【文献】
Nokia Siemens Networks, Nokia,Inter eNB over-the-air communication (OTAC) for LTE-Advanced,3GPP TSG RAN WG1 #57 Meeting R1-091777,2009年 5月 4日
【文献】
Nokia Siemens Networks, Nokia,Primary Component Carrier Selection, Monitoring, and Recovery,3GPP TSG RAN WG1 #57 Meeting R1-091779,2009年 5月 4日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のフェムトセルシステムと1つまたは複数のその他のフェムトセルシステムとの間のフェーディング値のフェーディングマトリクスFを前記第1のフェムトセルにおいて取得することと、
所定のしきい値ΓTに関連して前記フェーディングマトリクスFに対応する干渉相関マトリクスDを前記第1のフェムトセルシステムにおいて決定することとをさらに備える請求項1に記載の方法。
前記通信システムへのリソースの使用の前記影響を推定することは、前記第1のフェムトセルシステムのどの搬送波が前記第1のフェムトセルシステムによって使用されているかを決定することをさらに備える請求項1に記載の方法。
前記通信システムへのリソースの使用の前記影響を推定することは、前記第1のフェムトセルシステムのどの搬送波が前記第1のフェムトセルシステムによって使用されているかを決定することをさらに備える請求項13に記載の通信システム。
前記第1のフェムトセルシステムと前記1つまたは複数のその他フェムトセルシステムとの間のフェーディング値のフェーディングマトリクスFを前記第1のフェムトセルにおいて取得することと、
所定のしきい値ΓTに関連して前記フェーディングマトリクスFに対応する干渉相関マトリクスDを前記第1のフェムトセルシステムにおいて決定することとをさらに備える請求項25に記載の方法。
前記通信システムへのリソースの使用の前記影響を推定することは、前記第1のフェムトセルシステムのどの搬送波が前記第1のフェムトセルシステムによって使用されているかを決定することをさらに備える請求項25に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
すべては、本明細書において説明される実施形態の少なくとも1つに従って構成され、その構成は本明細書において提供される開示に従って当業者により変更されてもよい。
【0017】
以下の詳細な説明において、本明細書の一部を形成する付属の図面が参照される。図面において、文脈に特に指示がない限り、類似する符号は概して、類似するコンポーネントを識別する。発明を実施するための形態、図面、および特許請求の範囲において説明される例示的な実施形態は、限定的であることを意図されていない。本明細書において提示される主題の精神または範囲を逸脱することなく、その他の実施形態が使用されてもよく、その他の変更が行なわれてもよい。本明細書において概ね説明され、図面に示される本開示の態様が、多岐にわたるさまざまな構成において配置され、代替され、組み合わされ、分離され、設計されてもよく、それらすべてが本明細書において明示的に検討されることは容易に理解されよう。
【0018】
フェムトセルネットワークの干渉に起因する重大な問題により、分散セル間干渉調整技術を提供することが必要とされている。フェムトセルネットワークにおける良好な分散セル間干渉調整技術を採用することによって、各フェムトセルシステムは、近接フェムトセルシステムから取得された情報に従ってリソースの使用を変更することができる。フェムトセルシステム間の情報の交換により、セル間干渉の変化が、低いシグナリングオーバーヘッドで迅速に追跡されるようになる。すなわち、分散セル間干渉調整技術は、使用可能な帯域幅に、集中型の技術ほど大きくは影響を及ぼすことはない。セル間干渉は、分散セル間干渉調整技術によって効果的に低減され得るものであり、ネットワークのパフォーマンス(たとえば、受信パフォーマンス)が高められる可能性もある。
【0019】
フェムトセルシステムは、通信技術の進歩に関して本明細書において説明されるが、3rd generation partnership Project(3GPP:第3世代移動体通信システム標準化プロジェクト)では、3Gフェムトセルを、WCDMA(登録商標)向けHome Node B(HNB)およびLTE向けHome e−Node B(HeNB)と称する。したがって、LTEに関して、フェムトセルはHeNBシステムを示す。したがって、WCDMA(登録商標)に関して、フェムトセルはHNBを示す。3GPP Long Term Evolution(LTE)プログラムの目標は、さらに高速なユーザエクスペリエンスとさらに豊富なアプリケーション、およびさらに低コストのサービスをめざして、スペクトル効率を高め、待ち時間を短縮し、無線リソースの使用効率を向上させるために、LTEの設定および構成向けに新しい技術、新しいアーキテクチャ、新しい方法を開発することである。こうした取り組みの一環として、3GPPでは、LTEネットワーク向けのin−home HeNBおよび広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標))向けのin−home HNBの概念を導入した。
【0020】
本発明の技術は、ダウンリンク受信の能力を有するフェムトセルのために一般化されてもよい。また、本発明の技術は、近接するフェムトセルには有用であるICICアルゴリズムを実施することによって実行され得るものであるが、相互に長距離を隔てて位置する通信プラットフォームには有用とならない場合もある。そのようなものとして、本技術は、長距離にわたり伝送するe−Node B(eNB)またはその他の大規模基地局通信プラットフォームには適用しない可能性もある。
【0021】
本技術はまた、マイクロセルおよびピコセルにおいても有用となり得るが、それはダウンリンク受信を実施可能および/またはICICアルゴリズムを実施可能である場合のような、マイクロセルおよびピコセルがHNBおよびNeNBと同様に動作する場合に限られる。通常、マイクロセルの範囲は、幅2キロメートル未満から約200メートルまでであり、ピコセルの範囲は、約200メートルから約100メートルである。一方、フェムトセルの場合、通常は約50メートルから約30メートルまたはそれ未満という、数十メートルまたはそれ未満の規模のような、はるかに小さいものとなる。
【0022】
概して、本技術は第1のフェムトセル環境の少なくとも第1のフェムトセルシステム(たとえば、第1のHeNBシステム)、および第1のフェムトセル環境または第2のフェムトセル環境のようなその他の環境の少なくとも1つのその他のフェムトセルシステム(たとえば、第2のHeNBシステム)を含む通信システムにおける分散セル間干渉調整のために提供される。その他のフェムトセルシステムは、第2のフェムトセルシステム、第3のフェムトセルシステム、および以下同様であってもよい。フェムトセル環境は、1つまたは複数の動作可能フェムトセルシステムを有することができ、隣接フェムトセル環境は、通信システム内で重複することができる。フェムトセルシステムは、フェムトセル機能を実行するように共に構成された1つまたは複数のデバイスを含むことができる。フェムトセルアクセスポイントは、フェムトセルシステムを含むことができる。
【0023】
1つの実施形態において、方法は、(たとえば、第1のフェムトセルシステムではない)その他のフェムトセルシステムのうちの1つまたは複数において、その他のフェムトセルシステムのうちの少なくとも1つと通信する従属デバイス(たとえば、携帯電話またはモバイルコンピューティングデバイス)のチャネル(たとえば、1つまたは複数のチャネル)品質情報γ
iを第1のフェムトセルシステムに送信することと、その他のフェムトセルシステムのうちの1つまたは複数のチャネル品質情報γ
iを第1のフェムトセルシステムにおいて受信することと、その他のフェムトセルシステムのうちの1つまたは複数によって受信されたチャネル品質情報γ
iに従って、第1のフェムトセルシステムへのリソースの使用の影響を推定することと、リソースを使用すべきかどうかを第1のフェムトセルシステムにおいて決定することとを含むことができる。
【0024】
図1は、LAN/WLAN125を通じて、フェムトセルゲートウェイ112およびモバイルコアネットワーク114をホームネットワーク116およびエンタープライズネットワーク126に動作可能に結合するネットワーク110を含むフェムトセル環境100の概略的な表現を示す。ホームネットワーク116は、フェムトセルアクセスポイント120を有することが示されているが、これは概して本明細書においてフェムトセルシステムと称される。フェムトセルシステムは、フェムトセルアクセスポイント120として協調的に動作する1つまたは複数のデバイスを含むことができる。フェムトセルシステムはまた、ブロードバンドネットワーク110に動作可能に結合されているので、フェムトセルデバイスと称されてもよい。フェムトセルアクセスポイント120は、携帯電話のようなモバイルデバイス122と通信し、モバイルカードまたはモバイルUSBプラグイン経由のようなモバイルネットワーク機能を有するモバイルコンピュータ124と通信する。このセットアップにおいて、ホームネットワーク116に対して1つのフェムトセルアクセスポイント120しかなく、それによりフェムトセルアクセスポイント120間にはいかなる干渉もない。一方、ホームネットワーク116を有する家庭が高密度の住宅地域にある場合、その他の家庭は、相互に干渉する可能性のあるフェムトセルアクセスポイント120とのその他のホームネットワーク116を有する場合がある。ホームネットワーク116の破線ボックスは、フェムトセルアクセスポイント120のセルカバレッジエリアを表す。
【0025】
エンタープライズネットワーク126は、オプションであるLAN/WLAN125を通じてネットワーク110に動作可能に結合されていることが示される。エンタープライズネットワーク126は、ネットワーク110に直接動作可能に結合されてもよい。エンタープライズネットワーク126は、第1のフェムトセルアクセスポイント128a、第2のフェムトセルアクセスポイント128b、および第3のフェムトセルアクセスポイント128cを有することが示されているが、任意の数のフェムトセルアクセスポイントが近接して存在してもよい。エンタープライズネットワーク126は、単一の事業体エンティティであってもよいか、またはオフィスビルディングにおけるように、近接する複数の事業体を含むこともできる。第1のフェムトセルアクセスポイント128aは、第1のモバイルデバイス130aおよび第1のモバイルコンピュータ132aと通信することができる。第2のフェムトセルアクセスポイント128bは、第2のモバイルデバイス130bおよび第2のモバイルコンピュータ132bと通信することができる。第3のフェムトセルアクセスポイント128cは、第3のモバイルデバイス130cおよび第3のモバイルコンピュータ132cと通信することができる。フェムトセルアクセスポイント128a、b、cは、HNBまたはHeNBシステムにより具現されてもよい。
【0026】
エンタープライズネットワーク126は、フェムトセルアクセスポイント128a、b、cの広範なセルカバレッジエリアを表す破線ボックスを有することが示される。各フェムトセルアクセスポイント128a、b、cは、重複する破線ボックスにより表されるセルカバレッジエリアを有する。このセルカバレッジエリアの重複は、異なるフェムトセルアクセスポイント128a、b、cの間の不要な干渉を生み出す可能性がある。
【0027】
各フェムトセルアクセスポイント120は、LTE HeNBおよび3G HNBをカバーするプロトコル、高速パケットアクセス(HSPA)、HSPA+、およびLTEの待ち時間およびデータスループット規格に適合されたデータおよび制御パフォーマンス、フェムトセル基準アプリケーション、統合プロトコルスタック、および既知の機能および/または本明細書で説明されるか開発された機能のような、任意の他のフェムトセル機能のうちの1つまたは複数のために構成されたハードウェアおよびソフトウェアを含むことができる。
【0028】
図2は、HeNBシステムとして構成されたフェムトセルアクセスポイント220の概略図を示す。フェムトセルアクセスポイント220は、フェムトセル管理アプリケーションモジュール222、フェムトセル基準アプリケーションモジュール224、セル間無線リソース管理(RRM:inter−cell radio resource management)モジュール226、リソースブロック(RB:resource block)制御モジュール228、接続モビリティモジュール230、無線承認モジュール232、モニタリングセンタパフォーマンス(MCP:monitoring center performance)モジュール234、動的リソース割り振り(DRA:dynamic resource allocation)モジュール236、無線リソースコントローラ(RRC:radio resource controller)モジュール238、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP:packet data convergence protocol)モジュール240、無線リンク制御(RLC:radio link control)モジュール242、シリコンコンバージェンスレイヤ(SCL:silicon convergence layer)モジュール244、物理レイヤ(PHY:physical layer)モジュール246、インターネットプロトコルセキュリティ(IPSEC:internet protocol security)モジュール248、X2アプリケーションプロトコル(X2AP:X2 application protocol)250、S1アプリケーションプロトコル(S1AP:S1 application protocol)モジュール252、拡張汎用パケット無線サービス(GPRS:enhanced general packet radio service)トンネリングプロトコル(eGTP)モジュール254、およびストリーム制御伝送プロトコル(SCTP:stream controlled transmission protocol)モジュール256のうちの一部を有することができる。フェムトセルアクセスポイント220の上記のコンポーネントは、当業者にはよく知られている。
図2に関連して示され、説明されているように構成されたフェムトセルアクセスポイント220は、隣接するフェムトセル間の干渉を低減するために、本明細書において説明される方法を実施することができる。説明されるフェムトセルアクセスポイント220は、構成されたHeNBシステムであってもよい。
【0029】
図3は、本明細書において提供される開示によるフェムトセルシステムとして実施され得るコンピューティングシステム300の概略図を示す。
図3のコンピューティングシステム300は、後段においてさらに詳細に説明される。
【0030】
図4は、セル間フェムトセル干渉を低減するための方法400を示す流れ図である。方法400は、
図2のHeNBフェムトセルアクセスポイント220、ならびにダウンリンク受信機能を有しICICアルゴリズムを実施するように構成されるHNBによって実施されてもよい。方法400は、
図1のフェムトセル環境において実施されてもよい。概して、方法400は、少なくとも第1のフェムトセルシステムおよび少なくとも1つのその他のフェムトセルシステムを含む通信システムにおける分散セル間干渉調整のために使用されてもよい。方法400は、干渉エリア内に位置し得る2つまたはそれ以上のフェムトセルシステムを有するフェムトセル環境を提供することを含むことができる(「フェムトセル環境を提供する」ブロック410)。フェムトセルシステムは、相互の間にインターフェースを有することも有していないこともある第1のフェムトセルシステムおよび少なくとも1つのその他のフェムトセルシステムによって識別されてもよい(「環境内のフェムトセルを識別する」ブロック412)。次いで、その他のフェムトセルシステムは、第1のフェムトセルシステムのようなその他のフェムトセルシステムのうちの1つと通信する、携帯電話のような従属デバイスのチャネル品質情報γ
iを取得することができる(「チャネル品質情報γ
iを取得する」ブロック414)。次いで、その他のフェムトセルシステムは、取得した従属デバイスのチャネル品質情報γ
iを第1のフェムトセルシステムに送信することができる(「チャネル品質情報γ
iを送信する」ブロック416)。次いで、第1のフェムトセルシステムは、その他のフェムトセルシステムと通信する従属デバイスに関するチャネル品質情報γ
iを受信することができる(「チャネル品質情報γ
iを受信する」ブロック418)。従属デバイスとその他のフェムトセルシステムとの間の通信に関するチャネル品質情報γ
iが受信されると、第1のフェムトセルシステムは、その他のフェムトセルシステムによって提供されたチャネル品質情報γ
iに従って、通信システムへのリソースの使用の影響を推定することができる(「通信システムへのリソースの使用の影響を推定する」ブロック420)。第1のフェムトセルは、有用な情報を取得するため、および適切な決定を行なうために、チャネル品質情報γ
iを処理するように構成され得るハードウェアおよび/またはソフトウェアを含む。第1のフェムトセルシステムは特定のチャネルが従属デバイスおよびその他のフェムトセルシステムによって使用されているというような、使用可能な情報を使用して、リソースを使用すべきかどうかを決定することができる(「リソースを使用すべきかどうかを決定する」ブロック422)。
【0031】
図4の方法400の間に、その他のプロセスおよび機能は、フェムトセル環境のフェムトセルシステムによって実施され得る。そのようなものとして、さまざまなフェムトセルシステムは、チャネル品質情報γ
iをデータストレージ媒体に格納することができる(「品質情報を格納する」ブロック424)。たとえば、第1のフェムトセルシステムは、チャネル品質情報γ
iをコンピューティングシステム可読媒体に格納することができる。
図4の破線ボックスは、その他のプロセスがさまざまな構成においてオプションであってもよく、方法400を通じてさまざまな時点において実行されてもよく、したがってその他のプロセスは流れ図を介して結ばれていないことを示す。
【0032】
チャネル品質情報は、フェムトセル環境の搬送波ごとに取得されてもよい(「搬送波の品質情報を取得する」ブロック426)。次いで、搬送波κごとのチャネル品質情報γ
iは、1つのフェムトセルシステムから、フェムトセル環境内の近接フェムトセルのような別のフェムトセルシステムにブロードキャストされてもよい(「搬送波の品質情報をブロードキャストする」ブロック428)。干渉を低減するために相互間で情報を渡すことができるフェムトセルシステムの能力は、各フェムトセルシステムを直接制御する集中システムよりもさらに効果的である。分散された通信により、フェムトセルシステムは、それぞれの搬送波κを使用中にオンザフライで調整することができる。分散セル間干渉調整のための方法400は、フェムトセルによって実行される次のプロセス、すなわち、その他のフェムトセルシステムのうちの1つまたは複数において、その他のフェムトセルシステムと通信する従属デバイスのチャネル品質情報γ
iを第1のフェムトセルシステムに送信することと、その他のフェムトセルシステムのチャネル品質情報γ
iを第1のフェムトセルシステムにおいて受信することと、その他のフェムトセルシステムのうちの1つまたは複数によって受信されたチャネル品質情報γ
iに従って、第1のフェムトセルシステムにおいて通信システムへのリソースの使用の影響を推定することと、リソースを使用すべきかどうかを第1のフェムトセルシステムにおいて決定することとを含むことができる。
【0033】
本明細書において開示されるさまざまなプロセスおよび方法について、プロセスおよび方法で実行される機能が異なる順序で実施されてもよいことを、当業者であれば理解するであろう。さらに、概説されるステップおよび操作は例として示されているにすぎず、ステップおよび操作の一部は、開示される実施形態の本質を損なうことなく、オプションの、より少ないステップおよび操作に結合されてもよいか、または追加のステップおよび操作に拡大されてもよい。言うまでもなく、フェムトセル環境においてセル間干渉を低減するために、本明細書において説明されるすべての方法は組み合わされてもよく、個々のプロセスは分割されても、あるいは結合されてもよい。
【0034】
図5Aは、フェムトセルシステム間の干渉を改善するために、フェーディングマトリクスFを使用する方法500aを示す流れ図である。方法500aは、第1のフェムトセルシステムと1つのその他のフェムトセルシステム、および/または自身のフェーディングマトリクスFを決定するその他のフェムトセルシステムとの間の、第1のフェムトセルチャネルのフェーディングマトリクスFを取得する第1のフェムトセルシステムを含むことができる(「フェーディングマトリクスFを取得する」ブロック510a)。フェーディングマトリクスFは、その他のフェムトセルシステムのうちの少なくとも1つから基準信号受信パワー(RSRP)を取得する第1のフェムトセルシステムによって取得されてもよい(「RSRPを取得する」ブロック512a)。RSRPは、第1のフェムトセルシステムの信号がその他のフェムトセルシステムに到達する際に、およびその逆の場合に、どのようにフェードするかを決定するため、異なるフェムトセルシステムによって測定される。第1のフェムトセルシステムから、フェムトセル
iのような別のフェムトセルシステムへのフェーディングマトリクスFは、F
0、iによって表され、ここでF
0は第1のフェムトセルシステムからのフェーディングであり、F
iはその他のフェムトセルシステムからのフェーディングである。フェーディングマトリクスFは、フェーディング値から取得されてもよい。
【0035】
フェーディングマトリクスFが取得されると、フェムトセルシステムは、所定のしきい値Γ
Tに関してフェーディングマトリクスFのフェーディング値に対応する干渉相関マトリクスDを決定することができる(「干渉相関マトリクスDを決定する」ブロック514a)。F
0、iが所定のしきい値Γ
Fよりも小さい場合(たとえば、Γ
Fが伝送フェムトセルFのフェーディング値しきい値である)、第1のフェムトセルシステムからその他のフェムトセル
iシステムへの干渉相関マトリクスD D
0、iは1と等しい(すなわち、F
0、i<Γ
Fである場合、D
0、i=1)ということによって干渉相関マトリクスDが決定されてもよい。各フェムトセルシステムは、特定の期間において搬送波κごとに特定のフェムトセルシステムによってサービスを提供される従属デバイスのチャネル品質情報γ
iをブロードキャストする。各フェムトセルシステムは、フェーディングマトリクスFおよび干渉相関マトリクスDに関連する情報を記録する(「フェーディングマトリクスF情報を記録する」ブロック518a、「干渉相関マトリクスDを記録する」ブロック516a)。各フェムトセルシステムは、各チャネルについて初期化情報を取得するためにこのプロセスを実行することができる。
【0036】
相関マトリクスDは、さまざまなフェムトセルシステム間の干渉関係を反映する。D
ij=1は、フェムトセルiとフェムトセルjとの間のフェーディングが特定のしきい値よりも小さく、したがって2つの異なるフェムトセルがおそらくは相互に干渉していることを指示する。干渉を生じない他のフェムトセルの搬送波使用量は現在のフェムトセルに影響を及ぼさないので、搬送波の使用量をネゴシエートする必要があるのは、相互に干渉しているフェムトセルだけである。
【0037】
フェムトセルシステムは、各々、方法500aから取得された初期化情報に関してプロセスのセットを実行することができる。フェムトセルシステムは、自己最適化の任意のプロセスにより相互の間で命令を渡すことによってプロセスの順序を決定することができる。プロセスの一部は、Tによって表されるフェムトセルシステムのスループットを伴うこともあり、ここで第1のフェムトセルのスループットTはT
0であってもよい。これに対して、搬送波κの第1のフェムトセルシステムのスループットは、T
0κによって表されてもよい。
【0038】
図5Bは、通信システムへのリソースの使用の影響を推定する方法500bを示す流れ図である。そのようなものとして、方法500bは、搬送波κで取得され得る第1のフェムトセルシステムのスループットT
0κを推定することを含むことができる(「スループットT
0κを推定する」ブロック510b)。次いで、第1のフェムトセルシステムは、その他のフェムトセルシステムから受信されたRSRPに基づいて、第1のフェムトセルシステムとの最強の干渉を伴う第2のフェムトセルシステム、および第1のフェムトセルシステムと第2のフェムトセルシステムとの間の最強の干渉を伴う搬送波κを識別することができる(「κの最強の干渉を識別する」ブロック512b)。次いで、第1のフェムトセルシステムは、T
0κ<Γ
Tであるかどうかを決定することができ、ここでΓ
Tは所定のしきい値に対応する(「κについてT
0κ<Γ
Tであるかどうかを決定する」ブロック514b)。スループットがしきい値Γ
Tよりも大きい場合(「NO」ブロック516b)、第1のフェムトセルシステムは、第2の搬送波κ
2を識別して、ブロック510bに戻り、第2の搬送波κ
2についてスループットを推定する(「κ
2を決定する」ブロック520b)。第1の搬送波がκ
1となることに留意されたい。フェムトセルが搬送波κを使用することができない場合、第1のフェムトセルシステムは、κ
1と少なくとも実質的に直交である搬送波κ2を使用することに関して、第2のフェムトセルシステムとネゴシエートする。スループットT
0κがしきい値よりも小さい場合(「YES」ブロック518b)、第1のフェムトセルシステムは、搬送波κ
1を使用することができる(「搬送波κを使用する」ブロック522b)。
【0039】
したがって、スループットT
0κがしきい値Γ
Tよりも小さい場合、第1のフェムトセルシステムは、使用すべき搬送波κを決定するために、その他のフェムトセルシステムとネゴシエートすることができる。第1のフェムトセルシステムは、1つまたは複数の波κの使用に関して最強の干渉を有するその他のフェムトセルシステムとネゴシエートすることができる。ネゴシエーションは、最強の干渉を伴うその他のフェムトセルシステムによって使用される搬送波κと少なくとも実質的に直交である搬送波κを使用する第1のフェムトセルシステムを含むことができる。そのようなものとして、スループットT
0κは、近接フェムトセルシステム間で使用される搬送波に関してフェムトセル環境の公平性を確保するために、第1のフェムトセルシステムについて増大してもよい。また、第1のフェムトセルシステムは、順不同でまたは所定の順序ですべての搬送波を観察することができる。第1のフェムトセルシステムによって使用されている搬送波が観察される場合、第1のフェムトセルシステムは、搬送波κのスループットT
0κを計算することができる。その他のフェムトセルシステムについて、第1のフェムトセルシステムは、現在の搬送波κで取得され得る搬送波κのスループットT
0κを計算することができる。
【0040】
図6は、通信システムへのリソースの使用の影響を推定する方法600のもう1つの実施形態を示す流れ図である。方法600は、第1のフェムトセルシステムのどの搬送波が第1のフェムトセルシステムによって使用されているかを決定することを含むことができる(「搬送波を決定する」ブロック610)。この決定は、どのフェムトセルシステムが影響の推定において第1のフェムトセルシステムであるかに関しての基準点として、フェムトセル環境において各々のフェムトセルシステムによって実行されてもよい。第1のフェムトセルシステムは、フェムトセル環境の可能な搬送波κの各々について搬送波κのスループットT
0κを計算することができる(「搬送波κのスループットT
0κを計算する」ブロック612)。搬送波κのスループットT
0κは、第1のフェムトセルシステムが搬送波κを放棄する場合、第1のフェムトセルシステムのスループットの減分に関連し、一致してもよい(「搬送波κが放棄される場合にスループットT
0κの減分を伴うスループットT
0κを決定する」ブロック614)。しかし、搬送波κのスループットT
0κは、スループットT
0κの減分と自動的に一致してもよく、実際の比較プロセスは実行される必要がなくてもよい。スループットT
0κの減分は、第1のフェムトセルシステムが、フェムトセル
iシステムのような別のフェムトセルシステムとの干渉を最適化しようとアクティブに試みる際に、第1のフェムトセルシステムによって決定されてもよい。次いで、第1のフェムトセルは、搬送波κを第1のフェムトセルシステムが放棄した後、フェムトセル
iのスループットの増分ΔT
iを推定することができる(「フェムトセル
iのスループットの増分ΔT
iを推定する」ブロック616)。フェムトセル
iのスループットの増分ΔT
iの推定は、仮定のシナリオからであってもよいか、または第1のフェムトセルシステムが搬送波κを自動的に放棄することができる(「搬送波κを放棄する」ブロック618)。フェムトセル
iは、フェムトセル環境において任意のその他のフェムトセルシステムのうちの1つまたは複数と対応することができる(「フェムトセル
iを他のフェムトセルシステムと対応させる」ブロック620)。フェムトセル
iは、第1のフェムトセルシステムに関してフェムトセル環境の1つまたは複数のその他のフェムトセルシステムと対応することができる。フェムトセル
iシステムは、その他のフェムトセルシステムの集合Iの少なくとも1つのその他のフェムトセルシステムと対応することができる。フェムトセル
iシステムは、その他のフェムトセルシステムの集合Iのその他のフェムトセルシステムと対応することができ、ここでフェーディング値は所定のしきい値Γ
Tよりも小さい。
【0041】
方法600は、第1のフェムトセルシステムによって使用されている搬送波の各々について、第1のフェムトセルシステムが搬送波κを放棄する場合、第1のフェムトセルシステムが、第1のフェムトセルシステムにおけるスループットの減分がどれほどになるであろうかに対応する搬送波κのスループットT
0κを計算することと、第1のフェムトセルシステムが搬送波κを放棄した後に、第1のフェムトセルシステムがフェムトセル
iシステムのスループットの増分ΔT
iを推定することができ、ここでiは、フェーディング値が所定のしきい値Γ
Tよりも小さい場合のその他のフェムトセルシステムの集合I内の少なくとも1つのその他のフェムトセルシステムのうちの1つまたは複数に対応することとを含むことができる。
【0042】
したがって、第1のフェムトセルは、現在の搬送波κで取得されるスループットT
0κを計算することができ、これは第1のフェムトセルが搬送波κを放棄する場合の、フェムトセル環境のスループットの減分であってもよい。また、第1のフェムトセルシステムは、搬送波κが放棄された後、別のフェムトセル
iシステムのスループットの増分ΔT
iを推定することができる。
【0043】
図7は、リソースを使用するかどうかを決定する方法700の実施形態を示す流れ図である。方法700は、第1のフェムトセルシステムにおいて実施されてもよい。方法700は、第1の条件の下で搬送波κを放棄すること、または第2の条件の下で搬送波κの使用を続行することを含むことができる。したがって、第1のフェムトセルシステムは、搬送波κの使用が条件を満足するかどうかを決定することができる(「搬送波κの使用が条件を満足するかどうかを決定する」ブロック710)。第1のフェムトセルは、以下のように式(1)により条件を定義することができる(「条件を定義する」ブロック712)。
【0045】
次いで、第1のフェムトセルシステムは、搬送波κの使用が条件を満足するかどうかに基づいて決定を行なうことができる(「使用が条件を満足するかどうか決定を行なう」ブロック714)。条件を満足する場合(「条件を満足する」ブロック716)、第1のフェムトセルシステムは搬送波κを放棄することができる(「搬送波κを放棄する」ブロック718)。条件を満足しない場合(「条件を満足しない」ブロック720)、第1のフェムトセルは搬送波κを引き続き使用することができる(「搬送波κを使用する」ブロック722)。しかし、式は、スループットT
0κがスループットの増分ΔT
iよりも小さいという、もう一方の方向に不等号が成り立ち得るので、搬送波κを使用するかまたは搬送波κを放棄するかに関して逆の決定が行なわれるであろう。
【0046】
したがって、方法700は、式(1)を満足するかまたは満足しない場合にリソースを使用すべきかどうかを第1のフェムトセルシステムにおいて決定することを含むことができる。第1のフェムトセルシステムは、T
0κおよびΔT
iが式(1)を満足する場合に、搬送波κを放棄することができる。一方、第1のフェムトセルシステムは、T
0κおよびΔT
iが式(1)を満足しない場合に、搬送波κを引き続き使用することができる。
【0047】
フェムトセル環境は、計算を行なう第1のフェムトセルシステム、または計算を行なう任意のその他のフェムトセルシステムを通じて、値を計算することができ、フェムトセルシステムは、相互間で情報を提供することができる。スループットT
0κが増分ΔT
iよりも大きい場合、第1のフェムトセルシステムは、搬送波κを放棄することができる。スループットT
0κが増分ΔT
iよりも小さい場合、第1のフェムトセルシステムは、搬送波κを使用することができる。式(1)に関して、フェムトセル環境は、第1のフェムトセルシステムが搬送波κを放棄する場合、フェムトセル環境の全スループットの増大が生じないようにすることができる。これにより、フェムトセル環境は、全体としてパフォーマンスを高めることができる。プロセスは、各々のフェムトセルシステムにおいて実行されてもよい。
【0048】
スループットT
0κの推定は、さまざまなプロセスを含むことができる。相互に強い干渉を有するフェムトセルシステム間の距離は、フェムトセルシステムの干渉が相互に同等となるように、比較的小さくなり得る。別のフェムトセルシステムによって被る干渉は、第1のフェムトセルシステムによって被る干渉I
0に近似されてもよい。また、第1のフェムトセルシステムが現在の搬送波κを放棄する場合、別のフェムトセルシステムのチャネル品質γ
i’は、その他のフェムトセルシステムによってサービス提供される従属デバイスのチャネル品質情報γ
iに従って推定されてもよい。チャネル品質情報γ
iは、初期化中に取得されてもよい。第1のフェムトセルシステム(たとえば、フェムトセル
0)と別のフェムトセルシステム(たとえば、フェムトセル
I)との間のフェーディング値F
0、iおよび、第1のフェムトセルシステムの伝送パワーP
0は、推定または決定されてもよく、この値はプロセス中に使用されてもよい。
【0049】
図8は、第1のフェムトセルシステム以外のフェムトセルシステム(たとえば、フェムトセル
i)のスループットの増分ΔT
iを推定する方法800の実施形態を示す流れ図である。第1のフェムトセルシステムまたはその他のフェムトセルシステムは、推定を実行することができる。そのようなものとして、方法800は、集合I内のその他のフェムトセル
iシステムの各々の干渉I
iを、第1のフェムトセルシステムの干渉I
0と等しくなるように近似することを含むことができる(「干渉I
iを近似する」ブロック810)。近似することは、第1のフェムトセルシステムによって実行されてもよいか、または別のフェムトセルシステムによって行なわれてもよく、近似は共有されてもよい。方法800は、第1のフェムトセルシステムにおいて受信されたチャネル品質情報γ
iを使用してチャネル品質γ
i’、第1のフェムトセルシステムと集合I内の少なくとも1つのその他のフェムトセル
iシステムの各々との間のフェーディング状況F
0、i、および第1のフェムトセルシステムの伝送パワーP
0を推定することを含むことができる(「チャネル品質γ
i’を推定する」ブロック812)。また、方法800は、第1のフェムトセルシステムと集合I内の少なくとも1つのその他のフェムトセル
iシステムの各々との間のフェーディング状況F
0、iを決定することを含むことができる(「フェムトセルシステム間のフェーディング状況を決定する」ブロック814)。また、フェーディング状況F
0、iは、第1のフェムトセルシステムと集合I内の少なくとも1つのその他のフェムトセル
iシステムの各々のI
iとの間で決定されてもよい。方法800は、第1のフェムトセルシステムの伝送パワーP
0を決定することを含むことができる(「伝送パワーP
0を決定する」ブロック816)。方法800の上記の推定は、以下の式(2)、式(3)、および式(4)に従って実行されてもよい。
【0052】
前述の式において、パラメータは以下のとおりであり、P
iはフェムトセル
iの伝送パワーであり、I
iはフェムトセル
iによって受信された干渉パワーであり、P
iiは第1のフェムトセルシステムによるフェムトセル
iの伝送パワーの推定であり、Nは雑音パワーである。第1のフェムトセルシステムは、搬送波κを放棄する場合、ΔT
i=T
i’−T
iにより、スループット増分ΔT
iを計算することができる。パラメータは、定義されても、推定されても、または決定されてもよい。
【0053】
図9は、フェムトセル環境において通信システムへのリソースの使用の影響を推定する方法900の実施形態を示す流れ図である。フェムトセルシステムの1つは、第1のフェムトセルシステムが搬送波κを使用する場合、フェムトセル環境におけるスループットの増分ΔT
iに対応する搬送波κのスループットを計算することができる(「スループット増分ΔT
iに対応する使用される搬送波κのスループットT
0κを計算する」ブロック910)。そのようなものとして、第1のフェムトセルシステムによって使用されていない搬送波の各々について、第1のフェムトセルシステムが搬送波κを使用する場合、第1のフェムトセルは、通信システムにおけるスループットの増分ΔT
iに対応する搬送波κのスループットT
0κを計算することができる。第1のフェムトセルシステムは、搬送波κを第1のフェムトセルが放棄した後に、フェムトセル
iのスループットの増分ΔT
iを推定することができる(「搬送波κを放棄した後、フェムトセルのスループット増分ΔT
iを推定する」ブロック912)。したがって、iは、その他のフェムトセルシステムの集合I内の少なくとも1つのその他のフェムトセルシステムの各々に対応し、ここでフェーディング値は所定のしきい値Γ
Tよりも小さい。
【0054】
図10は、リソースを使用するかどうかを決定する方法1000の実施形態を示す流れ図である。この方法1000は、第1のフェムトセルシステムのような、リソースを使用すべきかどうかを決定するフェムトセルシステムによって実行されてもよい。リソースを使用すべきかどうかを決定するための根拠として使用するために、条件が決定されてもよい(「条件を決定する」ブロック1010)。次いで、方法1000は、条件を満足するかどうかを決定することができる(「条件を満足するかどうかを決定する」ブロック1012)。方法1000は、T
0κおよびΔT
iが式(5)を満足する場合、第1のフェムトセルシステムにおいて搬送波κを使用することを含むことができ(「条件を満足する場合搬送波κを使用する」ブロック1014)、ここで式(5)は以下の条件であってもよい。
【0056】
パラメータは、その他のフェムトセルシステムの集合Iの要素の数である|I
0|を含むことができ、ここでフェーディング値は所定のしきい値よりも小さい。あるいは、条件を満足しない場合、第1のフェムトセルシステムは搬送波κを使用しない(「条件を満足しない場合は搬送波κを使用しない」ブロック1016)。たとえば、これは、T
0κおよびΔT
iが式(5)を満足しない場合に、搬送波κを使用しないことを含むことができる。
【0057】
図11は、第1のフェムトセルシステムにおいて実行されるフェムトセルシステムの分散セル間干渉調整の方法1100の実施形態を示す流れ図である。方法1100は、通信ネットワーク内の第1のフェムトセルに干渉している少なくとも1つのその他のフェムトセルシステムと通信する従属デバイスのチャネル品質情報γ
iを受信する第1のフェムトセルシステムを含むことができる(「チャネル品質情報γ
iを受信する」ブロック1110)。次いで、第1のフェムトセルシステムは、少なくとも1つのその他フェムトセルシステムの各々によって受信されたチャネル品質情報γ
iに従って、通信システムへのリソースの使用の影響を推定することができる(「リソースの使用の影響を推定する」ブロック1112)。次いで、第1のフェムトセルシステムは、チャネル品質情報γ
iに基づいてリソースを使用すべきかどうかを決定することができる(「リソースを使用すべきかどうかを決定する」ブロック1114)。方法1100はまた、オプションで、
図4に関連して説明されるように、少なくとも1つのその他のフェムトセルシステムのチャネル品質情報γ
iを格納することを含むことができる。したがって、いずれかの図面のいずれかの流れ図のいずれかのブロックのいずれかのプロセスが、フェムトセル環境における干渉の低減を容易にするために、この方法のようなその他の方法のいずれかで使用されてもよい。また、本明細書において説明される任意のプロセスまたはステップは、本明細書において説明される方法のいずれかに含まれてもよい、および/または図面において流れ図として示されてもよい。
【0058】
1つの実施形態において、第1のフェムトセルシステムは、特定の期間における1つまたは複数のその他のフェムトセルシステムから各搬送波κのチャネル品質情報γ
iのブロードキャストを受信することにより、従属デバイスのチャネル品質情報γ
iを受信することができる。次いで、第1のフェムトセルシステムデバイスは、第1のフェムトセルシステムとその他のフェムトセルシステムとの間のフェーディング値のフェーディングマトリクスFを取得することができ、所定のしきい値Γ
Tに関連してフェーディングマトリクスに対応する干渉相関マトリクスDを決定することができる。
【0059】
1つの実施形態において、第1のフェムトセルシステムは、搬送波κで取得され得る第1のフェムトセルシステムのスループットT
0κを推定することができる。
【0060】
1つの実施形態において、第1のフェムトセルシステムは、通信システムへのリソースの使用の影響を推定することができる。これは、第1のフェムトセルシステムとの最強の干渉を伴う第2のフェムトセルシステム、および第1のフェムトセルシステムと第2のフェムトセルシステムとの間の最強の干渉を伴う搬送波κ1を識別するために、干渉相関マトリクスDを使用することを含むことができる。Γ
Tが所定のしきい値に対応するものとして、T
0κ<Γ
Tが正しくない場合、第1のフェムトセルシステムは、少なくとも実質的にκ1と直交である搬送波κ2を使用することに関して、第2のフェムトセルシステムとネゴシエートする。T
0κ<Γ
Tが正しい場合、第1のフェムトセルシステムは、搬送波κ1を使用することに関して、第2のフェムトセルシステムとネゴシエートする。
【0061】
1つの実施形態において、第1のフェムトセルシステムは、第1のフェムトセルシステムのどの搬送波が第1のフェムトセルシステムによって使用されているかを決定することによって、通信システムへのリソースの使用の影響の推定を開始することができる。次いで、第1のフェムトセルは、第1のフェムトセルシステムによって使用されている搬送波の各々について、第1のフェムトセルシステムが搬送波κを放棄する場合、第1のフェムトセルシステムにおけるスループットの減分がどれほどになるであろうかに対応する搬送波κのスループットT
0κを計算することができ、第1のフェムトセルシステムが搬送波κを放棄した後に、フェムトセル
iのスループットの増分ΔT
iを推定することができ、ここでiは、フェーディング値が所定のしきい値Γ
Tよりも小さい場合のその他のフェムトセルシステムの集合I内の少なくとも1つのその他のフェムトセルシステムの各々に対応する。
【0062】
1つの実施形態において、第1のフェムトセルシステムは、T
0κおよびΔT
iが式(1)を満足する場合に、第1のフェムトセルシステムにおいて搬送波κを放棄することができ、またT
0κおよびΔT
iが式(1)を満足しない場合に、搬送波κを引き続き使用することができる。また、式(1)は、逆の不等号が成り立つように並び替えられてもよいので、この実施形態は、搬送波を放棄するかどうか、または搬送波を引き続き使用するかどうかに関して反転される。
【0063】
1つの実施形態において、第1のフェムトセルシステムは、第1のフェムトセルシステムが搬送波を放棄した後、フェムトセル
iのスループットの増分ΔT
iを推定することができる。このプロセスは、集合I内の少なくとも1つのその他のフェムトセルiシステムの各々の干渉I
iを、第1のフェムトセルシステムの干渉I
0と等しくなるように近似することと、本明細書において説明されるパラメータによる式(2)、式(3)、および式(4)に従って、第1のフェムトセルシステムにおいて受信されたチャネル品質情報γ
iを使用してチャネル品質γ
i’、第1のフェムトセルシステムと集合I内の少なくとも1つのその他のフェムトセル
iシステムの各々との間のフェーディング状況F
0、i、第1のフェムトセルシステムと集合I内の少なくとも1つのその他のフェムトセル
iシステムの各々のI
iとの間のフェーディング状況、および/または第1のフェムトセルの伝送パワーP
0を推定することを含むことができる。
【0064】
1つの実施形態において、第1のフェムトセルシステムによって使用されていない搬送波の各々について、第1のフェムトセルシステムが搬送波κを使用する場合、第1のフェムトセルシステムは、通信システムにおけるスループットの増分ΔT
iに対応する搬送波κのスループットT
0κを計算することができる。次いで、第1のフェムトセルは、第1のフェムトセルシステムが搬送波κを放棄した後に、フェムトセル
iのスループットの増分ΔT
iを推定することができ、ここでiは、フェーディング値が所定のしきい値Γ
Tよりも小さい場合のその他のフェムトセルシステムの集合I内の少なくとも1つのその他のフェムトセルシステムの各々に対応する。
【0065】
1つの実施形態において、第1のフェムトセルシステムは、T
0κおよびΔT
iが式(5)を満足する場合に、第1のフェムトセルシステムにおいて搬送波κを使用することができ、ここで|I
0|はフェーディング値が所定のしきい値Γ
Tよりも小さい場合のその他のフェムトセルシステムの集合I内の要素の数である。一方、第1のフェムトセルシステムは、T
0κおよびΔT
iが式(5)を満足しない場合に、搬送波κを使用しない。
【0066】
1つの実施形態において、第1のフェムトセルシステムは、第1のフェムトセルシステムにおいて受信されたチャネル品質情報γ
iを使用して、第1のフェムトセルシステムと集合I内の少なくとも1つのその他のフェムトセル
iシステムの各々との間のフェーディング値F
0、iを使用して、第1のフェムトセルシステムと集合I内の少なくとも1つのその他のフェムトセル
iシステムの各々のI
iとの間のフェーディング状況を使用して、および/または式(2)、式(3)、および式(4)に従って第1のフェムトセルシステムの伝送パワーP
0を使用して、チャネル品質γ
i’を推定することができる。
【0067】
本明細書において説明されるフェムトセルシステムおよび操作の方法は、HeNBシステムによって実施されてもよい。そのようなHeNBシステムは、データのダウンリンク受信の能力を有するように構成されてもよい。また、HeNBは、HeNBにおいて測定により直接フェーディング情報を取得することができる。各HeNBは、現在のHeNBにサービスを提供される、従属モバイルデバイスのようなモバイルデバイスのチャネル品質情報をブロードキャストすることができる。HeNBは、近接HeNB間のインターフェースを使用して、ICICアルゴリズムを実施することができる。近接HeNBは、別のHeNBに干渉している1つのHeNBにより経験される干渉に関して適切な評価を行なうことができる。近接HeNBは、干渉を低減するために連携する。
【0068】
フェムトセル環境において干渉を低減するための本明細書において説明される方法は、通信システムによって実施されてもよい。そのようなものとして、
図12は、そのような通信システム1200を示す。最小の通信システム1200は、第1のフェムトセルシステム1202、および少なくとも1つのその他のフェムトセルシステム1204を含むことができる。破線ボックスは、第1のフェムトセルシステム1202およびその他のフェムトセルシステム1204が同じフェムトセル環境内にあり、干渉を生じる可能性があることを示す。その他のフェムトセルシステムは、その他のフェムトセルシステムと通信する従属デバイスのチャネル品質情報γ
iを第1のフェムトセルシステムに送信するように構成されてもよい。第1のフェムトセルシステムは、少なくとも1つのその他のフェムトセルシステムのチャネル品質情報γ
iを受信するように構成されてもよい。第1のフェムトセルシステムはまた、少なくとも1つのその他のフェムトセルシステムの各々によって受信されたチャネル品質情報γ
iに従って、通信システムへのリソースの使用の影響を推定するように構成されてもよい。次いで、第1のフェムトセルシステムは、リソースを使用すべきかどうかを決定することができる。第1のフェムトセルシステムはさらに、少なくとも1つのその他のフェムトセルシステムのチャネル品質情報γ
iを第1のフェムトセルシステムにおいて格納するように構成されてもよい。さまざまなフェムトセルシステムが、特定の期間における各搬送波κのチャネル品質情報γ
iをブロードキャストすることによって、従属デバイスのチャネル品質情報γ
iを送信するように構成されてもよい。フェムトセルはいずれも、そのような情報を、フェムトセル環境内のその他の近接フェムトセルにブロードキャストすることができる。
【0069】
1つの実施形態において、第1のフェムトセルは、第1のフェムトセルシステムと少なくとも1つのその他のフェムトセルシステムとの間のフェーディング値のフェーディングマトリクスFを取得するように構成されてもよい。次いで、第1のフェムトセルシステムは、所定のしきい値Γ
Tに関連してフェーディング値によって決定されるフェーディングマトリクスFに対応する干渉相関マトリクスDを第1のフェムトセルシステムにおいて決定することができる。第1のフェムトセルシステムは、搬送波κで取得され得る第1のフェムトセルシステムのスループットT
0κを推定することを備える、通信システムへのリソースの使用の影響の推定することを行なうように構成されてもよい。
【0070】
1つの実施形態において、第1のフェムトセルシステムは、通信システムへのリソースの使用の影響を推定するように構成されてもよい。そのような構成は、第1のフェムトセルシステムとの最強の干渉を伴う第2のフェムトセルシステム、および第1のフェムトセルシステムと第2のフェムトセルシステムとの間の最強の干渉を伴う搬送波κ1を識別するために、干渉相関マトリクスDを使用する能力を促進することができる。Γ
Tが所定のしきい値に対応するものとして、T
0κ<Γ
Tではない場合、第1のフェムトセルシステムは、少なくとも実質的にκ1と直交である搬送波κ2を使用することに関して、第2のフェムトセルシステムとネゴシエートする。T
0κ<Γ
Tである場合、第1のフェムトセルシステムは、搬送波κ1を使用することに関して、第2のフェムトセルシステムとネゴシエートする。
【0071】
1つの実施形態において、第1のフェムトセルシステムは、通信システムへのリソースの使用の影響を推定するように構成されてもよい。これは、第1のフェムトセルシステムのどの搬送波が第1のフェムトセルシステムによって使用されているかを決定するように構成されることを含むことができる。第1のフェムトセルシステムは、第1のフェムトセルシステムによって使用されている搬送波の各々について、第1のフェムトセルシステムが搬送波κを放棄する場合、第1のフェムトセルシステムが、第1のフェムトセルシステムにおけるスループットの減分がどれほどになるであろうかに対応する搬送波κのスループットT
0κを計算すること、および第1のフェムトセルシステムが搬送波κを放棄した後に、フェムトセル
iのスループットの増分ΔT
iを推定することによって、通信システムへのリソースの使用の影響を推定するように構成されてもよく、ここでiは、フェーディング値が所定のしきい値Γ
Tよりも小さい場合のその他のフェムトセルシステムの集合I内の少なくとも1つのその他のフェムトセルシステムの各々に対応する。
【0072】
1つの実施形態において、第1のフェムトセルシステムは、T
0κおよびΔT
iが式(1)を満足する場合に、第1のフェムトセルシステムにおいて搬送波κを放棄すること、またはT
0κおよびΔT
iが式(1)を満足しない場合に、搬送波κを引き続き使用することによって、リソースを使用すべきかどうかを決定するように構成されてもよい。
【0073】
1つの実施形態において、第1のフェムトセルシステムは、第1のフェムトセルシステムが搬送波を放棄した後、フェムトセル
iのスループットの増分ΔT
iを推定するように構成されてもよく、これは、集合I内のその他のフェムトセル
iシステムの各々の干渉I
iを、第1のフェムトセルシステムの干渉I
0と等しくなるように近似することと、第1のフェムトセルシステムにおいて受信されたチャネル品質情報γ
iを使用してチャネル品質γ
i’、第1のフェムトセルシステムと集合I内の1つのその他のフェムトセル
iシステムの各々との間のフェーディング状況F
0、i、第1のフェムトセルシステムと集合I内の少なくとも1つのその他のフェムトセル
iシステムの各々のI
iとの間のフェーディング状況F
0、1、および第1のフェムトセルシステムの伝送パワーP
0を推定することを含むことができる。推定は、本明細書において定義される式(2)、式(3)、および式(4)に従って実行されてもよい。そのようなものとして、第1のフェムトセルシステムは、フェムトセル
iの伝送パワーであるP
i、フェムトセル
iにより受信される干渉パワーであるI
i、第1のフェムトセルシステムによるフェムトセル
iの伝送パワーの推定であるP
i’、および雑音パワーであるNを決定するように構成されてもよい。
【0074】
1つの実施形態において、第1のフェムトセルシステムは、通信システムへのリソースの使用の影響を推定するように構成されてもよい。そのような構成は、第1のフェムトセルシステムによって使用されていない搬送波の各々について、第1のフェムトセルシステムが搬送波κを使用する場合、通信システムにおけるスループットの増分ΔT
iに対応する搬送波κのスループットT
0κを計算することとを含むことができる。構成はまた、第1のフェムトセルシステムが搬送波κを放棄した後に、フェムトセル
iのスループットの増分ΔT
iを推定することを含むことができ、ここでiは、フェーディング値が所定のしきい値Γ
Tよりも小さい場合のその他のフェムトセルシステムの集合I内の少なくとも1つのその他のフェムトセルシステムの各々に対応する。
【0075】
1つの実施形態において、第1のフェムトセルシステムは、リソースを使用すべきかどうかを決定することができ、これは、T
0κおよびΔT
iが式(5)を満足する場合に、第1のフェムトセルシステムにおいて搬送波κを使用することであって、|I
0|はフェーディング値が所定のしきい値Γ
Tよりも小さい場合のその他のフェムトセルシステムの集合I内の要素の数であること、または、T
0κおよびΔT
iが式(5)を満足しない場合に、搬送波κを使用しないことを含むことができる。
【0076】
本開示は、本出願において説明される特定の実施形態に関して限定されるべきではなく、実施形態はさまざまな態様を例示することを目的としている。当業者には明らかであるように、その精神および範囲を逸脱することなく多くの変更および変形が行なわれてもよい。本明細書において列挙される方法および装置に加えて、本開示の範囲内の機能的に等価の方法および装置は、上記の説明から当業者には明らかとなるであろう。そのような変更および変形は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。本開示は、添付の特許請求の範囲の条項、ならびにそのような特許請求の範囲が権利を有する等価物の全範囲によってのみ限定されるものとする。また、本明細書において使用される用語が、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定的であることは意図されていないことも理解されたい。
【0077】
例示的な実施形態において、本明細書において説明される操作、プロセスなどはいずれも、コンピュータ可読媒体に格納されたコンピュータ可読命令として実施されてもよい。コンピュータ可読命令は、モバイルユニット、ネットワーク要素、および/またはその他のコンピューティングデバイスのプロセッサによって実行されてもよい。
【0078】
システムの側面でのハードウェアの実装形態とソフトウェアの実装形態との間には、ほとんど相違が残されていない。ハードウェアまたはソフトウェアの使用は、一般に(いつもそうではないが、ある状況ではハードウェアとソフトウェアの間の選択が重要になり得るという点で)コスト対効果のトレードオフを表す設計上の選択である。本明細書に記載された、プロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術をもたらすことができるさまざまな達成手段があり(たとえば、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェア)、好ましい達成手段は、プロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術が導入される状況によって異なる。たとえば、実装者が速度と正確性が最も重要であると決定すると、実装者は主にハードウェアおよび/またはファームウェアの達成手段を選択することができる。フレキシビリティが最も重要なら、実装者は主にソフトウェアの実装形態を選択することができる。または、さらに別の代替案として、実装者は、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアのなんらかの組み合わせを選択することができる。本明細書に記載されたモジュールは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアを含むことができる。
【0079】
前述の詳細な説明では、ブロック図、フローチャート、および/または例の使用によって、プロセスのさまざまな実施形態を説明してきた。そのようなブロック図、フローチャート、および/または例が1つまたは複数の機能および/または動作を含む限りにおいて、そのようなブロック図、フローチャート、または例の中のそれぞれの機能および/または動作は、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または実質上それらのすべての組み合わせにより、個別におよび/または集合的に実装可能であることが、当業者には理解されるであろう。ある実施形態では、本明細書に記載された主題のいくつかの部分は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、または他の集積化方式によって実装することができる。しかし、本明細書で開示された実施形態のいくつかの態様が、全体においてまたは一部において、1つまたは複数のコンピュータ上で動作する1つまたは複数のコンピュータプログラムとして(たとえば、1つまたは複数のコンピュータシステム上で動作する1つまたは複数のプログラムとして)、1つまたは複数のプロセッサ上で動作する1つまたは複数のプログラムとして(たとえば、1つまたは複数のマイクロプロセッサ上で動作する1つまたは複数のプログラムとして)、ファームウェアとして、あるいは実質上それらの任意の組み合わせとして、等価に集積回路に実装することができることを、当業者は認識するであろうし、電気回路の設計ならびに/またはソフトウェアおよび/もしくはファームウェアのコーディングが、本開示に照らして十分当業者の技能の範囲内であることを、当業者は認識するであろう。さらに、本明細書に記載された主題のメカニズムをさまざまな形式のプログラム製品として配布することができることを、当業者は理解するであろうし、本明細書に記載された主題の例示的な実施形態が、実際に配布を実行するために使用される信号伝達媒体の特定のタイプにかかわらず適用されることを、当業者は理解するであろう。信号伝達媒体の例には、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ、CD、DVD、デジタルテープ、コンピュータメモリ、などの記録可能なタイプの媒体、ならびに、デジタル通信媒体および/またはアナログ通信媒体(たとえば、光ファイバケーブル、導波管、有線通信リンク、無線通信リンクなど)の通信タイプの媒体が含まれるが、それらには限定されない。
【0080】
本明細書で説明したやり方で装置および/またはプロセスを記載し、その後そのように記載された装置および/またはプロセスを、データ処理システムに統合するためにエンジニアリング方式を使用することは、当技術分野で一般的であることを当業者は認識するであろう。すなわち、本明細書に記載された装置および/またはプロセスの少なくとも一部を、妥当な数の実験によってデータ処理システムに統合することができる。通常のデータ処理システムは、一般に、システムユニットハウジング、ビデオディスプレイ装置、揮発性メモリおよび不揮発性メモリなどのメモリ、マイクロプロセッサおよびデジタル信号プロセッサなどのプロセッサ、オペレーティングシステムなどの計算実体、ドライバ、グラフィカルユーザインターフェース、およびアプリケーションプログラムのうちの1つもしくは複数、タッチパッドもしくはスクリーンなどの1つもしくは複数の相互作用装置、ならびに/またはフィードバックループおよびコントロールモータを含むコントロールシステム(たとえば、位置検知用および/もしくは速度検知用フィードバック、コンポーネントの移動用および/もしくは数量の調整用コントロールモータ)を含むことを、当業者は理解するであろう。通常のデータ処理システムは、データコンピューティング/通信システムおよび/またはネットワークコンピューティング/通信システムの中に一般に見られるコンポーネントなどの、市販の適切なコンポーネントを利用して実装することができる。
【0081】
本明細書に記載された主題は、さまざまなコンポーネントをしばしば例示しており、これらのコンポーネントは、他のさまざまなコンポーネントに包含されるか、または他のさまざまなコンポーネントに接続される。そのように図示されたアーキテクチャは、単に例示にすぎず、実際には、同じ機能を実現する多くの他のアーキテクチャが実装可能であることが理解されよう。概念的な意味で、同じ機能を実現するコンポーネントの任意の構成は、所望の機能が実現されるように効果的に「関連付け」される。したがって、特定の機能を実現するために組み合わされた、本明細書における任意の2つのコンポーネントは、アーキテクチャまたは中間のコンポーネントにかかわらず、所望の機能が実現されるように、お互いに「関連付け」されていると見ることができる。同様に、そのように関連付けされた任意の2つのコンポーネントは、所望の機能を実現するために、互いに「動作可能に接続」または「動作可能に結合」されていると見なすこともでき、そのように関連付け可能な任意の2つのコンポーネントは、所望の機能を実現するために、互いに「動作可能に結合できる」と見なすこともできる。動作可能に結合できる場合の具体例には、物理的にかみ合わせ可能な、および/もしくは物理的に相互作用するコンポーネント、ならびに/またはワイヤレスに相互作用可能な、および/もしくはワイヤレスに相互作用するコンポーネント、ならびに/または論理的に相互作用する、および/もしくは論理的に相互作用可能なコンポーネントが含まれるが、それらに限定されない。
【0082】
各フェムトセルシステムは、コンピューティングデバイスの特徴を含むことができる。
図3は、本明細書において説明されるシステムと共に動作するように構成される例示的なコンピューティングデバイス300を示す。特に、示されているコンピューティングデバイス300は、フェムトセルシステムとして構成されてもよいか、またはフェムトセルシステムに含まれてもよい。また、コンピューティングデバイス300のさまざまなコンポーネントは、
図2のフェムトセルに含まれてもよい。コンピューティングデバイス300は、本明細書において説明される少なくとも一部の実施形態によるコンポーネント、ネットワーク、および/またはシステムのいずれかと共に構成されてもよいか、または動作可能に結合されてもよい。極めて基本的な構成302において、コンピューティングデバイス300は一般に、1つまたは複数のプロセッサ304およびシステムメモリ306を含む。メモリバス308は、プロセッサ304とシステムメモリ306との間で通信するために使用されてもよい。
【0083】
望ましい構成に応じて、プロセッサ304は、マイクロプロセッサ(μP)、マイクロコントローラ(μC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、またはそれらの任意の組み合わせを含む任意のタイプであってもよいが、これらに限定されることはない。プロセッサ304は、レベル1キャッシュ319およびレベル2キャッシュ312のような、1つまたは複数のレベルのキャッシング、プロセッサコア314、およびレジスタ316を含むことができる。例示的なプロセッサコア314は、演算論理装置(ALU:arithmetic logic unit)、浮動小数点演算ユニット(FPU:floating point unit)、デジタル信号処理コア(DSP Core:digital signal processing core)、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。例示的なメモリコントローラ318はまた、プロセッサ304と共に使用されてもよいか、または一部の実施態様において、メモリコントローラ318はプロセッサ304の内部部品であってもよい。
【0084】
望ましい構成に応じて、システムメモリ306は、(RAMのような)揮発性メモリ、(ROM、フラッシュメモリなどのような)不揮発性メモリ、またはそれらの任意の組み合わせを含む任意のタイプであってもよいが、これらに限定されることはない。システムメモリ306は、オペレーティングシステム320、1つまたは複数のアプリケーション322、およびプログラムデータ324を含むことができる。アプリケーション322は、本明細書において説明される機能を実行するように構成される決定アプリケーション326を含むことができる。プログラムデータ324は、情報を分析するために有用となり得る決定情報328を含むことができる。一部の実施形態において、アプリケーション322は、信頼できないコンピューティングノードによって実行される作業が本明細書において説明されるように検証され得るように、オペレーティングシステム320でプログラムデータ324と共に動作するように構成されてもよい。この説明される基本構成302は、
図3で内部破線内のコンポーネントによって示される。
【0085】
コンピューティングデバイス300は、追加の特徴または機能、および追加のインターフェースを有して、基本構成302と、任意の必要なデバイスおよびインターフェースとの間の通信を容易にすることができる。たとえば、バス/インターフェースコントローラ330は、ストレージインターフェースバス334を介して基本構成302と1つまたは複数のデータストレージデバイス332との間の通信を容易にするために使用されてもよい。データストレージデバイス332は、取り外し可能ストレージデバイス336、固定式ストレージデバイス338、またはその組み合わせであってもよい。取り外し可能ストレージデバイスおよび固定式ストレージデバイスの例は、ほんの一部をあげると、フレキシブルディスクドライブおよびハードディスクドライブ(HDD)のような磁気ディスクデバイス、コンパクトディスク(CD)ドライブまたはデジタル多用途ディスク(DVD)ドライブのような光ディスクドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)、およびテープドライブを含む。例示的なコンピュータストレージ媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールおよびその他のデータのような情報の格納のための任意の方法または技術で実施された揮発性および不揮発性の、取り外し可能および固定式媒体を含むことができる。
【0086】
システムメモリ306、取り外し可能ストレージデバイス336、および固定式ストレージデバイス338は、コンピュータストレージ媒体の例である。コンピュータストレージ媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたはその他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)またはその他の光ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージまたはその他の磁気ストレージデバイス、もしくは望ましい情報を格納するために使用され得る、コンピューティングデバイス300によってアクセスされ得る任意の他の媒体を含むが、これらに限定されることはない。任意のそのようなコンピュータストレージ媒体は、コンピューティングデバイス300の一部を構成することができる。
【0087】
コンピューティングデバイス300はまた、さまざまなインターフェースデバイス(たとえば、出力デバイス342、周辺インターフェース344、および通信デバイス346)から基本構成302へのバス/インターフェースコントローラ330を介する通信を容易にするためのインターフェースバス340を含むこともできる。例示的な出力イデバイス342は、グラフィックス処理ユニット348およびオーディオ処理ユニット350を含み、これらは1つまたは複数のA/Vポート352を介してディスプレイまたはスピーカのようなさまざまな外部デバイスと通信するように構成されてもよい。例示的な周辺インターフェース344は、シリアルインターフェースコントローラ354またはパラレルインターフェースコントローラ356を含み、これらは1つまたは複数の入出力ポート358を介して入力デバイス(たとえば、キーボード、マウス、ペン、音声入力デバイス、タッチ入力デバイスなど)またはその他の周辺デバイス(たとえば、プリンタ、スキャナなど)のような外部デバイスと通信するように構成されてもよい。例示的な通信デバイス346はネットワークコントローラ360を含み、これは1つまたは複数の通信ポート364を介するネットワーク通信リンク(すなわち、ネットワーク118)上の1つまたは複数のその他のコンピューティングデバイス362との通信を容易にするために構成されてもよい。
【0088】
ネットワーク通信リンクは、通信媒体の一例であってもよい。通信媒体は一般に、搬送波または他のトランスポート機構のような、変調データ信号のコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、またはその他のデータによって具現されてもよく、任意の情報配信媒体を含むことができる。「変調データ信号」は、信号の特性セットの1つまたは複数を有する信号、または信号の情報をエンコードするような方法で変更された信号であってもよい。限定的ではなく、一例として、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続のような有線媒体、ならびに音響、無線周波数(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)および他の無線媒体のような無線媒体を含むことができるが、これらに限定されることはない。本明細書に使用されているコンピュータ可読媒体という用語は、ストレージ媒体および通信媒体の両方を含むことができる。
【0089】
コンピューティングデバイス300は、携帯電話、携帯情報端末(PDA)のような小型フォームファクタポータブル(またはモバイル)電子デバイス、パーソナルメディアプレイヤーデバイス、無線Web視聴デバイス、パーソナルハンドセットデバイス、アプリケーション固有デバイス、または上記の機能のいずれかを含む混合デバイスの一部として実施されてもよい。コンピューティングデバイス300はまた、ラップトップコンピュータおよびラップトップコンピュータ以外の構成を含むパーソナルコンピュータとして実施されてもよい。
【0090】
本開示は、本出願において説明される特定の実施形態に関して限定されるべきではなく、実施形態はさまざまな態様を例示することを目的としている。当業者には明らかであるように、その精神および範囲を逸脱することなく多くの変更および変形が行なわれてもよい。本明細書において列挙される方法および装置に加えて、本開示の範囲内の機能的に等価の方法および装置は、上記の説明から当業者には明らかとなるであろう。そのような変更および変形は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。本開示は、添付の特許請求の範囲の条項、ならびにそのような特許請求の範囲が権利を有する等価物の全範囲によってのみ限定されるものとする。また、本明細書において使用される用語が、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定的であることは意図されていないことも理解されたい。
【0091】
本明細書における実質的にすべての複数形および/または単数形の用語の使用に対して、当業者は、状況および/または用途に適切なように、複数形から単数形に、および/または単数形から複数形に変換することができる。さまざまな単数形/複数形の置き換えは、理解しやすいように、本明細書で明確に説明することができる。
【0092】
通常、本明細書において、特に添付の特許請求の範囲(たとえば、添付の特許請求の範囲の本体部)において使用される用語は、全体を通じて「オープンな(open)」用語として意図されていることが、当業者には理解されよう(たとえば、用語「含む(including)」は、「含むがそれに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「含むがそれに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきである、など)。導入される請求項で具体的な数の記載が意図される場合、そのような意図は、当該請求項において明示的に記載されることになり、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者にはさらに理解されよう。たとえば、理解の一助として、添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの(at least one)」および「1つまたは複数の(one or more)」を使用して請求項の記載を導くことを含む場合がある。しかし、そのような句の使用は、同一の請求項が、導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」および「a」または「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのように導入される請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、単に1つのそのような記載を含む実施形態に限定する、ということを示唆していると解釈されるべきではない(たとえば、「a」および/または「an」は、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)。同じことが、請求項の記載を導入するのに使用される定冠詞の使用にも当てはまる。また、導入される請求項の記載で具体的な数が明示的に記載されている場合でも、そのような記載は、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることが、当業者には理解されよう(たとえば、他の修飾語なしでの「2つの記載(two recitations)」の単なる記載は、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。さらに、「A、BおよびC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(たとえば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。「A、B、またはC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(たとえば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。2つ以上の代替用語を提示する事実上いかなる離接する語および/または句も、明細書、特許請求の範囲、または図面のどこにあっても、当該用語の一方(one of the terms)、当該用語のいずれか(either of the terms)、または両方の用語(both terms)を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者にはさらに理解されよう。たとえば、句「AまたはB」は、「A」または「B」あるいは「AおよびB」の可能性を含むことが理解されよう。
【0093】
加えて、本開示の特徴または態様がマーカッシュ形式のグループに関して説明される場合、それにより本開示はまた、マーカッシュ形式のグループの構成要素の任意の個々の構成要素または構成要素のサブグループに関しても説明されることを、当業者であれば理解するであろう。
【0094】
書面による説明を行なうことに関してなど、任意およびすべての目的のため、当業者によって理解されるであろうように、本明細書において開示されるあらゆる範囲はまた、任意およびすべての可能な下位範囲およびその下位範囲の組み合わせを網羅する。任意の一覧される範囲は、同範囲が少なくとも等価の2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分割されることを十分に説明および可能にするものと容易に理解されてもよい。非限定的な例として、本明細書において説明される各範囲は、下3分の1、中3分の1、および上3分の1などに容易に分解されてもよい。さらに当業者によって理解されるであろうように、「最大(up to)」、「少なくとも(at least)」などのようなすべての表現は、列挙される数を含み、引き続き上記で説明されている下位範囲に分解されてもよい範囲を示す。最後に、当業者には理解されるように、範囲は各々個別の構成要素を含む。したがって、たとえば、1〜3のセルを有するグループは、1、2、または3のセルを有するグループを示す。同様に、1〜5のセルを有するグループは、1、2、3、4、または5のセルを有するグループを示し、以下同様である。
【0095】
前述の説明から、本開示のさまざまな実施形態が、例示を目的として本明細書において説明されており、本開示の範囲および精神を逸脱することなくさまざまな変更が行なわれてもよいことが理解されよう。したがって、本明細書において開示されるさまざまな実施形態は、限定的であることを意図されておらず、真の範囲および精神は後段の特許請求の範囲により示される。本明細書において列挙されるすべての参照は、個別の参照により全体として本明細書に組み入れられる。
【0096】
本明細書において使用される記号は、以下のように定義され得る。スループットT
0κ;搬送波κ;搬送波κ1;搬送波κ2;フェーディングマトリクスF;フェムトセル0、i間のフェーディング値F
0、i;干渉相関マトリクスD;所定のしきい値Γ
T;フェムトセル
iのスループット増分ΔT
i;iは1つまたは複数のその他のフェムトセルシステムの集合I内の1つまたは複数のその他のフェムトセルシステムに対応する;フェムトセル
iの干渉I
i;第1のフェムトセルシステムの干渉I
0;推定されるチャネル品質γ
i’ ;チャネル品質情報γ
i;第1のフェムトセルシステムの伝送パワーP
0;P
iはフェムトセル
iの伝送パワーである;I
iはフェムトセル
iにより受信される干渉パワーである;P
i’は第1のフェムトセルシステムによるフェムトセル
iの伝送パワーの推定である;Nは雑音パワーである;および|I
0|は、その他のフェムトセルシステムの集合I内の要素の数であり、ここでフェーディング値は所定のしきい値Γ
Tよりも小さい。
【0097】
本明細書において示される関係は、次のとおりである。κ1についてT
0κ<Γ
Tではない場合、第2の搬送波κ2を使用する、κ1についてT
0κ<Γ
Tである場合、第1の搬送波κ1を使用する、T
0κ>Σ
i∈IΔT
iである場合、搬送波κを放棄する、T
0κ>Σ
i∈IΔT
iではない場合、搬送波κを使用する。
【0098】
本明細書において示される式は、以下のものを含む。
(1) T
0κ>Σ
i∈IΔT
i