Bとが衝突しないように、逃避する制御を行い(ステップS25)、次いで前記部品供給装置3Bの前記吸着部への装着ヘッド6A及び6Bとが同時乗り入れ(
図9参照)ができるか否かを判定し(ステップS26)、同時乗り入れができるまで乗り入れの調停処理の制御を繰り返す(ステップS26)。
【0058】
この乗り入れの調停処理により、同時乗り入れができると判定されると、この書き込まれた番号の装着ヘッド6Aを使用して、前記カート台7B上の部品供給ユニット8から電子部品を吸着して取り出す(ステップS27)。次に、この装着ヘッド6Aが吸着する電子部品が他にもあるか確認し(ステップS28)、取り出すべき全ての電子部品を吸着して取り出すまで繰り返す。
【0059】
なお、この場合、アシストされるのが前記搬送装置2Bのプリント基板Pであって、アシストされる未処理の装着ステップ番号が「0301」から「0304」であれば、
図4に示すように、アシストデータBによると、装着ヘッドの番号が「1」である装着ヘッド6Aの吸着ノズル5の番号「1」から「4」を使用して、カート台7B上のフィーダ番号「219」から「222」の各部品供給ユニット8から電子部品を取り出すこととなる。
【0060】
そして、装着ヘッド6Aによるこの全ての電子部品の取出しが終了したら、CPU15はアシストされるべき搬送装置2B上にあるプリント基板Pの装着部における乗り入れの調停処理の制御を行い、即ち装着ヘッド6Aと6Bとが衝突しないように、逃避する制御を行い(ステップS29)、前記プリント基板Pの装着エリアへの進入が可能か否かを判定し(ステップS30)、進入が可能となるまで乗り入れの調停処理の制御を繰り返して、進入が可能であると判定すると装着ヘッド6Aの4本の吸着ノズル5に吸着保持された電子部品を部品認識カメラ14が一括して撮像し、認識処理装置23が認識処理する(ステップS31)。
【0061】
即ち、装着ヘッド6Aを部品認識カメラ14上方を通過させ、この移動中に装着ヘッド6Aの各吸着ノズル5に吸着保持された複数の電子部品を一括して撮像して、この撮像された画像を認識処理装置23が認識処理して吸着ノズル5に対する位置ズレを把握する。
【0062】
その後、装着データの装着座標に各部品認識処理結果を加味して、搬送装置2B上で位置決めされているプリント基板P上に移動して、上下軸モータ12及びθ軸モータ13をも補正制御しつつ、順次吸着ノズル5を下降させて電子部品を装着する(ステップS32)。
【0063】
この場合、電子部品の装着動作毎に、装着動作が完了した装着ステップ番号のアシストデータのステータス情報として「2」と書き込む(「1」から「2」に書替える(ステップS33))。そして、前記装着ヘッド6Aに装着すべき電子部品が他にあるかを判定し(ステップS34)、ある場合には、この装着動作及び書き込み動作を繰り返す。
【0064】
そして、装着ヘッド6A又は6Bの全ての電子部品の装着が終了したと判定すると(ステップS34)、
図7に示すステップS01に戻り、前述したような動作が行われることとなる。
【0065】
このようにして、前記搬送装置2B上のプリント基板P上に全ての電子部品の装着をしたら、後工程装置からの基板要求に基づいて、このプリント基板Pを基板位置決め部から排出コンベアを介して後工程装置に受け渡す。
【0066】
尚、後工程装置は次の装置であったが、搬送装置2A、2Bを構成するものであり、部品装着済基板を基板Pの位置決め位置から受け渡され後工程の装置に排出する排出コンベアにプリント基板Pが停止することができれば、この排出コンベアを後工程装置と考えても良い。また、前工程装置は前の装置であったが、搬送装置2A、2Bを構成するものであり、部品装着する位置決め位置にプリント基板Pを供給搬送して受け渡す供給コンベアにプリント基板Pが停止することができれば、この供給コンベアを前工程装置と考えても良い。
【0067】
以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。