特許第5756516号(P5756516)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシーの特許一覧

特許5756516メタンを酸化するためのシステムおよび方法
<>
  • 特許5756516-メタンを酸化するためのシステムおよび方法 図000007
  • 特許5756516-メタンを酸化するためのシステムおよび方法 図000008
  • 特許5756516-メタンを酸化するためのシステムおよび方法 図000009
  • 特許5756516-メタンを酸化するためのシステムおよび方法 図000010
  • 特許5756516-メタンを酸化するためのシステムおよび方法 図000011
  • 特許5756516-メタンを酸化するためのシステムおよび方法 図000012
  • 特許5756516-メタンを酸化するためのシステムおよび方法 図000013
  • 特許5756516-メタンを酸化するためのシステムおよび方法 図000014
  • 特許5756516-メタンを酸化するためのシステムおよび方法 図000015
  • 特許5756516-メタンを酸化するためのシステムおよび方法 図000016
  • 特許5756516-メタンを酸化するためのシステムおよび方法 図000017
  • 特許5756516-メタンを酸化するためのシステムおよび方法 図000018
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5756516
(24)【登録日】2015年6月5日
(45)【発行日】2015年7月29日
(54)【発明の名称】メタンを酸化するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/00 20060101AFI20150709BHJP
   B09B 1/00 20060101ALI20150709BHJP
   B09B 5/00 20060101ALI20150709BHJP
【FI】
   B09B3/00 AZAB
   B09B1/00 A
   B09B5/00 M
【請求項の数】24
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-511502(P2013-511502)
(86)(22)【出願日】2010年5月28日
(65)【公表番号】特表2013-530035(P2013-530035A)
(43)【公表日】2013年7月25日
(86)【国際出願番号】CN2010073335
(87)【国際公開番号】WO2011147093
(87)【国際公開日】20111201
【審査請求日】2012年11月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】509348786
【氏名又は名称】エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109586
【弁理士】
【氏名又は名称】土屋 徹雄
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ,ヨウカイ
(72)【発明者】
【氏名】ハン,ダン
【審査官】 金 公彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−101317(JP,A)
【文献】 特開2005−319456(JP,A)
【文献】 特開2001−334231(JP,A)
【文献】 特開2001−269640(JP,A)
【文献】 特開昭64−047486(JP,A)
【文献】 特開2007−187233(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第101492642(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第1789173(CN,A)
【文献】 特開2004−237260(JP,A)
【文献】 特開2005−313105(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3051034(JP,U)
【文献】 国際公開第2005/110631(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第1785580(EP,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0175819(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0269140(US,A1)
【文献】 英国特許出願公開第2464930(GB,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0120806(US,A1)
【文献】 国際公開第2003/103864(WO,A1)
【文献】 米国特許第3941556(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 1/00− 5/00
Thomson Innovation
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物から発生するメタンを酸化することが可能な生物を含有する鉱化廃棄物の層と、
前記鉱化廃棄物の層により取り囲まれた構造であって、前記鉱化廃棄物の層において前記メタンの少なくとも一部を酸化した後に残ったガスを流動させて空気に接触させるよう構成された少なくとも1つのコンジットを備えた構造
を含み、
前記構造は、地面に対して斜めに向いた部分を有する、メタンを酸化するためのシステム。
【請求項2】
前記鉱化廃棄物が5から30年間エージングされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記鉱化廃棄物が10%から30%の間の水分含有量を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記鉱化廃棄物が2〜4cmの篩によって篩い分けされた、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記鉱化廃棄物が栄養溶液をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記鉱化廃棄物が鉱化スラッジをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記鉱化廃棄物の層の厚さが0.4m〜2mである、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのコンジットが、下方3分の2の部分で穿孔されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのコンジットが円筒状であり、40mmから100mmの間の直径を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記鉱化廃棄物の層を取り囲むディバイダをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記コンジットと前記鉱化廃棄物の層との間に第1の分離層をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の分離層が100mm〜500mmの厚さを有する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記鉱化廃棄物の層の外側に第2の分離層をさらに含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1および第2の分離層が、砂利、タイヤの断片、および割れたガラスからなる群から選択された材料で構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の分離層と前記鉱化廃棄物の層との間にディバイダをさらに含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記コンジットと前記鉱化廃棄物の層との間にディバイダをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記ディバイダが多孔質のネットである、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記構造は、U字形の部分を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
廃棄物から発生するメタンを酸化することが可能な生物を含有する鉱化廃棄物の層と、前記鉱化廃棄物の層により取り囲まれた構造であって、前記鉱化廃棄物の層において前記メタンの少なくとも一部を酸化した後に残ったガスを流動させて空気に接触させるよう構成され、かつ、地面に対して斜めに向いた部分を有する少なくとも1つのコンジットを備えた構造とを含むシステムを提供することと、
前記システムを、メタンを含有する材料に接触させることとを含む、メタンを酸化するための方法。
【請求項20】
前記コンジットが、地面に対して実質的に垂直に配置される部分を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記メタンを含有する材料が、鉱化廃棄物を含有するシステムの部分を部分的にまたは完全に取り囲む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記鉱化廃棄物の高さを、前記メタンを含有する材料と実質的に同じレベルに保つために、追加の鉱化廃棄物を前記鉱化廃棄物の層に充填することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
充填された鉱化廃棄物の1〜2mごとに、栄養溶液を前記鉱化廃棄物の層に添加することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記システムが、前記コンジットと前記鉱化廃棄物の層との間に分離層をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
メタンは、熱を捕捉するのに二酸化炭素よりも約23倍効力のあると推定される、強力な温室効果ガスである。さらにメタンは、十分高い濃度で爆発性があり、したがってメタン放出部位では安全上の懸念が生じる。
【0002】
ごみ埋立地は、主なメタン放出源である。微生物活動および化学反応によって固形廃棄物の分解から発生したメタンは、固形廃棄物中に蓄積され、大気中に放出され、多大な環境問題ならびに安全上の懸念を引き起こす可能性がある。
【0003】
エネルギー使用のためのメタンの収集およびメタンが放出される前のメタンの酸化も含め、様々な方法が、ごみ埋立地でのメタン放出を削減するのに使用されてきた。しかし既存の方法は、酸化効率が低くまた費用のかかる設備が必要になるなど、様々な観点から制約がある。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、本開示は、空気に接触できるよう構成された少なくとも1つのコンジット(conduit)を備えた構造と;この少なくとも1つのコンジットを取り囲むように構成された鉱化廃棄物層(a layer of mineralized waste)とを含む、メタンを酸化するためのシステムを提供する。
【0005】
別の態様では、空気に接触できるよう構成された少なくとも1つのコンジットを備えた構造と、この少なくとも1つのコンジットを取り囲む鉱化廃棄物層とを含む、メタンを酸化するためのシステムを、酸化される材料に接触させることを含む、メタンを酸化するための方法を提供する。
【0006】
前述の概要は単なる例示であり、いかなる方法によっても限定しようとするものではない。上述の例示的な態様、実施形態、および特徴に加え、さらなる態様、実施形態、および特徴が、図面および以下の詳細な説明を参照することにより明らかにされよう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示のメタンを酸化するためのシステムの、例示的な実施形態を示す図である。
図2】本開示のメタンを酸化するためのシステムの、例示的な実施形態を示す図である。
図3】本開示のメタンを酸化するためのシステムの、4つの異なる例示的な実施形態を示す図である。
図4】本開示のメタンを酸化するためのシステムの、例示的な実施形態の概略を示す図である。
図5】3つの鉱化廃棄物カラムにおけるメタン変換率の結果を示す図である。
図6】異なる入口メタン負荷の下での、中型の鉱化廃棄物カラムにおけるメタン変換率の結果を示す図である。
図7】メタンを酸化するためのシステムを備えた、実験的ごみ埋立ユニットの断面を示す図である。
図8】150日の研究期間中の、対照ユニットおよび実験ユニットのそれぞれに関する出力ガス中のメタン濃度を示す図である。
図9】150日の研究期間中の、対照ユニットと比較した実験ユニットでのメタン放出の減少率を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な説明では、本明細書一部を形成する添付図面を参照する。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載された例示的な実施形態は、限定を意味するものではない。本明細書に示される対象の精神または範囲から逸脱することなく、その他の実施形態を利用してもよく、その他の変更を加えてもよい。
【0009】
本開示は、メタンを酸化するためのシステムおよび方法を提供する。一態様では、本開示は、空気に接触できるよう構成された少なくとも1つのコンジットを備えた構造と、この少なくとも1つのコンジットを取り囲むように構成された鉱化廃棄物層とを含む、メタンを酸化するためのシステムを提供する。
【0010】
「鉱化廃棄物」という用語は、メタンを酸化することが可能な生物を含有する固形廃棄物を指す。そのような生物を、メタン酸化生物と呼ぶ。メタン酸化生物は、メタンを酸化して、ホルムアルデヒド、ギ酸、二酸化炭素、および水などの物質を生成することができる。
【0011】
ある実施形態では、メタン酸化生物は、細菌および古細菌を含むがこれらに限定されない微生物である。ある実施形態では、メタン酸化細菌は、MethylococcaceaeおよびMethylocystaceae科に属する細菌である。ある実施形態では、Methylococcaceae科には、Methylococcus、Methylomonas、Methylomicrobium、Methylobacter、Methylocaldum、およびMethylosphaera属に属する細菌が含まれる。ある実施形態では、Methylocystaceae科には、Methylocystis、Methylosinus、およびMethylopila属に属する細菌が含まれる。メタン酸化細菌の例示的な例には、Methylomonas methanica、Methylococcus capsulatus、Methylosinus trichosporium、およびMethylocystis parvusが含まれる。
【0012】
ある実施形態では、メタン酸化古細菌は、Methanosaetaceae、Methanosarcinaceae、およびMethermicoccaceae科からのものである。
【0013】
メタン酸化生物は、適切な条件下、鉱化廃棄物中で自然に成長および増殖する。一般に、メタン酸化生物は、固形廃棄物中にメタンの蓄積がある場合、固形廃棄物中で成長する。メタンは、廃棄物材料が時間とともに分解し減衰するにつれ、固形廃棄物中に蓄積される可能性がある。メタン酸化生物を含有する固形廃棄物は、鉱化廃棄物になり、本開示のメタンを酸化するためのシステムで使用されてもよい。ある実施形態では、鉱化廃棄物は、ある期間にわたり貯蔵されまたは埋められた固形廃棄物である。貯蔵されまたは埋められている間、固形廃棄物は分解し、メタンを発生させ、固形廃棄物中のメタンの蓄積によって、内部でのメタン酸化生物の自然な成長および増殖に望ましい環境を生成する。ある実施形態では、鉱化廃棄物は、メタン酸化生物が増殖できるように、ある期間にわたり、1つまたは複数の収容デバイスまたは施設に貯蔵される。ある実施形態では、鉱化廃棄物は、廃棄物埋立地に埋められる。
【0014】
鉱化廃棄物の貯蔵または埋められた期間を、鉱化廃棄物の「エージング」と呼ぶ。メタン酸化生物は、廃棄物がエージングするにつれ、鉱化廃棄物中に蓄積され成長する。ある実施形態では、鉱化廃棄物は、ある期間にわたりエージングして、いかなる浸出物もメタンガスも単独で、もはや放出しないようになる。ある実施形態では、鉱化廃棄物は、約2から約30年間、約2から約25年間、約2から約20年間、約2から約15年間、約2から約10年間、約2から約8年間、または約2から約5年間エージングされる。ある実施形態では、鉱化廃棄物は、約5から約30年間、約5から約25年間、約5から約20年間、約5から約15年間、約5から約10年間、約5から約8年間、または約8から約10年間エージングされる。ある実施形態では、鉱化廃棄物は、少なくとも1年間、または少なくとも2年間、または少なくとも3年間、または少なくとも4年間、または少なくとも5年間、または少なくとも6年間、または少なくとも7年間、または少なくとも8年間、または少なくとも9年間、または少なくとも10年間、または少なくとも15年間、または少なくとも20年間、または少なくとも25年間、または少なくとも30年間エージングされる。
【0015】
メタン酸化生物は、鉱化廃棄物を形成するために、固形廃棄物に人工的に導入されてもよい。例えば、ある例示的な実施形態では、以下の実施例1に記述されるように、ごみ埋立地から得たエージングされた廃棄物を採取し、栄養溶液に溶解してもよい。混合物を適切な期間インキュベートして、廃棄物からのメタン酸化生物を成長させ、メタン酸化生物を培養物から収集する。収集されたメタン酸化生物を、所望の濃度に達するまで栄養溶液中で再度成長させる。別の例の場合、ある例示的な実施形態では、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)などの組織から商用として購入されたメタン酸化生物の公知の株(例えば、Methylococcus capsulatus、ATCC19069)を、所望の濃度に達するまで実験室で培養してもよい。メタン酸化生物のメタン変換率は、メタン酸化生物を、入口ガスポートおよび出口ガスポートを有する容器内に配置することによって測定してもよい。メタンガスを、入口ガスポートを通して容器内に進入させ、容器からのガスを、出口ポートから収集する。入口ガスのメタン濃度と、メタン酸化生物を通過した出口ガスのメタン濃度との比を、計算する。ある実施形態では、メタン酸化生物を実験室で培養し、固形廃棄物中に添加してもよい。ある実施形態では、メタン酸化生物は、エージングされた固形廃棄物から単離され、適切な濃度まで培養され、固形廃棄物中に添加されてもよい。ある実施形態では、メタン酸化生物を含有する固形廃棄物は、本開示のシステムで使用される鉱化廃棄物を作製するために、新しい廃棄物に添加されてもよい。ある実施形態では、異なる場所でまたは異なる期間にわたりエージングされた鉱化廃棄物を一緒に混合して、本開示のシステムで使用される鉱化廃棄物を作製してもよい。
【0016】
鉱化廃棄物は、そのメタン変換率を測定し計算することによって、メタンをその他の物質に酸化するその能力を測定してもよい。期間t(t=t−t)にわたるメタン変換率は、下記の方程式を使用して計算することができる:
【0017】
【数1】
【0018】
メタン変換率は、時間tおよびtでのメタン濃度を測定し、次いで上記方程式を使用して率を計算することによって、決定することができる。メタン変換率を測定し計算するための方法の例示的な実施形態を、以下の実施例1に記述する。
【0019】
ある実施形態では、鉱化廃棄物は、24時間にわたり、少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%のメタン変換率を有する。ある実施形態では、鉱化廃棄物は、24時間にわたり、50%から100%の間、50%から90%の間、50%から80%の間、50%から70%の間、50%から60%の間、60%から100%の間、70%から100%の間、80%から100%の間、および90%から100%の間のメタン変換率を有する。ある実施形態では、鉱化廃棄物は、48時間にわたり、少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%のメタン変換率を有する。ある実施形態では、鉱化廃棄物は、48時間にわたり、50%から100%の間、50%から90%の間、50%から80%の間、50%から70%の間、50%から60%の間、60%から100%の間、70%から100%の間、80%から100%の間、および90%から100%の間のメタン変換率を有する。
【0020】
鉱化廃棄物の水分含有量は、メタンの酸化効率に影響を及ぼす可能性がある。ある実施形態では、鉱化廃棄物は、5%から30%の間、5%から25%の間、5%から20%の間、5%から15%の間、5%から10%の間、または5%から8%の間の水分含有量を有する。ある実施形態では、鉱化廃棄物は、10%から30%の間、10%から25%の間、10%から20%の間、または10%から15%の間の水分含有量を有する。ある実施形態では、鉱化廃棄物は、15%から30%の間、15%から25%の間、または15%から20%の間の水分含有量を有する。鉱化廃棄物の水分含有量は、任意の適切な方法によって、適切なレベルに調節することができる。ある実施形態では、鉱化廃棄物は、水分含有量が低下するように乾燥させてもよい。乾燥方法には、空気もしくは日光などによる自然乾燥方法、または機械による乾燥、またはこれらの任意の組合せ、あるいはその他の適切な方法を含めることができるが、これらに限定するものではない。ある実施形態では、鉱化廃棄物は、水分含有量を増加させるために湿潤させてもよい。そのような湿潤方法には、水スプレー、湿潤、および加湿を含めることができるが、これらに限定するものではない。ある実施形態では、鉱化廃棄物は、システムに添加する前に適切な水分含有量まで湿潤させる。ある実施形態では、鉱化廃棄物をシステムに充填する過程で、水を鉱化廃棄物にスプレーする。
【0021】
ある実施形態では、鉱化廃棄物を適切な篩によって篩い分けし、そこに含有される岩、石、ガラス、ゴム、プラスチック、木材スティック、およびその他の大きな破片を除去し、鉱化廃棄物の大きな塊をより小さな部分に破砕するのを助ける。ある実施形態では、鉱化廃棄物を適切な篩によって篩い分けし、適切なサイズの粒子および土を有する鉱化廃棄物を得る。篩のメッシュサイズは、鉱化廃棄物中の望ましくない構成成分を望ましい構成成分から分離できるように、選択することができる。ある実施形態では、鉱化廃棄物を、0.3〜0.5cmの篩、0.5〜1cmの篩、1〜2cmの篩、2〜4cmの篩、4〜6cmの篩、または6〜8cmの篩によって篩い分けする。ある実施形態では、鉱化廃棄物は、篩い分けされる前に、小片に砕かれまたは微粒子に粉砕される。
【0022】
ある実施形態では、鉱化廃棄物はさらに、メタン酸化生物の成長を促進させるように選択された栄養溶液を含んでいてもよい。栄養溶液は、メタン酸化生物の成長および活性を促進することができる、水または緩衝液に溶解する様々な成分を含有していてもよい。ある実施形態では、栄養溶液は、ホスフェート(phosphate)、ナイトレート(nitrate)、またはスルフェート(sulfate)、またはこれらの任意の組合せを含有していてもよい。栄養溶液のpH値は、メタン酸化生物の成長に適した範囲にすることができる。例示的な実施形態では、栄養溶液のpH値は、5から9の間、6から8の間、6.1から7.9の間、6.2から7.8の間、6.3から7.7の間、6.4から7.6の間、6.5から7.5の間、6.6から7.4の間、6.7から7.3の間、6.8から7.2の間、および6.9から7.1の間である。別の例示的な実施形態では、栄養溶液のpH値が7である。例示的な実施形態では、栄養溶液は、ホスフェートおよびナイトレートを含む。例示的な実施形態では、栄養溶液は、ホスフェートおよびスルフェートを含む。例示的な実施形態では、栄養溶液は、ナイトレートおよびスルフェートを含む。例示的な実施形態では、栄養溶液は、濃度が1〜20g/lのホスフェート、0.3〜9g/lのナイトレート、および/または0.05〜3g/lのスルフェートを含み、次いで栄養溶液と鉱化廃棄物との体積(ml)対重量(g)比、100g当たり1mlから100g当たり50mlの間、100g当たり3mlから100g当たり50mlの間、100g当たり5mlから100g当たり50mlの間、100g当たり10mlから100g当たり50mlの間、100g当たり20mlの間から100g当たり50mlの間、100g当たり30mlの間から100g当たり50mlの間、100g当たり40mlから100g当たり50mlの間、100g当たり1mlから100g当たり40mlの間、100g当たり1mlから100g当たり30mlの間、100g当たり1mlから100g当たり25mlの間、100g当たり1mlから100g当たり20mlの間、および100g当たり1mlから100g当たり10mlの間で、廃棄物に加えられてもよい。別の例示的な実施形態では、栄養溶液と廃棄物との重量比が100g当たり4mlから100g当たり6mlである。例示的な実施形態では、栄養溶液は、廃棄物に加えられた場合、最終濃度で1〜10g/lのホスフェート、0.3〜9g/lのナイトレート、および/または0.05〜3g/lのスルフェートを含む。例示的な実施形態では、栄養溶液は、廃棄物に加えられた場合、最終濃度で1〜7g/lのホスフェート、0.3〜9g/lのナイトレート、および/または0.05〜3g/lのスルフェートを含む。例示的な実施形態では、栄養溶液は、リン酸一カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸第一鉄、リン酸第二鉄、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硝酸第一鉄、硝酸第二鉄、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸第一鉄、および/または硫酸第二鉄を含む。例示的な実施形態では、栄養溶液は、リン酸一カリウムおよび/またはリン酸二ナトリウムを含む。例示的な実施形態では、栄養溶液は、硝酸ナトリウムを含む。例示的な実施形態では、栄養溶液は、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、および/または硫酸第一鉄を含む。例示的な実施形態では、栄養溶液は、ZnSO、MnSO、HBO、NaMoO、CoCl、KI、およびCaClからなる群から選択された、いくらか微量の元素をさらに含む。栄養溶液中のこれら微量元素の濃度は、100ug/l未満、80ug/l未満、70ug/l未満、60ug/l未満、50ug/l未満、40ug/l未満、30ug/l未満、20ug/l未満、および10ug/l未満にすることができる。栄養溶液中のこれら微量元素の濃度は、10ug/lから100ug/lの間、10ug/lから50ug/lの間、50ug/lから100ug/lの間、および1ug/lから10ug/lの間にすることができる。
【0023】
ある実施形態では、鉱化廃棄物は、鉱化スラッジをさらに含んでいてもよい。「鉱化スラッジ」という用語は、細菌および古細菌などのメタン酸化生物を含有する廃棄物スラッジを指す。メタン酸化生物は、自然な成長および増殖を通してまたは人工的手法で、鉱化スラッジに導入することができる。例えば、メタン酸化生物は、商用として購入してもよく、または前述のようにエージングされた廃棄物から単離した株を使用して実験室で培養してもよい。メタン酸化生物のメタン変換率は、メタン酸化生物を、入口ガスポートおよび出口ガスポートを有する容器内に配置することによって、測定してもよい。メタンガスは、入口ガスポートを通して容器内に進入させ、容器からのガスを、出口ポートから収集する。入口ガスのメタン濃度と、メタン酸化生物を通過した出口ガスのメタン濃度との比を計算する。ある実施形態では、メタン酸化生物は、実験室で培養され、廃棄物スラッジに添加されてもよい。ある実施形態では、メタン酸化生物は、エージングされた固形廃棄物から単離され、適切な濃度まで培養され、廃棄物スラッジに添加されてもよい。ある実施形態では、メタン酸化生物を含有する固形廃棄物を廃棄物スラッジに添加して、本開示のシステムで使用される鉱化スラッジを作製してもよい。ある実施形態では、異なる場所でまたは異なる期間にわたりエージングされた鉱化スラッジを一緒に混合して、本開示のシステムで使用される鉱化スラッジを作製してもよい。
【0024】
ある実施形態では、鉱化スラッジは、メタン酸化生物を成長および増殖させるようにある期間にわたりエージングされる。鉱化スラッジは、地面に埋められまたは1つもしくは複数の貯蔵デバイスもしくは施設に貯蔵されて、エージングされ得る。ある実施形態では、鉱化スラッジは、2から30年間、2から25年間、2から20年間、2から15年間、2から10年間、2から8年間、または2から5年間エージングされる。ある実施形態では、鉱化スラッジは、5から30年間、5から25年間、5から20年間、5から15年間、5から10年間、または5から8年間エージングされる。ある実施形態では、鉱化スラッジは、少なくとも1年間、または少なくとも2年間、または少なくとも3年間、または少なくとも4年間、または少なくとも5年間、または少なくとも6年間、または少なくとも7年間、または少なくとも8年間、または少なくとも9年間、または少なくとも10年間、または少なくとも15年間、または少なくとも20年間、または少なくとも25年間、または少なくとも30年間エージングされる。
【0025】
鉱化スラッジは、適切な水分含有量を有することができる。ある実施形態では、鉱化スラッジは、30%から60%、30%から55%、30%から50%、30%から45%、30%から40%、または30%から35%に及ぶ水分含有量を有する。ある実施形態では、鉱化スラッジは、40%から60%、40%から55%、40%から50%、または40%から45%に及ぶ水分含有量を有する。
【0026】
鉱化廃棄物は、任意の適切な混合比で鉱化スラッジを含有していてもよい。ある実施形態では、鉱化廃棄物中の鉱化スラッジの重量パーセンテージが、約0%から約50%、または約0%から約40%、または約0%から約30%、または約0%から約20%、または約0%から約10%、または約40%から約50%、または約30%から約50%、約20%から約50%、または約10%から約50%である。鉱化廃棄物中に含有される鉱化スラッジの適切なパーセンテージは、当業者により決定することができる。
【0027】
ある実施形態では、鉱化廃棄物層は、約0.2mから約2m、または約0.2mから1.5m、または約0.2mから1m、または約0.2mから0.8m、または約0.4mから約2m、または約0.4mから約1.5m、または約0.4mから約1m、および約0.4から約0.8mの厚さを有する。ある実施形態では、鉱化廃棄物層は、少なくとも0.2m、または少なくとも0.3m、または少なくとも0.4m、または少なくとも0.5m、または少なくとも0.6m、または少なくとも0.7m、または少なくとも0.8m、または少なくとも0.9m、または少なくとも1m、または少なくとも1.5mの厚さを有する。
【0028】
ある実施形態では、少なくとも1つのコンジットを取り囲む鉱化廃棄物層は、この少なくとも1つのコンジットのサイズに比例した厚さを有する。ある実施形態では、鉱化廃棄物の厚さと少なくとも1つのコンジットの直径との比は、約0.5から約6の間、約0.5から約5の間、約0.5から約4の間、約0.5から約3.5の間、約0.5から約3の間、約0.5から約2.5の間、約0.5から約2の間、約0.5から約1.5の間、または約0.5から約1の間である。ある実施形態では、鉱化廃棄物の厚さと少なくとも1つのコンジットの直径との比が、約1から約10の間、約1から約8の間、約1から約6の間、約1から約5の間、約1から約4の間、約1から約3の間、約1から約2の間、または約1から約1.5の間である。
【0029】
メタンを酸化するためのシステムは、空気に接触できるよう構成された少なくとも1つのコンジットを備えた構造を含んでいてもよい。構造は、複数のコンジットを有していてもよい。構造が複数のコンジットを有する場合、これらコンジットは、互いに接続されていても接続されていなくてもよい。1つまたは複数のコンジットは、任意の適切な手段によって、空気に接触できるよう構成することができる。例えば、ある例示的な実施形態では、構造は、廃棄物から外に出て廃棄物の外側の空間に入る1つまたは複数のチューブからなり、したがってガスが環境内に放出される。別の例の場合、ある例示的な実施形態では、構造は、1つまたは複数のチューブからなり、各チューブが、メタンを吸収することができるエアーフィルタをその端部に収容する。別の例の場合、ある例示的な実施形態では、構造は、廃棄物中に埋められた、少なくとも一端が廃棄物から突き出ている1つまたは複数のガビオン(gabion)からなる。ある実施形態では、構造の1つまたは複数のコンジットは、廃棄物から外に延びてガスを放出させる。ある実施形態では、構造の1つまたは複数のコンジットは、廃棄物からのガスが大気中に放出される前にさらに濾過または処理できる方法で、デバイスに接続されていてもよい。
【0030】
コンジットは、空気をコンジット内にまたはコンジットを通過するよう流動させる、任意の適切な形状を有していてもよい。コンジットは、パイプ、チューブ、ダクト、チャネル、またはその他の適切な構造であってもよく、真っ直ぐな、曲がった、または分岐されたものであってもよい。任意のコンジットの断面は、円形、三角形、正方形、長方形、または任意のその他の規則的なもしくは不規則な形状であってもよい。ある実施形態では、コンジットは、円筒形のパイプまたはチューブである。ある実施形態では、円筒形のパイプおよびチューブは、10cmから100cmの間、20cmから100cmの間、30cmから100cmの間、40cmから100cmの間、50cmから100cmの間、5cmから50cmの間、10cmから50cmの間、20cmから50cmの間、30cmから50cmの間、または40cmから50cmの間の直径を有する。
【0031】
1つまたは複数のコンジットは、任意の適切な材料で作製されてもよい。コンジットに適した材料の例示的な例は、鋼、鉄、銅、および合金などの金属、プラスチック、ゴム、ガラス、セメント、および石である。ある実施形態では、1つまたは複数のコンジットは、通気性材料で作製される。ある実施形態では、1つまたは複数のコンジットは、穿孔されていてもよい。ある実施形態では、1つまたは複数のコンジットは、コンジットの全長に沿って穿孔される。ある実施形態では、構造の1つまたは複数のコンジットは、その長さの3分の2、その長さの2分の1、またはその長さの3分の1、またはその長さの4分の1が穿孔される。ある実施形態では、1つまたは複数のコンジットは、その長さの下方3分の2、またはその長さの下方2分の1、またはその長さの下方3分の1、またはその長さの下方4分の1が穿孔される。ある実施形態では、1つまたは複数のコンジットは、その長さの上方3分の2、またはその長さの上方2分の1、またはその長さの上方3分の1、またはその長さの上方4分の1が穿孔される。
【0032】
ある実施形態では、構造の各コンジットは、鉱化廃棄物層により取り囲まれている。ある実施形態では、構造の1つまたは複数のコンジットは、鉱化廃棄物層により取り囲まれている。ある実施形態では、構造の1つまたは複数のコンジットは、複数の鉱化廃棄物層により取り囲まれている。
【0033】
ある実施形態では、システムは、コンジットと、これを取り囲む鉱化廃棄物層との間に、分離層を含んでいてもよい。分離層は、コンジットと鉱化廃棄物層との間の空気循環および空気の流れが容易になるよう構成することができる。ある実施形態では、分離層は、約100mmから約500mm、約100mmから約400mm、約100mmから約300mm、および約100mmから約200mmの厚さを有する。ある実施形態では、分離層は、少なくとも50mm、または少なくとも60mm、または少なくとも70mm、または少なくとも80mm、または少なくとも90mm、または少なくとも100mm、または少なくとも120mm、または少なくとも150mmの厚さを有する。図1に示す例示的な実施形態では、メタンを酸化するためのシステム100は、空気に接触するためのコンジット101、分離層102、および鉱化廃棄物層103を収容する。
【0034】
ある実施形態では、システムは、複数の分離層と、1つまたは複数のコンジットを取り囲む複数の鉱化廃棄物層とを含み、この鉱化廃棄物の各層は、少なくとも1つの分離層に隣接している。ある実施形態では、システムは、複数の分離層と複数の鉱化廃棄物層とを含み、各分離層は、コンジットと鉱化廃棄物層との間、または2つの隣接する鉱化廃棄物層の間、または鉱化廃棄物層と、酸化される材料との間に位置決めされる。図2に示す例示的な実施形態では、メタンを酸化するためのシステム200は、コンジット201、コンジット201と第1の鉱化廃棄物層203aとの間の第1の分離層202a、および第1の鉱化廃棄物層203aの外側の第2の分離層202b、および第2の分離層202bの外側の第2の鉱化廃棄物層203bを収容する。
【0035】
1つまたは複数の分離層は、空気循環を容易にするよう構成された任意の適切な材料を含有していてもよい。分離層の材料の例示的な例は、石の粒子、木材スティック、プラスチック破片、砂利、タイヤの断片、割れたガラス、およびこれらの任意の組合せである。ある実施形態では、分離層は、砂利、タイヤの断片、および/または割れたガラスを含有する。
【0036】
ある実施形態では、分離層は、砂利で構成される。ある実施形態では、砂利は、約50mmから約150mm、約50mmから約140mm、約50mmから約120mm、約50mmから約100mm、または約50mmから約80mmの直径を有する。ある実施形態では、砂利は、40mm、50mm、60mm、70mm、または80mm以上、および100mm、110mm、120mm、130mm、140mm、または150mm以下の直径を有する。
【0037】
ある実施形態では、分離層の砂利は、ランダムに分布されていてもよい。ある実施形態では、分離層の砂利は、換気を促進するように並べられていてもよい。ある実施形態では、砂利は、分離層により取り囲まれたコンジットの中心付近に、より大きなサイズの砂利が在るように並べられていてもよい。ある実施形態では、砂利の層は、約100mmから約500mm、約100mmから約400mm、約100mmから約300mm、および約100mmから約200mmの厚さを有する。ある実施形態では、砂利の層は、少なくとも50mm、または少なくとも60mm、または少なくとも70mm、または少なくとも80mm、または少なくとも90mm、または少なくとも100mm、または少なくとも120mm、または少なくとも150mmの厚さを有する。
【0038】
ある実施形態では、システムはさらに、システムの異なる構造を分離するための1つまたは複数のディバイダを含む。ある実施形態では、システムは、コンジットとこれを取り囲む鉱化廃棄物層との間にディバイダを含む。ある実施形態では、システムは、コンジットとこれを取り囲む分離層との間にディバイダを含む。ある実施形態では、システムは、鉱化廃棄物の各層とこれによって取り囲まれた各コンジットとの間にディバイダを含む。ある実施形態では、システムは、各分離層とこれによって取り囲まれた各コンジットとの間にディバイダを含む。ある実施形態では、システムは、分離層とこの分離層に隣接した鉱化廃棄物層との間にディバイダを含む。ある実施形態では、システムは、鉱化廃棄物の各層と各分離層との間にディバイダを含む。ある実施形態では、システムは、鉱化廃棄物層を取り囲むディバイダを含む。ある実施形態では、システムは、分離層を取り囲むディバイダを含む。図1に示す例示的な実施形態では、システム100は、コンジット101と分離層102との間にディバイダ105a、分離層102と鉱化廃棄物層103との間にディバイダ105bを収容する。
【0039】
ディバイダは、通気性となるよう構成することができる。任意の適切な材料を、ディバイダを作製するのに使用してもよい。適切な材料の例示的な実施形態は、金属、プラスチック、ゴム、石、ガラス、および織布などである。ある実施形態では、ディバイダは、多孔質でありまたは穿孔されている。ある実施形態では、ディバイダは、鋼製のネット、メッシュ、サンドネット、金網、穿孔金属、多孔質プラスチック、またはガビオンである。
【0040】
システムは、メタンの酸化が必要な任意の場所で使用することができる。ある実施形態では、システムは、固形廃棄物埋立地でメタンを酸化するために使用される。ある実施形態では、システムは、廃棄物の貯蔵場所で使用される。ある実施形態では、システムは、高濃度のメタンがある領域または場所で使用される。ある実施形態では、空気に接触するための構造は、鉱化廃棄物層および/または分離層が設置される前に、廃棄物処理場で設置される。ある実施形態では、空気に接触するための構造は、鉱化廃棄物層および/または分離層が設置された後に、廃棄物処理場で設置される。ある実施形態では、空気に接触するための構造および鉱化廃棄物層および/または分離層は、廃棄物処理場に一緒に設置される。
【0041】
別の態様では、本開示は、空気に接触できるよう構成された少なくとも1つのコンジットを備えた構造と、この少なくとも1つのコンジットを取り囲む鉱化廃棄物層とを含む、メタンを酸化するためのシステムを、酸化される材料に接触させることを含む、メタンを酸化するための方法を提供する。
【0042】
酸化される材料は、メタンを含有しまたは発生させる任意の材料とすることができる。酸化される材料には、固形廃棄物および下水廃棄物を含めてもよいが、これらに限定されない。ある実施形態では、酸化される材料は、固形廃棄物である。
【0043】
システムは、任意の適切な手法で、酸化される材料と接触させて配置してもよい。ある実施形態では、メタンを酸化するためのシステムは、酸化される材料中に実質的に垂直に配置される。ある実施形態では、メタンを酸化するためのシステムは、酸化される材料中に斜めに配置される。ある実施形態では、システムは、酸化される材料中に実質的に水平に配置される。「実質的に垂直に」という用語は、空気に接触するための構造のほぼ中心の長軸が、地面に対して約90°の角度をなすことを意味する。「斜めに」という用語は、空気に接触するための構造のほぼ中心の長軸が、地面に対して0°から90°の間の角度をなすことを意味する。「実質的に水平に」という用語は、空気に接触するための構造のほぼ中心の長軸が、地面に対してほぼ0°の角度をなすことを意味する。
【0044】
システムは、異なる部分を有していてもよく、各部分は、地面に対して異なる角度に向いている。ある実施形態では、システムは、実質的に垂直に向いた部分、斜めに向いた部分、および/または実質的に水平に向いた部分を有する。図3aに示す例示的な実施形態では、システム300は、地面に対して実質的に水平に向いた第1の部分301と、地面に対して実質的に垂直に向いた第2の部分302とを有する。図3bに示す別の例示的な実施形態では、システム310は、地面に対して実質的に水平に向いた第1の部分311と、地面に対して斜めに向いた第2の部分312とを有する。図3cに示す別の例示的な実施形態では、システム320は、実質的に水平に向いた第1の部分321と、斜めに向いた第2の部分322と、実質的に垂直に向いた第3の部分323とを有する。図3dに示す別の例示的な実施形態では、システム330がU字形を有する。異なる部分は、連続一体構造として作製されてもよく、または個別の部品として組み立てられてもよい。各部分は、同じ内部構造を有していてもよく、例えば各部分は、鉱化廃棄物の1つの層および1つの分離層により取り囲まれた1つの空気伝導パイプを含有していてもよい。あるいは異なる部分は、異なる内部構造を有していてもよく、例えば1つの部分は、鉱化廃棄物の1つの層および1つの分離層によって取り囲まれた1つの空気伝導パイプを有していてもよく、別の部分は、分離層によって切り離された鉱化廃棄物の2つの層と、第1の鉱化廃棄物層内に取り囲まれた空気伝導パイプとを有していてもよい。
【0045】
ある実施形態では、空気に接触するための少なくとも1つのコンジットを備えた構造は、酸化される材料の外に延びる少なくとも1つの端部を有する。ある実施形態では、メタンを酸化するためのシステムは、酸化される材料中で実質的に垂直にまたは斜めに配置され、空気に接触するための少なくとも1つのコンジットの最上部は、酸化される材料の上面よりも高い。ある実施形態では、システムは、酸化される材料中に水平に配置され、空気に接触するための少なくとも1つのコンジットの少なくとも一端は、酸化される材料のサイドから外に延びる。
【0046】
ある実施形態では、酸化される材料は、鉱化廃棄物を含有するシステムの部分を、部分的にまたは完全に取り囲む。ある実施形態では、酸化される材料は、システムを少なくとも部分的に取り囲む。ある実施形態では、方法はさらに、追加の鉱化廃棄物を鉱化廃棄物層に添加することを含む。ある実施形態では、方法は、酸化される材料が添加された場合に追加の鉱化廃棄物を鉱化廃棄物層に添加することを含む。ある実施形態では、方法は、メタンを酸化するためのシステムが、酸化される材料内に実質的に垂直にまたは斜めに配置される場合、酸化される材料と実質的に同じレベルに鉱化廃棄物の高さを保持するために、追加の鉱化廃棄物を鉱化廃棄物層に添加することを含む。
【0047】
ある実施形態では、方法は、栄養溶液を鉱化廃棄物層に添加することを含む。ある実施形態では、方法は、鉱化廃棄物層に添加された鉱化廃棄物の高さ1〜2メートルごとに、栄養溶液を鉱化廃棄物層にスプレーすることを含む。ある実施形態では、方法は、鉱化廃棄物層が所望の高さに達したときに、栄養溶液を鉱化廃棄物層の表面にスプレーすることを含む。ある実施形態では、方法は、鉱化廃棄物がシステムにファイルされる前に、栄養溶液と鉱化廃棄物とを混合することを含む。鉱化廃棄物層に添加される栄養溶液の量は、当業者が必要に応じて選択することができる。ある実施形態では、鉱化廃棄物100gごとに栄養溶液約1〜100mlが添加され、栄養溶液1リットルごとにホスフェート1〜20g、ナイトレート0.3〜9g、スルフェート0.05〜3g、ZnSO 100ug未満、MnSO 100ug未満、HBO 100ug未満、NaMoO 100ug未満、CoCl 100ug未満、KI 100ug未満、およびCaCl 100ug未満を含有する。
【実施例】
【0048】
下記の実施例は、本開示の理解を助けるために記述され、以下に続く特許請求の範囲で定義された本発明の範囲を、いかなる方法によっても限定するものではないと解釈すべきである。
【0049】
(実施例1)上海の老港(Laogang)ごみ埋立地から得た固形廃棄物を、メタンを酸化するシステムを設置するための鉱化廃棄物を作製するのに使用する。鉱化廃棄物は、1992年にごみ埋立地に堆積された固形廃棄物と、2001年にごみ埋立地に堆積された固形廃棄物とを、7:3(w/w)の比で混合することによって作製される。鉱化廃棄物を、より小さな小片に粉砕し、大きなサイズの篩を使用して篩い分けする。篩に通して篩い分けされた材料を収集する。収集された廃棄物をさらに微細な材料に破砕し、2〜4cmの篩を使用して篩い分けする。篩を通して篩い分けされた材料を、システムで使用される鉱化廃棄物として収集する。表1は、実験で使用される鉱化廃棄物の化学的性質を示す。
【0050】
【表1】
【0051】
栄養溶液、即ちNMS溶液を、鉱化廃棄物に添加する。1L NMS溶液の配合物には:KHPO 1.06g、NaHPO・12HO 4.34g、NaNO 1.70g、KSO 0.34g、MgSO・7HO 0.074g、FeSO・7HO 22.4mg、および微量元素溶液2mLが含まれる。溶液のpHは7.0である。微量元素溶液の組成を、以下の表2に示す。NMS溶液6gを、鉱化廃棄物100gごとに添加する。
【0052】
【表2】
【0053】
メタンを酸化するためのシステム−システム400−を、図4に示すように設置する。3つのプラスチックバレル(蓋付き)を実験では使用し、405は、直径80mmの小さなサイズのバレルを表し;406は、160mmの中型のバレルを表し;407は、240mmの大きなサイズのバレルを表す。バレルは、高さ35cm、直径26cm、および体積18Lである。直径40mmおよび高さ0.4mの通気パイプを、各バレルの中心に垂直に配置する。通気パイプの最上部は、各バレルの最上部から外に延びる。通気パイプは、下方2/3の部分が穿孔されており、その結果、パイプ内へのガスの流動が容易になる。通気パイプの上方1/3の部分は穿孔されておらず、そこにガスが蓄積されるようになる。各通気パイプをサンドネットで包むことにより、鉱化廃棄物粒子が通気パイプの穿孔に詰まらないようにする。直径80mm、160mm、および240mmのガビオン404を、3つの通気パイプのそれぞれを取り囲むように配置する。ガビオンの直径は、それぞれ、通気パイプの直径の2、4、および6倍である。
【0054】
鉱化廃棄物層402を、各バレルにおける包まれた通気パイプとガビオンの間の空間に充填する。3つのガビオンの鉱化廃棄物の厚さは、それぞれ20mm、60mm、および100mmである。鉱化廃棄物の厚さは、鉱化廃棄物カラムの直径と通気パイプの直径と間の差である。鉱化廃棄物カラムの直径は、通気パイプの中心からガビオンの外側境界までの水平距離である。ガビオンに充填された鉱化廃棄物100gごとに、栄養溶液6gを鉱化廃棄物表面にスプレーする。
【0055】
ガス入口弁を、メタンおよび空気を吸い込むために各バレルの外壁の下方部分に設置する。メタンは、鋼製シリンダでガス混合物(CH:CO=1:1)から得られる。空気は、弁411によって制御される好気性ポンプ412により送出される。各バレルでのメタンの流量を流量計414によって測定し、6ml/分に、また空気60ml/分に制御する。メタンおよび空気を混合させ、ボトル410内で加湿し、得られたメタンおよび空気の湿潤混合物を、入口パイプに沿ってバレルの入口弁に流動させる。
【0056】
入口弁が開放されると、メタンおよび空気のガス混合物は鉱化廃棄物カラム内に進入し、鉱化廃棄物中に拡散する。メタン酸化細菌がメタンを二酸化炭素に酸化する。鉱化廃棄物からの残りのガスは通気パイプから出て行き、ガス収集ボトル408に収集され、メスシリンダ409で測定される。
【0057】
入口ガスおよび出口ガスのサンプルを、注射針を使用してそれぞれのガスパイプで採取する。サンプルを、島津製作所(SHIMADZU)製GC−14Bガスクロマトグラフィ装置を使用して測定する。
【0058】
実験を37日間継続し、入口および出口ガスサンプルを、それぞれ、入口パイプのサンプリングポート413および出口パイプのサンプリングポート401で、規定の時点で採取する。入口ガスサンプルおよび出口ガスサンプルのメタン濃度を測定する。メタン変換率を、下記の方程式を使用して計算する:
【0059】
【数2】
【0060】
図5は、鉱化廃棄物カラムが異なる厚さを有する3つのバレルの、メタン変換率を示す。図5のS(小)、M(中)、およびL(大)は、それぞれ直径80mm、160mm、および240mmの鉱化廃棄物カラムを表す。中型および大きなサイズの鉱化廃棄物カラムは、37日の研究期間中、小さいサイズのカラムよりも高いメタン変換率およびより安定な酸化作用を示す。中型の鉱化廃棄物カラムは、並外れて良好な結果を示し、そのメタン変換率は、研究期間中にばらつきがほとんどなく着実に増加し、最終的には約95〜97%の平坦域に達する。
【0061】
中型の鉱化廃棄物カラムを、異なる入口メタン濃度の下でさらに試験する。実験では異なるメタン濃度を入口ガスで使用すること以外、実験は上述と同じ方法を使用して10日間継続する。入口ガスおよび出口ガスのメタン濃度をそれぞれ測定し、メタン変換率を計算する。結果を図6に示す。メタン変換率は、異なる入口メタン濃度の下で安定なままである。試験開始時の微かなばらつき以外、10日の研究期間中のメタン変換率はほとんど90%超であり、最高率は97.8%である。
【0062】
(実施例2)上海老港(Laogang)ごみ埋立地の#42ごみ埋立ユニットを、研究に使用する。ごみ埋立ユニットは、全容量が10,000mであり、2つの個別のユニットに分かれており、各ユニットは、平均容量5000mを有している。ごみ埋立地の高さは7mであり、勾配は1:1である。2つの個別のユニットのそれぞれは台形であり、各ユニットの最上部の長さおよび幅は33.5m×33.5mであり;底部は9.5m×19.5mである。2つのユニットは、ごみのダムによって切り離され、ダムの最上部の幅は1mである。ユニットの底部および側面は、漏れが回避されるように、2層の200g/mジオテキスタイル布地および1層の1.5mm HDPE膜で処理されている。浸出物パイプ、および派生ガス用の通気パイプがユニット内に設置されている。
【0063】
2つのユニットの一方を対照ユニット(the control unit)として使用し、他方のユニットを、メタン放出削減研究の実験ユニットとして使用する。
【0064】
対照ユニットを、本明細書にまとめたように準備する。ユニットに5,000mの新しいごみを充填し、次いで厚さ0.6mの泥(500m)で覆う。表面を、プラスチックシートで覆う。浸出物収集パイプ(直径250mm、長さ55m)をユニットの底部に配置する。派生ガス用の通気パイプ(De250、7.8m)を、浸出物収集パイプの中間点に配置する(通気パイプは、浸出物収集パイプに接続されていない。)。ごみ埋立地の浸出物収集パイプは、ごみ埋立ユニットから外に延び、浸出物収集バレルに接続する。
【0065】
実験ユニット700を、本明細書にまとめたように準備する。ごみ埋立地は、浸出物収集パイプ706を通気パイプ701に接続し、かつ直径1.25mのガビオン702を通気パイプの周りに配置して、取り囲んでいる領域内の新しい廃棄物704が締め出されるようにしたこと以外は、対照ユニットと同じ方法で準備する。ガビオン内では、50〜150mmのサイズの砂利が通気パイプの周りに充填され、ガビオン内に厚さ100mmの内層を形成し;鉱化廃棄物703は、砂利層とガビオンとの間の空間に充填され、ガビオン内に厚さ約400mmの外層を形成する。鉱化廃棄物を篩にかけ、4cmよりも小さな粒径を有する粒子を研究に使用する。砂利層および鉱化廃棄物層は、サンドネット705によって切り離されている。システムの概略的な断面図を、図7に示す。新しいごみがごみ埋立地に加えられたら、鉱化廃棄物をガビオンに加えて、ガビオン内の鉱化廃棄物の高さが周囲の領域の新しい廃棄物の高さと同じに保たれるようにする。
【0066】
実験は、150日よりも長く実施する。2つのユニットの通気パイプから出て行くガスをサンプリングし、携帯用ガス分析器で、実験期間中の様々な時点で分析する。結果を図8および図9に示す。
【0067】
図8は、出口ガスのメタン濃度が、対照ユニットの場合よりも実験ユニットにおいて著しく低下したことを示す。実験期間中、対照ユニットのメタン濃度は60%よりも高い最高濃度に達し、最後の3カ月間は約60%付近で推移している。しかし、鉱化廃棄物を有する実験ユニットの場合、メタン濃度は、研究の全体を通して25%よりも低く、ばらつきはさらに少なく、本明細書に提示されるシステムが周囲の環境の影響を受け難いことを示している。
【0068】
図9は、対照ユニットと比較した、実験ユニットによるメタン放出の低減を示す。対照ユニットは、ごみ埋立地のメタンの自然な放出を表す。実験ユニットでのメタン低下率を、下記の方程式により、対照ユニットのメタン濃度に対して計算する:
【0069】
【数3】
【0070】
図9は、メタン低下率が、急速な成長後に約60%に止まり、約3カ月後に約65%の最大低下率に達することを示す。結果は、実験ユニットが、ごみ埋立地でのメタン放出を著しく削減させることを示す。
【0071】
全体的事項
本明細書における実質的にすべての複数形および/または単数形の用語の使用に対して、当業者は、状況および/または用途に適切なように、複数形から単数形に、および/または単数形から複数形に変換することができる。
【0072】
通常、本明細書において、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体部)において使用される用語は、全体を通じて「オープンな(open)」用語として意図されていることが、当業者には理解されよう(例えば、用語「含む(including)」は、「含むがそれに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「含むがそれに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきである、など)。導入される請求項で具体的な数の記載が意図される場合、そのような意図は、当該請求項において明示的に記載されることになり、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、理解の一助として、添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの(at least one)」および「1つまたは複数の(one or more)」を使用して請求項の記載を導くことを含む場合がある。しかし、そのような句の使用は、同一の請求項が、導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」および「a」または「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのように導入される請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、単に1つのそのような記載を含む実施形態に限定する、ということを示唆していると解釈されるべきではない(例えば、「a」および/または「an」は、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)。同じことが、請求項の記載を導入するのに使用される定冠詞の使用にも当てはまる。また、導入される請求項の記載で具体的な数が明示的に記載されている場合でも、そのような記載は、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることが、当業者には理解されよう(例えば、他の修飾語なしでの「2つの記載(two recitations)」の単なる記載は、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。
【0073】
さらに、開示の特徴または態様が、マーカッシュグループの観点で記述されている場合、当業者は、開示が、それによってマーカッシュグループの任意の個々のメンバーまたはメンバーのサブグループに関しても記述されていることを認識することになる。
【0074】
当業者に理解されるように、書面での説明を行うことに関するような、任意のおよび全ての目的で、本明細書に開示される全ての範囲は、その任意のおよび全ての可能性ある部分範囲および部分範囲の組合せも包含する。任意の列挙された範囲は、十分記述されており、同じ範囲を少なくとも均等な2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分けることが可能になると、容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書で論じられる各範囲は、下方の3分の1、中間の3分の1、および上方の3分の1などに容易に分けることができる。同様に当業者に理解されるように、「最大〜まで(up to)」、「少なくとも(at least)」、「〜よりも大きい(greater than)」、および「〜未満(less than)」などの全ての言語は、列挙された数値を含み、上記にて論じた部分範囲に引き続き分けることができる範囲を指す。最後に、当業者に理解されるように、ある範囲は、それぞれ個々のメンバーを含む。したがって、例えば、1〜3個のセルを有する群は、1、2、または3個のセルなどを有する群を指す。
【0075】
本開示は、本出願に記述される特定の実施形態に限定されず、様々な態様を例示するものとする。当業者には明らかであるように、その精神および範囲から逸脱することなく、多くの修正および変更を行うことができる。開示の範囲内の機能的に均等な方法および組成物は、本明細書に列挙されるものに加え、先の記述から当業者には明らかである。そのような修正および変更は、添付される特許請求の範囲内に含まれるものとする。本開示は、そのような特許請求の範囲が値するものであるとされる均等物の全範囲と共に、添付される特許請求の範囲の用語によってのみ限定される。この開示は、特定の方法、試薬、化合物、組成物、または生体系に限定されず、当然ながら様々でよいことが理解される。本明細書で使用される用語は、単に特定の実施形態について記述するためのものであり、限定を意味するものではないことも理解される。
【0076】
様々な態様および実施形態を本明細書に開示してきたが、その他の態様および実施形態が当業者には明らかである。本明細書に開示される様々な態様および実施形態は、例示を目的とするものであり、限定しようとするものではなく、真の範囲および精神は下記の特許請求の範囲によって示される。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図4
図5
図6
図7
図8
図9